(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698850
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】直線移動可能な案内要素の特徴的位置を検出するための位置測定システムおよびそれに付属する測定方法
(51)【国際特許分類】
G01B 7/00 20060101AFI20150319BHJP
G21C 17/10 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
G01B7/00 101H
G01B7/00 101E
G21C17/10 R
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-538089(P2013-538089)
(86)(22)【出願日】2011年10月24日
(65)【公表番号】特表2013-545099(P2013-545099A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】EP2011005349
(87)【国際公開番号】WO2012062409
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2014年1月31日
(31)【優先権主張番号】102010050765.2
(32)【優先日】2010年11月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501315289
【氏名又は名称】アレヴァ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Areva GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】ライマン、マルクス
【審査官】
眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第04208888(DE,A1)
【文献】
特開昭52−011393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00−7/34
G21C 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内系(2)に対して直線経路(x)に沿って延在しかつ直線経路(x)に沿って移動可能な案内棒(3)の極限位置(xmin,xmax)を検出するために、多数のリードスイッチ要素(5)と少なくとも1つの磁石要素(7)とを有する位置測定システム(1)であって、
前記磁石要素(7)が磁界(H)を形成するように構成されており、
前記磁石要素(7)が前記案内棒(3)に結合されており、
各リードスイッチ要素(5)が、それぞれ検出領域内で、当該リードスイッチ要素(5)の位置において予め規定された閾値よりも大きい磁界強度を有する磁界(H)を検出するように構成されており、
少なくとも1つリードスイッチ要素(5)が前記案内系(2)に結合されて前記経路(x)の周辺(Ux)内に配置されており、
更に、前記案内棒(3)の位置を求めるための誘導式の測定システムが存在し、その誘導式の測定システムが多数の電気誘導コイル(9)を有し、少なくとも1つのオーム抵抗ユニット(R1,R2)を含む回路装置(12)が存在し、その少なくとも1つのオーム抵抗ユニットが、
前記誘導コイル(9)の少なくとも1つと共に1つの直列回路(12)を構成し、かつ
前記リードスイッチ要素(5)の少なくとも1つと共に1つの回路ループ(14,15)を構成している、位置測定システム(1)。
【請求項2】
前記磁石要素(7)が、永久磁石として構成されている請求項1記載の位置測定システム(1)。
【請求項3】
前記磁石要素(7)が、前記案内棒(3)の端部側に結合されている請求項1又は2記載の位置測定システム(1)。
【請求項4】
少なくとも1つのリードスイッチ要素(5)の検出領域が、極限位置(xmin,xmax)内に配置された前記案内棒(3)の端部側を捕捉する請求項1乃至3の1つに記載の位置測定システム(1)。
【請求項5】
前記案内棒(3)が、最小挿入位置(xmin)と最大挿入位置(xmax)との間で移動可能である請求項1乃至4の1つに記載の位置測定システム(1)。
