【文献】
吉田 友哉,経路制御の大技・小技を完全図解 ルーティングの奥義皆伝 インターネットの基盤技術を徹底攻略 Part2 BGPによる経路制御の仕組みからポリシー設定まで インターネットのバックボーンとなるAS間のルーティングネットワーク設計,NETWORK WORLD,2003年 4月 1日,第8巻,第4号,p.72〜80
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ルータを識別するルータ情報と、前記ルータのインターフェースを示すインターフェース情報と、前記インターフェースを経由する通信の通信先又は通信元を示すアドレス情報と、前記ルータ情報、前記インターフェース情報及び前記アドレス情報で特定される経路の優先度を示す優先度情報と、前記インターフェースのトラフィック量に対する前記経路のトラフィック量の割合を示すトラフィック割合情報と、前記優先度を変更する条件及び変更値を含む優先度変更情報とをそれぞれ有する複数のプロファイル情報を格納するプロファイル情報格納部と、
複数の前記インターフェースのトラフィック量をそれぞれが示す複数のトラフィック量情報を取得するトラフィック量情報取得部と、
前記複数のプロファイル情報及び前記複数のトラフィック量情報に基づいて、複数の前記経路のうちの少なくとも1つの経路に障害が発生した場合の、前記複数のインターフェースのトラフィック量をシミュレーションするシミュレーション部と
を備え、
前記シミュレーション部は、前記少なくとも1つの経路のトラフィックの迂回先の経路を前記ルータ情報、前記アドレス情報、前記優先度情報及び前記優先度変更情報に基づいて判断し、前記少なくとも1つの経路のトラフィック量を前記迂回先のインターフェースのトラフィック量に加算することにより、前記迂回先のインターフェースのトラフィック量をシミュレーションする、シミュレーション装置。
前記シミュレーション部は、前記少なくとも1つの経路のトラフィックの迂回先の経路の候補となる2つの経路のうち、一の経路が、ピア関係の2つのRR(Route Reflector)により形成されるRR経路を含み、他の経路が、前記RR経路を含まない場合、前記変更値を加算した前記一の経路の前記優先度情報と、前記変更値を加算していない前記他の経路の前記優先度情報とに基づいて、前記迂回先の経路を判断する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
前記シミュレーション部によってシミュレーションされた前記複数のインターフェースのトラフィック量と、前記複数のインターフェースの通信路容量とに基づいて、前記複数のインターフェースの逼迫度を判定する逼迫度判定部
をさらに備える請求項1又は2に記載のシミュレーション装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、シミュレーション装置100のネットワーク環境の一例を概略的に示す。本実施形態に係るシミュレーション装置100は、ネットワーク10において障害が発生した場合の、ネットワーク10のトラフィック量の変化をシミュレーションする。ネットワーク10は、複数のAS(Autonomous System)により形成されたネットワークであってよい。
【0013】
トラフィック量測定装置12は、ネットワーク10におけるトラフィック量を測定する。トラフィック量測定装置12は、例えば、複数のAS間のトラフィック量を測定する。トラフィック量測定装置12は、例えば、EBGP(External Border Gateway Protocol)ピア間のトラフィック量を測定する。トラフィック量測定装置12は、MRTG(Multi Router Traffic Grapher)を用いて、ネットワーク10におけるトラフィック量を測定してよい。また、トラフィック量測定装置12は、NetFlowを用いて、ネットワーク10におけるトラフィック量を測定してよい。トラフィック量測定装置12は、NetFlowを用いることにより、異なる送信先毎のトラフィック量及び異なる送信元毎のトラフィック量等を測定してよい。トラフィック量測定装置12は、他のソフトウエア及びプロトコル等を用いて、ネットワーク10におけるトラフィック量を測定してもよい。
【0014】
シミュレーション装置100は、トラフィック量測定装置12からトラフィック量情報を受信してよい。なお、
図1では、シミュレーション装置100がトラフィック量測定装置12に直接接続されている場合を例示しているが、これに限らない。シミュレーション装置100は、ネットワーク10を介してトラフィック量測定装置12に接続されてもよい。
【0015】
