(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700712
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】3次元ダイナミック心筋核医学画像データのパトラック解析
(51)【国際特許分類】
G01T 1/161 20060101AFI20150326BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
G01T1/161 D
G06T1/00 290Z
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-63178(P2013-63178)
(22)【出願日】2013年3月26日
(65)【公開番号】特開2014-190695(P2014-190695A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2014年9月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504147254
【氏名又は名称】国立大学法人愛媛大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000230250
【氏名又は名称】日本メジフィジックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】望月 輝一
(72)【発明者】
【氏名】宮川 正男
(72)【発明者】
【氏名】浜田 一男
(72)【発明者】
【氏名】小林 和徳
【審査官】
原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−137558(JP,A)
【文献】
特開2008−272483(JP,A)
【文献】
特表2008−538970(JP,A)
【文献】
特開2008−220464(JP,A)
【文献】
特開2006−105743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/161
G06T 1/00
A61B 5/055
A61B 6/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の処理手段でコンピュータプログラムが実行されることにより、前記装置が遂行する方法であって、
データの収集時間帯が各々異なる複数の3次元心筋核医学画像
データの各々について、心筋領域と心筋内腔領域とを抽出することと;
前記複数の3次元心筋核医学画像データの各々について、前記抽出した心筋領域の
一部の放射能カウント値を求めることと;
前記複数の3次元心筋核医学画像データの各々について、前記抽出した心筋内腔領域の
部分であって
、前記心筋領域の前記
一部と、前記3次元心筋核医学画像データの複数の短軸横断断面スライスの各々における心室中心とにより規定される部分
の放射能カウント値を求めることと;
前記求めた心筋領域の放射能カウント値と、前記求めた心筋内腔領域の放射能カウント値と、前記求めた心筋内腔領域の放射能カウント値の時間累積値との関係を表す定数を計算することと;
を含み、
ただし、
前記定数は
、前記心筋内腔領域の放射能カウント値に対する前記心筋領域の放射能カウント値の比と、前記心筋内腔領域の放射能カウント値の時間累積値に関する値との関係を直線近似したときの傾きに相当する値であ
り、
前記時間累積値に関する値は
と表すことができ、ここでfi(t)は、時刻tで代表される時間帯における心筋内腔領域の放射能カウント値である、
方法。
【請求項2】
前記複数の3次元心筋核医学画像データは、それぞれダイナミック心筋核医学データの異なる時間位置に対応するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の3次元心筋核医学画像データはSPECTで得られた画像データである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記直線近似を行う範囲は、前記比と、前記時間累積値に関する値との相関係数が所定の値以上となる範囲である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ユーザ入力に基づいて前記直線近似を行う範囲を設定することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
心筋ポーラーマップの各セグメントについて、前記定数に関する情報を表したマップを提供することを更に含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
心筋ポーラーマップの各セグメントについて、負荷条件下で得られた心筋核医学画像から計算した前記定数と、安静条件下で得られた心筋核医学画像から計算した前記定数との比に関する情報を表したマップを提供することを更に含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
装置の処理手段で実行されることにより、前記装置に請求項1から7のいずれかに記載の方法を実行させるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項9】
