特許第5700573号(P5700573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700573
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20150326BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   G06F1/00 312Q
   G06F1/00 312F
   G06F1/00 312J
   H05K5/03 A
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-247573(P2012-247573)
(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公開番号】特開2014-96052(P2014-96052A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2013年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100132595
【弁理士】
【氏名又は名称】袴田 眞志
(74)【復代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】野口 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】篠原 英治
(72)【発明者】
【氏名】中田 和夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知之
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−007971(JP,A)
【文献】 特開昭61−114600(JP,A)
【文献】 特開昭61−177522(JP,A)
【文献】 特開平04−284519(JP,A)
【文献】 特開平05−330177(JP,A)
【文献】 特開平08−135269(JP,A)
【文献】 特開2004−199675(JP,A)
【文献】 特開2005−158013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
G06F 1/20
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体に対して開閉可能に設けられた開閉体を支承する軸の後側に基体の奥行きが残るように、基体上に前記軸を配置した電子機器において、
前記軸の後方で支承され、開閉体を閉じた場合に開閉可能となり、閉じた場合に外表面が閉じた開閉体の外表面と面一となり、前記軸の後側に残る基体の奥行き部分を覆うカバーと、
前記開閉体と前記カバーとの間に設けられ、前記開閉体を閉じた状態から開いた場合に閉じているカバーを開かせる開閉機構とを備え、
前記開閉機構は、前記開閉体と前記基体とに支持される一方、前記カバーとは別体に構成され、前記開閉体を閉じた状態から開いた場合に閉じているカバーを押圧することにより、閉じているカバーを開かせるリンク機構を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記カバーは、前記軸の後方に設けたカバー軸に支承されたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記カバーが開いた状態で前記カバーに所定の大きさを超える力が作用した場合にカバーがカバー軸から外れるように、前記カバーがカバー軸に支承されたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記リンク機構は、一端が前記開閉体に回動可能に支承される第1部材と、一端が前記基体に回動可能に支承されると共に他端が前記第1部材の他端と回動可能に連結される第2部材とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項5】
前記開閉機構は、前記開閉体を開いた状態から閉じた場合に前記カバーを閉じさせる連係手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項6】
前記軸の後側に残る基体の奥行き部分にセキュリティロックを繋ぐヒッチを引き出し可能に設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項7】
前記開閉体は、前記軸に支承された基部と、該基部に搭載されたタブレット型の電子機器とで構成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項8】
基体に対して開閉可能に設けられた開閉体を支承する軸の後側に基体の奥行きが残るように、基体上に前記軸を配置した電子機器において、
