(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
公営墓地など、近年の墓地は各区画が整然と配列された大規模な施設が多くなっている。各区画は規格化された整形地で、利用をしやすいように比較的小面積に分割されている。
このような墓地においては、墓地内における周囲との調和、景観の保護、隣接利用者との紛争の防止などを目的として、設置可能な墓標の基準を定めており、区画内であっても、随意に石碑や物品を設置することは許されない場合が多い。
【0003】
墓地に、従来から一般的に設置されるのは、石碑、塔婆立て、花立て等であり、総称して墓標と呼んでいる。これらは、仏教徒の多い日本では先祖代々の供養という目的のために慣習的に建立されているものであるが、近年の墓地では上記のような墓地側の基準のために、建立者の希望や古くからのその家の習慣に従って自由に墓標を構成できない状況にある。
【0004】
一般的な墓参の習慣から、石碑や花立ては標準的な仕様とされており、主として高さの制限に従えばデザインなどは比較的自由である。しかし、塔婆立てや墓誌は、区画の面積や、設置できる石の数の制約から認められない場合も多い。特に、必須とは言えない仏像やその他の物品などを、上記のような墓地に設置することは困難な問題があった。
【0005】
一方、そのような墓地の基準に関わらず、墓標が信仰の表れである以上、建立者には様々な思い入れがあり、各自の信仰に合わせて希望の態様で供養を行いたいという要求は非常に強い。どのような墓標を建立できるかは信仰の厚い者にとって、墓地や墓石業者の選定において大きな判断材料となっており、定められた基準内で、建立者の希望に沿った墓標を提供することが求められている。
【0006】
例えば、塔婆は法要や彼岸の際などに、故人の冥福を祈るために立てるもので、塔婆供養の際には墓標の背面に塔婆を立てる。塔婆供養は供養の方法として多くの宗派で一般的なものであり、寺院内の墓地で塔婆を立てられないことはほとんどないため、墓地の基準により塔婆立てを設置できないことは、建立者にとって最も不自由に感じることの1つである。
【0007】
また、大日如来像、薬師如来像等の仏像や、観音菩薩像、地蔵菩薩像等の菩薩像、その他の物品を墓地に設置したい建立者も多い。例えば、「お地蔵さん」、「お地蔵様」といって古くから庶民の間で親しまれた地蔵菩薩像は、釈尊の付託を受けてその入滅後無仏の時代の一般大衆を教化する菩薩であり、現在の無仏の時代にわれわれの精神生活の大きな支えとなっている。
【0008】
このような意味を持つ地蔵菩薩の像を墓地に建てるのは、子供や水子を供養するためであるという庶民の願いが強く込められている。すなわち仏教では、親に先立って死んだ子供は、罪深く、地獄に墜ちるとされており、このような罪深い子供を救うのが地蔵菩薩であるといわれている。また、戦死者や交通事故死など非業の死をとげた人々の霊については、仏教では救済の道を講じてはいず、このような人々を救済するのも地蔵菩薩であるといわれている。
こうした信仰上の背景から、建立者によっては地蔵菩薩像などの尊像を建立することに大きな意義を感じる者もあり、墓標に対する思い入れの多様性につながっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みて創出されたものであり、塔婆立てや尊像等の設置が認められていない墓地であっても、墓地が定める基準の範囲内で塔婆を立てることができる墓標を提供し、さらに尊像その他の物品についても合わせて設置を可能にした墓標を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため本発明は次の構成を有する。
すなわち、墓地に設置される墓標であって、少なくとも略平板状の台石部と、その台石部の上面に直立する石碑部とを備えた構成において、台石部の石碑部よりも背面側に、塔婆の下端を挿入して塔婆を立てることのできる塔婆立て溝を設けたことを特徴とする。
【0012】
上記の塔婆立て溝が、塔婆の鋭角となる下端形状に対応して、下方に向けてテーパ状に溝の幅を小さくする構成でもよい。
【0013】
台石部の後端に前側が長辺側となる台形柱状の凹部を設けると共に、その凹部に嵌合する台形柱状部材を備え、塔婆立て溝の内側面を、台石部と台形柱状部材とにより形成する構成でもよい。
上記の塔婆立て溝を、台石部の幅方向に略均等に複数配置してもよい。
【0014】
