(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700599
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】ネットワークエンティティ、通信装置、移動通信装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
H04W 16/18 20090101AFI20150326BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20150326BHJP
【FI】
H04W16/18
H04W24/10
【請求項の数】79
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2013-548101(P2013-548101)
(86)(22)【出願日】2012年1月10日
(65)【公表番号】特表2014-502125(P2014-502125A)
(43)【公表日】2014年1月23日
(86)【国際出願番号】JP2012050881
(87)【国際公開番号】WO2012096403
(87)【国際公開日】20120719
【審査請求日】2013年9月9日
(31)【優先権主張番号】1100305.0
(32)【優先日】2011年1月10日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】310006855
【氏名又は名称】NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ジャクタ カロライン
(72)【発明者】
【氏名】二木 尚
(72)【発明者】
【氏名】ヌンツィ ジョルジオ
【審査官】
松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−093706(JP,A)
【文献】
NTT DOCOMO,Discussion on MDT security,S3-101270,フランス,3GPP,2010年11月19日,paragraph 2,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG3_Security/TSGS3_61_Sorrento/Docs/S3-101270.zip
【文献】
Huawei,Discussion on MDT context transfer,R3-101414,フランス,3GPP,2010年 5月14日,paragraph 2,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_68/Docs/R3-101414.zip
【文献】
RAN WG2,Status of MDT Stage 2 Design in RAN2,R2-106025,フランス,3GPP,2010年10月15日,paragraph 1,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg2_rl2/TSGR2_71bis/Docs/R2-106025.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークエンティティにより実行される方法であって、
前記方法は、
測定期間の間に移動通信装置により測定データと共に取得される位置関連データ(location related data)の提供に関する前記移動通信装置のユーザの承認(consent)又は非承認(non-consent)を示すメッセージを、通信装置から受信し、
前記移動通信装置又は前記ユーザを特定する(identify)情報と関連付けて前記承認又は非承認を示すユーザ承認情報(user consent information)を格納し、
選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために、前記移動通信装置がネットワークに属している時に、利用可能な前記ユーザ承認情報を移動通信装置の選択を目的として提供する
ことを含む。
【請求項2】
前記ユーザが承認している又は非承認としていることを示すメッセージは、前記測定データ及び前記位置関連データを記録するためのデータログを含み、
前記非承認は、前記データログから前記位置関連データ、及び/又は、前記測定データを除くことにより示され、それによって、前記ユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを示す
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワークエンティティは、コアネットワークエンティティを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワークエンティティは、エレメントマネージャ(EM)又はトレース制御エンティティ(TCE)を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワークエンティティは、ホーム加入者サーバ(HSS)を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ネットワークエンティティは、
測定期間の間に移動通信装置により測定データと共に取得される位置関連データ(location related data)の提供に関する前記移動通信装置のユーザの承認(consent)又は非承認(non-consent)を示すメッセージを、通信装置から受信する手段と、
前記移動通信装置又は前記ユーザを特定する(identify)情報と関連付けて前記承認又は非承認を示すユーザ承認情報を格納する手段と、
選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと前記測定データが関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために、前記移動通信装置がネットワークに属している時に、利用可能な前記ユーザ承認情報を、前記移動通信装置の選択を目的として提供する手段と、
を備える。
【請求項7】
移動通信装置により実行される方法であって、
前記方法は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データが関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、
前記測定期間を開始し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する
ことを含む。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記回収されたユーザ承認情報が承認を含む場合に、前記位置関連データがネットワークへ提供されることを、アプリケーション層を経由して、前記ユーザへ示す
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記位置関連データの提供を前記ユーザが承認していることを示すことから、前記位置関連データの提供を前記ユーザがもはや承認していないことを示すことへ、前記ユーザ承認情報が変更した場合に、
前記方法は、さらに、
前記ユーザ承認情報内の前記変更を検出し、前記変更を検出することに応答して前記データログを前記他の通信装置へ送信せずに、前記測定期間の間に蓄積されたデータログを削除する
請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記位置関連データは、前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための詳細な位置データを含む
請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納するステップは、
前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための前記詳細な位置データを用いずに、前記詳細な位置データの代わりとなる新たな位置関連データと共に、前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記位置関連データは、新たな位置関連データを含む
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納するステップは、
前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための前記詳細な位置データ、又は前記新たな位置関連データ、を伴わずに、前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記新たな位置関連データは、前記詳細な位置データより正確でない(又は精度の低い)位置関連データを含む
請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記新たな位置関連データは、前記移動通信装置が位置するセルに隣接する少なくとも1つのセルについての無線周波数特徴(radio frequency fingerprint)データを含む
請求項7から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記詳細な位置関連データは、測位システムに基づく衛星から導き出されたデータを含む
請求項10から14のいずれか1項又はこれらのいずれか1項に従属する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信する
請求項7から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、送信した後に、前記位置関連データの提供を前記ユーザが承認していることを示すことから、前記位置関連データの提供を前記ユーザがもはや承認していないことを示すことへ、前記ユーザ承認情報が変更した場合に、
前記方法は、さらに、
前記ユーザ承認情報内の前記変更を検出し、
前記変更を検出することに応答して前記データログを前記他の通信装置へ送信せずに、前記測定期間の間に蓄積されたデータログを削除し、
前記データログを取得するために前記受信したシグナリングに応答して、空の報告インジケーションを含む応答メッセージを送信する
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記受信したシグナリングは、走行試験の最小化(minimisation of drive tests、MDT)の設定メッセージを含む
請求項7から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示す
請求項7から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記受信したシグナリングは、記録型MDT(logged MDT)の設定メッセージを含む
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置が接続状態にある期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示す
請求項7から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記受信したシグナリングは、即時型MDT(immediate MDT)の設定メッセージを含む
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
移動通信装置により実行される方法であって、
前記方法は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、
前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記設定データを無視(disregard)する
ことを含む。
【請求項25】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示す
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記受信したシグナリングは、走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージ(例えば、記録型MDT(logged MDT)の設定メッセージ)を含む
請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能でないことを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信する
請求項24から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信する
請求項24から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記送信されたシグナリングは、無線接続制御(RRC)メッセージ(例えば、RRC接続設定完了メッセージ、RRC接続再設定完了、又は、RRC接続再確立完了メッセージ)を含む
請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
移動通信装置により実行される方法であって、
前記方法は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、
前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、
前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能でないことを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信する
ことを含む。
【請求項31】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示す
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記受信したシグナリングは、走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージ(例えば、記録型の走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージ)を含む
請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記生成及び送信されたメッセージは、RRCメッセージを含む
請求項30から32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記生成及び送信されたメッセージは、RRC接続設定完了メッセージ、RRC接続再設定完了、又は、RRC接続再確立完了メッセージを含む
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、送信した後に、前記位置関連データの提供を前記ユーザが承認していることを示すことから、前記位置関連データの提供を前記ユーザがもはや承認していないことを示すことへ、前記ユーザ承認情報が変更した場合に、
前記方法は、さらに、
前記ユーザ承認情報内の前記変更を検出し、
前記他の通信装置から、前記データログを取得するためのシグナリングを受信し、
前記データログを取得するために前記受信したシグナリングに応答して、空の報告インジケーションタを含む応答メッセージを送信する
請求項30から34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記空の報告インジケーションは、前記測定データ及び前記位置関連データが前記データログから欠落していることを示す空の記録型MDT報告インジケーションを含む
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記空の報告インジケーションは、少なくとも前記位置関連データが前記データログから欠落していることを示す空の位置報告インジケーションを含む
請求項35に記載の方法。
【請求項38】
移動通信装置により実行される方法であって、
前記方法は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データを取得するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、
前記移動通信装置のユーザが位置関連データの提供を承認しているか否かについて示す情報を検索し、
前記受信したシグナリングに応答して、ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示す応答メッセージを送信し、
前記ユーザが前記位置関連データの提供を承認していない場合、空の報告であるインジケーションが前記応答メッセージに提供され、それによって、前記ユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを示すことを特徴とする。
【請求項39】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリングを含む
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示す
請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記受信したシグナリングは、走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージを含む
請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記受信したシグナリングは、記録型MDT(logged MDT)の設定メッセージを含む
請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記応答メッセージは、走行試験の最小化(MDT)の設定応答メッセージを含む