前記軸の後方で支承され、開閉体を閉じた場合に開閉可能となり、閉じた場合に外表面が閉じた開閉体の外表面と面一となり、前記軸の後側に残る基体の奥行き部分を覆うカバーと、
前記開閉体と前記カバーとの間に設けられ、前記開閉体を閉じた状態から開いた場合に閉じているカバーを開かせる開閉機構とを備え、
前記開閉機構は、前記開閉体と前記基体とに支持され、前記開閉体を閉じた状態から開いた場合に閉じているカバーを押圧することにより、閉じているカバーを開かせるリンク機構と、
前記開閉体を開いた状態から閉じた場合に前記カバーを閉じさせる連係手段とを有し、
前記連係手段は、前記リンク機構を構成する金属製の板状体と、該板状体に対向するように前記カバーに設けられた磁石とを有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体を支承する軸の後側に基体の奥行きが残るように、基体上に軸を配置した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット型のパソコンをステーションに装着したノート型のパソコンのように、基体よりも開閉体が重い電子機器は、従来のノート型のパソコンのように、開閉体を支承する軸を基体の後端に配置すると、開閉体を開いたときに開閉体側に倒れるので、開閉体を支承する軸の後側に基体の奥行きが残るように、基体上に軸が配置される(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−158013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、開閉体を支承する軸の後側に基体の奥行きが残るように、基体上に軸を配置すると、基体の軸よりも後側となる領域に開閉体の可動域を設ける必要があり、開閉体を閉じたときに基体と開閉体との間に段差やV字状の溝が残り、そのままでは電子機器の見栄えが損なわれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、開閉体を支承する軸の後側に奥行きが残るように、基体上に軸を配置した電子機器の開閉体を閉じたときの見栄えを改善することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、基体に対して開閉可能に設けられた開閉体を支承する軸の後側に基体の奥行きが残るように、基体上に前記軸を配置した電子機器において、前記軸の後方で支承され、開閉体を閉じた場合に開閉可能となり、閉じた場合に外表面が閉じた開閉体の外表面と面一となり、前記軸の後側に残る基体の奥行き部分を覆うカバーを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記カバーは、前記軸の後方に設けたカバー軸に支承されたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記カバーが開いた状態で前記カバーに所定の大きさを超える力が作用した場合にカバーがカバー軸から外れるように、前記カバーがカバー軸に支承されたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記開閉体と前記カバーとの間に設けられ、前記開閉体を閉じた状態から開いた場合に閉じているカバーを開かせる開閉機構を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記開閉機構は、前記開閉体と前記基体とに支持され、前記開閉体を閉じた状態から開いた場合に閉じているカバーを押圧することにより、閉じているカバーを開かせるリンク機構を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記開閉機構は、前記開閉体を開いた状態から閉じた場合に前記カバーを閉じさせる連係手段を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記連係手段は、前記リンク機構を構成する金属製の板状体と、該板状体に対向するように前記カバーに設けられた磁石とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記発明において、前記軸の後側に残る基体の奥行き部分にセキュリティロックを繋ぐヒッチを引き出し可能に設けたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記開閉体は、前記軸に支承された基部と、該基部に搭載されたタブレット型の電子機器とで構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる電子機器は、軸の後方で支承され、開閉体を閉じた場合に開閉可能となり、閉じた場合に外表面が閉じた開閉体の外表面と面一となり、軸の後側に残る基体の奥行き部分を覆うカバーを備えたので、基体上に軸を配置した電子機器の開閉体を閉じたときの見栄えが改善される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態であるノート型のパソコンを示す斜視図である。
