特許 5700711 散水板及びこれを用いた節水用シャワー器具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5700711

(24)【登録日】2015年2月27日

(45)【発行日】2015年4月15日

(54)【発明の名称】散水板及びこれを用いた節水用シャワー器具

(51)【国際特許分類】

   A47K 3/28 20060101AFI20150326BHJP

   B05B 1/18 20060101ALI20150326BHJP

【ＦＩ】

   A47K3/22

   B05B1/18 101

【請求項の数】2

【全頁数】12

(21)【出願番号】特願2013-51304(P2013-51304)

(22)【出願日】2013年3月14日

(62)【分割の表示】特願2010-540600(P2010-540600)の分割

【原出願日】2009年3月31日

(65)【公開番号】特開2013-146571(P2013-146571A)

(43)【公開日】2013年8月1日

【審査請求日】2013年3月14日

(31)【優先権主張番号】10-2008-0030715

(32)【優先日】2008年4月2日

(33)【優先権主張国】KR

(31)【優先権主張番号】10-2009-0024487

(32)【優先日】2009年3月23日

(33)【優先権主張国】KR

(31)【優先権主張番号】10-2009-0024498

(32)【優先日】2009年3月23日

(33)【優先権主張国】KR

(73)【特許権者】

【識別番号】510179401

【氏名又は名称】イ，チャン・ウ

(74)【代理人】

【識別番号】100064621

【弁理士】

【氏名又は名称】山川 政樹

(74)【代理人】

【識別番号】100098394

【弁理士】

【氏名又は名称】山川 茂樹

(72)【発明者】

【氏名】イ，チャン・ウ

【審査官】 油原 博

(56)【参考文献】

【文献】 特開２００４−２７６０００（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平０６−１２１９４１（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００６−１４２２７２（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ４７Ｋ ３／２８

Ｅ０３Ｃ １／０４２

Ｂ０５Ｂ １／００−１／３６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

内部流路を通して供給流体が供給できるシャワー・ヘッド本体の内部に具備され、
上記供給流体が外部へ噴射できるように複数の散水孔が形成され、
上記複数の散水孔のうち、少なくとも一部が、上記散水孔の内側に突出するように形成された方向転換部を具備した方向転換散水孔であり、
上記方向転換散水孔は、上記散水板の外側または内側に向かって凹形の多角形に形成される、ことを特徴とする散水板。

【請求項2】

内部流路を通して供給流体が供給できるシャワー・ヘッド本体の内部に具備され、
上記供給流体が外部へ噴射できるように複数の散水孔が形成され、
上記複数の散水孔の一部が、上記散水孔の内側に突出するように形成された方向転換部を具備した方向転換散水孔であり、
上記方向転換部を具備しない上記散水孔を中心とした周囲に、上記方向転換散水孔が配置された散水噴射群が形成され、上記方向転換部は、上記散水噴射群の中心に向かって突出形成されることにより、噴射された上記供給流体が一つの水筋に合致され、
且つ上記散水噴射群が複数配置される、ことを特徴とする散水板。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明の散水板及びこれを用いた節水用シャワー器具に関するものとして、詳細は平板形態の散水板の散水孔の形態を変化させ、供給流体が斜めに噴射できるようにする散水板及びこれを用いた節水用シャワー器具に関するものである。

【背景技術】

【0002】

一般的にシャワー器具は冷水又は温水のような供給流体を噴射するジョウロ状の噴射装置として、トイレ、流し台、浴槽などのような家庭用として及び、ボディー・シャワー器具、ウォータープール、飲水器、浴槽などのような業務用として、広く使われている。

【0003】

このようなシャワー器具は、また座式用及び立式用に区分され、これによってその形態が変わるようになっている。

【0004】

ホースを通して供給される、冷水又は温水のような供給流体がシャワー・ヘッド本体の内部流路を通して、散水板に形成された複数の散水孔を通して対象物に噴射されるものである。

