特許第5698847号(P5698847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698847
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】半導体素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/28 20060101AFI20150319BHJP
   H01L 21/8247 20060101ALI20150319BHJP
   H01L 27/115 20060101ALI20150319BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20150319BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20150319BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20150319BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20150319BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   H01L21/28 301D
   H01L27/10 434
   H01L29/78 371
   H01L29/58 G
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-525842(P2013-525842)
(86)(22)【出願日】2011年8月30日
(65)【公表番号】特表2013-546158(P2013-546158A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】KR2011006389
(87)【国際公開番号】WO2012033299
(87)【国際公開日】20120315
【審査請求日】2013年2月25日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0086963
(32)【優先日】2010年9月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100081695
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 正明
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハイ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ウ,サン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ソン キル
(72)【発明者】
【氏名】チャン,キル ソン
【審査官】 河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−294457(JP,A)
【文献】 特開平10−256189(JP,A)
【文献】 特開2004−247735(JP,A)
【文献】 特開昭63−196075(JP,A)
【文献】 特開2000−156350(JP,A)
【文献】 特開平08−339996(JP,A)
【文献】 特開平04−307768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/28
H01L 21/336
H01L 21/8247
H01L 27/115
H01L 29/423
H01L 29/49
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシリコンパターンが形成された基板上に前記ポリシリコンパターンが露出るように絶縁層を形成する工程と,
水素基を含む溶液を使用して前記基板上に露出された絶縁層及びポリシリコンパターン上に水素原子をボンディングさせる前処理工程と,
前記ポリシリコンパターン上にボンディングされた水素原子を選択的にシリコン原子に代替することにより,前記露出たポリシリコンパターン上にシリコンシード層を形成する工程と,
前記シリコンシード層が形成された前記基板を覆うように金属層を形成する工程;及び