シミュレーション装置100は、複数のプロファイル情報を格納するプロファイル情報格納部104を備える。プロファイル情報とは、ルータを識別するルータ情報と、ルータのインターフェースを示すインターフェース情報と、インターフェースを経由する通信の通信先又は通信元を示すアドレス情報と、ルータ情報、インターフェース情報及びアドレス情報で特定される経路の優先度を示す優先度情報と、インターフェースのトラフィック量に対する経路のトラフィック量の割合を示すトラフィック割合情報とを有する情報であってよい。シミュレーション装置100は、プロファイル情報格納部104に格納された複数のプロファイル情報及びトラフィック量測定装置12から取得した複数のトラフィック量情報に基づいて、ネットワーク10のトラフィック量をシミュレーションしてよい。
【0016】
例えば、自らが管理するAS内であれば、各ルータの設定情報等を入手できるので、障害が発生した場合のシミュレーションを容易に実行することができる。しかし、他のAS内の各ルータの設定情報等を入手することは容易でないので、障害が発生した場合の複数のAS間のトラフィック量をシミュレーションすることは難しい。これに対して、本実施形態に係るシミュレーション装置100によれば、トラフィック量測定装置12によって測定されたAS間のトラフィック量情報を用いることによって、障害が発生した場合のAS間のトラフィック量をシミュレーションすることができる。これにより、ネットワーク10が障害の発生に適切に対応できるか否かを検証することができ、障害の発生に対して事前に適切な対応を検討することができる。
【0017】
図2は、ネットワーク10の一例を概略的に示す。
図3は、複数のプロファイル情報が登録されたプロファイルテーブル150の一例を概略的に示す。
【0018】
ネットワーク10は、AS200及びAS300を有する。ここでは、AS200のAS番号が2000であり、AS300のAS番号が3000である場合を例に挙げて説明する。
【0019】
AS200は、ルータ210及びルータ220を有する。本実施形態において、ルータ210のホスト名はTK001であり、ルータ220のホスト名はTK002である。ルータ210は、ポート212を有する。ルータ220は、ポート222を有する。本実施形態において、ポート212の名称はTenGig/2であり、ポート222の名称はTenGig/10である。
【0020】
AS300は、ルータ310及びルータ320を有する。ルータ310は、ポート312を有する。ルータ320は、ポート322を有する。
【0021】
ポート212とポート312とは、通信回線21を介して通信接続されている。ポート222とポート322とは、通信回線22を介して通信接続されている。
【0022】
ポート212に関して、AS300から、プレフィックスリストA230によって示される送信先への経路の優先度は100であり、ポート212に流れるトラフィックの割合(トラフィック割合と呼ぶ場合がある)は100%である。優先度は、例えば、MED(Multi Exit Disc)である。トラフィック割合は、ポート212のトラフィック量に対する、AS300からプレフィックスリストA230への経路のトラフィック量の割合であってよい。また、プレフィックスリストA230によって示される送信元から、AS300への経路の優先度は10であり、ポート212に流れるトラフィックの割合は100%である。
【0023】
また、AS300から、プレフィックスリストB240によって示される送信先への経路の優先度は200であり、ポート212に流れるトラフィックの割合は0%である。また、プレフィックスリストB240によって示される送信元から、AS300への経路の優先度は12であり、ポート212に流れるトラフィックの割合は、0%である。
【0024】
ポート222に関して、AS300から、プレフィックスリストA230によって示される送信先への経路の優先度は200であり、ポート222に流れるトラフィックの割合は0%である。また、プレフィックスリストA230によって示される送信元から、AS300への経路の優先度は12であり、ポート222に流れるトラフィックの割合は0%である。また、AS300から、プレフィックスリストB240によって示される送信先への経路の優先度は100であり、ポート222に流れるトラフィックの割合は100%である。また、プレフィックスリストB240によって示される送信元から、AS300に対する経路の優先度は10であり、ポート222に流れるトラフィックの割合は100%である。
【0025】
プロファイルテーブル150は、カテゴリ欄152、プロファイル名欄154、インアウト欄156、ホスト名欄158、インターフェース名欄160、プレフィックス名欄162、優先度欄164及びトラフィック割合欄166を含む。
【0026】
カテゴリ欄152には、プロファイルのカテゴリを示すカテゴリ情報が登録される。カテゴリ情報は、例えば、インターネットエクスチェンジを示すIX、モバイルネットワークを示すMobile、コアネットワークを示すCore及びローカルエリアネットワークを示すLocalArea等を含む。