上記の塔婆立て付き墓標において、台石部の石碑部よりも前面側に、尊像又は物品を載置するための切り欠き部を設けることもできる。
あるいは、上記塔婆立て付き墓標において、石碑部に仏像その他の物品を収容する物品収容部を備えることもできる。
【0015】
上記塔婆立て付き墓標において、台石部よりも前面に納骨室を覆う蓋石部を備えると共に、その蓋石部上に、香呂を備えた中央石と、花立て及び尊像その他の物品を収容する物品収容部をそれぞれ一方ずつに備えた左右石とを配置し、中央石の高さが、左右石のいずれの高さよりも低く形成される構成でもよい。
【0016】
上記塔婆立て付き墓標において、台石部よりも前面に納骨室を覆う蓋石部を備えると共に、その蓋石部上に、香呂及び仏像その他の物品を収容する物品収容部を備えた中央石と、花立てをそれぞれ備えた左右石とを配置し、左右石の高さが、中央石の高さよりも低く形成される構成でもよい。
【0017】
本発明は、墓地に設置される墓標に用いられる略平板状の台石部の製造方法を提供することもできる。該製造方法では、次の各工程を有する。
(1)台石部の後端に前側が長辺側となる台形柱状の凹部を形成する凹部形成工程、
(2)該凹部に嵌合する台形柱状部材に、塔婆の下端を挿入して塔婆を立てることのできる塔婆立て溝の内側の3側面を形成する塔婆立て溝形成工程、
(3)該台形柱状部材を、該凹部に嵌設する台形柱状部材嵌設工程
これらの各工程を少なくとも含み、該凹部と該台形柱状部材との境界部に該塔婆立て溝を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記構成を備えることにより次のような効果を奏する。
まず、台石部の石碑部よりも背面側に、塔婆の下端を挿入して塔婆を立てることのできる塔婆立て溝を設けることによって、塔婆立てを台石部と一体化することができ、塔婆立てを別に配置することが認められない墓地であっても、塔婆供養を行うことができる。特に台石部は墓標において必要不可欠な構成部材であることから、これが認められない墓地はまず考えられず、塔婆立てに制限のある多くの墓地において有効である。
【0019】
また、台石部の石碑部よりも背面側は、石碑部が手前を覆っているため前側から見えず、従来の塔婆立てに立てている場合と外観上ほとんど区別がつかない。そのため、違和感なく塔婆を立てることができる。
同時に、台石部と一体化することで部品点数を削減し、墓標全体のコストを抑制することにも寄与する。
【0020】
塔婆立て溝を、塔婆の鋭角となる下端形状に対応して、下方に向けてテーパ状に溝の幅を小さくすることで、簡易な構成で塔婆を安定的に保持することができ、幅が多少異なっても先端の細い部分に嵌入することで塔婆を垂直に直立させることができる。
【0021】
塔婆立て溝を、台石部に設けた凹部と、その凹部に嵌合する台形柱状部材とから構成することで、台石部に直接溝を開けるよりも技術的に製造が容易になる。特に、内部をテーパ状にする場合には、2つに分割することで内部の加工が格段に行いやすくなる。
また、前側が長辺側となる台形柱状の凹部とすることで、台形柱状部材は台形の斜辺部分で台石部に係止され、接着剤等によらずに強固な塔婆立て溝を形成することができる。本構成は極めて長期間屋外に設置される墓標において特に有効である。
【0022】
塔婆立て溝を、台石部の幅方向に略均等に複数配置することで従来の塔婆立てと同様に多数の塔婆を並列して立てることができる。
【0023】
台石部の石碑部よりも前面側に、尊像又は物品を載置するための切り欠き部を設けることで、平面視で台石部から外側にはみ出すことなく、尊像や物品を載置する場所を確保することができる。台石部を切り欠いておくことで、載置時の高さを抑制できると共に、専用の設置場所として明らかになるため、美観も向上する。
【0024】
石碑部に尊像その他の物品を収容する物品収容部を備えることにより、石碑の設置程度しか認められない条件の厳しい墓地においても、塔婆と共に尊像等を設置することができる。
【0025】
台石部よりも前面に納骨室を覆う蓋石部を備えた構成において、その蓋石部上に、香呂を備えた中央石と、花立て及び尊像その他の物品を収容する物品収容部をそれぞれ一方ずつに備えた左右石とを配置することにより、花立ての設置が認められた墓地であれば、その花立ての位置に、花立ての代替として尊像その他の物品を配置することができる。このとき、左右石の一方の花立てに花を供えた高さと、他方の仏像等の高さを揃えることで美観も向上する。
【0026】