前記金属層が形成された前記基板を熱処理して前記ポリシリコンパターン上に金属シリサイド層を形成する工程と,を含む半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記金属シリサイド層は,前記金属層に含まれた金属原子と前記シリコンシード層に含まれたシリコン原子が結合して形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁層を形成する工程は,前記ポリシリコンパターンの側面上部が露出するように前記絶縁物質を一部除去することを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記水素基を含む溶液は,HF溶液,DHF溶液及びBOE溶液を含む群から選択された一つ以上の溶液であることを特徴とする請求項記載の半導体素子の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁層を形成する工程は,基板上にポリシリコンパターンを形成する工程と,
前記ポリシリコンパターンを覆うように前記基板上に絶縁物質を形成する工程と,
前記ポリシリコンパターンが露出するように前記絶縁物質を一部除去する工程と,
を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
【請求項6】
前記シリコンシード層を形成する工程は,前記基板が装着されたチェンバーの内部にSiH4,Si2H,Si38及びSi410を含む群から選択された一つ以上のソースガスを供給することを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
【請求項7】
前記シリコンシード層を形成する工程は,前記基板の温度を500℃乃至650℃に維持することを特徴とする請求項6記載の半導体素子の製造方法。
【請求項8】
前記シリコンシード層を形成する工程は,前記チェンバー内部の圧力を5Torr乃至20Torrに維持することを特徴とする請求項6記載の半導体素子の製造方法。
【請求項9】
前記金属層は,Ti,Co及びNiを含む群から選択された一つ以上の金属であることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
【請求項10】
前記金属シリサイド層を形成する工程の後に,残留した前記金属層を除去する工程を更に含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
【請求項11】
前記絶縁層は,酸化物又は窒化物で形成されることを特徴とする請求項記載の半導体素子の製造方法。
【請求項12】
前記シリコンシード層を形成する工程は,水素と酸素又は水素と窒素との間のボンディングエネルギーと,水素とシリコンとの間のボンディングエネルギーの差を利用して前記露出されたポリシリコンパターン上に選択的に前記シリコンシード層を形成することを特徴とする請求項記載の半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体素子の製造方法に関するものであり,更に詳しくは,金属シリサイド層を含む半導体素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近,半導体産業の発展とユーザの要求に応じて電子機器は更に高集積化及び高性能化が要求され,それによって電子機器の核心部品である半導体素子も高集積化及び高性能化が要求されている。しかし,半導体素子の高集積化のために微細構造を実現するには難しいところがある。
【0003】
例えば,微細構造を実現するためにデザインルールを減少させる場合,導電性パターンの電気抵抗が増加して望みの特性を得ることが難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は上述した従来の問題点を解決するためのものであって,金属シリサイド層を含む半導体素子の製造方法を提供することにある。
【0005】
本発明の更に他の目的は,以下の詳細な説明と添付した図面から,より明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法は,ポリシリコンパターンが形成された基板上に前記ポリシリコンパターンが露出されるように絶縁層を形成する工程と,前記絶縁層に対して選択的に前記露出されたポリシリコンパターン上にシリコンシード層を形成する工程と,前記シリコンシード層が形成された前記基板上に金属層を形成する工程と,を含む。
【0007】
前記シリコンシード層を形成する工程の前に,前記絶縁層が形成された基板を,水素基を含む溶液を使用して前処理(pre-treatment)する工程を更に含んでもよい。
【0008】
前記前処理する過程は,前記基板上に露出された絶縁層及びポリシリコンパターン上に水素原子がボンディング(bonding)されるようにしてもよい。
【0009】
前記水素基を含む溶液は,HF溶液,希フッ酸 (Diluted Hydrogen Fluoride;DHF)溶液及び緩衝酸化物エッチャント(Buffered Oxide Etchant;BOE)溶液を含む群から選択された一つ以上の溶液であってもよい。
