特許第5700455号(P5700455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サンエープロテントの特許一覧

<>
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000002
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000003
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000004
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000005
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000006
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000007
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000008
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000009
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000010
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000011
  • 特許5700455-テント用ロック装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700455
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】テント用ロック装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/34 20060101AFI20150326BHJP
   E04H 15/60 20060101ALI20150326BHJP
   F16B 7/00 20060101ALI20150326BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   E04H15/34 E
   E04H15/60
   F16B7/00 A
   F16B7/20 A
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-94059(P2012-94059)
(22)【出願日】2012年4月17日
(65)【公開番号】特開2013-221339(P2013-221339A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2013年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】500094381
【氏名又は名称】株式会社サンエープロテント
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】高山 敏彦
【審査官】 土屋 真理子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0141803(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/34
E04H 15/60
F16B 7/00
F16B 7/10
F16B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック孔が形成された柱体に相対昇降可能に取り付けられるロックベースと、前記ロックベースに長手方向に移動可能且つ長手方向軸廻りに回動可能に設けられて前記ロック孔に突入するロック位置と前記ロック孔から抜け出るアンロック位置とをとり得るロックピンと、前記ロックベースに設けられて前記ロックピンを常時ロック位置側に付勢する弾性体と、前記ロックベースに揺動可能に設けられて前記ロックピンをアンロック位置にし得る操作レバーと、前記ロックピンと前記操作レバーとの係合を解除する解除機構と、を備え
前記解除機構は、前記ロックピンに設けられて該ロックピンを外部から回動操作可能な回動操作体と、前記ロックピンに設けられて前記操作レバーと係合可能な鍔片と、を含み、前記操作レバーの先部が前記ロックピンの軸部と離間して形成されるとともに、前記鍔片が前記ロックピンの軸部から半径方向所定方向にのみ延びており、前記ロックピンが所定回転角度範囲にある時に、該操作レバーの先部と前記鍔片のロック側面とが係合するように構成されていることを特徴とするテント用ロック装置。
【請求項2】
