(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700407
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】ラベル集合体およびラベル
(51)【国際特許分類】
G09F 3/02 20060101AFI20150326BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20150326BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20150326BHJP
B31D 1/02 20060101ALN20150326BHJP
【FI】
G09F3/02 P
G09F3/00 Q
G09F3/10 A
!B31D1/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-266279(P2010-266279)
(22)【出願日】2010年11月30日
(65)【公開番号】特開2012-118187(P2012-118187A)
(43)【公開日】2012年6月21日
【審査請求日】2013年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】萩尾 正美
【審査官】
櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−206264(JP,A)
【文献】
特開2004−213051(JP,A)
【文献】
特開2006−202169(JP,A)
【文献】
特開2006−227670(JP,A)
【文献】
実公平05−000936(JP,Y2)
【文献】
特開2006−171166(JP,A)
【文献】
実開平06−055163(JP,U)
【文献】
特開2003−131575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 1/00−49/04
B31C 1/00−99/00
B31D 1/00−99/00
G06K19/00−19/063
19/07−19/10
21/00−21/08
G09F 1/00− 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層した粘着紙を所望の形状にダイカットして区画形成したラベルが複数連接したラベル集合体であって、
隣接するラベル同士の境界が少なくともセパレータを貫通したカット部と、セパレータをカットしていないアンカット部とを交互に配列したミシン目で区画され、
前記ミシン目が短いカット部と長いカット部とからなる鎖線状であり、
短いカット部と長いカット部とでモールス符号の短点と長点とを表すことを特徴とするラベル集合体。
【請求項2】
ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層した粘着紙を所望の形状にダイカットして区画形成したラベルが複数連接したラベル集合体であって、
隣接するラベル同士の境界が少なくともセパレータを貫通したカット部と、セパレータをカットしていないアンカット部とを交互に配列したミシン目で区画され、
カット部とアンカット部とがバーコードの黒バーと白バーとに対応し、カット部とアンカット部の長さがバーの太さを表すことを特徴とするラベル集合体。
【請求項3】
ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層した粘着紙を所望の形状にダイカットして区画形成したラベルであって、
隣接するラベル同士の境界がセパレータを貫通したカット部と、セパレータをカットしていないアンカット部とを交互に配列したミシン目で区画され、
前記ミシン目が短いカット部と長いカット部とからなる鎖線状であり、短いカット部と長いカット部とでモールス符号の短点と長点とを表すことを特徴とするラベル。
【請求項4】
ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層した粘着紙を所望の形状にダイカットして区画形成したラベルであって、
隣接するラベル同士の境界がセパレータを貫通したカット部と、セパレータをカットしていないアンカット部とを交互に配列したミシン目で区画され、
