(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700320
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】防水イヤホンジャック
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20150326BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20150326BHJP
H01R 24/38 20110101ALI20150326BHJP
【FI】
H01R13/52 A
H04R1/10 104F
H01R24/38
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-513032(P2014-513032)
(86)(22)【出願日】2011年12月13日
(65)【公表番号】特表2014-520358(P2014-520358A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】CN2011083868
(87)【国際公開番号】WO2012097654
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2013年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】509296306
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 学▲龍▼
【審査官】
関 信之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−003442(JP,A)
【文献】
特開2000−164282(JP,A)
【文献】
特開2009−252704(JP,A)
【文献】
特表2009−516901(JP,A)
【文献】
特開2010−182602(JP,A)
【文献】
実開平06−023176(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/52
H01R 24/38
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホンジャックコネクタハウジングと接触端子とバッフルとを備えている防水イヤホンジャックコネクタにおいて、
前記イヤホンジャックコネクタハウジングには、前記イヤホンジャックコネクタハウジングを貫通して延伸している空間が形成されており、前記空間が、イヤホンプラグを収容するために利用され、
前記バッフルが、前記イヤホンジャックコネクタハウジングの尾部開口部に配設されており、前記イヤホンジャックコネクタハウジングの前記尾部開口部に密接状態で接触しており、これにより、前記イヤホンジャックコネクタハウジングの前記尾部開口部を密閉されており、
前記接触端子が、前記空間の内壁を密接状態で押圧しており、前記バッフルに形成された穴から貫通しており、前記穴の形状が、前記接触端子の断面に適合しており、これにより、前記接触端子によって前記穴が塞がれており、
前記イヤホンジャックコネクタが、前記イヤホンジャックコネクタハウジングの尾部に配設された接触プレートを備えており、
前記接触端子の一部分が、前記穴から貫通しており、前記接触プレートの下面を密接状態で押圧しており、前記接触プレートの前記下面が、前記イヤホンジャックコネクタハウジングの前記尾部開口部が配置されている側と同一の側に配置されている表面であることを特徴とする防水イヤホンジャックコネクタ。
【請求項2】
前記接触プレートの上面と前記イヤホンジャックコネクタハウジングの前記尾部の上面とが、同一の水平面に配置されており、
前記接触プレートの前記上面が、前記接触プレートの前記下面の反対側の表面であることを特徴とする請求項1に記載の防水イヤホンジャックコネクタ。
【請求項3】
前記接触端子が、マイクロホン端子と接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とを備えており、
前記マイクロホン端子と前記接地端子と前記右側音響チャネル端子と前記左側音響チャネル端子と前記スイッチ端子とのうち一部が、前記穴から貫通しており、一列に位置合わせされているか、又は、
前記マイクロホン端子と前記接地端子と前記右側音響チャネル端子と前記左側音響チャネル端子と前記スイッチ端子とのうち一部が、前記穴から貫通しており、少なくとも二列に位置合わせされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防水イヤホンジャックコネクタ。
【請求項4】
イヤホンジャックの開口部が、前記イヤホンジャックコネクタハウジングの先頭部分の断面に配設されており、
前記イヤホンジャックコネクタハウジングの前記先頭部分の前記断面が、水平な端面又は弧状の端面とされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の防水イヤホンジャックコネクタ。
【請求項5】
前記イヤホンジャックコネクタハウジングには、少なくとも1つの固定片が配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の防水イヤホンジャックコネクタ。
【請求項6】
前記固定片には、ネジ穴が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の防水イヤホンジャックコネクタ。
【請求項7】
前記イヤホンプラグの直径が、2.5mm又は3.5mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の防水イヤホンジャックコネクタ。
【請求項8】
