特許 5698849 放送コンテンツとコンピュータネットワーク上に位置するコンテンツとの間にネットワークリンクを提供するためのシステム及び方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5698849

(24)【登録日】2015年2月20日

(45)【発行日】2015年4月8日

(54)【発明の名称】放送コンテンツとコンピュータネットワーク上に位置するコンテンツとの間にネットワークリンクを提供するためのシステム及び方法

(51)【国際特許分類】

   H04N 21/858 20110101AFI20150319BHJP

   H04N 21/262 20110101ALI20150319BHJP

   H04N 21/239 20110101ALI20150319BHJP

   H04H 20/28 20080101ALI20150319BHJP

   H04H 20/93 20080101ALI20150319BHJP

   H04H 60/82 20080101ALI20150319BHJP

   H04H 60/13 20080101ALI20150319BHJP

【ＦＩ】

   H04N21/858

   H04N21/262

   H04N21/239

   H04H20/28

   H04H20/93

   H04H60/82

   H04H60/13

【請求項の数】27

【全頁数】29

(21)【出願番号】特願2013-536818(P2013-536818)

(86)(22)【出願日】2011年10月27日

(65)【公表番号】特表2014-500647(P2014-500647A)

(43)【公表日】2014年1月9日

(86)【国際出願番号】US2011058061

(87)【国際公開番号】WO2012058411

(87)【国際公開日】20120503

【審査請求日】2013年4月24日

(31)【優先権主張番号】12/913,672

(32)【優先日】2010年10月27日

(33)【優先権主張国】US

(73)【特許権者】

【識別番号】399037405

【氏名又は名称】楽天株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110000154

【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】コカーナク マイケル

(72)【発明者】

【氏名】ノーランド マデリーン

(72)【発明者】

【氏名】キャンベル コリン

(72)【発明者】

【氏名】ベクテル ゴードン

【審査官】 古川 哲也

(56)【参考文献】

【文献】 米国特許出願公開第２０１０／００９８０７５（ＵＳ，Ａ１）

【文献】 特表２００４−５００７７０（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｈ０４Ｎ ２１／００ − ２１／８５８

Ｈ０４Ｈ ２０／００ − ２０／９５

Ｈ０４Ｈ ６０／００ − ６０／９８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツとテレビネットワーク上で放送されるコンテンツをリンクさせるシステムであって、
それぞれのトークンを作成し、該それぞれのトークンを登録し、１つ以上のトークンをトークンプレイリストに集めて、該それぞれのトークン及び前記トークンプレイリストをデータベースに記憶し、コンテンツ製作者が、該それぞれのトークンの作成及び該それぞれのトークンの追跡を行うことを可能にするトークンレジストリと、
前記テレビネットワーク上で放送される前記コンテンツと、前記コンピュータネットワーク上に記憶された前記コンテンツとの間のリンクを表すとともに前記トークンレジストリによって使用を許可されるトークンを記憶し、少なくとも前記トークンを配信するための持続時間を表す配信情報にアクセスする放送データストリームサーバと、
前記それぞれのトークンの配信の開始時間と前記それぞれのトークンとのうちの少なくとも１つを含む前記トークンプレイリストを配信する開始時間を示すとともに、それぞれの前記トークンプレイリストを示す信号を生成し、前記テレビネットワーク上で前記トークンプレイリストの配信の命令を示すトリガ機構と、
前記テレビネットワーク上で放送されるテレビコンテンツのストリーム内にパケットを生成するパケット発生器と、
前記データベースに記憶された１組のトークンと前記テレビコンテンツの前記ストリームとを多重化するための、前記パケット発生器と前記放送データストリームサーバとに連結されているマルチプレクサと、
前記放送データストリームサーバとの間で通信する前記マルチプレクサへのコンテンツ配信を管理するための、蓄積、トラフィック及び自動化システムと、
前記それぞれのトークンをテレビセットトップボックスデバイスに転送するために、該テレビセットトップボックスデバイスと通信するチャネルを有する通信インターフェースと、
前記テレビセットトップボックスデバイスから送信された情報を受信し、該受信した情報が前記テレビセットトップボックスデバイスに送信された前記コンテンツに合致することを検査するためのフィードバックモニタと、
前記トークンレジストリと通信し、前記トークンプレイリストを決定するために、前記放送データストリームサーバに接続するための相互作用イベント決定メーカと、
前記蓄積、トラフィック及び自動化システムによって用いられる通信プロトコルを実行し、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムと前記パケット発生器との間のデータ交換を仲介する自動化インターフェースと、を備え、
前記蓄積、トラフィック及び自動化システムは、前記放送データストリームサーバからのコンテンツと、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムによって誘起されるコンテンツ配信とを、前記テレビセットトップボックスデバイスで再生される混合されたパッケージのストリームに変換し、
前記相互作用イベント決定メーカは、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムがプレイアウトエンジン上でプレイアウトする広告を決定する機能と、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムによってプレイアウトされる広告及び／又はコンテンツに関する相互作用性のタイプを決定する機能とのうち少なくとも１つを実行し、
前記相互作用イベント決定メーカは、前記自動化インターフェースと連動するとともに、前記パケット発生器に、どのトークン及びアプリケーションが挿入されるかを指示する、システム。

【請求項2】

前記蓄積、トラフィック及び自動化システムは、相互に作用する、自動化システムと、蓄積サーバと、トラフィックビリングシステムと、を含み、
前記相互作用イベント決定メーカは、前記自動化システム、前記蓄積サーバ及び前記トラフィックビリングシステムのそれぞれと相互に作用するとともに、前記放送データストリームサーバと相互に作用する、請求項１に記載のシステム。

【請求項3】

前記パケット発生器は、前記トークンを運ぶ前記パケットを生成する、請求項１に記載のシステム。

【請求項4】

前記パケット発生器は、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリーム規格に適合する前記パケットを生成する、請求項２に記載のシステム。

【請求項5】

前記パケット発生器は、前記トークンを有する前記パケットを生成し、該パケットを、トランスポートストリームのプログラムと関連付けられ、前記テレビネットワーク上で放送されているコンテンツを表すプライベートデータセクション又はパケット化基本ストリームに挿入する、請求項１に記載のシステム。

【請求項6】

それぞれの放送事業者と関連付けられた前記テレビセットトップボックスデバイスに対して識別された選択ポートへの前記トークンを運ぶ前記パケットの制御された挿入のために、前記パケット発生器に連結されている識別子制御をさらに含む、請求項５に記載のシステム。

【請求項7】

前記識別子制御は、前記テレビセットトップボックスデバイスの２つ以上の異なるポートに前記トークンを運ぶ前記パケットを挿入する、請求項６に記載のシステム。

【請求項8】

前記トリガ機構は、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムと相互作用することにより、タイムスロットのスケジュールを表すプレイリストを、該タイムスロットに対する関連プログラミングコンテンツを用いて作成及び配信する、請求項１に記載のシステム。

【請求項9】

前記自動化インターフェースは、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムによって配信されたメッセージの入力を調べる、請求項８に記載のシステム。

【請求項10】

前記自動化インターフェースは、前記テレビネットワーク又は前記コンピュータネットワークにおける少なくとも２つの装置の間の通信を調べる、請求項８に記載のシステム。

【請求項11】

前記自動化インターフェースは、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムによって生成されたログファイルを監視する、請求項８に記載のシステム。

【請求項12】

前記自動化インターフェースは、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムから情報を周期的に要求する、請求項８に記載のシステム。

【請求項13】

前記トリガ機構は、前記それぞれのトークンを配信するためのタイムスケジュールを表すデータファイルを有する計画プレイアウトシステムを含む、請求項１に記載のシステム。

【請求項14】

前記トリガ機構は、ユーザによって操作され、前記放送データストリームサーバに連結されるタイプのスイッチを含む、請求項１に記載のシステム。

【請求項15】

前記トリガ機構は、プログラムストリーム内で、前記トークンプレイリストを表すポインタを識別し、前記パケット発生器に前記それぞれのトークンを前記テレビコンテンツの前記ストリームに挿入させることによって、該ポインタの識別に応答する、請求項１に記載のシステム。

【請求項16】

前記トリガ機構は、前記コンピュータネットワーク及び前記テレビネットワークのうちの少なくとも１つにおける第２の放送データストリームサーバからの命令を受信する、請求項１に記載のシステム。

【請求項17】

前記１組のトークンは、前記パケット発生器のネットワーク位置、前記それぞれのトークンを前記ストリームに挿入する日付、該それぞれのトークンを該ストリームに挿入する時間、及び前記テレビセットトップボックスデバイスが実行することができるアプリケーション又はスクリプトのうちの少なくとも１つを表し、かつ、かかる前記パケットを、該セットトップボックスデバイスに放送されている前記テレビコンテンツのストリームに挿入するための、データを運ぶ識別子を含む、請求項１に記載のシステム。

【請求項18】

前記フィードバックモニタは、前記挿入された前記トークンが前記それぞれのテレビコンテンツと関連付けられていることを検証するために、前記テレビセットトップボックスデバイスに放送されている前記テレビコンテンツの混合ストリームを監視する、請求項１５に記載のシステム。

【請求項19】

タイミング情報を伴う前記テレビコンテンツの部分に印を付けるために、ユーザサイトへ前記トークンを運ぶ前記パケットに刻印するためのタイムスタンプをさらに備えている、請求項１に記載のシステム。

【請求項20】

コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツとテレビネットワーク上で放送されるコンテンツをリンクさせる方法であって、
トークンレジストリが、それぞれのトークンを作成し、該それぞれのトークンを登録し、１つ以上のトークンをトークンプレイリストに集めて、該それぞれのトークン及び前記トークンプレイリストをデータベースに記憶し、コンテンツ製作者が、該それぞれのトークンの作成及び該それぞれのトークンの追跡を行うことを可能にし、
放送データストリームサーバが、前記テレビネットワーク上で放送される前記コンテンツと、前記コンピュータネットワーク上に記憶された前記コンテンツとの間のリンクを表すとともに前記トークンレジストリによって使用を許可されるトークンを記憶し、少なくとも前記トークンを配信するための持続時間を表す配信情報にアクセスし、
トリガ機構が、前記それぞれのトークンの配信の開始時間と前記それぞれのトークンとのうちの少なくとも１つを含む前記トークンプレイリストを配信する開始時間を示すとともに、それぞれの前記トークンプレイリストを示す信号を生成し、前記テレビネットワーク上で前記トークンプレイリストの配信の命令を示し、
パケット発生器が、前記テレビネットワーク上で放送されるテレビコンテンツのストリーム内にパケットを生成し、
前記パケット発生器と前記放送データストリームサーバとに連結されているマルチプレクサが、前記データベースに記憶された１組のトークンと前記テレビコンテンツの前記ストリームとを多重化し、
蓄積、トラフィック及び自動化システムが、前記放送データストリームサーバとの間で通信する前記マルチプレクサへのコンテンツ配信を管理し、
テレビセットトップボックスデバイスと通信するチャネルを有する通信インターフェースが、前記それぞれのトークンを該テレビセットトップボックスデバイスに転送し、
フィードバックモニタが、前記テレビセットトップボックスデバイスから送信された情報を受信し、該受信した情報が前記テレビセットトップボックスデバイスに送信された前記コンテンツに合致することを検査し、
相互作用イベント決定メーカが、前記トークンレジストリと通信し、前記トークンプレイリストを決定するために、前記放送データストリームサーバに接続し、
自動化インターフェースが、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムによって用いられる通信プロトコルを実行し、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムと前記パケット発生器との間のデータ交換を仲介し、
前記蓄積、トラフィック及び自動化システムが、前記放送データストリームサーバからのコンテンツと、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムによって誘起されるコンテンツ配信とを、前記テレビセットトップボックスデバイスで再生される混合されたパッケージのストリームに変換し、
前記相互作用イベント決定メーカが、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムがプレイアウトエンジン上でプレイアウトする広告を決定する機能と、前記蓄積、トラフィック及び自動化システムによってプレイアウトされる広告及び／又はコンテンツに関する相互作用性のタイプを決定する機能とのうち少なくとも１つを実行し、
前記相互作用イベント決定メーカが、前記自動化インターフェースと連動するとともに、前記パケット発生器に、どのトークン及びアプリケーションが挿入されるかを指示する、方法。