請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記方法は、前記測定データが利用可能であることを示すメッセージを、前記他の通信装置へ送信し、
前記受信したシグナリングは、前記送信されたメッセージに応えて受信される
請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記測定データが利用可能であることを示す前記メッセージ、前記受信したシグナリング、及び/又は、前記応答メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージを含む
請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記受信したシグナリングは、UE情報要求メッセージを含む
請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
前記応答メッセージは、UE情報報告メッセージを含む
請求項44から46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記応答メッセージは、前記ユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを示すための専用のユーザ承認領域(例えば、情報要素)を含む
請求項44から47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記応答メッセージは、前記測定データを記録するデータログ及び前記位置関連データを含み、
前記ユーザが前記位置関連データの提供を承認していない場合、当該位置関連データは、前記応答メッセージから除かれる
請求項44から48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
移動通信装置により実行される方法であって、
前記方法は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、
前記受信したシグナリングは、
前記測定期間を設定するための設定データを含み、
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであること、又は、前記移動通信装置が接続状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであること、を示し、
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得された場合に、前記方法は、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記設定データを無視(disregard)し、
前記移動通信装置が接続状態である期間中に前記測定データが取得された場合に、前記方法は、
前記測定期間を開始し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記他の通信装置へ前記データログを送信する。
【請求項51】
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきである場合に、前記方法は、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記無視された設定データを保持する
請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記位置関連データの提供を前記ユーザが承認していないことを示すことから、前記位置関連データの提供を前記ユーザが承認していることを示すことへ、前記ユーザ承認情報が変更した場合に、
前記方法は、さらに、
前記保持された設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、当該取得したデータをデータログに格納する
請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきである場合に、前記方法は、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記無視された設定データを削除する
請求項52に記載の方法。
【請求項54】
通信装置により実行される方法であって、
前記方法は、
移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するために前記移動通信装置へシグナリングし(signalling)、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を非承認としている場合には、測定結果を取得する前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための詳細な位置データの代わりに、当該詳細な位置データより正確でない(又は精度の低い)新たな位置関連データが用いられた前記測定データを含むデータログを、前記移動通信装置から受信する
ことを含む。
【請求項55】
前記新たな位置関連データは、前記移動通信装置が位置するセルに隣接する少なくとも1つのセルについての無線周波数特徴(radio frequency fingerprint)データを含む
請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記詳細な位置関連データは、測位システムに基づく衛星から導き出されたデータを含む
請求項54又は55に記載の方法。
【請求項57】
前記移動通信装置は、移動通信装置群から選択された一つであり、
前記方法は、さらに、
各選択された移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために移動通信装置群からの追加の選択を特定し、
前記詳細な位置データの代わりに送信される前記新たな位置関連データを考慮して前記追加の選択がされる
請求項54から56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために少なくとも1つの移動通信装置の選択を特定し、
前記測定データ及び前記位置関連データを取得するための測定期間を開始するために、選択された移動通信装置のそれぞれへシグナリングし、
ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示すメッセージを、シグナリングされた移動通信装置のそれぞれから受信し、
選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置を特定するための位置関連データを取得するために移動通信装置の群の追加の選択を特定し、
前記承認又は非承認を考慮して前記追加の選択がされる
請求項54から56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
通信装置により実行される方法であって、
前記方法は、
各選択された移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために、少なくとも1つの前記移動通信装置の選択を特定し、
前記測定データ及び前記位置関連データを取得するために測定期間を開始するために選択された移動通信装置のそれぞれへシグナリングし(signalling)、
ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示すメッセージを、シグナリングされた移動通信装置のそれぞれから受信し、
選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置を特定するための位置関連データを取得するために移動通信装置の群の追加の選択を特定し、
前記承認又は非承認を考慮して前記追加の選択がされる。
【請求項60】
前記ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示すメッセージをコアネットワークエンティティへさらに送信する
請求項58又は59に記載の方法。
【請求項61】
前記ユーザが承認している又は非承認としていることを示すメッセージは、前記測定データ及び前記位置関連データを記録するためのデータログ(data log)を含み、
前記非承認は、前記データログから前記位置関連データ、及び/又は、前記測定データを除くことにより示され、それによって、前記ユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを示す
請求項58、59又は60に記載の方法。
【請求項62】
前記通信装置は、無線アクセスネットワーク(RAN)のデバイスを含む
請求項59から61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記通信装置は、基地局又は無線ネットワーク制御局(RNC)を含む
請求項62に記載の方法。
【請求項64】
移動通信装置は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信する手段と、
前記測定期間を開始する手段と、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定する手段と、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する手段と、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する手段と、
前記他の通信装置へ前記データログを送信する手段と、
を備える。
【請求項65】
請求項64に記載の移動通信装置は、
前記ユーザ承認情報内の変更を検出する手段をさらに備える。
【請求項66】
請求項65に記載の移動通信装置は、
前記データログを取得するために、前記他の通信装置からシグナリングを受信する手段をさらに備え、
前記ユーザ承認情報内の変更を検出する手段が、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、送信した後に、前記位置関連データの提供を前記ユーザが承認していることを示すことから、前記位置関連データの提供を前記ユーザがもはや承認していないことを示すことへの前記ユーザ承認情報内の変更を検出した場合に、
前記移動通信装置は、
前記格納されたデータログを削除し、
前記データログを取得するために前記受信したシグナリングに応答して、空の報告インジケーションを含む応答メッセージを送信する。
【請求項67】
移動通信装置は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信する手段を備え、
前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定する手段と、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する手段と、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記設定データを無視(disregard)する手段と、
を備える。
【請求項68】
移動通信装置は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信する手段を備え、
前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、
前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する手段と、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定する手段と、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信する手段と、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能でないことを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信する手段と、
を備える。
【請求項69】
移動通信装置は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データを取得するために、他の通信装置から、シグナリング(signalling)を受信する手段と、
前記移動通信装置のユーザが位置関連データの提供を承認しているか否かについて示す情報を検索する手段と、
前記受信したシグナリングに応答して、ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示す応答メッセージを送信する手段と、
を備える。
【請求項70】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリングを含む
請求項69に記載の移動通信装置。
【請求項71】
移動通信装置は、
前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信する手段を備え、
前記受信したシグナリングは、
前記測定期間を設定するための設定データを含み、
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであること、又は、前記移動通信装置が接続状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであること、を示し、
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得された場合に、前記移動通信装置は、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記設定データを無視(disregard)し、
前記移動通信装置が接続状態である期間中に前記測定データが取得された場合に、前記移動通信装置は、
前記測定期間を開始し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、
前記他の通信装置へ前記データログを送信する。
【請求項72】
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきである場合に、前記移動通信装置は、
前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記無視された設定データを保持する
請求項71に記載の移動通信装置。
【請求項73】
前記位置関連データの提供を前記ユーザが承認していないことを示すことから、前記位置関連データの提供を前記ユーザが承認していることを示すことへ、前記ユーザ承認情報が変更した場合に、
前記移動通信装置は、さらに、
前記保持された設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、当該取得したデータをデータログに格納する
請求項72に記載の移動通信装置。
【請求項74】
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきである場合に、前記移動通信装置は、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記無視された設定データを削除する
請求項71に記載の移動通信装置。
【請求項75】
通信装置は、
移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するために前記移動通信装置へシグナリングする(signalling)手段を備え、
前記位置関連データは、測定結果を取得する前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための詳細な位置データを含み、
前記詳細な位置データを用いずに前記詳細な位置データの代わりに、新たな位置関連データを用いて、前記測定データを含むデータログを、前記移動通信装置から受信する手段、
を備える。
【請求項76】
前記移動通信装置は、移動通信装置群から選択された一つであり、
前記通信装置は、
各選択された移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために移動通信装置群からの追加の選択を特定する手段をさらに備え、
前記詳細な位置データの代わりに送信される前記新たな位置関連データを考慮して前記追加の選択がされる
請求項75に記載の通信装置。
【請求項77】
通信装置は、
各選択された移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために、少なくとも1つの前記移動通信装置の選択を特定する手段と、
前記測定データ及び前記位置関連データを取得するために測定期間を開始するために選択された移動通信装置のそれぞれへシグナリングする(signalling)手段と、
ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示すメッセージを、シグナリングされた移動通信装置のそれぞれから受信する手段と、
選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置を特定するための位置関連データを取得するために移動通信装置の群の追加の選択を特定する手段と、を備え、
前記承認又は非承認を考慮して前記追加の選択がされる。
【請求項78】
プログラム可能なプロセッサに、請求項1から5又は7から63のいずれか1項に記載の方法を実行させるプログラム。
【請求項79】
少なくともネットワークエンティティと基地局を含む無線通信システムと通信を行う移動通信装置であって、
前記移動通信装置におけるユーザ承認情報(user consent information)は、
測定期間の間に前記移動通信装置により測定データと共に取得される位置関連データ(location related data)の提供に関する前記移動通信装置のユーザの承認(consent)又は非承認(non-consent)を示し、
前記移動通信装置又は前記ユーザを特定する(identify)情報と関連付けて前記ネットワークエンティティの加入者データベースに格納される情報であり、
