特許第5700008号(P5700008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 第一実業株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社神亜機械の特許一覧

<>
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000002
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000003
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000004
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000005
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000006
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000007
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000008
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000009
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000010
  • 特許5700008-ラミネート型二次電池用電極部接触子 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700008
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】ラミネート型二次電池用電極部接触子
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20150326BHJP
   G01R 31/36 20060101ALI20150326BHJP
   G01R 1/06 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   G01R1/067 F
   G01R31/36 L
   G01R1/06 E
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-203296(P2012-203296)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-59177(P2014-59177A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2014年8月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597024681
【氏名又は名称】第一実業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】512240590
【氏名又は名称】株式会社神亜機械
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(72)【発明者】
【氏名】池田 斉
(72)【発明者】
【氏名】竹田 孝一
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼中▲しゃん▼
【審査官】 荒井 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−298929(JP,A)
【文献】 特開2004−319334(JP,A)
【文献】 特開2006−030151(JP,A)
【文献】 特開2001−167857(JP,A)
【文献】 特開2012−173003(JP,A)
【文献】 特開平02−141669(JP,A)
【文献】 実開昭56−151969(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06−1/067
G01R 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネート型二次電池の電極タブに接触する、一対の導電体である接触部を、回動中心軸まわりに回動可能である、一対の絶縁体である保持部により保持してなる、ラミネート型二次電池用電極部接触子であって、
一対の前記接触部が、少なくとも前記保持部の先端から突出する部分が矩形板状に形成された板ばねであり、前記回動中心軸から離れた前記接触部の先端の角部が、前記矩形の一辺である直線状であり、一対の前記角部同士が対向し、
前記保持部が前記回動中心軸まわりに回動して前記接触部の先端が閉じられると、前記直線状の角部が前記電極タブの表面に接触し、
前記一対の接触部により前記電極タブが挟持されると、前記接触部が弾性変形した状態となり、前記直線状の角部が線接触している前記表面を擦るとともに、前記角部が前記表面に食い込むことを特徴とするラミネート型二次電池用電極部接触子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネート型二次電池の検査等に用いる電極部接触子に関する。