前記ロックピンが所定回転角度範囲にある時に前記操作レバーの先部と前記鍔片のアンロック側面とが係合することにより、前記操作レバーをアンロック側位置に保持するとともに前記ロックピンをロック位置に保持するインターロック機構を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のテント用ロック装置。
【請求項3】
前記弾性体の弾性力に抗し前記ロックピンのアンロック位置において前記回動操作体を支持する突起が前記ロックベースに突設されていることを特徴とする請求項2に記載のテント用ロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてテントを構成する柱体と梁体との間や柱体の外筒と内筒との間に用いられ、とりわけロックピンを備えたテント用ロック装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテント用ロック装置としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。
【0003】
当該テント用ロック装置は、基本的には、ロック孔が設けられた柱体に相対昇降可能に設けられたロックベースと、ロックベースに長手方向に移動可能に設けられてロック孔に突入するロック位置とロック孔から抜け出るアンロック位置とをとり得るロックピンと、ロックベースに設けられてロックピンを常時ロック位置に付勢する弾性体と、ロックベースに揺動可能に設けられてロックピンをアンロック位置に作動し得る操作レバーと、ロックピンをロック位置に動かないように保持し得るロック保持手段と、から構成されている。
【0004】
而して、この様なものは、柱体とロックベースを相対昇降させてロック孔とロックピンが合致したならば、弾性体に依りロックピンがロック孔に突入されてロック位置になり、柱体とロックベースとの相対昇降が阻止される。
【0005】
この様な状態から、弾性体に抗して操作レバーを揺動させると、ロックピンがロック孔から抜け出てアンロック位置にされ、柱体とロックベースとの相対昇降が許容される。
【0006】
ロック保持手段が作動されると、ロックピンがロック位置において動かないように保持される。この為、操作レバーを誤操作してロックピンをアンロック位置にしようとしても、ロックピンがロック保持手段に依りロック位置に軸方向移動不能に保持されているので、柱体とロックベースとの相対昇降が阻止される。
【0007】
ロックピンと操作レバーとは常に係合状態にあり、ロック保持手段によりロックピンがロック位置に保持された状態では、操作レバーをアンロック側へ揺動操作しようとしても、ロック保持手段によりロックピンがロック位置に保持されて動かないため、ロックピンに係合している操作レバーも揺動操作することができず、その結果、誤ってロック状態が解除される事がなく、安全性が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4542129号公報
【特許文献2】特許第4833315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ロック保持手段によりロックピンがロック位置に保持された状態で、操作レバーがアンロック側へ誤って強い力に依り無理矢理操作されると、ロックピンがロック位置に保持されて動かないと共に、これに依って操作レバーも動かないので、操作レバーが折れ曲がったりして構成部品の損傷や作動不良を生じるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解消するため、ロックピンがロック位置にある時に操作レバーがアンロック側へ誤って強い力に依り操作されても、構成部品の損傷や作動不良が生じないテント用ロック装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るテント用ロック装置は、ロック孔が形成された柱体に相対昇降可能に取り付けられるロックベースと、前記ロックベースに長手方向に移動可能且つ長手方向軸廻りに回動可能に設けられて前記ロック孔に突入するロック位置と前記ロック孔から抜け出るアンロック位置とをとり得るロックピンと、前記ロックベースに設けられて前記ロックピンを常時ロック位置側に付勢する弾性体と、前記ロックベースに揺動可能に設けられて前記ロックピンをアンロック位置にし得る操作レバーと、前記ロックピンと前記操作レバーとの係合を解除する解除機構と、を備え、前記解除機構は、前記ロックピンに設けられて該ロックピンを外部から回動操作可能な回動操作体と、前記ロックピンに設けられて前記操作レバーと係合可能な鍔片と、を含み、前記操作レバーの先部が前記ロックピンの軸部と離間して形成されるとともに、前記鍔片が前記ロックピンの軸部から半径方向所定方向にのみ延びており、前記ロックピンが所定回転角度範囲にある時に、該操作レバーの先部と前記鍔片のロック側面とが係合するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るテント用ロック装置は、前記ロックピンが所定回転角度範囲にある時に前記操作レバーの先部と前記鍔片のアンロック側面とが係合することにより、前記操作レバーをアンロック側位置に保持するとともに前記ロックピンをロック位置に保持するインターロック機構を更に備えることが好ましい。