【請求項6】
前記回路装置(12)が、1つの誘導コイル(9)と共に1つの直列回路(12)を構成する2つのオーム抵抗ユニット(R1,R2)を含み、両オーム抵抗ユニット(R1,R2)の各1つが前記誘導コイル(9)の各1つの端部に接続されており、かつ
前記回路装置(12)が、複数のリードスイッチ要素(5)を含み、各リードスイッチ要素(5)が両オーム抵抗ユニット(R1,R2)の1つと共に1つの回路ループ(14,15)を構成している請求項1乃至5の1つに記載の位置測定システム(1)。
【請求項7】
前記回路装置(12)の全体オーム抵抗(ΣR)を決定するための回路グループ(16)を有する請求項1乃至6の1つに記載の位置測定システム(1)。
【請求項8】
前記回路装置(12)に直流電流(IDC)を供給するための電源(17)と、
前記回路装置(12)における全体電圧(U)の直流電圧成分(UDC)を検出するための第1の測定ユニット(18)と、
前記回路装置(12)における全体電圧(U)の交流電圧成分(UAC)を検出するための第2の測定ユニット(19)と、
を含む制御ユニット(11)を有する請求項1乃至7の1つに記載の位置測定システム(1)。
【請求項9】
前記制御ユニット(11)が、前記誘導式の測定システムの磁界発生用の1次コイルである電気コイル(8)を含む第2の回路装置(13)に接続されていて、
前記制御ユニット(11)が、その第2の回路装置(13)における電流(IAC)の形成および制御をするように構成されている、請求項8記載の位置測定システム(1)。
【請求項10】
前記電気コイル(8)が前記直線経路(x)に平行に整列配置されている、請求項9記載の位置測定システム(1)。
【請求項11】
前記案内棒(3)が核技術設備の制御棒(3)として与えられており、
前記案内系(2)が前記制御棒(3)を取り囲む耐圧性の案内管(4)を含む、請求項1乃至10の1つに記載の位置測定システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線移動可能な案内要素の特徴的位置、特に最大位置および最小位置を検出するための位置測定システムおよびそれに付属する測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核技術設備、例えば原子力発電所においては、粒子放射線、特に中性子線が放出される原子炉の中での原子核崩壊プロセスの連鎖反応を放射線の吸収によって制御するために、直線移動可能な制御棒群が使用される。典型的にはグループに分けて束ねて配置したそのような制御棒群が核燃料集合体の間において先へ押し込まれるほど、連鎖反応を誘発する粒子放射線がますます大きな割合で吸収されるので、連鎖反応がそれに相応して緩やかに進行し、制御棒群の完全挿入位置(Ausfahrposition)において理想的には連鎖反応の機能を停止させることができる。従って、連鎖反応の状態および進行は直線移動可能な制御棒群の挿入位置に移動し、それらの挿入位置によって決まる。それゆえ、制御棒群の位置、特にそれぞれの最大挿入位置の正確な認識は、運転状態の調節にとって、従って特に安全性にとって重要である。
【0003】
制御棒群のための位置測定システムは、通常、電磁誘導測定法を応用した装置を含み、
これらの装置においては、磁界の時間的変化によって電気導体中に電圧が誘起されることが利用される。この種の装置は、一般にそのような磁界を供給するための1つ又は複数の1次コイルを含む。磁界領域内の制御棒によって磁界が変化し、このことによって、直線移動経路に沿って配置された誘導コイルに誘起される電圧が変化する。その誘起電圧の大きさから、当該制御棒の位置を決定することができる。制御棒の下方および/又は上方の終端位置の検出のために、たいていは別々のコイルグループが設けられ、それらのコイルグループの測定信号がそれぞれ別々の配線を介して評価ユニットに伝送される。これらのコイルの電圧信号は、制御棒が下方もしくは上方の終端位置に到達したか否かの情報を与える。
【0004】
