【文献】
VAN DE KUIL, LUCIA A.,RECUEIL DES TRAVAUX CHIMIQUES DES PAY-BAS,1994年,V113 N5,P267-277
【文献】
SAKURAI RUMIKO,CRYSTAL GROWTH & DESIGN,2006年,V6 N7,P1606-1610
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
定義
「約」とは、ある範囲の値±特定の値の10%のことを指し;例えば、句「約50」は、50の±10%、すなわち、45〜55を含む。
【0029】
「アルコール溶媒」とは、C
1−C
6アルキルアルコールまたはC
1−C
6アルキルアルコールの混合物のことを指す。
【0030】
「商業的スケール」とは、少なくとも約500グラムの単一バッチのことを指す。
【0031】
「結晶化する」とは、結晶を形成させることを指す。
【0032】
「H
3受容体リガンド」とは、アンタゴニスト、アゴニストまたは部分的アゴニストとしてヒスタミンH
3受容体と相互作用する化合物のことを指す。
【0033】
「不均一触媒」とは、アルコール溶媒に可溶性でない水素化触媒のことを指す。
【0034】
「均一触媒」とは、アルコール溶媒に可溶性である水素化触媒のことを指す。
【0035】
「水素化触媒」とは、2−メチルピロリンと水素との反応を触媒することにより2−メチルピロリジンを形成するのに適した組成物のことを指す。
【0036】
「単離する」とは、混合物からある成分(例えば、試薬または生成物)を分離することを指す。
【0037】
「光学純度」とは、エナンチオマーの混合物中の1つのエナンチオマーの比率のことを指し、鏡像体過剰率(%ee)として表され、それは、(|R−S|/(R+S))
*100%と定義され、ここで、RおよびSは、R+S=1となるようなエナンチオマーのそれぞれの割合である。
【0038】
「医薬品」とは、ヒトにおいて疾患、状態または障害を処置するために用いることができる化合物または組成物のことを指す。
【0039】
「白金触媒」とは、白金を含む水素化触媒のことを指す。
【0040】
「精製する」とは、化合物の純度を上昇させることを指す。
【0041】
「純度」とは、混合物中の1つの成分の重量パーセンテージのことを指す。
【0042】
「溶液」とは、少なくとも部分的に溶解された物質を含み;そして溶解していない(例えば、固体)物質を含みうる、溶媒のことを指す。
【0043】
本明細書中で参照されるすべての刊行物は、すべての目的でそれらの全体が参照により援用される。
【0044】
説明
本発明は、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を調製するための方法を提供し、その方法は、以下の工程:
(a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;および
(e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程
を包含する。
【0045】
工程(a)
工程(a)では、アルキルアルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中で2−メチルピロリンを水素化する。この水素化反応において使用される2−メチルピロリンは、商業的供給源(例えば、Sigma−Aldrich Corp.;St.Louis,MO)から購入してもよい。本方法の重要な利点は、2−メチルピロリンが、(R)−および(S)−2−メチルピロリジンの生成に使用される他の出発物質よりも高価でない点である。
【0046】
本反応において使用される水素化触媒は、商業的供給源(例えば、Sigma−Aldrich Corp.;St.Louis,MO)から購入してもよい。その水素化触媒は、均一触媒または不均一触媒でありうる。水素化触媒の例としては、白金触媒が挙げられるが、これに限定されない。白金触媒の例としては、炭素担持白金(Pt/C)、酸化白金(IV)およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。均一触媒の例としては、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ならびに米国特許第4,581,417号、同第4,631,315号および同第5,670,437号に開示されている触媒が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、水素化触媒は、酸化白金(IV)である。より好ましくは、水素化触媒は、5%Pt−Cである。
【0047】
本反応に使用されるアルコール溶媒は、C
1−C
6アルキルアルコールまたはC
1−C
6アルキルアルコールの混合物である。C
1−C
6アルキルアルコールの例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、アルコール溶媒は、エタノールを含む。好ましくは、アルコール溶媒は、メタノールを含む。より好ましくは、アルコール溶媒は、エタノールとメタノールとの混合物である。より好ましくは、アルコール溶媒は、エタノールとメタノールとの、約0.5:1〜約10:1(v/v)の比での混合物である。より好ましくは、アルコール溶媒は、エタノールとメタノールとの、約1:1〜約5:1(v/v)の比での混合物である。より好ましくは、アルコール溶媒は、エタノールとメタノールとの、約2:1〜約3:1(v/v)の比での混合物である。より好ましくは、アルコール溶媒は、エタノールとメタノールとの、約2.4:1(v/v)の比での混合物である。
アルコール溶媒は、工程(a)の反応混合物中に任意の適当な量で存在しうる。好ましくは、アルコール溶媒は、反応混合物の少なくとも約50%(w/w)を構成する。より好ましくは、アルコール溶媒は、反応混合物の少なくとも約70%(w/w)を構成する。より好ましくは、アルコール溶媒は、反応混合物の少なくとも約90%(w/w)を構成する。より好ましくは、アルコール溶媒は、反応混合物の少なくとも約95%(w/w)を構成する。特に、C
1−C
6アルキルアルコールは、酢酸よりも容易に反応混合物から除去される。さらに、C
1−C
6アルキルアルコールは、非腐食性である。
【0048】
水素化反応において使用される水素(H
2)は、水素雰囲気中で反応を行うことなどによって、気体として反応混合物に加えられてもよいし、H
2PtCl
6またはRhCl
3をNaBH
4で処理することなどによってインサイチュで発生させてもよい(Brown and Sivasankaran,J.Am.Chem.Soc.1962,84,2828を参照のこと)。ある特定の実施形態では、この水素化反応は、気体状の水素を反応混合物に加えることによって行われる。好ましい実施形態では、この水素化は、気圧より高い状態で行われる。ある特定の実施形態では、この反応は、水素をインサイチュで発生させることによって行われる。
【0049】
水素化反応は、任意の適当な温度において行われうる。好ましくは、この反応は、周囲温度で行われる。
本方法の長所は、水素化反応が、非腐食性のアルキルアルコール溶媒中で行われる点である。本方法の別の長所は、水素化反応の生成物(すなわち、2−メチルピロリジン)が、中間体塩などの中間体の調製または単離の必要がなく、直接得られる点である。
【0050】
工程(b)
工程(b)は、随意の工程である。工程(b)では、水素化触媒は、水素化反応混合物から除去される。好ましくは、水素化触媒は、工程(a)の後に水素化反応混合物から除去される。好ましくは、特に、水素化触媒が不均一触媒であるとき、工程(b)は、工程(d)の前に行われる。水素化触媒の除去に適した方法としては、濾過、デカントおよび遠心分離が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、水素化触媒は、濾過によって除去される。水素化触媒は、一般に、貴金属ベースのものであるが、本方法の長所は、水素化触媒が、混合物から除去され、リサイクルされて、その後の水素化反応において再使用されうる点である(例えば、US5,554,353(Schneider et al.);EP1739104A1(Kobayashi et al.);Setty−Fichman,et al.,J.Mol.Cat.A:Chem.,1999,144(1),159−163を参照のこと。
【0051】
工程(c)
工程(c)では、L−酒石酸またはD−酒石酸を上記水素化反応混合物に溶解することにより、溶液を形成する。所望の生成物が、(R)−2−メチルピロリジンである場合、L−酒石酸を使用する。所望の生成物が、(S)−2−メチルピロリジンである場合、D−酒石酸を使用する。本方法において使用されるL−酒石酸またはD−酒石酸は、商業的供給源(例えば、Sigma−Aldrich Corp.;St.Louis,MO)から購入してもよい。
【0052】
好ましくは、工程(
c)において形成される溶液は、均一である。その溶液が均一でない(例えば、溶解されていない粒子を含む)場合、好ましくは、その溶液を加熱して溶解を促進する。
【0053】
本方法の長所は、水素化反応において調製された2−メチルピロリジンを、酒石酸を加える前に反応混合物から単離する必要がない点である。これにより、本方法は、従来技術の方法よりも簡便で、速く、安価かつ無駄が少なくなる。
【0054】
工程(d)
工程(d)では、工程(c)において調製された溶液から、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化する。工程(c)においてL−酒石酸が加えられる場合、工程(d)ではその溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩が結晶化される。工程(c)においてD−酒石酸が加えられる場合、工程(d)ではその溶液から(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩が結晶化される。任意の適当な方法を用いることにより、その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩が結晶化されうる。ある特定の実施形態では、その溶液を加熱して溶解を促進し、次いで、冷却することにより、結晶化が誘導される。
【0055】
工程(e)
工程(e)では、結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する。工程(c)においてL−酒石酸が加えられる場合、工程(d)ではその溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩が結晶化され、工程(e)において単離される。工程(c)においてD−酒石酸が加えられる場合、工程(d)ではその溶液から(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩が結晶化され、工程(e)において単離される。結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩の単離に適した方法としては、濾過、デカントおよび遠心分離が挙げられるが、これらに限定されない。本方法の長所は、単純な濾過によって生成物を単離することができる点である。好ましくは、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、濾過によって単離される。単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩は、いくらかの(S)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を含む可能性があり、単離された(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、いくらかの(R)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を含む可能性がある(それらは、単離された生成物の光学純度を低下させる)ことが理解される。好ましくは、単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、少なくとも40%eeという光学純度を有する。より好ましくは、単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、少なくとも50%eeという光学純度を有する。より好ましくは、単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、少なくとも55%eeという光学純度を有する。
【0056】
随意の追加工程
(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を調製するための本方法は、安価かつ非腐食性の試薬および溶媒を利用し、0℃〜25℃の温度において都合よくかつ安価に行うことができ、ただ1つの中間体化合物の調製を必要とするだけであり、合成中間体の単離が必要なく、触媒のリサイクルが可能であり、そして単純な濾過によって単離され、次いでその後の方法において使用されうる生成物をもたらすという点で有利である。
【0057】
単離された生成物は、(R)−または(S)−2−メチルピロリジン遊離塩基の酒石酸付加塩である。所望であれば、その塩を(R)−または(S)−2−メチルピロリジン遊離塩基に変換してもよい。得られた遊離塩基は、当該分野で公知の手法を用いて単離されうる。好ましくは、その遊離塩基は、インサイチュで生成され、単離せずに次の合成工程において使用されうる。本明細書中に記載される方法は、単離された2−メチルピロリジン遊離塩基と、反応混合物においてインサイチュで生成された2−メチルピロリジン遊離塩基の両方に適用可能である。
【0058】
従って、ある特定の実施形態では、本方法は、以下の工程:単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と反応させることにより、(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンを得る工程をさらに包含する。この反応における使用に適した塩基としては、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルキルアミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。この反応における使用に適した溶媒としては、ジエチルエーテルおよびジクロロメタンが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、2−メチルピロリジン遊離塩基は、当業者に公知の手順を用いて、イオン交換樹脂を使用し、対応する酒石酸塩から生成されうる。
【0059】
好ましくは、調製された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩、(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩、(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンは、少なくとも50%eeという光学純度を有する。これは、主要なエナンチオマーが、その混合物の75%を構成し、主要でないエナンチオマーが、その混合物の25%を構成することを意味する(50%ee=((0.75−0.25)/(0.75+0.25)
*100%)。この純度のレベルは、その後の合成方法において試薬として使用される生成物にとって十分であることが多い。例えば、50%eeという光学純度を有する(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩が、追加の立体中心を有する化合物を調製するために使用されるとき、上記反応は、ジアステレオマーの混合物をもたらし、(S)−2−メチルピロリジンから形成された主要でないジアステレオマーは、(R)−2−メチルピロリジンから形成された主要なジアステレオマーの通常の精製において除去されうる。
【0060】
より高レベルの光学純度が望まれる場合、得られた(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化してもよい。ゆえに、ある特定の実施形態では、本方法は、以下の工程:
(f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(h)選択的に、工程(f)および(g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0061】
工程(f)
工程(f)では、工程(e)において単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化する。単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩の再結晶化に適した方法としては、単離された酒石酸塩を適当な溶媒に溶解し、次いで、その溶液を冷却することにより結晶化を促進する方法が挙げられるが、これに限定されない。適当な再結晶化溶媒としては、アルコール溶媒が挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、再結晶化溶媒は、少なくとも約70%(v/v)のエタノールおよびメタノールを含むアルコール溶媒である。より好ましくは、再結晶化溶媒は、少なくとも約70%(v/v)のエタノールおよびメタノールを約1:1〜約5:1(v/v)の比で含むアルコール溶媒である。より好ましくは、再結晶化溶媒は、少なくとも約70%(v/v)のエタノールおよびメタノールを約2:1〜約3:1(v/v)の比で含むアルコール溶媒である。より好ましくは、再結晶化溶媒は、少なくとも約90%(v/v)のエタノールおよびメタノールを含むアルコール溶媒である。より好ましくは、再結晶化溶媒は、少なくとも約90%(v/v)のエタノールおよびメタノールを約1:1〜約5:1(v/v)の比で含むアルコール溶媒である。より好ましくは、再結晶化溶媒は、少なくとも約90%(v/v)のエタノールおよびメタノールを約2:1〜約3:1(v/v)の比で含むアルコール溶媒である。
【0062】
工程(g)
工程(g)では、再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する。再結晶化された酒石酸塩の単離に適した方法としては、濾過、デカントおよび遠心分離が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、濾過によって単離される。
【0063】
工程(e)において単離された酒石酸塩を工程(f)および(g)に従って単一の再結晶化進行に供することにより、好ましくは、少なくとも80%eeという光学純度を有する、単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩がもたらされる。より好ましくは、工程(g)において単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、少なくとも85%eeという光学純度を有する。85%eeという光学純度は、主要なエナンチオマーが、混合物の92%超を構成し、主要でないエナンチオマーが、混合物の8%未満を構成することを意味し(84%ee=((0.925−0.075)/(0.925+0.075)
*100%)、この光学純度は、その後の合成方法において使用するために十分な純度であることが多い。
【0064】
工程(h)
より高い光学純度が望まれる場合、再結晶化の進行(すなわち、工程(f)および(g))を1回以上繰り返すことにより、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩の光学純度を上昇させてもよい。再結晶化を2回行った後、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、好ましくは、少なくとも90%eeという光学純度を有する。より好ましくは、単離され再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、少なくとも93%eeという光学純度を有する。再結晶化を3回行った後、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、好ましくは、少なくとも95%eeという光学純度を有する。より好ましくは、単離され再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、少なくとも97%eeという光学純度を有する。再結晶化を4回行った後、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩は、好ましくは、少なくとも98%eeという光学純度を有する。
【0065】
遊離塩基
選択的に、本方法は、単離され再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と反応させることにより、(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンを得る工程をさらに包含しうる。この反応における使用に適した塩基としては、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルキルアミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。この反応における使用に適した溶媒としては、ジエチルエーテルおよびジクロロメタンが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、当業者に公知の手順を用いて、イオン交換樹脂を使用し、対応する酒石酸塩から、2−メチルピロリジン遊離塩基が生成されうる。
【0066】
得られた遊離塩基は、当該分野で公知の手法を用いて単離されうる。好ましくは、遊離塩基は、インサイチュで生成され、単離せずに次の合成工程において使用されうる。本明細書中に記載される方法は、単離された2−メチルピロリジン遊離塩基と、反応混合物においてインサイチュで生成された2−メチルピロリジン遊離塩基との両方に適用可能である。
【0067】
追加の化合物
本発明は、(R)−および(S)−2−メチルピロリジンならびにそれらのそれぞれの酒石酸塩を調製する便利な方法を提供することに加えて、2−メチルピロリジンを他の化合物、特に、薬学的に有用な化合物に組み込むための方法も提供する。工程(e)、(g)または(h)の後に得られた(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩が用いられうる。ある特定の実施形態では、変換における最初の工程は、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩の塩の形態を塩基またはイオン交換樹脂と反応させることによって、対応する遊離塩基の形態(すなわち、それぞれ(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジン)に変換することでありうる。次いで、この(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンは、単離されるか、またはインサイチュで調製されるかに関わらず、当該分野で公知のいくつかの薬学的化合物、例えば、ヒスタミン−3受容体リガンドを調製するために使用されうる。