前記イヤホンジャックコネクタハウジングが、プラスチック材料をプレス加工することによって形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の防水イヤホンジャックコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品の技術分野に関する。より具体的には、本発明は、防水イヤホンジャックコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品は、軽量薄型化され、より多くの機能を搭載すべく脈々と発展している。イヤホンジャックコネクタも、電子製品に適合すべく脈々と発展している。現在、携帯電話、形態インターネット装置(Mobile Internet Devices, MID)、パームトップコンピュータ、MP3やMP4のような防水電子製品において、イヤホンジャックコネクタ自体は防水に対応していない。既存のイヤホンジャックコネクタの接触端子は、イヤホンジャックコネクタの底面又は側面においてプラスチックホールから延伸されているので、水がイヤホンジャックコネクタのイヤホンジャックに流入した後に、水がイヤホンジャックコネクタの底面又は側面においてプラスチックホールに沿って電子製品内部の回路基板に流入する場合がある。イヤホンジャックコネクタの防水を実現するために、従来技術では、防護ストッパや構造部材をイヤホンジャックコネクタに組み込むことによってブロックを形成し、これにより、水がイヤホンジャックコネクタの底面又は側面においてプラスチックホールに沿って電子製品内部の回路基板に流入することを防止していた。
【0003】
防護ストッパや構造部材をイヤホンジャックコネクタに追加すれば、防水の役割が果たされるが、イヤホンジャックの大型化を招く原因となる。このようなことは、電子製品の薄型化にとって望ましくない。
【0004】
上述の欠点に鑑みて、本発明の実施例は防水イヤホンジャックコネクタを提供するものであり、イヤホンジャックコネクタ自体が防水機能を備えている。
【0005】
防水イヤホンジャックコネクタが、イヤホンジャックコネクタハウジングと接触端子とバッフルとを備えており、
イヤホンジャックコネクタハウジングには、イヤホンジャックコネクタハウジングを貫通して延伸している空間が形成されており、空間が、イヤホンプラグを収容するために利用され、
バッフルが、イヤホンジャックコネクタハウジングの尾部開口部に配設されており、イヤホンジャックコネクタハウジングの尾部開口部に密接状態で接触しており、これにより、イヤホンジャックコネクタハウジングの尾部開口部を密閉しており、
接触端子が、空間の内壁を密接状態で押圧しており、バッフルに形成された穴から貫通しており、穴の形状が、接触端子の断面に適合しており、これにより、接触端子によって穴が塞がれている。
【0006】
本発明の実施例では、
防水イヤホンジャックコネクタのイヤホンジャックコネクタハウジングには、イヤホンジャックコネクタハウジングを貫通して延伸している空間が形成されており、空間が、イヤホンプラグを収容するために利用され、バッフルが、イヤホンジャックコネクタハウジングの尾部開口部に配設されており、イヤホンジャックコネクタハウジングの尾部開口部に密接状態で接触しており、これにより、イヤホンジャックコネクタハウジングの尾部開口部が密閉されており、接触端子が、空間の内壁を密接状態で押圧しており、バッフルに形成された穴から貫通しており、これにより、防水イヤホンジャックコネクタ自体が防水機能を発揮することができる。防護ストッパや構造部材を、本発明の当該実施例における防水イヤホンジャックコネクタに組み込むことを必要としないので、超薄型のデザインコンセプトを維持することができる。これにより、イヤホンジャックコネクタの大きさを大きくすることなく、電子製品の薄型化を容易に実現することができる。
【0007】
本発明の実施例において技術的解決手段を明確に説明するために、当該実施例を説明するために必要な図面が本明細書に添付されている。明白ではあるが、以下に説明する添付図面は、本発明の幾つかの実施例であるにすぎず、当業者であれば、特段の苦労もなく添付図面から他の実施形態を想到することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一の実施例における防水イヤホンジャックコネクタの
側面図である。
【
図2】
図1に表わす防水イヤホンジャックコネクタの
他の側面図である。
【
図3】回路基板に接触搭載された
図1に表わす防水イヤホンジャックコネクタの概略図である。
【
図4】
図1に表わす防水イヤホンジャックコネクタの他の頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例における技術的解決手段について、本発明の実施例を表わす添付図面を参照しつつ、明確に且つ十分に以下に説明する。明白ではあるが、説明する実施例は、本発明のすべての実施例ではなく一部の実施例にすぎない。当業者が本発明の実施例に基づいて容易に想到することができるすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に属するものである。
【0010】
本発明の一の実施例は、防水イヤホンジャックコネクタを提供する。当該防水イヤホンジャック自体が防水機能を備えているので、電子製品の薄型化を容易に実現することができる。本発明に関して、特定の実施例を通じて以下に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一の実施例における防水イヤホンジャックコネクタの
側面図であり、
図2は、
図1に表わす防水イヤホンジャックコネクタの
他の側面図である。本発明の当該実施例における防水イヤホンジャックコネクタは、イヤホンジャックコネクタハウジング1と接触端子20とバッフル30とを含んでいる。
【0012】
イヤホンジャックコネクタハウジング1には、イヤホンジャックコネクタハウジング1を貫通して延伸している空間10が形成されており、空間10は、イヤホンプラグを収容するために利用される。