上述の位置測定システムの欠点は、制御棒の位置を検出するために、内部の原子炉領域、所謂格納容器から導出されなければならない信号配線を有する多数の2次コイルが必要であることに、その原因がある。特に、制御棒の終端位置を検出するためのコイルは付加的な測定配線を必要とする。更に、制御棒の実際の位置に依存して、制御棒の終端側の最小又は最大の挿入位置の周辺領域において誘導コイルの電圧信号が連続的に変化することが欠点である。電圧信号の大きさに基づいて、確かに大雑把には制御棒の最小又は最大の挿入位置を推量することができる。しかし、制御棒がもはや最小又は最大の挿入位置にないときに、例えば制御棒が或る移動距離だけ原子炉から引き出されたときに、その信号は弱められた形で依然として存在する。従って、誘導式の測定方法は、精密かつ明確な終端位置検出のためには不正確である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の課題は、直線経路に沿って移動可能な制御棒の特徴的位置、特に極限位置を検出するための位置測定システムであって、そのシステムのために、必要とする測定配線数ができるだけ少なく、できるだけ正確で信頼性の高い位置測定システムを提供することにある。その位置測定システムは、特に簡単な方法で、既存の誘導式の位置測定システムに組み込むことができなければならない。
【0006】
本発明の第2の課題は、直線経路に沿って移動可能な制御棒の特徴的位置、特に極限位置を決定するためのできるだけ正確で信頼性の高い方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の課題は、本発明によれば、請求項1の特徴事項によって解決される。それによれば、案内系に関して直線経路に沿って延在しかつ直線経路に沿って移動可能な案内棒の極限位置を検出するために、多数のセンサ要素と少なくとも1つの磁石要素とを有する位置測定システムが提供される。この磁石要素は磁界を形成するように構成されており、案内棒に結合されている。1つの又は各センサ要素が、それぞれ検出領域内で、当該センサ要素の位置において予め規定された閾値よりも大きい磁界強度を有する磁界を検出するように構成されており、少なくとも1つのセンサ要素が案内系に結合されて前記経路の周辺内に配置されている。
【0008】
本発明は、磁石要素の助けにより磁界を案内棒と位置的に結合させ、その磁界を、案内系に位置固定的に結合された外部のセンサ要素によって検出することにより、案内系に対する案内棒の対応位置を検出するという考えに基づいている。
【0009】
案内棒の位置として、案内棒に対して固定された1つの基準点の位置が規定されている。その基準点は直線経路に対して正確に位置座標を有する。その基準点は、任意の、しかし固定的に選んだ磁石要素が配置されている案内棒位置に選ぶことが好ましい。1つのみの磁石要素の場合には、この選択は一義的である。最後に述べた基準点の特殊な選択は、一般性を制限するものではない。基準点のその他の選択の場合には、測定される位置値は、基準点の特殊な選択の場合の値に対して、該当磁石要素と基準点との間の間隔によって与えられる一定の長さだけずれている。
【0010】
更に、センサ要素の位置における磁界強度が閾値よりも大きい磁界が検出領域内にあるときに、しかもそのときにのみ、センサ要素が検出応答をするので、位置検出は一義的である。センサ要素の空間的な分離感度よりも大きい案内棒の位置変化の場合には、センサ要素の連続的な信号形成は行われない。むしろ、「終端位置に到達したか:はい/いいえ?」なる様式の明確な2値情報が可能である。
【0011】
案内系の同一位置に複数のセンサ要素が設置されている場合には、位置検出の冗長度が相応に高められる。従って、本発明による位置測定システムは原理的に高い冗長度で実施可能であり、それに応じて信頼性が高い。この場合、勿論システム上の制約により、配線数が多くなるという欠点を我慢しなければならない。
【0012】
更に、本発明による位置測定システムは、公知の位置測定システム、特に誘導式の測定法を適用したシステムと組み合わせることができ、その際に特に既存の信号配線を用いることができる(多重利用)。
【0013】
この磁石要素が永久磁石として構成されているとよい。永久磁石については、電磁石を構成するコイルの場合と違って、付加的な配線として案内棒のところで格納容器から導出しなければならない電気導体が必要でない。従って、位置測定システムのためにコンテインメントから導出される可能性のある付加的な配線の数はセンサ要素に限定されたままである。
【0014】
