特許第5700596号(P5700596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700596
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】締結装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/26 20060101AFI20150326BHJP
【FI】
   A47K13/26
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-524274(P2013-524274)
(86)(22)【出願日】2012年11月9日
(86)【国際出願番号】JP2012079146
(87)【国際公開番号】WO2013080776
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2013年7月24日
(31)【優先権主張番号】特願2011-264313(P2011-264313)
(32)【優先日】2011年12月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000107572
【氏名又は名称】スガツネ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112140
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
(72)【発明者】
【氏名】幡野 裕一
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−126197(JP,U)
【文献】 国際公開第2010/007828(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00−17/00
F16B 17/00−19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付け凹部を有する第一部材に取り付けられる締結装置であって、
前記第一部材に載置されるブラケットと、
前記ブラケットに対して昇降可能であり、前記第一部材の前記取付け凹部に挿入されるピンと、
前記ピンの上昇又は下降に伴って、非締結状態から締結状態になる支持部と、
前記ブラケットに所定の軸線の回りを回転可能に支持され、前記ピンと係合する手動操作可能なレバーと、を備え、
前記レバーが、前記ピンと前記レバーの係合箇所から離れた前記所定の軸線の回りを時計方向及び反時計方向のいずれか一方向に回転することによって、前記レバーが前記ピンを上昇させ、
前記レバーが、前記所定の軸線の回りを前記時計方向及び前記反時計方向の他方向に回転することによって、前記レバーが前記ピンを下降させ
前記レバーの回転角度が、前記支持部を非締結状態にする第一の角度から前記支持部を締結状態にする第二の角度に到達したとき、ストッパにより前記レバーの回転角度が前記第二の角度に保持される締結装置。
【請求項2】
前記ピンには、前記ピンの軸線と直角でかつ前記レバーの前記所定の軸線と平行な係合軸が設けられ、
前記レバーには、前記係合軸がスライド可能に嵌まる溝が形成されることを特徴とする請求項1に記載の締結装置。
【請求項3】
前記ストッパは、
前記レバーのカム面に当接する当接部と、
前記当接部を前記レバーのカム面に付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の締結装置。
【請求項4】
前記ピンの端部には、前記ピンの軸線方向へ向かって外径が拡大するテーパ部が設けられ、
前記支持部は、筒部と、筒部の外側に装着される復元片と、を備え、
前記ピンの前記テーパ部が前記筒部内に入ることによって前記筒部が拡開するように、前記筒部には端から軸線方向にスリットが形成され、
前記ピンの前記テーパ部が前記筒部から出たとき、前記復元片は拡開した前記筒部が元の状態に復元するように弾性力を発生させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の締結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付け凹部を有する第一部材に取り付けられる締結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
取付け凹部を有する第一部材に取り付けられる締結装置として、例えば取付け孔を有する便器に取り付けられる締結装置が知られている。第二部材としての便座は締結装置に回転可能に支持される。便座は締結装置を介して便器に取り付けられる。殆どの場合、便座と共に便蓋も締結装置のブラケットに回転可能に支持される。便座及び便蓋は、締結装置を介して便器に取り付けられる。
