(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記Cr−Cu合金層におけるCrのアスペクト比が10を超える扁平状であり、かつ該扁平状Crの厚さ方向の個数密度が10個/mm以上 1000個/mm以下の層状の組織であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器用放熱板。
前記扁平状Crに加えて、前記Cr−Cu合金層のCuマトリックス中に長径が100 nm以下でアスペクト比が10未満の粒子状のCrを有し、該粒子状Crの密度が20個/μm2以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子機器用放熱板。
前記Cr−Cu合金中に不可避に混入する不純物であるO,N,C,Al,Siの混入量をそれぞれ、O:0.08質量%以下、N:0.03質量%以下、C:0.03量%以下、Al:0.05量%以下、Si:0.10質量%以下に抑制したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子機器用放熱板。
【背景技術】
【0002】
高出力のパワー半導体部品は、ハイブリッドカーのインバータ等に使用され、近年、需要が急速に伸びている。
このパワー半導体部品において、半導体は通常、セラミック基板と接合されるのが一般的である。セラミック基板としては、アルミナセラミックに銅をメタライズした積層基板(DBC基板)や窒化アルミにアルミニウムをメタライズした積層基板(DBA基板)が知られている。
【0003】
半導体は、自ら発生する熱を速やかに放熱することが望ましいことから、最終的には空冷あるいは水冷されるが、それらを効率よく行うため、また狭い空間内で他の素子に悪影響を与えないようにするために、半導体と通常ハンダにより接合されたセラミック基板はさらに、高熱伝導率の材料と組み合わせて積層されている。
セラミック基板は、Siといった半導体材料と同様、熱膨張率が低いため、半導体とセラミック基板との間では信頼性の高い接合が可能である。
【0004】
かかるセラミック基板に積層される放熱材料(ヒートシンク)としては、純銅が最も良く使用され、その銅板から空冷されているケースが多い。しかしながら、純銅は熱膨張率が大きく、セラミック基板と熱膨張率差が大きいため、接合界面に大きな熱応力が発生し、半導体の破損や基板からの剥離といった問題が生じる。そこで、このような放熱材料を用いる場合、熱応力を緩和するだけの厚さが必要であった。
【0005】
また、半導体の発熱量が大きいハイブリッド車用のインバータでは、アルミニウム製冷却機に接合されて水冷されている。この場合の放熱材料(ヒートシンク)としては、熱伝導率がある程度高くしかも熱膨張率が低いMo−Cu材が適用されている例がある。Mo−Cu材とセラミック基板とは熱膨張率が近いため信頼性の高い接合が得られるものの、Mo−Cu材とアルミ製冷却機との接合では、その熱膨張率差が大きいため、シリコングリースを介してねじ止めにより接合されているのが現状である。
【0006】
上記のMo−Cu材料の代替材料として、発明者らは先に、特許文献1において、低熱膨張性と高熱伝導性の両方を兼ね備え、かつ比較的安価なCr−Cu合金を提案した。
このCr−Cu合金は、多孔質のCr焼結体にCuを溶浸させたのち、圧延を加えることによって製造するものである。
特許文献1の実施例に示されたとおり、圧延材(圧下率:72%)は、熱膨張率を低減できる効果がある。しかしながら、面内方向と厚さ方向の熱伝導率を比較すると、面内方向は約200W/mKであるのに対し、厚さ方向は約150W/mKとなっており、厚さ方向の熱伝導率が低い。特許文献1の
図1に示されているとおり、圧延するとCr相は圧延方向に伸ばされ、Cr層の積層構造のような組織になっていく。このCr相は、Cu相に比べて熱伝導率が低いため、面方向には、Cu相に沿って熱が広がりやすくなるが、厚さ方向ではCu相は連続体ではあるものの、Cr相の層状粒子が放熱の抵抗になっているものと推定される。そして、圧下率を大きくすれば、この面内方向と厚さ方向の特性差が大きくなる。
放熱板として使用する場合、例えば面の一部から熱が発生する場合は、厚さ方向の熱伝導率が低くなっても面方向に熱が広がる効果が期待できるので、この圧延による熱伝導率の方向性の問題は小さい。しかし、面全体から熱が発生し、放熱板を介して反対の面から放熱する場合には、厚さ方向の熱伝導率がそのまま放熱特性を支配することになるため、十分な放熱特性を発揮することは難しい。
【0007】
