【実施例】
【0022】
(固形筆記体の製造)
実施例1
ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル
(阪本薬品工業社製、SC−1600、ポリオキシプロピレン繰返し単位24)
32質量部
ベヘニルアルコール(高級アルコール) 32.5質量部
酸化チタン(テイカ社製、JR−701) 35.5質量部
上記各成分を90℃にて加熱混合し、得られた液状物を内径8mmで長さ40mmの円筒状の型に流し込んだ後、室温まで冷却し、固形物を得た。この円筒状の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmの固形筆記体を得た。
【0023】
実施例2〜10
(表1)に示した配合とした以外は、実施例1と同じ方法で固形描画材を得た。
【0024】
【表1】
【0025】
比較例1
ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル
(阪本薬品工業社製、SC−1600、ポリオキシプロピレン繰返し単位24) 32質量部
12−ヒドロキシステアリン酸 32.5質量部
酸化チタン(テイカ社製、JR−701) 35.5質量部
上記各成分を90℃にて加熱混合し、得られたの液状物を内径8mmで長さ40mmの円筒状の型に流し込んだ後、室温まで冷却し、固形物を得た。この円筒状の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmの固形筆記体を得た。
【0026】
比較例2
ベヘニルアルコール(高級アルコール) 32質量部
12−ヒドロキシステアリン酸 32.5質量部
酸化チタン(テイカ社製、JR−701) 35.5質量部
上記各成分を90℃にて加熱混合し、得られたの液状物を内径8mmで長さ40mmの円筒状の型に流し込んだ後、室温まで冷却し、固形物を得た。この円筒状の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmの固形筆記体を得た。
【0027】
比較例3
ベヘニルアルコール(高級アルコール) 32質量部
プロピレングリコール 32.5質量部
酸化チタン(テイカ社製、JR−701) 35.5質量部
上記各成分を90℃にて加熱混合し、得られたの液状物を内径8mmで長さ40mmの円筒状の型に流し込んだ後、室温まで冷却し、固形物を得た。この円筒状の固形物を型より取り出し、外径8mmで長さ40mmの固形筆記体を得た。
【0028】
実施例1〜10及び、比較例1〜3の固形筆記体について、筆記性、消去性、耐水性、耐熱性の評価を行った。結果を(表2)に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
評価方法:筆記性、消去性、耐水性、耐熱性、書き味評価については、以下記載の評価方法、評価基準により評価をした。
【0031】
筆記性:耐水性がある表面が平滑な黒板に、表面が乾いた状態と水で濡れた状態において、常温で、それぞれ手書きにより筆記し、その筆記性と筆跡の状態を目視により観察し、評価した。
◎:筆記可能であり、筆跡が鮮明。
○:筆記可能であるが、筆跡がやや不鮮明。
△:筆記可能であるが、筆跡がほとんど残っていない。但し、視認は可能。
×:筆記不可で、筆跡を視認できない。
【0032】
消去性:前記筆記性試験で筆記した筆跡を、布により消去した際の消去した状態を目視により観察し、評価した。
◎:筆跡が消去可能であり、拭き残しが無い。
○:筆跡が消去可能であり、拭き残しがわずかに見られる。
△:筆跡が消去可能であるが、拭き残しが見られる。
×:筆跡が残り、拭き残しがある。
【0033】
耐水性:前記筆記性試験で筆記した筆跡に、シャワー状の流水下に5分置き、筆跡の状態を目視により観察し、評価した。
◎:筆跡が筆記した状態と変わりがなく、鮮明。
○:筆跡がわずかに流失しており、やや不鮮明。
△:筆跡がほとんど流失している。但し、視認は可能。
×:筆跡が完全に流失している。
【0034】
耐熱性:50℃の環境下で1週間加温保存し、その前後での固形筆記体の状態を目視により観察し、評価した。
◎:加温前後で変わりない。
○:表面の変化がわずかに見られるがほとんど変化ない。
△:表面に油状物が見られる。
【0035】
書き味:耐水性がある表面が平滑な黒板に、表面が乾いた状態で手書きにより筆記し、その書き味を官能試験により、評価した。
◎:書き味が非常に滑らか。
○:書き味が滑らか。
△:書き味がやや硬く重い。
【0036】
表3に示した通り、実施例1〜10の固形筆記体は、筆記性、消去性が良好で、筆跡が耐水性を有していた。また固形筆記体の耐熱性も良好であり、本発明の課題である、筆記板が水に濡れた状態においても筆記性、消去性に優れ、筆記板に筆記された筆跡が耐水性を有する固形筆記体としての性能を満足するものであった。
【0037】
これに対し、比較例1、2の固形筆記体は、筆記性は良好であったが、消去性が悪かった。また、比較例3の固形筆記体は、乾いた面への筆記性と消去性は優れていたが、筆跡の耐水性が悪かった。この様に、比較例1〜3の固形筆記体は、本発明の固形筆記体としての性能を有していなかった。