(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記伝達部材及び前記作動部材は、前記遊技盤の盤面と交差する方向に並んで設けられ、 前記伝達部材及び前記作動部材のいずれか一方には、前記第1方向及び前記第2方向のいずれに対しても傾斜した方向に延びる作用溝が形成され、他方には、前記作用溝に嵌り込む凸部が形成され、前記作用溝及び前記凸部が前記連係機構として機能しており、
前記連係機構は、前記作動部材が前記第2方向に移動することに応じ、前記凸部が傾斜した前記作用溝内で相対移動するように案内され、この相対移動と連動させて前記伝達部材を前記第1方向に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記伝達部材には、前記作動部材と係合して当該作動部材の作用を受ける係合部と、前記係合部から前記第1方向に沿って延出する延出部とが形成され、前記係合部に前記凸部が形成されており、
前記筐体内には、前記第1方向と直交する方向において前記延出部の両側に、当該延出部の前記第1方向の移動をガイドするガイド部が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遊技機用可変入賞装置。
前記駆動源は、前記駆動部が軸状に構成され且つ当該駆動部の軸方向が前記遊技盤の盤面に沿った方向と略平行であって且つ横方向となるように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機用可変入賞装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の構成によれば、確かに前後方向の寸法は抑えることができるが、球流路と干渉しない後方位置に電磁石(23)やプランジャー(33)を配置しなければならならないため、前後方向(遊技機の奥行方向)の寸法増大が問題となる。特に、近年の遊技機では、液晶表示装置やセンター役物の大型化、或いは遊技機自体の高機能化に起因して、遊技盤裏面側に多種多様な部品(例えば、遊技球の流路や各種電気部品等)が数多く配置される傾向にあり、前後方向(遊技機の奥行方向)の小型化が重要視されている。従って、特許文献1のように前後方向に嵩張りやすい構成は避けるべきであり、このように前後方向のサイズが増大してしまうと、遊技盤裏面側の他部品と干渉しやすく、遊技盤裏面側の各種部品の配置スペースを確保し難くなるという問題が深刻となる。また、特許文献1の構成では、何らかの方法で羽根部材(6,7)に外力が加えられたときに、羽根部材(6,7)が不正に開放してしまうことが懸念される。
【0007】
一方、特許文献2の構成では、ソレノイド(5)を横置きにしてベニヤ板内に配置しているため、前後方向の嵩張りをある程度抑えることができる。また、特許文献2の構成は、可動翼(3a,3b)に不正な外力が加えられたときにロックし得る機構を備えており、不正開放を防止することもできる。しかしながら、特許文献2の構成では、装置構成の複雑化が避けられず、特に可動翼(3a,3b)を複雑な形状としなければならない。特に可動翼(3a,3b)に形成された特異形状の孔に作動突片(9a,9b)を作用させているため、これらの部分を精度高く形成できなかったり、経年劣化などによって寸法精度が低下した場合には、正常時にスムーズに開閉できなかったり、或いは不正操作時に安定的にロックできないことが起こり得る。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、前後方向のコンパクト化を図ると共に、不正開放を効果的に防止し得る構成をより簡易な構成で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、遊技機の遊技盤に固定され、前記遊技盤に沿って流下する遊技球を受け入れる入賞口を備えた遊技機用可変入賞装置であって、
前記遊技盤に固定される筐体と、
前記遊技盤の盤面と交差する回動軸線を中心として回動するように前記筐体に直接的に又は他部材を介して間接的に支持され、前記入賞口における遊技球の受け入れ状態を所定の抑制状態とする抑制位置と、前記抑制状態のときよりも遊技球が進入し易い状態とする開放位置とで回動変位可能な回動片と、
前記遊技盤の盤面と平行な所定の第1方向に沿って往復動するように前記筐体内で保持され、この往復動に応じて前記回動片を前記抑制位置又は前記開放位置に移動させる伝達部材と、
前記盤面と平行な方向であって且つ前記第1方向と交差する第2方向に沿って往復動する駆動部を備えた駆動源と、
前記駆動部と一体部品として又は別体として設けられると共に前記駆動部と共に前記第2方向に沿って往復動する作動部材と、
前記伝達部材と前記作動部材とを連係動作させる連係機構と、
を備え、
前記駆動源の非駆動時には、前記作動部材が所定の保持位置に維持されると共に、前記連係機構により、前記回動片を前記抑制位置に位置決めするように前記伝達部材が位置保持され、
前記駆動源の前記駆動部が駆動したときには、前記駆動部と連動して前記第2方向に変位する前記作動部材の直線的な動作が、前記連係機構によって前記伝達部材の前記第1方向の直線的な動作に変換され、当該伝達部材の前記第1方向の動作に応じて前記回動片が前記抑制位置から前記開放位置に回動変位することを特徴とする。
【0010】
本発明の遊技機は、
上記遊技機用可変入賞装置が遊技盤に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機用可変入賞装置及び遊技機では、遊技盤の盤面と平行な所定の第1方向に沿って往復動する伝達部材と、駆動源の駆動部と共に第2方向に沿って往復動する作動部材と、伝達部材と作動部材とを連係動作させる連係機構とが設けられている。そして、駆動源の非駆動時には、作動部材が所定の保持位置に維持されると共に、連係機構により、回動片を抑制位置に位置決めするように伝達部材が位置保持され、駆動源の駆動部が駆動したときには、駆動部と連動して第2方向に変位する作動部材の直線的な動作が、連係機構によって伝達部材の第1方向の直線的な動作に変換され、当該伝達部材の第1方向の動作に応じて回動片が抑制位置から開放位置に回動変位するようになっている。
この構成では、伝達部材及び作動部材がいずれも遊技盤の盤面と平行な方向に沿って移動するように構成されているため、駆動部の駆動力を回動片に伝達する機構を構成する上で、盤面と直交する方向(前後方向)のサイズを削減しつつ、駆動部の駆動力を効率よく回動片に伝達しやすくなる。また、伝達部材の動作を連係機構によって作動部材の動作に変換できる構成であるため、駆動源の配置に対して回動片の配置や移動方向等が規制され難く、設計の自由度が高められる。
【0012】
本発明において、伝達部材及び作動部材は、遊技盤の盤面と交差する方向に並んで設けられていてもよい。そして、伝達部材及び作動部材のいずれか一方に、第1方向及び第2方向のいずれに対しても傾斜した方向に延びる作用溝が形成され、他方に、作用溝に嵌り込む凸部が形成され、作用溝及び凸部が連係機構として機能していてもよい。この場合、連係機構は、作動部材が第2方向に移動することに応じ、凸部が傾斜した作用溝内で相対移動するように案内され、この相対移動と連動させて伝達部材を第1方向に移動させるように構成されていることが望ましい。
この構成によれば、作動部材の第2方向への移動力を第1方向への移動力に変換し得る構成を簡易に且つ小型構成で実現できる。
【0013】