前記移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために、前記移動通信装置がネットワークに属している時に、前記ユーザ承認情報に基づき、前記少なくともネットワークエンティティと基地局のいずれかによって選択されることを特徴とする
移動通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定を行い、他の通信装置へ測定結果(measurements)を報告(report)するために構成された移動通信装置を含む通信システムに関する。本発明は、特に、移動通信装置、他の通信装置及び通信システムのエンティティ(entities)におけるMDT(Minimisation of Drive Tests、走行試験の最小化)実行手順(procedure)の実装に関するが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
既存の移動(セルラー方式の)通信システムでは、ネットワークオペレータは、一般的に、いわゆる走行試験(drive tests)の間に蓄積された(compiled)測定結果に基づくネットワークのカバレッジ(network coverage)を最適化しようとする。特に、オペレータは、加入者の視点からパフォーマンスを測定する専門的な装置(equipment)を使用しながらネットワーク全体ぐるりと車(vehicle)を技術者に運転(drive)させる。当該装置(equipment)は、一般的に、携帯用コンピュータのようなデータを記録(logging)及び分析する装置と接続された特別なテスト用移動通信装置及び広帯域の無線傍受装置(scanner)を備える。ある走行試験装置は、遠隔操作用に構成され、それによって、自動的なデータ収集のために、(例えば、タクシー、バス、輸送車等の)速く動く乗り物に装置が設置されることを可能にする。
【0003】
走行試験は、カバレッジの問題(coverage problems)等を特定(identify)し、解決するために利用され得る関係のある地理的な位置情報(related geographic positional information)と関連して、RFデータの良い情報源を供給する。しかしながら、測定(measurements)は、多大な時間を必要とし、実行するためのコストが高くなり得て、大抵、例えば、建物内や道路から十分な距離にいるユーザのような、実在の歩行者のユーザの経験を正確には表現しない。その上、移動通信ネットワークの広域の地理的なカバレッジのために、走行試験は、周知の関連した環境問題を伴う多量のCO2の排出をもたらす。
【0004】
その結果、第3世代標準化プロジェクト(3GPP)は、フィールドにある移動通信装置 (ユーザ装置 (UE))の関与を含み、オペレータのコスト、環境影響、ネットワーク開発とオペレーションを最小化するために、自動解法(automated solution)の開発を提供する。この提案に応じて実施される研究は、ネットワークの最適化と効率性を向上させるためのネットワークによる使用のためにUEが測定を行う、走行試験の必要性を最小化する(以下、「走行試験の最小化」又は「MDT」実行手順と呼ぶが、「UEによるネットワークパフォーマンス測定の管理」としても知られる)ための実装する手順の実現可能性を説明する。さらに具体的には、これらの研究は、装置から測定結果を取得するために、制御プレーン解決策(control plane solutions)を用いる実現可能性を説明する。当該情報は、無線アクセスネットワーク内で利用可能な情報を共に用いてカバレッジの最適化の目的のために用いられ得る。
【0005】
MDT実行手順の現在の提案では、MDT可能なUEは、ネットワークによりMDT測定を実行するために最初に構成される。設定上、MDT可能なUEは、ネットワークによりそのように実行するための要求があったとき、報告されたUEの測定結果と同様に、詳細なユーザ位置情報、例えば、(もし利用可能なら)GNSS(Global Navigation Satellite System)データ、及び/又は、無線周波数特徴(Radio Frequency fingerprints)を送信する。この詳細なユーザ位置情報は、オペレータが実際に、特定の無線セルの範囲内でユーザの地理的な位置を、関連した無線測定結果と関連付けることを許可するようなMDTにとって、特に有益である。その結果、ネットワークカバレッジの問題(例えば、カバレッジホール(coverage hole))の位置が正確に特定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、UEから報告されたMDTデータは、ネットワーク内の異なる種類のカバレッジの問題を監視及び検出するために使用され得る。例えば、
- カバレッジホール(coverage hole):カバレッジホールは、サービングセル及び許可された隣接セル(neighbour cells)の双方の信号レベルが基本サービス(basic service)を維持するために必要とされるレベル以下である領域である。カバレッジホールは、例えば、新しい建物、丘のような物理的な障害物、又は、不適当なアンテナパラメータ、もしくは、単純に不十分なRF計画により、たいてい引き起こされる。このケースの場合、カバレッジホール内のUEは、呼切断(call drop)及び無線リンク障害(radio link failure)に悩まされる。
- ウィークカバレッジ(Weak coverage): サービングセル(serving cell)の信号レベルが予定されたパフォーマンス要件(例えば、セル端ビットレート(cell edge bit-rate))を維持するために必要とされるレベル以下である場合に、ウィークカバレッジは生じる。
- パイロットポリューション(Pilot pollution):異なるセルのカバレッジが多く重なる領域において、干渉レベルが高く、電力レベルが高く、エネルギー消費が高く、セルのパフォーマンスが低くなり得る。この現象は、「パイロットポリューション(pilot pollution)」と呼ばれてきた。そして、当該問題は、セルのカバレッジの縮小により対処され得る。このケースにおいて、UEは、1セル以上のノイズ比への高い信号と高い干渉レベルとを経験し得る。
- オーバーシュートカバレッジ(Overshoot coverage):あるセルのカバレッジが予定されたカバレッジを超えた場合に、オーバーシュートは生じる。直接隣接しない別のセル内のカバレッジの効果的な“島(island)”としても生じ得る。オーバーシュートは、建物内の反射、又は、開放水域(open water)、湖等を横切る結果として生じ得る。オーバーシュート領域内のUEは、呼切断、又は、高い干渉に悩まされ得る。
- 弱アップリンクカバレッジ(Poor uplink coverage):弱アップリンクカバレッジは、呼設定失敗(call setup failure)、呼切断(dropped call)、低いアップリンクの音声品質(poor uplink voice quality)等の観点からユーザ体感(user experience)に影響を与える。それ故、カバレッジは、アップリンクとダウンリンク間の接続に平衡が保たれる必要がある。可能なアップリンクカバレッジの最適化には、サイト設定(アンテナ)を変更することによりセルラー方式のカバレッジを適合すること、及び/又は、異なる環境においてアップリンク電力の最適な使用ができるように、アップリンクに関連したパラメータを調整することを含む。
【0007】
それ故、正確な地理的位置データは、これらのカバレッジの問題(coverage problem)の位置を判定するために必要であり、従って、正確な地理的位置データがそれらに対処するための必須の行動を可能とすることがわかる。しかしながら、UEによるそのようなデータの提供(provision)は、ユーザのプライバシーの視点から望ましくないUEを操作するユーザの地理的な位置も特定する。実際に、任意の権限において、そのようなプライバシーは法により保護される。それ故、そのような権限において、現在の提案された手順は、合法的に実装され得ない。
【0008】
それ故、UEからの無線測定および位置情報の取得により、カバレッジの問題が検出されること、正確に位置が特定されることを可能にしつつ、一方で、ユーザのプライバシーのために、そのような位置情報の必要性と明確に対立する要件のバランスを保つような、改善された実行手順が必要であることがわかる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の問題に対処するか、少なくとも軽減する、改良された通信システム、関連の改良された通信装置、及び、これらの装置により実行される方法を提供しようとするものである。
【0010】
本発明の一の例示的態様によれば、従って、移動通信装置により実行される方法が提供され、前記方法は、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、前記測定期間を開始し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記他の通信装置へ前記データログを送信する、ことを含む。
【0011】
前記方法は、回収されたユーザ承認情報が承認を含む場合に、前記位置関連データがネットワークへ提供されることを、(例えば、アプリケーション層を経由して)前記ユーザへ示すとよい。
【0012】
前記ユーザ承認情報が変更した場合、測定期間の間に(例えば、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザが承認していることを示すことから、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザがもはや承認していないことを示すことへ、その場合、前記方法は、さらに、ユーザ承認情報内の前記変更を検出し、前記変更を検出することに応答して前記データログを前記他の通信装置へ送信せずに、前記測定期間の間に蓄積されたデータログを削除する)。
【0013】
前記位置関連データは、前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための詳細な位置データを含むとよい。前記位置関連データは、新たな位置関連データを含むとよい。
【0014】
前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する前記ステップは、前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための前記詳細な位置データを用いずに、前記詳細な位置データの代わりとなる新たな位置関連データを用いて、前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納するとよい。
【0015】
前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する前記ステップは、前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための前記詳細な位置データ、又は前記新たな位置関連データを伴わずに、前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納するとよい。
【0016】
前記新たな位置関連データは、前記詳細な位置データより正確でない(又は精度の低い)位置関連データを含むとよい。前記新たな位置関連データは、前記移動通信装置が位置するセルに隣接する少なくとも1つのセルについての無線周波数特徴(radio frequency fingerprint)データを含むとよい。前記詳細な位置関連データは、測位システムに基づく衛星から導き出されたデータを含むとよい。
【0017】
前記移動通信装置は、移動通信装置群から選択された一つであるとよい。従って、前記方法は、さらに、各選択された移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために移動通信装置群からの追加の選択を特定し、前記詳細な位置データの代わりに(例えば、特定のユーザが承認を与えられていないことを示す前記詳細な位置データの前記代わりに)送信される前記新たな位置関連データを考慮して前記追加の選択がされるとよい。
【0018】
前記方法は、さらに、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信するとよい。前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、送信した後に、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザが承認していることを示すことから、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザがもはや承認していないことを示すことへ、前記ユーザ承認情報が変更した場合に、前記方法は、さらに、ユーザ承認情報内の前記変更を検出し、前記変更を検出することに応答して前記データログを前記他の通信装置へ送信せずに、前記測定期間の間に蓄積されたデータログを削除し、前記データログを取得するために前記受信したシグナリングに応答して、空の報告インジケーションを含む応答メッセージを送信するとよい。
【0019】
前記受信したシグナリングは、走行試験の最小化(minimisation of drive tests、MDT)の設定メッセージを含むとよい。前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示すとよい。前記受信したシグナリングは、記録型の走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージを含むとよい。前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置が接続状態にある期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示すとよい。前記受信したシグナリングは、即時型の走行試験の最小化(immediate MDT)の設定メッセージを含むとよい。
【0020】
本発明の他の例示的態様によれば、従って、移動通信装置により実行される方法が提供され、前記方法は、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記設定データを無視(disregard)する、ことを含む。
【0021】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示すとよい。前記受信したシグナリングは、走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージ(例えば、記録型の走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージ)を含むとよい。
【0022】
前記方法は、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能でないことを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信するとよい。前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信するとよい。前記送信されたシグナリングは、無線接続制御(RRC)メッセージ(例えば、RRC接続設定完了メッセージ、RRC接続再設定完了、又は、RRC接続再確立完了メッセージ)を含むとよい。
【0023】
本発明の他の例示的態様によれば、従って、移動通信装置により実行される方法が提供され、前記方法は、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能でないことを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信することを含む。
【0024】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示すとよい。前記受信したシグナリングは、走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージ(例えば、記録型の走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージ)を含むとよい。
【0025】
前記生成及び送信されたメッセージは、RRCメッセージを含むとよい。前記生成及び送信されたメッセージは、RRC接続設定完了メッセージ、RRC接続再設定完了、又は、RRC接続再確立完了メッセージを含むとよい。
【0026】
前記ユーザ承認情報は、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、送信した後に、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザが承認していることを示すことから、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザがもはや承認していないことを示すことへ、変更してもよい。そのような場合に、前記方法は、さらに、ユーザ情報内の前記変更を検出し、他の通信装置から、前記データログを取得するためのシグナリングを受信し、前記データログを取得するために前記受信したシグナリングに応答して、空の報告インジケーションを含む応答メッセージを送信するとよい。前記空の報告インジケーションは、前記測定データ及び前記位置データが前記データログから欠落していることを示す空の記録型MDT報告インジケーションを含むとよい。前記空の報告インジケーションは、少なくとも前記位置データが前記データログから欠落していることを示す空の位置報告インジケーションを含むとよい。
【0027】