【0005】

対象物に噴射される供給流体は散水板の幅に対応できる噴射領域をもっているのが一般的である。

【0006】

しかし、シャワー器具を通して対象物に供給流体を供給するよりも広く拡散されたり、１点に集束するようにするために、従来は曲面形態の散水板を使っていたり、厚い散水板に散水孔を斜めに形成させて使っていた。

【0007】

なお、最近は水を節約するための節水用シャワー器具が出始めているが、ヘッド部の内部に入口側から出口側の直径が次第に拡大されるように具備した散水板を設置することによって節水効果を得ているが、これは別途の直径縮小部を形成するために特別な部品が必要となり、製造コストが増大する問題があった。

【0008】

また、節水効果を得るために散水板の散水孔の数を減らしたり、直径を小さくする場合もあるが、これはユーザーがシャワーを浴びる時に適量の水供給がうまく行われなかったり、シャワーを浴びる時間が長くなり、結局節水効果が得られないという問題が現れた。

【0009】

特に、水孔の直径が小さくなると、節水効果と共に陰イオンの発生が増加するが、ユーザーがシャワー効果をそれほど感じなくなり、これによって散水圧力を高くすると、節水効果が消えてしまう。

【0010】

一方、ホースを通してシャワー器具の内部流路へ供給される水は、異物が含まれているため、必ずフィルターによって異物をろ過してから使わなければならない。

【0011】

このように、水に含まれている異物をろ過するために不織布が使われていたが、不織布は異物がある程度たまれると、交換しなければならないという手間がかかった。

【0012】

なお、不織布は常に水を含んでおり、細菌及びカビが繁殖しやすく、カビが繁殖し始めたら、再使用が不可能なので交換しなければならないという不都合もあった。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0013】

本発明は、上記の従来の問題点を解決するためのもので、薄い平板形態の散水板に形成される散水孔の形状及び配置によって散水板を通して噴射される供給流体の噴射形態が決定され、上記供給流体を広く拡散させたり、１点に集中ないし集束させ得る散水板を提供することを課題とする。

【0014】

本発明は、対象物に噴射される供給流体がお互い合致されるようにする散水板を提供することを別の課題とする。

【0015】

本発明は、供給流体に含まれている異物をろ過するフィルターに積まれた異物によって供給流体の流れが円滑でない場合、異物が積まれたフィルターを交換せず、洗浄によって再使用の可能なフィルターも含めて構成される節水用シャワー器具を提供することをさらに別の課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0016】

本発明は、上記のような課題を解決するためのもので、本発明の一実施例によると、内部流路を通して供給流体が供給できるシャワー・ヘッド本体の内部に具備され、上記供給流体が外部へ噴射できるように複数の散水孔が形成され、上記複数の散水孔のうち、少なくとも一部が上記散水孔の内側に突出するように形成された方向転換部が具備される方向転換散水孔であることを特徴とする散水板が提供される。

【0017】

上記方向転換散水孔は、上記散水板の縁部に位置し、上記方向転換部が上記散水板の外側または内側方向に突出することにより、上記供給流体の噴射範囲が決まりうる。

【0018】

上記方向転換散水孔は、凹形が形成できる。

【0019】

本発明の別の実施例によると、噴射された供給流体が一つの水筋として合致できるよう、複数の方向転換散水孔群からなる散水噴射群が複数配置されることを特徴とする散水板が提供される。

【0020】

上記散水噴射群は、中央に散水孔が少なくとも一つ形成され、上記方向転換散水孔が上記換散水孔を中心に周囲に配置できる。

【0021】

上記方向転換散水孔は、上記散水噴射群の中央に形成された散水孔方向に方向転換部が突出されて形成できる。

【0022】

本発明のさらに別の実施例によると、内部流路を通して供給流体が供給できるシャワー・ヘッド本体の内部に具備され、上記供給流体が外部へ噴射できるように複数の散水孔が形成され、上記複数の散水孔のうち、少なくとも一部が上記散水孔の内側に突出するように形成された方向転換部が具備される方向転換散水孔も含めて構成される散水板及び上記ヘッド本体の内部に具備され、上記供給流体が上記散水板に到達する前に上記供給流体に含まれている異物をろ過するフィルターも含めて構成される節水用シャワー器具が提供される。