本発明において、伝達部材及び作動部材のいずれか一方に、作用溝と連続するように第2方向に延びるロック溝が形成されていてもよい。そして、作動部材は、第1方向への移動が規制されていてもよい。そして、連係機構は、作動部材が保持位置に維持され且つ回動片が抑制位置にあるときに、凸部がロック溝内に嵌り込み、駆動部の駆動動作に応じて作動部材が第2方向に移動する際には、凸部がロック溝側から作用溝側に移り作用溝内で相対移動するように案内され、この相対移動と連動させて伝達部材を第1方向に移動させるように構成されていてもよい。更に、凸部がロック溝内に嵌り込んだ状態で回動片を開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、回動片と連動して伝達部材が第1方向に移動しようとし、凸部が作用溝側に移ることなくロック溝内で第1方向への相対移動が規制されることにより伝達部材の移動が規制され、回動片の回動が阻止されるように構成されていてもよい。
この構成によれば、駆動源の動作時には凸部が作用溝側に移るように作動部材を変位させて安定的にロックを解除することができる。一方、回動片に対する不正回動操作時には、回動片と連動する伝達部材の移動が作動部材によって規制されることになり、確実にロックすることが可能な構成をより簡易に実現することができる。すなわち、作動部材が第1方向への移動が規制されているので、作動部材のロック溝又は凸部によって、伝達部材の凸部又はロック溝の第1方向への相対移動が規制され、伝達部材の第1方向への移動、ひいては、回動片の不正回動操作を阻止することができる。
【0014】
本発明において、伝達部材は、作動部材と係合して当該作動部材の作用を受ける係合部と、係合部から第1方向に沿って延出する延出部とが形成され、係合部に凸部が形成されていてもよい。そして、筐体内には、第1方向と直交する方向(第2方向)において延出部の両側に、当該延出部の第1方向の移動をガイドするガイド部が設けられていてもよい。
この構成によれば、伝達部材の横方向の撓みを効果的に抑制することができ、伝達部材の安定的な可動、ひいては回動片の安定的な可動を実現することができる。また、伝達部材の経年劣化や損傷を低減し易くなる。
【0015】
本発明において、駆動源は、駆動部が軸状に構成され且つ当該駆動部の軸方向が遊技盤の盤面に沿った方向と略平行であって且つ横方向となるように配置されていてもよい。
この構成によれば、伝達部材の形状や可動領域だけでなく、作動部材や駆動源の形状や可動領域についても前後方向のサイズを抑制することができ、装置全体として前後方向のサイズをより小さくすることができる。
【0016】
本発明において、筐体は、遊技盤の盤面側に取り付けられる台板を備えていてもよい。そして、伝達部材は、台板と駆動源との間に配置されていてもよい。更に、作動部材が、第2方向に移動する駆動部に連結されると共に当該駆動部から折り返された形態で伝達部材と駆動源との間に配置されていてもよい。
この構成によれば、台板と駆動源の間のスペースを利用して駆動部の駆動力を回動片に伝達できるようになる。従って、前後方向のサイズをより一層抑えることができ、装置全体を一層小型化することができる。
【0017】
本発明において、伝達部材には、作動部材と係合して当該作動部材の作用を受ける係合部と、係合部から第1方向に沿って延出する延出部とが形成されていてもよい。そして、延出部は、係合部から第1方向に沿って延びる基端側延出部と、基端側延出部よりも先端側に配置され且つ前方側から凹又は凸となる先端側係合部と、を備え、先端側係合部が回動片に作用する構成をなしていてもよい。また、延出部は、前方側が筐体の台板の後面側によってガイドされ、基端側延出部の後方側が作動部材の前面側によってガイドされ、更に、先端側係合部の後方側に配置されると共に当該先端側係合部の後方側への移動を規制する後方ガイド部が設けられていてもよい。
この構成によれば、伝達部材の基端側延出部及び先端側係合部の前後を安定的にガイドすることができるため、伝達部材をより円滑に動作させることができ、ひいては回動片をより安定的に動作させることができる。また、先端部側に設けられた先端側係合部の後方側への移動が後方ガイド部によって規制されるため、伝達部材の反り等を抑えることができ、伝達部材の経年劣化や損傷をより低減し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置を用いた遊技機を例示する正面図である。
【
図2】
図2(A)は、第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置を斜め前方側から見た斜視図であり、
図2(B)は、その遊技機用可変入賞装置を斜め後方側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の遊技機用可変入賞装置を斜め前方側から見た分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2の遊技機用可変入賞装置を斜め後方側から見た分解斜視図である。
【
図5】
図5(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置の正面図であり、
図5(B)は、その側面図である。
【
図6】
図6(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置の平面図であり、
図6(B)は、その背面図である。
【
図7】
図7(A)は、
図5(A)のA−A断面概略図であり、
図7(B)は、
図5(A)のB−B断面概略図である。
【
図8】
図8(A)は、
図5(B)のC−C断面概略図であり、
図8(B)は、
図5(B)のD−D断面概略図である。
【
図9】
図9(A)は、
図5(B)のE−E断面概略図であり、
図9(B)は、
図5(B)のF−F断面概略図である。
【
図10】
図10(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置について、回動片が開放位置にあるときの状態を示す正面図であり、
図10(B)は、その側面図である。
【
図11】
図11(A)は、回動片が開放位置にあるときの
図5(A)のA−A位置での切断面を示す断面概略図であり、
図11(B)は、そのときのB−B位置での切断面を示す断面概略図である。
【
図12】
図12(A)は、回動片が開放位置にあるときの
図5(B)のC−C位置での切断面を示す断面概略図であり、
図12(B)は、そのときのD−D位置での切断面を示す断面概略図である。
【
図13】
図13(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置について、後側ベース部材を取り外した状態を斜め後方側から見た斜視図であり、
図13(B)は、
図2の遊技機用可変入賞装置について、後側ベース部材及び遊技盤固定部材の一部を省略した状態を示す斜視図である。
【
図14】
図14(A)は、回動片が抑制位置にあるときの様子を示す一部破断斜視図であり、
図14(B)は、回動片が開放位置にあるときの様子を示す一部破断斜視図である。
【
図15】
図15(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置について、回動片が抑制位置にあるときの状態を後側ベース部材を省略して示す背面図であり、
図15(B)は、回動片が開放位置にあるときの状態を後側ベース部材を省略して示す背面図である。
【
図16】
図16(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置について、回動片が抑制位置にあるときの状態を後側ベース部材及びソレノイドを省略して示す背面図であり、
図16(B)は、回動片が開放位置にあるときの状態を後側ベース部材及びソレノイドを省略して示す背面図である。
【
図17】
図17(A)は、
