特許第5698846号(P5698846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5698846タッチパネルとタッチ入力デバイス、及びマルチタッチポイントの真実座標を判定するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698846
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】タッチパネルとタッチ入力デバイス、及びマルチタッチポイントの真実座標を判定するための方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150319BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   G06F3/041 422
   G06F3/041 590
   G06F3/044 120
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-524332(P2013-524332)
(86)(22)【出願日】2010年9月8日
(65)【公表番号】特表2013-534343(P2013-534343A)
(43)【公表日】2013年9月2日
(86)【国際出願番号】CN2010076736
(87)【国際公開番号】WO2012022053
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2013年2月13日
(31)【優先権主張番号】201010257478.4
(32)【優先日】2010年8月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512299015
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ヨーン
【審査官】 中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0066701(US,A1)
【文献】 特開昭64−003722(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0150906(US,A1)
【文献】 特開昭61−074024(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0019780(US,A1)
【文献】 特開2010−140465(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101644974(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101799733(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチタッチポイントの真実座標を判定するタッチパネルであって、
複数の第1のパスと複数の第2のパスを有する検知パス層と、
複数の第3のパスを有する消去パス層とを備え
前記複数の第3のパスは、アクティブな出力に接続されることにより、前記複数の第1のパスと前記複数の第2のパスとをスキャン中にシールドとして機能し、
前記消去パス層と、前記検知パス層とは、互いに異なる層に設置される、タッチパネル。
【請求項2】
前記複数の第1のパスと、前記複数の第2のパスと、前記複数の第3のパスとは、異なる方向に伸びる、請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
各前記第1のパス、各前記第2のパス、及び各前記第3のパスは、少なくとも2本のパスにより構成される、請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記複数の第1のパス、前記複数の第2のパス、及び前記複数の第3のパスは、投影型の容量型電極である、請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記検知パス層は、前記消去パス層と絶縁されている、請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記複数の第3のパスは、夫々の前記第1のパス、夫々の前記第2のパスと角度を成す、請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記複数の第1のパスは、前記複数の第2のパスと交差し、前記複数の第2のパスと絶縁されている、請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記検知パス層は、絶縁層を備え