本発明の他の例示的態様によれば、移動通信装置により実行される方法が提供され、前記方法は、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データを取得するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて示す情報を検索し、前記受信したシグナリングに応答して、ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示す応答メッセージを送信する。前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データを取得するために測定期間を開始するためのシグナリングを含むとよく、そして、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)を含むとよい。前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであることを示すとよい。前記受信したシグナリングは、走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージを含むとよい。前記受信したシグナリングは、記録型の走行試験の最小化(MDT)の設定メッセージを含むとよい。前記応答メッセージは、走行試験の最小化(MDT)の設定応答メッセージを含むとよい。
【0028】
前記方法は、測定データが利用可能であることを示すメッセージを、前記他の通信装置へ送信し、前記受信したシグナリングは、前記送信されたメッセージに応えて受信されるとよい。測定データが利用可能であることを示す前記メッセージ、前記受信したシグナリング、及び/又は、前記応答メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージを含むとよい。前記受信したシグナリングは、UE情報要求メッセージを含むとよい。前記応答メッセージは、UE情報報告メッセージを含むとよい。
【0029】
前記応答メッセージは、ユーザが前記位置関連情報の提供を承認していることを示すための専用のユーザ承認領域(例えば、情報要素)を含むとよい。
【0030】
前記ユーザが前記位置関連情報の提供を承認していない場合、空の報告であるインジケーションが前記応答メッセージに提供され、それによって、前記ユーザが前記位置関連情報の提供を承認していないことを示すとよい。
【0031】
前記応答メッセージは、測定データを記録するデータログ及び位置関連データを含むとよく、前記ユーザが前記位置関連情報の提供を承認していない場合、位置関連情報は、前記応答メッセージから除かれるとよい。
【0032】
本発明の他の例示的態様によれば、移動通信装置により実行される方法が提供され、前記方法は、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであること、又は、前記移動通信装置が接続状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであること、を示し、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得された場合に、前記方法は、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記設定データを無視(disregard)し、前記移動通信装置が接続状態である期間中に前記測定データが取得された場合に、前記方法は、前記測定期間を開始し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記他の通信装置へ前記データログを送信する。
【0033】
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきである場合に、前記方法は、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記無視された設定データを保持するとよい。
【0034】
前記ユーザ情報の提供を前記ユーザが承認していないことを示すことから、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザが承認していることを示すことへ、前記ユーザ承認情報が変更した場合に、前記方法は、さらに、前記保持された設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、当該取得したデータをデータログに格納するとよい。
【0035】
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきである場合に、前記方法は、(例えば、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に)前記無視された設定データを削除するとよい。
【0036】
本発明の他の例示的態様によれば、移動通信装置により実行される方法が提供され、前記方法は、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データを取得するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて示す情報を検索し、前記受信したシグナリングに応答して、ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示す応答メッセージを送信することを含む。
【0037】
本発明の他の例示的態様によれば、通信装置により実行される方法が提供され、前記方法は、移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するために前記移動通信装置へシグナリングし(signalling)、前記位置関連データは、前記測定結果を取得する前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための詳細な位置データを含み、前記詳細な位置データを用いずに前記詳細な位置データの代わりに、新たな位置関連データを用いて、前記測定データを含むデータログを、前記移動通信装置から受信することを含む。
【0038】
前記新たな位置関連データは、前記詳細な位置データより正確でない(又は精度の低い)位置関連データを含むとよい。前記新たな位置関連データは、前記移動通信装置が位置するセルに隣接する少なくとも1つのセルについての無線周波数特徴(radio frequency fingerprint)データを含むとよい。前記詳細な位置関連データは、測位システムに基づく衛星から導き出されたデータを含むとよい。
【0039】
前記方法は、さらに、選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために少なくとも1つの移動通信装置の選択を特定するとよい。さらに、前記測定データ及び前記位置関連データを取得するための測定期間を開始するために、選択された移動通信装置のそれぞれへシグナリングするとよい。さらに、ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示すメッセージを、シグナリングされた移動装置のそれぞれから受信するとよい。さらに、選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置を特定するための位置関連データを取得するために移動通信装置の群の追加の選択を特定し、前記承認又は非承認を考慮して前記追加の選択がされるとよい。
【0040】
本発明の他の例示的態様によれば、通信装置により実行される方法が提供され、前記方法は、各選択された移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために、少なくとも1つの前記移動通信装置の選択を特定し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得するために測定期間を開始するために選択された移動通信装置のそれぞれへシグナリングし(signalling)、ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示すメッセージを、シグナリングされた移動装置のそれぞれから受信し、選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置を特定するための位置関連データを取得するために移動通信装置の群の追加の選択を特定し、前記承認又は非承認を考慮して前記追加の選択がされる。
【0041】
前記方法は、さらに、前記ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示すメッセージをコアネットワークエンティティへさらに送信するとよい。前記ユーザが承認又は非承認としていることを示すメッセージは、測定データ及び位置関連データを記録するためのデータログを含み(例えば、非承認は、前記データログから前記位置関連情報、及び/又は、測定データを除くことにより示され、承認は、前記データログからの前記位置関連情報、及び/又は、測定データを除かないことにより示される)、それによって、前記ユーザが前記位置関連情報の提供を承認していないことを示すとよい。
【0042】
前記通信装置は、無線アクセスネットワーク(RAN)のデバイスを含むとよい。前記通信装置は、基地局又は無線ネットワーク制御局(RNC)を含むとよい。
【0043】
本発明の他の例示的態様によれば、ネットワークエンティティにより実行される方法が提供され、前記方法は、測定期間の間に移動通信装置により測定データと共に取得される位置関連データ(location related data)の提供に関する前記移動通信装置のユーザの承認(consent)又は非承認(non-consent)を示すメッセージを、通信装置から受信し、前記移動通信装置又は前記ユーザを特定する(identify)情報と関連付けて前記承認又は非承認を示すユーザ承認情報(user consent information)を格納し、選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために、利用可能な前記ユーザ承認情報を移動通信装置の選択を目的として提供することを含む。
【0044】
前記ユーザが承認している又は非承認としていることを示すメッセージは、測定データ及び位置関連データを記録するためのデータログを含むとよく、非承認は、前記データログから前記位置関連情報、及び/又は、測定データを除くことにより示され、それによって、前記ユーザが前記位置関連情報の提供を承認していないことを示すとよい。
【0045】
前記ネットワークエンティティは、コアネットワークエンティティを含むとよい。前記ネットワークエンティティは、エレメントマネージャ(EM)又はトレース制御エンティティ(TCE)を含むとよい。前記ネットワークエンティティは、ホーム加入者サーバ(HSS)を含むとよい。
【0046】
本発明の他の例示的態様によれば、次の手段を備える移動通信装置が提供される。すなわち、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信する手段と、前記測定期間を開始する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する手段と、前記他の通信装置へ前記データログを送信する手段と、を備える。
【0047】
前記移動通信装置は、前記ユーザ承認情報内の変更を検出する手段を備えるとよい。
【0048】
前記移動通信装置は、前記データログを取得するために、他の通信装置からシグナリングを受信する手段を備えとよい。前記ユーザ承認情報内の変更を検出する手段が、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、送信した後に、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザが承認していることを示すことから、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザがもはや承認していないことを示すことへの前記ユーザ承認情報内の変更を検出した場合に、前記移動通信装置は、前記格納されたデータログを削除するとよく、前記データログを取得するために前記受信したシグナリングに応答して、空の報告インジケーションを含む応答メッセージを送信するとよい。
【0049】
本発明の他の例示的態様によれば、次の手段を備える移動通信装置が提供される。すなわち、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信する手段を備え、前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記設定データを無視(disregard)する手段と、を備える。
【0050】
本発明の他の例示的態様によれば、次の手段を備える移動通信装置が提供される。すなわち、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信する手段を備え、前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能であることを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合、前記データログが利用可能でないことを示すメッセージを生成し、かつ、前記他の通信装置へ送信する手段と、を備える。
【0051】
本発明の他の例示的態様によれば、次の手段を備える移動通信装置が提供される。すなわち、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データを取得するために、他の通信装置から、シグナリング(signalling)を受信する手段と、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて示す情報を検索する手段と、前記受信したシグナリングに応答して、ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示す応答メッセージを送信する手段と、を備える。
【0052】
前記受信したシグナリングは、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリングを含むとよい。
【0053】
本発明の他の例示的態様によれば、次の手段を備える移動通信装置が提供される。すなわち、前記移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するためのシグナリング(signalling)を、他の通信装置から、受信する手段を備え、前記受信したシグナリングは、前記測定期間を設定するための設定データを含み、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであること、又は、前記移動通信装置が接続状態である期間中に前記測定データが取得されるべきであること、を示し、前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得された場合に、前記移動通信装置は、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記設定データを無視(disregard)し、前記移動通信装置が接続状態である期間中に前記測定データが取得された場合に、前記移動通信装置は、前記測定期間を開始し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか否かについて、回収されたユーザ承認情報から判定し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していることを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に、前記位置関連データなしに前記測定データを取得し、かつ、当該取得したデータをデータログに格納し、前記他の通信装置へ前記データログを送信する。
【0054】
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきである場合に、前記移動通信装置は、(例えば、前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に)前記設定データに従って前記測定期間を開始せずに、前記無視された設定データを保持するとよい。
【0055】
前記ユーザ情報の提供を前記ユーザが承認していないことを示すことから、前記ユーザ情報の提供を前記ユーザが承認していることを示すことへ、前記ユーザ承認情報が変更した場合に、前記移動通信装置は、さらに、前記保持された設定データに従って前記測定期間を開始し、前記測定データ及び前記位置関連データを取得し、及び/又は、当該取得したデータをデータログに格納するとよい。
【0056】
前記移動通信装置がアイドル状態である期間中に前記測定データが取得されるべきである場合に、前記移動通信装置は、(前記移動通信装置のユーザが前記位置関連データの提供を承認していないことを前記回収されたユーザ承認情報が示す場合に)前記無視された設定データを削除するとよい。
【0057】
本発明の他の例示的態様によれば、次の手段を備える通信装置が提供される。すなわち、移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために測定期間を開始するために前記移動通信装置へシグナリングする(signalling)手段を備え、前記位置関連データは、前記測定結果を取得する前記移動通信装置の地理的な位置を特定するための詳細な位置データを含み、前記詳細な位置データを用いずに前記詳細な位置データの代わりに、新たな位置関連データを用いて、前記測定データを含むデータログを、前記移動通信装置から受信する手段、を備える。
【0058】
前記移動通信装置は、移動通信装置群から選択された一つであるとよく、前記通信装置は、各選択された移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために移動通信装置群からの追加の選択を特定する手段をさらに備え、前記詳細な位置データの代わりに送信される前記新たな位置関連データを考慮して前記追加の選択がされるとよい(例えば、前記詳細な位置データの代わりに送信される前記新たな位置関連データの存在は、ユーザの非承認を示すとよい。)。
【0059】