【背景技術】
【0002】
小型軽量な二次電池として、ラミネート型リチウムイオン電池等のラミネート型二次電池が普及している。
ラミネート型二次電池の製造工程及び性能検査工程において、初充電処理、充電及び放電検査、並びに、OCV検査及びDC-IR検査等を行うのが一般的であり、ラミネート型二次電池の電極タブと各工程用の回路との接続には、繰り返し使用可能なラミネート型二次電池用電極部接触子(以下において、単に「接触子」という場合がある。)が用いられる。
また、ラミネート型二次電池の多くは、プラス極用電極タブにはアルミニウムを、マイナス極用電極タブには銅板にニッケルメッキしたものを使用しており、特にプラス極のアルミニウムには絶縁酸化皮膜ができやすいため、接触子との接触不良が生じやすいこと等の問題がある。
【0003】
接触子として、電極タブに安定した接触力で接触させること等を目的とし、下端を台座に軸支された一対の可動片(クリップ部)に取り付けた圧接端子により電極タブを挟持するように構成したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の接触子は、一対の可動片を回動させて圧接端子により電極タブを挟持した際に、圧接端子の圧接面と電極タブとの接触角度がズレて擦れるため、表面酸化膜及び汚れ除去を行なうワイピング動作を行うとしているが、特にアルミニウムのような絶縁酸化皮膜を作る電極タブにおいては、このようなワイピング動作では十分ではなく、圧接端子を電極タブに安定した接触力で接触させたとしても、圧接端子及び電極タブの接触を十分に安定させることができない。
【0004】
このようなことから、図7(a)の斜視図に示すような接触子11が主流となっている。
この接触子11は、一対の導電体である接触部12,12を、回動中心軸14まわりに回動可能である、一対の絶縁体である保持部13,13により保持し、接触部12,12の先端(遊端)を内方へ屈曲させるともに、接触部12,12先端の端縁である対向面を山切りカット形状(三角波状の凹凸形状)12A,12Aにしたものである。
このような接触子11によれば、図7(b)の要部拡大断面図に示すように、接触部12,12により電極タブ9を挟持した状態で、山切りカット形状12A,12Aの鋭角に突出する凸部先端により、絶縁酸化皮膜10,10を効率よく破くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−298929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図7(a)に示す従来の接触子11のように、接触部12,12の先端を山切りカット形状12A,12Aにすることは、絶縁酸化皮膜10,10を破くためには有効であるが、図7(b)に示すように、山切りカット形状12Aの先端部と電極タブ9との接触幅Aが小さく、すなわち接触面積が小さくなり、図8に示すように電極タブ表面の接触痕(面積)が小さくなる。
よって、接触抵抗が高くなるという欠点があるので、高電流時にはジュール熱により電極タブ9が異常発熱するという問題がある。
ここで、接触抵抗や接触子温度等の測定は、図9の概略構成図に示すように、直流定電流電源、電圧計V、周囲温度を測定する温度計T1及び接触部12(電極タブ9)の温度を測定する温度計T2等を用いて行うことができ、接触抵抗として、4〜10mΩの測定結果が得られた。
例えば、接触抵抗が4mΩで、30Aの電流を流した場合、電力Pは、P=R・I2=3.6Wとなり、図10の実測結果に示すように、接触子温度(接触部12の温度)は50℃近く上昇した。
【0007】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、特にアルミニウムのような絶縁酸化皮膜を作る電極タブに対しても、安定して接触することができる接触部を備えて接触不良を防止しながら、接触抵抗を小さく抑えて電極タブの発熱(温度上昇)を小さくすることができるラミネート型二次電池用電極部接触子を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の発明者らは、特にアルミニウムのように絶縁酸化皮膜を作るようなラミネート型二次電池の電極タブに接触子を接触させた際に、(1)絶縁酸化皮膜を効率よく破くことができること、(1)接触抵抗が高くならないこと、という二律背反の課題の両方を解決するために、接触子の様々な構造の検討を行い、一対の接触部を板ばね状に形成することにより、接触部の先端を山切りカット形状にすることなく絶縁酸化皮膜を効率よく破くという着想を得た。そして、このような着想に基づき、シミュレーション及び試作評価等を行って具体化を進めることにより、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明に係るラミネート型二次電池用電極部接触子は、前記課題解決のために、ラミネート型二次電池の電極タブに接触する、一対の導電体である接触部を、回動中心軸まわりに回動可能である、一対の絶縁体である保持部により保持してなる、ラミネート型二次電池用電極部接触子であって、一対の前記接触部が、少なくとも前記保持部の先端から突出する部分が矩形板状に形成された板ばねであり、前記回動中心軸から離れた前記接触部の先端の角部が、前記矩形の一辺である直線状であり、一対の前記角部同士が対向し、前記保持部が前記回動中心軸まわりに回動して前記接触部の先端が閉じられると、前記直線状の角部が前記電極タブの表面に接触し、前記一対の接触部により前記電極タブが挟持されると、前記接触部が弾性変形した状態となり、前記直線状の角部が線接触している前記表面を擦るとともに、前記角部が前記表面に食い込むことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、電極タブの表面に接触する接触部の先端が山切りカット形状(三角波状の凹凸形状)ではなく、矩形の一辺である直線状の角部であるので、接触部の先端が山切りカット形状である構成のように接触面積が小さくならないことから、接触抵抗が高くならないため、高電流時であっても電極タブが異常発熱することがない。