図2の遊技機用可変入賞装置について、回動片が抑制位置にあるときの状態を後側ベース部材、ソレノイド、及び作動部材を省略して示す背面図であり、
図17(B)は、回動片が抑制位置にあるときの状態を後側ベース部材、ソレノイド、作動部材、及び伝達部材を省略して示す背面図である。
【
図18】
図18(A)は、第2実施形態に係る遊技機用可変入賞装置を斜め前方側から見た斜視図であり、
図18(B)は、その遊技機用可変入賞装置を斜め後方側から見た斜視図である。
【
図21】
図21(A)は、
図18の遊技機用可変入賞装置に関し、回動片が抑制状態のときの側面図であり、
図21(B)は、回動片が開放状態のときの側面図である。
【
図22】
図22(A)は、
図18の遊技機用可変入賞装置に関し、回動片が開放状態のときの正面図であり、
図22(B)は、その背面図である。
【
図23】
図23(A)は、
図18の遊技機用可変入賞装置について、回動片が抑制位置にあるときの状態を後側ベース部材を省略して示す背面図であり、
図23(B)は、その斜視図である。
【
図24】
図24(A)は、
図18の遊技機用可変入賞装置について、回動片が抑制位置にあるときの状態を後側ベース部材及びソレノイドを省略して示す背面図であり、
図24(B)は、その一部を拡大して示す拡大図である。
【
図25】
図25(A)は、
図18の遊技機用可変入賞装置について、回動片が抑制位置にあるときの状態を後側ベース部材及びソレノイドを省略して示す背面図であり、回動片が開放位置にあるときの状態を後側ベース部材及びソレノイドを省略して示す背面図である。
【
図26】
図26(A)は、回動片が抑制位置にあるときの
図21(A)におけるJ−J位置での切断面を示す概略断面図であり、
図26(B)はそのときのK−K位置での切断面を示す概略断面図である。
【
図27】
図27(A)は、回動片が開放位置にあるときの
図21(A)におけるJ−J位置での切断面を示す概略断面図であり、
図27(B)はそのときのK−K位置での切断面を示す概略断面図である。
【
図28】
図28(A)は、回動片が抑制位置にあるときの
図22(A)におけるL−L位置での切断面を示す概略断面図であり、
図28(B)は、回動片が開放位置にあるときの
図22(A)におけるL−L位置での切断面を示す概略断面図である。
【
図29】
図29(A)は、回動片が抑制位置にあるときの
図22(A)におけるM−M位置での切断面を示す概略断面図であり、
図29(B)は、回動片が開放位置にあるときの
図22(A)におけるM−M位置での切断面を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用可変入賞装置10及びそれを備えた遊技機1を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、
図1は、第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置10を備えた遊技機1を例示する正面図であり、まず、
図1を参照して遊技機1の構成を概説する。
【0020】
(遊技機の構成)
図1に示す遊技機1は、いわゆるパチンコ機として構成されるものであり、木板(ベニヤ板)、アクリル板等によって構成される遊技盤2の盤面(遊技盤2の前面)2aに沿って遊技球の発射を誘導するガイドレール5が設けられ、このガイドレール5等によって区画された形態で遊技領域が形成されている。また、遊技盤2の中央付近には、各種表示を行い得る液晶表示部3が配置され、この液晶表示部3の下方には、本発明に係る遊技機用可変入賞装置10が配置されている。なお、遊技機1には、遊技盤2の前方において当該遊技盤2の盤面2aとほぼ平行に透明板(ガラス板等)が配置され、ガイドレール5等によって区画された遊技領域内において透明板と遊技盤2との間を遊技球が流下するように構成されている。
【0021】
(遊技機用可変入賞装置の構成)
次に、第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置10について説明する。
図1に示すように、遊技機用可変入賞装置10(以下、入賞装置10ともいう)は、遊技盤2に固定されて用いられるものであり、その一部が遊技盤2の前方側から視認可能となるように露出した状態で配置されている。この入賞装置10は、遊技盤2に沿って流下する遊技球を受け入れる入賞口20を備えており、入賞口20から進入する遊技球を内部に取り込んで後方側に流下させるように機能している。
【0022】
本明細書において、「前後方向」とは、当該遊技機用可変入賞装置10が取り付けられる遊技盤2の盤面2aと直交する方向を意味し、遊技者側を前方側、遊技機奥側を後方側とする。なお、本実施形態では、回動片21,22の回動軸線A1,A2と平行な方向が「前後方向」と一致している。
【0023】
また、「上下方向」とは、遊技領域を遊技球が流下する方向(鉛直方向)を意味し、鉛直上方側を上方、鉛直下方側を下方とする。また、「左右方向」とは、上記「前後方向」及び「上下方向」と直交する方向を意味する。本実施形態では、一対の回動片21,22の並び方向(対向方向)が「左右方向」と一致しており、その並び方向及び回動軸線A1、A2の方向と直交する方向が「上下方向」と一致している。
【0024】
次に、入賞装置10を構成する各部品について詳述する。
図2〜
図4等に示す入賞装置10は、いわゆる電動チューリップとして構成されており、主として、筐体80、回動片21,22、伝達部材30、作動部材40、ソレノイド50を備えている。
【0025】
筐体80は、
図7(A)等に示すように遊技盤2に固定されるものであり、
図2〜
図4に示すように、入賞装置10の外殻をなしている。この筐体80は、前側ベース部材81と、遊技盤固定部材82と、後側ベース部材83とによって構成されており、遊技盤2に固定される遊技盤固定部材82に対して前側から前側ベース部材81が組み付けられ、遊技盤固定部材82の後側に後側ベース部材83が組み付けられるようになっている。
【0026】
図3、
図4に示すように、前側ベース部材81は、遊技盤2の盤面2aと略平行に配置される前板81aと、回動片21,22の下方に配置される底部81bとを有し、底部81bから上方に前板81aが立ち上がる形態をなしている。この前側ベース部材81は、これら前板81a及び底部81bと、一対の回動片21,22と、後述する台板90とによって遊技球を受ける箱状の受け部を構成しており、後述する回動片21,22の間に進入した遊技球を底部81bで受け、この遊技球を、台板90に形成された開口部90aを介して底部81bの後方に配置される誘導路92(後述)に誘導し得る構成をなしている。また、前側ベース部材81には、前板81aから後方側に延びる前後方向の軸部(支軸)82a,82bが突出形態で設けられており、この軸部82a,82bに後述する一対の回動片21,22がそれぞれ挿通し、回動可能に保持されるようになっている。
【0027】
遊技盤固定部材82は、遊技盤2の盤面2aに沿って配置される台板90を備えると共に、誘導路92と台板90とが一体的に連結された構成をなしている。
図4のように、誘導路92は、一対の側壁部92a,92bを備えると共に、底壁92cを有している(
図8等も参照)。これら一対の側壁部92a,92b及び底壁92cは、入賞口20から開口部90aに送られた遊技球を後方側に誘導する溝として機能している。また、遊技盤固定部材82には、誘導路92を取り囲むように環状の周壁部94が形成されている。この周壁部94は、台板90から後方側に突出すると共に誘導路92の上下左右を囲むように配置されており、後方側が開口する箱状形態をなしている。
【0028】