また、蓋石部上に、香呂及び仏像その他の物品を収容する物品収容部を備えた中央石と、花立てをそれぞれ備えた左右石とを配置する構成では、香呂の設置が認められた墓地であれば、その香呂と物品収容部を一体化することで、尊像その他の物品を収容することができる。
【0027】
本発明の台石部の製造方法によれば、上記効果を奏する台石部を簡易な方法で製造することができ、かつ石材が係合することで強固な塔婆立て溝を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る墓標(1)の全体斜視図である。本発明の最小限の構成は、略平板状の台石部(10)と、その上面に直立する石碑部(11)とから成り、加えて本実施例では台石部(10)の前面に納骨室を覆う蓋石部(12)を備えている。
本発明の要部は台石部(10)の石碑部(11)を載置している位置よりも背面側に、塔婆(13)の下端を挿入して塔婆を立てることのできる塔婆立て溝(100)を設けたことにある。以下、塔婆立て溝(100)の構造、及びこれを備えた台石部(10)の製造方法につき詳述する。
【0030】
(実施例1)
図2は、台石部(10)を示した斜視図である。台石部(10)は石碑部(11)の基台となる略平板の板状体であって、石碑部(11)を安定的に設置すると共に、美観の向上にも寄与する。一般的に石碑部(11)と同様に石材(御影石、大谷石等)で形成されるが、材質はコンクリート・ブロック、セラミック、鉄、木材、樹脂等何でもよい。
本実施例では、石碑部(11)を載置される平面部(101)を75mmの厚みとし、その背面側に75mm隆起した隆起部(102)を形成している。すなわち隆起部(102)における厚みは150mmである。
【0031】
この隆起部(102)の左端近傍に、幅85mm、奥行10mmで、隆起部(102)の上面から下面まで貫通する塔婆立て溝(100)を設けている。塔婆立て溝(100)の寸法は一般的な塔婆(13)の形状に適合しており、図示するように塔婆(13)を立てることができる。
【0032】
塔婆は長さが1.8m程度あり、下端をある程度の高さで保持しないと、自重や風によって安定的に立てることができない。この点、本実施例のように台石部(10)に隆起部(102)を設けて、150mmの高さを確保したことで、塔婆を安定して保持することができる。なお、塔婆を安定して保持するには高さが高い方が望ましいが、台石部に用いる石材が大きくなり高価になる点や、石碑部との高さのバランス、塔婆が過度に隠れないようにするためにも、概ね100mmないし300mm程度が好ましい。
【0033】
隆起部(102)は、平面部(101)の高さにおける奥行き(L1)は60mm、上面における奥行き(L2)は45mmであり、側面からみた断面が台形状をなし、前面側を傾斜(102a)させている。これは、隆起部(102)の強度を高めると共に、前面から見た時に奥行きを表現し、全体の美匠性を高める効果を有する。
隆起部の形状は、これに限らず、直角に隆起する構成、曲線的に隆起する構成、幅方向に一部分だけが隆起する構成でもよい。
【0034】
塔婆立て溝(100)は、上面から下面に同一断面で貫通させてもよいが、本実施例では、塔婆(13)の鋭角となる下端形状(130)に対応して、下方に向けてテーパ状に溝の幅を小さく構成している。
一般的な塔婆は、地面に突き刺して立てるために下端を鋭角に形成しているが、本発明ではこの形状を利用し、塔婆立て溝(100)内で塔婆(13)が左右に振れないように、塔婆立て溝(100)の形状をテーパ状にした。すなわち、テーパ状の溝に、鋭角の先端を嵌入すると溝に沿って自然に塔婆が誘導され、整然と直立させることが可能になる。
【0035】
(実施例2)
図3は、台石部(10)(実施例2)の斜視図である。本実施例では、塔婆立て溝を、台石部(10)、特に隆起部(102)の幅方向に略均等に4個配置した。各塔婆立て溝(100a)(100b)(100c)(100d)は、それぞれ1本の塔婆(13)を立てることができ、従来の塔婆立て同様に、複数の塔婆を同時に立てられる。
本実施例の台石部(10)の幅は590mmであり、4個配列すると各溝間は概ね5cm程度の等間隔となる。塔婆が長いため、上端でも接触がないことを考慮すれば、塔ばてて溝の間隔は少なくとも40mm以上が好ましい。
もちろん、塔婆立て溝の数は任意であり、台石部(10)の幅や、建立者の希望に応じて2個以上の任意の個数とすることができる。
【0036】
さらに、図示しないが、塔婆立て溝を前後方向に2列以上設けてもよい。例えば、横に4個の塔婆立て溝を前後に2列備えれば、8本まで塔婆を立てることができる。