また、特許文献2には、片面がCr−Cu合金で、他面がCuからなるCr−Cu/Cu複合合金が開示されている。この複合合金は、多孔質のCr焼結体にCu板を載せ、加熱処理によりCuの一部をCr焼結体に溶浸させ、Cuの残りについてはそのまま残存させることによって、Cr−Cu合金層とCu層の二層としたものである。
しかしながら、かような複合合金では、溶浸処理後に、Cu層に凝固収縮による引け巣が生じるという問題がある。この引け巣は、焼結体の大きさが大きくなればなるほど顕著となり、また制御し難くなる。かような引け巣による欠陥のないCu層を形成するためには、Cu層の厚みを厚くする必要が生じるが、Cu層を厚くすることは材料コストの上昇が懸念される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の解明経緯について説明する。
まずCr−Cu合金材単体の場合、すでに特許文献1に開示の通り圧延加工性は非常に良好であるため、冷間でも高圧下率での圧延が可能であり、圧延の圧下率が大きくなるにつれて熱膨張率が低下する。そこで、さらに大きく圧下した条件のデータを加えた結果を、
図1に示す。同図に示すように、圧下率:96%程度の圧延材では熱膨張率は純Cr材のそれに近づくことが判明した。
【0023】
Cr−Cu合金材とCu材を接合して積層材にすると、積層材の熱膨張率は複合則(積層材の熱膨張率=Cr−Cu合金材の体積含有率×Cr−Cu合金材の熱膨張率+Cu材の体積含有率×Cu材の熱膨張率)に従うものと考えられる。そのため、単純にCr−Cu合金材とCu材を積層した場合、Cr−Cu合金材単体よりも厚さ方向の熱伝導率は向上するが、それと共に板面方向の熱膨張率は大きくなることが予想される。
【0024】
しかしながら、Cr−Cu合金材とCu材を拡散接合して得た積層材の熱膨張率を測定したところ、上記した複合則より低く出る傾向にあることが判明した。
特に、Cr−Cu合金材とCu材を拡散接合したのち90%以上の圧延を施した圧延材や、80%以上好ましくは90%以上圧延したCr−Cu合金材とCu材を積層して拡散接合した積層材では、さらに複合則より低い熱膨張率が得られ、熱特性が向上することが究明されたのである。
【0025】
放電プラズマ焼結(SPS)やホットプレスによって高い温度で拡散接合を行うと、接合後は、Cr−Cu合金材とCu材との熱膨張率差による各層の収縮量の差が発生して内部応力が発生する。従って、拡散接合後、常温まで冷却されると、
図2に示すように、Cr−Cu合金材より熱膨張率の大きなCu材中には面方向に圧縮応力が発生し、内部応力として残留する。
【0026】
次に
図3に、Cr-Cu材の溶浸品、クロス圧延品、接合後圧延品、圧延材接合品および純Cuの50℃から900℃までの平均熱膨張率を比較して示す。
同図に示すように、接合後圧延品、圧延材接合品とともに、400℃辺りまで平均熱膨張率が大きく低下する特異な現象が見られる。この現象が複合則より低くなる要因と考えられる。その原因については、まだ明確に解明されたわけではないが、拡散接合時に発生するCr-Cu材とCu材との熱膨張率差による内部応力が関係していると考えられる。
この低減現象により、はんだやロウ付け時には低い熱膨張率の材料を得ることが出来る。
【0027】
上記のとおり、Cr-Cu合金材は圧延による圧下率を大きくするほど熱膨張率が低下する。Cr-Cu溶浸(未圧延)材とCu材とを拡散接合後、圧延する場合と、圧延したCr-Cu合金圧延材とCu材とを拡散接合する場合では、拡散接合時に発生するCr-Cu合金材とCu材との熱膨張率差による内部応力は、後者の場合のほうが大きくなるため、熱膨張率を低減させるには有効である。
図3においても、接合後圧延品と圧延材(後)接合品では、圧延材(後)接合品の方が400℃辺りまで平均熱膨張率が低下する特異な現象がより大きくなっている。接合後圧延品でも十分複合側より熱膨張率の低下が見られ、拡散接合時は接合面積が小さいものの大きな圧延板を製造することができるため、量産上は有利である。圧延したCr-Cu合金圧延板とCu板とを拡散接合し、さらに圧延する方法もあり、90%以上の高圧下率で肉厚の製品を生産する場合に有利である。
【0028】
図4に、本発明に従うCr−Cu合金層とCu層の積層体からなる電子機器用放熱板(以下、単に放熱板という)の断面写真を示す。図中、濃い色の層がCr−Cu合金層、薄い色の層がCu層であり、この例では、Cr−Cu合金層が4層でCu層が5層の合計9層の積層体からなる放熱板を示している。
【0029】
次に、
図5に、Cr−Cu合金層とCu層の接合界面の拡大写真を示す。