【0003】
典型的な締結装置として、便器の取付け孔に締結装置の締結ピンを挿入し、便器の下端から突出する締結ピンのねじにナットを締めるものが知られている。構造が簡易であるので、この締結装置は広く用いられている。しかし、ナットを締める作業が便器の下側からの作業になるので、面倒な作業になるという課題がある。
【0004】
この課題を解決するために、特許文献1には、便器の上面側からのレバー操作によって締結装置を便器に取り付けるものが開示されている。図8に特許文献1に記載の締結装置を示す。図8(a)は締結状態の締結装置を示し、図8(b)が非締結状態の締結装置を示す。便器1の取付け孔1aには、締結装置4のピン3の下端部が挿入される。ピン3の下端部には、軸線方向の圧縮力によって変形可能な支持部5が設けられる。図8(b)の非締結状態において、支持部5の外径は、取付け孔1aの内径よりも小さい。支持部5は拡開可能である。図8(a)に示すように、軸線方向の圧縮力が作用することによって、支持部5の外径は取付け孔1aの内径よりも大きくなり、取付け孔1aの内周面に密着する。支持部5に軸線方向の圧縮力を作用させるために、ピン3の上端部には手動操作可能なレバー6が連結軸7の回りを回転可能に設けられる。ピン3を案内するスリーブ8と支持部5との間にはばね9が介在している。
【0005】
レバー6にはカム面6aが形成されている。図8(b)に示すレバー6を起立させた状態から図8(a)に示すレバー6を横に寝かせた状態まで、レバー6を回転させると、レバー6に連動してピン3が上昇する。ピン3の上昇に伴って支持部5も上昇し、支持部5とスリーブ8との間に介在するばね9が圧縮される。支持部5に圧縮力が作用すると、支持部5が便器1の取付け孔1aに密着するので、締結装置4が便器1に締結される。
【0006】
この締結装置4によれば、必要な作業を全て便器1の上からの作業とすることができるので、作業が簡単になるという利点がある。締結装置4を便器1から取り外すときは、レバー6を逆方向に回転しさえすればよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0480534号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の締結装置にあっては、図8(b)の非締結状態から図8(a)の締結状態までレバー6を回転させる間、ピン3が一旦頂点まで上昇した後、頂点から下方に下がるという問題がある。なぜならば、図8(a)の締結状態においてレバー6が逆回転するのを防止するために、図8(b)の非締結状態から図8(a)の締結状態に到る過程において、レバー6のカム面6aがその頂点6a1(カム面6aの角にあり、連結軸7から最も離れた点)を乗り越えてベース部材10に接触するようになっているからである。ピン3が一旦頂点まで上昇した後、頂点から下方に下がると、その分支持部5の圧縮力が弱くなり、支持部5と便器1の取付け孔1aとの締結力も弱くなるという課題がある。
【0009】
そこで、本発明は、第一部材の取付け凹部への締結力を高くすることができる締結装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、取付け凹部を有する第一部材に取り付けられる締結装置であって、前記第一部材に載置されるブラケットと、前記ブラケットに対して昇降可能であり、前記第一部材の前記取付け凹部に挿入されるピンと、前記ピンの上昇又は下降に伴って、非締結状態から締結状態になる支持部と、前記ブラケットに所定の軸線の回りを回転可能に支持され、前記ピンと係合する手動操作可能なレバーと、を備え、前記レバーが、前記ピンと前記レバーの係合箇所から離れた前記所定の軸線の回りを時計方向及び反時計方向のいずれか一方向に回転することによって、前記レバーが前記ピンを上昇させ、前記レバーが、前記所定の軸線の回りを前記時計方向及び前記反時計方向の他方向に回転することによって、前記レバーが前記ピンを下降させ、前記レバーの回転角度が、前記支持部を非締結状態にする第一の角度から前記支持部を締結状態にする第二の角度に到達したとき、ストッパにより前記レバーの回転角度が前記第二の角度に保持される締結装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、一旦頂点まで上昇したピンが頂点から下方に下がったり、又は一旦頂点まで下降したピンが頂点から上方に上がったりするのを防止できる。このため、支持部の締結力を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の締結装置を介して便座及び便蓋が取り付けられた便器の斜視図
図2】上記便座及び便蓋付き便器の正面側の分解斜視図
図3】上記便座及び便蓋付き便器の背面側の分解斜視図
図4】本発明の一実施形態の締結装置の上面側の分解斜視図
