(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の搬送用チェーンカバーでは、搬送用チェーンに対しての装着や取り外しの際に煩雑な作業を要することになる。即ち、搬送用チェーンカバーを搬送用チェーンへと装着しようとする際には、搬送用チェーンの上部に上記二の側壁の各端側を宛がった状態で搬送用チェーンカバーを載置し、作業者の手で搬送用チェーンカバーの主壁の天面から搬送用チェーンの側に向けて押圧することが必要であり、搬送用チェーンカバーを搬送用チェーンに装着するためには大きな力で主壁の天面を押圧することが必要である。
【0007】
また、搬送用チェーンカバーを搬送用チェーンから取り外す場合には、周りの搬送用チェーンや搬送用チェーンカバーなどを抑えながら、取り外そうとする搬送用チェーンカバーにおける主壁の両端部分あるいは両側壁を挟持した状態で、これを上方へと引き抜くことが必要となる。この際にも、引き抜きのために大きな力が必要となる。特に、既設の搬送用チェーンに対して新たに搬送用チェーンカバーを取り付けたり、取り換えたりする際には、上記のように煩雑な作業を必要とするために、搬送装置を含むラインなどを長時間停止させる必要が生じ問題となる。
【0008】
なお、搬送装置の使用時においては、搬送用チェーンと搬送用チェーンカバーとの間にガタつきを生じることがないようにする必要があるので、装着および取り外しのためだけに、搬送用チェーンに対して搬送用チェーンカバーの主壁および両側壁が隙間を有するようにすることはできない。
本発明は、上記のような問題の解決を図るべくなされたものであって、装着および取り外しに際して煩雑な作業を伴わず、優れた作業性を以って装着および取り外しができる搬送用チェーンカバーおよびこれを備える搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用することを特徴とする。
本発明に係る搬送用チェーンカバーは、搬送用チェーンの各駒に着脱自在である構成を有する。本発明に係る搬送用チェーンカバーは、一の主壁と二の側壁とが、それら内面でコの字状の横断面プロファイルを構成するように一体に形成されており、搬送用チェーンの駒の上部に対しては、主壁の内面が当接し、搬送用チェーンの駒の両側部に対しては、二の側壁の各内面が当接されるようになっている。そして、本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、主壁の外面側に、搬送用チェーンの延伸方向に沿って延び、両端が解放された溝部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る搬送装置は、上記本発明に係る搬送用チェーンカバーを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、主壁の外面側に、搬送用チェーンの延伸方向に沿って延び、両端が解放された溝部が形成されているので、溝部が形成されていない上記従来技術に係る搬送用チェーンカバーに比べて、溝部の延伸方向に対して交差する方向(幅方向)の両外から力を加えた場合に、主壁が撓み易い。即ち、外面側に設けた溝部により、外力に対する剛性を低減することができ、溝底部分を中心として撓ませることが容易となる。
【0012】
よって、本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、搬送用チェーンに対して装着する際に、プライヤーなどを用いて主壁における幅方向の両外から力を加えることにより主壁を撓ませることができ、これにより二の側壁の開口端を外側へと開かせることができる。搬送用チェーンから搬送用チェーンカバーを取り外す場合にも同様の作業で行うことが可能である。
【0013】
従って、本発明に係る搬送用チェーンカバーは、装着および取り外しに際して煩雑な作業を伴わず、優れた作業性を以って装着および取り外しができる。
さらに、本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、搬送用チェーンのリターン部において、ベースとなるフレームなどに溝部に合致するレールなどを設けておくことで、搬送用チェーンのリターン時における搬送用チェーンの振れを効果的に防止することができる。
【0014】
また、搬送用チェーンのリターン時において、搬送用チェーンは自重により鉛直方向下向きに弛むが、この場合においても、溝部が形成された搬送用チェーンカバーの装着により、レールと搬送用チェーンとが直接接触することを防ぐことができる。
従って、本発明に係る搬送用チェーンカバーを採用する場合には、リターン時における搬送用チェーンの振れにより、例えば、スプロケットから搬送用チェーンが外れたり、あるいは、搬送用チェーンが他の機器などに当ったりすることで搬送用チェーンや搬送用チェーンカバーなどに傷が付いたりすることが防止されるとともに、リターン時におけるレールとの当接に起因する搬送用チェーンの損傷・摩滅などを防ぐことができる。
【0015】
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、例えば、次のようなバリエーションを採用することができる。