【請求項21】

ユーザサイトに配信されている前記テレビコンテンツを監視し、該テレビコンテンツの配信を、前記それぞれのトークンの配信の誘起と協調させる、請求項１５に記載のシステム。

【請求項22】

計画された前記テレビコンテンツのプレイリストを監視し、操作者によって手動で生成されるコマンドを監視し、前記データベースによって生成されるコマンドを監視し、以前に挿入されたトークントリガデータに対して前記テレビコンテンツを監視し、挿入命令に対して第２の放送データストリームサーバを監視する、請求項１５に記載のシステム。

【請求項23】

前記マルチプレクサは、ユーザサイト用のデータの混合ストリームを生成するために、前記トークンをテレビデータと多重化する、請求項１５に記載のシステム。

【請求項24】

前記１組のトークンは、前記パケット発生器のネットワーク位置、前記それぞれのトークンを前記ストリームに挿入する日付、該それぞれのトークンを該ストリームに挿入する時間、及び前記テレビセットトップボックスデバイスが実行することができるアプリケーション又はスクリプトのうちの少なくとも１つを表す、データを運ぶ識別子を含む、請求項１５に記載のシステム。

【請求項25】

タイミング情報を伴う前記テレビコンテンツの部分に印を付けるために、ユーザサイトに前記トークンを運ぶ前記パケットにタイムスタンプを刻印する、請求項１５に記載のシステム。

【請求項26】

前記フィードバックモニタは、前記トークンの挿入成功を報告する、請求項１５に記載のシステム。

【請求項27】

前記テレビセットトップボックスデバイスから受信した前記情報は、前記テレビセットトップボックスデバイスに送信されたトークンである、請求項１に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

（関連出願の引用）
本願は、米国特許出願第１２／２８８，６７２号（２００８年１０月２２日出願）の一部継続出願である米国特許出願第１２／６０３，８９７号（２００９年１０月２２日出願）の一部継続出願である。これらの出願の内容は、その全体が参照により本明細書に引用されている。

【0002】

（技術分野）
本明細書に記載するシステム及び方法は、概して、テレビコンテンツ配信ネットワークに関し、より具体的には、インターネット及びテレビコンテンツ配信ネットワークを含む、異なる分類の配信ネットワークに存在するコンテンツのリンク及びトラックを可能にする双方向放送データストリームサーバに関する。

【背景技術】

【0003】

今日、異なるトポロジ及び異なるデータ機能を有する、多くの異なるタイプのデータネットワークが存在する。テレビ及び無線ネットワーク等の放送ネットワークは、今や大部分がデジタルデータネットワークに切り替わっている。これらのネットワークは、多数のユーザに配信される、比較的少数の極端に大きいデータファイルを記憶するのに適するインフラを使用する。加えて、これらのネットワークにより、ユーザから放送サーバへのバックチャネルのサポートが提供されることはほとんど又は全くない。対照的に、コンピュータとワークステーションとの間のデータ通信をサポートするデータネットワークは、極端に多数の比較的小さいファイルを記憶するのに適する記憶装置と、ネットワーク上のデバイス間のデータの経路を素早く選択するためのトポロジ及びアーキテクチャとを有し、通常、各コンピュータにデータを伝送するための資源を均等に提供する。これらのタイプのデータネットワークのうち、おそらく最もよく知られているのが、インターネットである。

【0004】

インターネットの成長は著しく、コンテンツ送達用の媒体としてのテレビ及び無線ネットワークの活力ならびに重要性には疑問が呈せられている。テレビネットワークは、テレビコンテンツの放送の送達に、より適している。しかしながら、インターネットは、視聴者を魅了するコンテンツを提供し、同時に、視聴者がコンテンツを即座に選択し、購入に同意することを可能にする、データ処理プラットフォームを提供する。テレビ及び無線ネットワーク技術と、コンピュータデータネットワーク技術との間の差の具体的な結果は、インターネットを介してコンテンツを見る消費者に、ユーザが任意の他のウェブリンクと同様に選択することができる、双方向リンクを運ぶ広告を提示することができる点である。その選択に基づき、消費者は製品を買うか、又は少なくとも、小売業者から製品に関する追加情報を要求することができる。多くの広告主は、これをより優れたプラットフォームとみなしている。インターネットデータネットワークを用いて、広告主は、広告と製品を購入する機構との両方を同時に提示し、広告が消費者の心の中にある間、消費者に影響を与えることができる。

【0005】

したがって、広告媒体としてのテレビ及び無線ネットワークの経済における将来は、それらのプラットフォームのインターネットへの結合次第であろう。加えて、通信ツールとしてのテレビ及び無線ネットワークの価値はまた、テレビネットワークの放送能力に、コンピュータデータネットワークの双方向性をもたらした、実現可能なネットワーク技術によって増大されるであろう。例えば、テレビネットワーク上で放送される緊急警報は、視聴者が、ダウンロード可能な避難経路の地図、行方不明者に関する情報、他の救命安全情報等、より特定の情報を要求して取得するのに容易な方法と組み合わせられれば、効率性をより増す場合がある。そのために、多くの企業及び団体がこの課題に取り組み、ケーブルＴＶネットワークにわたる双方向通信を含む双方向通信を可能にするネットワーク技術を開発している。

【0006】

これらの技術は、ケーブルＴＶプラットフォームの双方向通信能力のみを増大する。しかしながら、改良された通信技術を追加するだけで、テレビプラットフォームがインターネット広告システムと競争して成功することを可能にするかははっきりしていない。これらのシステムにより、リンク可能なコンテンツ等、インターネットのような広告をケーブルＴＶプラットフォームにわたって運ぶことが可能になる。実質的に、提案されたシステムは、低品質のインターネットバナーの広告及びポップアップ式の案内を、ＴＶ視聴経験にまで拡張するのみである。それゆえ、これらの提案された解決法では、テレビネットワーク上で広告コンテンツを発達及び配信するための、既存の技術及びプラットフォームに対処するのには失敗する。さらに、プログラマ、広告主、及び安全管理者は、全てのテレビ配信環境で作動する解決法を望んでいるものの、これらの技術はケーブルテレビ環境に存在するだけである。

【0007】

テレビ及び無線システムがインターネットと競争するためには、テレビ及び無線広告の既存構造に合うように、インターネットの双方向性及び実施責任を、ＴＶ及び無線媒体にまで拡張する技術を開発する必要がある。

【0008】

このように、コンピュータネットワーク上のデータコンテンツを放送ネットワーク上のコンテンツにリンクさせることを可能にするための、改良されたプラットフォームを提供するシステム及び方法の必要性が依然として残存している。

【発明の概要】

【0009】

本明細書に記載するシステム及び方法は、とりわけ、ストリームがネットワークノードに送達される準備が整っているネットワークの中のある地点で、トークンを放送メディアストリームに挿入する、データストリームサーバを含む、データネットワークシステムに関連する。トークンは、通常、論理リンクを作成することによって、放送メディアストリーム、又は放送メディアストリームの一部分を、データネットワーク上に記憶されたコンテンツにリンクさせるデータポインタを提供する。ネットワークシステムは、待ち行列に入れられる、又は、計画される、あるいは、テレビネットワーク上に送達されるように整理される、放送コンテンツを追跡する。選択された時間に、ネットワークシステムは、放送ストリームに、トークン、又は随意で一連のトークンを挿入するように、データストリームサーバを誘起する。一実施例におけるこれらのトークンは、一連のネットワークノードに放送されている、データパケットのトランスポートストリームに挿入される。好ましくは、データストリームサーバは、放送メディアストリームからはぎ取られている、挿入されるパケットをもたらす場合がある放送メディアストリームの任意のプロセスに後続する、ネットワークの中のある地点に位置する。挿入されるトークンは、論理リンクの視覚的表示を作成するように、テレビコンテンツ受信機によって処理され得る。リンクは、データネットワーク上に記憶された、関連するコンテンツの要求を作成するように起動し得、またコンテンツは要求元と関連付けられた宛先に送達され得る。

【0010】

したがって、本明細書に記載のシステム及び方法は、一側面において、トランスポートストリームデータ伝送を用いる放送ネットワークを含む、放送ネットワーク上で供給されるデータをインターネットプロトコルパケット交換ネットワーク上に維持されるデータとリンクさせるシステムを含む、ネットワークを提供する。

【0011】

別の側面では、本明細書に記載するシステム及び方法は、ストリームでコンテンツの部分の位置を具体的に識別し、コンテンツのそれら部分をコンピュータネットワーク上に記憶されたデータとさらにリンクさせるトークンを、そのストリームに追加するように、放送メディアストリームを修正する、データストリームサーバに関連する。

【0012】

そのために、ある実施形態では、システムは、トークン情報を運ぶデータパケットを生成する、データパケット発生器を含む。データパケット発生器は、データパケット用に特定の１つ又は複数のトークンを選択するように、データパケット発生器を制御するトリガ制御信号に応答して作動する。正しいトークンを選択するために、パケット発生器は、データベースアクセスデータを識別するように、トリガ制御信号を処理する。パケット発生器は、放送メディアストリームに挿入されているべき適切なパケットを作成する命令をパケット発生器に提供するデータをその中に記憶したデータベースにアクセスする。これらの命令は、それぞれの放送メディアストリームコンテンツと関連付けるように、コンピュータネットワークコンテンツ、又は、コンピュータネットワークコンテンツを表すデータもしくは指し示すデータを含む。また、これらの命令は、例えば、データパケットの放送メディアストリームへの挿入を開始するための時間、及び同様に、データパケットの放送メディアストリームへの挿入を停止するための時間を示す、開始及び停止命令を含み得る。さらなる命令は、放送メディアストリームに挿入されているトークンデータに対して周期的に変更するための命令だけでなく、パケット挿入が開始時間と停止時間との間で機能している間に、データパケットが放送メディアストリームにどのくらいの頻度で挿入されるべきかを示す情報も含み得る。