図5】本発明の一実施形態の締結装置の底面側の分解斜視図
図6】本発明の一実施形態の締結装置の動作断面図(図中(a)は締結状態を示し、図中(b)は非締結状態を示す)
図7】本発明の一実施形態の締結装置の動作断面図(図中(a)は締結状態を示し、図中(b)は非締結状態を示す)
図8】従来の締結装置の動作断面図(図中(a)は締結状態を示し、図中(b)は非締結状態を示す)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態の締結装置を図面を参照して説明する。図1に示すように、第一部材としての便器11には、締結装置12a,12bを介して第二部材としての便座14及び便蓋16が回転可能に取り付けられる。便器11には左右一対の締結装置12a,12bが取り付けられる。左右一対の締結装置12a,12bには便座14及び便蓋16が回転可能に取り付けられる。
【0014】
図2に示すように、便器11の上面には左右一対の締結装置12a,12bが取り付けられる。左右一対の締結装置12a,12bの外側には、便座14の左右一対の取付け部15a,15bが取り付けられ、便座14の左右一対の取付け部15a,15bの外側に便蓋16の左右一対の取付け部17a,17bが取り付けられる。
【0015】
この実施形態では、便座14及び便蓋16が閉まるときの衝撃を緩和するために、締結装置12a,12bにはダンパ18a,18bが組み込まれる。ダンパ18bは締結装置12bと便蓋16との間に介在し、便蓋16が閉まるときに制動力を発生させる。ダンパ18aは締結装置12aと便座14との間に介在し、便座14が閉まるときに制動力を発生させる。
【0016】
図3に示すように、便器11の後部には、取付け凹部として上下方向に左右一対の取付け孔11a,11bが開けられている。締結装置12a,12bは、便器11の上面に載置されるブラケット21と、ブラケット21から下方に伸び、取付け孔11a,11bに下端部が挿入されるピン22を備える。締結装置12a,12bのピン22を便器11の取付け孔11a,11bに挿入し、レバー24を押し下げることによって、締結装置12a,12bを便器11に締結することが可能になる。左右一対の締結装置12a,12bのブラケット21には、便座14及び便蓋16が回転可能に取り付けられる。便座14及び便蓋16を左右一対の締結装置12a,12bのブラケット21に回転可能に取り付けた後、左右一対の締結装置12a,12bのピン22を便器11の左右一対の取付け孔11a,11bに締結する。便器11から締結装置12a,12bを取り外すときは、レバー24を図3に示す状態まで持ち上げる。便座14及び便蓋16は、締結装置12a,12bと一緒に便器11から取り外される。
【0017】
図4及び図5は、締結装置12a,12bの分解斜視図を示す。図4は締結装置12a,12b上面側の斜視図を示し、図5は締結装置12a,12b下面側の斜視図を示す。締結装置12a,12bは、ブラケット21と、ブラケット21に昇降可能に案内され、下端部が便器11の取付け孔11a,11bに挿入されるピン22と、ブラケット21に所定に軸線の回りを回転可能に支持され、手動操作可能なレバー24と、レバー24が所定の角度まで回転したときにレバー24の回転を停止させるストッパ26と、を備える。ピン22の外側には、ピン22の昇降に伴って外径が変化する支持部28が設けられる。
【0018】
締結装置12a,12bの各部の構造は以下のとおりである。図4に示すように、ブラケット21は、上部が円筒形で下部が矩形の箱形状に形成される。図4に示すブラケット21の前面には、レバー24をブラケット21の下部空間に挿入するための開口21aが形成される。ブラケット21の側面には、ダンパ18a,18bを回転不能に差し込むための扁平な凹部21bが形成される。ブラケット21の左右一対の側壁21cには、連結軸25が架け渡される。連結軸25はレバー24の貫通穴24aに挿通される。連結軸25の回りをレバー24が回転し、連結軸25の軸線がレバー24の回転の軸線になる。また、ブラケット21の左右一対の側壁21cには、ガイド軸36が上下方向にスライド可能に支持される。ガイド軸36はストッパ26の当接部31の貫通穴31aに挿入される。ブラケット21の左右一対の側壁21cの内壁面には、ガイド軸36を案内する上下方向の長溝21dが形成される。ストッパ26の当接部31の上下運動はガイド軸36を介してブラケット21に案内される。連結軸25及びガイド軸36はブラケット21の凹部21bからブラケット21内に挿入される。連結軸25及びガイド軸36を挿入した後、凹部21bには形状を合わせた押えプレート37が嵌められる。
【0019】