同図に示したとおり、本発明では、接合面でCr−Cu合金層中のCuとCu層とが完全に融合しているので、Cu層に圧縮応力が作用したとしても、これに起因して両層が剥離する等のおそれはない。
【0030】
また、本発明において、Cr−Cu合金/Cu積層体における最外層をCu層としたのは次の理由による。
通常、Cr−Cu材は、ハンダやロウとの濡れを改善するために、Mo−Cu材やW−Cu材と同様にNiメッキ処理が行なわれている。Cr, Mo, W上のNiメッキはそれらの表面酸化物の影響などで複合材料とメッキ間の密着性が良好でないため、特殊なエッチング処理やメッキ処理工程内の中間熱処理あるいは、メッキ処理後の熱処理などで密着性の向上を図っており、メッキ処理に関わる費用が高価になっている。
そこで、本発明に従い、積層体の両最外層をCu層とすることにより、通常のCu材のNiメッキ処理が容易にできる。さらに接合信頼性が失われず、しかも表面が純銅になっているためNiメッキがなくてもハンダ付けが可能となる。また、本発明のCr−Cu合金/Cu積層体はプレス加工が容易であることも確認した。
【0031】
なお、本発明のCr−Cu合金/Cu積層体におけるCr−Cu合金層とCu層の積層数については特に制限はないが、Cr−Cu層が1〜10層でCu層がそれよりも一層多い2〜11層程度とすることが好適である。
また、Cr−Cu合金層の厚みおよびCu層の厚みについても半導体と接する側の表面以外は特に制限はないが、50〜200μm程度することが好ましい。なお、特に半導体と接する側のCu層の厚みは100μm 程度以下とすることが好ましい。というのは、このCu層の一方の面はCr-Cu層により熱膨張率を拘束されるが、もう一方の面は自由端であるためCu層が厚くなると、その表面は本来のCu材の熱膨張率を有することになり、部品表面にシワなどの塑性変形が生じる危険性があるためである。
【0032】
さらに、本発明では、Cr−Cu合金/Cu積層体の最外層の一方のCu層の厚み(半導体と接合する側と反対側の厚み)を、他方のCu層の厚みに比べて肉厚とすることもできる。
このように、最外層の一方のCu層の厚みを肉厚することにより、上記の逆で、最外表面が本来のCu材の熱膨張率に近い材料の効果を得ることができる。なお、この場合におけるCu層の厚みは100μm 以上、好ましくは500μm 程度以上とするのが好ましい。
【0033】
本発明に従うCr−Cu合金/Cu積層体の製造方法としては、Cr−Cu溶浸体を圧延したCr−Cu圧延板と、圧延を施し又は施さないCu板とを、所望の枚数を重ねて接合することもできるが、Cr−Cu溶浸体やCr−Cu圧延板などのCr−Cu合金板とCu板とを所望枚数積層後、圧延を施して積層体とすると、接合および圧延の工程を少なくでき、経済的に有利である。
この際の圧下率は、80%以上好ましくは90%以上とすることが望ましい。というのは、前述したとおり、圧下率が大きくなるほど熱膨張率が低減し、またCu層を挿入することにより厚さ方向の熱伝導率が向上するからである。
なお、Cr−Cu合金板とCu板との接合方法としては、放電プラズマ焼結(SPS)やホットプレスによる拡散接合がとりわけ有利に適合する。
【0034】
次に、本発明で使用するCr−Cu合金において、Cr含有量を前記の範囲に限定した理由について説明する。
Crは、本発明のCr−Cu合金において、熱膨張率の低減を達成するための重要な元素である。Cr含有量が30質量%以下では、半導体材料との接合に必要とされる低熱膨張率(約14×10
-6K
-1以下)が得られない。一方、80質量%を超えると、Cr粒子中への溶浸性が低下し圧延の信頼性に問題が生じてくる。したがって、Crは30質量%超え80質量%以下の範囲に限定した。
【0035】
残部はCuおよび不可避的不純物である。
不可避的不純物のうち特にO,N,C,Al,Siについては、冷間での圧延加工性を劣化させる弊害があるので、それぞれ混入はO:0.08質量%以下,N:0.03質量%以下,C:0.03量%以下,Al:0.05量%以下,Si:0.1質量%以下に抑制することが好ましい。
すなわち、Cr−Cu合金中のO含有量を0.08質量%以下,N含有量を0.03質量%以下,C含有量を0.03質量%以下まで減少させることにより、大きい圧下を加えても割れのない良好なCr−Cu合金板を得ることができる。
さらに検討した結果、Cr−Cu合金を製造する過程で不可避的に混入するAl,Siの含有量を減少させれば、Cr−Cu合金板をプレス加工する際の延性が向上し、また圧下率:90%以上の圧延が可能になることが判明した。
なお、その他の不可避的不純物としては、S:0.03質量%以下,P:0.02質量%以下,Fe:0.3質量%以下が許容される。