【0013】

本明細書に記載する一側面は、放送メディアストリームのビデオ及び／又は音声構成要素用のコンテンツを生成し、同様に、放送メディアストリームのメタデータ構成要素用のコンテンツを生成する方法を含む。システムは、生成されたコンテンツを分離し、後にコンテンツ配信処理中に、生成されたコンテンツを結合する。１つの実践では、方法によって、上記のデータベース等の、パケット発生器によってアクセスされるデータを記憶するデータベースに、メタデータコンテンツを記憶する。

【0014】

別の側面では、コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツを、テレビネットワーク上で放送されるコンテンツとリンクさせるためのシステムが提供される。システムは、１つ以上の放送データストリームサーバ（ＢＤＳＳ）を含む。各ＢＤＳＳは、テレビネットワーク上で放送されるコンテンツとコンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツとの間のリンクを表す、トークンを記憶するデータベースを含み、少なくともトークンを送達するための持続時間を表す送達情報にアクセスする。トークンは、トークンレジストリによって使用を許可される。トークンレジストリは、それぞれのトークンを作成し、それぞれのトークンを登録し、１つ以上のトークンをトークンプレイリストに集めて、それぞれのトークン及びプレイリストをデータベースに記憶することを可能にする。トークンレジストリはまた、コンテンツ製作者が、それぞれのトークンの作成、及びそれぞれのトークンの追跡のうちの少なくとも１つを行うことを可能にする。

【0015】

システムはさらに、トークンのプレイリストをテレビネットワーク上で放送する命令を示すためのトリガ機構を含み、トリガ機構は、それぞれのトークンのプレイリストを示し、かつトークンのプレイリストの送達を開始するための時間を示す信号を生成し、トークンのプレイリストは、それぞれのトークン、及びそれぞれのトークンの送達を開始するための時間のうちの少なくとも１つを含む。一部の実施形態では、トリガ機構は、タイムスロットのスケジュールを表すプレイアウトリストを、タイムスロット用の関連プログラミングコンテンツを用いて作成及び配信するように、自動化システムと相互作用する。一部の実施形態では、トリガ機構は、トークンのうちのそれぞれを送達するためのタイムスケジュールを表す、データファイルを有する、計画プレイアウトシステムを含む。一部の実施形態では、トリガ機構は、ユーザによって操作され、放送データストリームサーバに連結されるタイプのスイッチを含む。一部の実施形態では、トリガ機構は、プログラムストリーム内で、トークンプレイリストを表すポインタを識別し、パケット発生器に、それぞれのトークンをテレビコンテンツのストリームに挿入させることによって、ポインタの識別に応答するための手段を含む。一部の実施形態では、トリガ機構は、コンピュータネットワーク及びテレビネットワークのうちの少なくとも１つにおいて、第２の放送データストリームサーバからの命令を含む。

【0016】

システムはまた、それぞれのトークンをテレビセットトップボックスデバイスに転送するための、テレビセットトップボックスデバイスと通信しているチャネルを有する、通信インターフェースを含む。

【0017】

システムはまた、テレビネットワーク上で放送されるテレビコンテンツのストリーム内にパケットを生成するためのパケット発生器と、パケット発生器及びサーバに連結されるマルチプレクサであって、データベースに記憶された１組のトークンを、テレビコンテンツのストリームと多重化するマルチプレクサとを含む。一部の実施形態では、パケット発生器は、トークンデータを運ぶデータパケットを生成する。一部の実施形態では、パケット発生器は、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリーム規格に適合するパケットを生成する。一部の実施形態では、パケット発生器は、トークンデータを有するパケットを生成し、トランスポートストリームのプログラムと関連付けられ、テレビネットワーク上で放送されているコンテンツを表す、プライベートデータセクション又はパケット化基本ストリームに、パケットを挿入する。

【0018】

一部の実施形態では、システムは、トークンデータを運ぶパケットを、それぞれの放送事業者と関連付けられたセットトップボックスデバイスに対して識別された選択ポートへ制御して挿入するために、パケット発生器に連結される識別子制御をさらに含む。識別子制御は、セットトップボックスデバイスの２つ以上の異なるポートにトークンデータを運ぶパケットを挿入するための手段を含む。

【0019】

一部の実施形態では、システムは、マルチプレクサへのコンテンツの送達を管理するための自動化システムをさらに含み、それによって、放送データストリームサーバ及び自動化システムによって誘起されるコンテンツ送達からのコンテンツは、混合パッケージのストリームに変換される。

【0020】

一部の実施形態では、１組のトークンは、かかるデータパケットを、セットトップボックスデバイスに放送されているテレビコンテンツのストリームに挿入するために、パケット発生器のネットワーク位置、それぞれのトークンをストリームに挿入するための日付、それぞれのトークンをストリームに挿入するための時間、及びセットトップボックスが実行することができるアプリケーション又はスクリプトのうちの少なくとも１つを表す、データを運ぶ識別子を含む。

【0021】

一部の実施形態では、システムは、挿入されたトークンデータがそれぞれのテレビコンテンツと関連付けられることを検証するために、セットトップボックスデバイスに放送されているテレビコンテンツの混合ストリームを監視するためのフィードバックモニタをさらに含む。

【0022】

一部の実施形態では、システムは、タイミング情報を伴うテレビコンテンツの部分に印を付けるように、ユーザサイトへトークンデータを運ぶデータパケットに刻印するためのタイムスタンプをさらに含む。

【0023】

別の側面では、コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツを、テレビネットワーク上で放送されるコンテンツとリンクさせるための方法が提供される。方法は、テレビネットワークを分析し、ユーザサイトに直接連結するチャネルに隣接しているネットワーク位置を識別するステップを含む。

【0024】

方法は、識別された位置に通信インターフェースを位置付け、通信インターフェースをユーザサイトと通信しているチャネルに連結するステップをさらに含む。

【0025】

方法は、テレビネットワーク上で放送されるコンテンツとコンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツとの間のリンクを表す、複数のトークンを記憶するデータベースを含む、放送データストリームサーバを提供し、少なくともそれぞれのトークンを送達するための持続時間を表す送達情報にアクセスするステップをさらに含む。

【0026】

方法は、それぞれのトークンを作成するためにトークンレジストリを提供し、それぞれのトークンを登録し、１つ以上のトークンをトークンプレイリストに集めて、それぞれのトークン及びトークンプレイリストをデータベースに記憶するステップをさらに含む。

【0027】

方法は、コンテンツ製作者が、それぞれのトークンの作成、及びそれぞれのトークンの追跡のうちの少なくとも１つを行うことを可能にするステップをさらに含む。

【0028】

方法は、テレビネットワーク上でのトークンプレイリストの送達を誘起するステップをさらに含み、誘起するステップは、通信インターフェースにおけるパケット発生器をマルチプレクサと連動させ、サーバに、テレビネットワーク上で放送されるテレビコンテンツのストリーム内のパケットとデータベースに記憶された１組のトークンを多重化させ、パケット発生器は、テレビコンテンツのストリーム内にパケットを生成し、トークンプレイリストは、それぞれのトークン、及びそれぞれのトークンの送達を開始するための時間のうちの少なくとも１つを含む。一部の実施形態では、１組のトークンは、パケット発生器のネットワーク位置、それぞれのトークンをストリームに挿入するための日付、それぞれのトークンをストリームに挿入するための時間、及びセットトップボックスが実行することができるアプリケーション又はスクリプトのうちの少なくとも１つを表す、データを運ぶ識別子を含む。

【0029】

一部の実施形態では、方法は、ユーザサイトに送達されているテレビコンテンツを監視し、テレビコンテンツの送達を、それぞれのトークンの送達の誘起と協調させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、監視するステップは、計画されたテレビコンテンツのプレイリストを監視するステップと、操作者によって手動で生成されるコマンドを監視するステップと、データベースによって生成されるコマンドを監視するステップと、以前に挿入されたトークントリガデータに対してテレビコンテンツを監視するステップと、挿入命令に対して第２の放送データストリームサーバを監視するステップとを含む。

【0030】

一部の実施形態では、方法は、ユーザサイト用のデータの混合ストリームを生成するように、トークンデータをテレビデータと多重化するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、タイミング情報を伴うテレビコンテンツの部分に印を付けるために、ユーザサイトへトークンデータを運ぶデータパケットにタイムスタンプを刻印するステップをさらに含む。

【0031】

一部の実施形態では、方法は、トークンデータの挿入成功を報告するためのフィードバックモニタをさらに含む。

【図面の簡単な説明】

【0032】

本発明の前述及び他の目的ならびに利点は、添付図面を参照の上、その続くさらなる説明からより完全に理解されるであろう。

【図1A】本発明の実施形態における、１つのシステムの第１の実施形態を示す。

【図1B】本発明の実施形態における、蓄積、トラフィック及び自動化モジュールの内部の構造を示す、図１Ａのシステムの第２の実施形態を示す。

【図2】トークンデータストリームのＸＭＬ表示を伴うデータベースを示す。

【図3】パケット発生器の一実施例を示す。

【図4】本発明の一実施形態における、１つのプロセスのフローチャートを表す。

【図5A】本発明の一実施形態における、システムの第２の実施形態を示す。

【図5B】本発明の一実施形態における、２つの蓄積、トラフィック及び自動化モジュールの内部の構造を示す、図５Ａのシステムの第２の実施形態を示す。

【発明を実施するための形態】

【0033】

本明細書に記載するシステム及び方法の全般的な理解を提供するために、放送メディアストリーム内のコンテンツを、コンピュータネットワーク上のコンテンツとリンクさせるシステムを含む、ある説明に役立つ実施形態について説明する。本明細書に記載するネットワークリンクシステム及び方法は、コンピュータデータネットワーク上の広告コンテンツを、テレビネットワーク上で放送されているテレビコンテンツ又はテレビコンテンツの部分とリンクさせることができるシステムを提供する。したがって、コンテンツリンクシステムは、テレビショー又はコマーシャル等、放送送達用のコンテンツを製作したコンテンツ製作者が、その放送コンテンツにコンピュータネットワーク上に記憶された追加及び別個のコンテンツをリンクさせることを可能にする。しかしながら、本明細書に記載するシステム及び方法は特に限定されず、例えば、緊急放送をデータネットワーク上に記憶されたコンテンツとリンクさせる、緊急放送通知システムといった、他のアプリケーションに使用し得る。これら及び他のアプリケーションだけでなく、ある修正、補足、及び追加は、以下に記載する説明から当業者には明らかであろう。

【0034】

そのために、１つの例示的な実施形態では、本明細書に記載するシステム及び方法は、１つの実践では、テレビネットワーク上のノードへのコンテンツ送達の地点にある放送ネットワーク上の位置に、データストリームサーバを配置することによって、データストリームサーバをテレビネットワークに統合する。一実施例では、データストリームサーバは、コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツへのリンクを表す情報を、放送データストリームに挿入するために、放送データストリームを処理することができる。挿入されたコンテンツは、システムがコンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツをリンクさせたい放送メディアの位置又は時間に対応する位置あるいは時間に、放送データストリーム内に配置される。それゆえ、本明細書ではトークンとも呼ばれる、挿入されたコンテンツは、データネットワーク上に記憶されるか、又はデータネットワーク上に生成することができるデータに論理リンクを提供する。