【0023】

上記フィルターは、上記ヘッド本体の内部流路を通して供給流体が供給される供給流体の流れを妨げないよう、多数の開口部が形成されたろ過網据置部及び上記ろ過網据置部の裏面に結合される合成繊維材質の布で織り上げ、上記供給流体に含まれている異物をろ過する、ろ過網から形成できる。

【0024】

上記ろ過網は繻子織状に織り上げることができる。

【0025】

上記ろ過網は上記ろ過網据置部に熱融着できる。

【0026】

上記フィルターは内部にセラミック・ボールが充填され、正面と裏面に多数の開口部が形成され、上記ろ過網据置部と結合されるフィルター・ハウジングもさらに含めて形成できる。

【0027】

上記セラミック・ボールは、硫黄ボール、トルマリン原石、セレン、陰イオン樹脂、ゲルマニウム、黄土、ゼオライト、セリサイトのいずれかの一つまたはその混合物から形成できる。

【発明の効果】

【0028】

本発明の散水板及びこれを用いた節水用シャワー器具によると、次のような効果がある。

【0029】

一、供給流体が外部へ噴射できるように形成される複数の散水孔のうち、少なくとも一部が上記散水孔の内側に突出した形成された、方向転換部を具備した方向転換散水孔からなり、対象物に噴射噴射される上記供給流体が供給流体を広く拡散させたり、１点に集束させたりするために、曲面形態の散水板や換散水孔が斜めに形成できる十分な厚みをもつ散水板を使わなくても、薄い平板形態の散水板が使用できるため、製造コストが安価になる効果がある。

【0030】

二、供給流体が外部へ噴射された後、一つの水筋に合致されるように形成される散水噴射群を複数配置することによって少量の供給流体が供給されても、十分な量が供給しているように感じさせ、外部へ供給流体を節約する効果がある。

【0031】

三、供給流体が外部へ噴射された後、一つの水筋に合致されるように形成される散水噴射群によって散水孔の直径が小さくでき、供給流体が外部へ噴射される過程において陰イオンの放出量が増える効果がある。

【0032】

四、散水孔の直径が小さくなることによって外部へ噴射される水圧が上昇し、同量の水が供給されても洗浄力が向上される効果がある。

【0033】

また、シャワー器具に供給される供給水の圧力が小さくても、外部へ噴射される時は水圧が上昇するので、十分な圧力によって対象物へ向かって水が噴射される効果がある。

【0034】

五、合成樹脂材質で織り上げたろ過網も含めて構成されるフィルターがシャワー・ヘッド本体の内部に具備されることによって供給流体の流れが円滑ではない場合、異物が積まれたフィルターを交換せず、洗浄によって再使用が可能な効果がある。

【0035】

六、従来のフィルター使われていた不織布とは異なり、供給流体が吸収されないように合成樹脂材質で織り上げたろ過網も含めて構成されるフィルターが使われることによって上記ろ過網に細菌及びカビが繁殖するらとらすいきち恐れが少ないので、衛生的な利点がある。

【0036】

七、合成樹脂材質のろ過網が繻子織状に織り上げているので、上記ろ過網の表面が滑らか、かつ組織が緻密で、洗浄が容易であるため、異物の除去効率が上昇する効果がある。

【0037】

八、フィルターにセラミック・ボールが充填されているので、供給流体に含まれている有害成分の除去、イオン化、抗菌、脱臭などのような機能が働き、対象物、とりわけ人体に有用な水を提供することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【0038】