磁石要素が案内棒の端部側に結合されているのが適切である。このような位置では磁石要素が簡単に案内棒に結合可能であり、例えば永久磁石として、磁石板又は磁石円板の形で案内棒の端部側に接合可能である。更にそれにより、案内系に関して案内棒の当該端部側の起こり得る極限的曲がり位置において、センサ要素にとって、案内棒の極限位置が検出可能である。
【0015】
従って、少なくとも1つのセンサ要素の検出領域が極限位置内に配置された案内棒の端部側を検出するのが目的に叶っている。
【0016】
位置測定システムの適切な実施形態では、案内棒が最小挿入位置と最大挿入位置との間で直線経路に沿って移動可能である。従って、適切に設置された複数のセンサ要素により、案内棒の両極限の挿入位置を検出することができる。
【0017】
少なくとも1つのセンサ要素は、非接触センサとして、特にリードスイッチ要素として与えられていることが好ましい。リードスイッチ要素は、それぞれ一般に強磁性金属から成る芯を有する2つの接触舌片を含む。リードスイッチ要素が設置されている領域内の磁界(制御棒における永久磁石によって引き起こされる)により、両接触舌片が引き寄せられる。磁界の強度が閾値を上回ると、両接触舌片間において接点が閉成され、それによって制御電流が接点を介して流れ得る。導電性を改善すると共に早すぎる接点閉成を避けるために、接触舌片は、一般に貴金属、例えば銅又は銀で被覆されているか、もしくは真空に排気された又は保護ガスを封入されたガラス管の中に閉じ込められている。リードスイッチ要素は、広いサイズ範囲にわたって拡張性があり、頑強であり、低コストで入手可能である。
【0018】
位置測定システムの好ましい実施形態においては、少なくとも1つのセンサ要素が1つの電気的な回路装置に接続されており、その回路装置が評価および/又は制御ユニットに接続され、かつ多数の電気誘導コイルを含んでいる。1つ又は複数の誘導コイルが誘導式測定過程を適用すべく構成されている。回路技術的な接続によって、1つの誘導コイル又は各誘導コイルをセンサ要素により同一の制御ユニットを介して駆動および制御することができる。このようにして、格納容器から付加的な電気配線を導出する必要なしに、高度の冗長性および/又は位置検出の高い位置分解能を達成することができる。
【0019】
更に、前記回路装置が少なくとも1つのオーム抵抗ユニットを含み、該抵抗ユニットが、少なくとも1つの誘導コイルと共に直列回路を構成し、かつ少なくとも1つのスイッチセンサと共に回路ループを構成している。誘導コイルもオーム抵抗を有するので、オーム抵抗ユニットと誘導コイルとからなる直列回路における全体抵抗は両抵抗の和として与えられている。スイッチセンサがオーム抵抗ユニットと共に回路ループを形成することから、オーム抵抗ユニットはスイッチセンサの閉成時に橋絡され、従って短絡されるので、このケースでは測定可能な全体抵抗の中には誘導コイルのオーム抵抗しか含まれてない。それゆえ、この回路装置のトポロジーは不連続の抵抗変化を目指したスイッチセンサの検出を表示するので、例えば案内棒の極限位置到達は抵抗値のそのような跳躍的な変化に基づいて認識することができ、そのような跳躍的な変化は簡単な手段で測定することができる。
【0020】
位置測定システムの特に好適な実施形態では、前記回路装置が誘導コイルと共に直列回路を構成する2つのオーム抵抗ユニットを含み、両オーム抵抗ユニットの各1つが誘導コイルの各1つの端(接続端)と接続されており、かつ前記回路装置が多数のスイッチセンサを含み、各スイッチセンサが両オーム抵抗ユニットの1つと回路ループを構成している。特に、2つのスイッチセンサが設けられ、各スイッチセンサが正確に1つのオーム抵抗ユニットと共に1つの回路ループを構成する。このような回路トポロジーは、2つの異なるセンサ信号の識別に適した、例えば案内棒の最小位置および最大位置の検出目的に適した、最後の部分で説明した回路トポロジーの特殊ケースである。特に、両オーム抵抗ユニットは異なるオーム抵抗値を有するので、全体抵抗値の変化の大きさで、両スイッチセンサのうちどちらが電気的閉路を形成したかを認識することができる。2つよりも多いスイッチセンサが設けられている場合には、少なくとも1つのオーム抵抗ユニットに対して1つよりも多い回路ループが存在する。そのオーム抵抗ユニットの短絡は、スイッチセンサのうち1つのみが電気接点を閉成する際に生じる。これは、特に、両スイッチセンサの検出領域が重なり合う場合に、冗長度を高めるのに適している。