遊技盤固定部材82に取り付けられる後側ベース部材83は、遊技盤固定部材82に形成された環状の周壁部94の後方側の開口を閉塞するように配置される。この後側ベース部材83は、板状の後壁部101と、この後壁部101の前面側から前方に突出する一対のガイド壁102,103と、誘導路92の上方側に配置される湾曲壁104とを備えている。ガイド壁102,103は、前方側に突出すると共に上下方向に延びた板状の壁部として構成されており、後述する伝達部材30を後方側からガイドするように機能している。
【0029】
次に、回動片21,22について説明する。
回動片21,22は、
図5、
図6のように台板90の前方側に配置されており、遊技盤2の盤面2aと交差する回動軸線A1,A2(
図6(A)等参照)を中心として回動するように筐体80に直接支持されている。そして、入賞口20における遊技球の受け入れ状態を所定の抑制状態(相対的に遊技球が進入し難い状態)とする抑制位置(
図2、
図5等)と、この抑制状態のときよりも遊技球が進入し易い状態とする開放位置(
図10等)とに切り替わるようになっている。
【0030】
図3、
図4に示すように、一対の回動片21,22は、それぞれが長手状の回動片本体21c,22cを備えており、それら回動片本体21c,22cの長手方向一方寄りの位置に、前後方向に延びる孔部21a,22aがそれぞれ形成されている。各回動片21,22は、各孔部21a,22aに前側ベース部材81の各軸部82a,82bをそれぞれ挿入させた嵌合状態で、前側ベース部材81に回動可能に支持され、前板81aと台板90との間において両回動片21,22が互いに距離をあけて保持されている。なお、
図4等では、回動片21,22を保持する軸として、前側ベース部材81と一体的に形成された軸部82a,82bを例示したが、回動片21,22を回動可能に保持しうる構成であればよく、前側ベース部材81とは別の軸部材として構成されていてもよい。例えば、軸部82a,82bに代えて、台板90と前側ベース部材81との間に挟み込む形態で前後方向に延びる一対の軸部材(例えば真鍮ピン等)を組み付け、これら軸部材に、回動片21、22が回動可能に支持されるようにしてもよい。
【0031】
上記構成により、各回動片21,22は、
図6、
図14のような前後方向の軸線(回動軸線A1,A2)を中心として回動し得るようになっている。また、
図3、
図4のように、これら一対の回動片21,22には、各回動片本体21c,22cから後方に突出する軸部21b,22bがそれぞれ形成されている(
図8、
図13、
図14も参照)。軸部21bは、長手状の回動片本体21cにおいて、回動軸線A1に対し他端側(先端とは反対側)に設けられ、同様に、軸部22bも、長手状の回動片本体22cにおいて、回動軸線A2に対し他端側(先端とは反対側)に設けられている。各回動片21,22は、これら軸部21b,22bが後述する伝達部材30の延出部31,32によって操作されることにより、それぞれ回動軸線A1,A2を中心として回動動作するようになっている。
【0032】
図14、
図17(B)に示すように、回動片21は、回動軸線A1よりも内側(回動片22側)において、軸部21bが回動片本体21cから後方に突出しており、
図8、
図14(A)のように、伝達部材30の延出部31の先端側に形成された先端側凹部31bが軸部21bを下方位置に押し下げたとき、回動片本体21cの先端部を内側(回動片22側)に移動させた位置(第1回動位置)に位置決めされる。また、
図14(B)、
図12のように、延出部31の先端側凹部31bが軸部21bを上方位置に押し上げたとき、回動片本体21cの先端部を外側(回動片22とは反対側)に移動させた位置(第2回動位置)に位置決めされる。また、他方の回動片22も同様であり、
図14、
図17(B)に示すように、回動軸線A2よりも内側(回動片21側)において、軸部22bが回動片本体22cから後方に突出しており、
図8、
図14(A)のように、延出部32の先端側に形成された先端側凹部32bが軸部22bを下方位置に押し下げたときに、回動片本体22cの先端部を内側(回動片21側)に移動させた位置(第1回動位置)に位置決めされる。また、
図12、
図14(B)のように、先端側凹部32bが軸部22bを上方位置に押し上げたときには、回動片本体22cの先端部を外側に(回動片21とは反対側)に移動させた位置(第2回動位置)に位置決めされる。このようにして、
図5等に示す抑制位置と、
図10等に示す開放位置とに変化する。
【0033】
次に、ソレノイド50について説明する。
ソレノイド50は、「駆動源」の一例に相当するものであり、通電可能なコイルを備えたコイル部52と、「駆動部」として機能するプランジャ56と、ばね部材59とを備えている。このソレノイド50では、コイル部52の内部に一部が挿入される構成(具体的にはコイル部52内のコイルに形成された前後方向の孔内に一部が挿入される構成)で、金属材料などからなる軸状のプランジャ56が配置されており、コイル部52の励磁状態に応じてプランジャ56が駆動されるようになっている。
【0034】
コイル部52は、内蔵されたコイルの通電、非通電が切り替えられることにより、励磁状態と非励磁状態とに切り替わるようになっており、コイル部52が非励磁状態のときには、ばね部材59によってプランジャ56の先端部がコイル部52から離間するように付勢され、プランジャ56が
図14(A)に示す所定の突出位置に維持されるようになっている。一方、コイル部52が励磁状態のときには、プランジャ56がコイル部52内に引き込まれ、上記突出位置のときよりも突出量が小さくなる状態(没入位置の状態、即ち、プランジャ56の先端部がコイル部52に接近する状態)で維持されるようになっている。
【0035】
また、ソレノイド50は、軸状に構成されたプランジャ56の軸方向が遊技盤2の盤面2aと平行な横方向(左右方向であり、「第2方向」に相当する)に沿うように横向きに配置されており、コイル部52の通電、非通電に応じてプランジャ56が横方向に往復動するようになっている。また、
図7、
図13、
図15に示すように、ソレノイド50は、台板90の後方側において誘導路92の下方に配置されており、大部分又は全部が遊技盤2の盤面2aと後面2bの間に配されるようになっている。なお、本実施例では、
図3〜
図5のようにねじ等の締結部材120によって筐体80とソレノイド50を共締めしているが、遊技盤固定部材82と後側ベース部材83とで嵌合するように固定することもでき、このような締結部材120を省略してもよい。
【0036】
次に、作動部材40について説明する。
作動部材40は、
図3、
図4のような形態をなしており、プランジャ56と別体として設けられると共にプランジャ56と共に左右方向(第2方向)に沿って往復動し、且つ伝達部材30を連動させるように機能している。この作動部材40は、プランジャ56の先端部と嵌合する略板状の嵌合部41と、この嵌合部41から折れ曲がる略板状のスライド板42とを有しており、嵌合部41とスライド板42が略直角となるようにL字状に折れ曲がる形態をなしている。
図9〜
図15に示すように、嵌合部41は、厚さ方向が左右方向(横方向)となるようにプランジャ56の軸線(左右方向に延びる直線)と直交する仮想面に沿って配置されている。また、スライド板42は、厚さ方向が前後方向となるように盤面2aと平行な仮想面に沿って配置されている。作動部材40において、スライド板42は、嵌合部41の前端部からコイル部52側に折れ曲がる形態をなしており、コイル部52の前側において当該コイル部52と対峙する構成で配置されている。より詳しくは、左右方向に移動するプランジャ56の先端部と一体的に連結された作動部材40の一部(スライド板42)が、当該プランジャ56から折り返された形態で後述する伝達部材30とコイル部52との間に配置され、この間のスペース(即ち、伝達部材30とコイル部52の間のスペース)を利用してスライド板42が左右方向に往復動するようになっている。