【0036】
本発明のCr−Cu合金を得るためには、Crの原料としてCr粉末を用いて粉末冶金法を適用する必要がある。Cr粉末を単独で、あるいはCu粉末と混合して、金型に充填し、焼結して多孔質体とし、この多孔質体にCuを溶浸させることによって、30質量%を超えるCrを均一に分布させたCr−Cu合金の製造が可能になる。上記したCr粉末を単独で焼結して得られる多孔質体に求められる好ましい気孔率としては、水銀圧下法(JIS規格R1655:2003)で得られる値で15〜65体積%程度である。なお、多孔質体を得るに際し、気孔率を調整するには、原料粉を金型に充填した後、成形する際の圧力を適宜調整すればよく、また圧力を加えず充填したまま(いわゆる自然充填)で、焼結しても良い。
【0037】
使用するCr粉末は、純度:99%以上のものを使用することが好ましく、その粒度は目開きが50〜325メッシュ(45〜300μm)好ましくは100〜200メッシュ(75〜150μm)程度の篩で分級して得られるものを使用するのが好適である。
また、Cr粉末中の不純物は、多孔質体にCuを溶浸した溶浸体の加工性向上と熱伝導率向上の観点から、可能な限り低減することが好ましい。
【0038】
Cr粉末は、一般に電解法,Alテルミット法,電気炉精錬法等により製造された金属塊または金属フレークを機械粉砕して得られる。AlとSiは、Cr原料に不可避的不純物として比較的多く含まれる元素であり、C,N,O等のガス成分も不可避的不純物として多く含まれる。また、機械粉砕の過程でFeが混入することがある。
【0039】
Alは、不可避的不純物として含まれるが、特にAlテルミット法でCr原料を製造する場合は、他の製法より多くCr粉末に混入する可能性がある。Alは、Cr−Cu合金において一部はCu中に固溶する。残りのAlは酸化物粒子として混入し、その酸化物がCr−Cu合金板の冷間プレス加工を劣化させることが判明した。Siも、Alと同様に、冷間プレス加工性を劣化させる上、Cu中に固溶したSiはCuの熱伝導率を大きく劣化させる。したがって、Al,Siは、半導体用放熱部品として好ましくない元素であり、その含有量を上記した範囲に抑えることが好ましい。
【0040】
CとNは、Crと結合して炭化物や窒化物を形成し、Cr−Cu合金板の延性を著しく低下させ、Oも一部Cu中に固溶して熱伝導率を低下させるとともに、Crと結合して酸化物を形成することにより、Cr−Cu合金板の熱特性と延性を劣化させる。したがって、C,N,Oの含有量は上記した範囲に抑えることが好ましい。
Cu粉末は、工業的に生産される電解銅粉,アトマイズ銅粉等を使用することが好ましい。
【0041】
Cr粉末を焼結して得た多孔質体に溶浸させるCuは、工業的に製造されるタフピッチ銅,りん脱酸銅,無酸素銅等の金属Cu板、あるいは電解銅粉,アトマイズ銅粉等のCu粉末を使用するのが好ましい。
さらに、得られた溶浸体に切削加工や研削加工を施して、溶浸体の表面に残留するCuを除去すれば、所定の厚みのCr−Cu合金を得ることができる。
【0042】
切削加工を行う場合は、作業効率を向上する観点から超硬チップによるフライス加工が好ましい。ただし、超硬チップが欠損するとCr−Cu合金板の表面に疵を誘発する原因になるので、超硬チップの保守点検が重要である。超硬チップの耐用性を高めるために、CrN等でコーティングした超硬チップを使用することが好ましい。
得られたCr−Cu合金に冷間圧延または温間圧延を施すことによってCuマトリックス中のCr相は扁平になる。そのCr相のアスペクト比が10以下では、十分に満足いくほどの熱膨張率の低減効果が得られない。したがって、Cr相のアスペクト比は10超えとすることが望ましい。より好ましくは50以上である。
【0043】
Cr相のアスペクト比は、Cr−Cu合金板の厚み方向を含む断面のうち、扁平したCr相の長径が最大となる方向を含む断面、さらに具体的には溶浸体を冷間圧延または温間圧延した後の断面(圧延方向および圧下方向を含む断面)を光学顕微鏡で観察して求められ、下記の(1)式で算出される値である。そして、100〜400倍の光学顕微鏡で観察した任意の1視野の平均値を求める。なお、観察した視野に全体が入っているCr相について測定する。また複数のCr相が合体して形成されているように見えるものは、複数のCr相に分解し、分解した各Cr相のアスペクト比を求める。
アスペクト比=L
1/L
2 ・・・(1)
【0044】
なお、(1)式において、L
1は、Cr−Cu合金板の厚み方向を含む断面のうち、扁平したCr相の長径が最大となる方向を含む断面においてその長径が最大となる方向の最大長さを指し、L