あるいは、塔婆立て溝の奥行きを20mm以上として2本以上の塔婆を重ねて立てられるようにしてもよい。
【0037】
図4ないし
図6は、上述した塔婆立て溝(100)の構造を説明する説明図である。
本発明の塔婆立て溝(100)は台石部(10)の一面からドリル等で溝を彫って形成することもできるが、石材にこのような細い溝を切り込むことは加工上困難であり、製造時の歩留まりの悪化、製造コストの上昇につながる。特に、上記実施例で述べたように、塔婆立て溝(100)をテーパ状に構成することは、非常に困難である。
【0038】
そこで、本実施例では、塔婆立て溝(100)を2つの部材から形成することを提案する。まず、
図4に示すように、台石部(10)の後端に前側が長辺側(200)となる台形柱状の凹部(20)を設ける。凹部(20)の寸法は、長辺側(200)の長さ(L3)が103mm、短辺側(201)の長さ(L4)が91mmであり、奥行き(L5)は24mmとなっている。
図4(b)は同部分の平面図であり、台石部(10)の背面側(図中の上側)から切り込むことができ、また長辺と短辺の長さの差が大きくないため、カッターをやや傾ける程度で切り込み加工することが容易である。
図4(c)は同部分の背面図であり、凹部(20)が台石部(10)の上面から下面まで垂直に形成されていることを示している。
【0039】
次に、
図5に示す台形柱状部材(30)を用いる。台形柱状部材(30)は、
図5(b)に示す平面視で、凹部(20)と一致する台形の外形を有し、
図5(a)の正面視に示すように、それが柱状に形成されている。
この台形柱状部材(30)の外形は、凹部(20)にちょうど嵌合する形状となっている。
【0040】
そして、本発明の要部である塔婆立て溝(100)の内側面の形状をこの台形柱状部材(30)の前面側に形成することで、台形柱状部材(30)を凹部(20)に嵌合したときに、両者に挟まれた領域で塔婆立て溝(100)が構成される。
すなわち、
図5(a)のように、上面は上記した寸法の開口部(31)を有し、約65mmの深さまでそのまま下方に溝を形成する。それより下は、テーパ状部分(32)に幅を狭めていき、下端(33)における幅は24mmである。
【0041】
凹部(20)と同じく、台形柱状部材(30)に設ける切り込みも、一面からの切り込み加工が可能であり、加工が難しくない。また、この製造方法であれば、テーパ状部分(32)の成形も容易に実現することができる。
以上により、塔婆立て溝(100)の内側面のうち3側面を台形柱状部材(20)で構成することができる。
【0042】
さらに
図6に示すように、
図4の凹部形成工程と
図5の塔婆立て溝形成工程で製造された台石部(10)と、台形柱状部材(30)とを組み合わせて、塔婆立て溝(100)を形成する。
すなわち、
図6(a)に示すように、台形柱状部材(30)を、凹部(20)の上方(又は下方)からスライドして嵌設し(台形柱状部材嵌設工程)、
図6(b)のように、凹部(20)と台形柱状部材(30)との境界部に塔婆立て溝(100)を形成する。
【0043】
本製造方法によれば、台形柱状部材(30)を上方に引き抜かない限り、凹部(20)から離脱することはなく、接着等を行わなくても半永久的に塔婆立て溝(100)を構成することができる。台形柱状部材(30)の前面(34)のみならず、斜辺面(35)(
図5(b)参照)全体で凹部(20)と接するため、単に切り込みを蓋で塞ぐよりも接触面積が広く、台形柱状部材(30)の破損防止にも寄与する。
【0044】
なお、本実施例では、台形柱状部材(30)に塔婆立て溝の内側面の3面を設けたが、凹部(20)側に3面を設ける構成など、台形柱状部材を用いる限り、任意の方法で形成することができる。
【0045】
(実施例3)
図7(a)は、本発明に係る台石部(10)(実施例3)の斜視図である。
まず、実施例3に示す台石部(10)は上記実施例と異なり、隆起部を備えない平板体の構成である。塔婆立て溝(100)で塔婆を安定的に立てることができるように、平板体の厚みは120mmとしている。本発明の台石部(10)はこのような形状でも良い。
そして、この台石部(10)において、石碑部(11)が載置される位置よりも前面側に、尊像又は物品を載置するための切り欠き部(40)を設ける。
本実施例における切り欠き部(40)は、幅120mm、奥行き60mm、深さが105mm程度であって、ここには小型の地蔵菩薩や写真、遺品、玩具など故人にゆかりの品物を置くスペースとする。