【0037】
作動部材40のスライド板42には、溝部43が形成されている。この溝部43は、スライド板42を厚さ方向に貫通する長孔として構成されており、
図16に示すように、後述する作用溝45と、この作用溝45に続く所定方向のロック溝44とが形成されている。
【0038】
作用溝45は、溝部43の横方向他端側(プランジャ56が突出する側)において、後述するロック溝44と連通するように形成されており、後方側から見た場合に左側となるにつれて上方位置となるように(逆に言えば、前方側から見た場合に右側となるにつれて上方位置となるように)、横方向(第2方向)に対してやや傾斜するように形成されている。作用溝45の上側の内壁部45aは、後方側から見た場合に左側となるにつれて上方位置となるように(逆に言えば、前方側から見た場合に右側となるにつれて上方位置となるように)、横方向(第2方向)に対してやや傾斜するように壁面が構成されている。また、下側の内壁部45bも上側の内壁部45aとほぼ平行に形成されており、後方側から見た場合に左側となるにつれて上方位置となるように(逆に言えば、前方側から見た場合に右側となるにつれて上方位置となるように)、横方向(第2方向)に対してやや傾斜するように壁面が構成されている。
【0039】
また、ロック溝44は、いずれも伝達部材30の移動方向(本実施例では「第1方向」に相当する上下方向)と交差する方向(具体的には、横方向(第2方向)に沿った方向)に延びている。より詳しくは、
図16に示すように、ロック溝44の上側の内壁部44aは、溝部43の横方向一端側(プランジャ56が没入する側)において、後方側から見た場合に右側となるにつれて上方位置となるように(逆に言えば、前方側から見た場合に左側となるにつれて上方位置となるように)、横方向(第2方向)に対してやや傾斜するように形成されている。一方、上側の内壁部44aと対向する下側の内壁部は、
図16の例では横方向(第2方向)に沿って形成されているが、上側の内壁部44aと同様の傾斜で形成されていてもよい。
【0040】
このように形成される溝部43には、伝達部材30に形成された凸部33aが嵌り込むようになっている。溝部43の幅は、凸部33aの径よりもやや大きく構成されており、
図16(A)(B)のように作動部材40が横方向(第2方向)に移動することに応じて、凸部33aが溝部40内で相対移動するように案内されるようになっている(
図8(A)、
図12(A)の関係も参照)。なお、伝達部材30は、後述するように第2方向への移動が規制され、上下方向に沿って移動するようになっているため、凸部33aも上下方向に沿って移動することになる。従って、作用溝45が左右に往復動する際に、当該作用溝45の左右方向における凸部33aの位置での高さが変化することに応じて、その位置に追従するように上下方向に沿って凸部33aの高さが変化し、伝達部材30全体も凸部33aの高さに対応した高さとなる。
【0041】
次に、伝達部材30について説明する。
伝達部材30は、遊技盤2の盤面2aと平行な所定の第1方向(
図1〜
図17に示す代表例では上下方向)に沿って往復動するように筐体80内で保持されており、この往復動に応じて回動片21,22を抑制位置(
図2、
図5等)又は開放位置(
図10等)に移動させるように機能している。
【0042】
伝達部材30は、
図3、
図4のように、上述の作動部材40と係合して当該作動部材40の作用を受ける係合部33と、係合部33から上下方向(第1方向)に沿って延出する一対の延出部31,32とを備えている。延出部31,32は、上下方向を長手方向とするように長手状に形成されており、係合部3は左右方向を長手方向とするように長手状に形成されている。そして、延出部31,32の下端部が係合部33によって連結されるように構成され、全体として略U字状の形態をなしている。また、
図8、
図17(A)に示すように、延出部31,32は、係合部33から上下方向(第1方向)に沿って延びる基端部31a,32aと、基端部31a,32aよりも先端側に配置され且つ後方側に凹となる先端側凹部31b,32bとを備えており、先端側凹部31b,32bが回動片21,22に作用する構成をなしている(
図13、
図14も参照)。なお、基端部31a,32aは、「基端側延出部」の一例に相当する。また、先端側凹部31b,32bは、「先端側係合部」の一例に相当する。
【0043】
これら延出部31,32は、左右方向において少なくとも遊技球の直径以上の距離をあけて配置され、いずれも上下方向を長手方向とする構成で長手状に延びている。また、各延出部31,32の下端部付近を互いに連結する形態で、係合部33が配置されており、この係合部33の連結により、延出部31,32及び係合部33が一体化されている。なお、延出部31,32と係合部33とは、一体に成形され(例えば樹脂成形等により一体成形され)、その一体成形された全体が伝達部材30として機能している。
【0044】
筐体80内には、延出部31,32の左右両側に配置されると共に当該延出部31,32の上下方向(第1方向)の移動をガイドするガイド部が設けられている。具体的には、
図8〜
図13に示すように、左右方向において延出部31,32の間に介在するように誘導路92が設けられており、誘導路92の側壁部92aが延出部31の左右方向内側に対向するように配置され、この側壁部92aによって延出部31の内側の上下動をガイドしている。また、誘導路92の側壁部92bが延出部32の内側に対向するように配置され、この側壁部92bによって延出部32の内側の上下動をガイドしている。
【0045】
更に、延出部31における先端側凹部31bの前端側の左右方向外側に対向するように先端側凹部31bと僅かに隙間をあけて壁部97aが設けられている。また、延出部32における先端側凹部32bの前端側の左右方向外側に対向するように先端側凹部32bと僅かに隙間をあけて壁部97bが設けられている。
【0046】
また、
図9に示すように、上述のガイド壁102が、延出部31における先端側凹部31bの後端側の左右方向外側に対向するように配置されている。このガイド壁102は、延出部31の外側の上下動をガイドしている。同様に、上述のガイド壁103が、延出部31における先端側凹部33bの後端側の左右方向外側に対向するように配置されている。このガイド壁103も、延出部32の外側の上下動をガイドしている。更に、
図8(B)のように、ガイド壁102の下方側にもガイド壁98aが設けられており、延出部31における基端部31aの左右方向外側に対向するように配置されている。このガイド壁98aも、延出部31の外側の上下動をガイドしている。同様に、ガイド壁103の下方側にもガイド壁98bが設けられており、延出部32における基端部32aの左右方向外側に対向するように配置されている。このガイド壁98bも、延出部32の外側の上下動をガイドしている。
【0047】
このように、延出部31の左右両側が側壁部92aとガイド壁102、98aとによって挟まれ、これらにガイドされる形で延出部31が上下動するため、延出部31が円滑且つ安定的に移動することとなる。また、延出部32の左右両側が側壁部92bとガイド壁103、98bとによって挟まれ、これらにガイドされる形で延出部32が上下動するため、延出部32が円滑且つ安定的に移動することとなる。
【0048】
また、延出部31,32は、前面側が台板90の後面側によってガイドされるようになっている(
図7、