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、上記二の側壁の各々が、主壁における搬送用チェーンとの当接面から立設された形態を有し、横断面での主壁の幅が、二の側壁の間隔よりも広いという構成を採用することができる。このような構成を採用する場合には、搬送用チェーンカバーを撓ませる際の力点である主壁の幅方向両外間の間隔を広くすることができ、小さな力を入力するだけで効果的に二の側壁の開口端を開かせることができる。よって、搬送用チェーンとの着脱に際して、さらに作業性を高めるのに効果を有する。
【0016】
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、主壁の外面側には、凹部が形成されており、凹部は、搬送対象ワークに当接する当接部材の嵌め込みを受け入れ、当該当接部材を掛止する構成であるという構成を採用することができる。このような凹部を設ける場合には、搬送対象となるワークの種類や、その搬送形態などに応じて、嵌め込む部材を選択することができる。例えば、搬送対象ワークの底面との接触抵抗を小さくしようとする場合には、金属などからなる円柱状あるいは円筒状や球形状の部材を選択し、嵌め込むことができる。この場合には、ストッパなどで一時的に搬送対象ワークが停止状態にあるときにも、搬送用チェーンカバーの上面と搬送対象ワークの底面とが直接接触せず、搬送対象ワークの底面に擦り傷などが付き難い。
【0017】
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、当接部材が円柱状の部材であって、この場合に、凹部が、搬送用チェーンの延伸方向に対して直交する円弧溝であって、その円弧の中心が、主壁の外面側の開口よりも溝深さ方向の内方にあるという構成を採用することができる。このように円弧の中心が溝深さ方向の内方にある円弧溝である場合、当接部材として円柱状の部材を嵌め込む際に、当接部材が外部へと抜け落ちないようにすることができ、また、回転自在の状態で円柱状の当接部材を掛止することができる。よって、搬送対象ワークの底面に擦り傷が付くのを効果的に防止することができる。
【0018】
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、凹部が、当接部材の抜け落ち防止のために、軸方向の両端が閉じられているという構成とすることもできる。これにより、当接部材に対して軸方向に力が働いた場合にあっても、搬送用チェーンカバーから当接部材が抜け落ちるという事態を回避することができる。
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、凹部の深さが、円柱状の部材の断面半径よりも深く、且つ、断面直径よりも浅いという構成を採用することができる。これにより、特に掛止のための構成部を設けなくても、駆動中における当接部材の抜け落ちを効果的に防止することができる。
【0019】
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、当接部材が球形状の部材であり、凹部が、当接部材の球形状に対応した形状の空間を有し、その球中心が、主壁の外面側の開口よりも深さ方向の内方にあるという構成を採用することができる。このように球形状の当接部材の嵌め込みを受け入れることができる搬送用チェーンカバーでは、当接部材の嵌め込みにより、搬送用チェーンの搬送方向とは異なる方向への搬送対象ワークの移動・移載も可能となり、搬送ラインを含むライン全体での設計の自由度を高くすることができる。
【0020】
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、凹部の開口における少なくとも一部が、溝部の開口と重畳しているという構成を採用することもできる。このような構成を採用する場合には、当接部材の嵌め込みに際して、主壁の撓みを用いることが可能となり、当接部材の嵌め込み作業を容易なものとすることができる。
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、溝部の一部が円弧溝になっており、その円弧の中心が、主壁の外面側の開口よりも溝深さ方向の内方にあるという構成を採用することができる。このような構成を採用する場合には、円弧溝となった部分に対して、円柱状あるいは円筒状の当接部材を嵌め込むことができ、搬送対象ワークを搬送方向と直交する方向へ移載する際に、効果的である。また、移載の際の搬送対象ワークの底面に傷が付くのを防止することができる。
【0021】
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、円弧溝の部分における主壁の外面側の開口幅が、溝部における他の部分における主壁の外面側の開口幅よりも広いという構成を採用することができる。このような構成を採用する場合には、嵌め込んだ当接部材が、その軸芯方向への移動により抜け落ちるのを防止することができる。
本発明に係る搬送用チェーンカバーでは、上記構成において、樹脂材料を用い形成されているという構成を採用することができる。これにより、簡易に製造することが可能となり、製造コストの低減を図るのに更に優位である。
【0022】
本発明に係る搬送装置については、上記本発明に係る搬送用チェーンカバーを備えることから、上記同様の効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明を実施するための数例の形態について、図面を参酌しながら説明する。
なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための例として用いるものである。よって、本発明は、その本質的な特徴部分を除き、以下の形態に何ら限定を受けるものではない。
【0025】
[実施の形態1]
1.搬送装置1の概略構成
実施の形態1に係る搬送装置1の概略構成について、
図1を用い説明する。
図1に示すように、搬送装置1では、ともにX軸方向に延設されたフレーム10,20を有する。フレーム10,20は、互いの間を連結フレーム30およびボルト31により連結されている。ボルト31は、フレーム10,20における溝10a,・・に挿入されたナットで螺結されている。
【0026】
フレーム10,20における各X軸方向両端には、スプロケット部40,41,42,43が取り付けられている。スプロケット部40,41,42,43の各々には、内部にスプロケットが収納されており、スプロケットは、シャフト50,51に固定されている。
X軸方向右奥側のスプロケット部41には、駆動チェーン部61が取り付けられ、内部には、シャフト51の回転に合わせて駆動する駆動チェーンが収納されている。駆動チェーンは、フレーム10,20のZ軸方向下部に設けられたモータブロック60内に収納された駆動モータに接続されている。
【0027】
フレーム10,20およびその両端に取り付けられたスプロケット部40,41,42,43に対しては、それぞれ搬送部11,21がX軸方向に向けて駆動するようになっている。搬送部11,21のそれぞれは、ループをなして構成されている。
搬送装置1では、上記構成により、搬送部11,21上に載置されたワークを、例えば、X軸方向に移送する。
【0028】
2.搬送部11,21の構成
搬送部11,21の構成について、
図2を用い説明する。なお、
図2では、搬送部11だけを図示している。
図2に示すように、搬送部11は、搬送用チェーン110と、搬送用チェーン110の駒毎に装着されたチェーンカバー111との組み合わせを以って構成されている。
【0029】
チェーンカバー111は、樹脂材料を用い、搬送用チェーン110の上部を覆う主壁111aと、その両端辺から垂下する状態であって、搬送用チェーン110の側部に沿う側壁111b,111cとが一体に構成されている。チェーンカバー111は、搬送用チェーン110に装着される内側部分111gが、略コの字状に形成されており、また、両側壁111b,111cには、孔111hが設けられている。チェーンカバー111は、搬送用チェーン110のリンクピン110aの突端に対して孔111hを以って干渉を避けることができるようになっている。また、リンクピン110aの突端が孔111hに挿入されることにより、搬送用チェーン110の駒に対するチェーンカバー111の位置ズレをある程度防ぐことができる。
【0030】
チェーンカバー111の主壁111aの上面部111d,111eの間には、X軸方向に延伸する溝部111fが形成されている。溝部111fは、主壁におけるY軸方向での幅の中央領域に設けられており、X軸方向の両端が解放された状態となっている。
図2に示すように、搬送用チェーン110に対して装着された複数のチェーンカバー111は、搬送用チェーン110が直線状に整列する状態においては、互いの間に略隙間がない状態となっている。
【0031】
3.搬送用チェーン110に対するチェーンカバー111の着脱
搬送用チェーン110に対するチェーンカバー111の着脱方法について、
図3を用い説明する。
図3(a)に示すように、外部から力を加えない状態では、主壁111aと二の側壁111b,111cとの内側部分111g側の内面は、コの字状となっており、側壁111bと側壁111cとの各爪部111iの間隔がW
1となっている。側壁111bと側壁111cとの爪部111iを除く内側の間隔は、搬送用チェーン110の幅W
3(
図3(b)を参照。)に対応しており、装着時に隙間を生じないようになっている。なお、各側壁111b,111cの開口端に設けられた各爪部111iは、搬送用チェーン110の各駒に対して掛止される。
【0032】
次に、
図3(b)に示すように、チェーンカバー111を搬送用チェーン110に装着しようとする際には、先ず、チェーンカバー111における主壁111aのY軸方向(幅方向)両外を、プライヤー500などによりY軸方向に押圧する。このような力を作用させると、
図3(b)に示すように、チェーンカバー111は、その主壁111aが下向きに凸の弓形に撓む。なお、
図3(b)では、主壁111aが撓んでいることを分かりやすくするために、実際よりも撓みの程度を大きく描いている。
【0033】
上記のように、主壁111aが弓形に撓むと、これに伴い、側壁111b,111cがハの字状に開き、開口端(爪部111iが形成された箇所)の間隔が、搬送用チェーン110の幅W
3よりも広いW
2となる。そして、この状態で、チェーンカバー111を搬送用チェーン110に被せることにより、搬送用チェーン110へのチェーンカバー111の装着が完了する。
【0034】
なお、チェーンカバー111を搬送用チェーン110から取り外す場合にも、上記同様に、主壁111aを撓ませることにより、側壁111b,111cの開口端をハの字状に拡げる。