【0035】

１つの特定の実施形態では、以下にさらに詳細に記載する通り、データストリームサーバが、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリームに組み込まれ得るデータパケットを生成する。ＭＰＥＧ−２トランスポートストリームは、ケーブルネットワーク上のテレビ、又は放送メディアの他の受信機に送達されている放送メディアコンテンツである。そのため、例えば、テレビショーを運ぶＭＰＥＧ−２トランスポートストリームがテレビ局から伝送される場合に、コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツへのリンクを有するそのデータサーバは、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリーム用のメタデータパケットフォーマットに準拠するデータパケットを放送ストリームに統合する。メタデータストリームの中のデータパケットは、典型的にはセットトップボックスである受信機によって使用することができる情報を運び、送信されているテレビショーを構成するコンテンツと、放送の中で視聴されているコンテンツに関連する、又は何らかの関係がある、コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツがあることを、視聴者に示すアイコンとの両方を視聴者に提示する。動作において、視聴者は、情報をセットトップボックスに入力する制御を起動させることができるであろうし、この情報は、ケーブルネットワーク上のバックチャネルを通って、ケーブルヘッドエンドにまで送達される。ケーブルヘッドエンドに戻って送達される情報は、放送コンテンツと関連付けられるコンピュータコンテンツへのリンク情報と、随意で及び好ましくは視聴者のセットトップボックスの識別子とを含み得る。セットトップボックスの識別子は、リンク情報をケーブルヘッドエンドに返信したセットトップボックスを識別するであろう任意の好適な識別子であり得る。したがって、セットトップボックス識別子は、リンクされるパケット交換ネットワーク上の宛先のネットワークアドレスを導出するために、システムによって使用され得る情報を、直接的又は間接的のいずれかで提供する。それゆえ、本明細書に記載するシステムは、異なるデータ通信プロトコルを用いる２つのネットワーク間のデータ通信、すなわち少なくとも無指向性データ通信を媒介するネットワークゲートウェイとして、リンクシステムが働くのに十分な情報をリンクシステムに提供する。特定の一例示的な実施形態では、リンク情報は、コンピュータネットワーク上に記憶された情報を収集するのに使用され、セットトップボックス識別子は、その記憶されたコンピュータネットワーク情報を、そのセットトップボックスと関連付けられる視聴者が後でアクセスする場合がある、ポータルに送達するように用いられる。

【0036】

システム及び方法について記載するために、図１Ａには、受信機３２及びコンピュータ３４を含む、消費者ステーション３０等の要素を含むような、コンテンツリンクシステム１０を示す。同様に、図１Ａは、コンテンツ製作者ステーション１６及びトークンレジストリ１８を示す。これらの要素は、随意で、放送メディアコンテンツをリンクさせるためのシステムの一部であり得るが、かかる要素は任意である。さらに、これらの要素の構成及び配置は、図１Ａに示されるものとは異なり得る。例えば、トークンレジストリ１８は、コンテンツ製作者ステーション１６及びＴＶ局２０とは別個の要素として図示されている。しかしながら、他の任意の実施形態では、トークンレジストリ１８は、コンテンツ製作者ステーション１６又はＴＶ局１８に統合され得る。さらに他の配置が実現される場合があるだけでなく、消費者ステーションにあるコンピュータ３４、又はコンテンツ製作者ステーション１６にあるプレビューツール１２等、図示された要素のうちのいくつかを排除するか又は置き換える修正、ならびに選択される構成及び配置は、アドレス指定されているアプリケーションに依存するであろう。図１Ａはさらに、消費者ステーション３０に、テレビネットワーク（受信機３２）上のノード、かつコンピュータデータネットワーク（コンピュータ３４）のためのノードがあることを示している。典型的な動作では、これらのネットワークは、互いに独立して動作する。さらに、通常、放送ネットワークからコンピュータデータネットワークにデータを切り替えるゲートウェイがない。本明細書に記載するシステム及び方法は、かかるゲートウェイを提供する。本明細書に記載するシステムをでは、テレビネットワークにわたり送信されるコンテンツは、コンピュータデータネットワーク上に記憶されたコンテンツにリンクされ得、それによって、テレビネットワークにわたり配信されるコンテンツが、コンピュータデータネットワークにわたるコンテンツの送達を駆動することを可能にする。放送テレビネットワーク上で伝送される要求パケットは、コンピュータデータネットワークに伝えられ得る。

【0037】

図１Ａに戻ると、ステーション１６のコンテンツ製作者が、コンピュータデータネットワーク上に記憶されるか、又はコンピュータデータネットワークで生成されるかのいずれかであるコンテンツとリンクさせたい、テレビネットワーク上で配信するためのコンテンツを開発し得ることが示されている。そのために、図示されたコンテンツ制作ステーション１６は、トークンプレビューツール１２及びトークン作成ツール１４を含む。コンテンツ制作ステーション１６は、テレビ局２０からテレビネットワークに沿って異なる消費者ステーション３０に送信されるであろうコンテンツをレビューするために、コンテンツ製作者によって使用され得る。典型的には、コンテンツ製作者は、娯楽プログラム又は広告等、ケーブルテレビシステムにわたり通常配信されるコンテンツの種類を開発している、テレビ製作者又は広告主である。しかしながら、任意の人がコンテンツ製作者であってもよく、テレビネットワーク上での送達用のコンテンツを開発することを選択する実際の人は、アプリケーション及び目下のタスクによって異なるであろう。例えば、テレビネットワーク上での放送用の緊急警報データの開発者も、緊急放送コンテンツのセクションをコンピュータネットワーク上のデータとリンクさせるために、コンテンツ製作者ステーション１６を使用してコンテンツを開発し得る。ステーション１６で開発されるコンテンツは、典型的には、テレビネットワーク上での送達に好適なタイプのコンテンツであり、通常、何百メガバイトのデータ、又は多数のギガバイトのデータから成る非常に大きなデータファイルであろう。加えて、テレビネットワーク上の多数のサイトへの配信が意図され、その全てがほぼ同時にデータを受信するであろう。

【0038】

図１Ａに示す実施形態では、コンテンツ製作者ステーション１６は、トークン作成ツール１４を含む。図１Ａに示す通り、トークン作成ツール１４は、トークンレジストリ１８に接続する。トークンプレビューツール１２もまた、トークンレジストリ１８に接続する。一般のビデオ再生及び非線形ビデオ編集ツールを使用して、コンテンツ製作者は、製作した、又は与えられていたテレビショーを見ることができ、シーケンスを経て進行するにつれてショーを見ることができる。あるとき、コンテンツ製作者は、そのテレビショーの一部分と、コンピュータネットワーク上に記憶された一部の追加コンテンツとを関連付けることを決定する。従って、例えば、自動車用のコマーシャル中に、コンテンツ製作者は、消費者に提示されているビデオの一部分を、広告の中に示されている自動車と類似又は同一の自動車の購入からある量の金額を割り引くためのクーポンを表す、コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツと関連付けることを決定し得る。別の例では、コンテンツ製作者は、コンテンツにわたって時間間隔を置いた一連のトークンを提供することを決定し得る。トークンは、放送コンテンツを表す、コンピュータネットワーク上に記憶されたコンテンツと関連付けられ得る。１つの用途において、これらの時間的に間隔を置いたトークンが、本明細書に記載するシステムが、コンピュータデータネットワークによって用られる通信プロトコルに準拠する、データ要求を生成するように処理し得る、テレビネットワークのバックチャネルを介する伝送のために、データパケットを作成するために用いられ得る。システムは、これらの生成された要求をコンピュータデータネットワーク上に切り替え、それによって、２つの異なるネットワークをリンクし得る。そのために、コンテンツ制作ステーション１６のコンテンツ製作者は、コンテンツ、すなわち、コンピュータネットワーク上のコンテンツがビデオシーケンスと関連付けられていることを視聴者に表すアイコンの開始時間及び持続時間について、データをトークン作成ツール１４に入力し、関連するコンピュータネットワークコンテンツが何かを指定する。通常、この関連の表示は、典型的には、ユーザの遠隔制御を起動させることによって、又は一部の他のデバイスを通して、消費者にある入力を行うように指図し、該入力は、消費者のセットトップボックスによって処理することができる信号を消費者のセットトップボックスへ提供し、該セットトップボックスは、ケーブルネットワーク又は任意のネットワーク上のバックチャネルを介して情報を送達し、該情報は、コンテンツ製作者がトークン作成ツール１４で識別した、コンテンツ製作者によって特定のビジュアルシーケンスと関連付けられたコンピュータコンテンツの位置を表す。トークン作成ツール１４は、トークンレジストリ１８への要求を生成し、次いで、トークンレジストリ１８がトークンを生成し、コンテンツ製作者１６が指定し、トークンの特性と共に、トークンレジストリ１８にトークンを登録する。

【0039】

トークンが作成され、トークンレジストリ１８に記憶されると、コンテンツ製作者は、トークンデータと組み合わせられる放送コンテンツの消費者への提示をシミュレートし、消費者がトークンをクリックした場合の、関連するコンピュータネットワークコンテンツの消費者への提示をシミュレートするように、トークンプレビューツール１２を使用し得る。一実施例では、トークン作成ツール１４及びトークンプレビューアツール１２は、コンテンツ製作者が、コンテンツを視聴し、トークンデータを入力し、１つのユーザインターフェース内で消費者の体験をプレビューすることができるように、非線形ビデオエディタと統合される。一実施例では、トークンプレビューツール１２は、コンテンツファイルが放送中にプレイアウトしているときに、データストリームサーバが検出し得るトークンを表すメタデータを追加することによって、元のビデオ／音声コンテンツファイルを改変することができる。

【0040】

トークンレジストリ１８は、コンテンツ製作者がトークン作成ツール１４を使用しているときに、コンテンツ製作者に対して特有のトークンＩＤを記憶するデータベースを含み、そのトークンＩＤは、ビデオ情報、あるいはコンテンツ製作者がコンピュータネットワーク上のコンテンツと関連付けたいと望む、他の情報又はコンテンツを一意的に表す。図１Ａに示すトークンレジストリ１８は、本願の譲受人によって所有される、名称「Ｓｙｓｔｅｍｓ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ ｆｏｒ Ｒｅｇｉｓｔｅｒｉｎｇ Ｔｏｋｅｎ Ｄａｔａ ｏｎ ａ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｎｅｔｗｏｒｋ」の米国特許出願第１２／００１，６３３号に記載するような、トークンレジストリであり得る。