カット部とアンカット部とがバーコードの黒バーと白バーに対応し、カット部とアンカット部の長さがバーの太さを表すことを特徴とするラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品に貼り付けるためのラベルに関し、特にラベルとラベルの境界線に設けた切り離し用ミシン目を利用して情報表示を行うラベルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラベルは、例えば、荷札、商品情報の表示、梱包物の明細、価格表示、成分表示のように様々な用途で使用されている。
図7に示すように、ラベ
ルはラベル基材5、粘着剤層6、セパレータ7をこの順に積層した粘着紙2をラベル基材5側から所望の形状のラベル片4にハーフカットし、ラベル片4周囲の不要な部分を除去して加工される。多くの場合、ラベル片4は長尺帯状のラベル集合体10として巻回され、ラベルロール12に仕上げられる。ラベル片4とラベル片4との間には切り離し用のミシン目8が形成されることも多い。この他、
図7のようにラベル集合体10をラベル片4一枚または数枚ごとに葛折りに仕上げたり、または、ラベル片4を一枚毎や数枚単位に切断して枚葉シート(不図示)に加工することもある。
【0003】
ラベルロール12は、
図4に示すプリンタ50で、専ら一枚ごとに異なる情報を印字して使用する。電子プリンタ50は、ロール紙供給部51と印字部61を筐体52内に設けたものである。ラベルロール12はロール紙供給部51の軸55に回転可能にセットされる。
【0004】
プラテンローラ62が回転すると、ラベルロール12から巻き出されたラベル集合体10は、ガイドバー56を経て印字部61に至り、各ラベル片4にサーマルヘッド63の発熱走査で文字やバーコード等の画像が印字される。印字が行なわれたラベル片4は発行口65から外部に至る。
【0005】
一台のプリンタ50で、ラベルロール12を交換して何種類ものラベル集合体10を使い分けて印字発行する場合がある。しかし、プリンタ50で印字するラベル集合体10の多くは「白無地」と呼ばれる白紙である。粘着紙2を構成するラベル基材5、粘着剤6、セパレータ7のそれぞれに多くの種類があり、それらのうち一つが変わっても粘着紙2としての特性が異なる。しかし、外観上は区別がつきにくい。
【0006】
プリンタ50用のラベルは、熱転写用ラベルと、感熱紙を用いたサーマルラベルとに大別される。仮に、熱転写リボンを用いないサーマルラベル用のプリンタで熱転写用ラベルに印字すると、文字や画像は印字され無いために誤って使用したことに気付く。しかし、反対に熱転写プリンタでサーマル紙に印字した場合には、サーマル紙に熱転写リボンのインキが転写して画像が現れるため、間違いに気付かないこともある。
【0007】
サーマルラベル同士の場合はさらに外観の区別がつきにくい。サーマル紙には標準的な発色感度や耐光性を持つ標準型の他、印字が退色しにくい高耐光型、小さな印加エネルギーでも発色する高感度型、熱で変色しにくい耐熱型などがあるが、いずれも白色であり、外観上の違いが少ない。複数種のサーマル紙を比較した場合、印字した部分の濃度が極端に異なればすぐ誤使用に気付くが、サーマル紙の感度の差が少ない場合には発色の濃度などから紙の種類を見分けることは難しい。
【0008】
しかし、標準型と高耐光型など、用途が異なるサーマルラベルを使った場合、すぐには誤使用に気付かず、印字から数日〜数週間経過した後に気付くことがある。しかし、その頃はラベルを被着体に貼付けた後であり、多くの場合、被着体は出荷後などで手元に無く貼り直すこともできない状況でなる。例えば耐光性が必要な用途に標準型のラベルを貼れば、短期間で文字やバーコードが消えて判読できなくなることもあり、問題は深刻になる。
【0009】
対策として、ラベルを巻いた支管3にサーマル紙の種類を記載しておく方法がある。しかし、印字したラベル片4をミシン目8で切り離した後は元のラベルロール12との関連がわからなくなってしまう。別の対策として、ラベル加工時にセパレータ7の裏面に粘着紙2の種類を印刷しておく方法もあるが、手間とコストがかかり現実的ではない。
【0010】
この他、サーマル紙には経時による感度低下があり、粘着剤にも経時変化があるため、ラベルは加工した順に使用することが望ましい。しかし、ラベル片4一枚ごとに加工日やロットナンバーを記録することは現実的でない。そこで、文字によらない表示が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−036026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記の課題を解決するためなされたもので、低コストで簡単にラベルの種類やロットの表示が可能な、ラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