【0046】
従来、台石部の余剰スペースに物品を置くことは可能であったが、ただ置いただけでは外観が悪く、永続的に載置するスペースとしては不適であった。また、台石部以外のスペースは、墓地の基準等によって自由に物がおけないことから、これらの物品を美しく載置する場所が求められていた。
本発明は、上記塔婆立てと合わせてこれらの問題を解消するものであって、同じ台石部(10)に簡便な加工を施すことにより、物品の収容部を設けることを提案する。切り欠き部(40)は台石部(10)の上面より下がっているため、尊像や高さのある物品でも載置した際に突出する感が少なく、全体意匠の向上に寄与する。また、切り欠き部(40)によって物品がずれにくく、安定した載置にも寄与する。
【0047】
(実施例4)
図7(b)は、同様に切り欠き部(41)を設けた別実施例であり、台石部(10)の前端、中央付近に切り欠き部(41)を備えた構成を示している。切り欠き部の寸法は深さが60mmと浅くなっている他は実施例3と同様である。
この実施例では、平面部(101)の厚みが75mmであるため深さを浅くしているが、機能的には同様であり、尊像その他の物品を載置するスペースとして利用することができる。
【0048】
(実施例5)
図8は、本発明において石碑部(11)に物品収容部(50)を設ける実施例である。従来技術でも述べたように、尊像等を墓地に設置したいとの建立者の要望は強いが、墓地の基準により、別個に設けることは難しい場合も多い。
本実施例では、石碑部(11)に物品収容部(50)を開設してこの内側に尊像(51)などを載置することができる。本構成では、石碑部(11)よりも尊像の高さを突出させないことができるので、高さ制限がある場合にも対応が可能である。
収納する物品としては、このほかに写真、遺品、玩具など任意に用いることができる。
【0049】
また、物品収容部(50)を構成する際に、石材を彫刻して一体的に尊像を形成することもできる。この場合、尊像は石碑部(11)のデザインの1つとして見なすこともできるので、石碑部に他の物品を載置しては成らないむねの基準があっても、尊像を有する墓標を提供することができる。
【0050】
(実施例6)
図9は、本発明に係る左右石に物品収容部を設ける実施例である。
本発明の塔婆立て付き墓標(1)において、台石部(10)よりも前面に納骨室を覆う蓋石部(12)を備えている。この蓋石部(12)上に、中央石と呼ぶ香呂(60)、左石と呼ぶ物品収容部(61)、右石と呼ぶ花立て(62)を配置する。本発明の特徴は、これら3つの石を一体的に構成する点であり、墓標に求められる様々な機能、装備をこの一体部材に備えることができる。香呂や花立ては墓参に必須の設備であるため、設置が認められることがほとんどであるが、本発明は従来花立てを配置した左右石の一方を物品収容部(61)に変形することを提案するものである。
なお、本実施例では、左石を物品収容部(61)にしているが、左右のどちらでも構わない。
【0051】
図10に示すように、左右石(61)(62)は香呂(60)よりも高く、物品収容部(61)は高さ310mm、香呂(60)は200mm、花立て(62)は240mmとなっている。
花立て(62)には供花を供えるので、外観上はさらに高い印象となる。これに対応して物品収容部(61)を高めに設計し、左右で均衡のとれた設置を可能にしている。
【0052】
物品収容部(61)は内側の高さが268mmとなっており、小型の尊像や、高さのある物品でも収容することができる。また、物品収容部(61)の内側に直接彫刻を行って尊像等を形成することもできる。
【0053】
(実施例7)
図11は、実施例6と同様、蓋石部(12)を備えた塔婆立て付き墓標(1)に用いられる一体構成された左右石及び中央石の実施例である。
本実施例では、左石(71)、右石(72)を従来と同様に花立てとして用いることで、供花を両側に均衡良く供えることができる一方、中央石(70)の内側に香呂(74)と物品収容部(73)とを配設している。
【0054】
本構成では、花立ては高さ180mm(???右は150mm???)とする一方、中央石の高さを310mmとして、供花時の花の高さと、中央石の高さとのバランスを整えている。
物品収容部(73)の内側の高さは268mmであり、小型の尊像や、高さのある物品でも収容することができる。また、物品収容部(73)の内側に直接彫刻を行って尊像等を形成することもできる。