【0027】
プロファイル名欄154には、プロファイルを識別するプロファイル名が登録される。ここでは、プロファイル名として、AS300のAS番号を示すAS3000という文字列が登録された場合を例示している。
【0028】
インアウト欄156には、トラフィックの方向を示すインアウト情報が登録される。インアウト情報は、in又はoutであってよい。
【0029】
ホスト名欄158には、ルータのホスト名が登録される。ルータのホスト名は、ルータを識別するルータ情報の一例であってよい。
【0030】
インターフェース名欄160には、ルータのインターフェースを示すインターフェース情報が登録される。ルータのインターフェースは、例えば、ルータのポートである。インターフェース情報は、ルータのポートの名称であってよい。
【0031】
プレフィックス名欄162には、対象となるプレフィックスを示すプレフィックス情報が登録される。プレフィックス情報は、インターフェース名欄160のインターフェースを経由する通信の通信先又は通信元を示すアドレス情報の一例であってよい。プレフィックス情報は、プレフィックスを識別する文字列であってよい。プレフィックス情報は、プレフィックスリストを識別する文字列であってもよい。
【0032】
優先度欄164には、ルータ情報、インターフェース情報及びアドレス情報で特定される経路の優先度を示す優先度情報が登録される。ここで示す優先度は、数値が低いほど優先度が高いことを示してよい。
【0033】
トラフィック割合欄166には、インターフェース名欄160に登録されたインターフェース情報が示すインターフェースのトラフィック量に対する、ルータ情報、インターフェース情報及びアドレス情報で特定される経路のトラフィック量の割合を示すトラフィック割合情報が登録される。
【0034】
上述したように、プロファイルテーブル150に登録された複数のプロファイル情報のそれぞれは、カテゴリ情報、プロファイル名、インアウト情報、ルータ情報、インターフェース情報、アドレス情報、優先度情報及びトラフィック割合情報を有する。例えば、
図3に示すプロファイルテーブル150の一行目のプロファイル情報は、カテゴリ情報としてIX、プロファイル名としてAS300のAS番号であるAS3000、インアウト情報としてin、ホスト名としてルータ210の名称であるTK001、インターフェース情報としてポート212の名称であるTenGig/2、プレフィックス情報として、プレフィックスリストA230を示すA、優先度として100、トラフィック割合として100を含む。
【0035】
シミュレーション装置100は、複数のインターフェースのトラフィック量をそれぞれが示す複数のトラフィック量情報と、複数のプロファイル情報とに基づいて、障害が発生した場合のネットワーク10のトラフィック量をシミュレーションする。シミュレーション装置100は、トラフィック量情報をトラフィック量測定装置12から取得してよい。
【0036】
例えば、シミュレーション装置100は、ポート212のトラフィック量が6.0Gbps、ポート222のトラフィック量が3.0Gbpsであり、通信回線21に障害が発生した場合のトラフィック量を、次のようにシミュレーションする。
【0037】
通信回線21に障害が発生した場合、ポート312からポート212に流れるトラフィックのうち、プレフィックスリストA230への経路のトラフィックの割合が100%である場合、ポート322からプレフィックスリストA230への経路にポート212に流れる100%のトラフィックが迂回する。また、プレフィックスリストA230からポート312への経路のトラフィックの割合がポート212の100%である場合、プレフィックスリストA230からポート322への経路にポート212に流れる100%のトラフィックが迂回する。したがって、シミュレーション装置100は、通信回線21に障害が発生した場合のポート222のトラフィック量として、ポート222のもともとのトラフィック量である3.0Gbpsに、ポート212のトラフィック量である6.0Gbpsを加算した9.0Gbpsを、シミュレーション結果として出力する。
【0038】
また、シミュレーション装置100は、シミュレーションした各ポートのトラフィック量及び各ポートの通信路容量に基づいて、各ポートの逼迫度を判定してよい。例えば、シミュレーション装置100は、あるポートについて、当該ポートの通信路容量に対する、シミュレーションした当該ポートのトラフィック量の割合が、予め定められた閾値より大きい場合に、逼迫度が高いと判定し、小さい場合に逼迫度が低いと判定する。シミュレーション装置100は、ポートの通信路容量に対するトラフィック量の割合を複数の閾値と比較することによって、多段階に逼迫度を判定してもよい。