【0041】

図１Ａはさらに、テレビ局２０を示している。テレビ局は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２、データストリームサーバ２４、及びマルチプレクサ２８を備える複数部のシステムを含む。図１Ａに示す通り、コンテンツ製作者１６は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２と通信し得る。特に、コンテンツ製作者１６は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２上に、この例では、消費者ステーション３０に接続するケーブルネットワークであり得るテレビネットワークを介し、コンテンツ製作者がテレビ局２０によって送信されることを望むビデオコンテンツ、及び随意でそれを送信するための所望のスケジュールをロードし得る。図１Ａに示す実施形態では、コンテンツ及びスケジュール情報を、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２に送達している、一人のコンテンツ製作者１６がいる。しかしながら、大部分の用途では、いく人かのコンテンツ製作者がおり、彼らの各々が娯楽コンテンツ、広告主コンテンツ、又は別のコンテンツのいずれか異なるタイプのコンテンツを製作するであろうし、このコンテンツ全ては、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２内の異なる位置に別々に記憶され得る。

【0042】

図１Ｂは、複数部の蓄積、トラフィック及び自動化システム２２の構成と、相互作用イベント決定メーカサーバ３６とを有する、図１Ａのシステム１０ａの実施形態である、コンテンツリンクシステム１０ｂを示す。特に、図１Ｂは、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２内の３つのサーバ、すなわち、自動化システム２２ａ、蓄積サーバ２２ｂ、及びトラフィック＆ビリングシステム２２ｃを示す。一部の実施形態では、自動化システム２２ａ及び蓄積サーバ２２ｂは、一つのユニットであり得る。さらに、ケーブルオペレータシステムでは、トラフィック＆ビリングシステム２２ｃと相互作用する、唯一の広告サーバユニット（２２ａ及び２２ｂの結合）であり得る。ケーブルオペレータシステムにおける広告サーバ（２２ａ及び２２ｂ）は、トラフィック＆ビリングシステム２２ｃからスケジュールデータを受信し、供給するケーブルにおいて、キュートーンを返答する。

【0043】

２２ａ、２２ｂ、及び２２ｃのそれぞれは、放送データストリームサーバ（ＢＤＳＳ）とも呼ばれるデータストリームサーバ２４と通信する。以下に説明するように、システム２２ａ、サーバ２２ｂ、及びシステム２２ｃは、ＢＤＳＳ２４及び／又はＤＭサーバ３６へ情報を送る。この情報は、例えば、セットトップボックス３２のような消費者デバイス上で実行される特定のテレビコンテンツに対応するハウスＩＤ（House ID）を含み得る。他の好適な情報は、ＢＤＳＳ２４と、システム２２ａ、サーバ２２ｂ、及びシステム２２ｃとの間を伝送され得る。相互作用イベントＤＭサーバ３６は、２２ａ、２２ｂ、及び２２ｃのぞれぞれと相互に作用し得、また、ＢＤＳＳ２４と相互に作用する。相互作用イベントＤＭサーバ３６は、２つの機能のうち少なくとも１つを実行する。第１の機能は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２がプレイアウトエンジン（図２において説明される）上でプレイアウトする広告を決定することである。第２の機能は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２によってプレイアウトされる、広告及び／又はコンテンツに従う、相互作用性のタイプ（例えば、相互クリックのタイプ）を決定することである。この機能は、さらに以下に説明される。

【0044】

特に、図１Ａ及び図１Ｂを続けて参照して、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２のサーバ２２ａ、２２ｂ、及び２２ｃは、通常、プレイリスト、又はシステム２２に記憶されたコンテンツが、テレビ局２０から消費者ステーション３０へ伝送されるときを識別する、他の制御システムを含む。図１Ａに示す実施形態では、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、そのコンテンツをマルチプレクサ２８へプレイアウトする。１つの実施形態では、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、ＢＤＳＳ２４にコマンドを送る。他の実施形態では、ＢＤＳＳ２４は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２との接続を率先して開始する。第３の実施形態では、ＢＤＳＳ２４は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２によって生成されたログファイルを調べる。第４の実施形態では、ＢＤＳＳ２４は、自動化システムと他のデバイスとの間の通信経路を調べる。データストリームサーバ２４は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２のプレイアウトされているテレビコンテンツのある部分と関連付けられるべきトークンを示す、トークンレジストリ１８から情報を受信する。データストリームサーバ２４は、１つの実践において、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２から消費者ステーション３０へ送達されているコンテンツを構成する、放送メディアストリームに統合することができるデータパケットを生成するであろう。そのために、図１Ａに示すテレビ局２０は、マルチプレクサ２８を含む。マルチプレクサ２８は、パケット発生器を含む、データストリームサーバ２４によって生成されるパケットを蓄積、トラフィック及び自動化システム２２から受信されたデータパケットと共に多重化し、その結果、全てのパケットが消費者ステーション３０へデータのコヒーレントストリームとして送達され、消費者が、放送メディアストリームの部分と関連付けられているコンテンツの位置を表すトークンを、それと共に含むであろう放送コンテンツを視聴し得る。したがって、システムは、ユーザサイト３０に対する混合ストリームを生成するように、トークンデータをテレビデータと多重化する。

【0045】

図１Ａに示す消費者ステーション３０は、経路７を介してマルチプレクサ２８へ及び経路９を介してトークンレジストリ１８へ連結する。消費者ステーション３０は、ケーブルテレビネットワークへの接続、及びコンピュータ３４へ連結するコンピュータデータネットワークへの別個の接続を有する、消費者の自宅を示すことを意味する。テレビネットワーク及びコンピュータネットワークは、ケーブルヘッドエンドから消費者の自宅に接続するケーブル等、同一媒体を使用し得る。しかしながら、２つのネットワークは、テレビネットワーク上での放送データが、コンピュータ３４に連結するコンピュータデータネットワークによって使用される帯域幅及びプロトコルとは異なる帯域幅ならびにプロトコルを使用して伝送される点においてはっきりと異なる。したがって、コンピュータ３４及びセットトップボックス３２は、それらのネットワーク接続用の同一物理メディアを使用し得るものの、これらのネットワークは別個ではっきりと異なり、図１Ａに示すシステム１０は、データストリームサーバ２４によって、トークン作成ツール１４により生成されるコンテンツにトークンを挿入させることによって、これらの別個ではっきりと異なるネットワークを結びつけ、トークンは、テレビ放送コンテンツの部分をコンピュータ３４に連結され、コンピュータ３４がアクセス可能なネットワーク上に記憶されたコンテンツに、論理的にリンクさせる。

【0046】

図示されたセットトップボックス３２は、テレビ放送ネットワークにわたり伝送されるデータを受信及び処理することができる、任意の好適なセットトップボックスデバイスであり得る。同様に、図示されたコンピュータ３４は、コンピュータデータネットワークに連結するための、任意の好適なコンピュータであり得る。通常、消費者ステーション３０のコンピュータ３４は、インターネットサービスプロバイダを通してインターネットデータネットワークに接続する、従来の家庭用コンピュータである。

【0047】

動作において、コンテンツ制作ステーション１６を使用するコンテンツ製作者は、テレビのどのセグメント又はどの部分を、コンピュータ３４によりアクセス可能なコンピュータデータネットワーク上に記憶された、又はそのコンピュータデータネットワークにより生成されたコンテンツにリンクすべきかを決定する。コンテンツ製作者はまた、テレビデータの選択されたセグメントに論理的にリンクさせたい、実際のコンテンツ又はサイトを決定することもできる。その後、コンテンツ製作者は、トークンレジストリ１８にそれらの決定を登録するように、トークン作成ツール１４を使用し得る。そのために、トークンレジストリ１８は、コンテンツ製作者１６によって決定されたトークン命令を受信する。これらのトークン命令は、トークンがコンピュータネットワーク上のどのコンテンツにリンクすべきか、トークンがどの放送コンテンツと関連付けられているのか、トークンはどのくらい継続すべきなのか、リンクされたコンピュータコンテンツを視聴者に通知する視覚的アイコンはどのようなものであろうか、アイコンは画面上どこに現れるであろうか、及びテレビコンテンツとコンピュータデータネットワーク上の関連するコンテンツとの間で作成されている論理リンクのタイプに関係する他の情報を示す。

【0048】

コンテンツ製作者はまた、コンテンツ製作者が望む任意のファイルフォーマットでコンテンツをテレビ局２０に送る。コンテンツは、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２にロードされ、そのコンテンツのプレイアウトが最終的に計画され、テレビ局の自動化システム２２によって再生される。図１Ａに示す通り、トークンレジストリ１８は、経路４を介してデータストリームサーバ２４に連結する。プレイアウトの前に、データストリームサーバは、経路４上でトークンレジストリからのトークン命令を受信する。一部の実施形態では、テレビ局２０の職員又はプロセッサが、トークンレジストリ１８からデータストリームサーバ２４へのトークン情報の転送を開始し、随意で、テレビ局の内部識別子をレジストリの中の特定のトークンと関連付け得る。１つの動作では、自動化システム２２は、データストリームサーバ２４への命令を提供する。その命令は、そのデータストリームサーバに、特定の時間に、特定のトークン又はトークンプレイリストを、マルチプレクサ２８から消費者３０のセットトップボックス３２に伝送されているＭＰＥＧ−２トランスポートストリームに挿入するように指図する。トークンデータを挿入するトリガを受信すると、データストリームサーバ２４は、適切なトークンを収集して、そのトークンをＭＰＥＧ−２トランスポートストリームのメタデータセクションに挿入する。このプロセスを可能にするために、ストリームに挿入されるべき１組のトークンは、パケット発生器のネットワーク位置、それぞれのトークンをストリームに挿入するための日付、それぞれのトークンをストリームに挿入するための時間、及びセットトップボックスが実行することができるアプリケーション又はスクリプトのうちの少なくとも１つを表す、データを運ぶ識別子を含む。

【0049】

図２は、メタデータストリームへの挿入に好適なトークンの一実施例を示している。特に、図２のトークンは、ＣＶＢ＿１０００００００１０２１としてそれ自体を一意に識別するトークンを含む、トークンのＭＰＥＧ−２データストリームを作成するであろう。トークンの中のさらなる情報は、トークンのアイコンがタイプ「Ｉ」（ｉｎｆｏ）のうちの１つであり、アイコンが、垂直方向に画面の８３％及び水平方向に画面の８３％に位置し、８４秒間機能を保持するべきであると示している。このアイコンは、セットトップボックス３２によるトークンストリームの受信後３秒で表示され、７６秒間表示されるであろう。ストリームへ挿入されると、トランスポートストリームは、セットトップボックス３２に送達され、セットトップボックス３２は、トークンデータを認識し、トークンデータがセットトップボックスに提示するように命令する、視覚的合図（アイコン）を表示し得る。通常、視覚的合図は、セットトップボックス３２の上で受信されているコンテンツと関連付けられる、コンピュータデータネットワークから要求され得るコンテンツがあることを示す。１つの動作において、消費者は、コンピュータネットワーク上のコンテンツへのリンクを起動させたい遠隔制御をクリックすることによって、この情報にアクセスする。当該内容は全て本明細書に組み込まれているものとされる、米国出願第１２／００１，６６３号に記載する通り、そのトークンに関連付けられる情報は、消費者のコンピュータステーション３４に送達することができる。

