特許第5700478号(P5700478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5700478-筒状体の端部封止構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5700478
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】筒状体の端部封止構造
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20150326BHJP
   B29C 57/10 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   B29C65/02
   B29C57/10
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-134071(P2014-134071)
(22)【出願日】2014年6月30日
【審査請求日】2014年9月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】中川 敏彦
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−051627(JP,A)
【文献】 特開2010−188527(JP,A)
【文献】 特開2004−182270(JP,A)
【文献】 実開昭57−134264(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/02
B29C 57/10
B65D 43/00
B65D 35/44
F21S 2/00
F21V 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の筒状体の端部の開口を樹脂製の蓋体で封止する構造において、筒状体の端部の開口の内周面を広げ、蓋体を開口に嵌合した状態で蓋体が筒状体の内部に落ち込むことを防止する段部を形成すると共に、蓋体の外周縁を立ち上げ、開口の周壁と対峙する周壁を形成し、開口の周壁と蓋体の周壁とを相互に合わせた状態で両周壁を加熱して溶融することにより両周壁を溶着させ、上記筒状体の端部の開口を蓋体で封止するものであって、上記筒状体は両端に開口を有しており、各開口の内周面を機械加工により除去することにより上記段部を各々形成したことを特徴とする筒状体の端部封止構造。
【請求項2】
上記筒状体は押出成形により形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の筒状体の端部封止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺の筒状体の端部の開口や有底筒状体の開口を蓋体によって封止する筒状体の端部封止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
台所や浴室内の照明器具として、少なくとも一部が透明な樹脂によって形成された筒状体をケーシングとして、そのケーシング内にLEDなどの発光部を収納し、その後、ケーシングの両端を蓋体によって封止するものが考えられる。
【0003】
このような照明器具では、筒状体であるケーシングに蓋体を取り付ける構造を選択する必要があるが、そのような構造の一例として、ケーシング側に環状の周壁を形成し、その周壁の内部に収まる別部品をセットした状態で周壁を内側に変形させて、別部品が周壁内から脱落しないようにした構造がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−245976号公報(段落0028、図12図13
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構造では、周壁を内側に変形させて別部品を押さえているだけであるので、別部品と周壁との間の水密性を確保することが困難である。上記照明器具は、台所や浴室内に設置されるため、筒状体と蓋体との間には高度の水密性が要求されるため、上記特許文献1に記載の構造を適用することができない。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、筒状体と蓋体との間に水密性を確保することのできる筒状体の端部封止構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による筒状体の端部封止構造は、樹脂製の筒状体の端部の開口を樹脂製の蓋体で封止する構造において、筒状体の端部の開口の内周面を広げ、蓋体を開口に嵌合した状態で蓋体が筒状体の内部に落ち込むことを防止する段部を形成すると共に、蓋体の外周縁を立ち上げ、開口の周壁と対峙する周壁を形成し、開口の周壁と蓋体の周壁とを相互に合わせた状態で両周壁を加熱して溶融することにより両周壁を溶着させ、上記筒状体の端部の開口を蓋体で封止するものであって、上記筒状体は両端に開口を有しており、各開口の内周面を機械加工により除去することにより上記段部を各々形成したことを特徴とする。