【0068】
例えば、前述の方法によって調製された(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンは、式(I)のH
3受容体アンタゴニストおよび/もしくはインバースアゴニスト:
【0069】
【化4】
またはそれらの薬学的に許容可能な塩に変換され得、ここで、
R
1は、
【0072】
2−メチルピロリジンから式(I)の化合物を調製するために適した方法は、WO2007/009741に記載されており、前述の方法に従って調製される(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンの使用に適応されうる。例えば、2ブタノンに溶解された1,1ジメチルエチル4−{4−[(3−クロロプロピル)オキシ]フェニル}−3−オキソ−1−ピペラジンカルボキシレートの溶液が提供されうる。炭酸カリウム、ヨウ化カリウムおよび(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンの遊離塩基が加えられ、その混合物を、80℃で24時間加熱しうる。次いで、その反応物を室温まで冷却し、EtOAcと水との間で分配させうる。有機相を乾燥させ、濃縮し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィで精製し、適切な画分を併せ、濃縮することにより、式(II)のBOC保護されたアミン:
【0073】
【化7】
が得られ得、ここで、R
2は、
【0074】
【化8】
である(すなわち、化合物1,1−ジメチルエチル4−(4−{[3−(2R−メチル−1−ピロリジニル)プロピル]オキシ}フェニル)−3−オキソ−1−ピペラジンカルボキシレートまたは1,1−ジメチルエチル4−(4−{[3−(2S−メチル−1−ピロリジニル)プロピル]オキシ}フェニル)−3−オキソ−1−ピペラジンカルボキシレート)。次いで、式(II)の化合物におけるBOC保護基が、除去される(例えば、トリフルオロ酢酸との反応によって)ことにより、式(III)のアミン:
【0075】
【化9】
が形成され得、ここで、R
2は、
【0076】
【化10】
である。次いで、式(III)のアミンは、4−シアノ安息香酸、4−(1−アゼチジニルカルボニル)安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、3,5−ジフルオロ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸、1−メチル−5−オキソ−3−ピロリジンカルボン酸、3,5−ジメチル−4−イソキサゾールカルボン酸、1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、2,5−ジフルオロ安息香酸、2,6−ジフルオロ安息香酸および3,4−ジフルオロ安息香酸から選択されるカルボン酸と反応させることにより、式(I)の化合物が形成されうる。
【0077】
式(II)のBOC保護されたアミンの調製において使用される1,1−ジメチルエチル−4−{4−[(3−クロロプロピル)オキシ]フェニル}−3−オキソ−1−ピペラジンカルボキシレートは、4−[(フェニルメチル)オキシ]アニリンを塩化クロロアセチルと反応させ、次いで2−アミノエタノールと反応させることによって調製されうるN
2−(2−ヒドロキシエチル)−N
1−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}グリシンアミドのBOC保護によって調製されうる1,1−ジメチルエチル−(2−ヒドロキシエチル)[2−オキソ−2−({4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}アミノ)エチル]カルバメートを塩化メタンスルホニルと反応させることによって調製されうる1,1−ジメチルエチル−3−オキソ−4−{4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−ピペラジンカルボキシレートの触媒的水素化分解によって調製されうる1,1−ジメチルエチル−4−(4−ヒドロキシフェニル)−3−オキソ−1−ピペラジンカルボキシレートを1−ブロモ−3−クロロプロパンと反応させることによって調製されうる。
【0078】
BOCに対する代替物として、当該分野で公知の他の窒素保護基を使用してもよい。適当な窒素保護基の例は、Green,T.W.;Wutz,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2d ed.;John Wiley and Sons:New York,1991に記載されている。
【0079】
従って、本発明の1つの実施形態は、式(I)の化合物:
【0080】
【化11】
を調製するための方法に関し、ここで、R
1およびR
2は、上に示されたとおり定義され、その方法は、以下の工程:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を式Iの化合物に変換する工程
を包含する。
【0081】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0082】
他の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物:
【0083】
【化12】
を調製するための方法に関し、ここで、R
1およびR
2は、上に示されたとおり定義され、その方法は、以下の工程:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を単離する工程;
(1f)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と反応させることにより、(R)−2−メチルピロリジンを得る工程;
(2)その(R)−2−メチルピロリジンを式(Ia)の保護されたアミン
【0084】
【化13】
(ここで、PGは、保護基である)と反応させることにより、式(II)の保護されたアミン
【0086】
を形成する工程;
(3)式(
II)の保護されたアミンから保護基を除去することにより、式(III)のアミン
【0087】
【化15】
を形成する工程;および
(4)4−シアノ安息香酸、4−(1−アゼチジニルカルボニル)安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、3,5−ジフルオロ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸、1−メチル−5−オキソ−3−ピロリジンカルボン酸、3,5−ジメチル−4−イソキサゾールカルボン酸、1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、2,5−ジフルオロ安息香酸、2,6−ジフルオロ安息香酸および3,4−ジフルオロ安息香酸から選択されるカルボン酸を式(III)のアミンと反応させることにより、式(I)の化合物を形成する工程を包含する。
【0088】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0089】
好ましくは、保護基は、BOCである。
【0090】
ヒスタミン−3受容体リガンド活性を示す別の化合物は、2−(6−{2−[(2R)−2−メチル−1−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−ナフタレン−2−イル)−2H−ピリダジン−3−オンである。この化合物を調製するための方法の1つは、US2005/0256127に記載されている。
【0091】
6−ブロモ−ナフタレン−2−オールを、有機塩基の存在下において任意の適当なトリフルオロメタンスルホン酸試薬で処理することにより、トリフルオロ−メタンスルホン酸6−ブロモ−ナフタレン−2−イルエステルを得ることができる。適当なトリフルオロメタンスルホン酸試薬の例は、例えば、トリフルオロメタンスルホニル酸無水物、塩化トリフルオロメタンスルホニル、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホニル−1−−H−イミダゾール、トリフルオロメタンスルホニル酸アニリド、トリフルオロメタンスルホニル酸−2−ニトロフェニルエステル、トリフルオロメタンスルホニル酸−4−ニトロフェニルエステルである。有機塩基の例は、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、2,6−ルチジン、ピリジンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)である。
【0092】
この反応は、任意の適当な有機溶媒中で達成されうる。適当な溶媒の例は、CH
2Cl
2、ジメチルエーテル(DME)およびトルエンである。この反応はまた、無機塩基が使用される二相性反応において行われうる。例えば、適当な無機塩基は、K
3PO
4、NaHCO
3、Na
2CO
3、NaOHなどである。好ましい溶媒は、トルエンである。典型的には、この反応は、低温での二相性反応において、例えば、トルエンおよび30%リン酸カリウムの使用において、達成される。この反応に対する好ましい温度範囲は、約−5℃〜約0℃である。
【0093】
トリフルオロ−メタンスルホン酸6−ブロモ−ナフタレン−2−イルエステルは、ビニルトリフルオロボレート試薬との反応を介して2−ブロモ−6−ビニル−ナフタレンに変換される。適当なビニルトリフルオロボレート試薬は、例えば、ビニルトリフルロルホウ酸カリウム、2−ビニル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、ビニルボロン酸ジブチルである。その試薬は、トリフルオロ−メタンスルホン酸6−ブロモ−ナフタレン−2−イルエステルに対して、約1.0モル当量〜約1.5モル当量の量で使用される。典型的には、この反応は、極性有機溶媒、例えば、アルコールおよび塩基性溶液、例えば、金属炭酸塩溶液中で行われる。好ましい溶媒は、エタノールである。この反応のために使用されうる他の溶媒の例は、n−プロパノール、イソ−プロパノール、メタノールおよび他の適当なアルコールである。金属炭酸塩は、好ましくは、炭酸セシウムである。あるいは、他の塩、例えば、Na
2CO
3およびK
3PO
4も使用することができる。この反応のための金属炭酸塩の量は、トリフルオロ−メタンスルホン酸6−ブロモ−ナフタレン−2−イルエステルに対して、約2モル当量〜約4モル当量である。この反応は、パラジウム触媒および有機アミノ塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミンなど)の存在下において達成される。この反応のためのパラジウム触媒の例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、PdCl
2(dppf)
2、PdCl
2(Ph
3P)
2およびPdCl
2(CH
3CN)
2が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいパラジウム触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。
【0094】
2−ブロモ−6−ビニル−ナフタレンを、n−ブチルリチウムを用いて生成された(R)−2−メチルピロリジンアニオンで処理することにより、1−[2−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−(R)−2−メチル−ピロリジンを得てもよい。US2005/0256127に記載されている方法は、前述の方法に従って(R)−および/または(S)−2−メチルピロリジンを調製することによって、改善されうる。次いで、2−ブロモ−6−ビニル−ナフタレンを、n−ブチルリチウムを用いて生成された(R)−2−メチルピロリジンアニオンまたは他の任意の適当な塩基と反応させることにより、1−[2−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−2R−メチル−ピロリジンを得てもよい。2−ブロモ−6−ビニル−ナフタレンを、n−ブチルリチウムを用いて生成された(R)−2−メチルピロリジンアニオンで処理することにより、1−[2−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−(R)−2−メチル−ピロリジンを得てもよい。好ましくは、約1.2〜約2.5モル当量の(R)−2−メチルピロリジンがこの反応のために使用される。この反応は、典型的には、有機溶媒、例えば、THF、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)、Et
2OおよびDME中で達成される。好ましい溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)である。n−ブチルリチウムを(R)−2−メチルピロリジンのTHF溶液に、制御された形式で、典型的には滴下で、加える。この溶液に、2−ブロモ−6−ビニル−ナフタレンのTHF溶液を加える。あるいは、2−ブロモ−6−ビニル−ナフタレンのTHF溶液を(R)−2−メチルピロリジンおよびn−ブチルリチウムの溶液に加えることも適当である。この反応は、室温より低い温度、典型的には、約0℃〜約−20℃の範囲の温度において達成される。約0.3〜約0.7モル当量のn−ブチルリチウムが、2−ブロモ−6−ビニルナフタレン化合物に対して用いられる。得られる化合物は、1−[2−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−(R)−2−メチル−ピロリジンである。
【0095】
次いで、その1−[2−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−(R)−
2−メチル−ピロリジンを2H−ピリダジン−3−オンと反応させることにより、所望の
2−{6−[2−((R)2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ナフタレン
−2−イル}−2H−ピリダジン−3−オン化合物を得てもよく、それをさらに処理する
ことにより、適当な塩を調製することができる。この反応は、塩基の存在下において、2
H−ピリダジン−3−オン、8−ヒドロキシキノリン、銅触媒を用いて達成される。約1
.0〜約1.5モル当量の(2H)−ピリダジン−3−オンが、1−[2−(6−ブロモ
−ナフタレン−2−イル)−エチル]−(R)−2−メチル−ピロリジンに対して用いら
れる。銅触媒は、任意の適当な銅触媒、例えば、銅(I)触媒でありうる。この反応に適
した触媒の例としては、銅(0)粉末、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、
酸化銅(I)、酢酸銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、酸
化銅(II)または酢酸銅(II)が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい銅触
媒は、塩化銅(I)である。約0.02〜約1.0モル当量の銅触媒が、1−[2−(6
−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−(R)−2−メチル−ピロリジンに対し
て用いられる。この反応に適したリガンドの例としては、p−ジメチルアミノピリジン、
ピリジン、3−ピコリン、4−ピコリン、8−ヒドロキシキノリン、7−メチル−8−ヒ
ドロキシキノリン、7−n−プロピル−8−ヒドロキシキノリン、1,10−フェナント
ロリンおよび2,2’−ジピリジルが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいリ
ガンドは、8−ヒドロキシキノリンであり、これは、1−[2−(6−ブロモ−ナフタレ
ン−2−イル)−エチル]−(R)−2−メチル−ピロリジンに対して約0.02〜約2
.0モル当量の量で用いられる。好ましくは、上記塩基は、金属炭酸塩または金属アルコ
キシド、例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよびナトリウムtert−ブトキシドである。好ましい塩基は、炭酸カリウムであり、これは、1−[2−(6
−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−(R)−2−メチル−ピロリジンに対し
て約1.0〜約2.0モル当量の量で用いられる。この反応は、高温において、極性有機
溶媒中で達成される。適当な溶媒の例としては、N,
N−ジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリジノン、N,
N−ジメチルアセトアミド、ピリジン、3−ピコリン、4−
ピコリンなどが挙げられるがこれらに限定されない。好ましい溶媒は、ジメチルホルムア
ミド(DMF)である。典型的には、この反応は、窒素雰囲気下において達成され、反応
混合物は、約100℃〜約160℃の温度に加熱される。この反応は、典型的には、約1
0〜約48時間で達成されうる。その反応が完了し、25℃に冷却されると、非水混和性
溶媒、例えば、酢酸エチルを加える。その有機溶液は、ブライン水溶液、例えば、25%
NaCl溶液または他の適当な塩溶液で数回洗浄される。その有機溶液を乾燥させ、乾燥
するまで濃縮することにより、生成物が得られる。
【0096】
あるいは、2−(6−{2−[(2R)−2−メチル−1−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−ナフタレン−2−イル)−2H−ピリダジン−3−オン活性薬剤は、2003年10月22日出願のUS7,153,889の、少なくとも例えば、一般的な手順および実施例31に記載されている手順、または安定な活性薬剤を提供するための他の任意の適当な手順に従って調製されうる。簡潔には、例えば、BH
3−THFを用いて6−ブロモ−2−ナフトエートを還元することにより、対応するアルコールが得られる。6−ブロモ−ナフタレン−2−イル−メタノールを3(2H)−ピリダジノン、銅粉末および塩基で処理することにより、2−[6−(2−ヒドロキシ−エチル)−ナフタレン−2−イル−]−2H−ピリダジン−3−オンが得られ、これを、トシレートなどのスルホネートを用いて活性化する。前述の工程(a)〜(e)に従い、随意の工程(f)〜(h)有りまたは無しで、そして(R)−2−メチルピロリジンを得るために(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と反応させて調製された(R)2−メチルピロリジンが提供され、上記スルホネートを前記(R)−2−メチルピロリジンと反応させることにより、2−(6−{(2R)2−メチル−1−ピロリジン−1−イル]−エチル}−2−ナフタレン−2−イル)−2H−ピリダジン−3−オンが得られる。
【0097】
従って、本発明の1つの実施形態は、2−{6−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ナフタレン−2−イル}−2H−ピリダジン−3−オンを調製する方法に関し、その方法は、以下の工程:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)トリフルオロ−メタンスルホン酸6−ブロモ−ナフタレン−2−イルエステルを2−ブロモ−6−ビニル−ナフタレンに変換する工程;
(3b)n−ブチルリチウムの存在下において2−ブロモ−6−ビニル−ナフタレンを(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンと反応させることにより、1−[2−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−2R−メチル−ピロリジンまたは1−[2−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−2S−メチル−ピロリジンを得る工程;および
(3c)1−[2−(6−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−エチル]−2−メチル−ピロリジンを2H−ピリダジン−3−オンと反応させることにより、2−{6−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ナフタレン−2−イル}−2H−ピリダジン−3−オンを得る工程
を包含する。
【0098】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を再結晶化させる工程
;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を単離する工程;
および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0099】
さらに、トリフルオロ−メタンスルホン酸6−ブロモ−ナフタレン−2−イルエステルは:6−ブロモ−ナフタレン−2−オールを提供すること;および6−ブロモ−ナフタレン−2−オールを適当なトリフルオロメタンスルホン酸試薬と反応させることによって得てもよい。
本発明の方法を用いて生成されうる例示的な化合物としては:
【0103】
WO2005/117865にも、以下の一般式III
−Aの2−メチル−ピロリジニル部分:
【0104】
【化18】
を含むヒスタミン−3−受容体リガンドが記載されており、ここで、Aは:
【0105】
【化19】
から選択され、ここで:
mは、0、1または2であり;
nは、0、1または2であり;
R
3は、水素または低級アルキルであり;
tは、1または2であり;
R
4は、水素または低級アルキルであり
Xは、O、SまたはN−R
8であり、ここで、R
8は、水素または低級アルキルであり;
pは、0、1または2であり;
R
6は、低級アルキルであり;
sは、0、1または2であり;および
R
7は、低級アルキルである。
【0106】
式III
−Aの化合物は、スキーム1に従って調製されうる。
【0108】
カルボン酸とアミンとの結合は、文献において広く説明されており、その手順は、当業者に公知である(文献に説明されている、そのような反応をもたらす反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,2nd Edition,Richard C.Larock.John Wiley&Sons,New York,NY.1999を参照のこと)。前述の工程(a)〜(e)に従い(随意の工程(f)〜(h)有りまたは無しで)、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と反応させることにより(R)−2−メチルピロリジンを得ることによって調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンと、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を結合させることによって、それぞれのアミドに便利に変換されうる。任意の適当なカップリング剤を使用することにより、この変換をもたらすことができる。例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)などのようなカップリング試薬は、そのような変換をもたらすために同様に良好に使用されうる。