処理手段と記憶手段とを備える装置であって、前記記憶手段は、前記処理手段で実行されることにより前記装置に請求項1から7のいずれかに記載の方法を実行させるプログラム命令を格納する、装置。
【請求項10】
データの収集時間帯が各々異なる複数の3次元心筋核医学画像
データの各々について、心筋領域と心筋内腔領域とを抽出する手段と;
前記複数の3次元心筋核医学画像データの各々について、前記抽出した心筋領域の
一部の放射能カウント値を求める手段と;
前記複数の3次元心筋核医学画像データの各々について、前記抽出した心筋内腔領域の
部分であって
、前記心筋領域の前記
一部と、前記3次元心筋核医学画像データの複数の短軸横断断面スライスの各々における心室中心とにより規定される部分
の放射能カウント値を求める手段と;
前記求めた心筋領域の放射能カウント値と、前記求めた心筋内腔領域の放射能カウント値と、前記求めた心筋内腔領域の放射能カウント値の時間累積値との関係を表す定数を計算する手段と;
を備え、
前記定数は
、前記心筋内腔領域の放射能カウント値に対する前記心筋領域の放射能カウント値の比と、前記心筋内腔領域の放射能カウント値の時間累積値に関する値との関係を直線近似したときの傾きに相当する値であ
り、
前記時間累積値に関する値は
と表すことができ、ここでfi(t)は、時刻tで代表される時間帯における心筋内腔領域の放射能カウント値である、
装置。
【請求項11】
心筋ポーラーマップの各セグメントについて、前記定数に関する情報を表したマップを提供する手段を更に備える、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元ダイナミック心筋核医学画像データのパトラック解析に関する。
【0002】
SPECT(Single Photon Emission Tomography:単光子放射断層撮影法)やPET(Positron Emission Tomography: 陽電子放出断層撮影法)のような核医学イメージング技術は、放射性核種を含む医薬品を体内に投与し、その核種の崩壊に起因して放出される放射線を検出器で捕らえて画像化する技術である。有用な核医学画像を得るためには多くの放射線が検出器でカウントされる必要があるので、以前は一枚の断層像を得るためだけであっても、長い時間をかけて放射線の収集を行う必要があった。それでも検出器の性能の進歩とともに、徐々に短時間で多くの放射線を捉えることが可能になってきていたが、最近実用化された半導体検出器は、放射線の検出能力を飛躍的に増大させ、データ収集時間が僅か数秒であっても画像化に十分な放射線計数を得られるようになった。このため近年では、放射性トレーサーの投与直後から連続的に放射線の検出を行い、後で所望の時間毎にデータを切り出して画像化し、トレーサーの取り込みや代謝の様子をダイナミックに、つまり経時的に観察することができるようになってきた。時間的に連続して収集されたPETやSPECTのデータはダイナミックデータと呼ばれることがある。
【0003】
ダイナミックデータの観察手法としては、例えば5秒毎など所定の時間毎にデータを切り出して画像化し、所望の断面画像を時間的に並べて明るく画像化される部位の時間変化を追うなどが考えられる。しかしこのような手法は、組織の全体的な機能低下を発見することが難しいという欠点があり、例えば心筋の機能を調べる場合、心筋の機能が低下すると心筋への血液の灌流機能が全体的に落ちるため、機能低下が画像全体の濃淡に現れにくく、異常を見分けることが難しい。
【0004】
また、臓器は3次元的な組織であるので、断面画像のような2次元で経時的変化を観察するのではなく、3次元のボリュームに基づいて経時的変化を観察することができれば望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に開示される様々な構成の各々は、上述の課題の少なくともいずれかを解決することを目的として開発されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される新規な構成の一つは次のような方法である。この方法は、 データの収集時間帯が各々異なる複数の3次元心筋核医学画像データの各々について、心筋領域と心筋内腔領域とを抽出することと;
【0007】
前記複数の3次元心筋核医学画像データの各々について、前記抽出した心筋領域の少なくとも部分に関連する放射能カウント値を求めることと;
【0008】
前記複数の3次元心筋核医学画像データの各々について、前記抽出した心筋内腔領域の少なくとも部分であって前記心筋領域の前記部分に対応する部分に関連する放射能カウント値を求めることと;
【0009】
前記求めた心筋領域の放射能カウント値と、前記求めた心筋内腔領域の放射能カウント値と、前記求めた心筋内腔領域の放射能カウント値の時間累積値との関係を表す定数を計算することと;
を含む。
【0010】
ここで前記定数は、実質的に、前記心筋内腔領域の放射能カウント値に対する前記心筋領域の放射能カウント値の比と、前記心筋内腔領域の放射能カウント値の時間累積値に関する値との関係を直線近似したときの傾きに相当する値である。
【0011】