【0021】
更に、制御ユニットが、前記回路装置へ直流電流を供給するための電流源、および/又は前記回路装置における全体電圧の直流電圧成分を検出するための第1の測定ユニット、および/又は前記回路装置における全体電圧の交流電圧成分を検出するための第2の測定ユニットを含んでいることが目的に叶っている。第1の測定ユニットにより検出される直流電圧およびその時間的経過と、前記回路装置に供給される大きさが既知の直流電流とから、前記回路装置のオーム抵抗値およびその時間的経過を求めることができる。このようにして、不連続な経過、特に、1つのスイッチセンサ又は各スイッチセンサの不連続の経過が検出される。第2の測定ユニットは、特に、誘導コイルによって交流磁界から誘起される交流電圧を検出する。それによって、特に交流電圧の振幅の時間的経過を求めることができ、従って誘起する交流磁界の変化を推量することができる。後者は誘導式の測定過程の対象である。
【0022】
好ましくは制御ユニットが、1つの電気コイルを含む第2の回路装置に接続されていて、好ましくはその制御ユニットが、第2の回路装置における電流を形成して制御するように構成されている。この種の回路装置は、特に誘導式の測定過程を実施するのに適している。このために、この制御ユニットが交流電流を発生し、その交流電流はこの電気コイル(1次コイル)を通して流れ、その際に交流磁界を誘起する。
【0023】
更に、その電気コイルが直線経路に平行に整列配置されていると有利である。例えば、そのコイルが直線経路を取り囲むように構成されているとよい。それにより、そのコイルによって誘起される磁界がその経路を殆ど完全に包囲する。
【0024】
位置測定システムの好適な実施形態では、案内棒が核技術設備の制御棒として与えられ、案内系が制御棒を取り囲む耐圧性の案内管を含む。この種の位置測定システムは、制御棒の(特に冗長的な)位置測定、特に終端位置の測定および確認のために用いられる。終端位置の領域内において複数のリードスイッチ要素が案内管の外面に接触結合され、そして電気コイルが案内管を包囲しているのが適切である。案内管内において直線移動可能な制御棒の位置は、制御ユニットおよび複数の回路装置により誘導的に検出することができる。終端に到達したことおよび終端に存在していることは、複数のリードスイッチ要素により探知され、第1の回路装置により測定され、制御ユニットの助けにより評価される。
【0025】
冒頭に述べた第2の課題は、本発明によれば、請求項14の特徴事項によって解決される。それによれば、案内系に関して直線経路に沿って延在しかつ直線経路に沿って移動可能な案内棒の特徴的位置、特に極限位置を検出するための方法が提案され、好ましくは本発明の第1の課題による位置測定システムにより、案内棒の端部側に結合された磁石要素により磁界を発生させ、案内系に結合されたセンサ要素により磁界を検出する。
【0026】
この方法の特に適切な実施形態では、制御ユニットにより1次交流電圧を発生させ、その交流電圧を回路装置に供給し、誘導コイル中に誘起電圧を発生させ、制御ユニットにより回路装置のオーム抵抗を求め、スイッチセンサにより該スイッチセンサの位置における磁界によって回路ループの電気的閉路を形成し、制御ユニットにより回路装置における全体電圧の直流電圧成分の変化を求める。
【0027】
本発明により得られる利点は、特に、原子炉において、これまでに一般に使用されている測定システムに対して多様性を有する棒位置検出用測定システムを提供することにあり、この棒位置検出用測定システムは、既存の信号伝送経路の多重使用によって格別に少ない数の配線および格納容器ブッシングで間に合わせ、特にリードスイッチ又はリードセンサを使用する場合に格別に頑強であり、同時に正確かつ高い信頼性にて動作する。
【0028】
以下において本発明による位置測定システムの実施例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は制御棒の極限位置x
min,x
maxを検出するための位置測定システムを示す概略図である。
【
図2】
図2は制御棒に取り付けられた永久磁石の磁力線を描き入れた
図1による位置測定システムを示す概略図である。
【
図3】
図3は制御ユニットとそれに付属の第1および第2の回路装置とを有する