図5に示すように、ブラケット21の底壁21eには、ピン22が昇降するのを案内する案内孔21fが形成される。この案内孔21fは円形を基礎とすると共に、周方向に180度離れた位置に逃げ溝21f1を有する。この逃げ溝21f1は、ピン22に挿入される係合軸27との干渉を避けるために形成される。ブラケット21の底壁21eには、案内孔21fと平行にねじ孔21gが形成される。このねじ孔21gには、ストッパ26の位置調整ねじ33が螺合する。ブラケット21の底壁21eの底面には、支持部28の上端部のフランジ35aのすわりをよくするためのざぐり穴21hが形成される。
【0020】
図4に示すように、レバー24は、ピン22を昇降させる側板部24−1と、手動操作可能な摘み部24−2と、を一体に形成してなる。側板部24−1は断面コの字状に形成される。側板部24−1の左右一対の側壁24bには、連結軸25が挿入される貫通穴24aが形成される。また、側板部24−1の左右一対の側壁24bには前端から内部に向かう溝24cが形成される。溝24cにはピン22の係合軸27の両端部がスライド可能に嵌められる。詳しくは後述するが、レバー24が原動節となって連結軸25の回りを回転すると、従動節となるピン22が上下に運動する。レバー24が回転する間、係合軸27はレバー24の溝24c内をスライドする。この係合軸27がピン22とレバー24の係合箇所となる。
【0021】
レバー24の側板部24−1の左右一対の側壁24bには、連結軸25と同心の円弧状の逃げ溝24dが形成される。ストッパ26の当接部31のガイド軸36はこの逃げ溝24dを貫通する。レバー24が回転するとき、レバー24とストッパ26の当接部31のガイド軸36との干渉を避けるように、逃げ溝24dが円弧状に形成される。
【0022】
レバー24の摘み部24−2は、断面コ字状の本体部24fと、本体部24fから垂直上方に立設する壁部24gと、を備える。本体部24fが人手に摘ままれる。壁部24gの前面側には側板部24−1が一体に形成される。壁部24gの背面側には膨出部24g1が形成される。レバー24の膨出部24g1がブラケット21の天井壁21jに当接することによりレバー24の上方への回転が制限される。レバー24の壁部24gがブラケット21の前面壁21kに当接することによりレバー24の下方への回転が制限される。
【0023】
ピン22は、上側の大径部22aと、下側の小径部22bを備える。ピン22の大径部22aはブラケット21の案内孔21fに嵌められる。ピン22の上下運動は案内孔21fに案内される。ピン22の大径部22aには平取り部22a1が形成される。ピン22の平取り部22a1がレバー24の側板部24−1の左右一対の側壁24b間に嵌められる。ピン22の上端部には係合軸27が挿入される。係合軸27の軸線はピン22の軸線と直交し、かつ連結軸25の軸線と平行である。ピン22の小径部22bの下端部には上面が平らな截頭円錐形のテーパ部29が取り付けられる。テーパ部29はピン22の軸線方向の下側に向かって外径が拡大している。テーパ部29は、ピン22の外側に支持部28を嵌めた後、ピン22の小径部22bに取り付けられる。
【0024】
支持部28は、筒部35と、筒部35の外側に装着される復元片34と、を備える。筒部35は、その上端部にブラケット21のざぐり穴21hに嵌められるフランジ35aを備える。ピン22のテーパ部29が筒部35内に入ることによって筒部35が拡開するように、筒部35には下端から軸線方向にスリット35bが形成される。筒部35の外周面には、周方向に180度離れた位置に軸線方向に伸びる嵌合溝35cが形成される。筒部35は樹脂製である。
【0025】
筒部35の嵌合溝35cには、復元片34が嵌められる。復元片34は、上端のリング部34aと、リング部34aの周方向に180度離れた位置から下方に折り曲げて形成される板ばね部34bと、を備える。リング部34aは筒部35の上端部のリング状のフランジ35aの内側に嵌められる。板ばね部34bは、筒部35の嵌合溝35cに嵌められ、筒部35に接触している。板ばね部34bは、ピン22のテーパ部29が筒部35から出たとき、拡開した筒部35が元の状態に復元するように弾性力を発生する。板ばね部34bは金属製である。
【0026】
締結装置12a,12bは便器11を掃除するときに取り外される。頻繁に取り外される場合、筒部35の拡開・縮小も頻繁に行われる。樹脂製の筒部35は金属製の復元片34に比べて耐久性が低く、何回も拡開・縮小を繰り返すと、筒部35が拡開したままになる。これを防止するために、復元片34を設け、復元片34が筒部35を矯正するようにする。
【0027】