前記複数の第1のパスと前記複数の第2のパスは、前記絶縁層の相反対する面に設けられている、請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記検知パス層は、前記複数の第1のパスと前記複数の第2のパスの間の、前記複数の第1のパスと前記複数の第2のパスの交差点に設けられた複数の絶縁素子を有する、請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項10】
各前記第1のパスは、
互いに離れた複数の第1の導電セルと、
前記複数の第1の導電セルに接続する少なくとも1つの第1の導電線とを有し、
各前記第2のパスは、
互いに離れた複数の第2の導電セルと、
前記複数の第2の導電セルに接続する少なくとも1つの第2の導電線とを有する、請求項8または9に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記検知パス層と前記消去パス層の間に位置する絶縁基板をさらに備える、請求項5に記載のタッチパネル。
【請求項12】
第1のパスを構成するパス同士が互いに平行であり、第2のパスを構成するパス同士が互いに平行であり、第2のパスを構成するパス同士が互いに平行である、
請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項13】
マルチタッチポイントの真実座標を判定するためのタッチ入力デバイスであって、
タッチパネルと、
プロセッサとを備え、
前記タッチパネルは、
複数の第1のパスと複数の第2のパスを有する検知パス層と、
複数の第3のパスを有する消去パス層とを備え、
前記プロセッサは、
前記検知パス層と前記消去パス層に電気的に接続されており、
前記複数の第3のパスは、アクティブな出力に接続されることにより、前記複数の第1のパスと前記複数の第2のパスとをスキャン中にシールドとして機能し、
前記消去パス層と、前記検知パス層とは、異なる層に設置されている、タッチ入力デバイス。
【請求項14】
マルチタッチポイントの真実座標を判定する方法において、
a)検知パス層と消去パス層とが異なる層に設置されており、前記消去パス層の複数の第3のパスが、アクティブな出力に接続されることにより、前記検知パス層の複数の第1のパスと前記複数の第2のパスとをスキャン中にシールドとして機能する間に、検知パス層の複数の第1のパスと複数の第2のパスをスキャンすることによりタッチデバイスの表面上に生じたマルチタッチポイントのロー(raw)座標を検出するステップと、
b)前記消去パス層の前記複数の第3のパスをスキャンすることにより前記マルチタッチポイントの前記ロー座標から前記マルチタッチポイントのゴースト座標を消去して、前記マルチタッチポイントの前記真実座標を出力するステップとを有する、方法。
【請求項15】
マルチタッチポイントの真実座標を判定する方法において、
a)検知パス層と消去パス層とが異なる層に設置されており、前記消去パス層の第3の方向における複数の第3のパスがアクティブな出力に接続されることにより前記複数の第1のパスと前記複数の第2のパスとをスキャン中にシールドとして機能する間において、前記検知パス層の第1の方向における複数の第1のパスと第2の方向における複数の第2のパスをスキャンするステップと、
b)前記第1の方向と前記第2の方向における、前記タッチポイントに対応する自己容量の変化の重心を計算すると共に、前記重心に基づいて、前記タッチポイントのロー(raw)座標を算出するステップと、
c)前記ステップ(b)において前記第1の方向と前記第2の方向のいずれにおいても少なくとも2つの前記重心が算出されたときに、前記複数の第3のパスをスキャンするステップと、
d)前記タッチポイントの前記第3の方向における投影を算出するステップと、
e)前記タッチポイントの前記ロー座標の前記第3の方向における投影を算出するステップと、
f)前記タッチポイントの各前記投影と、前記タッチポイントの前記ロー座標の各前記投影との距離を、閾値と比較するステップと、
g)ステップ(f)において前記距離が前記閾値より小さいときに、前記タッチポイントの前記ロー座標を該タッチポイントの真実座標として出力するステップとを有する、方法。
【請求項16】
