(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送金依頼者が使用する端末を特定する情報である通信元、当該端末を使用した通話の相手を特定する情報である通信先および通話内容を対応づけて格納する通信データベース
をさらに備え、
前記通信記録取得部は、送金元に対応づけて通話に使用する端末を特定する情報を予め記憶しており、前記送金依頼受付部が送金依頼を受け付けた場合に、送金依頼が示す送金元に対応づけて前記予め記憶している端末を特定する情報を前記通信データベースが通信元として対応づけて格納している通信先および通話内容を取得し、
前記許可要求通知部は、前記送金依頼受付部が送金依頼を受け付けた場合に、送金先に送金する前に、送金元からの送金依頼があった旨を、前記通信記録取得部が取得した通信先および通話内容とともに、当該送金元に対応づけて前記送金許可者格納部が格納している送金許可者に通知する
請求項1に記載の送金制御システム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、一実施形態に係る送金制御システム100の構成の一例を示す。送金制御システム100は、複数の送金指示端末110a、b、c、d・・・(以後、送金指示端末110と総称する)、中間送金情報格納部135、送金指示端末110が接続されたネットワーク150、ネットワーク150に接続された送金制御装置140、コンピュータ・ネットワーク155に接続されたネットワークサービスサーバ145、送金制御装置140及びネットワークサービスサーバ145に接続された制御情報データベース130、ユーザ端末180a、b、c、d・・・(以後、ユーザ端末180と総称する)、携帯通話端末182a、b、c、d・・・(以後、携帯通話端末182と総称する)、固定通話端末184a、b、c、d・・・(以後、固定通話端末184と総称する)、通信データベース186a、b、c、d・・・(以後、通信データベース186と総称する)、及び通信制御装置188を備える。ユーザ端末180及び通信制御装置188は、コンピュータ・ネットワーク155に接続されている。コンピュータ・ネットワーク155は、例えばインターネットであってよい。
【0016】
送金制御システム100は、送金依頼者195a及びb(以下、送金依頼者195と総称する)からの送金を制御する。送金指示端末110は、送金依頼者195からの送金指示を受け付ける。送金指示端末110は、金融機関や貸金業者、現金出納を行う業者・期間が提供するサービスを送金依頼者195を含む顧客に提供する。例えば、送金指示端末110は、送金依頼者195からの振込指示を受け付ける。具体的には、送金指示端末110a−cは、現金自動預け払い機(ATM)であって、現金及び、通帳、磁気カード、及びICカード120等の受け入れ口を有しており、現金による振込指示、或いは、通帳、振込カード、磁気カード、又はICカード120を用いた金融口座からの振込指示を送金依頼者195から受け付ける。また、送金指示端末110dは、送金依頼者195から受け付けた振込依頼書等に基づく振込指示をオペレータから受け付けたり、テレフォンバンキング等において送金依頼者195から受け付けた振込依頼に基づく振込指示をオペレータから受け付けるオペレータ端末であってよい。送金指示端末110は、送金依頼者195からの振込指示を受け付けた場合に、振込指示に基づく振込依頼をネットワーク150を通じて送金制御装置140に送信する。なお、ネットワーク150は、顧客の資金移動等のデータを扱う勘定系ネットワークを含んでよい。また、ネットワーク150は、コンピュータ・ネットワーク155とは別個のネットワークであってよい。
【0017】
送金制御装置140は、ネットワーク150を通じて送金指示端末110からの振込依頼を受け付けた場合に、振込処理を一時的にプールするための情報を格納する中間送金情報格納部135に格納する。例えば、送金制御装置140は、送金依頼者195、振込元口座、振込先口座、及び送金金額を特定する情報を含む情報を、中間送金情報格納部135に格納させる。なお、送金制御装置140は、振込依頼を受け付けた場合に、振込元口座から仮想口座に振込処理を行ってもよい。この場合には、送金制御装置140は、振込処理を行った仮想口座を特定する情報を中間送金情報格納部135にさらに格納させてもよい。
【0018】
そして、送金制御装置140は、振込依頼に基づく振込を許可することができる送金許可者190に、電子メール等を通じて振込依頼があった旨をネットワークサービスサーバ145に通知させる。ネットワークサービスサーバ145は、例えば送金許可者190にインターネットバンキングサービスを提供するインターネットバンキングサーバであってよい。
【0019】