図1による位置測定システムの部分図である。
【
図4】
図4は制御ユニットおよび付属の第1の回路装置の部分詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1乃至
図4において互いに対応する部分には同一の参照符号が付されている。
【0031】
図1は、位置固定の案内系2に関して最小挿入位置x
minと最大挿入位置x
maxとの間で直線経路xに沿って直線移動可能な制御棒3の極限値x
min,x
maxを検出するための位置測定システム1を示す。制御棒3の位置は直線経路xに対する基準点x
0の座標により規定されている。基準点x
0は制御棒3の端部側にあって、この端部側であることを示している。案内系2は、制御棒3を覆う耐圧性の案内管4を含む。最小挿入位置x
minおよび最大挿入位置x
maxの領域に、それぞれ1つの第1のリードスイッチ要素5が配置され、更に補足的に第2のリードスイッチ要素6が配置されている。リードスイッチ要素5および6は直線経路xの周辺U
x内にある。制御棒3上の基準点x
0の領域には永久磁石7が配置されている。制御棒3の最小挿入位置x
minにおいては、基準点x
0がx
minにあり、制御棒3の最大挿入位置x
maxにおいては基準点x
0がx
maxにある。両方のケースにおいて、リードスイッチ要素5および6が、永久磁石の磁界によって電気的に接点閉成状態となる。更に、位置測定システム1につながる核技術原子炉の壁10が見えている。
【0032】
案内管4に平行に、交流磁界を形成するように構成された1つの電気コイル8が配置され、その交流磁界が誘導式測定過程に役立つ。コイル8は磁界発生用の1次コイルとも称する。更に、2次コイルとも称する多数の誘導コイル9が案内管4に平行に配置され、それらの誘導コイルには交流磁界からそれぞれ1つの電圧信号が誘起される。コイル8および9のシステムは、公知の方法で、極限値x
min,x
maxの間にある多数の中間位置のために、そして場合によっては極限値x
min,x
max自体のためにも、方向xの移動経路上における制御棒3の位置を検出するのに用いられる。方向xに沿って相前後して配置された誘導コイル9の個数は、位置測定の空間的分解能を決定する。これに対して、終端位置監視は、リードスイッチ5と、場合によっては冗長的なリードスイッチ要素6とによって、様々の冗長的方法で引き受けられるか、あるいは専用的又は最優先的に引き受けられる。必要な配線を最小限にするために、以下の説明で明らかにするように特殊なやり方で、複数のリードスイッチ要素5が、複数の誘導コイル9のコイル電流回路に接続されていると共に、1つの適切な評価および/又は制御ユニット11に接続されている。その説明の簡単化のために、唯一の誘導コイル9のみを考察する。しかし、
図1又は
図2に置けるように、例えば電気的に直列接続された多数の誘導コイルに、容易に一般化することができる。
【0033】
図2は、永久磁石7の磁界Hの磁力線の分布を有する
図1による位置測定システム1を示す。他の細部は全て
図1と同一である。
【0034】
図3には、制御ユニット11とそれに付属した第1の回路装置12および第2の回路装置13とを有する
図1による位置測定システム1の部分図が示されている。両回路装置12および13間には制御棒3が示されており、この制御棒3はその端部側に結合された永久磁石7を有している。制御棒3の装置はここでは図解されているだけで、実際の幾何学的形状には対応していない。第1の回路装置12は誘導コイル9を含み、その誘導コイル9は第1のオーム抵抗ユニットR
1と第2のオーム抵抗ユニットR
2とに直列接続され、抵抗ユニットR
1,R
2の各1つが誘導コイル9の各1つの端部側に接続されている。第1のオーム抵抗ユニットR
1および第2のオーム抵抗ユニットR
2は、それぞれ1つのリードスイッチ要素5と共に第1の回路ループ14もしくは第2の回路ループ15を構成している。どのリードスイッチ要素5が開路もしくは閉路されているかに応じて(このことは制御棒3の位置に依存する、
図1および
図2参照)、第1のケースでは回路ループ14が開いて回路ループ15が閉じ、第2のケースでは回路ループ14が閉じて回路ループ15が開き、第3のケースでは第1の回路ループ14が開いて回路ループ15が開く。
【0035】
図示のリードスイッチ要素5が、制御棒3の極限位置に関して、