図2図2は、図1に示したノート型のパソコンの開閉体を閉じた状態を示す斜視図である。
図3図3は、図1に示したノート型のパソコンの開閉体を閉じた状態を示す側面図であって、カバーを省略した状態を示す図である。
図4図4は、図1に示したノート型のパソコンの要部を示す拡大断面図であり、基体に対して開閉体を閉じた状態を示す図である。
図5図5は、図1に示したノート型のパソコンの要部を示す拡大断面図であり、基体に対して開閉体を45度開いた状態を示す図である。
図6図6は、図1に示したノート型のパソコンの要部を示す拡大断面図であり、基体に対して開閉体を90度開いた状態を示す図である。
図7図7は、図1に示したノート型のパソコンの要部を示す拡大断面図であり、基体に対して開閉体を135度開いた状態を示す図である。
図8図8は、カバーとカバーを支承するカバー軸との関係を示す断面図である。
図9図9は、カバーがカバー軸から外れた状態を示す図である。
図10図10は、カバーを開いた状態を示す図であって、開閉機構を示す図である。
図11図11は、段部の右側面に設けたヒッチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかる電子機器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、タブレット型のパソコンをステーションに装着したノート型のパソコンを例に説明するが、タブレット型のパソコンをステーションに装着したノート型のパソコンにこの発明が限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明にかかる本発明の実施の形態であるノート型のパソコンを示す斜視図であり、図2は、図1に示したノート型のパソコンの開閉体を閉じた状態を示す斜視図である。また、図3は、図1に示したノート型のパソコンの開閉体を閉じた状態を示す側面図であって、カバーを省略した状態を示す図である。
【0019】
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態であるノート型のパソコン1は、タブレット型のパソコン2をステーション3に装着したものである。
【0020】
タブレット型のパソコン2は、単独でも使用されることから、表示器21のほか、制御基板(図示せず)、バッテリー(図示せず)などが搭載され、従来のノート型パソコンの蓋体よりも重量の大きなものとなる。
【0021】
図1に示すように、ステーション3は、ステーション本体4と、タブレット型のパソコン2を装着する装着部5とを備えて構成してある。ステーション本体4は、使用する場合に机の上や膝の上に載せられる部分であり、基体となり、装着部5は、タブレット型のパソコン2を装着する部分であり、タブレット型のパソコン2とともに、基体に対して開閉可能に設けられた開閉体となる。
【0022】
ステーション本体4には、その上面に操作キー41やタッチパッド42からなるキーボード43が設けてあり、装着部5には、タブレット型のパソコン2に接続するコネクタ(図示せず)が設けてある。これにより、ステーション本体4の上面に設けたキーボード43は、装着部5に装着したタブレット型のパソコン2の入力機能を強化する。
【0023】
図3に示すように、装着部5は、ステーション本体4に対して回動可能に取り付けてあり、装着部5を回動可能に支承する軸(軸の「軸心O」のみを示す)は、軸の後側にステーション本体4の奥行きLが残るように、ステーション本体4の上に配置してある。これにより、本実施の形態であるノート型のパソコン1は、基体に対して開閉可能に設けられた軸の後側に基体の奥行きが残るように、基体上に軸を配置した電子機器となる。
【0024】
そして、このように、軸の後側にステーション本体4の奥行きLが残るように、軸をステーション本体4の上に配置したノート型のパソコン1は、装着したタブレット型のパソコン2が従来のノート型のパソコンの蓋体よりも重量が大きい場合であっても、軸の後側となる領域(奥行きL)に支えられ、タブレット型のパソコン2側に倒れることがない。
【0025】
図4図7は、図1に示したノート型のパソコンの要部を示す拡大断面図である。図4図7に示すように、ステーション本体4の上面、軸(軸の「軸心O」のみを示す)の後側には、段部44が設けてある。段部44は、ステーション本体4に対してタブレット型のパソコン2を閉じた場合にステーション本体4と装着部5との間に段差が生じないようにするためのもので、軸側に傾斜面44aを有している。傾斜面44aは、装着部5が回動するための空間を形成するためのもので、傾斜面44aの傾斜角度がタブレット型のパソコン2の開放可能角度を規定し、ステーション本体4に対してタブレット型のパソコン2を閉じた場合に装着部5との間にV字状の溝(空間)Gが生じる。本実施の形態では、タブレット型のパソコン2の開放可能角度を135度に規定してあり、タブレット型のパソコン2は、ステーション本体4に対して0度から135度の間、任意の角度まで開放することができる。