送金許可者190は、電子メールの内容を参照して、振込依頼を受け取った金融機関のネットワークサービスサーバ145に、ユーザ端末180を用いてアクセスする。ネットワークサービスサーバ145は認証画面をユーザ端末180に表示させ、ユーザ端末180は、送金許可者190の操作に基づいて、ネットワークサービスサーバ145にログインID及びパスワード等の認証情報を送信する。ネットワークサービスサーバ145は、ユーザ端末180からの認証情報に基づいて、送金許可者190を認証する。ネットワークサービスサーバ145は、送金許可者190を認証すると、振込依頼の内容をユーザ端末180に表示させる。
【0020】
ユーザ端末180は、送金許可者190からの指示に基づいて、ユーザ端末180が表示した振込依頼が示す振込を送金許可者190が許可するか否かの入力を受け付ける。ユーザ端末180は、送金許可者190が振込を許可する旨が入力されると、振込を許可する旨を送金制御装置140に送信する。また、ユーザ端末180は、送金許可者190が振込を許可しない旨が入力されると、振込を許可しない旨を送金制御装置140に送信する。
【0021】
送金制御装置140は、振込を許可する旨をユーザ端末180からネットワークサービスサーバ145を通じて受け取ると、中間送金情報格納部135に格納されている振込情報に基づいて振込を行う。例えば、送金制御装置140は、仮想口座から振込先口座への振込を実行する。一例としては、送金制御装置140は、振込を許可する旨をユーザ端末180から受け取った時点、或いは当該時点より後の時点で、振込先口座を持つ銀行に振込通知を送信する。
【0022】
一方、送金制御装置140は、振込を許可しない旨をユーザ端末180から受け取った場合、又は、予め定められた長さの期間、振込を許可する旨をユーザ端末180から受け取ることができなかった場合には、振込の取り消し処理を行う。例えば、送金制御装置140は、送金依頼者195に振込金額を返却する旨の通知を行ったり、振込の引き出し口座に振込金額を返却する。
【0023】
なお、ここでは、送金制御装置140が送金依頼者195から送金指示端末110を通じて振込依頼を受け付ける場合を例に挙げて送金制御システム100の動作を説明したが、送金制御装置140は、ネットワークサービスサーバ145を通じて振込依頼を受け付けてもよい。例えば、ネットワークサービスサーバ145は、送金依頼者195bからの振込依頼をユーザ端末180d又は携帯通信端末182dから取得して、取得した振込依頼に基づいて振込指示を送金制御装置140に送信してよい。この場合、ユーザ端末180d又は携帯通信端末182dは送金指示端末110として機能する。なお、送金依頼者195が電話機能を有する固定通信端末184又は携帯通信端末182を用いてテレフォンバンキングにより振込を依頼する場合には、固定通信端末184又は携帯通信端末182は送金指示端末110として機能する。なお、振込は、この発明における送金の一例であって、この発明における送金とは、振替、電子マネーの送金を含む。その他、送金とは、預貯金口座以外の金融口座、例えば証券取引、為替取引等の種々の取引のための取引口座への送金を含む。
【0024】
なお、通信制御装置188、携帯通話端末182、固定通話端末184、及び通信データベース186の機能の詳細については、
図9に関連して説明する。なお、送金許可者190は、送金制御システム100を利用して振込を行うことができる。この場合、送金許可者190は、この発明における送金依頼者となり得る。また、送金許可者190或いは送金依頼者195は、ユーザ端末180を用いたインターネットバンキング、或いは携帯通話端末182又は固定通話端末184を用いたテレフォンバンキングにより、振込を行うことができる。送金制御システム100は、このようなインターネットバンキング又はテレフォンバンキングを通じた振込、或いは銀行窓口を通じた振込についても、上記で説明した送金指示端末110からの振込と同様に制御することができる。
【0025】
以上説明した送金制御システム100によれば、送金許可者190からの振込許可を得てから振込を実行することができるので、送金依頼者195が架空請求等、金銭を振り込むよう悪意ある者に要求或いは強要される等の詐欺による被害を送金依頼者195が受ける確率を大幅に低減することができる。
【0026】
図2は、送金制御装置140、制御情報データベース130、及びネットワークサービスサーバ145のブロック構成の一例を示す。送金制御装置140は、送金依頼受付部210、条件判断部260、送金実行部220、中間送金処理部230、送金取消処理部235、及び送金完了通知部240を有する。制御情報データベース130は、送金許可者格納部200、送金履歴格納部204、及び条件格納部206を有する。ネットワークサービスサーバ145は、閾値設定部270、送金許可取得部290、通信記録取得部294、及び許可要求通知部280を有する。