【図1】本発明の一つの形態による節水用シャワー器具の断面図；

【0039】

【図2】図１の分解斜視図；

【0040】

【図3】図２の散水板の一つの形態による平面図及び拡大図；

【0041】

【図4】図３の散水板が埋め込まれたヘッド本体から水が噴射される形状を表す状態図；

【0042】

【図5】図２の散水板の別の形態による平面図及び拡大図；

【0043】

【図6】図５の散水板が埋め込まれたヘッド本体から水が噴射される形状を表す状態図；

【0044】

【図7】図２の方向転換散水孔の拡大図；

【0045】

【図8】図２の散水板の別の形態による平面図及び拡大図；

【0046】

【図9】図８の散水板によって水筋が一つに合致される過程を表す状態図；

【0047】

【図10】図２のフィルターの分解斜視図；

【0048】

【図11】図１０のろ過網がろ過網据置部に据え置かれた状態の状態図；及び

【0049】

【図12】図１０の繻子織状に織り上げられたろ過網の上面及び側面の拡大図である。

【発明を実施するための形態】

【0050】

以下、本発明の目的が具体的に実現できる本発明の望ましい実施例を、添付図面を参照して説明する。本実施例を説明するに当って、同一構成については同一名称及び同一符号が使われ、これによる付加的な説明は省略する。

【0051】

まず、図１及び図２を参照し、本発明の一つの実施例によるシャワー器具用フィルターが使われるシャワー器具の全体的な構成を説明すると、以下の通りである。ここで、図１は本発明の一つの形態による節水用シャワー器具の断面図であり、図２は図１の分解斜視図である。

【0052】

本実施例によるシャワー器具は、大きく、ヘッド本体１０、フィルター５０、Ｏリング４０、散水板３０及びヘッド・キャップ２０も含めて構成される。

【0053】

本実施例による上記ヘッド本体１０は、図１及び図２に示されたように座式用を例示しているが、これに限らず用途に合わせて様々な形態にすることができる。

【0054】

上記ヘッド本体１０の内部には、供給流体の流れを案内する内部流路１２が具備されており、上記内部流路１２を通して供給される上記供給流体が上記ヘッド本体１０の内部にそれぞれ具備される上記フィルター５０及び散水板３０を通して対象物に噴射される。

【0055】

ここで、上記Ｏリング４０の役割は、上記供給流体が通過する過程において、上記散水板３０に形成された複数の散水孔３２，３４ではなく、上記散水板３０とヘッド本体１０との結合部分から流出することを、防止することである。

【0056】

上記フィルター５０は、上記ヘッド本体１０の内部流路１２を通して供給される供給流体に含まれている異物をろ過するためにヘッド本体１０の内部に具備され、上記散水板３０の裏面に位置される。上記フィルター５０の詳細は後に説明することとする。

【0057】

上記散水板３０は、薄い平板形態で上記ヘッド本体１０の内部に具備され、上記内部流路１２を通して供給される上記供給流体が対象物に向かって噴射できるように複数の散水孔３２，３４が形成される。

【0058】

上記ヘッド・キャップ２０は、上記散水板３０、Ｏリング４０及びフィルター５０が上記ヘッド本体１０の内部に結合されてから、上記ヘッド本体１０に結合され、外観だけではなく、上記散水板３０、Ｏリング４０及びフィルター５０を保護することになる。

【0059】

次に、図３ないし図７を参照し、本発明の一つの実施例による散水板３０が埋め込まれたヘッド本体１０から供給流体が噴射される過程を説明すると次のようである。ここで、図３は図２の散水板の一つの形態による平面図及び拡大図であり、図４は図３の散水板が埋め込まれたヘッド本体から水が噴射される形状を表す状態頭であり、図５は図２の散水板の別の形態による平面図及び拡大図であり、図６は図５の散水板が埋め込まれたヘッド本体から水が噴射される形状を表す状態頭であり、図７は図２の方向転換部散水孔の拡大図である。