前記ステップ(a)は、さらに、前記消去パス層の前記複数の第3のパスを短絡させてグランドに接続する処理を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(c)は、さらに、前記検知パス層の前記複数の第1のパスと前記複数の第2のパスをフローティング状態にさせる処理を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ステップ(g)は、さらに、ステップ(f)において前記距離が前記閾値より大きいときに、前記タッチポイントの前記ロー座標を該タッチポイントのゴースト座標として消去する処理を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル、タッチ入力デバイス、及びマルチタッチポイントのロー座標(raw coordinate)の検出中に真実座標(real coordinate)を判定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ二十年の間、ATM(現金自動預け払い機)のタッチスクリーンや、ラップトップコンピュータのトラックパッドや、メディアプレイヤーのスクロールホイールのように、タッチ技術は、様々なカスタマーアプリケーションに受け入れられるようになってきた。これらのカスタマーアプリケーションの中に、タッチセンサーの表面に沿った、指やタッチペンのような物体の動きは、タッチセンサーにより検出され、後続プロセスのための電気信号が生成される。
【0003】
抵抗型検出タイプや、容量型検出タイプや、音波型検出タイプや、光学型検出タイプなど、様々なタイプのタッチ検出方法がある。容量型検出タイプの場合、タッチセンサーは、金属や人体の一部などの導電性物体の近接に起因する容量の変化を検出することによりタッチ場所を検知する。容量型タッチセンサーは、投影型と表面型に分類される。投影型の容量型タッチセンサーは格子状の電極パターンを有し、表面型の容量型タッチセンサーは、連続した導電性シートの辺縁に形成された電極を有する。
【0004】
図1図2は、第1の方向に設けられた複数第1の電極2と、第2の方向に設けられた複数の第2の電極3と、絶縁物4と、基板5を有する、従来の投影型の容量型タッチパネル1を示す。複数の第1の電極2と複数の第2の電極3は、互いに交差して、基板5上に格子状のパターンを形成する。絶縁物4は、複数の第1の電極2と複数の第2の電極3の間に設けられている。また、複数の第1の電極2と第2の電極3には、プロセッサ(図示せず)が接続されている。指またはタッチペンなどの導電性物体が投影型の容量型タッチパネル1をタッチしている、または投影型の容量型タッチパネル1上を移動しているとき、第1の方向における第1の電極2上と第2の方向における第2の電極3上の両方に生じた自己容量の変化は、プロセッサに伝送されると共にプロセッサにより処理されることができる。投影型の容量型タッチパネル1の第1の方向と第2の方向におけるタッチポイントの位置を示すために、自己容量の変化の重心(centroid)が算出される。タッチポイントの座標は、第1の方向と第2の方向における上記重心を交差させることにより算出される。換言すれば、タッチポイントを検出する従来の方法は、下記のステップを有する。
a)第1の方向における第1の電極2のスキャンと第2の方向における第2の電極3のスキャンをする。
b)第1の方向と第2の方向における自己容量の変化の重心を算出する。
c)重心に基づいてタッチポイントの座標を算出する。
【0005】
図3に示すように、投影型の容量型タッチパネル1の表面に2つのタッチポイントC、Dが生じたときに、第1の電極2上に2つの重心6a、6bが検出されると共に、第2の電極3上に2つの重心7a、7bが検出される。そのため、4つのロー座標C(6a,7a)、C'(6a,7b)、D'(6b,7a)、D(6b,7b)が算出されるが、そのうちの2つが真実座標であり、他の2つがゴースト座標である。
【0006】
音波型タッチセンサーは、音波を発するためのエレメントと、音波を受けるための別のエレメントを有し、タッチセンサーの表面を音波を伝送させる。物体のタッチは、波の一部のエネルギーを吸収し、タッチ場所において検出される。表面を伝わる波が赤外線波のような光波である点を除き、光学型のタッチセンサーは、音波型のタッチセンサーと似た動作をする。上記の検出方法に基づき、音波型タッチパネルと光学型パッチパネルは、2つの方向における検出パスを用いて、タッチポイントの座標を算出することができる。そのため、音波型または光学型のタッチパネル上に2つ以上のタッチポイントがあるときに、ゴースト座標は、必ず発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