【0109】
使用される溶媒が、反応または関与する試薬に対して有害作用を有さず、少なくともある程度その試薬を溶解することができるのであれば、その使用される溶媒の性質について特定の制限はない。適当な溶媒についての例としては:DMF、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、THFなどが挙げられる。典型的には、塩基は、カップリング剤とともに用いられる。この段階において使用される塩基の性質には特定の制限はなく、このタイプの反応において通常使用される任意の塩基が、本明細書中でも同様に使用されうる。そのような塩基の例としては、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。この反応は、幅広い温度において起き得、正確な反応温度は、本発明にとって重大でない。周囲温度から還流まで加熱する反応を行うことが好都合である。多くの因子、特に、反応温度および試薬の性質に応じて、その反応に必要な時間もまた、大きく変化することがある。しかしながら、通常、0.5時間から数日という期間が、アミド誘導体を得るのに十分である。
【0110】
(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−メタノンを調製するための1つの例示的な手順は、以下のとおりである。6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートと、2.3mLのN−エチルジイソプロピルアミンと、前述の手順に従って調製された(R)または(S)−2−メチル−ピロリジンとの混合物を10mLのDMF中に調製し、室温で16時間撹拌する。次いで、その混合物を乾燥するまで濃縮し、50mLの酢酸エチル、30mLの水および20mLのNaHCO
3 aq.(10%)を加える。次いで、その水相を50mLの酢酸エチルで抽出し、併せた有機層をシリカにおけるカラムクロマトグラフィで精製しうる。その生成物画分を乾燥するまで濃縮し、20mLのジエチルエーテル/ヘプタン1/1で2回倍散し、残渣を50℃の真空下で乾燥させうる。本明細書中に記載される方法に従って調製された(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンを用いてこの方法を実施することにより、(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−(2R−メチル−ピロリジン−1−イル)−メタノンまたは(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−(2S−メチル−ピロリジン−1−イル)−メタノンが得られ、次いでこれを用いることにより、ヒスタミン−3−受容体リガンドが生成されうる。
【0111】
ヒスタミン−3−受容体リガンドを作製するために、前述の(R)または(S)中間体を式HO−A(ここで、Aは、上記のとおり定義される)のアルコールと反応させることにより、エーテルを形成する。エーテルの合成は、文献において広く説明されており、その手順は、当業者に公知である(文献に説明されている、そのような反応をもたらす反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,2nd Edition,Richard C.Larock.John Wiley&Sons,New York,NY.1999を参照のこと)。この変換は、当業者に公知であり、広く報告されている(Hughes,David L.The Mitsunobu reaction.Organic Reactions(New York)(1992),42,335−656)いわゆる「光延反応」において通常使用される反応条件を用いることによってもたらされうる。テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ジクロロメタンなどのような、上記のような変換において通常使用される溶媒中で、トリアルキルホスフィン(例えば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなど)およびジエチル−アゾジカルボキシレート(DEAD)、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)(選択的に、ポリマー結合型)、テトラメチルアゾジカルボキサミドなどのようなジアゾ化合物を使用する条件。使用される溶媒が、反応または関与する試薬に対して有害作用を有さず、少なくともある程度その試薬を溶解することができるのであれば、その使用される溶媒の性質について特定の制限はない。この反応は、幅広い温度において起き得、正確な反応温度は、本発明にとって重大でない。周囲温度から還流までが一般に適切である。多くの因子、特に、反応温度および試薬の性質に応じて、反応に必要な時間もまた、大きく変化することがある。しかしながら、通常、0.5時間から数日という期間が、所望の化合物を得るのに十分である。
【0112】
代替として、以下の合成アプローチを使用してもよい。
【0114】
スキーム2に示されるように、出発アルコールHO−A(ここで、Aは、上に記載したとおりである)を、光延反応条件下においてメチルエステルと反応させた後、そのエステルを切断する。次いで、中間に形成された酸を、前述の工程(a)〜(e)に従い(随意の工程(f)〜(h)有りまたは無しで)、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と反応させることにより(R)−2−メチルピロリジンを得るか、または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と反応させることにより(S)−2−メチルピロリジンを得ることにより、調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンと結合させることにより、所望の化合物に到達する。適当なカップリング剤および適当なカップリング条件は、上に記載されている。
【0115】
従って、本発明の1つの実施形態は、式(III
−A)の化合物:
【0116】
【化22】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)以下の式のカルボン酸:
【0117】
【化23】
を(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、対応するアミド
ナフトールを形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程;および
(3b)上記アミド
ナフトールを式HO−A(ここで、Aは、上に記載されたとおりである)のアルコールと、対応するアミドエーテルを得るのに十分な時間にわたり、それを得るのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0118】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
式(III
−A)の化合物:
【0119】
【化24】
を調製するための方法に関する他の実施形態、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)以下の式のエステル
ナフトール:
【0120】
【化25】
を式HO−A(ここでAは、上に記載されたとおりである)のアルコールと、対応するエステルエーテルを形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程;および
(3b)上記エステルエーテルを(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、対応するアミドエーテルを得るのに十分な時間にわたり、それを得るのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0121】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0122】
本発明の方法を用いて調製することができる特に好ましい化合物としては:
(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−{6−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エトキシ]−ナフタレン−2−イル}−メタノン;
[6−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
[6−(1−イソプロピル−ピペリジン−4−イルオキシ−)ナフタレン−2−イル]−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−メタノン;および
[6−(1−イソブチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−メタノン
が挙げられる。
【0123】
本明細書中に記載される方法に従って生成される(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンから調製されうる別の群の化合物は、US2008/0027041A1に開示されている。詳細には、その出願に開示されているのは、一般式IVの化合物
【0124】
【化26】
およびその薬学的な塩であり;
ここで:
R
1は、
【0125】
【化27】
であり、
XおよびX
aは、各々独立して、CHまたはNであり;
Yは、S(O)
q、OまたはNR
15であり;
R
2は、
【0127】
であり、ここで:
XおよびX
aが、両方ともCHであるとき、R
2は、Y−(CHR
4)
m−R
1基に対してメタまたはパラであり;そして
XまたはX
aのいずれかが、Nであるとき、R
2は、Y−(CHR
4)
m−R
1基に対してパラであり;
各R
3は:
独立して、H、F、Cl、Br、I、OR
21、NR
23R
24、NO
2、CN、CF
3、C
1−C
6アルキル、C(=O)R
21、CO
2R
21またはC(=O)NR
23R
24であるか;または
R
3が、R
2に対してオルトであり、R
2が、(i)、(ii)、(iv)、(vi)または(ix)であるとき、R
3およびR
14は、一緒になって−(CH
2)
s−、−CH
2Z−、−ZCH
2−、−ZCH
2CH
2−またはCH
2CH
2Z−を形成し得;ここで、Zは、O、S(O)
yまたはNR
27であるか;または
R
3が、R
2に対してオルトであり、R
2が、(iv)、(v)または(viii)であるとき、R
3およびR
13は、一緒になって、−(CH
2)
s−、−CH
2Z−、−ZCH
2−、−ZCH
2CH
2−またはCH
2CH
2Z−を形成しうるか;または
R
3が、R
2に対してオルトであり、R
2が、(viii)であるとき、R
3およびR
13bは、一緒になって−(CH
2)
s−、−CH
2Z−、−ZCH
2−、−ZCH
2CH
2−またはCH
2CH
2Z−を形成しうるか;または
R
3が、X
aに対してオルトであり、R
2が、R
3に対してオルト、かつX
aに対してメタであるとき、R
2およびR
3は、一緒になって:
【0128】
【化29】
を形成し得;
各R
4は、独立して、H、C
1−C
6アルキルまたはOR
21であり、ここでそのアルキル基は、選択的に、1〜3個のR
20基で置換され;
R
12は、H、C
1−C
6アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C(=O)R
27またはCO
2R
27であり、ここで、そのアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル基は、選択的に、1〜3個のR
20基で置換され;
R
13およびR
14は、各々独立して、H、C
1−C
6アルキル、アリール、アリールアルキルC
1−C
6アルコキシル、S(=O)
y−C
1−C
6アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールであり;
R
13a、R
13b、R
13cおよびR
14aは、各々独立して、H、C
1−C
6アルキルであるか;またはR
13およびR
14は、それらが接続している炭素原子と一緒になって、縮合フェニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、ピリジニルまたはC
3−C
6シクロアルキル環を形成するか;またはR
13bおよびR
14、もしくはR
13および
14a、もしくはR
13bおよび
14a、もしくはR
13cおよびR
14aは、それらが接続している炭素原子と一緒になって、縮合C
3−C
6シクロアルキル環を形成するか;またはR
13およびR
13a、もしくはR
14およびR
14aは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C
3−C
8シクロアルキル環を形成するが;ただし、R
13とR
14、R
13bとR
14、R
13とR
14a、R
13bとR
14a、R
13cとR
14a、R
13とR
13a、およびR
14とR
14aとの1対だけが、それらが接続しているか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、環を形成し;そして、その縮合フェニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、ピリジニルまたはシクロアルキル環は、選択的に、1〜3個のR
20基で置換され;
R
15は、H、C
1−C
6アルキル、C(=O)R
25、CO
2R
25であり;
各存在におけるR
20は、独立して、H、F、Cl、Br、I、OR
21、OR
22、NR
23R
24、NHOH、NO
2、CN、CF
3、選択的にOR
26で置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
3−C
7シクロアルキルC
0−C
4アルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキルC
0−C
4アルキル、フェニル、5もしくは6員のヘテロアリールC
0−C
4アルキル、アリールアルキル、(=O)、C(=O)R
21、CO
2R
21、OC(=O)R
21、C(=O)NR
23R
24、NR
27C(=O)R
21、NR
27C(=O)OR
21、OC(=O)NR
23R
24、NR
27C(=S)R
21またはS(O)
qR
21であり;
各R
21は、独立して、H、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアリールアルキルであり;
各R
22は、独立して、カルボキシル基のヒドロキシル基が除去された後のアミノ酸の残基であり;
R
23およびR
24の各々は、独立して、H、C
1−C
6アルキルおよびアリールから選択されるか、またはR
23およびR
24は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、選択的に=Oで置換される3〜7員の複素環式環を形成し;
R
25は、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアルキルアリールであり;
R
26は、H、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアルキルアリールであり;
R
27 は、HまたはC
1−C
6アルキルであり;
R
1が窒素原子を介して結合するとき、mは、1、2、3、4または5であり、そしてR
1が炭素原子を介して結合するとき、mは、0、1、2、3、4または5であり;
nは、1、2または3であり;
qは、0、1または2であり;
sは、1,2または3であり;および
yは、0、1または2である。
【0129】
本発明の2−メチルピロリジンの調製方法を用いて調製されうる上記のような化合物の特定の例としては:
2−メチル−6−{4−[(R)−2−メチル−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{3,5−ジフルオロ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{3−クロロ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−メチル−2H−ピリダジン−3−オン;
2,6−ジメチル−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−メチル−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
2−メチル−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
2−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
2−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−5−{4−[3−((R)−2−メチルピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−メチル−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
6−メチル−2−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−メチル−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−チオフェン−3−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{4−[3−((S)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−5−ピリジン−2−イル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−5−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
2−(2−フルオロ−エチル)−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{3−フルオロ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
4−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
4−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
2−メチル−4−{3−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2,5,6,7−テトラヒドロ−シクロペンタ[d]ピリダジン−1−オン;
2−イソプロピル−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
2−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−5−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−イル)−ベンゾニトリル;
2−(2−ヒドロキシエチル)−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[(S)−2−メチル−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{3−メトキシ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−ピリミジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{6−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−ピリジン−3−イル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−4−エン−2−オン;
4−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2,4a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[d]ピリダジン−1−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
4,4−ジメチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{3−フルオロ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
5,5−ジメチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−ピリジン−2−イル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{3,5−ジフルオロ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{3,5−ジブロモ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{3,5−ジフルオロ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
5−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン ラセミ体;
5−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オンジアステレオマー;
5−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オンジアステレオマー;
6−{(R)−2−メチル−4−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
2−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−6−フェニル−2H−ピリダジン−3−オン;
6−メチル−2−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
2−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−フタラジン−1−オン;
2−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−6−ピリジン−3−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
3−メチル−4−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−6H−イソオキサゾロ[3,4−d]ピリダジン−7−オン;
8−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−5,6−ジヒドロ−2H−ベンゾ[h]シンノリン−3−オン;