【0039】
図4は、ネットワーク10の他の一例を概略的に示す。
図5は、プロファイルテーブル150の他の一例を概略的に示す。
【0040】
ネットワーク10は、AS400及びAS500を有する。ここでは、AS400のAS番号が4000であり、AS500のAS番号が5000である場合を例に挙げて説明する。
【0041】
AS400は、ルータ410、ルータ420、ルータ430、BRR(Backbone Route Reflector)440及びBRR450を有する。BRR440とBRR450とはIBGP(Internal Border Gateway Protocol)ピア関係である。ルータ410及びルータ420は、BRR440とIBGPピア関係である。ルータ430は、BRR450とIBGPピア関係である。
【0042】
本実施形態において、ルータ410、ルータ420及びBRR440は西日本に配置されており、ルータ430及びBRR450は東日本に配置されている。また本実施形態において、ルータ410のホスト名はOS001であり、ルータ420のホスト名はOS002であり、ルータ430のホスト名はTK000である。
【0043】
ルータ410は、ポート412を有する。ルータ420は、ポート422を有する。ルータ430は、ポート432を有する。本実施形態において、ポート412、ポート422及びポート432の名称はBE1(Bundle Ether1)である。
【0044】
AS500は、ルータ510及びルータ520を有する。ルータ510は、ポート512を有する。ルータ520は、ポート522を有する。
【0045】
ポート412とポート512とは、通信回線23を介して通信接続されている。ポート422とポート512とは、通信回線24を介して通信接続されている。ポート432とポート522とは、通信回線25を介して通信接続されている。
【0046】
ポート412に関して、AS500から、プレフィックスリストAによって示される送信先への経路の優先度は300であり、ポート412に流れるトラフィックの割合は0%である。また、プレフィックスリストAによって示される送信元から、AS500への経路の優先度は250であり、ポート412に流れるトラフィックの割合は0%である。
【0047】
ポート422に関して、AS500から、プレフィックスリストAによって示される送信先への経路の優先度は200であり、ポート422に流れるトラフィックの割合は2%である。また、プレフィックスリストAによって示される送信元から、AS500への経路の優先度は200であり、ポート422に流れるトラフィックの割合は7%である。
【0048】
ポート432に関して、AS500から、プレフィックスリストAによって示される送信先への経路の優先度は100であり、ポート432に流れるトラフィックの割合は100%である。また、プレフィックスリストAによって示される送信元から、AS500への経路の優先度は300であり、ポート432に流れるトラフィックの割合は100%である。
【0049】
図5に示すプロファイルテーブル150は、オプション欄168を有する点で
図3に示すプロファイルテーブル150と異なる。オプション欄168には、優先度を変更する条件及び変更値を含む優先度変更情報が登録されてよい。本実施形態では、オプション欄168に、BRRを含むネットワークをシミュレーションするためのBRR10000が登録された場合を例に挙げて説明する。
【0050】
シミュレーション装置100は、オプション欄168にBRRの文字列が含まれている場合、AS400のコンフィグレーション情報を参照して、各ルータとBRRとのIBGPピア関係を取得する。ここでは、シミュレーション装置100は、ルータ410及びルータ420がBRR440とIBGPピア関係であり、ルータ430とBRR450とがIBGPピア関係であることを把握する。
【0051】
そして、シミュレーション装置100は、複数の経路のうちの少なくとも1つに障害が発生した場合であって、当該少なくとも1つの経路のトラフィックの迂回先の経路の候補が2つ以上あり、一の経路がBRR440及びBRR450により形成される経路(RR経路と呼ぶ場合がある。)を含み、他の経路がRR経路を含まない場合、当該他の経路の優先度と、変更値である10000を加算した一の経路の優先度とを比較する。例えば、シミュレーション装置100は、通信回線23に障害が発生したときのシミュレーションをする場合、通信回線23に接続されたルータ410と同一のBRRにIBGPピアを張っているルータ420を経由する経路の優先度には10000を加算せず、ルータ410とは異なるBRRとIBGPピアを張っているルータ430を経由する経路の優先度には10000を加算して、これらの経路の優先度を比較する。
【0052】