2は、Cr−Cu合金の厚み方向を含む断面のうち、扁平したCr相の長径が最大となる方向を含む断面において厚み方向の最大長さを指す。冷間圧延または温間圧延を施して得られるCr−Cu合金板の場合には、上記の扁平したCr相の長径が最大となる方向は圧延方向である。また、2方向への圧延を行う場合には、2方向のうち扁平したCr相の長径が最大となる圧延方向である。
【0045】
また、扁平したCr相の厚さ方向の個数密度は10個/mm以上,1000個/mm以下とすることが好ましい。厚さ方向に10個/mm未満では、Cr相の層状組織の形成が不十分になり、圧延方向の熱膨張率が低くなりにくいという問題が生じ、一方、1000個/mmを超えると、Cr相同士が接触して熱伝導に有効なCu相がCrによって遮断されるため熱伝導に影響を及ぼすからである。
なお、扁平したCr相の厚さ方向の個数密度は厚さ方向全体の断面観察を行い、厚さ方向1mm当たりの個数密度に換算する。観察は厚さ方向に平行な線20本に交差するCr相の数を測定し、20本の平均値を個数密度とする。
【0046】
さらに、接合後圧延品の場合は、圧延後300〜900℃の温度範囲で加熱することが好ましい。さらに好ましくは、拡散接合時の冷却工程にて30℃/分以下の冷却速度で冷却あるいは拡散接合後900〜1050℃の温度範囲で溶体化熱処理後30℃/分以下の冷却速度で冷却し、圧延後500〜750℃の温度範囲にて加熱する。圧延材(後)接合品の場合も接合後300〜900℃の温度範囲で加熱することが好ましい。さらに好ましくは、圧延前に300〜900℃の温度範囲で加熱し、拡散接合時の冷却工程にて30℃/分以下の冷却速度で冷却あるいは拡散接合後900〜1050℃の温度範囲で溶体化熱処理後30℃/分以下の冷却速度で冷却し、500〜750℃の温度範囲にて加熱する。
これらによって、扁平したCr相に加えて、Cuマトリックス中に長径が100 nm以下でアスペクト比が10未満の粒子状のCr相を析出させることが、熱膨張率低減の観点から好ましい。このとき、粒子状のCr相の密度は20個/μm
2以上とすることが好ましい。ここでいう粒子状Cr相の密度は、以下の方法で決定される。すなわち、1〜5kVの低加速電圧による走査型電子顕微鏡(いわゆるSEM)観察を1万倍〜30万倍程度で行い、視野中に見えるCr相の数から密度(個/μm
2)を算出する。
【0047】
かくして、本発明によれば、低熱膨張性で、面内方向および厚さ方向の熱伝導性に優れたCr−Cu合金/Cu積層体からなる放熱板を得ることができる。
図6および
図7に、本発明に従う放熱板を設置した電子機器用放熱基板部品の代表例を例示する。
図6は、アルミナセラミックに銅をメタライズした積層基板(DBC基板)に本発明の放熱板1を設置した場合であり、
図7は、窒化アルミにアルミニウムをメタライズした積層基板(DBA基板)に本発明の放熱板1を設置し、さらにアルミニウム冷却器2に接合した場合である。図示の例では、本発明の放熱板は、上からCu層、Cr−Cu合金層、Cu層の3層構造になっている。
【実施例】
【0048】
Cr粉末(粒度:50〜200μm)を自然充填し、真空中で焼結して、気孔率:45体積%(Cuを溶浸した後のCr含有量に換算すると50質量%に相当する)となる焼結体(70×70×4.5 mm)を作製した。焼結温度は1500℃、焼結時間は60分とした。得られた焼結体の上面にCu板を載置して、真空中で1200℃に加熱(保持時間:30分)してCuを溶解し、焼結体に溶浸させて溶浸体を得た。溶浸処理後、平均冷却速度:26℃/分にて冷却した。その後、真空中で600℃にて加熱(保持時間:120分)した。
ついで、フライス盤を用いて、このCr−Cu合金の表面に残留するCuを除去し厚さ:3.0 mmのCr−Cu合金板とした。溶浸体の分析を行った結果は、O:0.04質量%、N:0.02質量%、C:0.02質量%、Al:0.01質量%以下、Si:0.01質量%以下、P:0.01質量%以下、S:0.01質量%以下、Fe:0.15質量%であった。
【0049】
実施例1
このCr−Cu合金板を冷間にて、圧延2方向の圧下率が同じになるようにクロス圧延し厚さ:0.05mmまで圧下(圧下率:98.3%)してCr−Cu合金板を得た。この圧延板から65mm角の大きさに切り出した。この圧延Cr−Cu合金板:2枚重ね一組で4層と純銅(Cr−Cu合金材と同じ大きさで厚み:0.1mm)板:5枚を、純銅板(1枚)、Cr-Cu合金板(2枚重ね一組)の順で交互に重ねて、放電プラズマ焼結(SPS)装置[住友石炭鉱業(株)社製DR.SINTER SPS-1050]により、900℃、40分保持、加圧力:20MPaの条件で拡散接合を行い、Cr−Cu合金/Cu積層体を得た。