【0013】
バッフル30は、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部に配置されており、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部に密接状態で接触しているので、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部は密閉されている。
【0014】
接触端子20は、空間10の内壁を密接状態で押圧しており、バッフル30に形成されている穴から貫通している。当該穴の形状は、接触端子20の断面に適合しているので、当該穴は、接触端子20によって塞がれている。
【0015】
本発明の当該実施例では、バッフル30が、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部に密接状態で接触している。すなわち、具体的には、バッフル30の形状が、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部の形状に適合しており、バッフル30がイヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部に配置された状態において、バッフル30は、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部を密閉しているので、防水機能が発揮される。言い換えれば、水が、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部を通じて、電子製品内部の回路基板に侵入することはできない。
【0016】
本発明の当該実施例では、接触端子20によって穴が塞がれている。言い換えれば、穴は接触端子20の断面によって完全に密閉されており、穴と接触端子20の断面との間には間隙が存在しない。
【0017】
本発明の当該実施例では、防水イヤホンジャックコネクタのイヤホンジャックコネクタハウジング1には、イヤホンジャックコネクタハウジング1を貫通して延伸している空間10が形成されており、空間10が、イヤホンプラグを収容するために利用される。一方、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部に配設されているバッフル30は、イヤホンジャックコネクタ1の尾部開口部に密接状態で接触しているので、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部と空間10の内壁を密接状態で押圧している接触端子20とが密閉されており、バッフル30は、バッフル30に形成された穴から貫通しており、穴を塞いているので、防水イヤホンジャックコネクタ自体が防水機能を発揮することができる。防水を目的として、防護ストッパや構造部材を、本発明の当該実施例における防水イヤホンジャックコネクタに組み込むことを必要としないので、超薄型のデザインコンセプトを維持することができる。これにより、イヤホンジャックコネクタの大きさを大きくすることなく、電子製品の薄型化を容易に実現することができる。
【0018】
任意の実施形態としては、本発明の実施例における防水イヤホンジャックコネクタにおいて、イヤホンジャックコネクタハウジング1には、少なくとも1つの固定片が配設されており、固定片は、イヤホンジャックコネクタハウジング1と電子製品のケースとを固定するために利用され、これにより、イヤホンジャックコネクタハウジング1の取付安定性を改善することができる。
【0019】
例えば
図1及び
図2に表わすように、本発明の実施例における防水イヤホンジャックコネクタでは、イヤホンジャックコネクタハウジング1の中央部分には、左側固定片40と右側固定片50とが配設されている。さらに、左側固定片40と右側固定片50とは対称に配置されており、左側固定片40及び右側固定片50それぞれには、ネジ穴60が形成されている。
【0020】
左側固定片40のネジ穴60と右側固定片50のネジ穴60とを貫通するようにネジを利用することによって、イヤホンジャックコネクタハウジング1と電子製品のケースとが共に固定されており、これにより、イヤホンジャックコネクタハウジング1の取付安定性を改善することができる。
【0021】
任意の実施形態としては、ケースの幾つかの特別な構造配置と協働するために、左側固定片40と右側固定片50とが、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部又はイヤホンジャックコネクタハウジング1の先頭部分に近接した他の位置に配設されている場合がある。しかしながら、本発明は、このような構成に限定される訳ではない。
【0022】
任意の実施形態としては、ケースの幾つかの特別な構造配置と協働するために、イヤホンジャックコネクタハウジング1には、左側固定片40及び右側固定片50のうち一方の固定片のみであってもイヤホンジャックコネクタハウジング1と電子製品のケースとを固定することができる限り、左側固定片40及び右側固定片50のうち一方の固定片のみが配設されている場合がある。しかしながら、本発明は、このような構成に限定される訳ではない。
【0023】
任意の実施形態としては、ケースの幾つかの特別な構造配置と協働するために、イヤホンジャックコネクタハウジング1は、少なくとも2つの左側固定片40と少なくとも2つの右側固定片50とが配設されている場合がある。これにより、イヤホンジャックコネクタハウジング1と電子製品のケースとを一層良好に固定することができる。しかしながら、本発明は、このような構成に限定される訳ではない。
【0024】
任意の実施形態としては、ケースの幾つかの特別な構造配置と協働するために、左側固定片40及び右側固定片50には、複数のネジ穴60が形成されている場合がある。これにより、イヤホンジャックコネクタハウジング1と電子製品のケースとを一層良好に固定することができる。しかしながら、本発明は、このような構成に限定される訳ではない。