その上、一対の接触部が、少なくとも前記保持部の先端から突出する部分が矩形板状に形成された板ばねであり、一対の接触部により電極タブを挟持した状態では、板ばねである接触部が弾性変形し、接触部先端の直線状の角部が線接触している電極タブの表面を擦るとともに、接触部先端の角部が電極タブの表面に食い込むので、電極タブの表面の絶縁酸化皮膜を効率よく破くことができ、絶縁酸化皮膜を除去して確実な接触を得ることができることから、接触子の接触部が電極タブに安定して接触するため、接触不良を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係るラミネート型二次電池用電極部接触子によれば、一対の接触部を少なくとも保持部の先端から突出する部分が矩形板状に形成された板ばねとし、その先端の角部を前記矩形の一辺である直線状にしており、前記直線状の角部を電極タブの表面に接触させ、この状態からさらに加圧をすると、板ばねである接触部が弾性変形し、前記角部が前記表面を擦るとともに前記表面に食い込むので、(1)絶縁酸化皮膜を効率よく破くことができること、及び、(2)接触抵抗が高くならないこと、という二律背反の課題の両方を解決することができ、信頼性の高い、繰り返し使用可能なラミネート型二次電池用電極部接触子を得ることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係るラミネート型二次電池用電極部接触子の外観を示しており、(a)は接触部側斜め上方から見た斜視図、(b)は回転中心軸に対して接触部の反対側斜め上方から見た斜視図である。
図2】接触子の平面図及び接触部の要部拡大平面図である。
図3】(a)は接触部の角部まわりに作用する力及びたわみ角の説明図、(b)は接触部のたわみの説明図である。
図4】接触子による電極タブ表面の接触痕を示す図である。
図5】接触抵抗及び接触子温度等の実測結果を示す図である。
図6】本発明の実施の形態に係るラミネート型二次電池用電極部接触子を用いた装置の一例を示す斜視図であり、説明の都合上、一部の接触子の記載を省略している。
図7】(a)は従来のラミネート型二次電池用電極部接触子の斜視図、(b)は電極タブと接触部との接触状態を示す要部拡大断面図である。
図8】接触子による電極タブ表面の接触痕を示す図である。
図9】接触抵抗測定をするための評価回路の概略構成図である。
図10】接触抵抗及び接触子温度等の実測結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
【0014】
図1の斜視図及び図2の平面図に示すように、本発明の実施の形態に係るラミネート型二次電池用電極部接触子1は、ラミネート型二次電池の電極タブ9に接触する、一対の導電体である接触部2,2を、回動中心軸4まわりに回動可能である、一対の絶縁体である保持部3,3により保持しており、一対の接触部2,2は板ばねとされ、接触部2,2の、少なくとも保持部3,3の先端(遊端)から突出する部分は矩形板状であり、その先端(遊端)2A,2Aの角部2B,2Bは、矩形の一辺である直線状であり、接触部2,2の基端が保持部3,3に固定される。
また、保持部3,3が回動中心軸4まわりに回動可能であるため、保持部3,3の回動にともなって接触部2,2も回動し、保持部3,3の先端から突出する回動中心軸4から離れた接触部2,2の先端2A,2Aが開閉し、先端2A,2Aの内方の角部2B,2Bは対向する。
【0015】
さらに、保持部3,3における、回転中心軸4に対する接触部2,2の反対側には、開閉操作用の一対の引っ掛け部5,5が設けられる。
図6の斜視図に一例を示すラミネート型二次電池用電極部接触子1,1,…を用いた装置(開閉機構)は、アクチュエータ8により駆動される上板6及び下板7が逆方向へ移動するように構成されており、接触子1の一対の引っ掛け部5,5(図1(b)参照。)の一方の引っ掛け部5を上板6に係合させ、他方の引っ掛け部5を下板7に係合さることにより、アクチュエータ8を動作させて上板6及び下板7を駆動することにより、上板6及び下板7が逆方向へ移動して接触子1の一対の引っ掛け部5,5の間隔が広がるため、接触部2,2の先端2A,2Aを、図2(a)の矢印B,Bのように閉じることができる。
【0016】
ここで、板ばねである平板状の導電体である接触部2の材質は、体積抵抗率が低く、さらに耐力(比例限度)の高い金属(例えば、ばね用りん青銅等)が望ましい。また、接触部2を保持する絶縁体である保持部3の材質は、絶縁性はもちろん、板ばねである接触部2の基端を確実に保持するために、比較的剛性及び強度の高い合成樹脂(例えば、ポリフェニレンオキサイド(PPO)又はポリフェニレンサルファイド(PPS)等)が望ましい。