結果として、上述した従来のタッチパネルは、複数のタッチポイント(マルチタッチポイント)を検出する点において、これらのタッチパネルの応用とオペレーションを制限するゴースト座標の問題がある。従って、上述したタッチパネルに対して、マルチタッチポイントを検出するプロセスにおいてゴースト座標を消去する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの目的は、マルチタッチポイントを検出するためのタッチパネルを提供することにあり、該タッチパネルは、マルチタッチポイントのロー座標からゴースト座標を削除して真実座標を判定することができる。
【0009】
マルチタッチポイントを検出するためのタッチパネルは、前記マルチタッチポイントをのロー座標を検出するための複数の第1のパスと複数の第2のパスを有する検出パス層と、複数の第3のパスを有する消去パス層とを備える。複数の第1のパスの方向及び複数の第2のパスの方向と異なる第3の方向に伸びる複数の第3のパスを有する該層は、前記マルチタッチポイントのロー座標からこれらのマルチタッチポイントのゴースト座標を消去して前記マルチタッチポイントの座標を出力するためのものである(このために「消去パス層」と呼ばれる)。
【0010】
本発明の別の目的は、マルチタッチポイントの真実座標を判定する方法を提供することにある。
【0011】
マルチタッチポイントの真実座標を判定する方法は、下記のステップを含む。
(a)少なくとも2つのタッチポイントが生じたときに、検知パス層の第1の方向における複数の第1のパスと第2の方向における複数の第2のパスをスキャンするステップ。
(b)前記第1の方向と前記第2の方向における、前記タッチポイントに対応する自己容量の変化の重心を計算すると共に、前記重心を交差させることにより、前記タッチポイントのロー座標を算出するステップ。
(c)前記ステップ(b)において前記第1の方向と前記第2の方向ののいずれにおいても少なくとも2つの前記重心が算出されたときに、消去パス層の第3の方向における複数の第3のパスをスキャンするステップ。
(d)前記タッチポイントの前記第3の方向における投影を算出するステップ。
(e)前記タッチポイントの前記ロー座標の前記第3の方向における投影を算出するステップ。
(f)前記タッチポイントの各前記投影と、前記タッチポイントの前記ロー座標の各前記投影との距離を、閾値と比較するステップ。
(g)ステップ(f)において前記距離が前記閾値より小さいときに、前記タッチポイントの前記ロー座標を該タッチポイントの真実座標として出力するステップ。
【発明の効果】
【0012】
上述したタッチパネルによれば、従来のタッチパネルの欠点を克服し、ゴースト座標を消去して、マルチタッチポイントの検出するプロセスにおいて真実座標を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
各図面に含まれる要素は、実際の寸法通りに描かれておらず、その代わりに本開示の原理を示すように重点が明確にされている。また、全図面において、同一のパーツに対して同一の符号が付与されている。
【0014】
図1】従来の投影型の容量型タッチパネルの概略平面図である。
【0015】
図2図1におけるラインA−Aに沿った概略断面図である。
【0016】
図3図1に示す投影型の容量型タッチパネル上に生じた2つのタッチポイントを示す図である。
【0017】
図4a】検知パス層と消去パス層を含むタッチパネルの第1の実施の形態の概略断面図である。
【0018】
図4b図4aの検知パス層の概略平面図である。
【0019】
図4c図4aの消去パス層の概略平面図である。
【0020】
図5図4aのタッチパネルを含むタッチ入力デバイスの一実施の形態の概略平面図である。
【0021】
図6a】検知パス層を含むタッチパネルの第2の実施の形態の概略断面図である。
【0022】
図6b図6aの検知パス層の概略平面図である。
【0023】
図7】タッチパネルの第3の実施の形態の検知パス層の概略断面図である。
【0024】
図8】タッチパネルの第4の実施の形態の検知パス層の概略断面図である。
【0025】
図9】タッチパネル上のマルチタッチポイントの真実座標を判定する手法の一実施の形態のフローチャートである。
【0026】
図10図4aのタッチパネル上に2つのタッチポイントが生じたときの4つのロー座標を示す図である。
【0027】
図11図10の2つのタッチポイントのロー座標の第3の方向における投影を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示は、例示であり、同一の符号により同様の要素を示す付属の図面により限定されることが無い。本開示では、「1」または「一」実施の形態に対して付与された符号は、同一の実施の形態に限られることが無いと共に、少なくとも1つを意味する。