本発明の他の例示的態様によれば、次の手段を備える通信装置が提供される。すなわち、各選択された移動通信装置が位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するために、少なくとも1つの前記移動通信装置の選択を特定する手段と、前記測定データ及び前記位置関連データを取得するために測定期間を開始するために選択された移動通信装置のそれぞれへシグナリングする(signalling)手段と、ユーザが前記位置関連データの提供を承認しているか又は非承認としているかを示すメッセージを、シグナリングされた移動装置のそれぞれから受信する手段と、選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データと、前記測定データに関連する位置を特定するための位置関連データを取得するために移動通信装置の群の追加の選択を特定する手段と、を備え、前記承認又は非承認を考慮して前記追加の選択がされる。
【0060】
本発明の他の例示的態様によれば、次の手段を備えるネットワークエンティティが提供される。すなわち、移動通信装置のユーザの承認(consent)又は非承認(non-consent)を示すメッセージを、測定期間の間に前記移動通信装置により取得される測定データを用いた位置関連データ(location related data)の提供のために、通信装置から受信する手段と、前記移動通信装置又は前記ユーザを特定する(identify)情報と関連して前記承認又は非承認を示すユーザ承認情報を格納する手段と、選択された移動通信装置のそれぞれが位置する領域内の通信状態を示す測定データを取得するために移動通信装置の選択の目的に利用可能な前記ユーザ承認情報と、前記測定データに関連する位置(location)を特定するための位置関連データ(location related data)とを提供する手段と、を備える。
【0061】
本発明の態様は、例えば、前記態様で説明されたような方法及び上述の又は引用される複数の請求項内で設計される実現性を実行するために、プログラム可能なプロセッサをプログラムし、及び/又は、任意の請求項に引用される装置を提供するために、適切に適合されたコンピュータをプログラムする、格納された命令群を有するコンピュータ可読媒体のような、コンピュータプログラムプロダクトにまで及ぶ。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、上記の問題に対処するか、少なくとも軽減する、改良された通信システム、関連の改良された通信装置、及び、これらの装置により実行される方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】
図1は、簡略化した概観における通信システムの概略図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示すシステムの一部を形成する移動通信装置の簡略化したブロック図を示す。
【
図3】
図3は、
図1に示すシステムの一部を形成する無線ネットワーク制御局 (RNC)の簡略化したブロック図を示す。
【
図4】
図4は、
図1に示すシステムの一部を形成する基地局の簡略化したブロック図を示す。
【
図5】
図5は、
図1に示すシステムの一部を形成するエレメントマネージャ(element manager、EM)の簡略化したブロック図を示す。
【
図6】
図6は、走行試験の最小化(MDT)のために通信システム1により実装された手順を示す上位レベルのフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図6の測定有効化フェーズ及び測定設定フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図8】
図8は、UTRANのための
図6の測定記録フェーズ、測定報告フェーズ及び報告蓄積フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図9】
図9は、E−UTRANのための
図6の測定記録フェーズ、測定報告フェーズ及び報告蓄積フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図10】
図10は、一実施形態にかかる
図6の測定有効化フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図11】
図11は、
図10の実施形態にかかる
図6の測定設定フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図12】
図12は、
図10の実施形態にかかる
図6の測定記録フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図13】
図13は、
図10の実施形態にかかる
図6の測定報告フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図14】
図14は、他の実施形態にかかる
図6の測定設定フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図15】
図15は、
図14の実施形態にかかる
図6の測定記録フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図16】
図16は、
図14の実施形態にかかる
図6の測定報告フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図17】
図17は、他の実施形態にかかる
図6の測定設定フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【
図18】
図18は、
図14の実施形態にかかる
図6の測定報告フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
この明細書(請求項に含まれる用語)内に開示され、及び/又は、図面に示された各特徴は、任意の他の開示され、及び/又は、示された特徴と独立して(又は、結合して)本発明に包含され得る。特に制限されないが、特定の独立請求項に従属する任意の請求項の特徴は、任意の結合又は単独の独立請求項に取り込まれ得る。
【0065】
図面に関する本発明の記述は、ほんの一例である。
【0066】
添付して提出された要約の文章は、明細書の一部としてここに繰り返される。
本発明の例示的態様では、測定データと測定データに関連する位置を特定するための位置関連データ(location related data)とを取得するためのMDT測定期間(MDT measurement session)を開始するために、移動通信装置が基地局又は無線ネットワーク制御局からMDT設定要求を受信する通信システムが提供される。前記移動通信装置は、記憶部内のユーザ承認インジケータ(user consent indicator)を確認し、ユーザ承認インジケータが、位置関連データの提供を当該移動通信装置のユーザが承認することを示す(indicate)ものである場合にのみ、位置関連データを提供する。
【0067】
ここに記載される例示的な実施形態は、走行試験の要件を最小化するために、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、又は、他の類似する無線アクセスネットワークにおける制御プレーンアーキテクチャ(Control Plane architecture)を用いたUE無線測定結果(UE radio measurements)の自律的収集を提供する。それ故、記載されるMDT実行手順は、ネットワークパフォーマンスを最適化し(例えば、カバレッジホールを検出し)、かつ、ネットワーク設計を改善するために、ネットワークオペレータにより潜在的に使用され得る。また、ここに記載されるMDT実行手順は、MDTの目的(MDT purposes)のためにネットワークオペレータによるUE無線測定結果の収集という状況で、UEのユーザのプライバシーを保護するための対策、及び、特に、ユーザの位置の報告を制御するための対策を含む。
【0068】
ここに記載される例示的な実施形態は、特に、LTE(Long Term Evolution)無線技術のためのMDT実行手順の実装に関する。より具体的には、当該実施形態は、例えば、E−UTRANを経由してEvolved Packet System(EPS)にアクセスするために適した送受話器(handset)(又は、他のユーザ装置(UE))のような端末装置を備える移動通信装置におけるMDT実行手順の実装に関する。また、ここに記載される実施形態は、特に、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)無線技術のためのMDT実行手順の実装、及び、UTRANを経由してコアネットワーク(CN)にアクセスするために適した端末/ユーザ装置におけるMDT実行手順の実装にも関連する。
【0069】
概観
図1は、1においておおまかに、移動(セルラー方式)通信システムを概略的に示す。複数の移動通信装置(以下、「ユーザ装置群(UE群)」ともいう。)3−1,3−2・・・3−nのユーザは、UMTS無線アクセスネットワーク2−1(UTRAN)又はLTE無線アクセスネットワーク2−2(E−UTRAN)、及び、それぞれのネットワークコア8−1、8−2(UTRAN2−1についてはコアネットワーク(CN)8−1、及び、E−UTRAN2−2についてはEvolved Packet Core(EPC)8−2)を経由して、他のユーザ(不図示)と通信できる。
【0070】
各無線アクセスネットワーク2−1及び2−2は、それぞれ基地局5−1及び5−2を備える。UTRAN2−1の基地局5−1は、いわゆる「NodeB」を備え、E−UTRAN2−2の基地局5−2は、いわゆる「eNodeB」(eNB)を備える。UTRAN2−1は、さらに、無線ネットワーク制御局 (RNC)7を備える。E−UTRAN2−2の無線ネットワーク機能がeNodeB5−2内の基地局機能に統合されるため、単独のRNCは、E−UTRAN2−2に現わされない。
【0071】
通信システム1のデバイスは、選択されたUE群3が適切な無線測定結果を取得し、適切に関連した位置情報と共に、それらをネットワーク2へ報告するという、走行試験の要件を最小化するためのMDT実行手順を採用する。RNC7及びeNB2−2は、MDT測定結果収集に参加(participation)するためのUE群3を選択する、及び、選択されたUE群3内でMDT測定のMDT設定を管理する責任を負っている。
【0072】
通信システム1のデバイスは、2種類の異なるMDT測定結果:「記録型MDT(logged MDT)」及び「即時型MDT(immediate MDT)」を設定する。「記録型MDT」は、UE3がアイドルモード(idle mode)(例えば、ネットワークとの無線接続が未確立である)である場合に、測定結果がUE3により取得され、かつ、記録(log)されるMDT実行手順を指す。「即時型MDT」は、UE3が接続モード(connected mode)である間(すなわち、ネットワークとの無線接続が確立している間)、基本的に要求に応じて、測定結果がUE3により取得され、記録(log)され、かつ、報告されるMDT実行手順を指す。
【0073】
MDT実行手順は、特に、以下のタイトルの第3世代標準化プロジェクトの技術仕様(3rd Generation Partnership Project technical specifications (TS))に記載されたいわゆる「加入者及び装置のトレース」(subscriber and equipment trace)機能の周辺に基づくものである。
TS 32.421:「加入者及び装置のトレース:トレースの概念及び要件」
TS 32.422:「加入者及び装置のトレース:トレースの制御及び設定管理」
TS 32.423:「加入者及び装置のトレース:トレースのデータ定義及び管理」
【0074】
加入者及び装置のトレース機能は、1つ以上の特定の移動通信装置に対して、呼レベルで非常に詳細な情報を提供するために適用される。前記機能は、より一般的なパフォーマンス測定に対する追加の情報源を示し、より多様な監視及び最適化操作を可能にする。(恒久的な情報源を意味する)より一般的なパフォーマンス測定とは違って、トレースは、限定的な期間及び特定の分析目的のための要求に応じて有効化(activate)される。それ故、トレースは、例えば、UEの故障の根本的原因を究明すること、高度なトラブルシューティング、リソース使用及び品質の最適化、RFカバレッジの制御及び容量の向上、呼切断の分析、コアネットワーク及びUTRANの終端間のUMTS手順の検証といった行為(activities)のために特別に有益なツールを示す。
【0075】
トレース機能の実装に従って、各ネットワークコア8は、最も関連のあるもののみとして示される複数の機能的/論理的エンティティを含む。UTRAN2−1のコアネットワーク8−1は、エレメントマネージャ(Element Manager、EM)11-1及びトレース収集エンティティ (Trace Collection Entity、TCE)13−1を備える。E−UTRAN2−2のEPC8−2は、移動性管理エンティティ(MME)9、エレメントマネージャ(EM)11−2、及びトレース収集エンティティ(TCE)13−2を備える。
【0076】
複数のEM11は、(UTRAN2−1の場合)RNC7、又は、(E−UTRAN2−2の場合)eNB5−2におけるUEのMDT測定の設定を管理することを含む、ネットワークエレメント内でトレース機能の設定を管理する役割のネットワーク管理エンティティである。複数のEM11は、測定結果が取得される間のトレースセッションを有効化及び無効化する責任を負っている。
【0077】
TCE13は、それぞれの基地局5(及びUTRAN2−1についてはRNC7)を経由して受信された時に、UE測定結果の収集及び照合を管理するネットワークエンティティである。各TCE13は、それぞれのEM11とは独立して設置可能であり、又は、同じ装置内のEM11に共同設置可能である。
【0078】
MME9は、E−UTRAN2−2のための制御ノード(control node)であり、E−UTRANが恒久UEアイデンティティ(permanent UE identity)を利用可能にしない場合、トレース収集エンティティ13−2へMDT測定結果が選択され、かつ、設定されるUE群3のために、MDTとの関連で、恒久UEアイデンティティ(例えば、IMSI/IMEI(SV), International Mobile Subscriber Identity, International Mobile Equipment Identity (Software Version))を示す。
【0079】
MDTの要件に従って、例えば無線受信レベルのような無線測定結果に加えて、各UE3は、例えば(利用可能な)衛星を利用した位置情報(positional information)(例えば、GNSS/GPS の位置情報)のような詳細な位置情報(location information)と、場合により(possibly)高度情報(altitude information)、及び/又は、(例えば、詳細な位置情報が利用不可能な場合)隣接セルに対するRF特徴情報(RF fingerprint information)を含む、位置関連情報を提供可能である。
【0080】
各UE3は、UE3の無線(無線リソース制御:radio resource control (RRC))レイヤで提供され、かつ、UE3のアプリケーションレイヤにより提供される情報を用いて更新され得るパラメータを備える「ユーザ承認(user consent)」インジケータが提供される。ユーザ承認インジケータ(user consent indicator)は、ユーザがMDTの目的で、位置関連情報の取得及び送信(transmission)の承認をするか否かを示すために、UE3のユーザにより設定され得る。ユーザ承認インジケータは、そのようなデータの提供を承認していることを示す「承認」、又は、そのような承認の欠如を示す「非承認」が設定され得る。例えば、UEに電源が入れられる時、登録されたネットワークを変更する時、又は、登録されたネットワークの範囲内で位置エリア(location area)を変更する時のようなある時期に、承認インジケータのステータスを設定し、及び/又は、修正するためのオプションが、前記ユーザには提供される。ユーザは、手動でも承認インジケータを設定及び更新し得る。
【0081】
それ故、運用中に、ユーザ承認インジケータは、(例えば、地上波公共移動通信ネットワーク(public land mobile network (PLMN))を変更する時、及び/又は、PLMNの範囲で位置エリアを変更する時)各MDT設定のために、UE3の無線(radio resource control (RRC))及びアプリケーションレイヤ内で、設定され得る。特に、RRCレイヤがMDT設定を受信する場合、アプリケーションレイヤがユーザに承認(又は、承認の欠如)を確認することを指示できるように、インジケーション(indication)は、MDTの目的で、位置関連情報が要求されるアプリケーションレイヤに与えられ得る。その時、RRCレイヤは、ユーザの位置を実際に記録する(log)前に、ユーザの確認を待つ。
【0082】
ユーザが位置関連データの提供を承認していない(承認インジケータが「非承認」に設定される)場合、UE3は、詳細なユーザ位置又はその他の位置関連情報(例えば、無線周波数特徴(radio frequency fingerprints))の記録/報告を抑制する。それにもかかわらず、UE3は、位置関連情報がMDT報告から除外された状態で、MDTの目的(例えば、無線受信レベル等のような無線測定の結果)のために有益な他の情報を未だ、報告し得る。
【0083】
ユーザが位置関連データの提供を承認している(承認インジケータが「承認」に設定される)場合、又は、承認が「非承認」から「承認」へ更新される場合、UE3は、位置関連情報の記録/報告を開始(又は、再開)する。前記承認が「承認」から「非承認」へ更新され、かつ、任意の位置関連情報がすでに記録されている場合、UE3は、ネットワークへそれらを送信することを防ぐため、記録情報をフラッシュ(flush)することができ、また、MDT情報の報告を要求された場合に空のMDT測定結果の報告をもって応答することができる。
【0084】