【0050】

図１Ａに示す蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、本実施形態では、テレビ局自動化システムとして示されている。かかる自動化システムは、テレビネットワークを横断してセットトップボックスデバイス３２に送達されている放送コンテンツのそのスケジュールを含む、プレイアウトリストを管理する。したがって、プレイアウトリストは、一日中その都度どのビデオ資産が再生されるべきなのかに関する情報を維持し、自動化システム２２は、各ビデオ資産をその入力又は記憶源から呼び出す。自動化システム２２は、コマーシャル又はショー等の１次事象、及びグラフィックオーバーレイ又はクローラ等の２次事象を計画し得る。代替として、自動化システムは、ニュース放送中のスタジオカメラと生放送用のフィールドカメラとの間の切り替え等、単一のテレビプログラム内の高度に詳細な事象を制御し得る。データストリームサーバ２４は、自動化システム２２と統合され得る。一実施形態では、データストリームサーバ２４は、図１Ａに示す通り、自動化システム２２に連結される。本実施形態では、自動化システム２２は、各ビデオ資産がまさに再生されようとしているときに、データストリームサーバ２４に警告し得、データストリームサーバ２４は、いずれかのトークンがそのビデオ資産に対して計画されているかを知るために、そのデータベースを確認する。計画されたトークンがある場合には、データストリームサーバ２４は、トークンのプレイアウトを自動化システムのビデオのプレイアウトに同期させる。代替の実践では、ユーザは、自動化システムのプレイアウトリストに、トークン挿入を２次事象として入力し得、そのため２次事象に対するプレイアウトメッセージは、トークン挿入を誘起するように、自動化システム２２からデータストリームサーバ２４へ送られるであろう。

【0051】

随意に、代替の実施形態では、挿入プロセス中、データストリームサーバ２４は、データストリームサーバ２４の識別、挿入の日付及び時間、アプリケーション（例えば、ＥＢＩＦ）又はスクリプト、あるいはシステムのダウンストリーム構成要素によって使用され得る他のデータを表す、追加データを挿入し得る。このように、セットトップボックスは、放送コンテンツと関連付けられる、データネットワーク上のコンテンツと、そのコンテンツ及びトークンを送達したデータストリームサーバを表すような他の情報との両方を表すトークン情報を受信する。この例では、地理情報が、セットトップボックス３０に提供され、コンピュータコンテンツと関連付けられるトークンの源を示している。さらに任意の実施形態では、リンクを起動させるユーザの行動は、コンピュータネットワークへ要求を返信する結果となり、この要求は、トークン識別だけでなく、データストリームサーバ識別をも運ぶ場合がある。この情報は、例えば、図１Ａに示すトークンレジストリ１８といった、任意の好適な位置に返信され得る。トークンレジストリ１８は、トークンデータ及びデータストリームサーバ識別を受信し、トークンレジストリ１８が、ユーザによって関連するコンピュータデータコンテンツにリンクされたテレビコンテンツを供給しているデータストリームサーバを認識することを可能にするフィードバックループを閉じることができる。加えて、フィードバックループは、コンテンツ及びトークンが適切に同期され、実際に消費者ステーション３０に送達されたことを確かめることができる。そのために、任意のフィードバックモニタが、コンテンツプロバイダに、トークンデータの挿入成功及びトークンの送達成功を報告するために使用され得る。加えて、随意で、システムは、タイミング情報を伴うテレビコンテンツの部分に印を付けるために、トークンデータをユーザサイトに運ぶデータパケットにタイムスタンプを記録し得る。これにより、トークンのテレビコンテンツとの同期された送達のより詳しいレビューが可能になる。

【0052】

図３に移ると、パケット発生器の一実施形態を示している。特に、図３は、図１Ａのデータストリームサーバ２４をより詳細に示し、データストリームサーバ２４の構成要素である、パケット発生器５０を図示している。図３に示すパケット発生器５０は、データストリームサーバの一要素であり、自動化インターフェース４０を通って自動化システム２２と連結し、操作、管理、及び監視、ならびにプロビジョニングインターフェース（ＯＡＭ＆Ｐ）４２を通して連結する。加えて、パケット発生器は、インジェストインターフェース４４とデータ及びメッセージングを通信し、インジェストインターフェース４４は、トークンレジストリ１８とデータ及び制御信号を交換する。

【0053】

パケット発生器５０は、トリガ制御及びスケジュールデータを、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２から自動化インターフェース４０を通して受信する。自動化インターフェース４０は、通常、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２によって用いられる通信プロトコルを実行することができ、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２とパケット発生器５０との間のデータ交換を仲介することができるソフトウェア処理である。

【0054】

メッセージは、多数の方法でパケット発生器５０により受信され得る。一実施形態では、自動化インターフェース４０は、蓄積、トラフィック及び自動化システム２２により開始された、入力されているメッセージを調べる。蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、イベントが起こると、自動化インターフェース４０へメッセージを送信する。蓄積、トラフィック及び自動化システム２２により開始されたメッセージの例には、以下が含まれる。
・蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、ビデオ記憶装置に、ビデオを実行する「ＣＵＥ」を命令し、自動化インターフェース４０へメッセージを送信する。
・蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、ビデオ記憶装置に、ビデオを実行する「ＰＬＡＹ」を命令し、自動化インターフェース４０へメッセージを送信する。
・蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、ビデオ記憶装置に、ビデオをプレイアウトする「ＳＴＯＰ」を命令し、自動化インターフェース４０へメッセージを送信する。
・蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、（本日のスケジュールのような）時間間隔でスケジュールされた複数のイベントを含む、自動化インターフェース４０へ、時間トリガの「ＮＥＷ ＳＣＨＥＤＵＬＥ」メッセージを送信する。
・蓄積、トラフィック及び自動化システム２２は、自動化インターフェース４０へ既に送信されたスケジュールにおいて変化が起こると、イベントトリガの「ＳＣＨＥＤＵＬＥ ＵＰＤＡＴＥ」メッセージを自動化インターフェース４０へ送信する。

【0055】

一実施形態では、自動化インターフェース４０は、他の装置間の通信チャネルを調べ、例えば、ビデオ記憶装置へ命令を送信する、スケジュールモジュールを調べる。通信経路を調べる例は以下のとおりである。
・自動化システム２２によりビデオ記憶部へ送信された命令が、双方向データプレイアウトモジュールにより「ｏｖｅｒｈｅａｒｄ」となるように、自動化システム２２とビデオ記憶装置との間のシリアル接続にｙ−スプリッタを置く。
・ビデオスケジューラによりビデオ記憶部へ送信された命令が、双方向データプレイアウトモジュールにより「ｏｖｅｒｈｅａｒｄ」となるように、ビデオスケジュール装置とビデオ記憶装置との間の通信トラフィックを運ぶネットワーク上に、パケットスニフモジュールを置く。

【0056】

一実施形態では、自動化インターフェース４０は、自動化システム２２により生成されたログを監視することが可能である。多くの装置は、それらがある特定のビデオがいつ実行されるかを含む行動を実行するとき、ログエントリを生成する。監視ログの例は以下の通りである。
・ネットワークにおいてビデオ記憶装置２２ｂのログファイルにアクセスし、ビデオ記憶装置により、「ＣＵＥＤ Ｃｌｉｐ ｘｙｚ」又は「ＰＬＡＹＥＤ Ｃｌｉｐ ｘｙｚ」のような、新たなエントリがログファイルにいつ置かれるかを監視する。
・ネットワークにおいて自動化システム２２ａのログファイルにアクセスし、自動化システム２２ａにより、「ＣＵＥＤ Ｃｌｉｐ ｘｙｚ」又は「ＰＬＡＹＥＤ Ｃｌｉｐ ｘｙｚ」のような、新たなエントリがログファイルにいつ置かれるかを監視する。

【0057】

一実施形態では、メッセージは、自動化システム２２から要求される情報によって、自動化インターフェース４０により開始され得る。これらのポーリングメッセージは、１日ごと、１時間ごと、３０秒ごと等のように特定の時間間隔で、自動化インターフェース４０により送信され得る。自動化システム２２は、ビデオスケジュールモジュール又はビデオ記憶装置など、要求されたデータ要素を提供し得る。アウトバウンドポーリングメッセージは、受信装置が好適な応答を送信できるように、データのいくつかの要素を含み得る。他のポーリング装置の例は以下の通りである。
・特定の期間における計画されたプレイアウトのリストを含む、「ＳＣＨＥＤＵＬＥ」を要求及び送信する。このメッセージは、スケジュールの開始が５：００で２４時間のスパンを要求するように、スケジュールの開始及び継続期間を含み得る。
・いくつかの変更をスケジュールに含む、「ＳＣＨＥＤＵＬＥ ＵＰＤＡＴＥ」を要求及び送信する。
・現在何が実行されているかを示す「ＳＴＡＴＵＳ」を要求及び送信する。
・「ＩＮＴＥＲＡＣＴＩＶＥ ＡＰＰ ＩＤ」を要求及び受信する。このメッセージは、受信サーバが好適な応答を返信するために要求する、ハウスＩＤ（House ID）又は他の情報、例えばアプリケーションソフトがこの特定のコンテンツに挿入されるべき要求を含み得る。

【0058】

自動化システム２２と自動化インターフェース４０との間の、メッセージフォーマット及び送達プロトコルは、多くの標準のうちの一つ又はそれらのいくつかの結合となり得る。メッセージフォーマット及び送達プロトコルのいくつかの例は以下の通りである。
・イーサネット（登録商標）ケーブル上のインターネットプロトコルフォーマットで受信されるＸＭＬメッセージ
・シリアルケーブル上のＶＤＣＡフォーマットで受信されるＶＤＣＰメッセージ

【0059】

他のフォーマット及びプロトコルも可能である。

【0060】

双方向データ挿入装置に必要なデータは、以下の１つ以上を含み得る。

【0061】

【表1】

【0062】

なお、いくつかの実施形態では、必要な他のデータ要素があってもよく、いくつかの実施形態では、上述のデータの部分集合で満たされている。

【0063】

なお、付属書類Ａは、上述のシステムにおける例示のアプリケーション及び上述のインターフェースを説明している。

【0064】

いくつかの実施形態では、単一のメッセージが複数の源から供給される。例えば、一つの装置は、何の相互作用アプリケーションが挿入されるべきか、又は、何のターゲットローカルが到達すべきか等、他の装置がメッセージの他の部分を送信している間に何のビデオが実行しているかについてメッセージを送信する。図１Ｂを参照して、ＤＭサーバ３６は、これらのタスクの一つ以上を実行し得る。同様に、異なるメッセージ方法は、単一のプレイアウトを達成するために結合され得、異なる送達プロトコルが使用される。

【0065】

ここでは、単一のプレイアウトを達成するための結合方法の例を示す。
１．自動化インターフェース４０は、自動化システム２２ａとビデオ記憶装置２２ｂとの間の通信経路を「調査」（listening）する。通信経路は、シリアル上のＶＤＣＰである。
２．自動化インターフェース４０は、インターネットプロトコル上のＸＭＬメッセージを利用する相互作用ＤＭサーバ３６を監視（poll）し、相互作用アプリケーションソフトＩＤ（interactive ID）を要求する。
４．相互作用ＤＭサーバ３６は、プレイアウトメッセージを備えた、相互作用アプリケーションソフトＩＤを返す。
５．プレイアウトエンジン４８は、好適な双方向データ要素を実行する。