【0060】

上記散水板３０は、薄い平板形態で上記上記内部流路１２を通して供給される上記ヘッド本体１０の内部に具備され、上記供給流体が外部へへ噴射できるように複数の散水孔３２が形成され、上記複数の散水孔３２のうち、少なくとも一部が上記散水孔３４ａの内側へと突出するように形成された方向転換部３４ｂを具備した方向転換散水孔３４が、上記散水板３０の縁部に位置する。

【0061】

ここで、上記散水板３０の縁部に位置する上記方向転換散水孔３４は、上記方向転換部３４ｂが上記散水板３０の外側または内側に向かって突出することによって上記供給流体が決まる。

【0062】

上記方向転換散水孔３４に上記供給流体が供給されると、上記方向転換部３６ｂの反対側へ上記供給流体が集束することになり、結局は上記方向転換部３６ｂの反対側へ斜めに噴射されることになる。

【0063】

これによって、図３に示したように上記方向転換部３４ｂが上記散水板３０の外側に向かってに突出する形態で形成される上記方向転換散水孔３４が上記散水板３０の縁部に位置し、上記方向転換部３４ｂが形成されていない、散水孔３２が上記方向転換散水孔３４の内側に位置すると、上記散水板３０を通して噴射される供給流体は広く拡散されるようになる。

【0064】

図４に示したように上記方向転換部３４ｂが形成されていない、散水孔３２を通して噴射される供給流体(W1)が上記散水板３０の垂直方向へ噴射されるが、上記方向転換散水孔３４を通して噴射される供給流体(W2)は斜めに噴射され、広く拡散されるのである。

【0065】

反対に、図５及び図６に示したように上記散水板３０を通して噴射される供給流体(W1、W2)が、集束した形態で噴射されるようにするために上記散水板３００の縁部に位置する上記方向転換部３４が上記散水板３００の内側に向かって突出するように形成される。

【0066】

このように、上記方向転換部３４ｂが上記散水板３００の内側に向かって突出するように形成される上記散水板３００が上記ヘッド本体１０に埋め込まれると、上記方向転換部３４ｂが形成されていない、散水孔３２を通して噴射される供給流体(W1)が上記散水板３０の垂直方向へ噴射され、上記方向転換散水孔３４を通して噴射される供給流体(W2)は上記散水板３００の内側に向かって斜めに噴射され、上記方向転換部３４ｂが形成されていない、散水孔３２を通して噴射される供給流体(W1)と合致され、一つの地点に向かって集束する形態を形成する。

【0067】

本実施例において、上記散水孔３４は図３及び図５に示したように三角形であることを例示しているが、これに限らず円形または多角形など、様々な形態ができる。

【0068】

また、上記方向転換散水孔３６もまた様々な形態ができるが、図３、図５及び図７に示したように上記散水孔３４の形態よって凹形になっていることを例示している。

【0069】

特に、供給流体が斜めに噴射される程度、構造の安定性及び政策の容易性などについてテストした時に上記方向転換散水孔３６が凹形になっている場合が最も優秀であった。

【0070】

次に、図８及び図９を参照し、本発明の別の実施例による散水板６０について説明すると、次の通りである。ここで図２の散水板の別の形態による平面図及び拡大図であり、図９は図８の散水板によって水筋が一つに合致する過程を表す状態図である。

【0071】

本実施例による上記散水板６０は、噴射された供給流体が、一つの水筋に合致されるように複数の方向転換散水孔３４群で形成された散水噴射群６２が複数配置される。

【0072】

ここで、上記散水噴射群６２を通して噴射される供給流体が上記散水噴射群６２の中心の法線方向において合致されるように上記散水噴射群６２の中心に向かって上記方向転換散水孔３４が配置できる。

【0073】

本実施例による上記散水板６０は、多数の孔が形成されている、散水噴射群６２が複数配置されていることを例示している。図８に示されているように、本実施例では上記散水噴射群６２が二つの同心円状に配置されていることを例示しているが、上記散水噴射群６２の配置は様々な形態にできる。