図1および
図2におけるリードスイッチ要素5に対応する場合に、或る与えられた時点で制御棒3の位置に応じて、前記ケースのうちの1つだけが実現される。第1のケースでは抵抗R
1が電気的に短絡され、第2のケースでは抵抗R
2が電気的に短絡され、そして第3のケースでは抵抗R
1,R
2のどれも短絡されていない。したがって、直列回路の全体オーム抵抗ΣRは、ケースに応じて、誘導コイル9と第2の抵抗ユニットR
2とのオーム抵抗値の和、もしくは誘導コイル9と第1の抵抗ユニットR
1とのオーム抵抗値の和、もしくは誘導コイル9と第1および第2の抵抗ユニットR
1およびR
2とのオーム抵抗値の和から与えられる。特に両抵抗ユニットR
1,R
2のオーム抵抗値が互いに異なるように選定されているならば、全てのケースについて抵抗の和ΣRが互いに相違する。制御ユニット11は、抵抗の和ΣRの値を検出するために回路グループ16を有する(
図4参照)。
【0036】
第2の回路装置13は電気コイル8を含み、その電気コイル8は制御ユニット11によって形成された交流電流I
ACにより交流磁界を供給するように構成されている。交流磁界は誘導コイル9中に交流電圧を誘起し、この交流電圧は回路グループ16において評価することができる(
図4参照)。
【0037】
図4は、制御ユニット11に付設され、第1の回路装置12に接続された回路グループ16(
図3参照)の詳細図を示す。回路グループ16は、回路装置12に直流電流I
DCを供給するための電流源17と、回路装置12内に存在する全体電圧Uの直流電圧成分U
DCを検出するための第1の測定ユニット18と、回路装置12内に存在する全体電圧Uの交流電圧成分U
ACを検出するための第2の測定ユニット19とを含む。他の細部は
図3の細部に対応する。誘導コイル9のインダクタンスLが別に示されている。電流源および第1の測定ユニット18の助けにより回路装置12の全体オーム抵抗ΣRが求められる。それにより上述のように高い信頼性で終端位置x
min,x
maxに到達してことを検出することができる。第2の測定ユニット19の助けによりインダクタンスLにおいて誘起される交流電圧U
ACが求められる。それにより、両終端位置x
min,x
max間において、1つ又は複数の誘導コイル9の配置によって規定される1つ又は複数の中間位置も監視することができる。
【0038】
第1の回路装置12のコイル電流回路へのリードスイッチ要素5の接続と、それにより成し遂げられる既存の信号伝送経路の多重利用とによって、リミットスイッチもしくはリミットセンサとして有効な複数のリードスイッチ要素5のための複数の個別配線が節約される。コイル8および9を有する公知の誘導式位置検出システムが、このようにして配線数の増大なしに、多様性を有する終端位置測定システム、即ち異なった動作原理に基づく終端位置測定システムに拡張されるとも言える。勿論、終端位置x
min,x
maxの代わりに、その他の特徴的位置もリードスイッチ要素5の助けにより監視することができる。リードスイッチ要素5,6の代わりに、抵抗ユニットR
1,R
2を要求に応じてかつ制御棒3の位置に関係して電気的に短絡する他のリミットスイッチ又はリミットセンサも使用することができる。
【0039】
回路図が概略的なものであり、該当電子回路装置が実際には付加的な構成要素を有するであろうが、これらの付加的な構成要素はここで関心のある動作原理にとって重要でないことは自明である。
【符号の説明】
【0040】
1 位置測定システム
2 案内系
3 案内棒、制御棒
4 案内管
5 センサ要素、スイッチセンサ、リードスイッチ要素
6 リードスイッチ要素
7 磁石要素、永久磁石
8 電気コイル
9 誘導コイル
10 圧力壁
11 制御ユニット
12 第1の回路装置
13 第2の回路装置
14 第1の回路ループ
15 第2の回路ループ
16 回路グループ
17 電流源
18 第1の測定ユニット
19 第2の測定ユニット
x 直線経路
x
min 極限位置、最小挿入位置
x
max 極限位置、最大挿入位置
x
0 基準点
U
x 直線経路周辺
H 磁界
R
1 第1のオーム抵抗ユニット
R
2 第2のオーム抵抗ユニット
ΣR 全体抵抗、抵抗和
I
AC 交流電流
I
DC 直流電流
U 全体電圧
U
AC 交流電圧、交流電圧成分
U
DC 直流電圧、直流電圧成分
L インダクタンス