【0026】
図2に示すように、ステーション本体4の上面後側には、樹脂製のカバー6が設けてある。カバー6は、軸の後側に残る奥行き部分を覆うためのもので、軸の後側に残る奥行き部分、すなわち、段部44およびV字状の溝Gと、装着部5とを覆う大きさと、軸の後側に残る奥行き部分を覆ったときに外表面6Aがタブレット型のパソコン2の外表面2Aと面一となる厚みを有している。
【0027】
図8は、カバーとカバーを支承するカバー軸との関係を示す断面図であり、図9は、カバーがカバー軸から外れた状態を示す図である。図8に示すように、カバー6には、軸穴6bが形成され、軸の後方となる段部44(図4参照)の後縁に設けたカバー軸45(図4〜7においてカバー軸の「軸心O」のみを示す)に支承されている。これにより、カバー6は、ステーション本体4に対してタブレット型のパソコン2を閉じた場合に開閉可能となり、図4に示すように、軸の後側に残る奥行き部分に対してカバー6を閉じると、軸の後側に残る奥行き部分、すなわち、段部44およびV字状の溝Gと、装着部5を覆い、カバー6の外表面6Aが閉じたタブレット型のパソコン2の外表面2Aと面一となる。この結果、本発明の実施の形態であるノート型のパソコン1は、軸の後方で支承され、開閉体を閉じた場合に開閉可能となり、閉じた場合に外表面が閉じた開閉体の外表面と面一となり、軸の後側に残る基体の奥行き部分を覆うカバーを備えた電子機器となる。
【0028】
ところで、図8に示すように、カバー6に設けた軸穴6bとカバー軸45の嵌合代Lは、カバー6が開いた状態でカバー6に所定の大きさを超える力が作用した場合に、カバー6がカバー軸45から外れるように設定してある(図9参照)。所定の大きさの力は、たとえば、3kgfであり、この場合には、カバー6が開いた状態でカバー6に3kgfの大きさを超える力が作用すると、カバー6がカバー軸45から外れる。これにより、本発明の実施の形態であるノート型のパソコン1は、カバーが開いた状態でカバーに所定の大きさを超える力が作用した場合にカバーがカバー軸から外れるように、カバーがカバー軸に支承された電子機器となる。
【0029】
図10は、カバーを開いた状態を示す図であって、開閉機構を示す図である。図10に示すように、装着部5とカバー6との間には、開閉機構7を備えている。開閉機構7は、タブレット型のパソコン2を閉じた状態から開いた場合に、閉じているカバー6を開かせるとともに、タブレット型のパソコン2を開いた状態から閉じた場合に開いているカバー6を閉じさせるためのもので、ステーション本体4の幅方向2箇所にそれぞれリンク機構8と連係手段9とを有している。これにより、本発明の実施の形態であるノート型のパソコン1は、開閉体とカバーとの間に設けられ、開閉体を閉じた状態から開いた場合に閉じているカバーを開かせる開閉機構を備えた電子機器となり、開閉体を開いた状態から閉じた場合に開いているカバーを閉じさせる開閉機構を有する電子機器となる。
【0030】
リンク機構8は、タブレット型のパソコン2を閉じた状態から開いた場合に、閉じているカバー6を押圧することにより、閉じているカバー6を開かせるもので、金属製の板状体81の一端と金属製の線状体82の一端とを組み合わせることにより構成してある。これにより、板状体81は線状体82に対して回動可能となり、線状体82は板状体81に対して回動可能となる。また、板状体81の他端は、ステーション本体4に設けた段部44に支承され、線状体82の他端は、装着部5に支承される。これにより、図4に示すように、タブレット型のパソコン2を閉じた状態において板状体81の一端は装着部5に設けた凹部5aに収容され、図5図7に示すように、タブレット型のパソコン2を閉じた状態から開いた場合に、板状体81の一端は、装着部5の凹部5aから装着部5の域外に突出する。
【0031】
連係手段9は、タブレット型のパソコン2を開いた状態から閉じた場合に、開いているカバー6を閉じさせるもので、図10に示すように、板状体81とカバー6の板状体81に対向する位置に設けた磁石91とにより構成してある。これにより、カバー6に設けた磁石91は、板状体81に吸着され、タブレット型のパソコン2を開いた状態から閉じた場合に、開いているカバー6は、装着部5に連動して閉じる。
【0032】
図11は、段部の右側面に設けたヒッチを示す図である。図11に示すように、段部44の右側面には、ヒッチ46が設けてある。ヒッチ46は、セキュリティロック(図示せず)を繋ぐためのもので、カバー6を開放した状態で引き出し可能となり、ヒッチ46を引き出した状態でカバー6が閉塞可能となる。