UE3は、ログの利用可能インジケーション(log availability indication)を(例えば、RRC接続セットアップ、RRC接続再設定、RRC接続再確立時に)含まないことにより、既存のRRCメッセージ内で回収される(to be retrieved)ログが存在しないということをネットワークへ示すこともできる。結果的に、ユーザ承認インジケータは「非承認」が設定され、かつ、ログが利用可能であることを示すために用いられ得るメッセージが送信される状況が生じる場合、UE3は、回収されるログが存在しないことを示す。
【0085】
MDTの目的でのUE群3のRAN選択の目的のために、RAN2−1、2−2は、空のMDT報告を受信する時、又は、位置関連データが除外される(例えば、詳細な位置情報、及び/又は、無線周波数特徴(radio frequency fingerprints)が欠落している)MDT報告を受信する時、代わりの(又は、場合により追加的な)UE群3が選択される必要があるということを推定できる。それ故、RAN2−1、2−2は、ユーザが位置関連情報の提供を承認していたUE群3の選択を保証するために、UE群3を再選択することにより、ユーザ承認の欠如を積極的に対応することが可能である。
【0086】
それに応じて、通信システム1は、選択されたUE群3からの無線測定結果及び位置関連情報の取得により、カバレッジ問題(coverage problems)が検出され、及び、正確に位置が特定されることを可能にする、しかし、ユーザのプライバシーのために一見すると対立する要求と、そのような位置情報の必要性とのバランスを取る。
【0087】
移動通信装置
図2は、
図1の移動通信装置3 (UE)の主要コンポーネントを概略的に示す。図のように、当該移動通信装置は、信号を送信し、基地局5から1以上のアンテナ225を経由して信号を受信することができる送受信回路223を含む携帯電話3を備える。図のように、移動通信装置3は、移動通信装置3の動作を制御し、送受信回路223、並びに、拡声器229、マイク231、表示部233及びキー操作部235と接続されるコントローラ227も含む。コントローラ227は、記憶部237内に格納されたソフトウェア命令群(software instructions)に従って動作する。図のように、これらのソフトウェア命令群は、とりわけ、オペレーティングシステム239、通信モジュール241、ユーザ承認モジュール243、及びトレース管理モジュール245を含む。
【0088】
通信モジュール241は、基地局5と通信されるシグナリング(signalling)(例えば、無線リソース制御シグナリング(radio resource control signalling))の受信、送信及び解析を管理する。ユーザ承認モジュール243は、ユーザ承認インジケータを保持(maintain)し、ユーザ承認インジケータの設定及び更新を含む。ユーザ承認モジュール243は、承認インジケータを設定/更新するようにユーザに(例えば、表示部233、及び/又は、拡声器229経由で)指示することを管理し、承認インジケータを設定/更新するためのユーザ入力(例えば、キー操作部235経由)の受信をも管理する。トレース管理モジュール245は、MDTの目的のためのトレースセッションの設定、(新規の測定を始めるか、又は、記憶部から以前の測定の結果を検索することにより)MDTの目的で要求される測定結果及び位置情報の取得、MDT測定結果及び位置関連情報の報告、及び、(例えば、「承認」から「非承認」へ承認インジケータの更新が発生した場合)MDT測定ログ(measurement logs)のフラッシュを含む、移動通信装置3上のトレースセッションを管理する。
【0089】
UTRAN(NodeB及びRNC)
当業者に十分明らかなように、UTRAN2−1の主要制御コンポーネントは、RNC7である。基地局(NodeB)5−1は、無線周波数送信機、無線周波数受信機、及び、UE3群を用いた直接的な通信用の1以上のアンテナを備える。しかしながら、NodeB5−1は最小限の機能を有し、RNC7により制御される。
【0090】
図3は、
図1に示すRNC7の主要コンポーネントを示すブロック図である。図のように、RNC7は、信号を送信し、移動通信装置3から基地局インタフェース353及びNodeB5−1の1以上のアンテナを経由して信号を受信することができる送受信回路351を備える。送受信回路351は、ネットワークインタフェース308を経由してコアネットワーク8−1のEM11−1及びトレース収集エンティティ13−1と通信することもできる。
【0091】
送受信回路351の動作は、記憶部359に格納されたソフトウェアに従って、コントローラ357により制御される。前記ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステム361、通信モジュール319、UE選択モジュール363及びトレース管理モジュール365を含む。
【0092】
通信モジュール319は、基地局インタフェース353を経由した移動通信装置3との通信、及び、ネットワークインタフェース308を経由したコアネットワーク8−1との通信を管理することができる。UE選択モジュール363は、MDTの目的でUE3群の選択を管理する。トレース管理モジュール365は、コアネットワーク8−1内のEM11−1からのトレースセッション通信の処理、UE3におけるMDTの目的のためのトレースセッションの設定の管理、及び、MDT測定結果の報告の受理及び処理を含む、RNC7内のトレースセッションを管理する。
【0093】
E−UTRAN(eNodeB)
図4は、
図1に示すeNodeB5−2の主要コンポーネントを示すブロック図である。図のように、基地局5−2は、信号を送信し、移動通信装置3から1以上のアンテナ453を経由して信号を受信することができる送受信回路451を備える。送受信回路451は、ネットワークインタフェース
408を経由してEPC8−2のMME9、EM11−2及びトレース収集エンティティ13−2と通信することもできる。
【0094】
送受信回路451の動作は、記憶部459に格納されたソフトウェアに従って、コントローラ457により制御される。前記ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステム461、通信モジュール419、UE選択モジュール463及びトレース管理モジュール465を含む。
【0095】
通信モジュール419は、アンテナ453を経由した移動通信装置3との通信、及び、ネットワークインタフェース408を経由したEPC8−2との通信を管理することができる。UE選択モジュール463は、MDTの目的でUE3群の選択を管理する。トレース管理モジュール465は、EPC8−2内のEM11−2からのトレースセッション通信の処理、UE3におけるMDTの目的のためのトレースセッションの設定の管理、及び、MDT測定結果の報告の受理及び処理を含む、基地局5−2内のトレースセッションを管理する。
【0096】
エレメントマネージャ
図5は、
図1に示す複数のEM11の主要コンポーネントを示すブロック図である。図のように、エレメントマネージャは、信号を送信し、通信インタフェース553を経由して他のネットワークエンティティから信号を受信することができる送受信回路551を備える。
【0097】
送受信回路551の動作は、記憶部559に格納されたソフトウェアに従って、コントローラ557により制御される。前記ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステム561、通信モジュール519及びトレース管理モジュール565を含む。
【0098】
通信モジュール519は、通信インタフェース553を経由した他のネットワークエンティティ(例えば、NodeB5−1/RNC7、又は、eNodeB5−2)との通信を管理することができる。トレース管理モジュール565は、トレースセッションの有効化及び終了、並びに、RAN2−1及び2−2等へのトレースセッション要求(UEのMDT設定情報を含む)の通信を含む、トレースセッションを管理する。
【0099】
MDT実行手順 − 概観
図6は、MDT機能を実装するために、通信システム1により実装された手順を示す上位レベルのフローチャートである。
【0100】
図6に見られるように、前記手順は、MDT測定の目的でUE3群を選択するRAN2へ要求するEM11により、MDTの目的でトレースセッションが有効化(activate)される、MDT測定有効化フェーズ(MDT measurement activation phase)(S1)から開始する。その結果、RAN2は、測定目的で少なくとも1つのUE3を選択する。
【0101】
MDT測定有効化フェーズ(S1)に続いて、RAN2が前記選択されたUE3群のそれぞれに設定を行う期間である、MDT測定設定フェーズ(MDT measurement configuration phase)(各選択されたUE3−1から3−nのそれぞれに対するS2−1からS2−n)が開始(enter)される。
【0102】
MDT測定設定フェーズ(S2)におけるUE3への設定後、前記手順は、選択されたUE3が要求された無線測定結果を記録し、(ユーザ承認結果に依存する)位置関連情報を取得する期間である、MDT測定記録フェーズ(MDT measurement logging phase)(各選択されたUE3−1から3−nのそれぞれに対するS3−1からS3−n)に入る。
【0103】
MDT測定記録フェーズ(S3)において、選択されたUE3により測定結果及び任意の位置関連情報が取得されると、MDT測定報告フェーズ(MDT measurement reporting phase)(S4)において、選択されたUE(3)は、測定結果/(ユーザ承認結果次第で)位置関連情報を報告する。例えば、UE3が記録型MDT測定結果を報告することをRAN2が要求する場合に、当該測定報告が生じ得る。
【0104】
測定結果/位置関連情報がRAN2へ報告された後、MDT測定記録蓄積フェーズ(MDT measurement record compilation phase)(S5)において、RAN2は、全ての選択されたUE3に対する情報を蓄積するTCE13へ報告された情報を送信する。
【0105】
図6の手順の様々なステージが実装され、それぞれ異なる利益を提供する多数の異なるアプローチが存在する。これらのことは、第1の「最小影響」アプローチとして、ユーザが位置関連情報の提供を承認していない場合、UE3は記録型MDT測定(logged MDT measurements)を行わず、(例えば、接続モード移動性目的(connected mode mobility purposes)のために)即時型MDT測定(immediate MDT measurements)を行うが、ユーザ位置情報を報告しないこと、第2の「UE管理」アプローチとして、UE3は位置関連情報の記録を含む記録型MDT測定を行うが、ユーザが位置関連情報の提供を承認していない場合、位置関連情報がユーザ位置情報(user location information)内に含まれないことをUE3は保証すること、及び、第3の「システム管理」アプローチとして、UE3はネットワークへユーザ承認又は承認の欠如を示し(及び承認の変更のイベントにおいてネットワークを更新する)、ネットワークは承認の現在状況に基づいてMDT測定のためにUE3群の選択を管理することを、含む。
【0106】
理解しやすくするために、上記3つの異なる各アプローチを実装するための個別の実施形態をさらに説明する前に、MDTを実装するための汎用のプロセスが最初に述べられる。
【0107】
加入者及び装置のトレース手順 − 概観
図7から9は、
図6のステップS1からS5を実装する際の使用に適した手順であり、通信ネットワークに基づくUTRAN2−1及びE−UTRAN2−2のための一般的な加入者及び装置のトレース手順を示す。
【0108】
図7は、
図6の有効化(S1)及び設定(S2)フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【0109】
(S1)MDT測定有効化(UTRAN / E−UTRAN)
図7に示すように、EM11は、(UTRANの場合)RNC7、又は、(E−UTRANの場合)eNB5−2へトレースセッション有効化要求(Trace Session activation request)を送信する。この要求は、例えば、測定結果が収集されるべきセルのリストを特定する情報と、デバイス能力要求条件(device capability requirements)(例えば、最小のバッテリー状態、空きメモリ等)とを含み、そして(もし適切なら)要求されるUE能力(例えば、UEカテゴリ等)と、取得されるべき測定のリスト等とを任意に含む、UE測定を設定するためのパラメータを含む。
【0110】
RNC7及びeNB5−2は、EM11からトレースセッション有効化要求を受信した場合、トレースセッションを開始し、トレースセッションと関連する設定パラメータを保存する。デバイス能力要求条件がトレースセッション中に与えられ、かつ、RNC7及びeNB5−2が予めデバイス能力を収集(retrieve)していない場合に、RNC7及びeNB5−2は、セル(群)内で有効な全てのUE3群からデバイス能力を収集する。
【0111】
RNC7及びeNB5−2は、MDTデータ収集のために適切なUE3等を選択する。当該選択は、UE3群から取得される実際のUE能力を用いて、EM11から受信するデバイス能力要求条件の比較に基づいている。デバイス能力が与えられない場合、UE選択は、MDTがUE3によりサポートされるか否かを示すUE能力に基づき実行され得る。
【0112】
(S2)MDT測定設定(UTRAN / E−UTRAN)
UE群の選択後、RNC7及びeNB5−2は、トレースセッション有効化/UE測定設定シグナリングの送信により選択されたUE3群におけるMDT機能を有効化する。この動作の一部として、RNC7及びeNB5−2は、トレース記録セッション参照(Trace Recording Session Reference)を割り当て、UEへ適切な設定情報を送信する。
【0113】
記録型MDT(Logged MDT)の場合、設定情報は、以下を含み得る。例えば、「トレース参照(Trace Reference)」、「トレース記録セッション参照(Trace Recording Session Reference)」及び、TCEのIPアドレス(IP Address of TCE)、記録間隔(logging Interval)、記録継続時間(logging duration)、及び/又は、絶対時間参照(absolute time reference)を含み得る。即時型MDT(immediate MDT)の場合、当該情報は、以下を含み得る。例えば、測定のリスト(list of measurement)、報告のトリガ(reporting trigger)、報告間隔(report interval)、報告量(report amount)、及び/又は、イベント閾値(event threshold)(例えば、報告に基づくイベントが報告のトリガに設定される場合)を含み得る。これら全てのパラメータの定義が3GPP TS 32.422 V10.2.0の発行文書に提供されることが当業者に十分明らかであろう。
【0114】
図8及び9は、UTRAN及びE−UTRANのそれぞれに対する、
図6の記録(S3)、報告(S4)、及び、記録蓄積(S5)フェーズに実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【0115】
(S3からS5)MDT測定記録及び報告及び報告蓄積(UTRAN)
図8に見られるように、各UE3は、RNC7からMDT設定情報を含むトレースセッション有効化(Trace Session Activation)/UE測定設定(UE Measurement Configuration)シグナリングを受信する場合、UE3は受信した設定パラメータに基づくMDT測定及び記録機能を開始する。
【0116】
MDT関連測定結果は、RRCシグナリングを用いて、RNC7へ報告される。記録型MDTの場合、ネットワークがその記録(ログ、log)を要求する時にMDT報告は実行される。特に、アイドルモードで記録型MDT測定(Logged MDT measurements)を行う設定がされたUE3は、RRCメッセージ(例えば、接続確立の間のRRC接続設定完了メッセージ(RRC Connection Setup Complete message))内に1ビットインジケータを用いてMDT測定が利用可能であること(availability)を示し得る。それから、MDTログは、UE情報要求メッセージ(UE Information Request message)を送信するRNC7により要求され得る。それから、MDTログは、UE情報応答メッセージ(UE Information Response message)内でUE3により送信される。UE3は、記録型MDTの場合に、ネットワークへのMDT報告と一緒に、トレース参照、トレース記録セッション参照、及び、TCE13のIPアドレスを報告する。
【0117】
RNC7はUE3からのMDT報告を受信した場合、RNC7は、トレース記録へその報告を書き込む(insert)。このように蓄積されたトレース記録は、トレース参照及びトレース記録セッション参照に基づいて蓄積されるTCE13へ(記録型MDTの場合に、UE3から受信したMDT報告が特定されるように)転送される。
【0118】
(S3からS5)MDT測定記録及び報告及び報告蓄積(E−UTRAN)
図9に見られるように、各UE3は、eNodeB5−2からMDT設定情報を含むトレースセッション有効化/UE測定設定シグナリングを受信する場合、UE3は受信した設定パラメータに基づくMDT測定及び記録機能を開始する。
【0119】
MDT関連測定は、RRCシグナリングを用いて、eNodeB5−2へ報告される。
【0120】