得られた拡散接合板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は230W/mK、面方向の熱伝導率は295W/mKであり、優れた放熱性を有することが確認された。
また、上記の試験片について50〜900℃の平均熱膨張率を測定したところ、12.6×10
-6/Kであった。
光通信に使用されるバタフライパッケージなどの半導体ケースは通常コバール材(29%Ni-17%Co-Fe)と850℃程度でロウ付けされた構造となっているものが多い。コバール材の50〜900℃の平均熱膨張率を測定したところ、11.5×10
-6/Kであった。上記の値はコバールの平均熱膨張率に近く、積層放熱板による放熱部品と相手材であるコバール部品とロウ付けにより歪の少ない半導体ケースを組み立てることが可能であることが確認できた。
半導体ケースの場合、長方形のケースが多く見られる。なるべくコバールの熱膨張率に揃える必要がある場合、さらにCr-Cu層の割合を大きくすれば良いが、厚さ方向の熱伝導率が低下する傾向になる。Cr-Cu材は、1方向圧延でも圧下率を大きくするに従い、圧延方向と圧延直角方向の熱膨張率の差は小さくなる傾向にはあるが、完全に同じにはならない。そのため、長方形の放熱板の場合は、クロス圧延でも長辺方向のほうを短辺方向より圧下率を大きくなるようにして圧延を行なうことにより、コバール部品とロウ付けにより歪の少ない半導体ケースを組み立てることが可能となる。
【0050】
実施例2
Cr−Cu合金板を冷間クロス圧延にて、厚さ:0.10mmまで圧下(圧下率:96.7%)してCr−Cu合金板を得、この圧延Cr−Cu合金板:4枚とし、純銅板(1枚)、Cr-Cu合金板(1枚)の順で交互に重ねること以外は、実施例1と同様にして、Cr−Cu合金/Cu積層体を得た。
得られたCr−Cu合金/Cu積層体から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は230W/mK、面方向の熱伝導率は298W/mKであり、優れた放熱性を有することが確認された。また、50〜900℃の平均熱膨張率は、12.5×10
-6/Kであり、やはりロウ付け接合に支障のない熱膨張率を得ることができた。
【0051】
実施例3
Cr−Cu合金板を冷間クロス圧延にて、厚さ:0.15mmまで圧下(圧下率:95.0%)してCr−Cu合金板を得、この圧延Cr−Cu合金板:4枚とし、純銅板(1枚)、Cr-Cu合金板(1枚)の順で交互に重ねること以外は、実施例1と同様にして、Cr−Cu合金/Cu積層体を得た。
得られたCr−Cu合金/Cu積層体から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は195W/mK、面方向の熱伝導率は280W/mKであり、優れた放熱性を有することが確認された。また、50〜900℃の平均熱膨張率は、11.6×10
-6/Kであり、やはりロウ付け接合に支障のない熱膨張率を得ることができた。
【0052】
実施例4
上記した溶浸体のCr−Cu合金材:2枚(厚さ:3.0mm)とCu板:4枚(厚さ:1.0mm)を上からCu1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu2枚−(Cr−Cu)1枚−Cu1枚の順に重ねSPSで拡散接合し、その後冷間圧延にて圧延(圧下率:81.3%)して1.2mm厚のCr−Cu合金圧延板を得た。
得られた拡散接合圧延板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は165W/mK、面方向の熱伝導率は243W/mKであり、優れた放熱性を有することが確認された。また、50〜900℃の平均熱膨張率は、12.9×10
-6/Kであった。
Cr−Cu材単体(比較例2)と比較して優れた熱特性を得られることが確認できた。
【0053】
実施例5
上記した溶浸体のCr−Cu合金材:2枚(厚さ:7.5mm)とCu板:3枚(厚さ:3.0mm)を上からCu1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu1枚の順に重ねSPSで拡散接合し、その後冷間圧延にて圧延(圧下率:96.7%)して0.8mm厚のCr−Cu合金圧延板を得た。
得られた拡散接合圧延板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は170W/mK、面方向の熱伝導率は275W/mKであり、優れた放熱性を有することが確認された。また、50〜900℃の平均熱膨張率は、11.7×10