5−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−エチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
8−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−4,4a,5,6−テトラヒドロ−2H−ベンゾ[h]シンノリン−3−オン;
6−{2−メトキシ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{2−フルオロ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン;;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4−ピリジン−2−イル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
8−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−5,6−ジヒドロ−3H−ベンゾ[f]シンノリン−2−オン;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
2−メトキシメチル−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{4−[(S)−2−メチル−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{4−[(R)−2−メチル−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{3,5−ジブロモ−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
2−メトキシメチル−5−{2−メチル−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{2−メチル−4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
4−メトキシ−2−メトキシメチル−5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−メトキシ−2−メトキシメチル−4−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−メトキシ−4−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[3−((S)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−4−エン−2−オン;
5−{4−[(S)−2−メチル−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−4−エン−2−オン;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−4−エン−2−オン単一異性体;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−4−エン−2−オン単一異性体;
6−{4−[2−ヒドロキシ−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[(S)−2−ヒドロキシ−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[(R)−2−ヒドロキシ−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
および
6−シクロプロピル−2−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物もしくは薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
【0130】
これらのうち好ましいのは、以下:
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン;
6−{4−[(S)−2−メチル−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
4,4−ジメチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−4−エン−2−オン;
5−{4−[(S)−2−メチル−3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−4−エン−2−オン;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−4−エン−2−オン;
5−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3,4−ジアザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−4−エン−2−オン;
5−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オンの1つのジアステレオマー;
5−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オンの1つのジアステレオマー;
5−メチル−6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン;および
6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン;
またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物もしくは薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される化合物である。
【0131】
前述のもののうち特に好ましいのは、化合物6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オンまたはその立体異性体、立体異性体の混合物もしくは薬学的に許容可能な塩である。この化合物は、上に記載された方法に従って調製される(R)−2−メチルピロリジンから調製されうる。スキーム3は、6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オンを調製するための例示的な方法を示している。
【0133】
スキーム3によれば、工程1では、CH
3COCH
3中の1−(4−ヒドロキシフェニル)エタノンと3−ブロモ−1−クロロプロパンとの混合物を65℃に一晩加熱する。その混合物を濾過し、アセトンで洗浄し、乾燥するまで濃縮する。その粗生成物をCH
2Cl
2に溶解し、飽和NaHCO
3、NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥する。真空下で乾燥するまで濃縮することにより、生成物が得られる。
【0134】
工程1からの生成物とグリオキサル酸一水和物との混合物を100℃の15mLの酢酸中で2時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、その残渣に水を加え、pH8になるまで濃NH
4OH水溶液を加えながら0℃に冷却する。この混合物に、水和ヒドラジンを加え、1時間100℃に加熱する。得られた固体を濾過し、水で洗浄してもよい。その粗材料をCH
2Cl
2/MeOHに溶解し、CH
2Cl
2からCH
2Cl
2中の10%MeOHを用いるカラムクロマトグラフィで精製してもよい。
【0135】
アセトニトリル中の、工程2からの生成物と、K
2CO
3と、100mgのNaIと、R−2−メチルピロリジン塩酸塩との混合物を2日間、80℃に加熱する。次いで、その反応混合物を濾過し、CH
2Cl
2で洗浄し、濃縮する。その残渣をCH
2Cl
2に溶解し、飽和NaHCO
3、飽和NaClで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮する。その残渣を、100%CH
2Cl
2から5%MeOH:2−アミノプロパン中の95%CH
2Cl
2、次いで10%MeOH:2−アミノプロパン中の90%CH
2Cl
2を用いるISCO勾配クロマトグラフィで精製することによって生成物を得てもよい。その生成物の遊離塩基を、MeOHに溶解し、EtOH中の0.5N HClを加えた後、溶媒を蒸発させ、MeOH:Et
2Oから結晶化させることによって、HCl塩に変換してもよい。
【0136】
従って、本発明の1つの実施形態は、式(IV)の化合物:
【0137】
【化31】
特に(R)−または(S)−6−{4−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン、を調製するための方法に関し、
ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−エタノンを1,3−ジハロプロパンと、1−[4−(3−ハロ−プロポキシ)−フェニル]−エタノンを形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程;
(3b)その1−[4−(3−ハロ−プロポキシ)−フェニル]−エタノンをグリオキサル酸と、6−[4−(3−ハロ−プロポキシ)−フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンを生成するのに十分な時間にわたり、それを生成するのに十分な条件下で接触させる工程;および
(3c)その6−[4−(3−ハロ−プロポキシ)−フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンを(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、対応する(R)−または(S)−6−{4−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オンを形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0138】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0140】
【化32】
に、前述の方法に従って調製される(R)または(S)2−メチルピロリジン塩酸塩、K
2CO
3およびCH
3CN中のNaIを提供し、そして生成物を回収することによって、前述の方法を、US2008/0027041A1に記載されている化合物の調製に適用してもよい。
【0141】
本発明のさらなる実施形態は、式(IV)の化合物:
【0142】
【化33】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)その(R)−2−メチルピロリジンまたは(S)−2−メチルピロリジンを式IVの化合物に変換する工程
を包含する。
【0143】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0144】
これらの方法に従って生成されうる例示的な化合物としては、(R)−または(S)−6−{4−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オン:
【0145】
【化34】
が挙げられる。好ましくは、その化合物は、6−{4−[3−((R)−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−2H−ピリダジン−3−オンである。
【0146】
本明細書中に記載される方法に従って調製される(R)または(S)2−メチルピロリジンを用いて調製されうるヒスタミン−3−受容体リガンドのさらなる群は、WO2006/059778に記載されている。これらの化合物は、一般式VIの化合物:
【0147】
【化35】
およびその薬学的な塩を包含し;
ここで、Yは、(R)または(S)2−メチルピロリジンであり;
各R
1は、独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ−低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ−低級アルコキシ基、低級アルコキシ−低級アルキル基もしくはハロ−低級アルコキシ−低級アルキル基を表しており;
pは、0〜4の整数を示し;
R
2は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ−低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ−低級アルコキシ基、低級アルコキシ−低級アルキル基もしくはハロ−低級アルコキシ−低級アルキル基を表しているか、または
R
2は、以下の式の基、
【0148】
【化36】
を表しており、ここで、Aは、式(III−1)または式(III−2)の化合物
【0149】
【化37】
を表しており、ここで、R3は、水素原子、または選択的に低級アルキル基、ハロ−低級アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子もしくはヒドロキシル基で置換されるシクロアルキル基を表しており、そしてR4は、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ−低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ−低級アルコキシ基、低級アルコキシ−低級アルキル基またはハロ−低級アルコキシ−低級アルキル基を表しており;
mは、0または1を示し;nは、0、1または2を示し;そして
X
1〜X
4は、各々独立して、選択的に低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ−低級アルコキシ基またはハロゲン原子で置換される炭素原子を表している。
【0150】
本明細書中に記載される方法に従って調製されうるこの群内の、具体的に開示される化合物としては:
1−メチル−4−{4−[3−((2S)−2−メチル−1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−2(1H)−ピリドン;および
1−メチル−4−{4−[3−((2R)−2−メチル−1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−2(1H)−ピリドン
が挙げられる。
【0151】
そのような化合物は、式(VI)の中間体化合物(ここで、Yは、Clである)を提供し、その化合物を、前述の方法に従って調製される(R)または(S)2−メチルピロリジン、K
2CO
3およびCH
3CN中のNaIと反応させ、そしてその生成物を、US2008/0027041A1の化合物について上に記載したように回収することによって調製されうる。
【0152】
従って、本発明の他の実施形態は、式(VI)の化合物:
【0153】
【化38】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)式VIの化合物(ここで、Yは、Clである)を(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、対応するアミドを形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0154】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0155】
2−メチルピロリジン部分を含むヒスタミン−3−受容体リガンドを記載しているなおも別の出願は、WO2007/105053である。この出願は、以下の式VIIの化合物:
【0156】
【化39】
の調製を記載しており、ここで、
Aは、(R)または(S)2−メチルピロリジンであり;
Z、Y、Q、Xは、独立して、窒素または炭素であり;
R
3は、水素、(C
1−C
8)アルキル、(C
1−C
8)アルコキシ、ハロ、5〜6員のアリール、5〜6員のヘテロアリール、ヒドロキシル、メチレンヒドロキシル、−(C=O)NR
4R
5およびS(O)
p(C
1−C
4)アルキルであり、ここで、pは、1または2であり;
R
4およびR
5は、独立して:
水素;1〜4個のハロゲンで選択的に置換される(C
1−C
8)アルキル;OH、1〜4個の(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
4)ジアルキルアミノ、ハロゲンで選択的に置換され、かつ1〜2個のハロゲンで選択的に置換される(C
6−C
10)アリールオキシで選択的に置換される(C
6−C
10)アリール、および(C
6−C
10)アリール基で選択的に置換され、かつ1〜3個の(C
1−C
4)アルキル基で選択的に置換される5〜10員のヘテロアリール;(C
3−C
7)シクロアルキル;(C
6−C
14)アリール;(C
1−C
3)アルキルで選択的に置換される−(C
2−C
3)アルキル−O−(C
1−C
3)アルキル;−(C
1−C
3)アルキル−C(=O)O−(C
1−C
3)アルキル;1つ以上の(C
1−C
4)アルキルカルボニル基で選択的に置換される3〜8員のヘテロシクロアルキル;1つ以上の(C
1−C
2)アルキルで選択的に置換される(C
6−C
14)アリールスルホニル;5〜10員のヘテロアリール;および(C
6−C
14)アリール−(C
0−C
4)アルキレン−O−(C
0−C
4)アルキル(ここで、各(C
0−C
4)アルキルおよび各(C
0−C
4)アルキレンは、1〜4個の(C
1−C
4)アルキルで選択的に置換される)からなる群から選択される置換基で選択的に置換される(C
1−C
8)アルキル基からなる群から選択されるか;または選択的に、R
4およびR
5は、それらが結合している窒素と一緒になって、4〜6員の複素環式環を形成し、ここで、前記複素環式環中の前記窒素から少なくとも2つの原子によって隔てられている前記複素環式環の炭素のうちの1つは、選択的に、OまたはNR
6で置換され、ここで、R
6は、水素、(C
1−C
3)アルキルまたは−C(=O)(C
1−C
3)アルキルであり;そして、前記複素環式環は、ハロ、(C
1−C
3)アルキルまたはヒドロキシルで選択的に置換され;
R
7は、水素であるか;
または選択的に、R
3およびR
7は、それらが結合するZ、Y、QおよびXを含む環における2つの隣接原子と一緒になって、5または6員の複素環式環を形成し;ここで、前記複素環式環中の前記窒素から少なくとも2つの原子によって隔てられている前記複素環式環の炭素のうちの1つは、選択的に、OまたはNR
8によって置換され;ここで、R
8は、水素または(C
1−C
3)アルキルである。
【0157】
スキーム4は、式VIIの基本構造を有する化合物を調製するための方法を図示しており、ここで、A、R
3、Y、Q、ZおよびXは、上記のとおり定義される。以下のスキーム4を参照すると、化合物(III
−B)は、CH
2Cl
2またはDCEなどの溶媒中において、−5℃〜室温の範囲の温度、好ましくは、ほぼ室温で、式(I
−B)のブロモ−テトラロン化合物を、上に記載した方法に従って調製される(R)または(S)2−メチルピロリジン、およびNaHB(OAc)
3などの適当な還元剤で処理することによって調製され、それにより、所望の式(III
−B)の化合物を得ることができる。この反応に適した他の還元剤としては、MeOHまたはEtOHなどの溶媒中のNaCNBH
3またはNaBH
4が挙げられる。この変換に適した他の条件としては、室温で、4ÅモレキュラーシーブおよびTEAなどの塩基の存在下におけるCH
2Cl
2またはDCE中で、式(I
−B)の対応するテトラロンを、本発明の手順に従って調製される(R)−または(S)−2−メチルピロリジンで処理した後、NaBH
4またはNaHB(OAc)で処理することが挙げられる。
【0158】
次いで、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロライドなどの適当なパラジウム触媒および炭酸ナトリウムなどのアルカリ塩基の適当な水溶液の存在下、およびジメトキシエタンなどの溶媒中、室温〜約100℃の範囲の温度、好ましくは、約90℃において、化合物III
−Bを式(IV
−A)の適切に置換されたボロン酸で処理することにより、式(V
−A)の所望の化合物を得ることができる。この変換に適した他の条件としては、30℃〜110℃の範囲の温度、好ましくは、およそ還流温度において、エタノール/水混合物中で、式(III
−B)の化合物および式(IV
−A)の適切に置換されたボロン酸をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)および炭酸ナトリウムで処理することにより、式(V
−A)の対応する化合物を得ることが挙げられる。
【0160】
従って、本発明の1つの実施形態は、式(VII)の化合物:
【0161】
【化41】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)6−ハロ−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンを(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、対応するアミンを形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程;および
(3b)上記アミドを以下の式のボロン酸
【0162】
【化42】
(ここで、変数は、上に記載したとおりである)と、式VIIの化合物を得るのに十分な時間にわたり、それを得るのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0163】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0164】
スキーム5は、式VIIの基本構造を有する化合物を調製するための代替の方法を図示しており、ここで、R
3は、CONR
4R
5であり、Y、Z、QおよびXは、上記のとおり定義される。スキーム5を参照すると、臭化物(III
−C)と式(VI
−A)の適当なボロン酸試薬との結合をスキーム4において上に記載したように行うことにより、式(VIII)の所望の化合物を生成することができる。式(
VII)の対応するt−ブチルエステル誘導体を室温において塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸で処理することにより、対応するカルボン酸が得られる(示さず)。HOBTおよびEDCIなどの適当なカップリング試薬、ならびにトリエチルアミンなどの第三級アミンの存在下において、上記カルボン酸を式NHR
4R
5のアミンで処理することにより、式(IX)の所望の化合物を生成することができる。
【0166】
あるいは、式(IX)の化合物は、塩化メチレンなどの溶媒中で、上記カルボン酸および適当なアミンを、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリドおよびジイソプロピルエチルアミンなどの適当な塩基で処理することによっても調製されうる。
【0167】
他の実施形態は、式(VII)の化合物:
【0168】
【化44】