アイドルモードで記録型MDT測定(Logged MDT measurements)を行う設定がされたUE3は、RRCメッセージ(例えば、接続確立の間のRRC接続設定完了メッセージ(RRC Connection Setup Complete message))内に1ビットインジケータを用いてMDT測定が利用可能であること(availability)を示し得る。eNodeB5−2は、UE3へUE情報要求メッセージを送信することにより、このインジケータに基づき記録測定結果を回収(retrieve)することを決定できる。UEは、UE情報要求メッセージ内に回収されたMDTログを伴って応答できる。UE3は、記録型MDTの場合に、ネットワークへのMDT報告と一緒に、トレース参照、トレース記録セッション参照及びTCE13のIPアドレスを報告する。
【0121】
それから、eNodeB5−2は、eNodeB5−2へMDT報告を報告した当該UE3に対して、MME9が加入者アイデンティティ(IMSI、IMEI(SV))をTCE13へ送信することを要求するために、MME9に連絡する(contact)。
【0122】
eNodeB5−2は、RRCメッセージ内でUE3からのMDT報告を受信した場合、eNodeB5−2は、トレース記録へそれを書き込む(insert)。このように蓄積されたトレース記録は、トレース参照及びトレース記録セッション参照に基づいて蓄積されるTCE13へ(記録型MDTの場合に、UE3から受信したMDT報告が特定され)転送される。
【0123】
最小影響アプローチ
図10から13は、上述した第1の「最小影響(minimal impact)」に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す。
図10から13に示されるアプローチは、
図7から9に関して詳細に説明された一般的な加入者及び装置のトレース手順に基づいたものであり、明確さのために、単独のUE3のみが示され、手順の各ステップの完全な記述は繰り返されない。
【0124】
(S1)MDT測定有効化
図10は、最小影響アプローチのための
図6の測定有効化フェーズ(S1)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【0125】
図10に見られるように、測定有効化フェーズ(S1)は、
図7の測定有効化フェーズ(S1)に関して説明されたような手順に従う。しかしながら、今まで以上に詳しく、
図10は、トレースセッション有効化/UE測定設定シグナリングで送信され得る設定パラメータの性質を示す。特に、UE設定パラメータは、UTRAN/E−UTRAN無線セルのリスト、デバイス能力要求条件(例えば、最小バッテリ状態)、要求される測定のリスト、例えば、問題となっている無線技術に関して測定された無線受信レベル(LTE用のReference Signal Received Power/Reference Signal Received Quality (RSRP/RSRQ))、測定イベントに依存する報告トリガーのリスト(例えば、周期的なRSRP/RSRQ測定)、報告間隔(即時型MDT用)、報告量(即時型MDT用)、イベント閾値(即時型MDT用)、記録間隔(記録型MDT用)、及び/又は、記録継続時間(記録型MDT用)を含めても良い。
【0126】
RNC7及びeNB5−2は、EM11からトレースセッション有効化要求を受信した場合、トレースセッションを開始し、設定パラメータにリストされた各セル内で有効なUE3群からデバイス能力(これらの能力は以前に収集されていなかった)を収集する前に、関連する設定パラメータを保存する。RNC7及びeNB5−2は、前述のように適切なUE3群の選択を完了する。
【0127】
(S2及びS3)MDT測定設定及び報告(記録型MDT用)
図11は、記録型MDT測定の要求のイベントにおける
図6の測定設定フェーズ(S2)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。測定設定フェーズ(S2)は、
図7の測定設定フェーズ(S2)に関連して説明されたような手順に概して従う。しかしながら、
図11は、最小影響アプローチにおいて、MDTの目的のための位置情報についてのネットワークオペレータのニーズとユーザのプライバシーの間の有益なバランスを提供するために、どのようにユーザ承認パラメータが使用されるかを、今まで以上に詳しく説明する。
【0128】
図11に見られるように、UE3は、記録型MDT測定(Logged MDT measurement)を開始するためのRRC記録型MDT設定メッセージ(RRC Logged MDT Configuration message)を備えるトレースセッション有効化(Trace Session Activation)/UE測定設定(UE measurement)シグナリングを受信する。しかしながら、任意の測定記録に携わる前に、UE3のRRC層は、ユーザ承認インジケータの状態を判定する。
【0129】
承認インジケータが「非承認」に設定される場合、UE3は任意の記録型MDT(アイドルモード)測定を実行せず、それ故、測定記録フェーズ(S3)へ入らないことを意味して、記録型MDT設定は放棄される。それ故、事実上、UE3は、設定メッセージを単に無視する。他方、承認インジケータが「承認」に設定される場合、UEは、
図8及び
図9の測定記録フェーズ(S3)に関して説明されたような測定記録フェーズ(S3)において要求された記録型MDT(アイドルモード)測定をUEが実行することを意味する「記録型MDT設定」パラメータを考慮してMDT設定を実行する。
【0130】
(S2及びS3)MDT測定設定及び報告(即時型MDT測定)
最小影響アプローチに対して、即時型MDT測定の場合、その設定は、本質的に
図7の測定設定フェーズ(S2)に関して説明されたように進む(proceed)。
【0131】
図12は、即時型MDT測定のイベントにおける
図6の測定記録フェーズ(S3)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。測定記録フェーズ(S3)は、
図8及び
図9の測定記録フェーズ(S3)に関連して説明されたような手順に概して従う。しかしながら、
図12は、最小影響アプローチにおいて、MDTの目的のための位置情報についてのネットワークオペレータのニーズとユーザのプライバシーの間の有益なバランスを提供するために、どのようにユーザ承認パラメータが使用されるかを、今まで以上に詳しく説明する。
【0132】
接続モードにおいて、測定は、MDTの目的又は他の何らかの一般的な目的(例えば、接続モード移動性)であり得る。UE3が設定パラメータを受信した場合、UE3は、設定情報内の「IncludeLocationRequest」情報から測定の目的を推測する。この状況では、UE3は、ユーザ承認インジケータにかかわらず、MDT無線測定を実行するだろう。
【0133】
図12に示す典型的な状況において、UEのユーザ承認インジケータは、位置関連情報の提供へのユーザ承認が抑制されていたことをユーザが示しているということを示す「非承認」ステータスから始まる。
図12に見られるように、承認インジケータが「非承認」に設定されたままであるにもかかわらず、UEは無線情報を測定及び記録し続ける。しかしながら、上位層から取得される詳細なユーザ位置情報は記録されず、隣接セルの測定から取得される無線周波数特徴(radio frequency fingerprints)もまた記録されない。その後、承認インジケータが「非承認」から「承認」へ変更した場合、UE3は、無線情報、上位層から取得された詳細なユーザの位置、及び、隣接セルの測定から取得された無線周波数特徴を測定及び記録し始める。
【0134】
さらにその後、承認インジケータが「承認」から「非承認」へ変更した場合、位置関連情報がユーザの要望に反して不注意にネットワークへ送信されないことを保証するために、承認インジケータが「承認」に設定された間に記録された任意の情報が、記憶部からフラッシュされる。承認インジケータが「承認」から「非承認」へ変更した場合の記録情報のフラッシシング(flushing)は接続モードUE3について説明されたが、フラッシシングは記録型MDT測定の送信を回避するために使用されてもよいことが明らかであるだろう。
【0135】
(S4)MDT測定報告(MDT measurement reporting)
図13は、最小影響アプローチのための
図6の測定報告フェーズ(S4)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【0136】
測定報告フェーズ(S4)は、(RAN2に依存する)
図8及び
図9の測定報告フェーズ(S4)に関して説明されたような手順に概して従う。しかしながら、
図13は、最小影響アプローチにおいて、MDTの目的のための位置情報についてのネットワークオペレータのニーズとユーザのプライバシーの間の有益なバランスを提供するために、どのようにユーザ承認パラメータが使用されるかを、今まで以上に詳しく説明する。
【0137】
図13に見られるように、記録MDT測定結果を
収集していたUE3が、回収されるべきMDT測定ログ(measurement logs)が利用可能であることを示す機会を有する場合に、承認インジケータが「非承認」に設定されるなら、RRCメッセージは、ログが回収されることができることを示さずに送信される。もしくは、承認インジケータが「承認」に設定される場合、RRCメッセージは、そのようなログが回収されることができることを示して送信される。MDT測定が利用可能であることを示す機会は、例えば、上記のように接続確立の間のRRC接続設定完了メッセージ(RRC Connection Setup Complete message)に1ビットインジケータを設定する、又は、(無線リンク失敗復帰(Radio Link failure recovery)、及び、接続モード移動性にも適用される)RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)に同様のインジケータを設定する機会を備えても良い。
【0138】
既存測定報告メッセージを用いて測定結果を報告する接続モードUE3について、承認インジケータが「非承認」のときでさえ、UE3は取得していた測定結果を報告する。しかしながら、既存メッセージは、測定された無線情報を含むが、位置関連情報(たとえ、この情報がUE3で利用可能であるとしても)を含まないだろう。なぜならば、測定記録フェーズ(S3)においてMDTの目的でこの情報を記録していなかったためである。
【0139】
万一、
回収されるべき測定ログ(measurement logs)が存在するというインジケーションを送信した後に、承認インジケータが「承認」から「非承認」へ変更し、ネットワークがRRC UE情報要求(RRC UE Information Request)メッセージを用いて当該測定ログを要求する場合、UE3は、RRC UE情報報告(RRC UE Information Report)を用いて応答するが、実在の測定ログを含む代わりに、空の記録型MDT報告インジケーションを含む。従って、RNC7及びeNodeB5−2は、修正されたUE選択が必要であることを空の報告から推測でき、それに応じて、必要な情報がMDTの目的で取得され得ることを保証するために、UE選択を修正する。
【0140】
(S5)MDT測定報告蓄積
最小影響アプローチのために、MDT測定報告蓄積フェーズ(S5)は、
図8及び
図9に関してMDT測定報告蓄積フェーズ(S5)について説明された手順に従う。
【0141】
従って、要約すれば、最小影響アプローチにおいて、UEは、ユーザ承認の場合にネットワークからの任意の記録型MDT設定要求を事実上無視する。そして、(例えば、UEが、ログが回収用に利用可能であることを示していた時以来、承認が「非承認」へ変更していた場合に)UEは、ネットワークにより報告を要求された時に空のMDT測定報告を行う。UEは、RRC UE情報報告メッセージ内に空の記録型MDT報告のインジケータを提供してもよい。
【0142】
UE管理アプローチ(UE Managed Approach)
図14から16は、上述した第2の「UE管理」アプローチを実装するための加入者及び装置のトレース手順を示す。
図14から16で説明されたアプローチは、
図7から9に関して詳細に説明された一般的な加入者及び装置のトレース手順に基づいたものであり、明確さのために、単独のUE3のみが示され、手順の各ステップの完全な記述は繰り返されない。
【0143】
(S1)MDT測定有効化
UE管理アプローチのための測定有効化フェーズ(S1)は、
図10に関して上述した最小影響アプローチについて説明したように、事実上、同じものであり、簡潔さの理由のためここに繰り返されない。
【0144】
(S2)MDT測定設定及び報告
図14は、記録型MDT測定の要求のイベントにおける
図6の測定設定フェーズ(S2)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。測定設定フェーズ(S2)は、
図7の測定設定フェーズ(S2)に関連して説明されたような手順に概して従う。しかしながら、
図11は、UE管理アプローチ及び、特に、UE管理アプローチと最小影響アプローチとの間の違いにおいて、ユーザ承認パラメータが使用される方法を今まで以上に詳しく説明する。
【0145】
図14に見られるように、UE3は、最小影響アプローチ用に
図11に関して説明されたような記録型MDT測定を開始するためのRRC記録型MDT設定(Logged MDT Configuration)メッセージを備えるトレースセッション有効化(Trace Session Activation)/UE測定設定(UE measurement configuration)シグナリングを受信する。しかしながら、
図11に示された手順とは異なり、UEは、ユーザ承認インジケータが「非承認」へ設定される場合に要求を無視しない。その代わりに、UEは、承認パラメータの状態にかかわらず、「記録型MDT設定」パラメータを考慮してMDT設定を実行する。これは、
図8及び
図9の測定記録フェーズ(S3)に関して説明されたような測定記録フェーズ(S3)において要求された記録型MDT測定をUEが実行する予定であることを意味する。
【0146】
UE管理アプローチに関して、即時型MDT測定の場合、その設定は、本質的に
図7の測定設定フェーズ(S2)に関して説明されたように進む。
【0147】
(S3)MDT測定設定及び報告
図15は、記録型MDT及び即時型MDT測定の双方のイベントにおける
図6の測定記録フェーズ(S3)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。測定記録フェーズ(S3)は、
図8及び
図9の測定記録フェーズ(S3)に関連して説明されたような手順に概して従う。しかしながら、
図15は、UE管理アプローチにおいて、MDTの目的のための位置情報についてのネットワークオペレータのニーズとユーザのプライバシーの間の有益なバランスを提供するために、どのようにユーザ承認パラメータが使用されるかを、今まで以上に詳しく説明する。
【0148】
図15に示す典型的な状況において、UEのユーザ承認インジケータが、位置関連情報の提供へのユーザ承認が抑制されていたことをユーザが示していたということを示す「非承認」ステータスから始まる。
図15に見られるように、承認インジケータが「非承認」に設定されたままであるにもかかわらず、(記録又は即時型MDT測定のために)UEは無線情報を測定及び記録し続ける。しかしながら、上位層から取得される詳細なユーザ位置は記録されず、隣接セルの測定値から取得される無線周波数特徴(radio frequency fingerprints)もまた記録されない。その後、承認インジケータが「非承認」から「承認」へ変更した場合、UE3は、無線情報、上位層から取得された詳細なユーザの位置、及び、隣接セルの測定値から取得された無線周波数特徴を測定及び記録し始める。
【0149】
さらにその後、承認インジケータが「承認」から「非承認」へ変更した場合、位置関連情報がユーザの要望に反して不用意にネットワークへ送信されないことを保証するために、承認インジケータが「承認」に設定された間に記録された任意の情報が、記憶部からフラッシュされる。
【0150】
(S4)MDT測定報告
図16は、UE管理アプローチのために
図6の測定報告フェーズ(S4)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【0151】
測定報告フェーズ(S4)は、(RAN2に依存する)
図8及び
図9の測定報告フェーズ(S4)に関して説明されたような手順に概して従う。しかしながら、
図16は、2つの異なるシナリオにおけるユーザ管理アプローチにおいて、MDTの目的のための位置情報についてのネットワークオペレータのニーズとユーザのプライバシーの間の有益なバランスを提供するために、どのようにユーザ承認パラメータが使用されるかを、今まで以上に詳しく説明する。
【0152】
図16に見られるように、記録型MDT測定結果を有するUE3が回収用のMDT測定報告が利用可能であることを示す機会を有する時に、そのようなログが回収可能であることを示すRRCメッセージが送信される。MDT測定が利用可能であることを示すための機会は、例えば、上記のように接続確立の間のRRC接続設定完了(RRC Connection Setup Complete)メッセージ内に1ビットインジケータを設定する、又は、(無線リンク失敗復帰、及び、接続モード移動性にも適用される)RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)内に同様のインジケータを設定する機会を備えても良い。
【0153】
第1の説明されたシナリオでは、測定の間中ずっと、承認インジケータが「非承認」に設定されたままであり、ネットワークがRRC UE情報要求(RRC UE Information Request)メッセージを用いて当該測定ログ(measurement logs)を要求する場合、UE3は、RRC UE情報告(RRC UE Information Report)メッセージで、測定記録フェーズで記録されたようなUE無線測定(例えば、ユーザ詳細位置情報、又は、RF特徴以外)を含むRRC UE情報報告(RRC UE Information Report)を用いて応答する。
【0154】