以上のように、本実施の形態に係るチェーンカバー111では、主壁111aの上面部111dと上面部111eとの間に溝部111fを設けることにより、煩雑な作業を伴うことなく、また、大きな力を要することなく、搬送チェーン110に対するチェーンカバー111の着脱を行うことができる。
【0035】
4. 搬送部11,21の搬送動作
搬送部11,21の搬送動作について、
図4を用い説明する。
図4は、搬送部11の構成を示すために、フレーム10の断面を示した図である。搬送部21については、同様の構成となっている。
図4に示すように、搬送部11では、チェーンカバー111が、搬送用チェーン110の各駒に装着されている。そして、チェーンカバー111には、搬送用チェーン110の搬送方向(誌面に垂直な方向)に沿って、溝部111fが形成されている。
【0036】
図4に示すように、フレーム10における上部の中空部10cには、紙面に垂直な方向に延伸するレール100が設けられている。搬送用チェーン110は、レール100に沿って駆動する。
一方、フレーム10の下部の中空部10dには、同じく紙面に垂直な方向に延伸するレール101が設けられている。レール101は、フレーム10の下端部10eに取り付けられたプレート103に対してねじ102により固定されている。
【0037】
レール101は、リターン側の搬送部11のY軸方向の振れを防止する目的、およびリターン時におけるレール101との当接による搬送用チェーンの損傷や摩滅を防止する目的などで設けられている。即ち、搬送用チェーン110を含む搬送部11では、リターン側においてY軸方向に振れることが考えられる。例えば、外部からの衝撃や、搬送するワークによる力の付加などにより、搬送部11がY軸方向およびZ軸方向に振れることがある。そして、振れ幅がある程度以上に大きくなった場合には、搬送用チェーン110がスプロケットから外れてしまうといった事態も生じ得る。
【0038】
これに対して、本変形例においては、中空部10dに設けられたレール101によって溝部111fを介して、搬送部11のY軸方向の振れが規制されるようになっている。これより、上記のような搬送部11がスプロケットから外れてしまうといった事態の防止が図られる。
また、搬送用チェーン110のリターン時において、搬送用チェーン110は、Z軸方向下向きに弛みを生じる。このとき、搬送用チェーン110が直接レール101に当接すると、搬送用チェーン110が損傷や摩滅することが考えられる。
【0039】
これに対して、本実施の形態では、搬送用チェーン110に対してチェーンカバー111を装着しているので、搬送用チェーン110が直接レール101に対して当接することはなく、搬送用チェーン110の損傷や摩滅を防ぐことができる。
5.効果
本実施の形態に係るチェーンカバー111では、主壁111aの上面111d,111eの間に、搬送用チェーン110の延伸方向(X軸方向)に沿って延び、両端が解放された溝部111fが形成されている。このため、溝部が形成されていない上記従来技術に係るチェーンカバーに比べて、主壁111aの幅方向(Y軸方向)の両端側から、力を加えた場合に、主壁111aが撓み易い(
図3(b)を参照)。即ち、溝部111fの形成により、外力に対する主壁111aの剛性を低減することができ、溝部111fの底部分を中心として主壁111aを撓ませることが容易となる。
【0040】
よって、本実施の形態に係るチェーンカバー111では、
図3(b)に示すように、搬送用チェーン110に対して装着する際に、プライヤー500などを用いて主壁111aにおける幅方向の両外から力を加えることにより主壁111aを撓ませることができ、これにより側壁111b,111cの開口端を外側へと開かせることができる。搬送用チェーン110からチェーンカバー111を取り外す場合にも同様の作業で行うことが可能である。
【0041】
従って、チェーンカバー111は、装着および取り外しに際して煩雑な作業を伴わず、優れた作業性を以って装着および取り外しができる。
さらに、
図4に示すように、チェーンカバー111では、搬送用チェーン110のリターン部において、ベースとなるフレーム10にチェーンカバー111の溝部111fに合致するガイドレール101を設けておくことで、搬送用チェーン110のリターン時における搬送用チェーン110の振れを効果的に防止することができる。
【0042】
また、搬送用チェーン110のリターン時において、搬送用チェーン110は自重により鉛直方向下向き(
図4におけるZ軸方向下向き)に弛むが、この場合においても、溝部111fが形成されたチェーンカバー111の装着により、ガイドレール101と搬送用チェーン110とが直接接触することを防ぐことができる。
従って、本実施の形態に係るチェーンカバー111を採用する場合には、リターン時における搬送用チェーン110の振れにより、例えば、スプロケットから搬送用チェーン110が外れたり、あるいは、搬送用チェーン110が他の機器などに当ったりすることで搬送用チェーン110やチェーンカバー111などに傷が付いたりすることが防止されるとともに、リターン時におけるガイドレール101との当接に起因する搬送用チェーン110の損傷・摩滅などを防ぐことができる。
【0043】
[実施の形態2]
1.搬送部13の構成
搬送部13の構成について、
図5を用い説明する。