【0033】
上述した本発明の実施の形態であるノート型のパソコン1は、図4に示すように、タブレット型のパソコン2の閉操作と連係してカバー6が閉じられる。具体的には、タブレット型のパソコン2の閉操作により、リンク機構8を構成する板状体81の一端が装着部5の域外から装着部5の凹部5aに収容され、これにともない、カバー6に設けた磁石91が板状体81の一端に吸着された状態で、カバー6を開位置から閉位置に移動させる。これにより、ステーション本体4に対してタブレット型のパソコン2を閉じると、カバー6が閉じられる。このとき、タブレット型のパソコン2を装着した装着部5を支承する軸の後側に残るステーション本体4の奥行き部分、すなわち、段部44およびV字状の溝Gと、タブレット型のパソコン2を装着した装着部5を覆い、カバー6の外表面6Aが閉じたタブレット型のパソコン2の外表面2Aと面一となる。
【0034】
このように、ステーション本体4に対してタブレット型のパソコン2を閉じた状態で、カバー6は独立して開閉可能であり、カバー6に設けた磁石91の板状体81に対する吸着力に抗してカバー6を開操作すると、カバー6は独立して開くことができる。これにより、図11に示すように、ヒッチ46が引き出し可能となるので、ヒッチ46を引き出せば、セキュリティロックを繋ぐことができる。
【0035】
また、図9に示すように、カバー6を開いた状態でカバー6に所定の大きさを超える力が作用した場合には、カバー6に設けた軸穴6bがカバー軸45から外れることにより、カバー6がステーション本体4の段部44から外れる。
【0036】
一方、図5図7に示すように、タブレット型のパソコン2の開操作に連係してカバー6が開かれる。具体的には、タブレット型のパソコン2の開操作により、リンク機構8を構成する板状体81の一端が装着部5の凹部5aから装着部5の域外に突出する。これにともない、板状体81の一端がカバー6に設けた磁石91を押圧し、カバー6に設けた磁石91が板状体81の一端に吸着された状態で、板状体81の一端がカバー6(カバー6に設けた磁石91)を押圧し、カバー6を閉位置から開位置に移動させる。これにより、ステーション本体4に対してタブレット型のパソコン2を開くと、カバー6が開かれる。
【0037】
上述した本発明の実施の形態であるノート型のパソコン1は、軸の後方で支承され、タブレット型のパソコン2を閉じた場合に開閉可能となり、閉じた場合に外表面が閉じたタブレット型のパソコン2の外表面2Aと面一となり、軸の後側に残るステーション本体4の奥行き部分、すなわち、段部44およびV字状の溝Gと、装着部5を覆うカバー6を備えたので、ステーション本体4上に軸を配置したノート型のパソコン1のタブレット型のパソコン2を閉じたときの見栄えが改善される。
【0038】
また、カバー6が開いた状態で所定の大きさを超える力が作用すると、カバー6がカバー軸45から外れるので、カバー6に過大な力が作用しても樹脂製のカバーが割れることはない。
【0039】
また、タブレット型のパソコン2を閉じた状態から開いた場合に、閉じているカバー6を開かせるとともに、タブレット型のパソコン2を開いた状態から閉じた場合に開いているカバー6を閉じさせる開閉機構7を備えているので、カバー6の開操作をタブレット型のパソコン2の開操作と独立して行う必要もなければ、カバー6の閉操作をタブレット型のパソコン2の閉操作と独立して行う必要もない。
【0040】
上述した本発明の実施の形態であるノート型のパソコン1は、タブレット型のパソコン2をステーション3に装着したものであるが、開閉体を支承する軸の後側に基体の奥行きが残るように、基体上に軸を配置した電子機器であればよく、たとえば、蓋体を支承する軸の後側にパソコン本体の奥行きが残るように、パソコン本体上に軸を配置したノート型のパソコンであってもよい。
【0041】
また、上述した本発明の実施の形態であるノート型のパソコン1は、連係手段9を、リンク機構8を構成する金属製の板状体81と、該板状体81に対向するようにカバー6に設けられた磁石91で構成したが、たとえば、カバー6を閉方向に常時付勢するネジリコイルバネをカバー軸のまわりに装着することにより構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 ノート型のパソコン
2 タブレット型のパソコン
2A 外表面
21 表示器
3 ステーション
4 ステーション本体
41 操作キー
42 タッチパッド
43 キーボード
44 段部
44a 傾斜面
45 カバー軸
46 ヒッチ
5 装着部
5a 凹部
6 カバー
6A 外表面
6b 軸穴
7 開閉機構
8 リンク機構
81 板状体
82 線状体
9 連係手段
91 磁石
G 溝
L 軸の後側に残る奥行き
嵌合代
O 軸の軸心
カバー軸の軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11