第2の説明されたシナリオでは、万一、回収されるべき測定ログ(measurement logs)が存在するというインジケーションを送信した後に、承認インジケータが「承認」から「非承認」へ変更し、ネットワークがRRC UE情報要求(RRC UE Information Request)メッセージを用いて当該測定ログを要求する場合、UE3は、RRC UE情報報告(RRC UE Information Report)を用いて応答するが、測定ログを含む代わりに、空の記録型MDT報告と共に空の報告インジケーションを含む。
【0155】
それ故、RNC7及びeNodeB5−2は、UE選択の修正が必要であることを、欠落した位置情報から、空の報告インジケーションの存在から、及び/又は、空の記録型MDT報告から推測でき、それに応じて、必要な情報がMDTの目的で取得され得ることを保証するために、UE選択を修正する。
【0156】
(S5)MDT測定報告蓄積
UE管理アプローチのために、MDT測定報告蓄積フェーズ(S5)は、
図8及び
図9に関してMDT測定報告蓄積フェーズ(S5)について説明された手順に従う。
【0157】
従って、要約すれば、UE管理アプローチにおいて、UE3は、ユーザ非承認の場合でも、ネットワークからの記録型MDT設定要求を保持する。それ故、後にユーザ承認インジケータが承認へ更新される場合、この情報は、利用可能な状態のままである。UE3は、例えば、位置及び/又は無線周波数特徴がMDT報告から欠落していることを示すRRC UE情報報告メッセージにおいて、空の記録型MDT報告のインジケーションを提供する。
【0158】
システム管理アプローチ
図17及び18は、上述した
第3の「システム管理」アプローチを実装するための加入者及び装置のトレース手順を示す。
図17及び18に示されるアプローチは、
図7から9に関して詳細に説明された一般的な加入者及び装置のトレース手順に基づいたものであり、明確さのために、単独のUE3のみが示され、手順の各ステップの完全な記述は繰り返されない。
【0159】
(S1)MDT測定有効化
システム管理アプローチのための測定有効化フェーズ(S1)は、
図10に関して上述した最小影響アプローチについて説明したように、事実上、同じものであり、簡潔さの理由のためここに繰り返されない。
【0160】
(S2)MDT測定設定及び報告
図17は、MDT測定を要求するRRCメッセージのイベントにおける
図6の測定設定フェーズ(S2)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。測定設定フェーズ(S2)は、
図7の測定設定フェーズ(S2)に関連して説明されたような手順に概して従う。しかしながら、
図17は、システム管理アプローチ及び、特に、システム管理アプローチとUE管理及び最小影響アプローチとの間の違いにおいて、どのようにユーザ承認パラメータが使用されるかを、今まで以上に詳しく説明する。
【0161】
図17に見られるように、UE3は、RRC MDT設定メッセージ(例えば、記録型MDT測定を開始するためのRRC記録型MDT設定メッセージ等)を備えるトレースセッション有効化(Trace Session Activation)/UE測定設定(UE measurement configuration)シグナリングを受信する。UE3は、ユーザ承認インジケータの状態(承認又は非承認)を特定する情報を含むRRC MDT設定応答メッセージ(例えば、記録型MDT設定応答メッセージ)を用いて、このRRC MDT設定メッセージに応答する。
【0162】
そして、承認パラメータの状態にかかわらず、UE3は、任意の「記録型MDT設定(Logged MDT Configuration)」パラメータを考慮してMDT設定を実行する。これは、
図8及び
図9の測定記録フェーズ(S3)に関して説明されたような測定記録フェーズ(S3)において任意の要求された記録型MDT測定をUEが実行する予定であることを意味する。
【0163】
それ故、RAN2がMDTの目的でUE3群を選択する必要がある場合、RRC MDT設定応答メッセージにおいて、各々以前に選択されたUE3から前記ユーザ承認情報を受信しており、RAN2は承認の欠如(つまり、ユーザ承認インジケーションが「非承認」に設定されている)を示すユーザ承認インジケーションに対応するUE群の選択を回避できる。
【0164】
(S3)MDT測定設定及び報告
システム管理アプローチのために、MDT測定設定フェーズ(S3)は、
図15に関して、UE管理アプローチのMDT測定設定フェーズ(S3)について説明された手順に従う。
【0165】
(S4)MDT測定報告
図18は、システム管理アプローチのための
図6の測定報告フェーズ(S4)に実装される加入者及び装置のトレース手順を示す一般的なタイミング図である。
【0166】
測定報告フェーズ(S4)は、(RAN2に依存する)
図8及び
図9の測定報告フェーズ(S4)に関して説明されたような手順に概して従う。しかしながら、
図18は、2つの異なるシナリオにおけるシステム管理アプローチにおいて、MDTの目的のための位置情報についてのネットワークオペレータのニーズとユーザのプライバシーの間の有益なバランスを提供するために、どのようにユーザ承認パラメータが使用されるかを、今まで以上に詳しく説明する。
【0167】
図18に見られるように、記録型MDT測定結果を有するUE3が回収用のMDT測定報告の有効性を示す機会を有する時に、RRCメッセージは、そのようなログに回収可能性があることを示すことが送信される。MDT測定の有効性を示すための機会は、例えば、上記のように接続確立の間のRRC接続設定完了(RRC Connection Setup Complete)メッセージ内に1ビットインジケータを設定する、又は、例えば(接続モード移動性、及び、無線リンク失敗復帰にも適用される)RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)、又は、RRC接続再確立完了(RRC Connection Reestablishment Complete)内に同様のインジケータを設定する機会を備えても良い。
【0168】
第1の説明されたシナリオでは、測定記録フェーズの間中ずっと、承認インジケータが「非承認」に設定されたままであり、ネットワークはRRC UE情報要求(RRC UE Information Request)メッセージを用いて当該測定ログ(measurement logs)を要求する場合、UE3は、RRC UE情報報告(RRC UE Information report)メッセージで、測定記録フェーズで記録されたようなUE無線測定(例えば、ユーザ詳細位置情報、又は、RF特徴以外)を含むRRC UE情報報告を用いて応答する。しかしながら、ユーザ承認インジケーションの状態(承認又は非承認)を示す承認情報は、位置情報を除外する記録型MDT報告にも含められる。
【0169】
第2の説明されたシナリオでは、万一、回収されるべき測定ログが存在することを示すインジケーションが送信された後に、承認インジケータが「承認」から「非承認」へ変更し、ネットワークがRRC UE情報要求メッセージを用いて当該測定ログ(measurement logs)を要求した場合、UE3は、RRC UE情報報告を用いて応答するが、測定ログを含む代わりに、空の記録型MDT報告と共にユーザ承認インジケーションの状態(承認又は非承認)を示す承認情報を含む。
【0170】
このように、両方のシナリオにおいて、RNC7及びeNodeB5−2は、UE選択の修正が必要であることを、承認情報(又は位置情報がないこと)から推測でき、それに応じて、必要な情報がMDTの目的で取得され得ることを保証するために、UE選択を最適化する。
【0171】
(S5)MDT測定報告蓄積
システム管理アプローチのために、MDT測定報告蓄積フェーズ(S5)は、
図8及び
図9に関してMDT測定報告蓄積フェーズ(S5)について説明された手順に従う。
【0172】
それ故、要約すれば、システム管理アプローチにおいて、ユーザ承認/非承認情報(及びその更新)は、無線層(RRC)プロトコルメッセージ(例えば、UE情報報告、及び/又は、例えば、記録型MDT設定応答(Logged MDT Configuration Response)メッセージなどの新RRC MDT設定応答メッセージ)内で、UEからRANへ送信される。例えば、RRC MDT設定要求の受領の上で、非承認の場合、UEはUE承認インジケータが「非承認」に設定されるインジケータを含むMDT設定応答を送信する。同様に、RAN2からMDT情報要求の受領すると、(例えば、記録型MDT設定応答における)以前の承認インジケーションが送信されてから、承認情報が「承認」から「非承認」へ変更していた場合、かつ、詳細な位置/RF特徴情報が存在しない測定報告が送信されているか又は測定報告が空である場合、新たな「非承認」情報は含まれる。
【0173】
改良及び代替手段
複数の詳細な実施形態及び変形は、上述されている。当業者に明らかなように、多数の改良及び代替手段は、上記の実施形態及び変形を用いることができ、そこに実施された発明の利益を受け得る。
【0174】
例えば、異なるアプローチを採用する複数の異なる実施形態が独立して説明されるが、それらが示す任意の機能の側面は、異なるアプローチにより示される機能と組み合わせて又は代替手段として提供され得る。特に、独立して任意の異なるアプローチ又はアプローチの特定の側面を用いるデバイスを設定することを、アプローチの選択がユーザ(又は提供者)に対してUE内で提供され得ることが明らかであるだろう。
【0175】
詳細な(例えば、GNSS)位置情報が記録されない場合(例えば、
図12及び15)、隣接セルの測定から取得される無線周波数特徴(RF特徴:Radio Frequency fingerprint)が記録されないものとして説明されたが、
詳細な位置情報より正確でなく、それ故、より精度が低
い無線周波数特徴から現実のユーザ位置を得ることが相対的に困難であるため、無線周波数特徴が記録されても良いことが、明らかであるだろう。結果的に、無線周波数特徴を含むことは、詳細な位置情報よりリスクが低いことを意味する。同様の理由で、詳細な位置情報が報告されない場合(例えば、
図13)、無線周波数特徴は、報告されないとして説明されるが、無線周波数特徴は、詳細な位置情報の代わりに報告され得る。無線周波数特徴が依然として、(詳細な位置情報の提供と比べて)エンドユーザのプライバシーが重大なリスクにさらされることなく、ネットワークオペレータが使用し得る、有用な情報を示すため、詳細な位置情報に代えて無線周波数特徴を記録及び報告することは、特に、有利であり得る。
【0176】
また、運用、管理及び保守(Operation, Administration and Maintenance、OAM)機能によるUE選択の場合、RAN2がTCE13へ(UE3から収集された)測定を報告した時点で、他の又は追加されたUE3群によりMDT測定の設定を管理することをEM11にTCE
13が要求すべきことを、報告内のユーザ位置情報の不足から、判定するためにTCE
13は適合してもよいということも、明らかだろう。
【0177】
その上、記録型MDT情報のフラッシング後(例えば、
図12及び15内)、MDT設定が放棄され得ることが好ましいだろう。代わりに、MDT設定は、ユーザが非承認から承認へ承認状態を変更させた場合を想定し、将来の測定のためにその設定が再利用可能であるように保持されてもよい。
【0178】
さらに、ユーザ承認/非承認情報が伝搬され、及び、ネットワークオペレータのホーム加入者サーバデータベース(Home Subscriber Server database)内のユーザプロファイルに格納されることが明らかだろう。この情報は、さらに、ユーザ非承認を示していたUE群の選択を回避するためにRANにより使用され得る。例えば、システム管理アプローチにおいて、RAN2へ提供される前記ユーザ承認情報は、(例えば、3GPP TS 36.413/25.413に定義されるような)新しい(又は修正された)S1/Iuアプリケーションプロトコルメッセージを用いてネットワークコア8へ、及び、(3GPP TS 29.272に定義されるような)新しい(又は修正された)直径プロトコルメッセージを用いてコアネットワークからホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server:HSS)へ伝搬され得る。ユーザ承認インジケータは、ユーザ/UE3用のプロファイルの範囲内でHSSに格納され得る。そして、ネットワーク内のOAM(Operation, Administration and Maintenance)機能は、追加的パラメータとしてHSSにより格納された前記ユーザ承認情報を用いても良く、上記に基づいてUE群は最適な方法でMDT測定のために選択され得る。
【0179】
その上、前記ユーザ承認情報は、3GPP TS 32.422に定義されるようなトレース機能を用いてEM11又はTCE13へ代わりに又は追加的に、伝搬され得る。OAM機能は、最適化UEの目的のために、TCE13から直接に、又はEM11内で局所的に、前記ユーザ承認情報をアクセスし得る。それ故、その情報は、ユーザ非承認を示しているUE3にMDTの実行させることを回避するためにEMにより用いられ得る。
【0180】
それにもかかわらず、前記ユーザ承認情報は、(例えば、上記代替手段を伴う、ネットワーク内で追加のシグナリングを回避するために)RNC7及びeNB5−2内で有益に保ち得る。そして、システム管理アプローチで説明したように、過去に選択されたUE3群から前記ユーザ承認情報を受信していた間に、RAN2がMDTの目的でUE3群を選択する必要がある場合、RAN2は、ユーザ承認インジケーションが承認の欠如(例えば、ユーザ承認インジケーションは「非承認」へ設定される)を示すUE群の選択を回避し得る。
【0181】
通信システム1の論理的/機能的エンティティの多くは、物理的に分離したエンティティ、2以上のエンティティが単一のエンティティに結合されるように説明されることが明らかだろう。
【0182】
上記実施形態では、遠隔通信システムに基づく携帯電話が説明された。当業者に明らかなように、本出願に説明される技術は、他の通信システムに採用され得る。他の通信ノード又はデバイスは、例えば、パーソナルデジタルアシスタント、ラップトップコンピュータ、ウェブブラウザ等のようなユーザデバイスを含み得る。
【0183】
上述した実施形態において、
図3〜9に示された様々なエンティティは、それぞれに送受人回路を含ませるように説明される。典型的には、この回路は、専用のハードウェア回路により形成され得る。しかしながら、任意の実施形態において、送受信回路の部分は、対応するコントローラによりソフトウェアが実行されるように実装され得る。
【0184】
上記実施形態において、多数のソフトウェアモジュールが説明された。当業者に明らかなように、ソフトウェアモジュールは、コンパイル又は非コンパイル形式で提供され得る、そして、コンピュータネットワークを超えて又は記録媒体上で信号として表現される任意の多様なエンティティに供給され得る。さらに、このソフトウェアの一部又は全てにより実行される機能は、1以上の専用のハードウェア回路を用いて実行され得る。しかしながら、ソフトウェアモジュールの使用は、それらの機能を更新するために、多様なエンティティの更新を促進することが望ましい。
【0185】
様々な他の改良は、当業者に明らかであり、ここでは、より詳細には説明しない。
【0186】
このソフトウェアは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable media)に格納され、コンピュータに供給することができる。当該非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0187】
様々な他の改良は、当業者に明らかであり、ここでは、より詳細には説明しない。上述したように、本発明は、実施形態に関して説明されたが、本発明は、上記に限定されない。当業者により理解された様々な改良は、発明のスコープ内で作成できる。
【0188】
この出願は、2011年1月10に出願された英国特許出願第1100305.0号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本発明は、測定を行い、他の通信装置へ測定結果(measurements)を報告(report)するために構成された移動通信装置を含む通信システムに関する。本発明は、特に、移動通信装置、他の通信装置及び通信システムのエンティティ(entities)におけるMDT(走行試験の最小化)実行手順の実装に関するが、これらに限定されない。
【符号の説明】
【0190】
1 通信システム
2−1 UMTS 無線アクセスネットワーク (UTRAN)
2−2 LTE 無線アクセスネットワーク (E−UTRAN)
3−1 ユーザ装置 (UE)
3−2 ユーザ装置 (UE)
3−n ユーザ装置 (UE)
5−1 基地局 (NodeB)
5−2 基地局 (eNodeB(eNB))
7 無線ネットワーク制御局 (RNC)
8−1 コアネットワーク (CN)
8−2 Evolved Packet Core(EPC)
9 移動性管理エンティティ (MME)
11 EM群 (EMs)
11−1 エレメントマネージャ (EM)
11−2 エレメントマネージャ (EM)
13−1 トレース収集エンティティ (TCE)
13−2 トレース収集エンティティ (TCE)
3 移動通信装置(UE)
223 送受信回路
225 アンテナ
227 コントローラ
229 拡声器
231 マイク
233 表示部
235 キー操作部
237 記憶部
239 オペレーティングシステム
241 通信モジュール
243 ユーザ承認モジュール
245 トレース管理モジュール
308 ネットワークインタフェース
351 送受信回路
353 基地局インタフェース
357 コントローラ
359 記憶部
361 オペレーティングシステム
319 通信モジュール
363 UE選択モジュール
365 トレース管理モジュール
408 ネットワークインタフェース
451 送受信回路
453 アンテナ
457 コントローラ
459 記憶部
461 オペレーティングシステム
419 通信モジュール
463 UE選択モジュール
465 トレース管理モジュール
551 送受信回路
553 通信インタフェース
557 コントローラ
559 記憶部
561 オペレーティングシステム
519 通信モジュール
565 トレース管理モジュール