【0017】
図2及び図3(b)の説明図に示すX及びLを用いて、板ばねである接触部2のたわみ(先端2AからXの位置におけるたわみ)δは、一般的な弾性曲線方程式を用いて、次式(1)により求めることができる。
【0018】
δ=(F/(EI))・(X3/6−XL2/2+L3/3) (1)
【0019】
ここで、Eは接触部2の縦弾性係数、Iは接触部2の断面二次モーメントであり、Fは接触部2の先端2Aに掛かる荷重(接触部2の弾性変形による復元力)である。
【0020】
また、図3(a)の説明図に示す接触部2の先端2Aのたわみ角θは、一般的な弾性曲線方程式を用いて、次式(2)により求めることができる。
【0021】
θ=(F/(2EI))・(X2−L2) (2)
【0022】
さらに、板ばねである接触部2は、塑性変形を起こさない範囲で使用しなければならないので、曲げ応力の最大値σmaxは、次式(3)を満足する必要がある。
【0023】
σmax=(Mmax/Z)<σb (3)
【0024】
ここで、Mmaxは接触部2に掛かる曲げモーメントの最大値、Zは接触部2の断面係数、σbは使用材料の耐力(比例限度)である。
【0025】
接触子1の一対の引っ掛け部5,5が開閉機構により操作され、保持部3,3が回動中心軸4まわりに回動して接触部2,2の先端2A,2Aが閉じる方向へ移動すると、図2の要部拡大平面図の二点鎖線に示すように、接触部2,2の直線状の角部2B,2Bが電極タブ9の表面に接触する。
この状態からさらに保持部3,3を回動させると、図2の要部拡大平面図の実線に示すように、板ばねである接触部2,2が弾性変形し、直線状の角部2B,2Bが線接触している電極タブ9の表面を擦るとともに、角部2B,2Bが電極タブ9の表面に食い込んだ状態になる。
ここで、本発明の実施の形態に係る接触子1における接触部2,2の角部2B,2Bが電極タブ9の表面を擦る長さ(移動距離)Cは0.2mm程度である。
【0026】
また、図3(a)に示すように、角部2B,2Bが電極タブ9の表面を擦ろうとする力FT及び角部2B,2Bが電極タブ9の表面に食い込む力FNは、角部2Bが電極タブ9に接した状態から最終状態になるまで、接触部2の先端2Aに掛かる荷重(接触部2の弾性変形による復元力)F及び式(2)のたわみ角θにより時々刻々変化し、すなわち、FT=Fsinθ,FN=Fcosθとなる。
【0027】
本発明に係る接触子1は、一対の接触部2,2により電極タブ9を挟持すると、接触部2,2が弾性変形した状態となり、直線状の角部2B,2Bが線接触している電極タブ9の表面を擦るとともに、角部2B,2Bが電極タブの表面に食い込むように設計されるが、このような設計は、接触子1(接触部2,2及び保持部3,3等)の寸法上の制約及び式(3)の曲げ応力の最大値σmaxの制約を考慮して、接触部2の材質並びに接触部2及び保持部3の形状及び大きさ等をパラメータとして、式(1)のたわみδ、式(2)のたわみ角θ、接触部2の先端2Aに掛かる荷重(接触部2の弾性変形による復元力)F、角部2B,2Bが電極タブ9の表面を擦ろうとする力FT及び角部2B,2Bが電極タブ9の表面に食い込む力FN等を求めながら、総合的な判断に基づいて行うことができる。
【0028】
以上のような本発明の実施の形態に係るラミネート型二次電池用電極部接触子1の構成によれば、電極タブ9の表面に接触する接触部2,2の先端が、山切りカット形状(三角波状の凹凸形状)ではなく、直線状の角部2B,2Bであるので、接触部の先端が山切りカット形状である構成のように接触面積が小さくならないことから、接触抵抗が高くならないため、高電流時であっても電極タブが異常発熱することがない。
例えば、従来技術である図8と比較して、図4に示すように電極タブ表面の接触痕(面積)が大きくなる。このことから、接触抵抗を0.6mΩ程度に低減することができるため、30Aの電流を流した場合の図5の実測結果に示すように、接触子温度(接触部2の温度)上昇も25℃程度に抑えることができた。
【0029】
また、一対の接触部2,2が板ばねであり、一対の接触部2,2により電極タブ9を挟持した状態では、板ばねである接触部2,2が弾性変形し、図3(a)の力FTにより接触部2,2先端の直線状の角部2B,2Bが線接触している電極タブ9の表面を擦るとともに、図3(a)の力FNにより角部2B,2Bが電極タブ9の表面に食い込むので、電極タブ9表面の絶縁酸化皮膜を効率よく破くことができ、絶縁酸化皮膜を除去して確実な接触を得ることができることから、接触部2,2が電極タブ9に安定して接触するため、接触不良を防止することができる。
【符号の説明】
【0030】
C 接触部角部電極タブの表面を擦る長さ(移動距離)
F 接触部の弾性変形による復元力
FN 電極タブに垂直に掛かる力
FT 電極タブ表面を擦ろうとする力
1 本発明のラミネート型二次電池用電極部接触子
2 接触部
2A 先端
2B 角部
3 保持部
4 回動中心軸
5 開閉用引っ掛け部
6 上部板
7 下部板
8 アクチュエータ
9 電極タブ
10 絶縁酸化皮膜
11 従来のラミネート型二次電池用電極部接触子
12 接触部
12A 山切りカット形状(三角波状の凹凸形状)
13 保持部
14 回動中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10