このように、オプション欄168に登録されたBRR10000のBRRは、2つのBRRにより形成されたRR経路を含む経路の優先度に変更値を加算し、RR経路を含まない経路の優先度には変更値を加算しない条件を示してよく、BRRに続く数字である10000は変更値を示してよい。
【0053】
シミュレーション装置100は、例えば、通信回線24に障害が発生した場合のin方向のトラフィック量をシミュレーションする場合、ルータ410を経由する経路の優先度である300と、ルータ430を経由する経路の優先度に10000を加算した10100とを比較する。そしてその結果、シミュレーション装置100は、ルータ410を経由する経路を迂回先の経路と判断して、ポート422のin方向のトラフィック量のうち2%を、ポート412のトラフィック量に加算する。
【0054】
また、シミュレーション装置100は、通信回線24に障害が発生した場合のout方向のトラフィック量をシミュレーションする場合、ルータ410を経由する経路の優先度である250と、ルータ430を経由する経路の優先度に10000を加算した10300とを比較する。そしてその結果、シミュレーション装置100は、ルータ410を経由する経路を迂回先の経路と判断して、ポート422のout方向のトラフィック量のうち7%を、ポート412のトラフィック量に加算する。
【0055】
上述したように、シミュレーション装置100は、オプション欄168に登録された優先度変更情報を用いてシミュレーションを実行することにより、BRRが配置されたネットワーク10についても、適切にシミュレーション結果を出力することができる。
【0056】
図6は、シミュレーション装置100の機能構成の一例を概略的に示す。シミュレーション装置100は、プロファイル情報取得部102、プロファイル情報格納部104、プロファイル情報チェック部106、トラフィック量情報取得部112、コンフィグ情報取得部114、選択受付部116、シミュレーション部120、通信路容量取得部122、逼迫度判定部124及び結果出力部126を備える。
【0057】
プロファイル情報取得部102は、複数のプロファイル情報を取得する。プロファイル情報取得部102は、例えば、入力デバイスを介したプロファイル情報の入力を受け付ける。また、プロファイル情報取得部102は、他の装置から送信されたプロファイル情報を受信してもよい。
【0058】
プロファイル情報格納部104は、プロファイル情報取得部102が取得した複数のプロファイル情報を格納する。プロファイル情報格納部104は、例えば、複数のプロファイル情報を含むプロファイルテーブル150を格納してよい。プロファイル情報格納部104は、それぞれが複数のプロファイル情報を含む複数のプロファイルテーブル150を格納してよい。
【0059】
なお、プロファイル情報格納部104は、他のデータ形式で複数のプロファイル情報を格納してもよい。例えば、プロファイル情報格納部104は、複数のプロファイル情報を含むテキスト形式のファイルを格納する。プロファイル情報格納部104は、それぞれが複数のプロファイル情報を含む複数のテキストファイルを格納してよい。
【0060】
プロファイル情報チェック部106は、プロファイル情報格納部104に格納された複数のプロファイル情報をチェックする。プロファイル情報チェック部106は、複数のインターフェースのそれぞれについて、複数のプロファイル情報に含まれるトラフィック割合情報が示す割合の合計が100%になるか否かをチェックしてよい。
【0061】
プロファイル情報チェック部106は、例えば、プロファイル情報格納部104に格納された全てのプロファイル情報をチェックした結果、少なくとも一つのインターフェースについて、トラフィック割合情報が示す割合の合計が100%より小さい場合、プロファイル情報の登録が不足している、もしくはトラフィック割合情報に設定ミスがある旨を示す警告を出力する。また、プロファイル情報チェック部106は、例えば、プロファイル情報格納部104に格納された全てのプロファイル情報をチェックした結果、少なくとも一つのインターフェースについて、トラフィック割合情報が示す割合の合計が100%より大きい場合、いずれかのプロファイル情報に設定ミスがある旨を示す警告を出力する。
【0062】
プロファイル情報チェック部106は、例えば、表示デバイス及び音声出力デバイス等を介して、プロファイル情報の登録が不足している可能性がある旨及びプロファイル情報に設定ミスがある旨を出力する。これにより、プロファイル情報の登録が不足している場合及びいずれかのプロファイル情報に設定ミスがある場合に、その旨を、プロファイル情報を設定した設定者等に通知することができる。
【0063】
トラフィック量情報取得部112は、トラフィック量情報を取得する。トラフィック量情報取得部112は、トラフィック量測定装置12からトラフィック量情報を受信してよい。