図5に示すように、搬送部13は、搬送用チェーン110と、チェーンカバー131、およびピン132の組み合わせを以って構成されている。
【0044】
チェーンカバー131は、樹脂材料を用い、一の主壁131aと二の側壁131b,131cとが一体に構成されている。そして、チェーンカバー131は、一の主壁131aと二の側壁131b,131cとで構成される内側部分131gが、略コの字状に形成されており、各側壁131b,131cに孔131hが設けられている。また、チェーンカバー131の主壁131aの上面部131d,131eの間にも、X軸方向に延伸する溝部131fが形成されている。そして、溝部131fは、主壁におけるY軸方向での幅の中央領域に設けられており、X軸方向の両端が解放された状態となっている。これらの構成については、上記実施の形態1に係るチェーンカバー111と同様である。
【0045】
なお、
図5では、図示を省略しているが、側壁131b,131cの各開口端には、
図3(a)に示すのと同様の、爪部が形成されている。
図5に戻って、本実施の形態に係るチェーンカバー131では、主壁131aのZ軸方向上側に、溝部131fに対して直交する方向(Y軸方向)に延びる凹部131jが形成されている。凹部131jは、円弧溝であって、Y軸方向の両端が閉じられている。凹部131jでは、円弧の中心が上面部131d,131eの表面レベルよりもZ軸方向の下側に位置し、上部開口幅が、円弧の直径よりも小さくなっている。
【0046】
図5に示すように、凹部131jに対しては、円柱状のピン132が嵌入され、嵌入後は、凹部131j内でピン132が掛止される。凹部131jとピン132とは、嵌入された場合に、互いにガタつきを生じないが、ある一定の力によりピン132が軸芯周りに回転自在となっている。ピン132は、例えば、ステンレス鋼などの金属材料から構成されている。
【0047】
なお、搬送用チェーン110へのチェーンカバー131およびピン132の装着については、特に作業順序の制約を受けるものではないが、チェーンカバー131の凹部131jに対してピン132を嵌入させる前に、
図3(b)に示したような方法を以って搬送用チェーン110に対しチェーンカバー131を装着することが、作業性の観点から優れている。
【0048】
2.ワーク70の搬送
本実施の形態に係る搬送部13を構成要素として含む搬送装置でのワーク70の搬送について、
図6を用い説明する。
図6に示すように、搬送部13に載置されて搬送されるワーク70は、各チェーンカバー131に嵌入されたピン132により支持されている。ピン132は、通常の搬送時にはワーク70の荷重により自転が抑制されており、ワーク70は、X軸方向の位置ズレを生じることなく搬送される。
【0049】
図6に示すように、ライン上における切り出しなどに際して、ストッパ80によりワーク70の搬送が停止される場合においては、搬送部13の駆動に対して、ピン132の自転をもってワーク70に対して空転することになる。これにより、ワーク70の底面70aに対して擦り傷などが付くのを防止できる。
ここで、搬送するワークの種類や、搬送形態などによっては、チェーンカバー131にピン132を取り付けておくことが不要な場合も考えられる。この場合には、ピン132を装着しないという使用形態の選択も可能である。
【0050】
3.更なる効果
本実施の形態に係る搬送装置のチェーンカバー131では、上記実施の形態1に係るチェーンカバー111を採用する場合の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。
本実施の形態に係るチェーンカバー131では、主壁131aの上面部131d,131e(
図5を参照)に、搬送用チェーン110の延伸方向(X軸方向)に対して直交する方向(Y軸方向)に延びる溝部131fが形成されている。よって、搬送対象であるワーク70(
図6を参照)の種類や、その搬送形態などに応じて、適する材料からなる物を嵌め込むことができる。例えば、本実施の形態においては、上述のように、ステンレス鋼からなるピン132を圧入することとしたが、この他に、金属ピンを焼き入れ研磨してなる物や、ポリウレタン製のピンや、ゴム製のピンなどを装着することもできる。金属ピンを焼き入れ研磨した物を用いる場合には、耐摩耗性の向上を図ることができ、転がり抵抗の低減を図ることもできる。また、ポリウレタン製のピンを用いる場合には、耐摩擦力の向上を図ることができ、また、ワーク70の底面70aの擦り傷防止も図ることができる。この他にも、チューブやクッション性のあるものを装着することも可能である。
【0051】
また、ゴム製の物を嵌め込む場合には、ワークの底面との間での接触抵抗を大きくすることができ、搬送中におけるワークの位置ズレを抑えることができる。
また、チェーンカバー131における主壁131aの上面部131d,131eは、Y軸方向における幅が、搬送用チェーン110の幅よりも広くなっており、搬送時におけるワーク70の姿勢の安定性や、接触面積の増大を図ることができる。
【0052】
上記のように、特にワークに対する接触抵抗などを考慮する必要がない場合には、溝部131jに対して何も嵌め込まないという使用形態を選択することも可能である。
なお、チェーンカバー131の材料としては、例えば、耐久性を重視してポリアセタールを用いることや、耐摩耗性を重視してポリウレタンを用いること、さらには、その他に導電性や耐熱性を有する樹脂材料などを用いることもできる。