【0066】

１〜５のいくつもの組み合わせは、限定されず使用され得る。上記例は、説明された目的のために提供された単なる例である。

【0067】

トリガ及びスケジュールデータは、パケット発生器５０のスケジューラ５４に受け渡される。スケジューラ５４は、データストリームコンストラクタ及び構成要素ライブラリアン５８と連動する。スケジューラ５４は、通常、自動化システム２２から、指定のトークンのＭＰＥＧ−２トランスポートストリームへの挿入を誘起するための、トリガコマンドを受信するソフトウェア処理である。加えて、スケジューラ５４は、自動化システム２２から、トークンをデータストリームに挿入するように示すデータ、及びトークンが周期的に挿入されるべきか、又はインクリメント値を有する一連のトークンとして挿入されるべきかを示すコマンドを受信し得る。いずれの場合でも、スケジューラ５４は、構成要素ライブラリ６２からＭＰＥＧ−２トランスポートストリームに挿入する適切なトークンを選択するように、構成要素ライブラリアン５８を要求することによって、自動化システム２２から受信される情報に応答する。ライブラリ６２は、トークンを記憶するデータベースシステムであってもよく、データをトークンレジストリ１８から引き出すインジェストインターフェース４４によって、周期的に補充されてもよく、そして、トークンレジストリ１８は、本明細書に記載するシステムの外部にあるが、本システムによって使用するためのトークンを生成する、図１Ａに示されるトークン作成ツール１４等の源によって追加され得る。

【0068】

いくつかの実施形態において、相互作用イベントＤＭサーバ３６は、パケット発生器５０の自動化インターフェース４０と連動する。相互作用イベントＤＭサーバ３６は、通常、パケット発生器５０に、どのトークン及びアプリケーションが挿入されるかを指示する責任を負う。そして、スケジューラ５４は、構成要素ライブラリ６２から適切なトークン及びアプリケーションを選択するように、構成要素ライブラリアン５８に伝える責任を負う。相互作用イベントＤＭサーバ３６は、システムに、以下のような外部入力又は周囲に基づく、異なるトークン及びアプリケーションを挿入する可能性を与える。
・日付の時間により選択されるトークン及び／又はアプリケーション
・人口統計学の情報により選択されるトークン及び／又はアプリケーション

【0069】

データストリームコンストラクタ６０は、プレイアウトエンジン４８に送達される、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリーム対応のデータストリームを生成する。プレイアウトエンジン４８は、エンコーダ／マルチプレクサ２８と連動し、テレビデータストリームと混合するためにエンコーダ／マルチプレクサ２８にストリームを送達する。

【0070】

代替のトリガシステムが、図３に示され、挿入されるトークンを手動で誘起するＢＤＳＳマネジャユーザインターフェース６３と、トークンを表すポインタを検出し得るＶＡＮＣデコーダ６４とを含む。いずれの場合も、バックチャネルメディア（ＢＣＭ）データストリームコンストラクタ６０は、構成要素ライブラリ６２からＭＰＥＧ−２トランスポートストリームに挿入する適切なトークンを選択するように、構成要素ライブラリアン５８に要求することによって、ＢＤＳＳマネジャ（ＢＤＳＳＭ）ユーザインターフェース６３又はＶＡＮＣデコーダ６４から受信される情報に応答する。ＢＣＭ構成要素ライブラリアン５８におけるトークン挿入のための所定の日付及び時間を記憶し、指定された日付及び時間に到達すると始めるか、又は例えば、「ハブ」制御テレビ局、国内放送テレビ局、又は国内コンテンツシンジケータといった、ネットワークの異なる地点に位置する別のデータストリームサーバから始めるように、挿入を誘起するステップを含む、他の任意のトリガシステムが用いられ得る。

【0071】

一部の実施形態では、図３のＢＤＳＳの構成要素は、コンピュータネットワーク又はテレビネットワークのいずれかの異なる部分に位置し得る。例えば、エンコーダ−マルチプレクサ２８は、コンピュータネットワーク又はテレビネットワークのいずれかの第１のテレビ局に位置していてもよく、その一方で自動化システム２２は、コンピュータネットワーク又はテレビネットワークのいずれかの第２のテレビ局に位置し得る。一部の実施形態では、自動化システム２２は、１つより多いＢＤＳＳと相互作用し得る。それゆえ、一部の実施形態では、図３に示す全ての構成要素が、コンピュータネットワーク又はテレビネットワークのいずれかにおいて、同一の物理位置にあるわけではないであろう。

【0072】

図４は、放送メディア上を伝送されるデータを、コンピュータデータネットワーク上のデータにリンクさせるための１つのプロセスのフローチャート図を提示する。特に、図４は、トークンデータはデータベースに記憶され、トークンを表すポインタはプログラムに記憶され、プレイリスト情報もデータベースに記憶された、第１のステップ７２を含むプロセス７０を提示する。通常、データベースは、図１Ａに示す蓄積、トラフィック及び自動化システム２２の一部であるが、別個のシステム及び本明細書に記載するシステムであってもよく、どんな特定のプロセスにも依存しない。さらに、データベースは、市販のＭｉｃｒｏｓｏｆｔ Ａｃｃｅｓｓデータベースを含む、任意の好適のデータベースシステムであってもよく、ローカル又は分散型データベースシステムであり得る。好適なデータベースシステムの設計及び開発については、ＭｃＧｏｖｅｒｎ ｅｔ ａｌ，Ａ Ｇｕｉｄｅ Ｔｏ Ｓｙｂａｓｅ ａｎｄ ＳＱＬ Ｓｅｒｖｅｒ，Ａｄｄｉｓｏｎ−Ｗｅｓｌｅｙ（１９９３）に記載されている。データベースは、ハードディスクドライブ、ＲＡＩＤシステム、テープドライブシステム、フロッピー（登録商標）ディスケット、又は任意の他の好適なシステム等、任意の好適な永続的データメモリに対応し得る。データベースは、トークンデータ及びプレイリストデータを、フィールドを含むテーブルに整理し、いずれの場合でも、データベースは、放送コンテンツに挿入されるべきトークンと、その放送コンテンツがプレイアウトされ、ＳＤＩとして図３に示すエンコーダ／マルチプレクサ２８に送達されると予測されるときを表す情報とを記憶する。そのために、ステップ７４で、プロセス７０は、図３に示すＶＡＮＣデコーダ６３等の機構を使用して、エンコーダ／マルチプレクサ２８へ通過していく未処理のＳＤＩ処理ストリームをレビューする。

【0073】

エンコーダ／マルチプレクサ２８はＳＤＩストリームを処理し、ＳＤＩストリームをＭＰＥＧ−２トランスポートストリームプロトコルにパッケージ化する。随意で、ＶＡＮＣデコーダ６４等の機構は、トークンが、生成されているＭＰＥＧ−２ストリームに挿入されるべきかを決定するために、ＳＤＩストリーム内でトークンを表すポインタを検出するように、ＳＤＩストリームを監視するであろう。かかるポインタが検出される場合、トークンが、生成されているＭＰＥＧ−ストリームへの挿入のために準備される。データストリームコンストラクタ６０は、トークンレジストリ４６から、トークンをＭＰＥＧ−２トランスポートストリームに挿入するように要求し得る。代替として、随意で、データストリームコンストラクタ６０は、ＶＡＮＣデコーダ６４によってＳＤＩストリームの中で検出されるポインタからではなく、スケジューラ５４からのコマンドに応答する場合がある。この実践では、プロセス７０は、ステップ７２中に、データベースに記憶されたプレイリストによって駆動される。プレイアウトリストのテーブルに記載された時間に、スケジューラ５４は、データストリームコンストラクタ６０に、トークンレジストリ４６から指定のトークンを収集するように指図し得る。いずれの実践でも、ステップ７６において、データストリームコンストラクタ６０は、トークンを受信し、プレイアウトエンジン４８によってデータストリームコンストラクタ６０に送達され、ＳＤＩデータに混合され、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリームに符号化されるデータストリームを構築する。

【0074】

１つの特定の実践では、データストリームコンストラクタは、エンコーダ／マルチプレクサが、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリームのプログラムマップテーブルに符号化するであろう、データストリームを集める。ＭＰＥＧ−２トランスポートストリームに送達されると、プロセス７０は、ステップ８０に示す通り、放送データネットワークのバックチャネルを監視する。プロセスは、放送データネットワーク上でユーザによって返信されているトークンを調べる。トークンが検出される場合、プロセス７０は、予想されるトークンと比較してそのトークンを検査する。１つの実践において、ステップ８０では、プロセス７０は、受信したトークンが、トークンが検出されたときにユーザに提示されていたコンテンツと合致するかどうかを検査する。ステップ８２でトークンの検査が、正しいトークンが返信されたと示す場合には、プロセス７０はステップ８４に進み、適切なトークンがユーザによって視聴され、返信されたことを記録する。トークンが正しくない場合、ステップ８６でプロセス７０はエラーを記録する。

【0075】

一部の実施形態では、複数の放送データストリームサーバ１０２、１０４は、図５Ａに示す通り、コンテンツ配信ネットワークの異なる部分に用いられ得る。サーバは、国内放送局１２０又はローカル放送局１４０等の放送テレビ局に位置し得る。代替として又は追加で、サーバ１０２、１０４は、例えば、セットトップボックス１３２又はコンピュータ１３４内、ケーブルテレビ局（図５Ａに図示せず）、ケーブルシステムヘッドエンド（図５Ａに図示せず）、ローカルハブＴＶ局（図５Ａに図示せず）、国内コンテンツシンジケータ（図５Ａに図示せず）、又はテレビコンテンツストリームが集められる他の場所といった、ユーザサイト１３０に位置し得る。データストリームサーバ１０２、１０４のそれぞれは、例えば、リンク１１１を介して、又はトークンレジストリ１１０とのリンクを介して、互いに通信し得、それゆえ、一緒にデータストリームサーバのネットワークを形成し得る。一実施形態では、例えば、データストリームサーバ１０２といった、１つ以上のデータストリームサーバは、国内放送テレビ局１２０に位置し得る一方で、例えば、データストリームサーバ１０４といった、１つ以上のデータストリームサーバは、ローカル放送テレビ局１４０に位置し得る。ローカル放送テレビ局１４０のサーバ１０４は、国内放送テレビ局１２０のサーバ１０２と通信し得る。この通信はまた、ケーブル通信チャネル、ネットワーク通信インターフェース１０９、１１０、又は１１１、あるいはバックチャネル通信経路１０８を介して行われてもよい。サーバ１０２、１０４のそれぞれは、トークンレジストリ１１８（リンク１１０を介して）と、それと関連付けられている１つ以上のデータベースと通信し、トークンに関係する情報を運んでもよい。加えて、サーバ１０２、１０４のそれぞれは、自動化システム、及びテレビネットワークを介して送信されるパケットを生成するためにサーバ１０２、１０４と相互作用するマルチプレクサ（図５Ａに示す）と相互作用し得る。加えて、サーバ１０２、１０４は、ＢＣＭデータストリームコンストラクタ（図５Ａに図示せず）を含み得る。