【0064】
コンフィグ情報取得部114は、コンフィグ情報を取得する。コンフィグ情報取得部114は、例えば、ルータ間のピア関係、ルータとBRRとの間のピア関係等を取得してよい。
【0065】
選択受付部116は、障害の発生個所の選択を受け付ける。選択受付部116は、障害の発生個所として、通信回線の選択を受け付けてよい。また、選択受付部116は、障害の発生個所として、ポートの選択を受け付けてよい。また、選択受付部116は、障害の発生個所として、ルータの選択を受け付けてよい。
【0066】
選択受付部116は、例えば、プロファイル情報格納部104に格納された複数のプロファイル情報に基づいて、ネットワーク10をGUI(Graphic User Interface)を介して提示し、GUIを介してネットワーク10内の障害の発生個所の選択を受け付ける。GUIを介した選択とは、マウス及びタッチパネル等の入力デバイスを介した選択であってよい。選択受付部116は、シミュレーション装置100が備える不図示のディスプレイにネットワーク10を表示させて、表示されたネットワーク10に対する障害の発生個所の選択を受け付けてよい。また、選択受付部116は、他の装置が備えるディスプレイにネットワーク10を表示させて、表示させたネットワーク10に対する障害の発生個所の選択を受け付けてもよい。
【0067】
シミュレーション部120は、プロファイル情報格納部104に格納された複数のプロファイル情報及びトラフィック量情報取得部112が取得した複数のトラフィック量情報に基づいて、複数の経路のうちの少なくとも1つの経路に障害が発生した場合の、複数のインターフェースのトラフィック量をシミュレーションする。
【0068】
シミュレーション部120は、障害が発生した少なくとも1つの経路を、選択受付部116によって選択された障害の発生個所によって判断してよい。例えば、シミュレーション部120は、選択受付部116によって通信回線、ポート又はルータが選択された場合、当該通信回線、ポート又はルータを経由する経路を、障害が発生した経路と判断する。
【0069】
シミュレーション部120は、障害が発生した少なくとも1つの経路のトラフィックの迂回先の経路を、複数のプロファイル情報に含まれるアドレス情報及び優先度情報に基づいて判断してよい。そして、シミュレーション部120は、障害が発生した少なくとも1つの経路のトラフィック量を、迂回先の経路におけるインターフェースのトラフィック量に加算することにより、障害が発生した場合の、迂回先のインターフェースのトラフィック量をシミュレーションしてよい。
【0070】
また、シミュレーション部120は、障害が発生した少なくとも1つの経路の迂回先の経路を、複数のプロファイル情報に含まれるルータ情報、アドレス情報、優先度情報及び優先度変更情報に基づいて判断してよい。シミュレーション部120は、例えば、障害が発生した少なくとも1つの経路のトラフィックの迂回先の経路の候補となる2つの経路のうち、一の経路が、ピア関係の2つのRRにより形成されるRR経路を含み、他の経路が、当該RR経路を含まない場合、優先度変更情報に含まれる変更値を加算した一の経路の優先度情報と、変更値を加算していない他の経路の優先度情報とに基づいて、迂回先の経路を判断する。
【0071】
通信路容量取得部122は、複数のインターフェースの通信路容量を取得する。
【0072】
逼迫度判定部124は、シミュレーション部120によってシミュレーションされた複数のインターフェースのトラフィック量と、通信路容量取得部122が取得した複数のインターフェースの通信路容量とに基づいて、複数のインターフェースの逼迫度を判定する。
【0073】
例えば、逼迫度判定部124は、あるインターフェースについて、当該インターフェースの通信路容量に対する、シミュレーション結果である当該インターフェースのトラフィック量の割合が、予め定められた閾値より大きい場合に、逼迫度が高いと判定し、小さい場合に逼迫度が低いと判定する。逼迫度判定部124は、インターフェースの通信路容量に対するトラフィック量の割合を複数の閾値と比較することによって、多段階に逼迫度を判定してもよい。
【0074】
結果出力部126は、シミュレーション部120によるシミュレーション結果を出力する。結果出力部126は、シミュレーション部120によってシミュレーションされた、少なくとも1つの経路に障害が発生した場合の、複数のインターフェースのトラフィック量を出力してよい。結果出力部126は、例えば、シミュレーション装置100が備える不図示のディスプレイに、複数のインターフェースのトラフィック量を表示させる。また、シミュレーション装置100は、他の装置が備えるディスプレイに、複数のインターフェースのトラフィック量を表示させてもよい。
【0075】