【0029】
図4aは、マルチタッチポイントを判定するための第1の実施の形態のタッチパネル100を示す。タッチパネル100は、投影型の容量型タッチ検知方法に基づいたものである。タッチパネル100は、検知パス層110と、検知パス層110の片側に設けられた消去パス層130とを有する。検知パス層110は、複数の第1の電極111、複数の第2の電極112、絶縁層113を備える。図4bに示すように、第1の電極111は、絶縁層113の片面上において、第1の方向例えばX軸に沿って伸びる。第2の電極112は、絶縁層113の、第1の電極111の反対面上において、第2の方向例えばY軸に沿って伸びる。X軸とY軸は、ほぼ垂直する。図4Cに示すように、消去パス層130は、第3の方向例えばZ軸に沿って伸びる複数の第3の電極131を有し、Z軸は、X軸とY軸とに夫々角度を成す。検知パス層110を消去パス層130と絶縁させるために、タッチパネル100は、さらに、検知パス層110と消去パス層130の間に位置する絶縁基板120を備える。
【0030】
図5は、マルチタッチポイントの真実座標を判定するためのタッチ入力デバイス10の一実施の形態を示す。タッチ入力デバイス10は、検知パス層110、消去パス層130、複数のワイヤ140、プロセッサ150を有する。検知パス層110の第1の電極111及び第2の電極112と、消去パス層130の第3の電極131は、複数のワイヤ140によりプロセッサ150と電気的に接続されている。
【0031】
図6は、マルチタッチポイントの真実座標を判定するためのタッチパネル200の第2の実施の形態を示す。該タッチパネル200も、投影型の容量型タッチ検知方法に基づいたものである。タッチパネル200は、複数の第1の電極211と複数の第2の電極212を有する検知パス層210、図4cの第3の電極131と同様に配置された複数の第3の電極(図示せず)を有する消去パス層230、検知パス層210と消去パス層230の間に設けられた絶縁基板220を備え、第1の電極211と第2の電極212が絶縁基板220の同一の面上において交差して複数の交差点を形成する点を除き、タッチパネル100とほぼ同様である。第1の電極211を第2の電極212と絶縁させるために、図6bに示すように、タッチパネル200は、さらに、第1の電極211と第2の電極212の交差点に設けられた複数の絶縁素子213を有する。
【0032】
検知パス層の第1の電極と第2の電極のレイアウトは、第1の実施の形態のときと異なってもよい。図7は、タッチパネルの第3の実施の形態における検知パス層310を示す。検知パス層310は、複数の第1の電極311、複数の第2の電極312、第1の電極311と第2の電極312の間に設けられた絶縁層313を有する。第1の電極311が、複数の離れた第1の導電セル311aと、該複数の第1の導電セル311aを接続する複数の第1の導電線311bとを有し、第2の電極312が、複数の互いに離れた第2の導電セル312aと、該複数の第2の導電セル312aを接続する複数の第2の導電線312bとを有する点を除き、検知パス層310は、タッチパネル100の検知パス層110とほぼ同様である。第3の実施の形態のタッチパネルの他の構成要素は、上述したタッチパネル100の相対応するものと同様である。第1の導電セル311aと第2の導電セル312aは、任意の幾何形状であってもよく、透明な導電性材料により構成されてもよい。
【0033】
図8は、タッチパネルの第4の実施の形態の検知パス層410を示す。検知パス層410は、複数の第1の電極411、複数の第2の電極412、第1の電極411を第2の電極412と絶縁させる複数の絶縁素子413を有する。第1の電極411が、複数の離れた第1の導電セル411aと、該複数の第1の導電セル411aを接続する複数の第1の導電線411bとを有し、第2の電極412が、複数の互いに離れた第2の導電セル412aと、該複数の第2の導電セル412aを接続する複数の第2の導電線412bとを有する点を除き、検知パス層410は、タッチパネル200の検知パス層210とほぼ同様である。第4の実施の形態のタッチパネルの他の構成要素は、上述したタッチパネル200の相対応するものと同様である。
【0034】
様々な設計上の需要に応じて、第1の導電セルの数または第2の導電セルの数は、少なくとも2であり、第1の導電線の数または第2の導電線の数は、少なくとも1である。
【0035】