-6/Kであり、やはりロウ付け接合に支障のない熱膨張率を得ることができた。
【0054】
実施例6
上記した溶浸体のCr−Cu合金材:4枚(厚さ:5.25mm)とCu板:5枚(厚さ:3.5mm)を、上からCu1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu1枚の順に重ねSPSで拡散接合し、その後冷間圧延にて圧延(圧下率:97.1%)して1.1mm厚のCr−Cu合金圧延板を得た。
得られた拡散接合圧延板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は197W/mK、面方向の熱伝導率は290W/mKであり、優れた放熱性を有することが確認された。また、50〜900℃の平均熱膨張率は12.2×10
-6/Kであり、やはりロウ付け接合に支障のない熱膨張率を得ることができた。また20〜200℃の平均熱膨張率は、11.2×10
-6/Kではんだ接合に支障のない熱膨張率を得ることができた。
【0055】
比較例1
上記実施例2で得られた0.1mm厚のCr−Cu合金圧延板を11枚重ねて実施例1と同様に接合体を得た。得られた拡散接合板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は122W/mK、面方向の熱伝導率は189W/mKであり、厚さ方向の熱伝導率が低いことが確認された。
また、上記の試験片について50〜900℃の平均熱膨張率を測定したところ、11.0×10
-6/Kであった。
【0056】
比較例2
Cr粉末の充填率を調整して45質量%Crとなる焼結体を作製する以外は上記した実施例に示す溶浸体のCr−Cu合金板を得るのと同様の方法で得た45質量%CrとなるCr−Cu合金板に、冷間にて、圧延2方向の圧下率が同じになるようにクロス圧延し厚さ:1.0mmまで圧下(圧下率:75.0%)してCr-Cu圧延板を得た。得られた圧延板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は160W/mK、面方向の熱伝導率は210W/mKであった。
また、上記の試験片について50〜900℃の平均熱膨張率を測定したところ、13.0×10
-6/Kであった。
【0057】
表1に、上記実施例と比較例の熱特性を比較して示す。
【0058】
【表1】
【0059】
同表に示すように複合則より非常に低い値が得られていることが分かる。Cr−Cu合金材の圧下率を80%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは90%以上である。また圧下率の大きいCr-Cu合金材とCu材の接合ほど複合則からの逸脱は大きくなる。
なお、複合則による計算熱膨張率の計算は、次のとおりとした。
計算熱膨張率=(全体製品厚さに対するCr−Cu合金層合計の厚さ比)×(Cr−Cu合金圧延材層の圧下率における熱膨張率)+(全体製品厚さに対する純Cu材層合計の厚さ比)×(純Cu材の熱膨張率)
【0060】
実施例7
上記した溶浸体のCr−Cu合金材:2枚(厚さ:6.0mm)とCu板:6枚(厚さ:3.0mm)を上からCu板1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu板4枚−(Cr−Cu)1枚−Cu板1枚の順に重ねSPSで拡散接合した。SPS接合は、実施例1記載の装置で、900℃、40分保持、加圧力20MPaの条件で拡散接合し、その後の平均冷却速度22℃/minとした。その後冷間圧延にて圧延(厚下率:96.7%)して、1.0mm厚のCr−Cu合金圧延板を得た。
得られた拡散接合圧延板から切り出した試験片を熱処理しないでそのまま、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は210W/mKであり、面方向の熱伝導率は310W/mKであり、優れた放熱性を有することが確認された。しかしながら、50〜200℃の平均熱膨張率は、14.5×10
-6/Kであり、半導体用には熱膨張率が高い。その拡散圧延板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は246W/mKであり、面方向の熱伝導率は326W/mKとなり、さらに優れた放熱性を有することが確認された。また50〜200℃の平均熱膨張率は、12.3×10
-6/Kと大きく低下し、はんだ付け接合に支障のない熱膨張率を得ることができた。