【0015】
前記弾性体の弾性力に抗し前記ロックピンのアンロック位置において前記回動操作体を支持する突起が前記ロックベースに突設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記解除機構により操作レバーとロックピンとの係合を解除しておけば、操作レバーがフリーになるため、操作レバーをアンロック側へ誤って強い力に依り操作しても、構成部品の損傷や作動不良を誘発するおそれがない。
【0017】
また、前記インターロック機構により、前記ロックピンをロック位置に保持するとともに前記操作レバーをアンロック側位置に保持することにより、ロックピンをロック位置の保持した後、操作レバーをアンロック側へ操作し得ない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るテント用ロック装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
図2】ロックベースの蓋体とロックピンと操作レバーとを示す分解斜視図である。
図3】ロックピンが操作レバーと係合しロック位置にある状態を示す縦断側面図である。
図4図3の縦断背面図である。
図5】柱体の外筒とロックベースと外筒側摺動体との取付状態を示す縦断正面図である。
図6】柱体の外筒と内筒と嵌合状態を示す横断平面図である。
図7】ロックピンが操作レバーと係合しアンロック位置にある状態を示す縦断側面図である。
図8】ロックピンと操作レバーとの係合が解除されている状態を示す縦断側面図である。
図9図8の縦断背面図である。
図10】操作レバーが突起に支持されてロックピンがアンロック位置に保持されている状態を示す縦断側面図である。
図11】ロックピンをロック位置に保持するとともに操作レバーをアンロック側位置に保持した状態を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るテント用ロック装置の一実施形態を、図1図11を参照して説明する。尚、図1において、上側が上側、下側が下側、右上側が前側、左下側が後側、右下側が右側、左上側が左側と規定する。
【0020】
図1図11において、テント用ロック装置1は、ロック孔4を備える柱体2に取り付けられるもので、ロックベース3、ロックピン5、弾性体6、及び操作レバー7を備えている。
【0021】
柱体2は、テントの構造体(フレーム)を為すもので、この例では、上下方向に長尺なアルミニウム等の金属製にしてあり、外筒11とこれに摺動可能に内嵌される内筒12とを備えている。
【0022】
外筒11は、断面略正方形の角筒状を呈して居り、下部の左右両側には、掛合孔13が穿設されていると共に、後側には、ロック孔4に連通する通孔14が穿設されている。
【0023】
内筒12は、外筒11より小径で同じく断面略正方形の角筒状を呈し、内側四隅には、断面略正方形の補強リブ15を備えている。
【0024】
外筒11の下部には、これに取付けられて内筒12を摺動可能に案内する為の外筒側摺動体16が設けられていると共に、内筒12の上部には、これに取付けられて外筒11を摺動可能に案内する為の内筒側摺動体17が設けられている。
【0025】
外筒側摺動体16は、合成樹脂製にしてあり、外筒11の下端に当合される四枠状の枠片18と、これの各辺に立設されて外筒11の下部内側に位置して内筒12の外面に摺接される四つの摺動片19と、左右の摺動片19に外向きに突設されて外筒11の掛合孔13に掛合される突起20と、後側の摺動片19に穿設されて外筒11の通孔14に連通する通孔21とを備えている。
【0026】
内筒側摺動体17は、同じく合成樹脂製にしてあり、内筒12の上端に当合される蓋片22と、これの下側に連設されて内筒12の上部内側に嵌入される嵌入片23と、外筒摺動体16の摺動片19に干渉しない様に蓋片22の四隅に突設されて外筒11の内面に摺接される合計八つの摺動片24とを備えている。
【0027】
ロックベース3は、柱体2に相対昇降可能に設けられるもので、この例では、外筒11に固定される合成樹脂製にしてあり、外筒11に外嵌される角筒状の筒体25と、これの後側に突設されて略半円状の収容腔が形成されて後方が開放された箱体26と、これの後方を閉塞する蓋体27とを備えている。
【0028】
筒体25の左右両側には、外筒11の掛合孔13に連通して外筒側摺動体16の突起20が掛合される掛合孔28が形成されている。
【0029】
筒体25と蓋体27には、ロックピン5を貫通して案内する為の案内孔29が形成されている。