マルチタッチポイントの真実座標を判定するためのタッチパネルは、光学型タッチ検知方法にも適用することができる。検知パス層は、第1の方向に伸びる複数の第1の光学パスと、第2の方向に伸びる複数の第2の光学パスを有する。また、消去パス層は、第3の方向に伸びる複数の第3の光学パスを有する。上述した投影型の容量型タッチパネルと比較すると、第1の光学パス、第2の光学パス、及び第3の光学パスは、互いに離れているとと共に、異なる層に設けられる。投影型の容量型タッチパネルの場合において、導電性媒体内を伝送される電気信号と違って、光学型タッチパネルの場合、光波は、空気中を伝送されることができる。光波のこの特性により、第1の光学パス、第2の光学パス、第3の光学パスは、同一の層に設けられることもできる。この場合、マルチタッチポイントの真実座標を判定するための要求に応じて、第1の光学パス、第2の光学パス、第3の光学パスを順次表現するために、該光学型タッチパネルに接続されたプロセッサは、第1の光学パス、第2の光学パス、第3の光学パス間で切換えをするようにすることができる。光学型タッチパネルとほぼ同様の原理で、マルチタッチポイントの真実座標を判定するためのタッチパネルは、音波型タッチ検知方法にも適用することができる。音波型タッチパネルのパスは、音波パスである。光学型タッチパネルの構造は、音波型タッチパネルの構造と同様である。
【0036】
様々なタッチ入力デバイスに適用される際に、タッチパネルは、例えばラップトップのタッチパッドのように不透明であってもよく、例えば携帯電話のタッチスクリーンのように透明であってもよい。第1の電極、第2の電極、及び第3の電極は、導電性材料により構成され、絶縁層、絶縁基板、及び絶縁素子は、絶縁材料により構成される。不透明な導電性材料は、銅、アルミナ、金、及び他の材料を含むグループから選択することができ、透明な導電性材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)やアルミドープ酸化亜鉛(AZO)などとすることができる。絶縁材料は、プラスチックやガラスなどとすることができる。
【0037】
上述した実施の形態において、第1の方向は、第2の方向と平行しない。各第1のパスは、互いにほぼ平行する。同様に、各第2のパスは、互いにほぼ平行である。第3のパスについても同様である。
【0038】
各第1のパス、各第2のパス、及び各第2のパスは、少なくとも2つのパスを含む。パスの数は、タッチパネルの解像度とサイズに依存する。通常、解像度が高いほど、サイズが大きいほど、より多くのパスが必要である。
【0039】
マルチタッチポイントの真実座標を判定するためのタッチパネルの表面上に少なくとも2つのタッチポイントが生じたときに、図9に示す、マルチタッチポイントの真実座標を判定する方法の実施の形態を用いて、これらのタッチポイントの真実座標を判定することができる。図10に示す場合と同様に、投影型の容量型タッチパネルの表面上に2つのタッチポイントが生じたことが1例である。該方法は、タッチパネルの使用準備が整ったステップ20からスタートする。2つのタッチポイント例えばAとBがタッチパネルの表面上に生じたときに、処理は、ステップ21に進む。
【0040】
ステップ21において、プロセッサは、ワイヤを介して、検知パス層における第1の電極と第2の電極に夫々スキャン信号を送信し、第1の方向における第1の電極と第2の方向における第2の電極をスキャンする。2つのタッチポイントにより生成された、第1の方向と第2の方向における自己容量の変化を表す信号は、プロセッサに送られる。ステップ21の実行前、消去パス層における第3の電極は、短絡されて、グランドまたはアクティブな出力に接続されることにより、検知パス層の電極のスキャン中に生じた電磁妨害をブロックするように構成されたシールドとして動作する。
【0041】
ステップ22において、2つのタッチポイントA、Bに対応する、第1の方向における自己容量の変化の重心x1、x2と、2つのタッチポイントA、Bに対応する第2の方向における自己容量の変化の重心y1、y2は、ステップ21において生成された、自己容量の変化を表す信号に基づいて、プロセッサにより算出される。重心x1、x2、y1、y2に基づいて、ロー座標の2つのペアa(x1,y1)、b(x2,y2)、a'(x1,y2)、b'(x2,y1)は、算出される。
【0042】
ステップ22の後、ステップ23において、第1の方向または第2の方向のいずれ一方において算出された重心が1つのみであるか否かが判定される。1つの重心のみが算出された場合には、処理がステップ28に進む。もし、第1の方向と第2の方向のいずれにおいても2つの重心が算出された場合には、x1がx2と同一ではなく、かつ、y1がy2と同一ではないことを意味するので、処理がステップ24に進む。