を調製するための方法であり、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)1−(6−ハロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−(R)−2−メチル−ピロリジンまたは1−(6−ハロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−(S)−2−メチル−ピロリジンを、以下の式のボロン酸
【0169】
【化45】
(ここで、変数は、上に記載したとおりである)と、以下の式の化合物:
【0170】
【化46】
を得るのに十分な時間にわたり、それを得るのに十分な条件下で接触させる工程;および
以下の式の化合物
【0171】
【化47】
をアミンと、式VIIの化合物を形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0172】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0173】
これらの方法に従って調製されうる化合物の特定の例としては:(S,R)−3−[6−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピリジン;
(R,R)−3−[6−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ピリジン;
(R,R)−3[6−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ベンズアミド;および
(S,R)3−[6−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ベンズアミド
が挙げられる。
【0174】
WO2006/066197に記載されている化合物もまた、本発明の(R)−および(S)2−メチルピロリジンの合成を用いることにより、一層容易に調製されうる。WO2006/066197は、以下の式VIII
−AおよびIX
−Aの化合物:
【0175】
【化48】
ならびにそれらの薬学的な塩、ならびにそれらのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物および薬学的に許容可能な塩、エステルおよびアミドを記載しており;
ここで、
Lは、−O−であり、nは、1または2であるか;またはLは、−C≡C−または−CH
2CH
2−であり、nは、0または1であり;
R
1は、−Hであるか、またはC
1−6アルキルC
3−7シクロアルキル、−COOC
1−6アルキルもしくは−COOベンジルであり、各々選択的に、Raで一置換、二置換または三置換され;
ここで、Raは、−OH、−OC
1−6アルキル、−OC
1−4アルキルまたはハロで選択的に置換されるフェニル、−CN、−NO
2、−N(R
b)R
c、−C(O)N(R
b)R
c、−N(R
b)C(O)R
b、−N(R
b)SO
2C
1−6アルキル、−C(O)C
1−6アルキル、−S(O)
0−2−C
1−6アルキル、−SO
2N(R
b)R
c、−SCF
3、ハロ、−CF
3、−OCF
3、−COOHおよび−COOC
1−6アルキルから選択され;ここで、R
bおよびR
cは、各々独立して、−Hまたは−C
1−6アルキルであり;
R
4は、−OH、−OC
1−6アルキル、−CF
3、−C
1−6アルキルまたはハロであり;2つのR
4置換基は、一緒になって、メチレンまたはエチレンを形成し得;
Mは、0、1または2であり;
R
5は、−C
1−6アルキル、−OH、−OC
1−6アルキル、−SC
1−6アルキルおよびハロからなる群から選択され;
Ar
1は:
a)R
jで選択的に一置換、二置換または三置換され、かつ、フルオロ、−(CH
2)
2−3NH−、−(CH
2)
1−2NH(CH
2)−、−(CH
2)
2−3N(C
1−4アルキル)−または−(CH
2)
1−2N(C
1−4アルキル)(CH
2)−で選択的に一置換または二置換される−OC
1−4アルキレンO−で、隣接炭素上において選択的に二置換される、フェニル;(ここで、R
jは、
1)−OH、−C
1−6アルキル、ハロで選択的に一置換、二置換または三置換される−OC
1−6アルキル、−C
2−6アルケニル、−OC
3−6アルケニル、トリメチルシリルで選択的に置換される−C
2−6アルキニル、−OC
3−6アルキニル、−C
3−6シクロアルキル、−OC
3−6シクロアルキル、−CN、−NO
2、−N(R
k)R
l、−N(R
k)C(O)R
l、−N(R
k)SO
2C
1−6アルキル、−C(O)C
1−6アルキル、−S(O)
0−2−C
1−6アルキル、−C(O)N(R
m)R
n、SO
2N(R
m)R
n、−SCF
3、ハロ、−CF
3、−COOH、−COOC
1−6アルキルおよび−COOC
3−7シクロアルキル;
(ここで、R
kおよびR
lは、各々独立して、−Hまたは−C
1−6アルキルであり;
R
mおよびR
nは、各々独立して、−Hもしくは−C
1−6アルキルであるか、またはR
mおよびR
nは、それらが結合している窒素と一緒になって、>O、>S(O)
0−2、>NHおよび>NC
1−6アルキルから選択される1または2個のヘテロ原子メンバーを有し、0または1個の二重結合を有し、0または1個のカルボニルメンバーを有する、4〜8員の複素環式環を形成する);
2)−G−Ar
2(ここで、Gは、結合、−O−または−S−であり、Ar
2は、フェニルであるか、または5もしくは6個の環原子を有し、>O、>S、>NHまたは>N(C1.4アルキル)で置換される1つの炭素原子を有し、−N=で選択的に置換される最大1個のさらなる炭素原子を有する、単環式の芳香族炭化水素基である(各々、選択的に、R
pで一置換、二置換または三置換され;ここで、R
pは:−OH、−C
1−6アルキル、−OC
1−6アルキル、フェニル、−CN、−NO
2、−N(R
q)R
r−、−C(O)N(R
q)R
r、−N(R
q)C(O)R
r、−N(R
q)SO
2C
1−6アルキル、−C(O)C
1−6アルキル、−S(O)
0−2−C
1−6アルキル、−SO
2N(R
q)R
r、−SCF
3、ハロ、−CF
3、−OCF
3、−OCHF
2、−COOHおよび−COOC
1−6アルキルからなる群から独立して選択される置換基であり;
R
qおよびR
rは、各々独立して、−H、−C
1−6アルキルおよび−C
2−6アルケニルから選択される));および
3)>O、>S(O)
0−2、>NHおよび>NC
1−6アルキルから選択される1または2個のヘテロ原子メンバーを有し、0または1個のカルボニルメンバーを有する、4〜8員の飽和または部分飽和の複素環式環(前記環は、選択的に、R
pで一置換、二置換または三置換される);
からなる群から選択される)、
b)2つの隣接炭素環メンバーにおいて3員の炭化水素部分(この部分は、>O、>S、>NHまたは>N(C
1−4アルキル)で置換される1つの炭素原子を有し、−N=で選択的に置換される最大1個のさらなる炭素原子を有する)と縮合されることにより、縮合5員芳香族環を形成する、フェニルまたはピリジル(その縮合環は、選択的に、R
tで一置換、二置換または三置換され;ここで、R
tは:−OH、−C
1−6アルキル、−OC
1−6アルキル、フェニル、−CN、−NO
2、−N(R
u)R
v、−C(O)N(R
u)R
v、−N(R
u)C(O)R
v、−N(R
u)SO
2C
1−6アルキル、−C(O)C
1−6アルキル.−S(O)
0−2−C
1−6アルキル、−SO
2N(R
u)R
v、−SCF
3、ハロ、−CF
3、−OCF
3、−OCHF
2、−COOHおよび−COOC
1−6アルキルからなる群から独立して選択される置換基であり;
R
uおよびR
vは、各々独立して、−Hまたは−C
1−6アルキルである);
c)2つの隣接環メンバーにおいて、4員の炭化水素部分(この部分は、−N=で置換される1または2個の炭素原子を有する)と縮合されることにより、縮合6員芳香族環を形成する、フェニル(その縮合環は、選択的に、R
tで一置換、二置換または三置換される);
d)選択的にR
tで一置換、二置換または三置換される、ナフチル;
e)5個の環原子を有し、結合点である炭素原子を有し、>O、>S、>NHまたは>N(C
1−4アルキル)で置換される1つの炭素原子を有し、−N=で選択的に置換され、R
jで選択的に一置換または二置換され、そして2つの隣接炭素原子において選択的にベンゾ縮合される(benzofused)かまたはピリド縮合される(pyridofused)、最大1個のさらなる炭素原子を有する、単環式芳香族炭化水素基(ここで、ベンゾ縮合またはピリド縮合される部分は、選択的に、R
tで一置換、二置換または三置換される);および
f)6個の環原子を有し、結合点である炭素原子を有し、−N=で置換され、R
jで選択的に一置換または二置換され、そして2つの隣接炭素原子において選択的にベンゾ縮合されるかまたはピリド縮合される、1または2個の炭素原子を有する、単環式芳香族炭化水素基(ここで、ベンゾ縮合またはピリド縮合される部分は、選択的に、R
jで一置換または二置換される);
からなる群から選択される、アリール環またはヘテロアリール環である。
【0176】
これらの化合物は、例えば、スキーム6に従って、調製されうる。
【0178】
スキーム6を参照すると、式A1、A2およびA5の試薬は、市販されているか、または公知の方法に従って調製される。アセトニトリルなどの溶媒中、適当な塩基(例えば、K
2CO
3、Na
2CO
3またはNaH)を用い、触媒のKIまたはNaIの有りまたは無しにおいて、3−5ヒドロキシベンズアルデヒド誘導体A1をアルコールA2とWilliamsonエーテル合成プロトコルに従って反応させることにより、エーテルA3を形成する。あるいは、A2が、ブロミド置換基の代わりに保護されたヒドロキシルを含む場合、光延条件下で式A3のエーテルを調製してもよい。化合物A3のアルデヒド官能性の還元的アミノ化によって、式A4の化合物がもたらされる。そのアルデヒドを、プロトン酸またはルイス酸などの活性化剤を加えて、または加えずに、そして適切な還元剤(例えば、NaBH
4、NaCNBH
3またはNaHB(OAc)
3)を用いて、適当なR
1含有アミンで処理する。好ましい条件としては、メタノール中のNaBH
4が挙げられる。アミンA4を、アルファ−ハロケトンA5を用いてアルキル化することにより、ケトンA6を形成することは、THFまたはDCMなどの適当な溶媒中、TEAまたはDIPEAなどの第三級アミン塩基の存在下において達成される。テトラヒドロイソキノリンA7を生成するための環化は、DCMなどの溶媒の有りまたは無しにおいて、適当なプロトン酸またはルイス酸(例えば、メタンスルホン酸(MSA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、AlCl
3、TiCl
4またはBF
3*OEt
2)への曝露によって、テトラヒドロイソキノリニウム塩に環化をもたらすことを含む。好ましい条件は、DCM中の、ニート(neat)MSAまたはMSAである。その中間体塩を、酸性メタノール媒質中で、NaCNBH
3などの標準的な還元剤を用いて還元してもよい。あるいは、まず、ケトンA6を、NaBH4を含む公知の方法によって、対応するアルコールに還元してもよい。その中間体アルコールをDCM中のMSAで処理することにより、環状種A7が得られる。最後に、化合物A7における付属の第一アルコール基を、適切な脱離基(例えば、メシレートまたはブロミド)を形成する活性化の後、その脱離基を、本発明に従って調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンで置換することによって、対応するアミンA9に変換してもよい。その置換は、触媒のKIまたはNaIの有りまたは無しにおいて、n−BuOHなどの極性溶媒中、Na
2CO
3などの適当な塩基を用いて行われうる。あるいは、アミンA9は、上記アルコールの酸化および得られるアルデヒドの還元的アミノ化を介して調製してもよい。
【0179】
従って、本発明の1つの実施形態は、式(VIII
−A)および(IX
−A)の化合物:
【0180】
【化50】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)以下の式の化合物
【0181】
【化51】
(ここで、変数は、上に記載したとおりである)を(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、式VIII
−AまたはIX
−Aの化合物を形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0182】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
あるいは、2−メチルピロリジン含有化合物をスキーム7に従って調製してもよい。
【0184】
スキーム7を参照すると、まず、式A3のエーテルを、本発明に従って調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンを用いて、スキームAに記載したように選択的に保護された対応するアミンB1に変換しうる。次いで、スキームAにおけるような還元的アミノ化プロトコルを用いて、ベンズアルデヒドB1をジアミンB2(ここで、Qは、(R)−または(S)−2−メチルピロリジニルである)に変換しうる。ケトンB3を形成するためのアルキル化および式A12の化合物を得るための環化を、スキーム6について示したように行う。
【0185】
本発明の他の実施形態は、式(VIII
−A)および(IX
−A)の化合物を調製するための方
法に関し、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)以下の式の化合物
【0186】
【化53】
(ここで、変数は、上に記載したとおりである)を(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、対応するアミンを形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程;
(3b)そのアミンを式VIII
−AまたはIX
−Aの化合物に変換する工程
を包含する。
【0187】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
本発明の方法を用いて作製されうる例示的な化合物は、4−(4−メトキシ−フェニル)−2−メチル−7−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンである。
【0188】
本発明の方法は、WO06/078775に記載されているような以下の式XおよびXIの化合物:
【0189】
【化54】
およびそれらの薬学的に許容可能な塩の調製においても有用であり、ここで:
nは、2、3、4または5であり、
Rは、R
3−アリール、R
3−ヘテロアリール、R
3−シクロアルキル、R
3−ヘテロシクロアルキル、アルキル、ハロアルキル、−OR
4、−SR
4または−S(O)
1−2R
5であり;
R
1は、Hであり、R
2は、R
6−フェニルもしくは
【0190】
【化55】
であるか;またはR
1は、R
6−フェニルもしくは
【0191】
【化56】
であり、R
2は、Hであるか;またはR
1およびR
2は、独立して、R
6−フェニルおよびからなる群から選択され;そしてXは、−O−または−S−であるか;
またはR
1およびR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
【0192】
【化57】
を形成し;そしてXは、−O−、−S−または−NR
7であり;
R
3は、H、アルキル、ハロ、OH、アルコキシおよび−NR
11R
12からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり、
R
4は、アルキル、アリールアルキルまたはシクロアルキルであり;
R
5は、アルキル、−NR
11R
12、R
3−アリールまたはR
3−アリールアルキルであり;
R
6は、H、アルキル、−CF
3、ハロ、−NO
2、−CN、−C(O)OR
13、−C(O)NR
11R
12、−NR
14R
15、−OR
13およびハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R
7は、H、アルキル、−c(O)OR
13、−C(O)NR
11R
12または−C(O)R
13であり;
R
11およびR
12は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびアリールアルキルからなる群から選択され;
R
13は、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールアルキルであり;
R
14は、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールアルキルであり;そして
R
15は、H、アルキル、シクロアルキル、−C(O)OR
13、−C(O)NR
11R
12または−CO)R
13である;
式XおよびXIの化合物は、以下のスキーム8に従って調製されうる。
【0194】
スキーム8を参照すると、化合物1をアニリン誘導体2と、THFまたはジオキサンなどの適当な溶媒中、好ましくは、ジオキサン中、この反応をもたらすのに十分な温度、好ましくは、50〜150℃において、反応させることにより、化合物3を得る。化合物3のニトロ基を、適当な触媒(例えば、Pd/C、PtO
2、ラネーニッケル)、好ましくは、ラネーニッケルの存在下において、適当な溶媒(例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール)中、好ましくは、メタノールまたはエタノール中で、水素ガスを用いてアミン4に還元する。当業者に周知の他の還元方法も適当である。
【0195】
化合物4の第1級アミンを、DECおよびHOBTなどのカップリング剤の存在下において、適当な溶媒(例えば、エーテル、THFまたはCH
2Cl
2)中、好ましくは、CH
2Cl
2中で、カルボン酸と反応させることによってアシル化することにより、化合物5を得る。あるいは、上記アミンを、塩基の存在下において酸塩化物によってアシル化することができる。酢酸中の化合物5を、環化が起きるのに十分な時間にわたって加熱する。工程5では、保護基がX基上に存在する場合、この時点でそれを除去する。X=O、NまたはSに適した保護基およびそれらを除去するための方法は、GreenのProtecting Groups in Organic Synthesisに見られる。化合物6を、適当な溶媒(例えば、アセトン、THF、エーテルなど)中、好ましくは、アセトン中で、塩基(例えば、Na
2CO
3またはK
2CO
3)、好ましくは、K
2CO
3の存在下、0〜65℃の温度において、α,ω−ジハロアルカンと反応させることにより、化合物7を得る(ここで、Yは、ハロである)。
【0196】
適当な溶媒(例えば、CH
3CN、THF、エーテルなど)中、好ましくは、CH
3CN中の化合物7の溶液を、第三級アミン塩基(例えば、Et
3N、DIPEAなど)、好ましくは、DIPEAで処理した後、本発明に従って調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンで処理する。次いで、この反応物を、0〜100℃の温度で加熱することにより、化合物8を得る。
【0197】
あるいは、以下のスキーム9を続けることができる。
【0199】
スキーム9を参照すると、文献において知られている化合物9をα,ω−ジハロアルカンと、適当な溶媒(例えば、アセトン、THF、エーテルなど)中、好ましくは、アセトン中で、塩基(例えば、Na
2CO
3またはK
2CO
3)、好ましくは、K
2CO
3の存在下、0〜65℃の温度において、反応させることにより、化合物10を得る。適当な溶媒(例えば、CH
3CN、THF、エーテルなど)中、好ましくは、CH
3CN中の化合物10の溶液を第三級アミン塩基(例えば、Et
3N、DIPEAなど)、好ましくは、DIPEAで処理した後、本発明に従って調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンで処理する。次いで、この反応物を、0〜100℃の温度で加熱することにより、化合物11を得る。
【0200】
代替として、その化合物は、以下のスキーム10に従って作製することができる。
【0202】
スキーム10を参照すると、化合物12をα,ω−ジハロアルカンと、適当な溶媒(例えば、アセトン、THF、エーテルなど)中、好ましくは、アセトン中において、塩基(例えば、Na
2CO
3またはK
2CO
3)、好ましくは、K
2CO
3の存在下、0〜65℃の温度において反応させることにより、化合物13を得る(ここで、Yは、ハロである)。適当な溶媒(例えば、CH
3CN、THF、エーテルなど)中、好ましくは、CH
3CN中の化合物13の溶液を、第三級アミン塩基(例えば、Et
3N、DIPEAなど)、好ましくは、DIPEAで処理した後、本発明に従って調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンで処理する。次いで、この反応物を、0〜100℃の温度で加熱することにより、化合物14を得る。化合物14のニトロ基を、適当な触媒(例えば、Pd/C、PtO
2またはラネーニッケル)、好ましくは、ラネーニッケルの存在下、適当な溶媒(例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール)中、好ましくは、メタノールまたはエタノール中においてH
2ガスを用いて、アミン15に還元する。当業者に周知の他の還元方法も適当である。
【0203】
なおもスキーム10を参照すると、化合物15を16と、適当な溶媒(例えば、THFまたはジオキサン)中、好ましくは、ジオキサン中で、この反応をもたらすのに十分な温度、好ましくは、50〜150℃において、反応させることにより、化合物17を得る。化合物17のニトロ基をアミンに還元し、続いて化合物18に還元する。適当な溶媒(例えば、THF、エーテルなど)中のアミン18を、0〜100℃の温度、好ましくは、25〜75℃において、チオカルボニルジイミダゾール(Q=S)または1,1’−カルボニルジイミダゾール(Q=O)のいずれかで処理することにより、化合物19を得る。
【0204】
適当な溶媒(例えば、DMSO、DMFなど)中の19の溶液を、0〜100℃、好ましくは、25〜75℃の温度において、K
2CO
3などの塩基およびアルキル化剤R
4L(ここで、Lは、Cl、BrもしくはIであるか、またはメシレートもしくはスルホネートである)で処理することにより、20を得る。
【0205】
従って、本発明の1つの実施形態は、式(X)および(XI)の化合物:
【0206】
【化61】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)その(R)−または(S)−2−メチルピロリジンを式
Xまたは
XIの化合物に変換する工程
を包含する。
【0207】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0208】
WO2007/099423に記載されている以下の式XIIおよびXIIIの化合物の化合物:
【0209】
【化62】
またはそれらの薬学的に許容可能な塩もまた、本発明の方法に受け入れられ、ここで、