【0053】
[実施の形態3]
実施の形態3に係るチェーンカバー141の構成について、
図7を用い説明する。
図7に示すように、実施の形態3に係るチェーンカバー141では、主壁141aの上面部141d,141eにX軸方向に延伸する溝部141fが設けられている点は、上記実施の形態1,2に係るチェーンカバー111,131と同様である。本実施の形態に係るチェーンカバー141では、溝部141fに対して直交する方向に2本の凹部141j,141kが設けられている。凹部141j,141kは、各々が円弧溝であって、その円弧の中心が主壁141aの上面部141d,141eの表面よりも内方にあり、また、それぞれにおけるY軸方向の両端が閉じられている点も、上記実施の形態2に係るチェーンカバー131の凹部131jと同様である。
【0054】
なお、チェーンカバー141においても、搬送用チェーン110に装着される内側部分141g、即ち、主壁141aと二の側壁141b,141cにより構成される内面が略コの字状である点は、上記同様であり、また、側壁141b,141cに孔141hが開けられ、さらに側壁141b,141cのそれぞれの開口端に爪部が設けられている点(
図7では、図示を省略。)も上記同様である。
【0055】
本実施の形態に係るチェーンカバー141では、各凹部141j,141kに対して、それぞれにピン132(
図5を参照。)を嵌入することができ、搬送部におけるピン同士のピッチを狭くすることが可能であって、長さの短いワークの搬送に適した形態とすることができる。
[実施の形態4]
実施の形態4に係るチェーンカバー151の構成について、
図8を用い説明する。
【0056】
図8に示すように、実施の形態4に係るチェーンカバー151では、主壁151aの上面部151d,151eの間に溝部151fが設けられており、また、溝部151fに対して交差する方向(Y軸方向)に延伸する状態で、凹部151jが形成されている。この内、凹部151jは、角形の断面形状を有し、その開口縁151kが溝幅方向へと張り出すことで開口幅が幅狭となっている。
【0057】
なお、チェーンカバー151においても、搬送用チェーン110に装着される内側部分151g、即ち、主壁151aと二の側壁151b,151cにより構成される内面が略コの字状である点は、上記同様であり、また、側壁151b,151cに孔151hが開けられ、さらに側壁151b,151cのそれぞれの開口端に爪部が設けられている点(
図8では、図示を省略。)も上記同様である。
【0058】
図8に示すように、本実施の形態に係るチェーンカバー151では、その凹部151jに対して、ゴム製のゴムブロック152が圧入されることになる。ゴムブロック152は、凹部151jの内側形状に合わせて形成されており、チェーンカバー151への装着により、ワークの底面との間での接触抵抗を大きくすることができ、搬送中におけるワークの位置ズレを防止するのに有効である。
【0059】
また、ゴムブロック152は、ワークに係る衝撃を緩和するのに有効である。
なお、ゴムブロック152には、側壁部分にY軸方向に延伸する溝部152aが形成されており、チェーンカバー151の凹部151jへ圧入された際に、凹部151jの開口縁151kにより係止されることになる。よって、ゴムブロック152は、ワークなどからX軸方向などに力を受けた場合にも、チェーンカバー151から外れることはない。
【0060】
[実施の形態5]
実施の形態5に係るチェーンカバー161の構成について、
図9を用い説明する。
図9に示すように、本実施の形態に係るチェーンカバー161は、上記実施の形態2に係るチェーンカバー131と類似の形態を有する。即ち、主壁161aの上面部161d,161eの間には、X軸方向に延伸する溝部161fが形成され、溝部161fと直交する方向に円弧溝である凹部161jが形成されている。そして、主壁161aと二の側壁161b,161cにより構成される内側部分161gに搬送用チェーン110が当接されることになる。また、側壁161b,161cのそれぞれには、孔161hが設けられている。
【0061】
本実施の形態に係るチェーンカバー161では、上記構成に加えて、主壁161aにおいて、凹部161jが形成された部分を除いた領域に、Y軸方向に延伸する孔161kが形成されている。当該孔161kは、チェーンカバー161の軽量化・材料コストの低減という効果と、製造時における樹脂材料の流れ不良(所謂、ヒケなど)の防止という効果を得るのに有効である。即ち、凹部161jとの関係で樹脂材料の量が極端に変化する箇所を防止し、ヒケを防止するのに孔161kを設けることが効果的である。
【0062】
また、本実施の形態5に係るチェーンカバー161を搬送用チェーン110に対して着脱する際には、
図3(b)に示したような工具(プライヤー500)を用いることができるが、本実施の形態に係るチェーンカバー161の着脱では、孔161kに対応する突起を先端に設けた工具をあらかじめ準備しておき、これを用いて行うことができる。このような工具を用いて着脱作業を行う場合には、孔161kへの工具の突起の侵入により、工具とチェーンカバー161との滑りによる外れを生じ難く、作業性が更に優れる。
【0063】