【0027】
送金許可者格納部200は、送金元に対応づけて、当該送金元からの送金を許可することができる送金許可者190を格納する。なお、送金元とは、振込元の口座番号又は名義人を識別する情報、或いは実際に振込を依頼する振込依頼人を識別する情報であってよい。また、ICカード120は、上記送金許可者190を上記送金元に対応づけて、例えば不揮発性メモリに、送金許可者情報として記憶してもよい。この場合、送金許可者格納部200は揮発性メモリであってよく、ICカード120が記憶している送金許可者情報を取得して、取得した送金許可者情報を一時的に記憶してもよい。
【0028】
送金依頼受付部210は、送金先への送金依頼を受け付ける。具体的には、送金依頼受付部210は、送金指示端末110又はネットワークサービスサーバ145から、振込先への振込依頼を受け付ける。
【0029】
許可要求通知部280は、送金依頼受付部210が送金依頼を受け付けた場合に、送金先に送金する前に、送金元からの送金依頼があった旨を、当該送金元に対応づけて送金許可者格納部200が格納している送金許可者190に通知する。例えば、許可要求通知部280は、送金元からの送金依頼があった旨を、電子メールを送信することによって、又はネットワークサービスサーバ145がユーザ端末180に表示させる画面を通じて、送金許可者190に通知する。
【0030】
送金許可取得部290は、許可要求通知部280を通知した送金許可者190から、送金を許可する旨を示す送金許可を取得する。例えば、ネットワークサービスサーバ145が有するユーザ端末180との間の通信機能を用いて、ユーザ端末180から送金許可を取得する。送金実行部220は、送金許可取得部290が送金許可を取得したことを条件として送金先に送金する。例えば、送金実行部220は、送金許可取得部290が送金許可を取得したことを条件として振込先に振込を実行する。なお、振込みを実行するとは、振込先の銀行に振込通知を送信すること、或いは、振込先の銀行に振込通知を送信すべき旨を記録することを含む。
【0031】
なお、中間送金処理部230は、送金依頼受付部210が送金依頼を受け付けた場合に、送金元から中間送金先に送金する。具体的には、中間送金処理部230は、中間送金情報格納部135に、振込依頼が示す振込情報、例えば出金元の口座番号、入金金額、及び振込先を含む入金処理情報を格納する。このとき、中間送金処理部230は、出金元の口座から仮想の口座への振込を行う振込処理を行ってもよい。そして、送金実行部220は、送金許可取得部290が送金許可を取得したことを条件として、中間送金先から送金先に送金する。具体的には、送金実行部220は、中間送金情報格納部135からの出金処理を行うとともに、振込を実行する。
【0032】
なお、送金取消処理部235は、送金依頼者195又は送金許可者190からの依頼に応じて、送金を取り消す取り消し処理を行ってよい。具体的には、送金取消処理部235は、中間送金情報格納部135からの出金処理を行うと共に、出金元の口座への組み戻し処理を行う。また、送金完了通知部240は、中間送金処理部230が中間送金先に送金した段階で、送金元からの送金が完了した旨を送金依頼者195に通知する。具体的には、送金完了通知部240は、送金指示端末110の画面上に、振込が完了した旨を通知する。
【0033】
条件格納部206は、送金許可取得部290が送金許可を取得することなく送金先に送金するための条件である直接送金条件を格納する。具体的には、条件格納部206は、中間送金先を経由せずに直接送金先に送金するための条件である直接送金条件を格納する。そして、条件判断部260は、送金依頼受付部210が送金依頼を受け付けた段階で、直接送金条件が満たされるか否かを判断する。そして、送金実行部220は、条件判断部260が直接送金条件が満たされる旨を判断した場合に、送金依頼受付部210が送金依頼を受け付けた段階で送金元から送金先に送金し、条件判断部260が直接送金条件が満たされない旨を判断した場合に、送金許可取得部290が送金許可を取得したことを条件として送金先に送金する。
【0034】
条件格納部206は、送金許可取得部290が送金許可を取得することなく送金することができる送金先に関する送金先条件を格納する。具体的には、条件格納部206は、送金許可取得部290が送金許可を取得することなく振込むことができる振込先の口座番号を格納してよい。そして、条件判断部260は、送金依頼受付部210が送金依頼を受け付けた段階で、送金先条件を満すか否かを判断する。
【0035】
送金履歴格納部204は、送金元から送金された送金先を、当該送金元に対応づけて格納する。具体的には、送金履歴格納部204は、振込元の口座番号及び振込先の口座番号を対応づけて格納する。そして、条件格納部206は、送金先が送金履歴格納部204が送金元に対応づけて格納している場合に送金許可取得部290が送金許可を取得することなく送金することができる旨を示す送金先条件を格納する。