【0030】
箱体26の上部には、収容腔に連通されて操作レバー7が挿入される挿入孔30が形成されている。
【0031】
箱体26の底壁には、内部に侵入した雨水等を外部へ排出し得る複数(二つ)の排出口31が形成されている。
【0032】
蓋体27は、ビス等の止具32に依り箱体26に着脱可能に取付けられて居り、案内孔29の前側には、これより大径で弾性体6の一側を支持する為の受孔33が形成されていると共に、後面には、ロックピン5と操作レバー7との係合解除状態を示す「ON」の文字と、ロックピン5と操作レバー7との係合状態を示す「OFF」の文字と回動方向を示す「両矢印」の図形が表記されている。
【0033】
ロック孔4は、柱体2に設けられたもので、この例では、内筒12に設けられて居り、適数のものが内筒12の後側の長手方向(上下方向)に所定間隔を置いて穿設されている。図面では、一つだけを示している。
【0034】
ロックピン5は、ロックベース3に長手方向に移動可能に設けられてロック孔4に突入するロック位置とロック孔4から抜け出るアンロック位置とをとり得るもので、この例では、アルミニウム等の金属製で略円柱状を呈して居り、ロックベース3の案内孔29に前後方向に移動可能且つ前後方向軸廻りに回動可能に設けられている。
【0035】
ロックピン5の前側には、窪所が形成されてここには合成樹脂製で円柱状の摺接片34が前側を除いて嵌合されている。ロックピン5の中程には、ロックピン5の軸部から半径方向所定方向(図示例では、ロックピン5の軸部を挟んで反対側2方向)に延びる鍔片35が形成されている。ロックピン5の後部には、両側が切除されて取付片36が形成されている。
【0036】
弾性体6は、ロックベース3に設けられてロックピン5を常時ロック位置に付勢するもので、この例では、スプリング鋼等の金属製で圧縮型の円錐コイルスプリングにしてあり、ロックピン5に後側から外挿されると共に、ロックピン5の鍔片35とロックベース3の蓋体27の受孔33との間に介設されて居り、ロックピン5を常に前側に付勢している。
【0037】
ロックピン5の後側には、ロックピン5を外側から回動操作するための回動操作体41が設けられている。回動操作体41は、合成樹脂製で略半円板状を呈して居り、前側には受穴が窪設されてここにはロックピン5の取付片36が挿入され、ビス等の取付具45に依り着脱可能に取付けられる。
【0038】
操作レバー7は、ロックベース3に揺動可能に設けられてロックピン5をアンロック位置に移動させ得るもので、この例では、アルミニウム等の金属製で板状を呈するレバー片37と、これの中程に折曲して形成されたボス片38と、レバー片37の上部に一体的に付設されて合成樹脂製で略半円板状を呈する操作片39とを備えている。
【0039】
操作レバー7のレバー片37とボス片38は、ロックベース3の挿入孔30に挿入される。ボス片38は、左右方向の支軸(ボルト)40に依りロックベース3に対して前後方向に揺動(横軸廻りに回動)可能に取付けられる。
【0040】
そして、レバー片37の先部が、支軸40とロックピン5の軸部との間で、ロックピン5の軸部から離間した位置にあって、ロックピン5が軸回りに所定回転角度範囲にあるときにのみ鍔片35のロック側面35aと係合するように構成されることにより、ロックピン5が前記所定回転角度範囲外にあるときにはロックピンの長手方向移動を許容しつつロックピン5と操作レバー7との係合が解除される解除機構が構成されている。
【0041】
従って、レバー片37の先部が鍔片35のロック側面35aと係合しているとき、すなわち、解除機構が機能していないときは、操作レバー7は、ロックピン5をロック位置にし得るロック側(図3参照)からアンロック位置にし得るアンロック側(図7参照)に、弾性体6の弾性力に抗して移動させる事ができる。
【0042】
一方、レバー片37の先部が鍔片35と係合していないとき、すなわち、解除機構が機能しているときは、操作レバー7は、フリーな状態となり、弾性体6によってロック位置に弾性付勢されているロックピン5をアンロック位置の側(図7参照)に移動させることができない。
【0043】
ロックピン5と操作レバー7との係合位置及び係合解除位置でロックピン5の回動を規制する回動規制機構42が、ロックベース3とロックピン5との間に設けられている。回動規制機構42は、ロックベース3に設けられて、ロックピン5が操作レバー7と係合位置及び係合解除位置の時に回動操作体41の一部が当合することで回動操作体41及びロックピン5の回動を規制する突起46を備えている。図示例では、回動操作体41が水平状態の時にはロックピン5を操作レバー7と非係合位置にあり、回動操作体41が垂直状態の時にはロックピン5を操作レバー7と係合位置にある様にされている。
【0044】