発明者が発見したところによると、この傾きは、血管内にある血液から心筋組織へのトレーサーの取り込み能力を反映していると考えることができ、例えば正常人であっても、この傾きは、安静時には緩やかになり、負荷をかけると大きくなる。また心臓の機能に異常が見られる者は、正常人よりも傾きが緩やかになる傾向が見られる。そこで、核医学画像診断を行う者に上記の傾きを反映する情報を提示することにより、診断者が異常を発見する上で大きな助けとなることが期待できる。
【0012】
また、上記の傾き又は定数は、心筋の3次元的な構造を考慮に入れた値であることに留意されたい。すなわち、3次元的に抽出した心筋や心筋内腔に基づいてカウント値を計算し、上記の傾き又は定数を計算している。心筋の3次元的な構造を考慮に入れて心臓を特徴付ける試みは殆ど知られておらず、上記の傾き又は定数を用いることは、極めて独創的である。また心臓はもちろんのこと3次元的な臓器であるので、3次元的な構造に基づいた特徴情報は、2次元的な解析に基づく特徴情報よりも自然であり、より信頼性・有用性が高いと思われる。
【0013】
なお、「前記抽出した心筋領域の少なくとも部分」や「前記抽出した心筋内腔領域の少なくとも部分であって前記心筋領域の前記部分に対応する部分」との記載があるが、「少なくとも部分」と記載した理由は、実施形態によっては「全体」であってもよいからである。すなわち、実施形態によっては心筋領域の全体や心筋内腔の全体から上記のカウント値や累積値を計算してもよい。従って、ここでいう「部分」とは、「全体」をも包含する概念である。
【0014】
前記複数の3次元心筋核医学画像データは、3次元ダイナミック心筋核医学画像データ、例えば3次元ダイナミック心筋SPECT画像データの異なる時間位置に対応するものであってもよい。
【0015】
好ましい実施形態において、心筋内腔領域の放射能カウント値の時間累積値に関する値とは、次のようなものであることができる。
[式1]
ここでfi(t)は、時刻tで代表される時間帯における心筋内腔領域の放射能カウント値である。
【0016】
従って、上記の定数をkと表すと、上記の直線近似は次のように表すことができる。
[式2]
ここで、
である。
【0017】
しかしながら、
の全ての範囲において式2のフィッティングを直線近似する必要はない。むしろ、直線近似が適当であると思われる範囲は、
が小さな領域のみである。そこで、上記の直線近似を行う範囲はユーザが任意に設定できるようにすることが好ましい。また、上記の直線近似を行う範囲を自動的に設定するように構成することも好ましい。例えば、
と
との間の相関係数が所定の値以上である範囲(例えば0.7以上である範囲)でのみ、直線近似を行うこととしてもよい。
【0018】
上述の方法は、例えば、装置の処理手段でコンピュータプログラムが実行されることにより、前記装置が遂行する方法として実施されうる。また例えば、装置の処理手段で実行されることにより、前記装置に上述の方法を実行させるコンピュータプログラムとしても実施されうる。また例えば、上述の方法を実行するように構成される装置としても実施されうる。
【0019】
以下、次の図面を参照しつつ具体的な実施形態の例を紹介する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本明細書で開示される様々な処理を実行するための装置またはシステム100の主な構成を説明するための図である。
【
図2】パトラック解析プログラム160による処理の一部を説明するためのフローチャートである。
【
図3】心筋輪郭抽出処理の結果の例を説明するための図である。
【
図4】セグメント分割の手法を説明するための図である。
【
図5】カウント数の時間変化をグラフ化した例である。
【
図6】パトラック解析プログラム160による処理の一部を説明するための図である。
【
図7】パトラック解析プログラム160による処理の一部を説明するための図である。
【0021】
図1は、本明細書で開示される様々な処理を実行するためのシステム100の主な構成を説明するための図である。
図1に描かれるように、システム100は、ハードウェア的には一般的なコンピュータと同様であり、CPU102,主記憶装置104,補助記憶装置106,ディスプレイ・インターフェース107,周辺機器インタフェース108,ネットワーク・インターフェース109などを備えることができる。一般的なコンピュータと同様に、主記憶装置104としては高速なRAM(ランダムアクセスメモリ)を使用することができ、補助記憶装置106としては、安価で大容量のハードディスクやSSDなどを用いることができる。システム100には、情報表示のためのディスプレイを接続することができ、これはディスプレイ・インターフェース107を介して接続される。またシステム100には、キーボードやマウス、タッチパネルのようなユーザインターフェースを接続することができ、これは周辺機器インタフェース108を介して接続される。ネットワーク・インターフェース109は、ネットワークを介して他のコンピュータやインターネットに接続するために用いられることができる。システム100の最も基本的な機能は、補助記憶装置106に格納されるオペレーティングシステム110がCPU102に読み込まれて実行されることにより提供される。また、補助記憶装置106に格納される各種のプログラム(例えばプログラム160)がCPU102に読み込まれて実行されることにより、オペレーティングシステム110で提供される機能以外の機能、例えば