第1の発明であるラベル集合体は、ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層した粘着紙を所望の形状にダイカットして区画形成したラベルが複数連接したラベル集合体
であって、隣接するラベル同士の境界が少なくともセパレータを貫通したカット部と、セパレータをカットしていないアンカット部とを交互に配列したミシン目で区画され、
前記ミシン目が短いカット部と長いカット部とからなる鎖線状であり、短いカット部と長いカット部とでモールス符号の短点と長点とを表すことを特徴とする。
第2の発明であるラベル集合体は、ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層した粘着紙を所望の形状にダイカットして区画形成したラベルが複数連接したラベル集合体であって、隣接するラベル同士の境界が少なくともセパレータを貫通したカット部と、セパレータをカットしていないアンカット部とを交互に配列したミシン目で区画され、カット部とアンカット部とがバーコードの黒バーと白バーとに対応し、カット部とアンカット部の長さがバーの太さを表すことを特徴とする。
第3の発明であるラベルは、ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層した粘着紙を所望の形状にダイカットして区画形成したラベル
であって、隣接するラベル同士の境界がセパレータを貫通したカット部と、セパレータをカットしていないアンカット部とを交互に配列したミシン目で区画され、
前記ミシン目が短いカット部と長いカット部とからなる鎖線状であり、短いカット部と長いカット部とでモールス符号の短点と長点とを表すことを特徴とする。
第4の発明であるラベルは、ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層した粘着紙を所望の形状にダイカットして区画形成したラベルであって、隣接するラベル同士の境界がセパレータを貫通したカット部と、セパレータをカットしていないアンカット部とを交互に配列したミシン目で区画され、カット部とアンカット部とがバーコードの黒バーと白バーに対応し、カット部とアンカット部の長さがバーの太さを表すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、隣接するラベルの区画線上(境界線上)に形成されたミシン目のカットとアンカットの長さ、数、比率、配列またはそれらの組合せにより、情報を記録したり表示することが簡単且つ低コストでできる。例えば、ラベルの基材種や粘着剤種等の種類や、粘着紙やラベルのロット、使用期限等の情報の表示を行うことができ、誤使用の防止や使用期限の管理にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のラベル集合体の一実施形態を示す斜視図。
【
図2】本発明のラベル集合体の一実施形態を示す平面図。
【
図3】本発明のラベル集合体の一実施形態を示す平面図。
【
図4】本発明のラベル集合体の印字発行に用いる電子プリンタの概略側面図。
【
図5】本発明のラベル集合体および、ラベル集合体から切り離したラベルの一実施形態を示す平面図。
【
図6】本発明のラベル集合体および、ラベル集合体から切り離したラベルの別な実施形態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明のラベル集合体10の斜視図、
図2および
図3は平面図である。
【0017】
図1のラベル集合体10は、ラベル基材5と粘着剤層6とセパレータ7とをこの順に積層した長尺帯状の粘着紙2に、ラベル片4の輪郭に応じ、ラベル基材5側から粘着剤層6に至る所望サイズのハーフカットを所定間隔で施し、ラベル片4周囲のラベルカスと呼ばれる不要な部分を取り除いたものである。各ラベル片4とラベル4の境界は一点鎖線のミシン目8が形成されており、ラベル10は一片のラベル片4ごとに切り離し可能になっている。
図2に示すラベル集合体10は、
図1で説明したラベル集合体10のミシン目8を二点鎖線にしたものである。
図3に示すラベル集合体10は、
図1や
図2で説明したラベル集合体10のミシン目8を単純な破線にしたものである。
図1〜
図3のラベル集合体10は矩形状のラベル片4が連なった単列のラベル連続体である。
【0018】
図1〜