【0036】
通信記録取得部294は、送金依頼者195が他者と通話した通話記録を特定する情報を取得する。そして、許可要求通知部280は、送金依頼受付部210が送金依頼を受け付けた場合に、送金先に送金する前に、送金元からの送金依頼があった旨を、通信記録取得部294が取得した情報とともに、当該送金元に対応づけて送金許可者格納部200が格納している送金許可者190に通知する。
【0037】
図3は、送金制御システム100における処理フローの一例を示す。送金指示端末110は、ICカード120の挿入を検知すると、ICカード120から口座番号を特定する情報を読み取る(S302)。そして、送金指示端末110は、送金依頼者195の指示によって、振込金額及び振込先口座番号を取得する。そして、送金指示端末110は、読み取った情報によって特定される口座番号を振込元口座番号として、当該振込元口座番号、振込金額、及び振込先口座番号を送金依頼受付部210に送信する(S304)。
【0038】
このとき、条件判断部260は、振込元口座番号に対応づけて条件格納部206が格納している直接送金条件を取得する(S306)。そして、条件判断部260は、直接送金条件が満たされるか否かを判断する(S308)。
【0039】
S308において条件判断部260が直接送金条件が満たされない旨を判断した場合には、送金依頼受付部210は、送金依頼通知を送信するよう許可要求通知部280に指示するとともに、送金制御装置140は、振込が完了した旨を送金指示端末110に表示させる振込受付通知を送金指示端末110に送信する(S310)。そして、送金指示端末110は、振込みが完了した旨の画面表示を行う(S314)。
【0040】
一方、条件判断部260が直接送金条件が満たされる旨を判断した場合には、S310を行わずにS330に処理を進めて、S330において送金実行部220が振込を実行するとともに、振込手続きが完了した時点で、送金完了通知部240は、上記振込受付通知を送金指示端末110に送信する。
【0041】
なお、以降に説明する実行ステップは、S308において条件判断部260が直接送金条件が満たされない旨を判断した場合に実行される実行ステップとなる。許可要求通知部280は、送金許可者格納部200から送金許可者190を識別する識別情報を取得する(S320)。そして、許可要求通知部280は、取得した識別情報で識別される送金許可者190のユーザ端末180に、送金依頼があった旨を通知する(S322)。具体的には、許可要求通知部280は、ネットワークサービスサーバ145は、電子メール、インターネットバンキング等の画面を通じて、送金許可者190に送金依頼があった旨を通知する。
【0042】
そして、ユーザ端末180では、送金許可者190の操作により、送金許可又は送金不許可を取得する(S324)。そして、ユーザ端末180は、取得した送金許可又は送金不許可をネットワークサービスサーバ145に送信する(S326)。送金許可取得部290は、ユーザ端末180からの送金許可又は送金不許可を取得して、送金制御装置140に転送する(S328)。送金許可を受け取った場合には、中間送金処理部230が送金処理を行う(S330)。なお、このとき、送金不許可を受け取った場合には、送金取消処理部235が振込の取り消し処理を行う。
【0043】
図4は、送金許可者格納部200が格納しているデータの一例をテーブル形式で示す。送金許可者格納部200は、口座番号、依頼人識別情報、ユーザID、及び重み値を対応づけて格納する。口座番号は振込元の口座番号を示す。口座番号とは、例えば銀行の口座番号であって、銀行の支店番号を含んでよい。なお、送金制御システム100は、異なる複数の銀行からの振込を制御してよく、この場合には、口座番号は、銀行番号等の、銀行を識別する銀行識別情報を含んでよい。
【0044】
依頼人識別情報は送金依頼者195を識別する番号を示す。依頼人識別情報は、例えば旅券(パスポート)の旅券番号、運転免許証等の免許証番号、健康保険証の保険証番号等であってよい。また、ユーザIDは、送金許可者190を識別する識別情報であり、例えばネットワークサービスサーバ145のインターネットバンキングサービスを利用する送金許可者190を識別するユーザIDであってよい。なお、重み値については、後に説明する。
【0045】
許可要求通知部280は、送金指示端末110、ネットワークサービスサーバ145等からの振込依頼に基づいて振込元の口座番号を取得して、取得した振込元の口座番号に対応づけて送金許可者格納部200が格納しているユーザIDで識別される送金許可者190に、振込依頼があった旨を通知する。また、許可要求通知部280は、送金指示端末110、金融機関の窓口からの振込依頼に基づいて送金依頼者195の振込人識別番号を取得して、取得した依頼人識別情報に対応づけて送金許可者格納部200が格納しているユーザIDで識別される送金許可者190に、振込依頼があった旨を通知してもよい。