R
3は、最大3個のフッ素原子で選択的に置換される、(C
1−6)−アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
R
4は、水素、ハロゲン、(C
1−6)−アルキルまたは(C
3−7)−シクロアルキル、(C
1−6)−アルコキシルまたは(C
3−7)−シクロアルコキシル(選択的に、最大3個のフッ素原子で置換される)、アリール、ヘテロアリールであり;
R
5は、(CR
6R
9)
m−(CR
10R
11)
p−Bであり、ここで、R
6、R
9、R
10およびR
11は、それらが結合している炭素と一緒になって、3〜10員の単環式または二環式の環系を形成し;
Bは、N、O、Sから選択される最大3個のヘテロ原子を含む4〜7員のヘテロシクロアルキル(例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジンまたは1−4ジアゼピン)またはNR
12R
13であり;
R
8、R
9、R
10、R
11、R
12およびR
13は、独立して、水素、C
1−6アルキル、(C
1−6アルキル)−アリール、(C
1−6アルキル)−ヘテロアリールから選択されるか;または
R
12およびR
13は、それらが結合している窒素と一緒になって、3〜10員の単環式または二環式の環系(例えば、アゼピン、ピペリジン、ピロリジンまたはモルホリン)を形成するが、ただし、NR
12R
l3は、NH
2ではなく;
mは、0、1、2、3または4であり;
nは、0、1、2または3であり;そして
pは、0〜3である。
【0210】
これらの化合物は、以下のスキーム11に示される一般的な手順によって調製されうる。
【0212】
スキーム11を参照すると、一般式IIのケトン(ここで、そのヒドロキシル(−OH)基は保護されていない)を、本発明において調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンと反応させることにより、一般式IIIのアミノ−フェノールが生成される。この変換は、当業者にとって利用可能な方法および手順の1つ以上を用いて達成されうる。例えば、クロロホルムまたはジクロロメタンのような不活性な非プロトン性溶媒中、四塩化チタン(TiCl
4)またはチタンイソプロポキシドのようなルイス酸試薬の存在下において、式IIのケトンと2−メチルピロリジンとを併せることにより、水の除去を介して中間体イミンが生成されうる。あるいは、トルエンのような溶媒中、触媒量のパラ−トルエンスルホン酸の存在下においてIIおよび2−メチルピロリジンの溶液を還流すること(ただし、ディーン−スタークトラップまたは活性化モレキュラーシーブを用いることによって水を除去する)を用いることによってもまた、中間体イミンが効率的に生成されうる。次いで、このイミンをインサイチュで、またはその単離後の別個の工程において、アミノ−フェノール中間体IIIに変換しうる。これは、ジクロロメタン、メタノール、THFまたはジオキサンのような反応不活性溶媒中で、例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4)、シアノホウ水素化ナトリウム(NaBH
3CN)、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどのようなホウ素試薬を用いて、C=N二重結合の還元によって達成されうる。あるいは、上記イミンを、触媒水素化条件を用いて、例えば、水素ガス(H
2)およびラネーニッケル(RaNi)、炭素担持パラジウム(Pd/C)のような適当な金属触媒または同様の触媒を使用し、メタノールまたはエタノールのような反応不活性溶媒中、約20℃から使用される溶媒の沸点までの範囲の温度、および水素ガスの約1〜5気圧の範囲の圧力において、還元することができる。この変換に対する他の関連する例は、文献に見られる。
【0213】
なおもスキーム11を参照すると、式IIIの中間体に存在するフェノール性OH基を、経路bにおいて示すような塩基の存在下、および反応不活性溶媒中で、一般式R
5−Aの試薬(ここで、R
5は、先に定義したとおりであり、Aは、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I)、メシレート(すなわち、−OSO
2CH
3または−OMs)またはトシレート(すなわち、−OSO
2C
6H
5または−OTs)を含む脱離基である)を用いたIIIのアルキル化によって、一般式Iのエーテル生成物に変換することができる。適当な塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウム、ナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ブトキシド、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどが挙げられ、炭酸セシウムが、好ましい。適当な溶媒としては、DMF、DMSO、DMA、THFなどが挙げられ、DMSOが好ましい。
【0214】
従って、本発明の1つの実施形態は、式(XII)および(XIII)の化合物:
【0215】
【化64】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)以下の式の化合物
【0216】
【化65】
を(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、対応するアミンフェノールを形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程;および
(3b)そのアミンフェノールをアルコールと、式XIIまたはXIIIの化合物を得るのに十分な時間にわたり、それを得るのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0217】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0218】
一般式XIIおよびXIIIの化合物は、以下のスキーム12に示される経路を介しても調製されうる。
【0220】
スキーム12を参照すると、一般式IIのフェノール性ケトンは、当業者に一般に公知の方法によってエーテルに変換されうる(経路c.)。例えば、フェノールIIを、スキーム1の経路bについて記載したように、塩基の存在下において一般式R
5−Aの試薬と反応させることにより、一般式IVのケトンを生成することができる。あるいは、一般式VIIのケトン(ここで、L
1は、適当な脱離基(すなわち、F、−OMsなど)である)を適当な塩基の存在下、不活性な溶媒中で一般式R
5−OHの試薬と反応させることにより、一般式IVの中間体を生成してもよい(経路e.)。次いで、そのように得たケトンIVを、スキーム11において先に記載したような還元的アミノ化条件を用いて、一般式Iの所望の生成物に変換しうる(経路d.)。いくつかの状況では、はじめに、メタノールのような溶媒中で、NaBH
4などの還元剤を用いることによって、中間体ケトンIVを一般式Vの対応するベンジリックアルコールに変換し(経路f.)、次いで、ベンジリックアルコールVを活性化する(経路g.)ことにより、式VIの中間体(ここで、L
2は、脱離基(例えば、OMs、OTs、Cl)である)を生成し、そして最後に、その脱離基wを、前述の工程(a)〜(e)に従って(随意の工程(f)〜(h)有りまたは無しで)調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンで置換し、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と反応させることにより(R)−2−メチルピロリジンを得るか、または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と反応させることにより、(S)−2−メチルピロリジンを得る(経路h.)こともまた有益でありうる。
【0221】
従って、本発明の他の実施形態は、式(XII)および(XIII)の化合物:
【0222】
【化67】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)以下の式の化合物
【0223】
【化68】
を式R
5−LGの化合物(ここで、LGは、脱離基である)と、以下の式の化合物
【0224】
【化69】
を形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程;および
(3b)以下の式の化合物
【0225】
【化70】
を(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、式XIIまたはXIIIの化合物を形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0226】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
本発明の方法を用いて調製されうる例示的な化合物は、1−{3−[1−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−インダン−5−イルオキシ]−プロピル}アゼパンである。
【0227】
本発明の方法は、WO2007/094962に記載されている化合物などの化合物、例えば、式XIVおよびXVの化合物
【0228】
【化71】
ならびにそれらの薬学的に許容可能な塩を調製するためにも適しており、ここで、
Xは、OまたはNR
7であり;
yは、0、1または2であり;
R
3は、ハロゲン、(C
1−8)アルキル、(C
1−8)アルコキシル、(C
3−7)シクロアルキル、(C
3−7)シクロアルキル−(C
1−6)アルキル、O、Sから選択される1〜3個のヘテロ原子を含むヘテロシクロアルキルおよび(C
1−5)アルキル−O−(C
1−5)アルキルから選択される群の0〜2個であり;
R
4およびR
6は、独立して、(C
1−8)アルキル、(C
1−8)アルコキシ、(C
3−7)シクロアルキル、(C
3−7)シクロアルキル−(C
1−6)アルキル、O、S、Nから選択される1〜3個のヘテロ原子を含むヘテロシクロアルキル、(C
1−5)アルキル−O−(C
1−5)アルキル、アミド、(C
1−5)アルキル−アリールおよびCF
3から選択され;
R
5は、水素、(C
1−8)アルキル、アリール、(C
1−5)アルキル−O−(C
1−5)アルキルおよび(C
1−5)アルキル−アリールからなる群から選択されるか、
または
R
5およびR
4およびそれらが結合している原子は、5〜6員の縮合飽和炭素環または10員の縮合二環式環系、例えば、
【0229】
【化72】
を形成するか、
または
R
5およびR
6およびそれらが結合している原子は、5〜6員の縮合飽和炭素環または10員の縮合二環式環系、例えば、
【0230】
【化73】
を形成するか、
または
R
5およびR
4およびそれらが結合している原子は、6員の芳香族環が縮合している5〜6員の縮合飽和炭素環、例えば、
【0231】
【化74】
を形成するか、
または
R
5およびR
6およびそれらが結合している原子は、6員の芳香族環が縮合している5〜6員の縮合飽和炭素環、例えば、
【0232】
【化75】
を形成するか、
または
R
5およびR
6およびそれらが結合している原子は、縮合ベンゾチオフェン環系または縮合ベンゾフラン環系、例えば、
【0233】
【化76】
を形成し、ここで、Xは、NR
7であり、R
7およびR
2は、一緒になって、−(CH
2CH
2)−であり、2つの窒素を含有する環を形成する(ここで、yは、0である(ピペラジン)か、またはyは、1であり(ホモピペラジン)、R
1は、先に定義したとおりである)。
【0234】
2−メチルピロリジン基を有する上記の化合物は、以下のスキームに従って調製されうる。本発明に従って調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンを、当該分野で公知の条件下で、1,3−ジクロロプロパンと反応させることにより、(R)−または(S)−1−(3−クロロ−プロピル)−2−メチル−ピロリジンを生成することができ、それは、以下のスキームにおけるように使用されうる。
【0242】
従って、本発明の他の実施形態は、式(XIV)および(XV)の化合物:
【化84】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)(R)−または(S)−2−メチルピロリジンを1−(3−ハロ−プロピル)−(R)−2−メチル−ピロリジンまたは1−(3−ハロ−プロピル)−(S)−2−メチル−ピロリジンに変換する工程;および
(3b)1−(3−ハロ−プロピル)−(R)−2−メチル−ピロリジンまたは1−(3−ハロ−プロピル)−(S)−2−メチル−ピロリジンを式XIIまたはXIIIの化合物に変換する工程
を包含する。
【0243】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0244】
本発明の方法に従って調製されうる例示的な化合物としては:
3−メチル−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾール;
5−メチル−2−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−2H−ピラゾール−3−カルボン酸シクロヘキシルアミド;
1−{4−[3−(2−(R)−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−5−フェニル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール;
3−メチル−1−{4−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル)}−1H−ベンゾ[4,5]チエノ[3,2−c]ピラゾール;および
3−{4−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−1−トリフルオロメチル−3H−8−オキサ−2,3−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン
が挙げられる。
【0245】
本明細書中に示されるような2−メチルピロリジンを調製する方法から恩恵を受けうるさらなる化合物としては、WO2007/048595に記載されている式XVIおよびXVIIの化合物:
【0246】
【化85】
ならびにそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられ;
ここで、A
1は、CH、C−ハロゲンまたはであり;
A
2は、酸素または硫黄であり;
R
2aは、水素、アリール、C
1−6アルコキシ、アミノ、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、ヘテロアリール、C
3−8シクロアルキル、3〜8員のヘテロシクロアルキル、アシル、C
1−6−アルキルアリール、C
1−6−アルキル、ヘテロアリール、C
1−6−アルキルシクロアルキル、C
1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1−6−アルキルカルボキシ、C
1−6−アルキルアシル、C
1−6−アルキルアルコキシ、C
1−6−アルキルアルコキシカルボニル、C
1−6−アルキルアミノカルボニル、C
1−6−アルキルアシルアミノ、アシルアミノ、C
1−6−アルキルウレイド、C
1−6−アルキルカルバメート、C
1−6−アルキルアミノ、C
3−8−シクロアルキルアミノ、ヒドロキシ、C
1−6アルキルヒドロキシ、ハロゲンまたはシアノであり;
R
2bは、水素、ハロゲン、C
1−8−アルキルまたはC
3−8シクロアルキルであるか;
またはR
2aおよびR
2bは、一緒に連結して、C
3−8シクロアルキル、3〜8員のヘテロシクロアルキルまたはオキソ基を形成し;
R
3は、水素、ハロゲン、C
1−4アルキルまたはC
1−4アルコキシであり;
R
4は、水素、ハロゲン、C
1−4アルキルまたはC
1−4アルコキシであり;
L
1は、−(O)
v−(CR
9aR
9b)
m−(CH
2)
zであり;
R
9aは、水素または非置換C
1−8アルキルであり;
R
9bは、C
1−6−アルキルアリールまたは非置換C
1−8アルキルであり;
nは、0、1または2に等しい整数であり;
tは、2、3または4に等しい整数であり;
wは、2、3または4に等しい整数であり;
vは、0または1に等しい整数であり;
mは、0または1に等しい整数であり;および
zは、0、1、2または3に等しい整数である。
【0247】
WO2006/103045(その全体がすべての目的で本明細書中に援用される)に記載されている化合物などの同様の化合物もまた、本発明の方法に従って調製されうる。
【0248】
上に記載した化合物は、スキーム20に従って調製されうる。
【0249】
【化86】
ここで、R
3は、H、FまたはClであり、Y
1は、IまたはBrである。
【0250】
これらの反応は、溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはトルエン)中、塩基(例えば、リン酸カリウムまたはtert−ブチル酸ナトリウム)の存在下、25℃〜120℃の範囲の温度、不活性雰囲気下(アルゴンまたは窒素)において、1,2−ジアミン(例えば、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン)などのリガンド、ホスフィン(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンまたは2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル)またはアミノ酸(例えば、グリシン)と関連する触媒(例えば、ヨウ化銅または酢酸パラジウム)を用いて行われうる。あるいは、この反応は、Klapars A.et al.J.Am.Chem.Soc.2002,124,7421に記載されている方法に従って行われうる。
【0251】
スキーム20に示される式IaおよびIbの化合物は、本発明の方法に従って調製される(R)または(S)−2−メチルピロリジンを用いて、スキーム21に従って調製されうる。
【0253】
これらの反応は、溶媒としてアセトニトリルまたはアセトン中、トリエチルアミンまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下において行われうるか、または当業者に公知の任意の従来の方法に従って行われうる。
【0254】
従って、本発明の1つの実施形態は、式(XVI)および(XVII)の化合物:
【0255】
【化88】
を調製するための方法に関し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)以下の式の化合物
【0257】
【化90】
である)を(R)−または(S)−2−メチルピロリジンのいずれかと、式XVIの化合物を形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0258】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0259】
あるいは、以下のスキーム22が実行され得、ここで、2−メチルピロリジンアルコキシを、前述の工程(a)〜(e)に従って(随意の工程(f)〜(h)有りまたは無しで)調製された(R)−または(S)−2−メチルピロリジンから調製し、そして(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と反応させることにより、(R)−2−メチルピロリジンが得られるか、または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と反応させることにより、(S)−2−メチルピロリジンが得られ、次いで、それをハロ−アルコキシなどの試薬と反応させる。
【0261】
スキーム22に示される反応は、Penning et al.J.Med.Chem.2000,43,721に記載されている方法に従って、塩基(例えば、tert−ブチル酸カリウム、炭酸セシウムまたは水素化ナトリウム)の存在下、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、パラジウムまたは銅ベースの触媒の存在下において、行われうる。
【0262】
従って、本発明の他の実施形態は、式(XVI)および(XVII)の化合物:
【0263】
【化92】
を調製するための方法を包含し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)(R)−または(S)−2−メチルピロリジンを対応する2−メチルピロリジニルアルキル−OHに変換する工程;
(3a)以下の式の化合物:
【0265】
【化94】
である)を(R)−または(S)−2−メチルピロリジニルアルキル−OHのいずれかと、式XVIの化合物を形成するのに十分な時間にわたり、それを形成するのに十分な条件下で接触させる工程
を包含する。
【0266】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0267】
本発明の方法に従って調製されうる例示的な化合物としては:
1−[3−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)プロピルピペリジン;
2−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]−2−アザスピロ[5.5]ウンデカン;
4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール;
1−イソプロピル−4−[3−(4−{4−[(2−メチルピペリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)プロピル]ピペラジン;
4−メチル−1−[3−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)プロピル]ピペリジン;
2−メチル−1−[3−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)プロピルイピペリジン;
4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−2−(4−{3−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル)ピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−オキサゾール;
1−シクロペンチル−4−[3−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3オキサゾール−2−イル}フェノキシ)プロピルイピペラジン;
N,N−ジメチル−1−[4−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)ブチル]ピロリジン−3−アミン;
1−[2−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)エチル]−4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペラジン;