図17参照)。具体的には、延出部31,32に形成された各凸部31d,32dがそれぞれ台板90に形成された上下方向の長孔90c,90dにはまり込むようになっており、台板90に形成された突起90e,90fが基端部31a,32aの前面に当接するように支持がなされている。このようなガイド状態で、長孔90c,90dに沿って各凸部31d,32dが相対移動するように延出部31,32が変位するようになっている(
図7(B)、
図11(B)も参照)。
【0049】
また、延出部31,32は、上述のスライド板42と前後に重なるように配置されており、基端部31a,32aの後面側がスライド板42の前面と当接し、当該前面によってガイドされるようになっている。スライド板42は、左右方向に移動するため、前面の前後方向の位置が変化しないようになっており、この前面に沿って基端部31a,32aが上下動するようになっている。
【0050】
更に、
図7に示すように、筐体80内には、先端側凹部31b,32bの後方側に配置されると共に当該先端側凹部31b,32bの後方側への移動を規制する後方ガイド部105が設けられている。
図7に示す後方ガイド部105は、先端側凹部32bの後方側に対向しており、延出部32が後方側に撓み過ぎることを規制するようになっている。なお、先端側凹部31bの後方側にも後方ガイド部105と同様の後方ガイド部が設けられており、同様に機能している。また、本実施形態では、先端側凹部31b,32bがコの字状に屈曲しており、これらの窪みに回動片21,22の軸部21b,22bが嵌り込むようになっているため、前後方向のコンパクト化を図りやすくなっている。また、各先端側凹部31b,32bの後方に対峙するように後方ガイド部105が配置されているため、各先端側凹部31b,32bが後方側に倒れすぎることがなく、各先端側凹部31b,32bが回動片21,22の軸部21b,22bから離脱するのを防止している。
【0051】
このように構成される入賞装置10では、
図17(B)のような遊技盤固定部材82の周壁部94内に、まず
図17(A)のように伝達部材30を配置し、その後、
図16のように伝達部材30の後方側に作動部材40を配置し、更に、
図15のようにソレノイド50を配置して、後側ベース部材83で閉塞するようにすれば、組みつけが行いやすくなる。
【0052】
次に、作動部材と伝達部材の連係動作について説明する。
本実施形態では、上述の伝達部材30及び作動部材40が、台板90とソレノイド50との間に配置されており、このような狭いスペース内で互いに連係して動作するようになっている。まず、
図13、
図14(A)のようにソレノイド50のプランジャ56が突出位置にあるときには、作動部材40が所定の保持位置に維持されるようになっている。この場合、
図16(A)のように、作動部材40は、相対的に左右方向一端側に移動し、凸部33aは、溝部43内において左右方向他端側に設けられたロック溝44内で保持される。溝部43においてロック溝44は相対的に下方位置であるため、凸部33aも下方位置となり、これにより、伝達部材30全体も下方位置で保持される。この状態では、各先端側凹部31b,32bが回動片21,22の軸部21b,22bを押し下げるため、回動片21,22は抑制位置で保持される。このとき、両回動片本体21c,22cの先端部が近接して入賞口20が狭い状態となり、入賞口20は、相対的に遊技球が進入しにくくなる。
【0053】
そして、このように作動部材40が保持位置に維持され且つ回動片21,22が抑制位置にあるときには、凸部33aがロック溝44に嵌合し続ける。このように凸部33aがロック溝44に嵌合する嵌合状態で回動片21,22を開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合は、回動片21,22と連動する伝達部材30の移動動作が規制され、回動片21,22の回動が阻止される。すなわち、凸部33aがロック溝44の上側の内壁部44aに当接し作用溝45側に移らないため、伝達部材30の移動動作が規制される。そして、上側の内壁部44aが作用溝45とは反対に傾斜しているため、凸部33aが作用溝45の反対側に相対移動しようとすることで、より確実にロックすることができる。
【0054】
一方、
図14(B)、
図15(B)のようにソレノイド50のプランジャ56がコイル部52内に引き込まれた没入位置になるときには、作動部材40が上記保持位置から横方向(第2方向)に退避して退避位置に変化する。このように作動部材40が横方向(第2方向)に移動することに応じて、凸部33aが溝部43内においてロック溝44側から作用溝45側に相対移動するように案内される。そして、凸部33aは、作用溝45内でロック溝44とは反対側の端部に導かれるように相対移動し、このとき、上下方向の位置が固定されたスライド板42において、凸部33aの位置が相対的に上方位置に変化するため、これに応じて伝達部材30は上下方向(第1方向)に沿って上昇する。これにより、
図10〜
図12のような状態となり、各延出部31,32の上昇に応じて各先端側凹部31b,32bが回動片21,22の軸部21b,22bを押し上げるため、回動片21,22は開放位置で保持される。このとき、両回動片本体21c,22cの先端部が離間することで、入賞口20は遊技球が相対的に進入しやすい状態(開放状態)となる。
【0055】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態の入賞装置10では、遊技盤2の盤面2aと平行な所定の第1方向に沿って往復動する伝達部材30と、ソレノイド50(駆動源)のプランジャ56(駆動部)と共に第2方向に沿って往復動する作動部材40と、伝達部材30と作動部材40とを連係動作させる連係機構とが設けられている。そして、ソレノイド50(駆動源)の非駆動時には、作動部材40が所定の保持位置に維持されると共に、連係機構により、回動片21,22を抑制位置に位置決めするように伝達部材30が位置保持され、ソレノイド50(駆動源)のプランジャ56(駆動部)が駆動したときには、プランジャ56(駆動部)と連動して第2方向に変位する作動部材40の直線的な動作が、連係機構によって伝達部材30の第1方向の直線的な動作に変換され、当該伝達部材30の第1方向の動作に応じて回動片21,22が抑制位置から開放位置に回動変位するようになっている。
この構成では、伝達部材30及び作動部材40がいずれも遊技盤2の盤面2aと平行な方向に沿って移動するように構成されているため、プランジャ56(駆動部)の駆動力を回動片21,22に伝達する機構を構成する上で、盤面2aと直交する方向(前後方向)のサイズを削減しつつ、ソレノイド50(駆動源)の駆動力を効率よく伝達し易くなる。また、伝達部材30の動作を連係機構によって作動部材40の動作に変換できる構成であるため、ソレノイド50(駆動源)の配置に対して回動片21,22の配置等が規制され難く、設計の自由度が高められる。
【0056】
また、伝達部材30及び作動部材40は、遊技盤2の盤面2aと交差する方向に並んで設けられている。そして、伝達部材30及び作動部材40のいずれか一方(上記の例では作動部材40側)に、第1方向及び第2方向のいずれに対しても傾斜した方向に延びる作用溝45が形成され、他方(上記の例では伝達部材30側)に、作用溝45に嵌り込む凸部33aが形成され、作用溝45及び凸部33aが連係機構として機能している。そして、この連係機構は、作動部材40が第2方向に移動することに応じ、凸部33aが傾斜した作用溝45内で相対移動するように案内されるようになっており、この相対移動と連動させて伝達部材30を第1方向に移動させるように構成されている。
この構成によれば、作動部材40の第2方向への移動力を第1方向への移動力に変換し得る構成を簡易に且つ小型構成で実現できる。
【0057】