【0010】
前記絶縁層を形成する工程は,基板上にポリシリコンパターンを形成する工程と,前記ポリシリコンパターンを覆うように前記基板上に絶縁物質を形成する工程及び前記ポリシリコンパターンを露出するように前記絶縁物質を一部除去する工程を含んでもよい。
【0011】
前記シリコンシード層を形成する工程は,前記基板が装着(loading)されたチェンバーの内部にSiH4,Si26,Si38及びSi410を含む群から選択された一つ以上のソースガスを供給してもよい。
【0012】
前記シリコンシード層を形成する工程は,前記基板の温度を500℃乃至650℃に維持してもよい。
【0013】
前記シリコンシード層を形成する工程は,前記チェンバー内部の圧力を5Torr乃至20Torrに維持してもよい。
【0014】
前記金属層は,Ti,Co及びNiを含む群から選択された一つ以上の金属であってもよい。
【0015】
前記金属シリサイド層を形成する工程の後に,残留した前記金属層を除去する工程を更に含んでもよい。
【0016】
前記絶縁層は,酸化物又は窒化物で形成されてもよい。
【0017】
前記シリコンシード層を形成する工程は,前記絶縁層及びポリシリコンパターン上にボンディングされた水素原子のうち,前記ポリシリコンパターン上にボンディングされた水素原子のみを選択的にシリコン原子で代替してもよい。
【0018】
前記シリコンシード層を形成する工程は,水素と酸素又は水素と窒素との間のボンディングエネルギーと水素とシリコンとの間のボンディングエネルギーの差を利用して前記露出されたポリシリコンパターン上に選択的に前記シリコンシード層を形成してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法は,電圧の損失を最小化して半導体素子が安定した特性を有するようにする。特に,半導体素子がフラッシュセルを含む非揮発性メモリ素子である場合,フラッシュセルに電力降下が最小化された電圧を供給して安定的なデータのプログラム/消去特性を有することができる。
【0020】
このために,金属シリサイド層がポリシリコンパターンの上面を更に多く覆うように形成し,金属シリサイド層及びポリシリコンパターンが成す導電性パターンで発生し得る電力降下を更に最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態による半導体素子の製造方法を示すフローチャートである。
図2】本発明の実施形態による半導体素子を製造するための半導体製造装置を示す概略的な断面図である。
図3】本発明の実施形態によるポリシリコンパターンを形成する工程を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態による絶縁物質を形成した工程を示す断面図である。
図5】本発明の実施形態による絶縁層を形成した工程を示す断面図である。
図6】本発明の実施形態による絶縁層が形成された基板上を前処理する工程を示す断面図である。
図7】本発明の実施形態による絶縁層が形成された基板上を前処理した断面を示す概念図である。
図8】本発明の実施形態によるシリコンシード層を形成する工程を示す断面図である。
図9】本発明の実施形態によるシリコンシード層が形成された断面を示す概念図である。
図10】本発明の実施形態による金属層を形成する工程を示す断面図である。
図11】本発明の実施形態による金属シリサイド層を形成する工程を示す断面図である。
図12】本発明の実施形態による残留した金属層を除去する工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に,本発明の技術的思想による実施形態について添付した図面を参照して詳細に説明する。しかし,本発明の技術的思想による実施形態は様々な他の形に変更されてもよく,本発明の範囲が以下で詳述する実施形態によって限定されると解釈されてはならない。本発明の技術的思想による実施形態は当業者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。添付した図面において,同じ符号は終始同じ要素を意味する。なお,添付した図面における多様な要素と領域は概略的に描かれたものである。よって,本発明は添付した図面に描かれた相対的な大きさや間隔によって制限されない。
【0023】
図1は,本発明の実施形態による半導体素子の製造方法を示すフローチャートである。
【0024】
図1を参照すると,基板を準備する(S10)。前記基板には半導体素子を形成するための個別構成要素が更に含まれてもよい。例えば,前記基板にはウェル領域,素子分離膜によって限定される活性領域などが含まれてもよい。
【0025】