また結果出力部126は、逼迫度判定部124による逼迫度の判定結果を出力する。結果出力部126は、例えば、シミュレーション装置100が備える不図示のディスプレイに、逼迫度を表示させる。また、シミュレーション装置100は、他の装置が備えるディスプレイに、逼迫度を表示させてもよい。
【0076】
結果出力部126は、複数のインターフェースのそれぞれについて、逼迫度判定部124が判定した逼迫度を出力してよい。結果出力部126は、逼迫度を数値によって出力してもよく、また、色によって出力してもよい。結果出力部126は、逼迫度が高いインターフェースを、他のインターフェースと識別して出力してもよい。
【0077】
図7は、シミュレーション装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、選択受付部116が、障害の発生個所の選択を待ち受けている状態を開始状態として説明する。
図7に示す各処理は、シミュレーション装置100が備える制御部が主体となって実行される。
【0078】
ステップ702(ステップをSと省略して記載する場合がある。)では、選択受付部116が障害の発生個所の選択を受け付ける。S704では、シミュレーション部120が、S702で受け付けた発生個所に障害が発生した場合の、複数のインターフェースのトラフィック量をシミュレーションする。
【0079】
S706では、逼迫度判定部124が、複数のインターフェースのうちの一のインターフェースの逼迫度を判定する。S708では、S706で判定された逼迫度が高いか否かを判定する。S708で逼迫度が高いと判定された場合、S710に進み、高いと判定されなかった場合、S712に進む。
【0080】
S710では、結果出力部126が、S708で逼迫度が高いと判定されたインターフェースについて、警告対象のインターフェースである旨を設定する。S712では、S704でシミュレーションされた複数のインターフェースの全てについて、逼迫度の判定が終了したか否かを判断する。S712で判定が終了していないと判断された場合、S706に戻り、判定が終了したと判断された場合、S714に進む。
【0081】
S714では、結果出力部126が、シミュレーションの結果を出力する。結果出力部126は、複数のインターフェースのトラフィック量を出力する。また、結果出力部126は、S710で警告対象のインターフェースである旨を設定したインターフェースについて、警告対象のインターフェースである旨を設定されていないインターフェースと識別して出力する。例えば、結果出力部126は、警告対象のインターフェースに赤色を施して出力する。S714で結果出力部126が結果を出力した後、処理が終了する。
【0082】
以上の説明において、シミュレーション装置100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよい。また、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、シミュレーション装置100として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、シミュレーション装置100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
【0083】
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係るシミュレーション装置100として機能させるプログラムは、CPU等に働きかけて、コンピュータを、シミュレーション装置100の各部としてそれぞれ機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアとシミュレーション装置100のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0085】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【解決手段】ルータ情報と、インターフェース情報と、アドレス情報と、ルータ情報、インターフェース情報及びアドレス情報で特定される経路の優先度を示す優先度情報と、インターフェースのトラフィック量に対する経路のトラフィック量の割合を示すトラフィック割合情報とをそれぞれ有する複数のプロファイル情報を格納するプロファイル情報格納部と、複数のインターフェースのトラフィック量をそれぞれが示す複数のトラフィック量情報を取得するトラフィック量情報取得部と、複数のプロファイル情報及び複数のトラフィック量情報に基づいて、複数の経路のうちの少なくとも1つの経路に障害が発生した場合の、複数のインターフェースのトラフィック量をシミュレーションするシミュレーション部とを備えるシミュレーション装置を提供する。