図3のラベル10のミシン目8に情報表示機能を持たせ、ミシン目8の種類に応じて別々の意味を持たせる。例えば、ミシン目8が一点鎖線である場合、ラベル基材5が標準的な発色感度で標準的な耐光性を有する標準型サーマル紙であるという意味とする。ミシン目8が二点鎖線である場合は、ラベル基材5は標準的な発色感度であるが、耐光性に優れて印字が消えにくい耐光性サーマル紙であるという意味に決めておく。この他、
図3に示すミシン目8が単純な破線(カット部とアンカット部を単純に繰り返す破線で、全てのカット部が同じ長さ、全てのアンカット部が同じ長さのミシン目)である場合、ラベル基材5が熱転写印字用のコート紙であると取り決めておく。
【0019】
ミシン目8の形成は、ラベル加工のダイカット工程でラベル片4を打ち抜く際に同時に行われる。ラベル片4の輪郭を打ち抜く刃にミシン目8形成用の刃を追加しておき、セパレータ7を貫通させるだけで簡単に加工できる。工程が増えることも無い。
【0020】
次に、このラベル集合体10に一枚ごと異なる情報を印字する作業を説明する。印字発行には
図4に示す電子プリンタ50を使用する。
【0021】
電子プリンタ50は、ロール紙供給部51と印字部61を筐体52内に設けたものである。ロール紙供給部51の軸55にはラベルロール12が回転可能に支持されている。ラベル集合体10の走行経路に沿って、ガイドバー56、ラベル集合体10の有無を検知する用紙センサ57、ラベルのインターバルを検出するピッチセンサ58が取り付けられている。その下流の印字部61は、プラテンローラ62と、前記プラテンローラ62とともにラベル集合体10を押圧保持するサーマルヘッド63、それらの下流のカッタユニット64で構成される。筐体52には、カッタユニット64に隣接して発行口65が設けられる。
【0022】
プラテンローラ62が回転すると、ラベルロール12から巻き出されたラベル集合体10は、ガイドバー56、用紙センサ57、ピッチセンサ58を経て印字部61に至り、各ラベル片4にサーマルヘッド63の発熱走査で文字やバーコード等の画像が印字される。印字が行なわれたラベル片4は、連続したラベル集合体10として発行口65から外部に排出される。ラベル片4の使い方に応じては、ミシン目8の有無に関わらずカッタユニット64でカットして排出される場合もある。
【0023】
一連の印字発行作業において、ロール紙供給部51の軸55にラベルロール12をセットする際にラベル基材の種類を確認する必要がある。ラベルロール12や個々のラベル片4に種類が記載されていなくとも、ミシン目8の形状を目視確認することでラベル基材5の種類がわかるため、ラベルの種類を間違えて印字発行する誤発行が防止される。
【0024】
ラベル基材5の種類はプリンタ50でラベルを発行した後も確認可能である。印字発行したラベル集合体10をミシン目8で切り離した場合、切り離されたミシン目部分は特有の凹凸、いわゆるギザギザ模様になる。このギザギザはラベル加工のダイカット工程でカットされた部分と、セパレータ7が引きちぎられた部分とで構成されており、それらの長さや配列を観察すればラベル基材5の種類がわかる。従って、ラベルが一枚きりの個片になった場合でも種類の判別が可能である。
【0025】
図5に本発明の別の実施形態のラベル集合体10とラベルを示す。同図のラベル集合体10は、矩形状のラベル片4が列A、列Bおよび列Cの順に複数列並んだラベル集合体である。このラベル集合体10では、幅方向に設けたミシン目8に加え、長手方向の列と列との間にもミシン目9を形成している。即ち、列Aと列Bの間や、列Bと列Cとの間にミシン目9を形成できる。
図5のラベル集合体10は、幅方向のミシン目8を一点鎖線、長手方向のミシン目9を二点鎖線とした。
【0026】
図5のラベル集合体10では、幅方向のミシン目8に次の意味を持たせる。ミシン目8が一点鎖線である場合、ラベル基材5は標準的な発色感度で標準的な耐光性を有する標準型サーマル紙。ミシン目8が二点鎖線の場合はラベル基材5が標準的な発色感度だが、耐光性に優れて印字が消えにくい耐光性サーマル紙。ミシン目8が単純な破線である場合、ラベル基材5は熱転写印字用のコート紙。
【0027】
さらに、長手方向のミシン目9にも意味を持たせる。ミシン目8が一点鎖線である場合、粘着剤層6は標準的な粘着力の粘着剤。ミシン目8が二点鎖線の場合は、粘着剤層6は粘着力が強い強粘着と呼ばれる粘着剤。ミシン目8が単純な破線である場合、粘着剤層6は再剥離可能な粘着剤。
【0028】
このように幅方向のミシン目8と長手方向のミシン目9とにそれぞれ別の意味を持たせ、それらを組み合わせることで粘着紙2、即ちラベル集合体10自体や個々のラベル片4の種類を特定することが可能になる。
【0029】