前記基板上にポリシリコンパターンを形成する(S110)。前記ポリシリコンパターンの下部には他の層が共にパターンを成すように形成されてもよい。すなわち,前記基板上にはポリシリコンパターンを含む多層構造のパターンが形成されてもよい。前記多層構造のパターンは,例えば,トンネリング絶縁層パターン,電荷貯蔵層パターン,ブロッキング絶縁層パターン及びポリシリコンパターンを含んでもよい。
【0026】
前記多層構造のパターンを形成するために,前記基板上にトンネリング絶縁層,電荷貯蔵層,ブロッキング絶縁層及びポリシリコン層を順次に積層した後,フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行ってもよい。
【0027】
前記基板上に前記ポリシリコンパターンが露出されるように絶縁層を形成する(S120)。前記ポリシリコンパターンを露出するために,前記ポリシリコンパターンを覆う絶縁物質を形成した後,前記ポリシリコンパターンが露出されるように前記絶縁物質を一部除去する。この際,前記ポリシリコンパターン以外の他の層,すなわち,前記基板,前記ブロッキング絶縁層パターンなどを露出しないように前記絶縁物質を残留させてもよい。
【0028】
次に,前記ポリシリコンパターンを露出させる前記絶縁層が形成された前記基板上を水素基が含まれた溶液で前処理する(S130)。前記水素基が含まれた溶液はHF溶液,DHF溶液又はBOE溶液であってもよい。前記水素基が含まれた溶液で前処理をすると,前記ポリシリコンパターン及び前記絶縁層上に水素原子がボンディングされることができる。
【0029】
次に,前記ポリシリコンパターン上にシリコンシード層を形成する(S140)。前記シリコンシード層を形成するために,前記ポリシリコンパターン上にボンディングされた水素原子のみを選択的にシリコン原子で代替してもよい。
【0030】
前記シリコンシード層が形成された基板上に金属層を形成する(S150)。金属層は,例えば耐火性金属で形成されてもよい。
【0031】
前記金属層が形成された基板を熱処理し,前記金属層を前記シリコンシード層及び前記ポリシリコンパターンと反応させて金属シリサイド層に形成する(S160)。次に,前記金属シリサイド層として反応させてから残った残留金属層を除去する(S170)。その結果,前記ポリシリコンパターン上に前記金属シリサイド層が形成される。
【0032】
次に,選択的に2次熱処理をして,前記金属シリサイド層を更に緻密化してもよい(S180)。
【0033】
図2は,本発明の実施形態による半導体素子を製造するための半導体製造装置を示す概略的な断面図である。
【0034】
図2を参照すると,半導体製造装置10のチェンバー11内に反応ガスが導入されるための導入部12が形成される。導入部12によって導入された反応ガスはシャワーヘッド13を介してチェンバー11内部に噴射されてもよい。
【0035】
蒸着の対象となる基板100がチャック14上に置かれるようになるが,このようなチャック14はチャック支持台16によって支持される。チャック14は必要な場合基板100に熱を加え,基板100が所定温度を有するようにしてもよい。このような装置によって蒸着が行われてからは排出部17によって排出される。
【0036】
半導体製造装置10は,図1で前述したシード層形成(S140)及び金属層形成(S150)に使用されてもよい。又は,半導体製造装置10は図1で前述したシード層形成(S140)に使用されてもよい。
【0037】
半導体製造装置10は,例えば,化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)装置であってもよい。
【0038】
図3は,本発明の実施形態によるポリシリコンパターンを形成する工程を示す断面図である。
【0039】
図3を参照すると,基板100上にポリシリコンパターン240を形成する。基板100は,例えばシリコン又は化合物半導体ウェハのような半導体基板を含んでもよい。又は,基板100にはガラス,金属,セラミック,石英のような半導体と異なる基盤物質が含まれてもよい。
【0040】
基板100上にはポリシリコンパターン240と共に基板100とポリシリコンパターン240との間に配置されるようにトンネリング絶縁層パターン210,電荷貯蔵層パターン220及びブロッキング絶縁層パターン230を共に形成して多層構造200を形成してもよい。
【0041】
トンネリング絶縁層パターン210は,例えば,シリコン酸化膜,高誘電率を有する絶縁膜,高誘電率を有する金属酸化膜又はそれらの組み合わせであってもよい。電荷貯蔵層パターン220に貯蔵される電荷は基板100からトンネリング絶縁層パターン210を介して伝達されてもよい。この際,電荷貯蔵層パターン220に貯蔵される電荷はトンネリング絶縁層パターン210を熱電子又はF−Nトンネリングによって通過してもよい。