図2以降を参照して説明される後述の機能が提供される。
【0022】
補助記憶装置106には、心筋を対象として施行される、SPECTやPETのダイナミックスキャンで得られた生データ149が格納されていてもよい。SPECTを用いて心筋を対象とするデータ収集を行う場合、
201TlCl(塩化タリウム)や
99mTc-tetrofosmin(テトロホスミン)など、冠状動脈の血流に比例して心筋細胞内に取り込まれる性質を有する放射性物質をトレーサーとして被験者に投与することが多い。生データ149は、例えば、トレーサーの投与直後から数十分〜数時間に亘る、ガンマ線のカウント数を格納したデータであることができ、検出単位毎(例えば半導体検出器のセル毎)、単位時間毎(例えば装置の時間分解能毎)に、ガンマ線カウント数をデータ値として有するデータであることができる。
【0023】
補助記憶装置106には、また、
図2以降を用いて詳述するパトラック解析の対象となるデータ150が格納されていてもよい。データ150は、生データ149のカウント数情報を所定の時間毎に切り出して画像化したものを含むデータであり、すなわち3次元核医学画像データの時系列を含むデータである。各3次元核医学画像データには時間に関する情報が付与されており、例えば放射性トレーサーの投与開始時刻を0秒としたときの、何秒後における画像を表すのかを示す情報が付与されていてもよい。各3次元核医学画像データは、それぞれ測定対象臓器の異なる断面を画像化している2次元核医学画像データのセットから構成され、全体として当該臓器全体の3次元情報を提供する2次元画像セットから構成される。データ150は所定の時間毎(例えば5秒間毎)に1セットの3次元核医学画像データを有していてもよい。画像化しようとしている臓器が心室(心筋)の場合、各3次元核医学画像データを、3次元心筋核医学画像データと呼ぶことがある。
【0024】
データ150のような、3次元核医学画像データの時系列から構成されるデータを、ダイナミック核医学データと呼ぶことがある。例えばSPECTを用いて得られたダイナミック核医学データは、ダイナミックSPECTデータと呼ばれることがある。また、心筋(心室)を対象としたダイナックスキャンにより得られたダイナミック核医学データを、ダイナミック心筋核医学データと呼ぶことがある。
【0025】
後の図面に紹介される解析結果例は、左心室を対象としたSPECT測定を遂行して得られたダイナミック心筋SPECTデータを解析したものであるが、PETにより得られたダイナミックデータについても同様に解析を行うことが可能である。 補助記憶装置106には、
図2以降を用いて詳述するパトラック解析を実行するための中心的な要素である、パトラック解析プログラム160が格納されていてもよい。パトラック解析プログラム160は、データ150から各時間点の3次元心筋核医学画像データを抽出すると共に、各3次元画像データに対して特徴量を計算して解析を行うためのプログラムである。一例ではあるが、パトラック解析プログラム160は、図示されているようなモジュール162〜168から構成されるようにプログラムされてもよい。画像抽出モジュール162は、ダイナミック核医学データ150から、特定の時間における3次元核医学画像データを抽出するモジュールである。モジュール162は、抽出した3次元画像データを、例えばデータ151,152などとして例示されているように、補助記憶装置106に保存するように構成されてもよい。スライス操作モジュール164は、モジュール162によって抽出された3次元画像を自在の断面で切り出して2次元スライスを作成するためプログラムである。3次元画像からの2次元スライスの切り出しを行うプログラムは多数存在するので、そのようなプログラムのソースコードを利用して、モジュール164を作成することができる。
【0026】
心筋輪郭抽出モジュール166は、モジュール162によって抽出された3次元画像データの中から、心筋の輪郭を自動的に抽出するためのプログラムである。モジュール166に載せる心筋輪郭自動抽出アルゴリズムは既存のものを利用することができるが、特に、出願人による国際特許出願(PCT/JP2012/74516)に開示されるアルゴリズムが適している。PCT/JP2012/74516の内容は本明細書の一部をなす。パトラック解析モジュール168は、
図2以降を用いて説明するパトラック解析を行うためのモジュールである。モジュール168によって遂行されるパトラック解析の詳細は
図2以降を用いて後述する。
【0027】
なお、パトラック解析プログラム160のこのようなモジュール構成は単なる例示であり、プログラム160の実施形態には様々なものがありうることに注意されたい。モジュール構成を採らない実施形態も可能であり、またモジュール162〜168の2つ以上が結合した形態を有していたり、またいずれかのモジュールが2つ以上のモジュールに分離していたりする場合もある。あるいは、パトラック解析プログラム160自身が明確に複数のプログラムの集合として提供される場合もある。当業者であれば、本明細書の開示事項に基づいて、好みのプログラミング方法で、また既存の様々なプログラムやプログラミング環境を利用して、パトラック解析プログラム160及び/又はモジュール162〜168と同等の機能を有するプログラムを作成することができるだろう。