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]−[3−4−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル)−1,3−オキサゾール;
1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル]−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]−N−フェニルアミン;
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]−[3−4−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−1,3−オキサゾール;
4−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール;
1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール;
1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
1−[3−(4−[4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル)フェノキシ)プロピル)アゼパン;
1−(3−{4−[4−メチル−5−(ピペリジン−1−イル)メチル)−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノキシ}プロピル)ピペリジン;
(2R)−4−メチル−2−{[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]アミノ}ペンタン−1−オール;
N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]シクロペンタンアミン;
1−[4−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)ブチル]アゼパン;
1−[2−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル}−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)エチル]アゼパン;
N−(1,3−ジメチルブチル)−N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロアリン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]アミン;
N−(シクロプロピルメチル)−N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]−N−プロピルアミン;
1−[(2−{4−[2−(2−メチルピロリジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
2−メチル−1−[4−(4−{4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾール−2−イル}フェノキシ)ブチル]ピペリジン;
7,8−ジメチル−1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−1−アザスピロ[4.4]ノナン;
N−(2−フリルメチル)−N−メチル−N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]アミン;N−(sec−ブチル)−N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−N−プロピルアミン;
1−[(2−[4−(3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イルアセチル]ピペリジン;
1−[2−(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)エチル]ピペリジン;
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール;
4−ベンジル−1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
1−シクロペンチル−4−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチルピペラジン;
4−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)カルボニル]モルホリン;
1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)カルボニル]ピペリジン;
1−シクロペンチル−4−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)カルボニル]ピペラジン;
4−[(2−メチルピロリジン−1−イル)メチル]−2−(4−{3−[(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−オキサゾール;
1−[(2−{3−フルオロ−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
1−[(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]ピペリジン;
N−(シクロプロピルメチル)−4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]−[3−N−プロピル−1,3−オキサゾール−5−カルボキサミド;
N−シクロペンチル−4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−5−カルボキサミド;
4−[(ベンジルアミノ)メチル]−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−5−カルボキシレート;
4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート;
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]−[3−4−(ピペリジン−1−イルメチル)−1,3−オキサゾール−5−カルボン酸;
N−(シクロプロピルメチル)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]−フェニル}−N−プロピル−1,3−オキサゾール−4−カルボキサミド;
N−シクロペンチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−カルボキサミド;
N−(4−フルオロベンジル)−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−5−カルボキサミド;
1−シクロペンチル−4−[4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル)−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル]ピペラジン;
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]−[3−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−オキサゾール;
4−{(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−5−イル)カルボニル}モルホリン;
4−{[4−メチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−オキサゾール−5−イル]カルボニル}モルホリン;
4−{[4−メチル−2−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−オキサゾール−5−イル]カルボニル}モルホリン;
1−シクロペンチル−4−[(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル)−1,3−オキサゾール−5−イル)メチル]ピペラジン;
N−(シクロプロピルメチル)−N−[(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−5−イル)メチル]−N−プロピルアミン;
N−ベンジル−N−[(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシイフェニル−1,3−オキサゾール5−イル)メチル]アミン;
1−[(2−{3−メトキシ−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
N−(4−クロロベンジル)−N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]アミン;
N−{(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−5−イル)メチル]シクロペンタンアミン;
1−[(5−ブロモ−2−14−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
1−{[2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル−メチル}ピペリジン;
1−{[2−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]−メチル]ピペリジン;
4−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]モルホリン;
1−[2−(2−{4−[2−(2−メチルピロリジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)エチル]ピペリジン;
1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン−2−オン;
(5S)−1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]−5−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2−{3−クロロ−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
2−{3−ブロモ−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート;
N−(4−フルオロフェニル)−2−(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)アセトアミド;(4aR,8aS)−2−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]デカヒドロイソキノリン;
2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−4−{[(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル]カルボニル}−1,3−オキサゾール;
4−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)アセチ]モルホリン;
N−シクロペンチル−2−(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)アセトアミド;
N−(シクロプロピルメチル)−2−(2−(4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)−N−プロピルアセトアミド;
1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)−アセチル]アゼパン;
(5S)−1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]−5−(モルホリン−4−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
2−メチル−N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]−2H−テトラゾール−5−アミン;
N−(3−メトキシフェニル)−N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]アミン;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール4−イル)メチル]アミン;
N−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチルピリジン−3−アミン;
4−[(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−5−イル)メチル]モルホリン;
4−({(2S)−1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピロリジン−2−イル}メチル)モルホリン;
1−[(2−{2−フルオロ−4−{3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
4,4−ジフルオロ−1−[(2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
4−[(4−メチル−2−{6−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]ピリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)カルボニル}モルホリン;
1−(2−{3,5−ジフルオロ−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;
4,4−ジフルオロ−1−{(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール−5−イル)カルボニル]ピペリジン;
4,4−ジフルオロ−1−{{4−メチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−チアゾール−5−イルイカルボニル]ピペリジン;
4,4−ジフルオロ−1−{[4−メチル−2−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ]フェニル)−1,3−チアゾール−5−イル}カルボニル)ピペリジン;
4−[(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール−5−イル)カルボニル]モルホリン;
4−{[4−メチル−2−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−チアゾール−5−イル]カルボニル}モルホリン;
4−{[メチル−2−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1,3−チアゾール−5−イル]カルボニル}モルホリン;
1−[(2−{2−メチル−4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−オキサゾール−4−イル)メチル]ピペリジン;および
1−[(4−メチル−2−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]ピロリジン−2−オン
が挙げられる。
【0268】
WO2008/005338に記載されているような式XVIIIおよびXIXの化合物:
【0269】
【化95】
およびそれらの薬学的に許容可能な塩もまた、本発明の方法を用いて一層容易に調製され得;
ここで、
R
1およびR
2は、各々独立して、H、C
1−6アシル、C
1−8アルキル、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニル、C
3−7シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C
1−4−アルキレニル、アリールオキシ−C
1−4−アルキレニル、ヘテロアリール−C
1−4−アルキレニルおよびヘテロアリールオキシ−C
1−4−アルキレニルからなる群から選択され、R
1およびR
2の各々は、C
1−6アシル、C
1−6アシルオキシ、C
2−8アルケニル、C
1−6アルコキシ、C
1−8アルキル、C
1−8アルキルカルボキサミド、C
2−8アルキニル、C
1−8アルキルスルホンアミド、C
1−8アルキルスルフィニル、C
1−8アルキルスルホニル、C
1−8アルキルチオ、C
1−8アルキルウレイル、アミノ、アリール、C
1−8アルキルアミノ、C
2−8ジアルキルアミノ、カルボ−C
1−6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C
3−7シクロアルキル、C
2−8ジアルキルカルボキサミド、C
2−8ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ハロアルキルスルフィニル、C
1−6ハロアルキルスルホニル、C
1−6ハロアルキルチオ、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、チオール、ニトロおよびスルホンアミドからなる群から独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基で選択的に置換され;ここで、各C
1−8アルキルは、ヒドロキシルでさらに置換され得;ヒドロキシでさらに置換され得;
Jは、−CH
2CH
2−または1,2−C
3−7−シクロアルキレニル基であり、その各々が、選択的に、C
1−3アルキル、C
1−4アルコキシ、カルボキシ、シアノ、C
1−3ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシルおよびオキソからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基で置換され;
R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
10、R
11およびR
12は、各々独立して、H、C
1−6アシル、C
1−6アシルオキシ、C
2−8アルケニル、C
1−6アルコキシ、C
1−8アルキル、C
1−8アルキルカルボキサミド、C
2−8アルキニル、C
1−8アルキルスルホンアミド、C
1−8アルキルスルフィニル、C
1−8アルキルスルホニル、C
18アルキルチオ、C
1−8アルキルウレイル、アミノ、C
1−8アルキルアミノ、C
2−8ジアルキルアミノ、カルボ−C
1−6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C
3−7シクロアルキル、C2−8ジアルキルカルボキサミド、C
2−8ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ハロアルキルスルフィニル、C
1−6ハロアルキルスルホニル、C
1−6ハロアルキルチオ、ヒドロキシル、チオール、ニトロおよびスルホンアミドからなる群から選択され;
そして
R
8およびR
9は、各々独立して、H、C
1−8アルキル、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニル、C
3−7シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C
1−4−アルキレニル、アリールオキシ−C
1−4アルキレニル、ヘテロアリール−C
1−4−アルキレニルおよびヘテロアリールオキシ−C
1−4−アルキレニルからなる群から選択され、R
8およびR
9の各々は、選択的に、C
1−6アシル、C
1−6アシルオキシ、C
2−8アルケニル、C
1−6アルコキシ、C
1−8アルキル、C
1−8アルキルカルボキサミド、C
2−8アルキニル、C
1−8アルキルスルホンアミド、C
1−8アルキルスルフィニル、C
1−8アルキルスルホニル、C
1−8アルキルチオ、C
1−8アルキルウレイル、アミノ、C
1−8アルキルアミノ、C
2−8ジアルキルアミノ、カルボ−C
1−6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C
3−7シクロアルキル、C
2−8ジアルキルカルボキサミド、C
2−8ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C
1−6ハロアルコキシ、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ハロアルキルスルフィニル、C
1−6ハロアルキルスルホニル、C
1−6ハロアルキルチオ、ヒドロキシル、チオール、ニトロおよびスルホンアミドからなる群から独立して選択される1、2、3,4または5個の置換基で置換される;
(R)および(S)2−メチルピロリジンを調製する本発明の方法を用いることにより、上で述べた化合物を一層容易に調製することができる。(R)−または(S)−2−メチルピロリジンは、本発明に従い、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と反応させることにより(R)−2−メチルピロリジンを得るか、または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と反応させることにより(S)−2−メチルピロリジンを得ることにより、調製され得る。以下のスキームは、そのように調製された2−メチルピロリジンの使用を示している。
【0271】
ここで、LG
1、LG
2、XおよびYは、各々独立して、脱離基、例えば、ハロゲン、トリフレートなどであり、R
15は、C
1−8アルキルである。
【0273】
ここで、LG
1、LG
2、XおよびYは、各々独立して、脱離基、例えば、ハロゲン、トリフレートなどであり、R
15は、C
1−8アルキルである。
【0275】
ここで、Xは、脱離基、例えば、ハロゲン、トリフレートなどである。
【0277】
ここで、Xは、脱離基、例えば、ハロゲン、トリフレートなどである。
【0279】
ここで、LG
3は、脱離基(例えば、スルホネート、トリフレート、ハロゲンなど)であり、Zは、ハロゲンである。
【0281】
ここで、LG
3は、脱離基(例えば、スルホネート、トリフレート、ハロゲンなど)であり、Zは、ハロゲンである。
【0282】
従って、本発明の他の実施形態は、式(XVIII)および(XIX)の化合物:
【0283】
【化102】
を調製するための方法を包含し、ここで、変数は上で示したとおりであり、その方法は:
(1a)アルコール溶媒および水素化触媒を含む混合物中において2−メチルピロリンを水素化する工程;
(1b)選択的に、その混合物から水素化触媒を除去する工程;
(1c)L−酒石酸またはD−酒石酸をその混合物に溶解することにより、溶液を形成する工程;
(1d)その溶液から(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を結晶化させる工程;