【0042】
電荷貯蔵層パターン220は導電体又はトラップ型絶縁層であってもよい。電荷貯蔵層パターン220が導電体である場合,次に形成される半導体素子は通常のフラッシュメモリであってもよい。電荷貯蔵層パターンが導電体である場合,電荷貯蔵層パターン220はポリシリコンで形成されてもよい。電荷貯蔵層パターン220がトラップ型絶縁層である場合,次に形成される半導体素子は電荷トラップ型フラッシュ(CTF,Charge Trap Flash)であってもよい。電荷貯蔵層パターンがトラップ型絶縁層である場合,電荷貯蔵層パターン220は窒化物を含んでもよい。
【0043】
ブロッキング絶縁層パターン230は電荷貯蔵層パターン220に貯蔵された電荷がポリシリコンパターン240に流出されないように電荷を遮断してもよい。ブロッキング絶縁層パターン230はトンネリング絶縁層パターン210とのキャパシタカップリング及び絶縁特性を考慮し,その物質及び厚さが決定されてもよい。ブロッキング絶縁層パターン230は高誘電率を有する絶縁膜,シリコン酸化膜,高誘電率を有する金属酸化膜又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0044】
ポリシリコンパターン240は次に形成される半導体素子が非揮発性メモリ素子である場合,ゲート電極の役割をしてもよい。
【0045】
トンネリング絶縁層パターン210,電荷貯蔵層パターン220,ブロッキング絶縁層パターン230及びポリシリコンパターン240を形成するために,トンネリング電荷層(図示せず),電荷貯蔵層(図示せず),ブロッキング絶縁層(図示せず)及びポリシリコン層(図示せず)を形成した後,フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行ってもよい。
【0046】
図4は,本発明の実施形態による絶縁物質を形成した工程を示す断面図である。
【0047】
図4を参照すると,ポリシリコンパターン240が形成された基板100上にポリシリコンパターン240を全て覆うように絶縁物質300aを形成する。絶縁物質300aは,例えば,シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜で形成されてもよい。
【0048】
図5は,本発明の実施形態による絶縁層を形成した工程を示す断面図である。
【0049】
図4及び図5を参照すると,絶縁物質300aを一部除去して絶縁層300を形成する。絶縁層300を形成するために,絶縁物質300aを形成した後エッチバック(etch-back)工程を行ってもよい。又は,絶縁層300を形成するために絶縁物質300aを形成した後,化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing; CMP)のような平坦化工程を行ってもよい。
【0050】
絶縁層300を形成するためにエッチバック工程を行う場合,絶縁層300は位置に応じて段差を有してもよい。絶縁層300は例えば,多層構造200に隣接した部分が多層構造200の間の中間部分に比べ厚く形成されてもよい。また,絶縁層300によってポリシリコンパターン240の側面一部と上面が露出されてもよい。
【0051】
絶縁層300を形成するために化学的機械的研磨を行う場合,図示してはいないが,絶縁層300は基板100の上面に対して同じ厚さを有してもよい。絶縁層300は,例えば,多層構造200と同じであるか類似した厚さを有してもよい。また,絶縁層300によってポリシリコンパターン240の上面のみが露出されてもよい。
【0052】
図6は,本発明の実施形態による絶縁層が形成された基板上を前処理する工程を示す断面図である。
【0053】
図6を参照すると,絶縁層300が形成された基板100上を,水素基を含む溶液を使用して前処理する。前記水素基を含む溶液は,例えば,HF溶液,DHF溶液又はBOE溶液であってもよい。
【0054】
図7は,本発明の実施形態による絶縁層が形成された基板上を前処理した断面を示す概念図である。
【0055】
図7を参照すると,ポリシリコンパターン240が露出されるように絶縁層300が形成された基板上を,水素基を含む溶液で前処理すると,ポリシリコンパターン240及び絶縁層300の露出された表面上に水素原子(H)がボンディングされる。
【0056】
すなわち,ポリシリコンパターン240が含むシリコン原子(Si)のうち表面に露出されたものが4価結合を満足するために水素原子(H)がボンディングされる。また,絶縁層300が含む酸素元素(O)又は窒素元素(N)のうち表面に露出されたものが水素原子(H)とボンディングされる。このように,露出された表面上に水素原子(H)をボンディングすることをH基パッシベーション(passivation)処理と称する。