なお、本実施の形態に係るチェーンカバー161は、孔161kを除く構成が上記実施の形態2に係るチェーンカバー131と同様であるので、チェーンカバー131が有するのと同様の効果を奏する。
[実施の形態6]
実施の形態6に係る搬送部17およびこれを一部に採用した搬送装置2の構成について、
図10および
図11を用い説明する。
【0064】
1.搬送部17の構成
先ず、
図10に示すように、本実施の形態に係る搬送部17のチェーンカバー171では、主壁171aの上面部171d,171eの間に形成された溝部171fの一部が、円弧溝である凹部となっている。そして、溝部171fにおけるX軸方向の両端部分171jは、溝幅方向に狭くなっており、円弧溝の部分に円柱状のピン172を嵌入させた場合に、ピン172がX軸方向に抜け落ちるのを防止できる。
【0065】
即ち、本実施の形態に係るチェーンカバー171では、ピン172の嵌入を受け入れる凹部が、主壁171aの上面部171d,171eの間に設けられた溝部171fの一部として構成されている。このため、嵌入されたピン172の軸芯は、溝部171fの延伸方向(X軸方向)に一致する。
なお、チェーンカバー171においても、搬送用チェーン110に装着される内側部分171g、即ち、主壁171aと二の側壁171b,171cにより構成される内面が略コの字状である点は、上記同様であり、また、側壁171b,171cに孔171hが開けられ、さらに側壁171b,171cのそれぞれの開口端に爪部が設けられている点(
図10では、図示を省略。)も上記同様である。
【0066】
以上のような構成を有するチェーンカバー171と、これに嵌入されるピン172、さらにはチェーンカバー171が装着される搬送用チェーン110の組み合わせを以って、搬送部17が構成されている。
2.搬送装置2の構成
次に、
図11に示すように、搬送装置2は、搬送部17と、上記実施の形態2に係る搬送部13、さらには、搬送部17から搬送部13へのワーク71の移載を実行する移載シリンダー81との組み合わせを以って構成されている。
【0067】
搬送装置2においては、搬送部17がX軸方向の左から右に向けてワーク81を搬送するように配置され、搬送部13は、搬送部17に対して、その右端部分で隣接し、Y軸方向の下方から上方へとワーク71を搬送するように配置されている。移載シリンダー81は、ワーク71が搬送部17におけるX軸方向の右端部分に到達したことをセンサなどからの情報を受けて、搬送部13へとワーク71を移載する動きをする。なお、ワーク71の移載の際には、搬送部17の駆動は一時的に停止されている。
【0068】
ここで、上記のように、搬送部17におけるチェーンカバー171には、軸芯が搬送方向であるX軸方向に一致するようにピン172が嵌入されている。このため、ワーク71がX軸方向に搬送されている間は、ピン172は回転することはないが、移載シリンダー81からの押圧を受けた際には、ピン172がその軸芯周りに回転することになる。よって、搬送部17から搬送部13へのワーク71の移載がスムースであり、また、ワーク71の底面に傷が付いたりすることを防止できる。
【0069】
[実施の形態7]
実施の形態7に係るチェーンカバー181の構成について、
図12を用い説明する。
図12に示すように、本実施の形態に係るチェーンカバー181では、主壁181aの上面部181d,181eの間に形成された溝部181fに対し、その延伸方向(X軸方向)の中央部分に、深いディンプル状の凹部181jが形成されている。凹部181jは、その開口が溝部181fの開口と重畳して形成されており、球形状のボール182の形状に合致するように円弧断面を以って構成されている。なお、凹部181jにおける円弧の中心は、上面部181d,181eの表面よりも内方になっており、ボール182が凹部181jに圧入された場合には、簡単にはボール182が外れないようになっている。
【0070】
なお、チェーンカバー181においても、搬送用チェーン110に装着される内側部分181g、即ち、主壁181aと二の側壁181b,181cにより構成される内面が略コの字状である点は、上記同様であり、また、側壁181b,181cに孔181hが開けられ、さらに側壁181b,181cのそれぞれの開口端に爪部が設けられている点(
図12では、図示を省略。)も上記同様である。
【0071】
チェーンカバー181に対してボール182を組み合わせ、これを搬送チェーン110に適用した場合には、載置されるワークにX軸方向あるいはY軸方向、さらには、その合成方向など種々の方向へのワークの移動に対して対応できる。よって、ワークの搬送方向および移載方向などにより、搬送用チェーン110に装着するチェーンカバーを使い分ける必要がなく、ライン設計の自由度を高めることができるとともに、同一規格で種々のラインに対応できるので、チェーンカバー181の製造コストの低減を図ることも可能である。
【0072】
なお、チェーンカバー181の凹部181jに圧入するボール182については、上記ピン132,172と同様に、例えば、ステンレス鋼などの金属材料や、樹脂材料、さらには、ゴムなど種々の材料を用いることも可能である。
[実施の形態8]
実施の形態8に係るチェーンカバー191の構成について、
図13を用い説明する。
【0073】