【0043】
ステップ24において、プロセッサは、ワイヤを介して、消去パス層の第3の方向における第3の電極にスキャン信号を送信し、第3の方向における第3の電極をスキャンする。2つのタッチポイントにより生成された、第3の方向における自己容量の変化を表す信号は、プロセッサに送られる。ステップ24の実行時に、妨害を防ぐために、検知パス層における第1の電極と第2の電極は、フローティング状態にされている。
【0044】
ステップ25において、重心z1、z2と、2つのタッチポイントA、Bの第3の方向における投影D1、D2は、ステップ24において生成された、自己容量の変化を表す信号に基づいて、プロセッサにより算出される。図11に示すように、投影D1、D2は、2つのタッチポイントA、Bの真の投影(real projection)である。
【0045】
図11に示すように、ステップ26において、ステップ21におけるロー座標の2つのペアa(x1,y1)、b(x2,y2)、a'(x1,y2)、b'(x2,y1)の第3の方向における投影D1a、D1b、D1a'、D1b'は、プロセッサにより算出される。
【0046】
ステップ26の後、ステップ27において、各投影D1、D2と、各投影D1a、D1b、及びD1a'、D1b'間の距離が閾値Pより小さいか否かが判定される。距離が閾値Pより小さいときに、プロセッサは、2つのタッチポイントのロー座標を該2つのタッチポイントの真実座標として出力するステップ28を実行する。そうではない場合には、ステップ29が実行され、2つのタッチポイントのロー座標は、該2つのタッチポイントのゴースト座標として消去される。例えば、投影D1と投影D1a間の距離が閾値Pより小さいときに、投影D1aに従ったロー座標a(x1,y1)は、タッチポイントAの真実座標である。反対に、投影D1と投影D1a間の距離が閾値Pを越えた場合に、ロー座標a(x1,y1)は、タッチポイントAのゴースト座標である。同様に、タッチポイントBの真実座標も判定される。閾値Pは、例えばピクセル数など、様々な用途に応じた異なる方法で定義されることができる。閾値Pの大きさは、実験データなどに基づいて設定することができる。例えば、閾値Pを1ピクセルとすることができる。
【0047】
ステップ23において、第1の方向または第2の方向において1つの重心のみが算出された場合に、これは、x1とx2が同一であるか、または、y1とy2が同一であることを意味する。すなわち、ステップ22において、2つの座標のみが算出できる。そのため、2つのタッチポイントを検出するプロセスにおいて、該2つのタッチポイントのゴースト座標が生じておらず、これらの2つの座標は、ステップ28において、2つのタッチポイントA、Bの真実座標として出力される。
【0048】
上述したプロセッサは、スキャン部、演算部、比較部、出力部を備える。スキャン部は、パスへのキャン信号の供給のために使用され、自己容量の変化を表す信号のような、パスのスキャン中に生成された電気信号を受信する。演算部は、重心と投影の計算を行う。比較部において、距離などの夫々の値は、閾値と比較される。タッチポイントの真実座標のような結果は、出力部により出力される。
【0049】
上述した、2つのタッチポイントの真実座標を判定する方法は、2つ以上の任意の数のタッチポイントの真実座標の判定に適用することができる。タッチポイントが多ければ多いほど、多くのゴースト座標が消去され、ステップ27において閾値と比較される距離が多くなる。
【0050】
マルチタッチポイントの真実座標は、後続の処理のために制御デバイスまたは表示装置に出力することができる。制御デバイスや後続の処理は、限定されることがない。
【0051】
マルチタッチポイントの真実座標を判定する手法は、光学型タッチパネルと音波型タッチパネルにも適用することができる。
【0052】
上述した開示において、マルチタッチポイントのうちの1つのタッチポイントは、第1のパスと第2のパスの交差点のうちの少なくとも1つに位置する。
【0053】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明したが、実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述実施の形態に対して、さまざまな変更、増減を加えてもよい。これらの変更、増減が加えられた変形例も、添付の請求項により規定される本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11