【0046】
このように、送金許可者格納部200は、送金元に対応づけて、当該送金元からの送金を許可することができる複数の送金許可者190を格納している。そして、許可要求通知部280は、送金依頼受付部210が送金先への送金依頼を受け付けた場合に、送金先に送金する前に、送金元からの送金依頼があった旨を、当該送金元に対応づけて送金許可者格納部200が格納している複数の送金許可者190に通知する。
【0047】
なお、許可要求通知部280が複数の送金許可者190に送金依頼通知を通知した場合には、送金許可取得部290は、許可要求通知部280が送金受付情報を通知した1以上の送金許可者190から送金許可を取得する。そして、送金実行部220は、送金許可取得部290が送金許可を取得した送金許可者190の数が予め定められた閾値を超えたことを条件として、振込先に振込む。このとき、送金許可取得部290は、送金許可を取得した送金許可者190に対応づけて送金許可者格納部200が格納している重み値の合計値を算出する。そして、送金許可取得部290は、算出した重み値の合計が、予め定められている閾値を超えたことを条件として、送金実行部220に振込を実行すべき旨の指示を含む命令を送金実行部220に送信してよい。そして、送金実行部220は、送金許可取得部290から当該命令を受信した場合に、振込先への振込を実行してよい。
【0048】
また、許可要求通知部280は、振込元の口座番号及び依頼人識別情報を共に取得して、取得した振込元の口座番号及び依頼人識別情報に対応づけて送金許可者格納部200が格納しているユーザIDで識別される人物に、振込依頼があった旨を通知してもよい。このように、送金許可者格納部200が依頼人識別情報を格納しているので、送金指示端末110又は窓口において依頼人識別情報を取得できれば、送金依頼者195による現金振込時にも、振込依頼があった旨を通知することができる。また、送金許可者格納部200が依頼人識別情報及び振込元の口座番号に対応づけて送金許可者190を格納しているので、依頼人識別情報及び振込元の口座番号の組合せに応じて、適切な送金許可者190に振込依頼通知を送信することができる。
【0049】
図5は、送金履歴格納部204が格納しているデータの一例をテーブル形式で示す。送金履歴格納部204は、依頼人識別情報、振り込んだ日時を示す振込日時、振込元の口座番号を示す振込元口座番号、振込先の口座番号を示す振込先口座番号、受け取り人の名前を示す受取人名、及び振込んだ金額を示す振込金額を対応づけて格納している。なお、依頼人識別情報は、
図4に関連して説明した振込依頼人情報である。送金制御装置140は、送金実行部220が実際に振込を実行した場合に、依頼人識別情報、振込元口座番号、振込先口座番号、受取人名、及び振込金額を、送金履歴格納部204に追加する。なお、受取人名及び振込先口座番号は、この発明における送金先の一例である。また、この発明における送金先とは、受取人名と振込先口座番号との組合せであってよい。このように、送金履歴格納部204が受取人名と振込先口座番号との組合せを送金先として格納するので、例えば送金履歴格納部204が格納している口座番号が示す口座が解約されて他の者が当該口座番号の口座を開設していたとしても、振込先の口座番号とその口座の名義人名の組合せが、送金履歴格納部204が格納している振込先口座番号と受取人名との組合せと異なれば、許可要求通知部280は実際に振込処理を行うことなく、事前に送金許可者190に通知することができる。また、その場合に、許可要求通知部280は、当該口座の名義人名と送金履歴格納部204が格納している受取人名とが異なる旨を送金許可者190に通知してもよい。
【0050】
図6は、条件格納部206が格納している直接送金条件を示すデータの一例をテーブル形式で示す。条件格納部206は、振込元の口座番号、依頼人識別情報、受取人名、振込金額の上限を示す振込金額上限、及び前回振込時からの経過時間の上限を示す経過時間上限を対応づけて格納している。
【0051】
条件判断部260は、送金指示端末110、ネットワークサービスサーバ145、銀行窓口の少なくともいずれかから、振込元口座番号又は依頼人識別情報の少なくとも一方と、振込金額とを取得する。そして、条件判断部260は、取得した振込金額が、取得した振込元口座番号又は依頼人識別情報の少なくともいずれかに対応づけて条件格納部206が格納している振込金額の上限を超える場合に直接送金条件を満たさない旨を判断し、取得した振込金額が条件格納部206が格納している振込金額の上限以下である場合に直接送金条件を満たす旨を判断する。
【0052】