【0057】
水素原子(H)がポリシリコンパターン240及び絶縁層300の露出された表面にボンディングされるために,ポリシリコンパターン240及び絶縁層300の一部が水素基を含む溶液によって除去されてもよい。また,ポリシリコンパターン240上に形成された自然酸化膜が水素基を含む溶液によって除去されてもよい。
【0058】
図8は,本発明の実施形態によるシリコンシード層を形成する工程を含む断面図である。
【0059】
図8を参照すると,絶縁層300によって露出されたポリシリコンパターン240の表面上に選択的にシリコンシード層400が形成される。すなわち,シリコンシード層400はポリシリコンパターン240の露出された表面上には形成されるが,絶縁層300の露出された表面上には形成されない。
【0060】
但し,ポリシリコンパターン240と隣接した絶縁層300の表面には一部シリコンシード層400が形成され得るが,これはポリシリコンパターン240上に形成されたシード層400が絶縁層300の表面を一部覆うことに過ぎず,絶縁層300の表面から形成されたものではない可能性がある。
【0061】
図6で前述した絶縁層300が形成された基板100上を,水素基を含む溶液を使用した前処理は,ボンディングされた水素元素(H)が維持されるようにシリコンシード層400を形成する約2時間以内に行われてもよい。
【0062】
図9は,本発明の実施形態によるシリコンシード層が形成された断面を示す概念図である。
【0063】
図7及び図9を参照すると,ポリシリコンパターン240上にボンディングされた水素原子(H)がシリコン原子(Si)に代替され,ポリシリコンパターン240上にシリコンシード層400が形成される。シリコンシード層400は図示したように,ポリシリコンパターン240上にボンディングされた水素原子(H)を代替したシリコン原子(Si)及び水素原子(H)を代替したシリコン原子(Si)上に結合されたシリコン原子(図示せず)を全て含んでもよい。
【0064】
シリコンシード層400はポリシリコンパターン240上にのみ形成され,絶縁層300上には形成されなくてもよい。すなわち,シリコンシード層400が形成された場合,ポリシリコンパターン240上にボンディングされた水素原子(H)はシリコン原子(Si)に代替されるが,絶縁層300上にボンディングされた水素原子(H)はそのまま維持されてもよい。よって,シリコンシード層400は絶縁層300に対して選択的にポリシリコンパターン240上に形成されてもよい。
【0065】
絶縁層300は,例えば,シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜で形成されてもよい。水素原子(H)は,ボンディングされるように結合される原子の種類に応じて結合のためのボンディングエネルギー(bonding energy)が異なり得る。例えば,水素−酸素(H−O)結合のボンディングエネルギーは4.8eV,水素−窒素(H−N)結合のボンディングエネルギーは4.0eV,水素−シリコン(H−Si)結合のボンディングエネルギーは3.3eVである。
【0066】
よって,シリコンシード層を形成するための工程条件を調節すると,ボンディングされた水素原子を選択的に除去することができる。すなわち,シリコンシード層400を形成するために適切な工程条件でシリコン前駆体を供給すると,最もボンディングエネルギーが低い水素−シリコン(H−Si)の間の結合を分離させながら相対的にボンディングエネルギーが高い水素−窒素(H−N)の間の結合又は水素−酸素(H−O)の間の結合は維持させることができる。
【0067】
上記工程を介して,最もボンディングエネルギーが低い水素−シリコン(H−Si)の間の結合のみ分離する工程条件でシリコン前駆体を供給すると,ポリシリコンパターン240上にのみ選択的にシリコンシード層400を形成することができる。
【0068】
シリコンシード層400を形成するために,例えば,基板100の温度を500℃乃至650℃に維持してもよい。また,シリコンシード層400を形成するためにチェンバー内部の圧力を5Torr乃至20Torrに維持してもよい。
【0069】
シリコンシード層400を形成するために,シリコン前駆体としてシリコン系列(Silicon-based)のガスを使用してもよい。前記シリコン前駆体は,例えば,シリコン系列ガスはSiH4,Si26,Si38又はSi410を含んでもよい。前記シリコン前駆体は,5sccm乃至20sccmの流量で20秒乃至160秒の間供給されてもよい。前記シリコン前駆体を供給するために,キャリアガスとして窒素(N2)乃至水素(H2)ガスが同時に供給されてもよい。前記キャリアガスは5000sccm乃至30000sccmの流量で供給されてもよい。
【0070】