【0076】

図５Ｂは、複数部の蓄積、トラフィック及び自動化システム１２２、１４４の構成例と、相互作用イベントＤＭ１３６ａ、１３６ｂの構成例とをそれぞれ有する、図５Ａのシステム１００ａの一実施形態である、コンテンツリンクシステム１００ｂを示す。特に、図５Ｂは、蓄積、トラフィック及び自動化システム１２２、１２４内の３つのシステム又はサーバ、すなわち、自動化システム１２２ａ（又は１４４ａ）、蓄積サーバ１２２ｂ（１４４ｂ）、及びトラフィック＆ビリングシステム１２２ｃ（１４４ｃ）を示す。上述のように、一部の実施形態では、これらのシステム又はサーバの２つ以上が一つのユニットとして動作し得る。これらのサーバ又はシステムのそれぞれは、インターフェース１５０、１７０のそれぞれを介して、ＢＤＳＳ１０２又は１０４と通信する。図１Ａ及び図１Ｂに関して上述したように、各１２２ａ、１２２ｂ及び１２２ｃと、１４４ａ、１４４ｂよび１４４ｃとは、それぞれ、ＢＤＳＳ１０２及び１０４へ情報を送る。この情報は、例えば、セットトップボックス１３２のような消費者デバイス上で実行される特定のテレビコンテンツに対応する、上述のハウスＩＤを含み得る。他の好適な情報は、ＢＤＳＳ１０２（又は１０４）と、システム又はサーバ１２２ａ、１２２ｂ、１２２ｃ、１４４ａ、１４４ｂ、及び１４４ｃとの間を伝送され得る。相互作用イベントＤＭサーバ１３６ａ又は１３６ｂは、１２２ａ、１２２ｂ、１２２ｃ、１４４ａ、１４４ｂ、及び１４４ｃのぞれぞれ、及び／又は、ＢＤＳＳ１０２又はＢＤＳＳ１０４と相互に作用し得る。相互作用イベントＤＭサーバ１３６ａ又は１３６ｂは、２つの機能のうち少なくとも１つを実行する。第１の機能は、蓄積、トラフィック及び自動化システム１２２及び／又は１４４がプレイアウトする広告を決定することである。第２の機能は、蓄積、トラフィック及び自動化システム１２２及び／又は１４４によってプレイアウトされる、広告及び／又はコンテンツに従う、相互作用性のタイプ（例えば、相互クリックのタイプ）を決定することである。

【0077】

図５Ａ及び図５Ｂを続けて参照して、サーバ１０２、１０４のネットワークは、放送データ及び／又はトークンデータのパケットを、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリーム１４２、１６２に挿入するように、国内及びローカル放送事業者の両方によって使用される可能性がある。国内ＴＶ局１２０のＢＤＳＳサーバ１０２は、ＳＤＩストリームにトリガを検出した際、事前に指定された日付及び時間に到達した際、又は蓄積／トラフィック／自動化システム１２２からのコマンドに応答して、ライブのオペレータによる等の種々の事象によって誘起される場合に、トークンを国内放送ストリーム１４２に挿入し得る。国内放送ストリーム１４２が構築され、ＭＰＥＧ−２トランスポートストリームに符号化されると、ローカル放送局１４０内の蓄積、トラフィック及び自動化システム１４４によって受信され得る。エンコーダ／マルチプレクサ１４８と協同する、ローカル放送局データストリームサーバ１０４は、消費者ＳＴＢ１３２によって受信され得る、発信ＭＰＥＧ−２トランスポートストリーム１６２を生成するように、受信放送ストリームを処理し得る。

【0078】

代替として、随意で、データストリームサーバ１０４内のデータストリームコンストラクタは、図３及び４に関係して記載する通りのスケジューラからのコマンド、又は少なくとも一部の、国内放送局データストリームサーバ１０２から受信される情報に関するコマンドに応答し得る。国内ＴＶ局での複数のトリガに応答して、国内データストリームサーバ１０２によって実施される複数のトークン挿入のシーケンス及びスケジュールは、記録され、単一のトリガに応答して実行することができる新しいトークンプレイリストとして、データベースに記憶することができる。この方法では、国内データストリームサーバ１０２は、国内ＴＶ局１２０内で利用可能ないくつかのトリガに応答し、必要とされるトークンを放送ストリーム１４２に挿入し、新しい統合トークンプレイリストをデータベースに記憶し得る。ローカルＴＶ局データストリームサーバ１０４は、複数の国内ＴＶ局のトリガが、ローカルＴＶ局で利用可能ではない時に、単一のトリガに応答して、新しい統合プレイリストを取り出し、国内ＴＶ局１２０のデータストリームサーバ１０２によって挿入されたトークンを再挿入することができる。この実践は、ローカルＴＶ局が、消費者ＳＴＢ１３２に向かうことになる最終放送ストリーム１６２を作成する前に、国内ＴＶ放送ストリーム１４２をＭＰＥＧ−２から異なるフォーマットに転換する場合等、ローカル放送ストリーム１６２内の消費者ＳＴＢ１３２に到達する前に、国内ＴＶ局で挿入されたトークンが、放送ストリーム１４２から除去される場合において使用し得る。

【0079】

上述の通り、放送データストリームサーバ又はＢＤＳＳは、ハードウェア構成要素として実現され得る。加えて又は代替として、ＢＤＳＳは、Ｕｎｉｘ（登録商標）ワークステーション等、従来のデータ処理システム上で作動するソフトウェア構成要素として実現され得る。その実施形態では、データストリームサーバは、Ｃ言語コンピュータプログラム、又はＣ＋＋、Ｆｏｒｔｒａｎ、Ｊａｖａ（登録商標）、又は基本言語を含む任意の高水準言語で書かれたコンピュータプログラムとして実装され得る。

【0080】

加えて、マイクロコントローラ又はＤＳＰが用いられる実施形態では、データストリームサーバは、マイクロコードで書かれた、又は高水準言語で書かれたコンピュータプログラムとして実現され、用いられるプラットフォーム上で実行することができるマイクロコードにコンパイルされ得る。かかるシステムの開発は当業者には既知であり、かかる技術は、ＴＭＳ３２０ Ｆａｍｉｌｙ，Ｖｏｌｕｍｅｓ Ｉ，ＩＩ，ａｎｄ ＩＩＩ，Ｔｅｘａｓ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ（１９９０）のＤｉｇｉｔａｌ Ｓｉｇｎａｌ Ｐｏｃｅｓｓｉｎｇ Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎｓに記載されている。加えて、高水準プログラミング用の一般的な技術は既知であり、例えば、Ｓｔｅｐｈｅｎ Ｇ．Ｋｏｃｈａｎ，Ｐｒｏｇｒａｍｍｉｎｇ ｉｎ Ｃ，Ｈａｙｄｅｎ Ｐｕｂｌｉｓｈｉｎｇ（１９８３）に記載されている。ＤＳＰ及びマイクロコントローラシステム用の符号の開発は、当該分野では既知の原理から得られる。

【0081】

当業者は、日常の実験を行うまでもなく、本明細書に記載する実施形態及び実践に対する多くの等価物を認知し、又は解明することができるであろう。したがって、本発明は、本明細書に記載する実施形態に限定されるものではなく、以下の請求項から理解されるべきであり、法の下で許される限りできるだけ広く解釈されるべきであることが理解されるであろう。

【0082】

（付属書類Ａ）
この付属書類は、事後結合（late-binding）を可能とする方法及びシステムの手段の一例を提供する。単一のサーバ内に位置している、ビデオスケジュールモジュール及びビデオ記憶装置を含む方法は、ハイパーキャスタと呼ばれる。双方向データプレイアウトモジュールは、ＢＤＳＳと呼ばれる他の装置に含まれる。本明細書ではマルチプレクサは示していないが、この場合、ビッグバンドＢＭＲは、ハイパーキャスタからのビデオ信号と、ＢＤＳＳからの双方向データとを結合するため利用される。この場合、ハイパーキャスタがプレイメッセージを実行するとき、ハイパーキャスタは、ＢＤＳＳに先行してメッセージを送るように構成されている。

【0083】

ＢＤＳＳ用にハイパーキャスタによるインフォマーシャル放送に同期するトリガを生成するために、ＢＤＳＳとハイパーキャスタサーバとの間のインターフェースは以下のように規定される。すなわち、ＢＤＳＳは、ハイパーキャスタサーバに接続するＴＣＰ／ＩＰを構築し、ＸＭＬフォーマットのサーバからプレイイベント用の指示を受信する。

【0084】

それぞれのハイパーキャスタチャネルは、ＴＣＰ／ＩＰポートナンバー５０４０を使用している、専用のソケット接続を有する。「プレイ」メッセージは、それぞれのチャネル用に、これらの別個のソケット接続部にわたって送信される。

【0085】

ＢＤＳＳを有するインターフェースを構築するプロセスは以下の通りである。
・ハイパーキャスタサーバへの接続；接続（ｉｐ＿アドレス、ポートナンバー）
・サーバへの「接続」メッセージの送信
・確認応答が受信された場合、入力される「プレイ」メッセージを調べる新たなスレッドの生成
・それぞれのチャネル用に上記を実行

【0086】

［接続の開始］
ＢＤＳＳは、ハイパーキャスタサーバへＴＣＰ／ＩＰソケット接続を生成し、指示を開始するためのメッセージを送信する。この開始メッセージは以下のようにすることができる。
<?xml version="1.0"encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<bdss_connect bdssid="BDSSl" channelno="1"/>
ハイパーキャスタは、以下の確認メッセージを返答する。
<?xml version="1.0"encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<bdss_confirm bdssid="BDSSl" request_type="bdss_connect"completed="yes"/>

【0087】

［受信指示］
接続が行われると、ＢＤＳＳは、オープンソケットから入力メッセージの調査を開始する。

【0088】

メッセージは、（ハイパーキャスタサーバに適した）以下の情報を運ぶ。

【0089】

【表2】

【0090】

ＸＭＬメッセージの一例は、以下のように表される。
<?xml version="1.0"encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<bdss_play servername="hypercaster_l" channelno="1" channelname="ESPN"
houseid="clipXYZ" eventid="45689" starttime="2010-02-18 10:32:50"
duration="00:01:30"/>

【0091】

［切断］
ＢＤＳＳは、ハイパーキャスタへ、指示を停止するための以下のメッセージを送信する。
<?xml version="1.0"encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<bdss_disconnect bdssid="BDSSl" channelno="1"/>
ハイパーキャスタは確認メッセージを返答する。
<?xml version="1.0"encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<bdss_confirm bdssid="BDSS1" request_type="bdss_disconnect"completed="yes"/>

【0092】

【表3】

【図1A】

【図1B】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5A】

【図5B】