また、条件判断部260は、送金指示端末110、ネットワークサービスサーバ145、銀行窓口の少なくともいずれかから振込先口座番号と、振込元口座番号及び依頼人識別情報の少なくとも一方とを取得して、振込元口座番号が示す口座又は依頼人識別情報によって識別される振込依頼人から振込先口座番号が示す口座に前回振込みしてからの経過時間が、取得した振込元口座番号又は依頼人識別情報の少なくともいずれかに対応づけて条件格納部206が格納している上記経過時間の上限を超える場合に直接送金条件を満たさない旨を判断し、振込元口座番号が示す口座又は依頼人識別情報によって識別される振込依頼人から振込先口座番号が示す口座に前回振込みしてからの経過時間が、取得した振込元口座番号又は依頼人識別情報の少なくともいずれかに対応づけて条件格納部206が格納している上記経過時間の上限以下である場合に直接送金条件を満たす旨を判断する。
【0053】
なお、条件判断部260は、送金履歴格納部204が当該振込元口座番号又は当該依頼人識別情報に対応づけて格納している振込日時を、振込元口座番号が示す口座又は依頼人識別情報によって識別される振込依頼人から振込先口座番号が示す口座に前回振込みしたときの日時として取得することができる。また、条件判断部260は、当該振込先口座番号が示す口座に前回振込みしたときの日時を、送金履歴格納部204と同様のデータを記憶しているICカード120から送金指示端末110が読み取ることによって取得してよい。そして、条件判断部260は、取得した日時から振込依頼を受け付けたときの日時までに経過した時間を経過時間として算出してよい。
【0054】
なお、条件格納部206は、受取人名に対応づけて上記の振込金額上限及び経過時間上限を格納しているので、条件格納部206は直接送金条件を満たすか否かを受取人名毎に柔軟に判断することができる。例えば、条件判断部260は、振込元口座番号又は依頼人識別情報の他に、例えば振込先口座の名義人である受取人名を取得する。そして、条件判断部260は、取得した振込元口座番号又は依頼人識別情報の少なくともいずれか及び受取人名に対応づけて条件格納部206が格納している振込金額の上限を振込金額が超えてい場合に、直接送金条件を満たさない旨を判断してよい。また、条件判断部260は、取得した振込元口座番号又は依頼人識別情報の少なくともいずれか及び受取人名に対応づけて条件格納部206が格納している経過時間の上限を上記の経過時間が超えている場合に、直接送金条件を満たさない旨を判断してよい。なお、条件格納部206が受取人名として格納している「*」は、全ての受取人にマッチする旨を示す。つまり、条件判断部260は、条件格納部206が格納している受取人名と一致しない受取人名宛の振込みについては、条件格納部206が「*」の受取人名に対応づけて格納している直接送金条件を満たすか否かを判断する。例えば
図6の例では、条件判断部260は、条件格納部206が格納している受取人名と一致しない受取人名宛の振込み、或いは受取人名が指定されていない振込については、振込金額が30000円以下及び/又は経過時間が180日以下である場合に、直接送金条件を満たす旨を判断する。
【0055】
なお、受取人名はこの発明における送金先の一例であり、送金先とは口座番号であってもよいし、口座番号と受取人名との組合せであってもよい。このように、条件格納部206は直接送金条件を送金先に対応づけて格納している。そして、条件判断部260は、送金先に対応づけて条件格納部206が格納している直接送金条件が満たされるか否かを判断する。
【0056】
なお、本図に示した条件の他にも、条件判断部260は、送金依頼人識別情報が示す送金依頼人と、振込元口座番号が示す口座の口座名義人とが同一人物であることを、直接送金条件として格納してもよい。また、条件判断部260は、送金指示端末110において、送金依頼者195によって相談ボタンが押下されていないことを、直接送金条件として格納してもよい。相談ボタンとは、送金依頼者195が振込先が信頼できるか否かを送金許可者190に確認する旨の指示を送金指示端末110が受け付けるための、送金指示端末110が操作画面に表示するボタンであってよい。その他、条件判断部260は、送金指示端末110において所定の暗証番号が入力されていることを、直接送金条件として格納してもよい。また、条件判断部260は、送金指示端末110において振込先口座番号の入力が開始されてから送金指示端末110が振込指示を受け付けるまでの時間長さが予め定められた時間長さより短いことを、直接送金条件として格納してもよい。また、条件判断部260は、同一の振込先口座番号への送金頻度が予め定められた頻度より高いことを、直接送金条件として格納してもよい。また、条件判断部260は、過去における同一の振込先口座番号への振込金額の平均値と予め定められた金額との和の金額より振込金額が小さいことを、直接送金条件として格納してもよい。