レバー24の側板部24−1の天井壁24iの下面には、特殊な輪郭形状を持ったカム面41が形成される(図7参照)。ストッパ26は、レバー24のカム面41に当接する当接部31と、位置調節ねじ33と、位置調節ねじ33の頭部と当接部31との間に介在し、当接部31をカム面41に付勢する付勢としてのばね32と、を備える。三角形状の当接部31はレバー24の側板部24−1の左右一対の側壁24b間に挟まれる。当接部31には断面長方形のガイド軸36が挿入される。ガイド軸36はレバー24の側板部24−1の逃げ溝24dを通り、ブラケット21の長溝21dに上下方向にスライド可能に嵌められる。当接部31の上下運動はブラケット21に案内される。位置調整ねじ33の頭部には雄ねじが形成される。位置調整ねじ33を回すと、位置調整ねじ33の頭部と当接部31との間に介在するばね32の弾性力が調整される(図7参照)。ばね32は位置調整ねじ33の軸部の外側に巻かれる。位置調整ねじ33の上端部は当接部31の底面の嵌合孔31b(図5参照)に嵌められる。
【0028】
図6及び図7は、本実施形態の締結装置12a,12bの動作図を示す。図6にはレバー24とピン22の連動動作に着目した断面図が示され、図7にはレバー24とストッパ26との連動動作に着目した図が示されている。これらの図において、(a)は締結状態を示し、(b)は非締結状態を示す。レバー24を下方向に押し下げたり、上方向に押し上げたりすれば、締結状態及び非締結状態が交互に繰り返される。
【0029】
図6(b)及び図7(b)に示す非締結状態では、レバー24の回転角度はレバー24の摘み部24−2が最も上方に位置する第一の角度にある。このとき、レバー24の膨出部24g1がブラケット21の天井壁21jに当接する。そして、図7(b)に示すように、ストッパ26の当接部31はレバー24のカム面41に当接し、ストッパ26のばねはレバー24をさらに押し上げる方向に付勢力を発生させる。これにより、レバー24の回転角度が第一の角度に保持される。レバー24の回転角度が第一の角度のとき、ピン22は最も下降した状態にあり、支持部28の外径は便器11の取付け孔11a,11bの内径よりも小さくなっている。
【0030】
ストッパ26のばね32の弾性力に抗してレバー24を下方に押し下げれば、レバー24は連結軸25の軸線の回りを時計方向に回転し始める。レバー24の溝24cにはピン22の係合軸27が嵌まっているので、レバー24の回転によってピン22が上昇する。図6(a)及び図7(a)に示す締結状態の第二の角度までレバー24が時計方向に回転し、レバー24の回転によってピン22が上昇すると、支持部28の外径が便器11の取付け孔の内径よりも大きく拡開する。すると、支持部28が便器11の取付け孔11a,11bの内周面に密着するので、締結装置12a,12bが便器11に締結される。
【0031】
ピン22の係合軸27とレバー24の回転の軸線(連結軸25の軸線)とは離れている。図6(b)及び図7(b)に示す第一の角度から図6(a)及び図7(a)に示す第二の角度までレバー24が回転する間、ピン22は上昇し続ける。図7(a)に示すように、レバーの回転角度が第二の角度に到達したとき、ストッパ26によりレバー24の回転角度が第二の角度に保持される。ストッパ26の当接部31はレバー24のカム面41の溝に嵌まり、ストッパ26のばね32はレバー24をさらに押し下げる方向に付勢力を発生させる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な実施形態に変更できる。本発明の締結装置は、便器に便座を取り付けるための締結装置に適用されるのに限られることはなく、例えば、筐体に扉を回転可能に取り付けるための締結装置、建築物に建築金物を取り付けるための締結装置、自動車等の機械の本体部に部品を取り付けるための締結装置、切削加工等されるワークをテーブルに取り付けるための締結装置等に適用することができる。
【0033】
また、例えば、左右の二つのブラケットを分離することなく、連結していてもよい。レバーを押し下げるのではなく、押し上げることにより支持部が締結力を発揮するようにしてもよい。レバーの第一の角度から第二の角度への回転によって、ピンが下降するようにしてもよい。ピンにレバーの側板部の溝に嵌まる係合軸を設けずに、ピンの頭部をレバーの側板部に付勢するようにしてもよい。支持部を軸線方向の圧縮力により外径が広がるゴム製のリングとしてもよい。
【0034】
第一部材の取付け凹部として、第一部材に蟻溝又は内部空間が逆T字形の溝を形成し、溝の長手方向の端部から支持部を溝内に挿入し、ピンを上昇させることによって、ブラケットと支持部との間で溝の上壁部を挟むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
11…便器(第一部材)
11a,11b…取付け孔(取付け凹部)
12a,12b…締結装置
14…便座
16…便蓋
21…ブラケット
22…ピン
24…レバー
24c…溝
25…連結軸(所定の軸線)
26…ストッパ
27…係合軸(係合箇所)
28…支持部
29…テーパ部
31…当接部
34…復元片
35…筒部
35b…スリット
41…カム面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8