【0074】

上記散水噴射群６２は、中央の散水孔３２が少なくとも一つ形成され、上記方向転換散水孔３４上記散水孔を中心に周囲に配置できる。

【0075】

このように、上記散水噴射群６２が中央の散水孔３２を中心に上記方向転換散水孔３４が配置されることによって、上記供給流体が上記散水噴射群６２を通して上記散水孔３２の方向へ斜めに噴射される供給流体(W2)が、上記散水孔３２を通して噴射される供給流体(W1)と合致され、一つの水筋を形成することになる。

【0076】

このように、上記散水噴射群６２を通して外部へ噴射される供給流体(W1、W2)が一つに合致されることによって、上記散水孔３２及び方向転換散水孔３４がより小さい直径でけいせいできるので、実際に供給される供給流体の絶対量が減ってもユーザーは供給流体の供給量に変化がないことと感じる効果がある。

【0077】

図９に示したように、上記方向転換散水孔３４を通して噴射される供給流体(W2)が、上記散水孔３２を通して噴射される供給流体(W1)の方向へ斜めに噴射されるように、上記方向転換散水孔３４の上記方向転換部３４ｂが上記散水噴射群６２の中心に向かって突出形成される。

【0078】

上記散水板６０は、上記のように複数の散水噴射群６２からなっており、上記散水噴射群６２を通して噴射される供給流体が一つの水筋に合致されるため、上記散水孔３２及び方向転換散水孔３４の直径が小さくできる。

【0079】

これによって、家庭用シャワー器具を例えると、上記散水板６０形成された上記散水孔３２及び方向転換散水孔３４の直径が小さくなり、上記散水孔３２及び方向転換散水孔３４に水が通過して噴射される時、空気中の陰イオンが増えるレナード効果(Lenard effect)によって陰イオンの発生量が増えることになる。

【0080】

なお、上述したように本実施例においては上記散水孔３２が三角形であり、上記方向転換散水孔３４は凹形で形成されているため、水が上記散水孔３２及び方向転換散水孔３４を通過する時、円形の散水孔に比べて空気中の陰イオンが増える効果が表れるのである。

【0081】

上記散水噴射群３２の中心に位置している上記散水孔３４を通して一つの水筋(W1)が一直線に形成され、上記散水孔３４を中心に外側に分布された上記方向転換散水孔３６を通して噴射される水筋(W2)は上記散水噴射群３２の中心に向かって斜めに噴射され、上記散水孔３４を通して形成された水筋(W1)と合致され、一つの水筋を形成する。

【0082】

最後に、図１０ないし図１２を参照し、本発明の一つの実施例による節水用シャワー器具のフィルター５０について説明すると、次の通りである。ここで、図１０は図２のフィルターの分解斜視図であり、図１１は図１０のろ過網がろ過網据置部に据え置かれた状態の状態図であり、図１２は図１０の繻子織で織り上げたろ過網の上面及び側面の拡大図である。

【0083】

上記フィルター５０は、上記ヘッド本体１０の内部流路１２を通して供給される、供給流体に含まれている異物を上記供給流体が上記散水板３０に到達する前にろ過するためにヘッド本体１０の内部において上記散水板３０の裏面に位置することになる。

【0084】

上記フィルター５０は、上記ヘッド本体１０の内部流路１２を通して供給される、供給流体の流れを妨げないよう多数の開口部が形成された据置部５２及び上記ろ過網据置部５２の裏面に結合される合成繊維材質で織り上げられ、上記供給流体に含まれている異物をろ過するろ過網５１も含めて構成される。

【0085】

本実施例による上記ろ過網５１は、上述したようにポリプロピレン(PP)材質で織り上げるのか望ましいが、他の色々な合成繊維材質で織り上げることもできる。

【0086】

本実施例による上記フィルター５０は、図１０に示したように上記フィルター５０を通過する供給流体、特に家庭用シャワー器具に供給される水に残留している塩素の除去、イオン化、抗菌、脱臭等の抗菌、脱臭などのような機能が働けるセラミック・ボール５９が充填されるフィルター・ハウジング５６が具備される。