【0057】
このように、条件格納部206は、送金許可取得部290が送金許可を取得することなく送金することができる送金金額の上限を格納する。そして、条件判断部260は、送金依頼受付部210が送金依頼を受け付けた段階で、送金金額が送金金額の上限を超えるか否かを判断し、送金金額が送金金額の上限以下である場合に直接送金条件を満たす旨を判断し、送金金額が送金金額の上限を超える場合に直接送金条件を満たす旨を判断する。
【0058】
なお、許可要求通知部280は、振込金額がより大きい場合に、より多くの送金許可者190に振込依頼があった旨を通知してよい。なお、許可要求通知部280は、振込金額に対応づけて振込依頼があった旨を通知すべき送金許可者190の人数を予め記憶しいる。そして、許可要求通知部280は、振込金額に対応づけて記憶している人数の送金許可者190を、送金許可者格納部200が格納している送金許可者190の中から、送金許可者格納部200が格納している重み値がより大きい順に選択して、選択した送金許可者190に振込依頼があった旨を通知してよい。
【0059】
なお、閾値設定部270は、振込む振込金額がより大きいほど、より大きい閾値を設定してよい。また、閾値設定部270は、上記の経過時間がより長いほど、より大きい閾値を設定してよい。これにより、振込金額が大きいほど、より多くの人からの許可を得なければ実際に振込通知を発行することができなくなり、大きな金額の詐欺被害を被る確率を低減することができる。
【0060】
図7は、通信記録取得部294が記憶しているデータの一例をテーブル形式で示す。通信記録取得部294は、振込元の口座番号、依頼人識別情報、通信に使用した端末の電話番号、及び通信に使用した端末に割り当てられていたIPアドレスを格納している。なお、依頼人識別情報は、
図4に関連して説明した振込依頼人情報である。電話番号は、固定通話端末184又は携帯通話端末182の電話番号であってよい。また、IPアドレスは、ユーザ端末180又は携帯通話端末182に割り当てられたIPアドレスであってよい。当該IPアドレスは、例えば、グローバルアドレスのような、コンピュータ・ネットワーク155側から端末を特定することができる情報であることが望ましい。通信記録取得部294は、ネットワークサービスサーバ145を通じて、ユーザ端末180等から上記情報を取得して予め記憶しておく。
【0061】
図8は、通信データベース186が格納しているデータの一例をテーブル形式で示す。通信データベース186は、通話履歴を含む通信履歴を格納する。具体的には、通信データベース186は、通信ID、通信開始時刻、通信終了時刻、通信元、通信先、及び通信内容を対応づけて格納する。通信IDは、個々の通信を識別する識別情報を示す。通信開始時刻及び通信終了時刻は、それぞれ通信を開始した時刻及び通信を終了した時刻を示す。通信元及び通信先は、通信に使用した端末を特定する情報を示し、例えば端末が使用した回線を特定する電話番号、通信相手の端末に割り当てられていたIPアドレスであってよい。ここで通信元として格納される情報は、送金許可者190又は送金依頼者195が使用することができる端末を特定する情報であってよく、この場合の通信先とは、当該端末を用いた通信相手を特定する情報であってよい。また、通信内容は、例えば、通話した会話の音声データ及び当該会話の内容を示すテキストを格納してよい。なお、当該テキストは、音声データを音声解析することによって抽出されたテキスト情報であってよい。また、通信データベース186は、当該音声データ及び通話データとして、それらのデータを特定することができるファイル名を格納してよい。
【0062】
なお、通信制御装置188は、ユーザ端末180、携帯通話端末182、及び固定通話端末184による通信を制御する。通信制御装置188は、例えばIP電話機能を有するルータ等の、コンピュータ・ネットワーク155への通信中継装置であってよい。通信制御装置188は、例えば、ユーザ端末180を用いて通信する場合には、ユーザ端末180からコンピュータ・ネットワーク155へと通信信号を送出する。具体的には、通信制御装置188は、ユーザ端末180がインターネット等のコンピュータ・ネットワーク155を通じてパケット通信する場合には、データパケットをコンピュータ・ネットワーク155に送出する。また、通信制御装置188は、固定電話である固定通話端末184により通話する場合には、固定電話網に通話信号を送出する。
【0063】