回動操作体41は、図3に示す如く、垂直状態の時には、ロックピン5の鍔片35が垂直状態になってロックピン5と操作レバー7とが係合位置になり、この状態から図4に於て時計方向に90度だけ回動して、図8に示す如く水平状態した時には、ロックピン5の鍔片35が水平状態になってロックピン5が操作レバー7と非係合位置になる様にしてある(図9参照)。
【0045】
突起46は、略角柱状を呈し、ロックベース3の蓋体27に後向きに突設されている。
【0046】
また、図10に示すように、回動操作体41を指で保持してロックピン5を弾性体6の弾性力に抗して引き出し、アンロック位置に保持した状態で回動操作体41を軸線回りに少し回して突起46の突端面に支持させる(載せる)ことにより、弾性体6の弾性力に抗して、ロックピン5をアンロック状態に維持することができるように、突起46の長さ寸法が設定され得る。
【0047】
ロックピン5を操作レバー7と非係合位置から係合位置まで回動するに連れてロックピン5をアンロック側へ所定距離だけ移動させるカム機構50が備えられている。カム機構50は、鍔片35のロック側面35aに対向するロックベース3に形成されて、鍔片35に当接して弾性体6に抗してロックピン5を所定距離だけロックピン5の長さ方向にシフトさせる、略半月状を呈するカム面52を備えている。所定距離は、操作レバー7のレバー片37の厚み以上にしてある。そうすることで、ロックピン5を非係合位置から係合位置に回動させた時に、鍔片35がレバー片37にオーバーラップしてレバー片37と係合可能となる。
【0048】
操作レバー7は、操作レバー弾性体51により、常時ロック側へ付勢されている。操作レバー弾性体51は、スプリング鋼等の金属製で圧縮型のねじりコイルスプリングにしてあり、巻部が操作レバー7の一方のボス片38に隣接されて支軸40に依り枢支されて居り、一端が操作レバー7の一方のレバー片37の上部に掛止されていると共に、他端がロックベース3の箱体26の上部に形成した凹部53に掛止されている。
【0049】
ロックピン5と操作レバー7とを非係合位置にしておいて、操作レバー7を指で押さえてアンロック側位置を保った状態で、回動操作体41を操作してロックピン5を操作レバー7と係合位置に回動させたところで指を離すと、図11に示すように、操作レバー7は、操作レバー弾性体51に押されて鍔片35のアンロック側面35b(図1参照)に係合し、アンロック側に保持される。こうして、ロックピン5をロック位置に保持するとともに操作レバー7をアンロック側に保持するインターロック機構が構成される。
【0050】
前記インターロック機構により操作レバー7がアンロック側位置にあれば、操作レバー7をそれ以上アンロック側へ揺動させることはない。また、図示例では、操作レバー7をアンロック側へ揺動させようとしても、操作レバー7の操作片39がロックベース3若しくは柱体2に当接する。このように、操作レバー7がアンロック側位置に保持され、操作片39がロックベース3若しくは柱体2に近接した配置となり、操作レバー7と柱体2との間の隙間は指が入らない程に小さくなるため、操作者は、操作レバー7を無理にロック側へ移動させるような操作をしようとはせず、回動操作体41を回動させてインターロック機構を解除しようとすることになる。すなわち、操作者は、インターロック機構が作動している状態を解除するには、回動操作体41を90°回転操作して鍔片35と操作レバー7とを非係合状態にすればよいことを自ずと理解する。
【0051】
次に、上記の様な構成に基づいてその作用を述解する。テント用ロック装置1は、次の様にして組立てられる。
【0052】
操作レバー7のレバー片37及びボス片38と操作レバー弾性体51の巻部とがロックベース3の挿入孔30に挿入されると共に、操作レバー7のボス片38と操作レバー弾性体51の巻部とが支軸40に依りロックベース3に揺動可能に取付けられる。操作レバー弾性体51の一端が操作レバー7のレバー片37の上部に掛止されると共に、他端がロックベース3の凹部53に掛止される。
【0053】
ロックピン5の後半に弾性体6が外挿されると共に、ロックピン5の後側がロックベース3の蓋体27の案内孔29に挿通された後、取付具45に依りロックピン5の取付片36に回動操作体41が取付けられる。そして、ロックピン5がロックベース3の箱体26内に挿入されてロックベース3の筒体25の案内孔29に挿通されると共に、止具32に依りロックベース3の蓋体27が箱体26に固定される。
【0054】
この様にして組立てられたテント用ロック装置1は、次の様にして柱体2の外筒11に取り付けられる。
【0055】
ロックピン5と操作レバー7とを係合させて操作レバー7をアンロック側に揺動操作することにより、図7に示すようにロックピン5をアンロック位置にする。又は、図10に示すように回動操作体41を突起46に支持させてロックピン5をアンロック位置にする。
【0056】