図5のラベル集合体10からラベル片4を一枚ごとに切り離した場合でもその種類を特定可能である。ラベル集合体10の列のうち中央に位置する列Bから切り離したラベル片4Bには、その四方にミシン目8とミシン目9を切り離した痕跡が残るために判別可能である。一方、端部の列にあたる列Aから切り離したラベル片4Aの場合、その一辺にはミシン目が形成されていないが、残りの3片にはミシン目8・9を切り離した痕跡が残るため、同様に種類を判別可能である。
【0030】
図6に示すラベル集合体10は、カス上げを行わず、ラベル片4同士が直接隣り合った例である。この実施形態では、ラベル基材5にもミシン目8やミシン目9の形状が刻まれており、
ラベル集合体10の状態でも、ラベル片4を一枚ごとに切り離した場合でも種類の判別が可能である。さらに、ラベル片4の周囲にもミシン目8・9の痕跡が残ることから、ラベル基材5からセパレータ7を剥がして被着体に貼り付けた後でもラベル片4の種類を特定することができる。なお、ミシン目加工は、ラベル基材5の表面からラベル基材5と粘着剤層6とセパレータ7を貫通させれば良い。
【0031】
また、ラベル集合体10の形状はロールには限らない。
図8に示したようなラベル片4を葛折りした形状にも応用可能である。
【0032】
この他、ミシン目8・9をモールス符号にすることも可能である。短いカット部と長いカット部とでモールス符号の短点と長点を表現すれば、英字や数字はじめ、文字を表現できる。文字数は1文字でも複数文字でも構わず、文字や数字の組み合わせだけではなく、ミシン目の長さに余裕があれば、単語や短い文章を表現することも可能である。
【0033】
ミシン目8・9で2進数を表現しても良い。一定の区間に形成されたカット部の区間を「1」とする。別の区間が切込まないアンカット部であれば、その区間を「0」とする。2進数の数字を10進数に変換することで様々な情報を表記できる。例えば、日付を表しても、製品のロットナンバーを表しても良い。
【0034】
ミシン目8・9をバーコードに準拠させても良い。バーコードの黒バーに対応する部分をカット部、白バーに対応する部分を切込まないアンカット部として数字や文字等を
表現する。バーの太さはカット部或いはアンカット部の長さで表現する。黒バー、白バーと、カット部、アンカット部の意味付けは上記の逆にしても良い。なお、バーコードの規格は任意である。
【0035】
なお、前述した実施形態では、主に、完成したラベル集合体10や個々のラベル(ラベル片4)を使用する際に、その種類を判別する例を説明したが、ラベルを加工する工場において、原材料の種類の管理やロットナンバーに対応させて工程管理や在庫管理に用いることもできる。表示内容や使い方は任意である。
【0036】
本発明において、ラベル基材5の種類は、紙や合成樹脂フィルムなど特に限定されるものではなく、粘着紙として一般的に用いられているものである。サーマル紙の他、例えば、上質紙、コート紙、アート紙のような紙基材、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)を素材とした合成樹脂フィルムや、前記の合成樹脂を複数種組み合わせたシート、合成樹脂フィルムと紙とを合わせた複合シートも使用できる。
【0037】
粘着剤層6の粘着剤は、例えば、エマルジョン系(粘着剤を水に分散したもの)、ソルベント系(粘着剤を溶剤に溶解したもの)、ホットメルト系(熱可塑性を利用したもの)等である。材質としては、合成ゴム系や天然ゴム系、アクリル樹脂系、ポリビニルエーテル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系等の粘着剤があげられる。粘着剤の粘着力は任意である。
【0038】
セパレータ7は汎用のものである。例えば、紙やフィルムに紫外線硬化型のシリコーン、熱硬化型のシリコーン、溶剤型のシリコーン、アルキルペンダントポリマーの他、フッ素系の剥離剤を塗工したものがあげられる。
【0039】
なお、本発明が前述した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状、配置等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0040】
2 粘着紙
3 支管
4 ラベル片
5 ラベル基材
6 粘着剤層
7 セパレータ
8 ミシン目
9 ミシン目
10 ラベル集合体(ラベル連続体)
12 ラベルロール
50 電子プリンタ
51 ロール紙供給部
52 筐体
55 軸
56 ガイドバー
57 用紙センサ
58 ピッチセンサ
61 印字部
62 プラテンローラ
63 サーマルヘッド
64 カッタユニット
65 発行口