【0028】
実施形態によっては、補助記憶装置106には、生データ149からダイナミック核医学データ150を作成するためのプログラム170が格納されていてもよい。プログラム170は、CPU102に実行されると、生データ149のカウントデータを所定の時間毎(例えば5秒ごと)に切り出し、スライス毎に2次元逆フーリエ変換等を利用してカウントデータを画像データへと変換することにより、一組の3次元核医学画像データを構築する。カウントデータの画像への再構成はよく知られた処理である。
【0029】
システム100は、
図1に描かれた要素の他にも、電源や冷却装置など通常のコンピュータシステムが備える装置と同様の構成を備えることができる。コンピュータシステムの実装形態には、記憶装置の分散・冗長化やCPUの仮想化を利用したものなど、様々な形態のものが知られているが、本明細書に開示される事項は、どのような形態のコンピュータシステム上に搭載されてもよい。本明細書に開示される事項は、一般的に、(1)処理手段に実行されることにより、当該処理手段を備える装置またはシステムに、本明細書で説明される各種の処理を遂行させるように構成される命令を備えるプログラム、(2)当該処理手段が当該プログラムを実行することにより実現される装置またはシステムの動作方法、(3)当該プログラム及び当該プログラムを実行するように構成される処理手段を備える装置またはシステムなどとして具現化されることができる。
【0030】
図1にはダイナミックデータ150が一つしか描かれていないが、むろん、もっと多くのダイナミックデータが補助記憶装置106に格納されていてもよく、例えば同じ被験者に対して負荷条件下で収集されたデータと安静条件下で収集されたデータ、時期を変えて収集されたデータ、異なる被験者に対し収集されたデータ、などが格納されていてもよい。パトラック解析プログラム160は、これらのダイナミックデータの各々に対して本明細書で説明される解析を行い、データ間で結果の比較を行うように構成されていてもよい。
【0031】
次に、パトラック解析プログラム160がCPU102に実行されることにより遂行される処理の詳細を、
図2のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートで説明される処理は、パトラック解析プログラム160のうち、特にモジュール164〜168に含まれるプログラム命令により行われる処理である。
【0032】
ステップ200は処理の開始を表す。ステップ202では、上述のダイナミックデータ150のロードが行われ、その少なくとも一部が主記憶装置104へと格納される。ステップ204〜218のループでは、ダイナミック心筋SPECTデータ150から特定の時間に対応する3次元心筋SPECT画像データが抽出されると共に、それぞれの3次元心筋SPECT画像データに対して所定の処理が行われる。ステップ206はその抽出処理を表しており、データ150の中から特定の時間点に対応する一組の3次元SPECT画像データが抽出され、例えばRAM104に一時保管される。
【0033】
ステップ210では、ステップ206で抽出されたデータが表す3次元SPECT画像から、心筋の外膜の輪郭や心筋の内膜の輪郭を抽出する処理が行われる。SPECT画像から心筋輪郭を抽出することは容易ではないものの、利用可能な技術はいくつか存在する。その中でも特に、出願人による国際特許出願(PCT/JP2012/74516)に開示される心筋輪郭抽出法は、それ以外の手法に比して非常に良好に心筋輪郭の抽出行うことができるため、ステップ210においても、この国際特許出願に記載の手法を用いて心筋輪郭抽出を行うことが好ましい。ステップ210は、心筋輪郭抽出モジュール166のプログラム命令がCPU102に実行されることにより行われる処理であってもよい。心筋輪郭抽出モジュール166は、処理の途中でスライス操作モジュール164を呼び出して使うように構成されていてもよい。なお、パトラック解析プログラム160または心筋輪郭抽出モジュール166が実装する心筋輪郭抽出アルゴリズムは、上記の国際特許出願(PCT/JP2012/74516)に開示されるものに限定されるわけではないことを、念の為に記載しておく。
【0034】
心筋輪郭抽出処理の結果の例を
図3を用いて紹介する。
図3には、ステップ206で抽出された3次元SPECT画像データから、スライス操作モジュール164のプログラム命令を用いて切り出されたaxial,coronal,sagittalの様々な断面図が表示されており、各断面図の上には、心筋輪郭抽出モジュール166のプログラム命令を用いて抽出された心筋輪郭が白線で表示されている。心筋内膜の輪郭より内側を心筋内腔領域と考えることができる。
【0035】
ステップ212は、ステップ210の結果として特定される心筋や心筋内腔をセグメントに分割する処理を表している。どのようなセグメントに分割するかは任意であるが、例えば、良く知られたポーラーマップのセグメントに対応するように、心筋部を分割してもよい。また、分割された心筋部に対応するように、心筋内腔を分割することとしてもよい。
【0036】
図4は、セグメント分割の手法を説明するための図である。