図13に示すように、本実施の形態に係るチェーンカバー191でも、主壁191aの上面部191d,191eの間に形成された溝部191fに対し、その延伸方向(X軸方向)の中央部分に、深いディンプル状の凹部191kが形成されている。本実施の形態に係るチェーンカバー191では、凹部191kに対し、そのX軸方向両側に隣接して、凹部191j,191lが更に形成されている。
【0074】
凹部191j,191k,191lのそれぞれは、その開口が溝部191fの開口と重畳して形成されており、球形状のボール192,193,194の形状に合致するように円弧断面を以って構成されている。なお、凹部191j,191k,191lにおける各円弧の中心についても、主壁191aの上面部191d,191eの表面よりも内方になっており、ボール192,193,194がそれぞれ凹部191j,191k,191lに圧入された場合には、上記実施の形態7と同様に、簡単にはボール192,193,194が外れないようになっている。
【0075】
なお、チェーンカバー191においても、搬送用チェーン110に装着される内側部分191g、即ち、主壁191aと二の側壁191b,191cにより構成される内面が略コの字状である点は、上記同様であり、また、側壁191b,191cに孔191hが開けられ、さらに側壁191b,191cのそれぞれの開口端に爪部が設けられている点(
図13では、図示を省略。)も上記同様である。
【0076】
本実施の形態に係るチェーンカバー191を用いれば、上記実施の形態7に係るチェーンカバー181に比べて、圧入されるボール192,193,194のピッチを小さくすることができ、移載時などにおけるワークのスムースな動きを実現することができる。
[実施の形態9]
実施の形態9に係る搬送装置3の構成について、
図14および
図15を用い説明する。
【0077】
1.搬送装置3の全体構成
図14に示すように、本実施の形態に係る搬送装置3は、フレーム52,53に対して搬送部22が形成されている。搬送部22は、X軸方向に延伸形成されており、間歇的に搬送ケース223が取り付けられており、搬送対象ワークは、搬送ケース223ごとX軸方向に搬送される。
【0078】
搬送部22の駆動は、側部に取り付けられたモータブロック62の回転駆動力を用いてなされ、搬送部22のスプロケット(図示を省略。)とモータブロック62との間には、ギアボックス63が介挿されている。
なお、本実施の形態に係る搬送装置3の搬送対象は、例えば、細かなねじや釘、あるいはワッシャやチップ状の電子部品、さらには、粒状物などである。
【0079】
2.搬送ケース223の取り付け
図15に示すように、本実施の形態に係る搬送装置3では、搬送ケース223が、アダプター222を間に介在した状態で、チェーンカバー131に取り付けられている。アダプター222は、チェーンカバー131の溝部131fの幅に対応した角型断面を有する本体部222aと、その長手方向中央部からY軸方向の両側に向けて突出形成された円形断面のピン部222b,222cとが一体に形成されている。
【0080】
アダプター222のピン部222b,222cは、チェーンカバー131の凹部131jに対応した形状を有し、凹部131jへの嵌入により、簡単には外れないようになっている。なお、アダプター222の本体部222aのX軸方向における長さは、チェーンカバー131の長さよりも長くなっており、その端部にZ軸方向に挿通するタップ孔222d,222eが開けられている。
【0081】
搬送ケース223は、アダプター222に対し、タップ孔222d,222eへのねじの螺結により取り付けられている。なお、ねじの図示は省略しているが、搬送ケース223の内側よりZ軸方向に向けて、厚み方向に挿通されている。
以上のように、本実施の形態に係る搬送装置3では、上記実施の形態2に係るチェーンカバー131を用いながら、アダプター222を介して搬送ケース223を取り付けている。このように、チェーンカバー131は、高い汎用性を有し、その上部に種々の構成要素を取り付けることが可能である。
【0082】
なお、本実施の形態に係る搬送装置3においても、上記実施の形態2と同様のチェーンカバー131を採用しているので、上記実施の形態2に、搬送用チェーン110へのチェーンカバー131の着脱の容易性という効果を得ることができる。
[その他の事項]
上記実施の形態1〜9は、本発明の構成の一例を説明するためのものであって、本発明は、その本質的部分を除き、何らこれに限定を受けるものではない。例えば、チェーンカバー111,131,141,151,161,171,181,191を構成する材料としては、樹脂材料の他に、ステンレス鋼などの金属材料や、セラミックス材料などを用いることもできる。この内、金属材料を用いチェーンカバーを構成する場合には、耐熱性が要求されるような条件下でも使用が可能である。
【0083】
また、
図5などに示すように、チェーンカバー131における凹部131jを、溝部131fの延伸方向に対して直交する構成としたが、必ずしも直交させる必要はない。搬送装置における使用形態などに応じて適宜変更することも可能であり、例えば、溝部131fの延伸方向に対して、15[°]、30[°]、45[°]、60[°]、75[°]などの角度を以って構成することもできる。
【0084】
また、
図1に示すように、搬送装置1においては、2条の搬送部11,21を備える構成としたが、搬送部の構成数については、1条であってもよいし、3条以上とすることも可能である。