【0008】
上記構成では、筒状体側の開口の周壁と蓋体の周壁とを相互に溶融させて溶着しているので、両者の間に隙間が残存せず、水密性を確実に確保することができる。また、上記筒状体は両端に開口を有しており、各開口の内周面を機械加工により除去することにより上記段部を各々形成した。
【0009】
なお、例えば、上記筒状体として押出成形により形成されたものに適用することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明は、両端に開口を有する筒状体や有底筒状体と蓋体との間の水密性を溶着により確保することができるので、例えば浴室に設置される照明器具に適用しても、溶着部分から筒状体内部に水が浸入することがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明が適用される照明器具を台所に設置した状態を示す図
図2】蓋体を取り付ける前の開口の状態を示す図
図3】ケーシングに蓋体を溶着する工程を示す図
図4】蓋体がケーシングに溶着された状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照して、1は本発明による照明器具で有り、台所の吊り戸棚Lの下面に取り付けられている。この照明器具1は下面及び手前側面が透明で、残りの2面が不透明な樹脂で形成された筒状体のケーシング2と、そのケーシング2の両端面に溶着された1対の蓋体3とで構成されている。なお、このケーシング2は押出成形で形成されているため、長尺の素材から所定の寸法に切り出された段階では、断面形状はどの部分でも同じ形状をしている。
【0013】
そのため、両端の開口を閉塞するため蓋体を取り付けると、蓋体がケーシング2の内部に落ち込まないように、蓋体の周囲に鍔を形成して、鍔がケーシングの端面に係合するようにする必要がある。ところが、そのように蓋体に鍔を設けると、鍔がケーシング2の両端に露出することになり、デザイン性が損なわれる。
【0014】
そこで、図2に示すように、ケーシング2の両端の開口の内周面を機械加工により広げて、蓋体3がケーシング2の内部に落ち込まないように段部22を形成すると共に、蓋体3を取り付けた状態で蓋体3を囲繞する周壁21を形成した。また、蓋体3の周縁を立ち上げ、蓋体3をケーシング2に取り付けた状態でケーシング2の周壁21に対峙する周壁31を蓋体3に形成した。なお、4は回路基板で有り、片面に複数個のLED41が所定の間隔で実装されている。
【0015】
図3を参照して、5は溶着用の治具で有り、図示しないセラミックヒータが組み込まれており、そのセラミックヒータに通電することにより治具5が加熱されるように構成されている。この治具5には型押し部51が形成されており、(a)に示す状態から治具5を下降させると、型押し部51内に両周壁21,31が入り込むように構成されている。
【0016】
治具5を加熱した状態で治具5を下降させて両周壁21,31を型押し部51に当接させ、その状態で所定時間待機させると、両周壁部21,31の上端部分が溶融し、両周壁部21,31は相互に溶着する。その後、治具5に取り付けたセラミックヒータへの通電を停止すると共に、治具5をさらに下降させ、さらに、図外のノズルから治具5に空気を噴射して治具5を冷却すると、同図(b)及び図4に示すように、蓋体3は全周にわたってケーシング2に対して溶着される。Mで示す部分はケーシング2と蓋体3とが溶着している部分で有り、ケーシング2と蓋体3との間の水密を確実に確保することができる。
【0017】
上記照明器具1はこのように完全な水密性を実現できるので、台所の他、浴室内や屋外に設置しても、ケーシング2内に水が浸入することを完全に防止することができる。また、上記実施の形態では、ケーシング2を押出成形にて形成し、両端に開口を有する場合について説明したが、射出成形により形成した有底筒状体のケーシングを用いて、ケーシングが有する1個の開口部分について上記溶着構造を適用してもよい。
【0018】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0019】
1 照明器具
2 ケーシング
3 蓋体
5 治具
21 周壁
22 段部
31 周壁
【要約】
【課題】周壁を内側に変形させて別部品を押さえているだけの構造が知られているが、別部品と周壁との間の水密性を確保することが困難であるため、防水性が要求される照明器具のケーシングの両端に蓋体を取り付ける構造に適用することができない。
【解決手段】筒状体であるケーシングの両端部の開口の内周面を広げ、蓋体を開口に嵌合した状態で蓋体が筒状体の内部に落ち込むことを防止する段部を形成すると共に、蓋体の外周縁を立ち上げ、開口の周壁と対峙する周壁を形成し、開口の周壁と蓋体の周壁とを相互に合わせた状態で両周壁を加熱して溶融することにより両周壁を溶着させ、上記筒状体の端部の開口を蓋体で封止する。
【選択図】 図3
図1
図2
図3
図4