また、伝達部材30及び作動部材40のいずれか一方(上記の例では作動部材40側)に、作用溝45と連続するように第2方向に延びるロック溝44が形成されている。そして、作動部材40は、第1方向への移動が規制されている。更に、連係機構は、作動部材40が保持位置に維持され且つ回動片21,22が抑制位置にあるときに、凸部33aがロック溝44内に嵌り込み、プランジャ56(駆動部)の駆動動作に応じて作動部材40が第2方向に移動する際には、凸部33aがロック溝44側から作用溝45側に移り作用溝45内で相対移動するように案内され、この相対移動と連動させて伝達部材30を第1方向に移動させるように構成されている。また、凸部33aがロック溝44内に嵌り込んだ状態で回動片21,22を開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、回動片21,22と連動して伝達部材30が第1方向に移動しようとし、凸部33aが作用溝45側に移ることなくロック溝44内で第1方向への相対移動が規制されることにより伝達部材30の移動が規制され、回動片21,22の回動が阻止されるようになっている。
この構成によれば、ソレノイド50(駆動源)の動作時には凸部33aが作用溝45側に移るように作動部材40を変位させて安定的にロックを解除することができる。一方、回動片21,22に対する不正回動操作時には、回動片21,22と連動する伝達部材30の移動が作動部材40によって規制されることになり、確実にロックすることが可能な構成をより簡易に実現することができる。すなわち、作動部材40が第1方向への移動が規制されているので、作動部材40のロック溝44によって、伝達部材30の凸部33aの第1方向への相対移動が規制され、伝達部材30の第1方向への移動、ひいては、回動片21,22の不正回動操作を阻止することができる。
【0058】
また、伝達部材30は、作動部材40と係合して当該作動部材40の作用を受ける係合部33と、係合部33から第1方向に沿って延出する延出部31,32とが形成され、係合部33に凸部33aが形成されている。そして、筐体80内には、第1方向と直交する方向(第2方向)において延出部31,32の両側に、当該延出部31,32の第1方向の移動をガイドするガイド部(側壁部92a,92b、ガイド壁98a,98b,102,103)が設けられている。
この構成によれば、伝達部材30の横方向の撓みを効果的に抑制することができ、伝達部材30の安定的な可動、ひいては回動片21,22の安定的な可動を実現することができる。また、伝達部材30の経年劣化や損傷を低減し易くなる。
【0059】
また、ソレノイド50(駆動源)は、プランジャ56(駆動部)が軸状に構成され且つ当該プランジャ56(駆動部)の軸方向が遊技盤2の盤面2aに沿った方向と略平行であって且つ横方向となるように配置されている。
この構成によれば、伝達部材30の形状や可動領域だけでなく、作動部材40やソレノイド50(駆動源)の形状や可動領域についても前後方向のサイズを抑制することができ、装置全体として前後方向のサイズをより小さくすることができる。
【0060】
また、筐体80は、遊技盤2の盤面2a側に取り付けられる台板90を備えており、伝達部材30は、台板90とソレノイド50(駆動源)との間に配置されている。更に、作動部材40が、第2方向に移動するプランジャ56(駆動部)に連結されると共に当該プランジャ56(駆動部)から折り返された形態で伝達部材30とソレノイド50(駆動源)との間に配置されている。
この構成によれば、台板90とソレノイド50(駆動源)の間のスペースを利用してプランジャ56(駆動部)の駆動力を回動片21,22に伝達できるようになる。従って、前後方向のサイズをより一層抑えることができ、装置全体を一層小型化することができる。
【0061】
また、伝達部材30には、作動部材40と係合して当該作動部材40の作用を受ける係合部33と、係合部33から第1方向に沿って延出する延出部31,32とが形成されている。そして、延出部31,32は、係合部33から第1方向に沿って延びる基端部31a,32aと、基端部31a,32aよりも先端側に配置され且つ前方側から凹となる先端側凹部31b,32bと、を備え、先端側凹部31b,32bが回動片21,22に作用する構成をなしている。また、延出部31,32は、前方側が筐体80の台板90の後面側によってガイドされ、基端部31a,32aの後方側が作動部材40の前面側によってガイドされ、更に、先端側凹部31b,32bの後方側に配置されると共に当該先端側凹部31b,32bの後方側への移動を規制する後方ガイド部105が設けられている。
この構成によれば、伝達部材30の基端部31a,32a及び先端側凹部31b,32bも前後を安定的にガイドすることができるため、伝達部材30をより円滑に動作させることができ、ひいては回動片21,22をより安定的に動作させることができる。また、先端部側に設けられた先端側凹部31b,32bの後方側への移動が後方ガイド部105によって規制されるため、伝達部材30の反り等を抑えることができ、伝達部材30の経年劣化や損傷をより低減し易くなる。
【0062】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、遊技機用可変入賞装置以外の構成は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の構成については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態の遊技機用可変入賞装置210も、遊技機1の遊技盤2に固定され、遊技盤2に沿って流下する遊技球を受け入れる入賞口220を備えている。この入賞装置210も、いわゆる電動チューリップとして構成されており、
図18〜
図20のように、主として、筐体280、回動片221,222、伝達部材230、作動部材240、ソレノイド250を備えている。
【0063】
図18〜
図22に示すように、本実施形態の入賞装置210でも、外郭をなす筐体280が設けられており、この筐体280も、前側ベース部材281、遊技盤固定部材282、後側ベース部材283を備えており、遊技盤固定部材282に設けられた板状の台板290が遊技盤2の盤面2aに沿うように固定されるようになっている。また、遊技盤固定部材282には、台板に直接又は他部材を介して連結される形態で誘導路292が設けられており、入賞口220で受け入れた遊技球を後方に誘導するように機能している。
【0064】
また、この入賞装置210でも、第1実施形態と同様の一対の回動片221,222が設けられており、筐体280の台板290の前面側において、盤面2aと交差する回動軸線を中心として回動可能となるように支持されている。そして、これら回動片221,222は、入賞口220における遊技球の受け入れ状態を所定の抑制状態とする抑制位置(
図18、
図21(A))と、抑制状態のときよりも遊技球が進入し易い状態とする開放位置(
図21(B)、
図22(A))とで変位可能となっている。
【0065】
ソレノイド250は、「駆動源」の一例に相当するものであり、誘導路292の下方側に設けられている。このソレノイド250は、盤面2aと平行な方向であって且つ上下方向(第1方向)と直交する横方向(第2方向)に沿って往復動するプランジャ256(駆動部)と、通電可能に構成されたコイル部252と、ばね部材259とを備えている。このソレノイド250の動作は、第1実施形態で用いられるソレノイド50と同様であり、このコイル部252の通電状態に応じて、プランジャ256を、コイル部252内に引き込まれた没入位置と、この没入位置のときよりもコイル部252から突出する突出位置との間で直線的に移動させるように機能している。また、ソレノイド250は、プランジャ256(駆動部)が軸状に構成され且つ当該プランジャ256の軸方向が遊技盤2の盤面2aに沿った方向と略平行であって且つ横方向となるように配置されている。