【0025】
任意の実施形態としては、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部に配設されているバッフル30と、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部と間に、小さい間隙が存在する場合には、防水接着剤を利用することによって当該間隙が密閉されるので、水が空間10に流入した場合であっても、水は、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部を通じて、電子製品内部の回路基板に依然として侵入することができない。同様に、接触端子20とバッフル30に形成された穴との間に小さい間隙が存在する場合には、防水接着剤を利用することによって当該間隙も密閉されるので、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部全体が完全密閉構造となる。
【0026】
図1及び
図2に表わすように、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部には、接触プレート160が配設されている。任意の実施形態としては、バッフル30の穴から貫通している接触端子20の一部分が、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部に配設された接触プレート160の下面160Aを密接状態で押圧している場合がある。下面160Aは、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部開口部が形成されている側と同一の側に配設されている表面である。さらに、当該実施形態では、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部に配設された接触プレート160の上面160Bと、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部の上面とは、同一の水平面に配置されており、接触プレート160の上面160Bは、下面160Aの反対側の表面である。当該実施形態を利用することによって、防水イヤホンジャックコネクタを具備する電子製品の薄型化を容易に実現することができる。接触プレート160の上面160Bとイヤホンジャックコネクタハウジング1の上面とが同一平面に配置されている場合には、防水イヤホンジャックコネクタを回路基板に接触搭載した後の全体における厚さが最小限度に抑えられるので、防水イヤホンジャックコネクタを具備する電子製品の薄型化を容易に実現することができる。
【0027】
図3は、
図1に表わす防水イヤホンジャックコネクタを電子製品内部の回路基板に接触搭載した状態の概略図である。
図3に表わすように、防水イヤホンジャックコネクタの接触プレート160の上面160Bとイヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部の上面とは、同一の水平面に配置されており、防水イヤホンジャックコネクタを回路基板に接触搭載した後に、防水イヤホンジャックコネクタの接触プレート160の下面160Aを密接状態で押圧している接触端子20が、回路基板の信号端子に接続されている。防水イヤホンジャックコネクタの防水イヤホンジャックコネクタハウジング1と回路基板とが重なっている部分の厚さが最大とされ、防水イヤホンジャックコネクタの防水イヤホンジャックコネクタハウジング1が回路基板の側方に配置されている。これにより、防水イヤホンジャックコネクタを回路基板に接触搭載した後において、回路基板と防水イヤホンジャックコネクタとの全体の厚さが最小となるので、防水イヤホンジャックコネクタを具備する電子製品の薄型化を容易に実現することができる。
【0028】
例えば接触プレート160の上面160Bがイヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部の上面より下方に位置している場合には、防水イヤホンジャックコネクタを回路基板に接触搭載した後において、防水イヤホンジャックコネクタと回路基板とが重なっている部分の厚さが比較的小さいので、防水イヤホンジャックコネクタを回路基板に接触搭載した後における全体の厚さは比較的大きくなる。このような状況は、防水イヤホンジャックコネクタを具備する電子製品の薄型化にとって望ましくない。
【0029】
また、明らかではあるが、電子製品のさらなる薄型化を考慮する必要が無い状況下においては、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部に配設された接触プレート160の上面160Bは、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部の上面より下方に位置している。しかしながら、本発明の当該実施例は、このような構成に限定される訳ではない。このようにして、防水イヤホンジャックコネクタ自体が、防水機能を発揮させることができるので、防水を目的として、防護ストッパや構造部材を、本発明の当該実施例における防水イヤホンジャックコネクタに組み込むことを必要としない。
【0030】
本発明の実施例における防水イヤホンジャックコネクタでは、接触端子20は、マイクロホン端子と接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とを含んでいる。一般に、マイクロホン端子は、イヤホンジャックの底壁に配置されており、接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とは、イヤホンジャックの側壁に配置されている。実際の利用では、マイクロホン端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離が最小とされ、