(1e)その結晶性(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(2a)その(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(R)−2−メチルピロリジン遊離塩基を形成する工程、またはその(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を塩基と接触させることにより(S)−2−メチルピロリジンを形成する工程;
(3a)(R)−または(S)−2−メチルピロリジンを式XVIIIまたはXIXの化合物に変換する工程
を包含する。
【0284】
この方法は、選択的に、以下の工程:
(1f)単離された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を再結晶化させる工程;
(1g)再結晶化された(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩または(S)−2−メチルピロリジンD−酒石酸塩を単離する工程;および
(1h)選択的に、工程(
1f)および(
1g)を繰り返す工程
をさらに包含しうる。
【0285】
本発明の方法に従って生成されうる例示的な化合物としては:
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)−アミド;
2−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(ピリジン−2−イルメチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸4−メチル−ベンジルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−エトキシ−エチル)−アミド;
4−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−チオモルホリン1,1−ジオキシド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−イソプロポキシ−エチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]ビフェニル−4−スルホン酸(2−フェノキシ−エチル)−アミド;
4’−[2−(2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸4−メトキシ−ベンジルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸シクロヘキシルアミド;
2−メチル−1−{2−[4’−(ピロリジン−1−スルホニル)−ビフェニル−4−イル]−エチル}−ピロリジン;
2−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸ベンジル−エチル−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸4−トリフルオロメチル−ベンジルアミド;
1−{2−[4’−(アゼチジン−1−スルホニル)−ビフェニル−4−イル]−エチル}−2−メチル−ピロリジン;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸シクロブチルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸tert−ブチルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸プロピルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸イソプロピルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸メチルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−メトキシ−エチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(4−フルオロ−フェニル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸4−フルオロ−ベンジルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸4−クロロ−ベンジルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸ジエチルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(1−プロピル−ブチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸シクロヘキシルメチル−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸ベンジルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸フェニルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸シクロプロピルメチル−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸シクロペンチルアミド;
4−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−モルホリン;
1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸シクロプロピルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸エチルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチリ−ビフェニル−4−スルホン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド;
1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピロリジン−3−オール;
(1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−3−イル)−メタノール;
1−{2−[4’−(アジリジン−1−スルホニル)−ビフェニル−4−イル]−エチル}−2−メチル−ピロリジン;
2−(メトキシメチル)−1−(4’−(2−(2−メチルピロリジン−1−3,1)エチル)ビフェニル−4−イルスルホニル)ピロリジン;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミド;
1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−3−オール;
プロピオン酸1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−イルエステル;
4’−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ビフェニル−4−スルホン酸エチルアミド;
(1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピロリジン−2−イル)−メタノール;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸ベンジル−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸3,5−ジクロロ−ベンジルアミド;
4’−{2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸アセチル−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸3,4−ジクロロ−ベンジルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−アミド;
プロピオン酸2−(1−(4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−イル)−エチルエステル;
1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−カルボン酸ベンジルエステル;
酢酸2−(アセチル−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−アミノ)−エチルエステル;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミド;
プロピオン酸1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−イルメチルエステル;
プロピオン酸2−(メチル−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−アミノ)−エチルエステル;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−メトキシエチル)−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸ベンズヒドリルアミド;
2−メチル−7−{4−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル)−フェニル}−3,4−ジヒドロ−2Hベンゾ[b][1,4,5]オキサチアゼピン1,1−ジオキシド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチル)−アミド;
プロピオン酸1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピロリジン−2−イルメチルエステル;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸イソブチル−(2−メトキシ−エチル)−アミド;
7−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4,5]オキサチアゼピン1,1−ジオキシド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル]−スルホン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸イソプロピル−(2−メトキシ−エチル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(2−ヒドロキシエチル)−イソプロピル−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(3−フェニルプロピル)−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸[2−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−エチル]−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−アミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸ベンジル−(2−メトキシ−エチル)−アミド;
3−メトキシメチル−1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸フェネチルアミド;
(1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−イル)−メタノール;
1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル;
4−(2−エトキシ−エチル)−1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン;
1−(4−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オン;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル)−ビフェニル−4−スルホン酸(ピリジン−4−イルメチル)−アミド;
3−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニルアミノール−プロピオン酸メチルエステル;
4−エトキシメチル−1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン;
(1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチリ−ビフェニル−4−スルホニル)−ピペリジン−3−イル)−メタノール;
3−メトキシ−1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(ピリジン−3−イルメチル)−アミド;
2−(1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−イル)−エタノール;
2−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニルアミノ}−プロピオン酸メチルエステル;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチル)−アミド;
(1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−2−イル)−メタノール;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸4−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミド;
4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホン酸ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミド;
{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニルアミノ)−酢酸メチルエステル;
2−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニルアミノ}−プロピオン酸イソプロピルエステル;
1−{4’−{2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
6,7−ジメトキシ−2−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン;
4−メトキシ−1−{"2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチリ−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン;
4−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル)−ピペラジン−2−オン;
{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチリ−ビフェニル−4−スルホニルアミノ}−酢酸イソプロピルエステル;
1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル−ピロリジン−2−カルボン酸メチルアミド;
3,5−ジメチル−4−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル)−モルホリン;
プロピオン酸1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル−ピロリジン−3−イルエステル;
1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル)−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−オール;.
プロピオン酸2−メチル−2−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニルアミノ}−プロピルエステル;
2−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニルアミノ)−プロピオン酸tert−ブチルエステル;
1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン−4−カルボン酸;
{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニルアミノ}−酢酸tert−ブチルエステル;
4−ヒドロキシ−1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル;
4−(2−メトキシ−エチル)−1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン;および
4−メトキシメチル−1−{4’−[2−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ビフェニル−4−スルホニル}−ピペリジン
が挙げられる。
【0286】
実施例
方法およびプロトコル
ガスクロマトグラフィ(GC)による(R)−2−メチルピロリジンのキラル純度の測定
【表1】
【実施例1】
【0287】
5%Pt−Cを用いた(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩の合成
5%Pt−C(250mg,触媒)と、無水エタノール(62mL)と、メタノール(26mL)との混合物中、周囲温度で16時間、55psiにおいて、2−メチルピロリン(2.50g,30.12mmol)を水素化した。ガスクロマトグラフィ解析は、出発物質の93.7%が生成物に変換されたことを示した。その混合物をCelite(登録商標)(4g)で濾過し、その濾液を、L−酒石酸(3.80g,25.32mmol)とともにスターバーの入った250mLの一首丸底フラスコに入れた。溶液が得られるまで、その混合物を25℃に加熱した。種結晶として、確実な(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩(10.0mg)を加え、その混合物を周囲温度で16時間撹拌した。その混合物を、氷浴を用いて0℃に冷却し、さらに2時間撹拌した。固体を濾過し、次いで、1時間風乾することにより、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩が得られた(3.55g,15.09mmol,50.1%)。キラルガスクロマトグラフィ解析は、55%ee、全体で93%の純度を示した。
【実施例2】
【0288】
酸化Pt(IV)を用いた(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩の合成
酸化白金(IV)(250mg,触媒)と、無水エタノール(62mL)と、メタノール(26mL)との混合物中、周囲温度で5時間、55psiにおいて、2−メチルピロリン(2.50g,30.12mmol)を水素化した。ガスクロマトグラフィ解析は、出発物質の98.3%が生成物に変換されたことを示した。その混合物をCelite(登録商標)(4g)で濾過し、その濾液を、L−酒石酸(3.80g,25.32mmol)とともにスターバーの入った250mLの一首丸底フラスコに入れた。溶液が得られるまで、その混合物を25℃に加熱した。種結晶として、確実な(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩(100.0mg)を加え、その混合物を25℃で8時間撹拌した。その混合物を周囲温度まで冷却し、さらに16時間撹拌した。その混合物を、氷浴を用いて0℃に冷却し、さらに2時間撹拌した。固体を濾過し、メタノール(5mL)で洗浄し、次いで、1時間風乾することにより、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩が得られた(2.85g,12.12mmol,40.3%)。キラルガスクロマトグラフィ解析は、49.2%ee、全体で75%の純度を示した。
【実施例3】
【0289】
(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩の再結晶化
一般的な再結晶手順:実施例1において得られた生成物の一部(2.71g)を、無水エタノール(38mL)およびメタノール(16mL)とともにスターバーの入った100mLの一首丸底フラスコに入れた。その混合物を、60℃に加熱して溶液を形成し、次いで、周囲温度に冷却した。種結晶として、確実な(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩(2.50mg)を加え、その混合物を周囲温度で16時間撹拌し、次いで、0℃(氷浴)でさらに2時間撹拌した。固体を濾過し、29in.Hgの窒素を流しながら1時間、60℃の真空オーブン内で乾燥させることにより、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を得た(1.80g,66.4%回収)。キラルガスクロマトグラフィ解析は、84.9%ee、全体で93%の純度を示した。
【0290】
得られた固体(1.79g)を、25mLの無水エタノールおよび11mLのメタノールを用いて上記の一般的な再結晶化手順に従ってさらに分割することにより、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を得た(1.70g,95.5%回収)。キラルガスクロマトグラフィ解析は、93.4%ee、全体で97%の純度を示した。
【0291】
得られた固体(1.69g)を、24mLの無水エタノールおよび10mLのメタノールを用いて上記の一般的な再結晶化手順に従ってさらに分割することにより、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を得た(1.58g,93.5%回収)。キラルガスクロマトグラフィ解析は、96.7%ee、全体で98%の純度を示した。
【0292】
得られた固体(1.57g)を、シーディングを行わず、得られた結晶を4時間乾燥させることを除いて、22.5mLの無水エタノールおよび9.5mLのメタノールを用いて、上記の一般的な再結晶化手順に従ってさらに分割することにより、(R)−2−メチルピロリジンL−酒石酸塩を得た(1.49g,94.9%回収,6.334mmol,2−メチルピロリンからの全体で21.0%の収率)。キラルガスクロマトグラフィ解析は、98.4%ee、全体で99%の純度を示した。
【0293】
当業者が認識するように、上記の教示に鑑みて、本発明の数多くの改変および変更が可能である。ゆえに、添付の請求項の範囲内において、本発明が本明細書中に明確に記載されているものとは別の方法で実施され得ること、および本発明の範囲がそのような変更のすべてを包含すると意図されることが理解される。