シリコンシード層400を形成する間のチェンバー内部の圧力を増加させる場合,前記シリコン前駆体の供給時間を減少させることができる。すなわち,チェンバー内部の圧力及び前記シリコン前駆体の供給時間は反比例関係を有してもよい。
【0071】
図10は,本発明の実施形態による金属層を形成した工程を示す断面図である。
【0072】
図10を参照すると,シリコンシード層400が形成された基板100を覆うように金属層500を形成してもよい。金属層500は耐火性金属で形成されてもよい。金属層500は,例えば,Ti,Co又はNiであってもよい。
【0073】
図11は,本発明の実施形態による金属シリサイド層を形成した工程を示す断面図である。
【0074】
図11を参照すると,金属層500が形成された基板100を熱処理してポリシリコンパターン240上に金属シリサイド層600を形成する。金属シリサイド層600は金属層500に含まれる金属原子と図10に示すシリコンシード層400及びポリシリコンパターン240に含まれるシリコン原子が結合されて形成されてもよい。
【0075】
金属シリサイド層600を形成するためにRTP(Rapid Thermal Processing)工程などのような熱処理工程が行われてもよい。金属シリサイド層600は,例えば,TiSi2,CoSi2又はNiSiで形成されてもよい。
【0076】
金属層500がTiである場合,C49−TiSi2より比抵抗が低いC54−TiSi2相を有する金属シリサイド層600を形成することができる。又は,金属層がCoである場合,Co2Si又はCoSiより比抵抗が低いCoSi2で形成される金属シリサイド層600を形成することができる。又は,金属層がNiである場合,NiSi2より比抵抗が低いNiSiで形成される金属シリサイド層600を形成することができる。
【0077】
図10で示したシリコンシード層400を形成した場合,金属シリサイド層600がポリシリコンパターン400の上面をより多く覆うように形成してもよい。ポリシリコンパターン400と基板100との間に多層構造200のようなフラッシュセルが含まれる場合,高い電圧が要求される。よって,金属シリサイド層600がポリシリコンパターン400の上面をより多く覆うほど電圧降下が最小化され得る。これを介し,NANDフラッシュのように同じポリシリコンパターン400を介して多くのフラッシュセルが連結される半導体素子において,安定的なデータのプログラム/消去特性を有することができる。
【0078】
図12は,本発明の実施形態による残留した金属層を除去する工程を示す断面図である。
【0079】
図11及び図12を参照すると,金属シリサイド層600を形成してから残留した金属層500を除去する。残留した金属層500を除去するために,金属シリサイド層600及び絶縁層300に対してエッチング選択比を有するエッチング工程が使用されてもよい。
【0080】
これを介し,基板100上には絶縁層300に対して金属シリサイド層600及びポリシリコンパターン400のみが露出され得る。
【0081】
次に,必要に応じて選択的に2次熱処理を行ってもよい。2次熱処理は形成された金属シリサイド層600の比抵抗(resistivity)を更に減少させるために使用されてもよい。例えば,金属シリサイド層600がTi−シリサイドである場合,C49−TiSi2のようなC54−TiSi2以外の相を全てC54−TiSi2相に変化させるために2次熱処理を行ってもよい。この場合,2次熱処理は図11で説明した熱処理工程より高い温度で行われてもよい。
【0082】
又は,例えば,金属シリサイド層600がCo−シリサイドである場合,Co2Si又はCoSiのようなCoSi2以外の相を全てCoSi2相に変化させるために2次熱処理を行ってもよい。この場合,2次熱処理は図11で説明した熱処理工程より高い温度で行われてもよい。
【0083】
但し,例えば,金属シリサイド層600がNi−シリサイドである場合,Ni3Si,Ni31Si12,Ni5Si2,Ni2Si,Ni3Si2のようなNiSi2以外の相が残留する場合,それらをNiSi相に変化させるために2次熱処理を行ってもよい。しかし,この場合NiSi2相が形成されないように,上述したTi−シリサイド又はCo−シリサイドの場合に比べ相対的に低温の熱処理が行われてもよい。
【0084】
本発明を好ましい実施形態について詳細に説明したが,それとは異なる形の実施形態も可能である。よって,以下に記載された請求項の技術的思想と範囲は好ましい実施形態に限られない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は,蒸着工程のような多様な形の半導体製造工程に応用され得る。
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