図4Aはポーラーマップの例を描いたものであり、この例では、セグメント402,404,406の3つのセグメントを有するポーラーマップ400が描かれている。一方
図4Bに描いたものは、ステップ206で抽出された3次元SPECT画像から切り出したある短軸横断断面スライスの短軸横断断面像を模式的に表したものである。この断面像420において、符号422は心室中心、符号424はステップ210で抽出された心筋内膜面を模している。心筋内膜面をポーラーマップ400に展開することにより、心筋内膜面424のうちポイント426から428に亘る弧は、例えば
図4Aのポーラーマップ400におけるセグメント402に対応することが判明しているとする。また、ポイント428から430に亘る弧は、例えばセグメント406に、ポイント430から426に亘る弧は例えばセグメント404に、それぞれ対応することが判明しているとする。このとき、弧426−428に含まれる画素を、セグメント402に対応する心筋セグメントの画素と規定し、中心422と弧426−428で規定される略扇型の領域に含まれる画素を心筋内腔セグメント402の画素と規定する。同様に、弧430−426に含まれる画素を、セグメント404に対応する心筋セグメントの画素と規定し、中心422と弧430−426で規定される略扇型の領域に含まれる画素を心筋内腔セグメント404の画素と規定する。また、弧428−430に含まれる画素を、セグメント406に対応する心筋セグメントの画素と規定し、中心422と弧428−430で規定される略扇型の領域に含まれる画素を心筋内腔セグメント406の画素と規定する。この処理を、全ての短軸横断断面スライスについて実行することにより、各心筋セグメント及び各心筋内腔セグメントに属する画素を特定することができる。
【0037】
ステップ214では、ステップ212で分割された心筋・心筋内腔の各セグメントについて、セグメント内の総カウント数が計算される。さらにステップ216では、心筋内腔の各セグメントについて、式3または式3'で表されるような値が計算される。
[式3]
[式3']
ここでfi(t)は、時刻tで代表される時間帯における、特定の心筋内腔セグメントの総カウント数である。例えば、ステップ206で切り出される時間幅が5秒である場合であって、t=300とすれば、fi(t)は、放射線トレーサーの投与時刻から296〜300秒の間における当該心筋内腔セグメントの総カウント数を表す。実際は式3のように解析的に積分を計算することはできないので、式3'のような形式で計算が行われることになる。fi(n)は、ステップ204のループ変数がnの時の当該心筋内腔セグメントの総カウント数を表す。式3'は式3の具体化例の一つであり、式3'は式3の実施形態に含まれるものである。
【0038】
式3または式3'から理解されうるように、ステップ216で計算される値は、当該心筋内腔セグメントの総カウント数の時間累積値に関連する値となっており、当該時間累積値を、最も新しい時間帯における当該心筋内腔セグメントの総カウント数で除した値になっている。
【0039】
データ150に含まれる全ての3次元画像データについて、ステップ210〜218の処理を終えると、ループを抜け、処理結果が保存される(ステップ220)。処理結果のデータは、各時間間隔(例えば1−5秒、6−10秒、...396−400秒、...)につき、ステップ212で分割された心筋セグメントの各々については総カウント数を、心筋内腔セグメントの各々については総カウント数と上記時間累積値に関連する値とを有するデータとなる。ステップ220において、この処理結果のデータは、例えば、解析データ156として、補助記憶装置106に格納されてもよい。
図1には解析データ156が一つしか描かれていないが、例えば処理対象のダイナミックデータ150が複数あり、その各々に対して上記の処理を行なう場合には、それぞれに対して解析データ156が作成され、補助記憶装置106に保存されることになる。実施形態によっては、ステップ212〜216および220は、パトラック解析モジュール168のプログラム命令がCPU102に実行されることにより行われる処理であってもよい。
【0040】
次に、上記の処理結果のデータを表示したり更に解析したりする例を紹介する。
【0041】
図5は、カウント数の時間変化をグラフ化した例である。この表示は、パトラック解析モジュール168のプログラム命令がCPU102に実行されることにより得られる表示であってもよい。上のグラフは負荷条件の下で収集されたダイナミックデータに対して上記の処理を行って得られたデータの一部をグラフ化したものであり、下のグラフは安静条件の下で収集されたダイナミックデータに対して上記の処理を行って得られたデータの一部をグラフ化したものである。横軸は時間であり、縦軸は平均SPECTカウント数(総SPECTカウント数を対象領域の総画素数で割った値)を表す。時間軸の原点は、例えば、放射性トレーサーを投与した時間とすることができる。点線で表されている折れ線502,502'は、心筋内腔領域の平均SPECTカウント数のデータをプロットしてつないだものであり、実線で表されている折れ線504,504'は、心筋領域の平均SPECTカウント数のデータをプロットしてつないだものである。