【0066】
作動部材240は、ソレノイド250のプランジャ256(駆動部)と別体として設けられると共にプランジャ256(駆動部)と共に横方向(第2方向)に沿って往復動し、且つ伝達部材230を連動させるように作用するものである。
【0067】
伝達部材230は、遊技盤2の盤面2aと平行な所定の第1方向(上下方向)に沿って往復動するように筐体280内で保持されており、本実施形態でも、伝達部材230及び作動部材240が、台板290とソレノイド250との間で動作するように配置されている。この伝達部材230は、回動片221,222と接触可能に構成された作用部(延出部231,232の先端側凹部231b、232b)を備えると共に、台板290の後方側において作動部材240を介してプランジャ256の動作に応じて変位するように配されている。そして、プランジャ256が突出位置にあるときに回動片221,222を抑制位置に変位させ、プランジャ256が没入位置にあるときに回動片221,222を開放位置に変位させるように機能している。
【0068】
また、本実施形態においても、作動部材240に溝部243a,243bが形成されており、伝達部材230には、溝部243a,243bに嵌り込む凸部233a,233bが形成されており、
図25(A)、
図26(B)の状態から
図25(B)、
図27(B)の状態に変化するように作動部材240が横方向(第2方向)に移動することに応じて、凸部233a,233bが溝部243a,243b内で相対移動するように案内され、この相対移動に応じて伝達部材230が上下方向(第1方向)に移動するようになっている。
【0069】
また、各溝部243a,243bにはそれぞれ、所定方向のロック溝244a,244bと、これらロック溝244a,244bと傾斜する方向の作用溝245a,245bとが形成されており、
図24、
図25(A)、
図26(B)のように、プランジャ256が突出位置に保持されることで作動部材240が保持位置に維持され、回動片221、222が抑制位置にあるときには、凸部233a,233bがロック溝244a,244bに嵌合するようになっている。このとき、
図23、
図24、
図25(A)、
図26(A)、
図28(A)、
図29(A)のように、作動部材240は下降位置で維持される。
【0070】
また、ロック溝244a,244bは左右方向(第2方向、即ち横方向)に沿って延びており、ロック溝244a,244bの上面は、左右方向(第2方向、即ち横方向)に対して傾斜している。また、作用溝245a,245bは、左右方向(第2方向)に対して傾斜した方向に沿って延びており、ロック溝244a,244bの上面の傾斜の向きが、作用溝245a,245bの傾斜の向きとは逆向きとされている。そして、
図24、
図25(A)、
図26(B)のように、凸部233a,233bがロック溝244a,244b内に嵌り込んだ状態で回動片221,222を開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合、回動片221,222と連動する伝達部材230の移動動作に応じて凸部233a,233bがロック溝244a,244bの上面と当接することで、回動片221,222の回動が阻止されるようになっている。特に、ロック溝244a,244bの上面は、作用溝245a,245b側が低くそれとは反対側が高くなるように傾斜しているため、回動片221,222に強い力が加えられたとしても凸部233a,233bは作用溝245a,245b側とは反対側に相対移動するように動作し、ロック溝244a,244b内の作用溝245a,245bとは反対側の端部に当接することになる。従って、凸部233a,233bの相対移動と共に伝達部材230の移動が確実に規制され、回動片221,222の回動が確実に阻止されることになる。
【0071】
また、本実施形態では、ロック溝が2つ設けられ、各ロック溝と係合し得るように2つの凸部が設けられているため、不正開放をより確実に防止することができるようになっている。例えば、不正行為によって一方の回動片に外力が働く場合、この回動片に対応した一方の延出部のみに大きな力が加わり、伝達部材230に捻じれ撓みが生じることが懸念される。このような場合、ロック溝及び凸部がそれぞれ1つのみであると凸部がロック溝から離脱する虞があるが、本実施形態のようにロック溝が二つ存在し、それぞれに対応するように凸部が設けられていると、2箇所で伝達部材230と連係することが可能となり、伝達部材230に捻じれや撓みが生じてもロックが解除されにくくなる。
【0072】
また、ソレノイド250の通電に応じてプランジャ256が没入位置に変化し、作動部材240が第2方向に移動する際には、凸部233a,233bが作用溝245a,245b内で相対移動することに応じて伝達部材230が上下方向(第1方向)に移動するようになっている(
図25(B)、
図27(A)、
図28(B)、
図29(B)参照)。
【0073】
また、第2実施形態の構成でも、伝達部材230には、作動部材240と係合して当該作動部材240の作用を受ける係合部233と、係合部233から第1方向に沿って延出する延出部231,232とが形成されており、筐体内には、延出部231,232の左右両側に配置されると共に当該延出部231,232の第1方向の移動をガイドするガイド部(誘導路292の側壁292a,292b、及び各延出部231,232を挟んで側壁292a,292bとは反対側に配されたガイド壁298a,298b(
図26(A)))が設けられている。
【0074】
また、延出部231,232は、係合部233から第1方向に沿って延びる基端部231a,232aと、基端部231a,232aよりも先端側に配置され且つ後方側に凹となる先端側凹部231b,232bと、を備え、先端側凹部231b,232bが回動片221,222に作用する構成をなしている。また、延出部231,232は、前方側が筐体280の台板290の後面側によってガイドされるようになっている。また、基端部231a,232aの後方側が作動部材240の前面側によってガイドされるようになっており、更に、
図27、
図28に示すように、先端側凹部231b,232bの後方側に配置されると共に当該先端側凹部231b,232bの後方側への移動を規制する後方ガイド部295が設けられている。
【0075】
先端側凹部231b,232bは、一対の作用片に相当しており、それら一対の回動片221,222の各々に対応するように誘導路292の両側方にそれぞれ配置されている。また、係合部233は、連結部の一例に相当し、この一対の作用片を連結すると共に、誘導路29の下方側でプランジャ256の駆動動作を受けるように配され、この連結部の変位に応じて一対の作用片が動作するように構成されている。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0076】
上記実施形態では、ロック溝(ロック溝44,244a,244b)の幅が作用溝(作用溝45、245a,245b)の幅とほぼ同サイズであり、ロック溝全体が一定の幅で形成された例を示したが、このような形態に限られず、凸部(33a,233a,233b)が上方に相対変位したときに、この凸部が作用溝側に移動し難いように上側の内壁部が形成されていればよい。例えば、第1実施形態の上側の内壁部44a(
図16参照)を変形し、作用溝45の下端付近から上方に窪むように凹部を形成してもよい。第2実施形態でも同様であり、ロック溝244a,244bの上側の内壁部244a’,244b’(
図24(B)参照)を変形し、作用溝245a,245bの各下端付近から上方に窪むように凹部を形成してもよい。