【0061】
実施例8
上記した溶浸体のCr−Cu合金材:2枚(厚さ:8.0mm)とCu板:7枚(厚さ:2.0mm)を上からCu板1枚−(Cr−Cu)1枚−Cu板5枚−(Cr−Cu)1枚−Cu板1枚の順に重ね、実施例7と同じ条件にてSPSで拡散接合し、その後冷間圧延にて圧延(厚下率:96.7%)して、1.0mm厚のCr−Cu合金圧延板を得た。
得られた拡散接合圧延板から切り出した試験片を熱処理しないでそのまま、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は175W/mKであり、面方向の熱伝導率は280W/mKであり、優れた放熱性を有することが確認された。また50〜200℃の平均熱膨張率は、12.0×10
-6/Kであり、はんだ付け接合に支障のない熱膨張率を得ることができた。さらにその拡散圧延板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は190W/mKであり、面方向の熱伝導率は300W/mKとなり、さらに優れた放熱性を有することが確認された。また50〜200℃の平均熱膨張率は、11.0×10
-6/Kとさらに低下し、はんだ付け接合に支障のない熱膨張率を得ることができた。
【0062】
実施例9
実施例6で得た積層放熱板を60×40mmの大きさにプレス加工した板および比較例2で得た放熱板を60×40mmの大きさにプレス加工した板に対して、それぞれ電解Niメッキを5μm施した後、一方の面にDBA基板(50mm×35mm×1.5mm)を載せて、到達温度245℃となるリフロー処理によってはんだ付け(はんだ材質:Sn−3質量%Ag−0.5質量%Cu)付けをして、電子機器用放熱基板部品を製作した。
ついで、得られた各放熱基板部品を−40℃と120℃の各槽に5分間保持する熱衝撃試験を行った。WINTECHLT
20(楠本化成製)液槽式熱衝撃試験器で行った。
試験後の各サンプルについて、超音波探傷試験により、クラック等の発生の有無について調査した。
その結果、比較例2を用いた放熱基板部品は、1000サイクル終了後、積層放熱板とアルミ冷却器の接合面での剥離が観察されたのに対し、実施例6を用いた放熱基板部品は、3000サイクル終了後も、剥離やクラックの発生は認められなかった。
【0063】
実施例10
実施例3と同様に圧延し厚さ:0.15mmまで圧下(圧下率:95.0%)したCr−Cu合金圧延板1枚とCu板10枚を上からCu板1枚−(Cr−Cu)合金圧延板1枚- Cu板9枚の順に重ねて、実施例1と同様に拡散接合し、熱処理を実施した。その後厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率340W/mKであり、非常に優れた放熱性を有することが確認された。
【0064】
実施例11
上記した溶浸体のCr−Cu合金材:1枚(厚さ:3.0mm)とCu板:12枚(厚さ:1.0mm)を上からCu板1枚-(Cr−Cu)合金圧延板1枚- Cu板11枚の順に重ねて、SPSで拡散接合し、その後冷間圧延にて圧延(圧下率:92.7%)して1.1mm厚のCr−Cu合金圧延板を得た。得られた拡散接合圧延板から切り出した試験片を600℃(保持時間:120分)で熱処理した後、厚さ方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定したところ、厚さ方向の熱伝導率は320W/mKであり、非常に優れた放熱性を有することが確認された。
【0065】
実施例12
実施例10と11で得た積層放熱板を60×40mmの大きさにプレス加工した板のそれぞれのCr−Cu合金層に近い側の面にDBA基板(50mm×35mm×1.5mm)を実施例7と同様にハンダ付けすると共に、他面を冷却ファンの付いたアルミニウム冷却器にもハンダ付けして、電子機器用放熱基板部品を製作した。また、比較例1で得た放熱板を60×40mmの大きさにプレス加工した板も同様にDBA基板とアルミニウム冷却器の両方にハンダ付けして放熱基板部品を製作した。
ついで、実施例9同様に得られた各放熱基板部品を−40℃と120℃の各槽に5分間保持する熱衝撃試験を行った。
試験後の各サンプルについて、超音波探傷試験により、クラック等の発生の有無について調査した。
その結果、比較例1を用いた放熱基板部品は、1000サイクル終了後、積層放熱板とアルミニウム冷却器の接合面での剥離が観察されたのに対し、実施例10と11を用いた放熱基板部品はいずれも、3000サイクル終了後も、DBA基板側、アルミニウム冷却器側ともに剥離やクラックの発生は認められなかった。