図5において、折れ線502,502'は、いずれも心筋内腔領域全体の平均カウント数を表し、折れ線504,504'は、いずれも心筋領域全体の平均カウント数を表している。しかし実施形態によっては、パトラック解析モジュール168は、右側に表示されているポーラーマップ506の所望の領域がマウス等で選択されることに応じて、当該領域のみのカウント数で、同様のグラフを表示するように構成されていることが好ましい。実施形態によっては、縦軸の値を適当な値で規格化して表示してもよい。
【0042】
図示されるように、折れ線502,502'は、30秒ほどから急激に立ち上がり、その後急激に減少するというプロファイルを有しているが、これは、投与された放射性トレーサーが左心室内腔に到達し(前述のように上記実施例で解析されたデータは左心室を対象として測定されたものである)、それが心室の収縮と共に全身に運ばれていく様子を表している。一方、折れ線504は、徐々に立ち上がって120秒ほどでフラットな状態になるが、これは、投与から120秒ほどで心筋細胞内に放射性トレーサーが取り込まれることを表している。
【0043】
しかしながら、
図5の2つのグラフを比較すると分かるように、負荷条件下のグラフである上のグラフと、安静条件下のグラフである下のグラフでは、折れ線の形にあまり差がない。そこで、このような変化の相異を明確にとらえるため、
図6を参照して以下に説明するようなプロットによる解析が有用である。
【0044】
図6は、パトラック解析プログラム160による独特の解析手法を説明するための図である。
図6には4つのグラフが描かれており、上段の2つ(グラフ600,620)は負荷条件下のダイナミックデータを処理して得られた解析データ156をグラフに表したものであり、下段の2つ(グラフ610,630)は安静条件下のダイナミックデータを処理して得られた解析データ156をグラフに表したものである。左側のグラフ620,630は、全心筋領域および全心筋内腔領域のカウント数の時間変化をグラフ化したものであり、
図5に描かれる2つのグラフと同じものである。一方、右側のグラフ600,610は、式4のように計算される点(x(t), y(t))をプロットしたものである。
[式4]
式4において、fo(t), fi(t)は、それぞれ、時刻tで代表される時間帯における、特定の心筋セグメントおよび対応する心筋内腔セグメントの総カウント数を表す。例えば、ステップ206で切り出される時間幅が5秒である場合であって、t=300とすれば、fo(t), fi(t)は、それぞれ、放射線トレーサーの投与時刻から296〜300秒の間における当該心筋セグメント及び当該心筋内腔セグメントの総カウント数を表す。ただし
図6の例におけるfo(t), fi(t)は、全ての心筋セグメント(すなわち心筋領域の全体)および全ての心筋内腔セグメント(すなわち心筋内腔領域の全体)の総カウント数を表している。すなわち心筋領域の全体,心筋内腔領域の全体を、それぞれ心筋セグメント,心筋内腔セグメントと考えている。式4において、x(t)は
図2のステップ216で計算した値であり、心筋内腔セグメントの総カウント数の時間累積値に関連する値である。y(t)は、時刻tで代表される時間帯における、心筋内腔領域の放射能カウント値に対する心筋領域の放射能カウント値の比になっている。
図6は、tを様々に変えて(x(t), y(t))を計算し、プロットしたものである。
図6は、上記の点(x(t), y(t))のいくつかに対して符号602や612を付すことにより、これらの点のいくつかを示している。グラフ600,610の横軸の値は
であり、縦軸の値は
である。
【0045】
グラフ600において、直線606は点602の集合を特定の範囲内(2本の直線604に挟まれた範囲内)で、直線近似したものである。近似式は次のように表されることができる。
[式5]
【0046】
式5において、fo(t)およびfi(t)は、それぞれ上述のように、時刻tで代表される時間帯における、特定の心筋セグメントおよび対応する心筋内腔セグメントの総カウント数を表す。定数kは直線の傾きを表し、定数Dは直線の切片を表す。
【0047】
グラフ610における直線616も、612の集合を、2本の直線614に挟まれた範囲内で直線近似したものである。
【0048】
前述のように、グラフ600は負荷条件下で収集されたダイナミックデータを処理して得られたグラフであり、グラフ610は安静条件下で収集されたダイナミックデータを処理して得られたグラフである。これらのグラフを比較すると、負荷条件下のグラフ600における直線606の傾きは、安静条件下のグラフ610における直線616の傾きよりも、明らかに大きいことが分かる。したがって、この傾き、すなわち式5における定数kは、異なる条件下で得られたダイナミックデータを比較する上で有用な情報であることが理解できる。
【0049】
また、式5における定数kは、3次元的に抽出された心筋や3次元的に抽出された心筋内腔に基づいて計算された値である。すなわち、3次元的に抽出された心筋におけるガンマ線カウント数や、3次元的に抽出された心筋内腔におけるガンマ線カウント数に基づいて計算された値である。心臓は3次元的な臓器であるので、3次元的な構造に基づいた特徴情報は、2次元的な解析に基づく特徴情報よりも自然であり、信頼性・有用性が高いと思われる。
【0050】