図1に表わす接触端子がマイクロホン端子であり、接地端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離がマイクロホン端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離より僅かに大きい。さらに、右側音響チャネル端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離が接地端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離より僅かに大きく、左側音響チャネル端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離が右側音響チャネル端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離より僅かに大きい。そして、スイッチ端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離が左側音響チャネル端子とイヤホンジャックの開口縁部との距離より僅かに大きい。
【0031】
任意の実施形態としては、マイクロホン端子と接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とのうち一部が、バッフル30に形成された穴から貫通しており、
図2に表わすように一列に位置合わせされている場合がある。すなわち、マイクロホン端子と接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とのうち一部が、バッフル30に形成された穴から貫通しており、一列に位置合わせされており、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部に配設された接触プレート160の下面160Aを密接状態で押圧している場合がある。
【0032】
任意の実施形態としては、マイクロホン端子と接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とのうち一部が、バッフル30に形成された穴から貫通しており、
図4に表わすように少なくとも二列に位置合わせされている場合がある。
図4は、
図1に表わす防水イヤホンジャックコネクタの他の上面図である。すなわち、マイクロホン端子と接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とのうち一部が、バッフル30に形成された穴から貫通しており、少なくとも二列に位置合わせされており、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部に配設された接触プレート160の下面160Aを密接状態で押圧している場合がある。
【0033】
任意の実施形態としては、マイクロホン端子と接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とのうち一部が、バッフル30に形成された穴から貫通しており、他の態様で位置合わせされており、イヤホンジャックコネクタハウジング1の尾部に配設された接触プレート160の下面160Aを密接状態で押圧している場合がある。しかしながら、本発明は、このような構成に限定される訳ではない。
【0034】
任意の実施形態としては、マイクロホン端子と接地端子と右側音響チャネル端子と左側音響チャネル端子とスイッチ端子とのうち一部が、バッフル30に形成された穴から貫通しており、溶着又は弾性接触によって回路基板の信号端子に接続されている場合がある。
【0035】
図1に表わすように、イヤホンプラグを収容するために利用される空間10の開口部は、イヤホンジャックコネクタハウジング1の先頭部分の断面に配設されている。任意の実施形態としては、イヤホンジャックコネクタハウジング1の先頭部分の断面が、水平な端面又は弧状の端面である。しかしながら、本発明は、このような構成に限定される訳ではない。特に、イヤホンジャックコネクタハウジング1の先頭部分の断面が弧状の端面である場合には、イヤホンジャックコネクタハウジング1の先頭部分の断面がケースの外形に良好に適合するので、弧状の断面をケースの外形に適用することができる。これにより、ケースの美的外観をさらに改善することができる。
【0036】
本発明の実施例における防水イヤホンジャックコネクタでは、イヤホンプラグの直径が2.5mm又は3.5mmである。しかしながら、本発明は、このような構成に限定される訳ではない。本発明の実施例における防水イヤホンジャックコネクタは、携帯電話、コンピュータ、MID、パームトップコンピュータ、MP3、MP4、及びイヤホンジャックコネクタの取り付けを必要とする他の電子製品に適用可能とされる。
【0037】
任意の実施形態としては、イヤホンジャックコネクタハウジング1は、プラスチック材料をプレス加工することによって形成される場合があり、この場合には、イヤホンジャックコネクタハウジング1は、水や他の液体の侵食を防止することができる。
【0038】
結論として、本発明の実施例における防水イヤホンジャックコネクタ自体が、防水機能を発揮させることができ、防護ストッパや構造部材を防水イヤホンジャックコネクタに組み込むことを必要としないので、イヤホンジャックコネクタの大きさを大きくすることなく、電子製品の薄型化を容易に実現することができる。
【0039】
以上、本発明における防水イヤホンジャックコネクタについて詳述した。当業者であれば、本発明の実施例に関する概念に従って実施形態及び適用範囲を変更することができる。結論として、本明細書の内容は、本発明を限定的に解釈するためのものではない。
【符号の説明】
【0040】
1 イヤホンジャックコネクタハウジング
10 空間
20 接触端子
30 バッフル
40 左側固定片
50 右側固定片
60 ネジ穴
160 接触プレート
160A (接触プレート160の)下面
160B (接触プレート160の)上面