【0087】

上記フィルター・ハウジング５６は、供給流体の流れを妨げずに通過できるように正面と裏面に多数の開口部が形成されている。

【0088】

このように、上記ヘッド本体１０の内部流路１２を通して流入される供給流体が、上記フィルター・ハウジング５６の裏面の開口部を通して、上記セラミック・ボール５９を通過しながら供給流体に含まれている有害物質の除去、イオン化、抗菌、脱臭等が働き、ユーザーに有用な供給流体を提供することができるようになる。

【0089】

本実施例において、上記フィルター・ハウジング５６に充填される上記セラミック・ボール５９は黄土ボールであったり、硫黄ボール、トルマリン原石、セレン、陰イオン樹脂、ゲルマニウム、黄土、麦飯石、ゼオライト、セリサイトのいずれかの一つまたはその混
合物から形成できる。

【0090】

また、上記フィルター・ハウジング５６は、上記ろ過網据置部５２と結合される。本実施例において、上記ろ過網５１は合成繊維材質(PP：ポリプロピレン)からなっており、繻子織状に織り上げることを例示している。上記ろ過網５１は柔らかく曲がる性質を持っており、剛性を有する上記ろ過網据置部５２に支持され、水圧による変形及び破損を防止する。

【0091】

このように、上記ろ過網据置部５２と上記フィルター・ハウジング５６が結合されるために、本実施例では上記ろ過網据置部５２に対応される結合ピン５８が一体に突出形成される。

【0092】

上記ろ過網据置部５２の裏面には、上述したように合成繊維材質(PP：ポリプロピレン)で織り上げたろ過網５１が結合される。

【0093】

上記ろ過網５１の外側の先端部だけを熱融着によって上記ろ過網据置部５２に結合できる。したがって、上記ろ過網５１及びろ過網据置部５２を通過する供給流体の流れは、流れに妨害を受けず、上記ろ過網５１が水圧によって変形されたり、破損されることを防止できる。

【0094】

上記ろ過網５１は、合成繊維材質(PP：ポリプロピレン)で織り上げるが、本実施例では繻子織状に織り上げることを一つの例として例示しているが、様々な形態で織り上げることもできる。

【0095】

上記ろ過網５１を繻子織状に織り上げることによって、上記ろ過網５１が緻密になって上記ろ過網５１を通過する、供給流体に含まれている異物をろ過する効果がさらに増す。

【0096】

上記ヘッド本体１０の内部流路１２を通して流入される供給流体に含まれている異物が上記供給流体の流れまで妨げるほど上記ろ過網５１に積まれると、上記ろ過網５１を交換する必要はなく、上記ろ過網５１を洗浄して使うことができる。

【0097】

さらに、上記ろ過網５１を繻子織状に織り上げることによって、表面が滑らかになるので上記ろ過網５１の洗浄が一層容易になる。

【0098】

本実施例において、説明している散水板３０及びフィルター５０も含めて構成されるシャワー器具は家庭用シャワー器具だけではなく、業務用シャワー器具及び産業用洗浄ラインに具備されるシャワー器具にも適用可能である。

【0099】

なお、本実施例によるシャワー器具供給される供給流体は家庭用の場合は水になるが、これに限らずシャワー器具の用途に合わせて供給される流体は変えることができる。

【0100】

以上、本発明による望ましい実施例を説明したが、前述した実施例の他にも本発明がその趣旨や範囲から外れることなく、他の特定の形態に具体化できるということは該当技術に通常の知識を持つ人には自明なことである。したがって、上述した実施例は制限的なことではなく、例示的なものであり、本発明は上述した説明に限定されず、添付された請求項及びその同等の範囲内で変更できるものである。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】