上述のように、グラフ600,610において点602,612の集合を直線近似する範囲は全体の一部のみである。実施形態によっては、この範囲は手動で決めるように構成されてもよい。パトラック解析モジュール168は、例えば直線604や614をマウス等で動かすことにより、ユーザが直線近似を行う範囲を決定することを可能にするように構成されていることが好ましい。実施形態によっては、この範囲は自動で定められるように構成されてもよい。例えば、x(t)の小さな領域からスキャンを行い、(x(t), y(t))の相関係数が一定以上(例えば0.7以上)である範囲のみを直線近似することなどとしてもよい。また、実施形態によっては、点(x(t), y(t))をプロットするtの範囲(すなわち時間領域)に制限を加えてもよい。例えば
図6の例では、グラフ620,630において、直線622,632の右側の時間領域についてのみ、x(t),y(t)の計算を行ってグラフ600,610にプロットしている。グラフ620,630から理解できるように、直線622,632は、心筋内腔のカウント数が増え始めた時間、すなわち放射性トレーサーの投与後に心筋内腔に到達したと考えられる時間を示している。実施形態によっては、パトラック解析モジュール168は、例えば直線622または632をマウス等で動かすことにより、点602,612の計算とプロットを行う範囲をユーザが設定できるように構成されていることが好ましい。実施形態によっては、適当な閾値などを利用して、点602,612の計算とプロットを行う時間領域を自動で設定するように構成されていてもよい。例えば心筋内腔のカウント数のピーク値の例えば10%を最初に超えた時間以降に点602,612の計算とプロットを行うように構成されてもよい。
【0051】
図7は、心筋ポーラーマップの各セグメントに対応する心筋領域及び心筋内腔領域について、上記の定数kを計算し、それをポーラーマップに表示したものである。マップ702は、負荷条件下で収集された心筋SPECTダイナミックデータに基づいてセグメントごとに計算した定数kを、当該セグメント上に重ね合わせて表示したものである。一方マップ704は、安静条件下で収集された心筋SPECTダイナミックデータに基づいてセグメントごとに計算した定数kを、当該セグメント上に重ね合わせて表示したものである。マップ706は、負荷条件下における上記定数kをks、安静条件下における上記定数kをkrと表記したとき、値ks/krを対応するセグメント上に表示したものである。このようなマップを提供することにより、心室(本例では左心室)のどの部分で上記定数kが大きいか、すなわち
図6のグラフ600や610における直線606や616の傾きが大きいかを容易に判別することができる。
【0052】
また図示されるように、マップ702〜706は、値の最も大きなセグメントを白色で、値の最も小さなセグメントを黒色で、値がこれらの中間のセグメントをグレーで表している。このように、値の大小で表示色を変えることにより、上記定数kの部位毎の差異を容易に判別できるようになっている。また、比のマップ706において値の高いセグメントが、マップ702,704において値が高いセグメントとは異なることは、興味深い点である。
【0053】
本発明の実施形態を好適な例を用いて説明してきたが、これらの例は本発明の範囲を限定するために紹介されたわけではなく、特許法の要件を満たし、本発明の理解に資するために紹介されたものである。本発明は様々な形態で具現化されることができ、本発明の実施形態には、ここに例示した以外にも多くのバリエーションが存在する。説明された各種の実施例に含まれている個々の特徴は、その特徴が含まれることが直接記載されている実施例と共にしか使用できないものではなく、ここで説明された他の実施例や説明されていない各種の具現化例においても、組み合わせて使用可能である。特にフローチャートで紹介された処理の順番は、必ず紹介された順番で実行しなければならないわけではなく、実施するものの好みに応じて、順序を入れ替えたり並列的に同時実行したり、適当なループとして実行したりするように実装してもよい。例えば実施形態によっては、ステップ202でロードするデータを生データ149とし、ステップ206では生データ149から所定の時間分(例えば5秒分)のカウントデータを切り出して画像化することにより、3次元画像データを提供するステップとしてもよい。これらのバリエーションは全て本発明の範囲に含まれるものである。請求項に特定される処理の記載順も、処理の必須の順番を特定しているわけではなく、例えば処理の順番が異なる実施形態や、ループを含んで処理が実行されるような実施形態なども、請求項に係る発明の範囲に含まれるものである。現在の特許請求の範囲で特許請求がなされているか否かに関わらず、出願人は、本発明の思想を逸脱しない全ての形態について、特許を受ける権利を有することを主張するものであることを記しておく。
【符号の説明】
【0054】
100 システム
104 主記憶装置
106 補助記憶装置
107 ディスプレイ・インターフェース
108 周辺機器インタフェース
109 ネットワーク・インターフェース
110 オペレーティングシステム
150 ダイナミックデータ
156 解析データ
160 パトラック解析プログラム
162 画像抽出モジュール
164 スライス操作モジュール
166 心筋輪郭抽出モジュール
168 パトラック解析モジュール