ロックピン5がアンロック位置にした状態で、柱体2の外筒11の下部にロックベース3の筒体25が外嵌されると共に、外筒11の掛合孔13とロックベース3の掛合孔28、外筒11の通孔14とロックベース3の案内孔29とが夫々合致される。そして、外筒側摺動体16の突起20を備えた摺動片19が窄められて外筒11の下部に挿入されると、外筒側摺動体16の突起20が摺動片19の弾性復元力に依り外筒11の掛合孔13とロックベース3の掛合孔28に掛合されると共に、外筒11の通孔14と外筒側摺動体16の通孔21が合致されてロックピン5がこれらの通孔14,21を経て外筒側摺動体16の内側に突出可能にされる。
【0057】
内筒側摺動体17は、嵌入片23を内筒12の上部に嵌入する事に依り取付けられる。そして、柱体2の外筒11の下方から内筒12の上部が外筒11の内部へ摺動可能に挿入される。
【0058】
柱体2の内筒12とロックベース3を相対昇降させてロック孔4とロックピン5が合致したならば、弾性体6に依りロックピン5がロック孔4に突入されてロック位置になり、柱体2の内筒12とロックベース3との相対昇降が阻止される(図3参照)。
【0059】
ロック孔4とロックピン5が合致しない場合は、ロックピン5の摺接片34が柱体2の内筒12の外面に摺接されるので、内筒12が損傷される事がない。
【0060】
この様な状態から、弾性体6及び操作レバー弾性体51に抗して操作レバー7がアンロック側に揺動、つまり図3に於て支軸40を中心として時計回り方向に揺動されると、ロックピン5がロック孔4から抜け出てアンロック位置にされ、柱体2の内筒12とロックベース3との相対昇降が許容される(図7参照)。
【0061】
図3及び図4に示す如く、回動操作体41が垂直状態されると、ロックピン5の鍔片35も垂直状態になって回動操作体41と突起46に依りロックピン5と操作レバー7とが係合位置にされる。この時、回動操作体41の下右面と突起46とが当合して回動操作体41の回動(図4において反時計方向の回動)が阻止される。操作レバー7がアンロック側へ操作されると、操作レバー7と係合しているロックピン5がアンロック位置に移動させられる。
【0062】
図8及び図9に示す如く、回動操作体41が垂直状態から90度だけ図9の時計回りに回動されて水平状態にされると、ロックピン5の鍔片35も水平状態になって、操作レバー7と鍔片35との係合が解除される。この時、回動規制機構42の回動操作体41の右下面と突起46とが当合して回動操作体41の回動(図9において時計回り方向の回動)が阻止される。従って、ロックピン5は弾性体6によりロック位置に弾性付勢された状態であるので、ロックピン5がロック孔4に嵌入されていると、柱体2の内筒12とロックベース3との相対昇降が阻止される。
【0063】
図10に示す如く、回動操作体41が垂直状態にされてロックピン5と操作レバー7とが係合解除状態において、操作レバー7を操作レバー弾性体51に抗してアンロック側へ操作しても、操作レバー7は操作レバー弾性体51以外に抵抗力を受けないので、破損したり折れ曲がったりすることはない。
【0064】
回動規制機構42は、ロックベース3との間に設けられて回動操作体41の回動を水平状態から垂直状態までの90度の角度範囲に規制する突起46を備えているので、この突起46の存在に依りこれを一見しただけで回動操作体41の操作方向が判る。加えて、もし、回動操作体41を水平状態にして足に依り踏んでこれを操作しようとしても、突起46がある事に依り回動操作体41の下動が物理的にも阻止され、これらの損傷等を防止する事ができる。
【0065】
尚、先の例では、ロックベース3は、外筒11に固定されると共に、ロック孔4は、内筒12に設けられ、外筒11には、ロックピン5を貫通する通孔14が設けられていたが、これに限らず、例えばロックベース3は、外筒11に対して昇降可能に設けられていると共に、ロック孔4は、外筒11に設けられていても良い。この様にすれば、ロックベース3にテントの梁部材(図示せず)を取付けて柱体2と梁部材との間にロック装置1を設ける事ができる。
【0066】
弾性体6や操作レバー弾性体51は、先の例では、コイルスプリングであったが、これに限らず、例えば板バネやゴム等でも良い。
【0067】
回動規制機構42は、先の例では、回動操作体41と突起46とで構成したが、これに限らず、例えば特許文献1,2に示す如く、ロックピン5の鍔片35と、ロックベース3に設けられた当片とで構成しても良い。
【0068】
回動規制機構42は、先の例では、ロックベース3の蓋体27に突起46を突設したが、これに限らず、例えばロックベース3の箱体26に回動操作体41の付け根部分(最大直径部分)を回動可能に覆う円筒を突設すると共に、この円筒内に突起46を形成しても良い。
【符号の説明】
【0069】
1 テント用ロック装置
2 柱体
3 ロックベース
4 ロック孔
5 ロックピン
6 弾性体
7 操作レバー
35 鍔片
41 回動操作体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11