通信データベース186は、通信制御装置188を通じて取得した通信データを蓄積する。例えば、通信制御装置188は、ユーザ端末180又は携帯通話端末182がコンピュータ・ネットワーク155を通じて外部とパケット通信する場合には、ユーザ端末180からのパケットから宛先アドレス及び送信元アドレスを抽出して、抽出した宛先アドレスを通信先、送信元アドレスを通信元として通信データベース186に格納する。また、通信制御装置188は、ユーザ端末180へのパケットから送信元アドレス及び宛先アドレスを抽出して、抽出した宛先アドレスを通信元、送信元アドレスを通信先として通信データベース186に格納する。また、通信制御装置188は、ユーザ端末180を通じてVoIPによりコンピュータ・ネットワーク155を通じて通話する場合には、送信又は受信したパケットに含まれるRTPヘッダ及びRTPペイロードから音声データを抽出して、抽出した音声データを所定期間蓄積して通信データベース186に通話データとして格納する。
【0064】
また、通信制御装置188は、VoIPゲートウェイ機能を有してよく、固定通話端末184から受け取った音声データを通信データベース186に通話データとして格納するとともに、通信制御装置188は、通話相手から受信したパケットに含まれるRTPヘッダ及びRTPペイロードから音声データを抽出して、抽出した音声データを所定期間蓄積して通信データベース186に通話データとして格納する。
【0065】
なお、通信制御装置188は、携帯電話である携帯通話端末182が、通信制御装置188を経由せずに無線基地局を通じて直接している場合には、携帯電話会社から通話データ及び通話先の電話番号を取得して、取得した通話データ及び通話先の電話番号をそれぞれ通信データベース186に通話データ及び通話先として格納してよい。その他にも、携帯通話端末182に設けられた集音機能により通話時に集音された音声データを無線信号等により受信して、受信した音声データを通信データベース186の通話データとして格納してよい。
【0066】
通信記録取得部294は、送金依頼受付部210が振込依頼を受け付けた場合に、振込元の口座番号又は依頼人識別情報に対応づけて予め記憶している電話番号又はIPアドレスの少なくとも一方を選択する。そして、通信記録取得部294は、選択した電話番号又はIPアドレスの少なくとも一方を通信データベース186が通信元として対応づけて格納している通信先及び通信内容を取得する。このとき、通信記録取得部294は、上記の電話番号又はIPアドレスの少なくとも一方、及び振込依頼を受け付けた日時との差が予め定められた時間長さより短い通話開始時刻に対応づけて通信データベース186が格納している、通信元、通信先、及び通信内容を取得してもよい。
【0067】
そして許可要求通知部280は、通信記録取得部294が取得した通信元、通信先、及び通信内容を、ユーザ端末180に送信する。例えば、当該送信機能は、ネットワークサービスサーバ145が提供するインターネットバンキング機能の一部として実装されてよい。
【0068】
なお、本実施形態では、
図1に示すように通信データベース186が通信制御装置188に接続されているとしたが、通信データベース186の設置場所はこれに限定されず、ユーザ端末180、携帯通信端末182等を用いて送金許可者190がアクセスすることができる場所であれば、通信データベース186はどこに設けられてもよい。例えば通信データベース186は、ネットワーク150等の金融機関のネットワーク上、電話会社、インターネットサービスプロバイダ等の電気通信事業者のネットワーク上、若しくはコンピュータ・ネットワーク155上の少なくともいずれかに設けられてよい。通信データベース186が金融機関のネットワーク上に設けられる場合には、例えば通信制御装置188又は電気通信事業者等が通信内容を金融機関のネットワークに送信して通信データベース186に記録させればよい。また、通信データベース186が電気通信事業者のネットワーク上に設けられる場合も、同様にして通信内容を記録することができる。また、通信データベース186は1箇所にまとめられてもよいし、上記の複数のネットワークにわたる複数の場所に分散して設けられてもよく、必要に応じてネットワークサービスサーバ145、ユーザ端末180、又は携帯通信端末182が分散して設けられた通信データベース186にアクセスして通信内容を取得してよい。
【0069】
図9は、ネットワークサービスサーバ145がユーザ端末180に表示させる画面900の一例を示す。画面900は、ネットワークサービスサーバ145のインターネットバンキング機能によって提供される一画面であってよい。画面900は、振込依頼人の氏名が表示される振込依頼人表示領域910、振込先が表示される振込先表示領域920、振り込み金額が表示される振込金額表示領域930、及びユーザからの操作を受け付ける操作ボタンが表示される操作ボタン領域940を含む。ネットワークサービスサーバ145は、インターネットバンキングの認証画面を通過したユーザ端末180に対して、受け付けた振込依頼のそれぞれについて、振込依頼人の氏名、振込先の口座を示す振込先口座番号、振込金額、及び操作ボタンを対応づけて通信記録参照ボタン941及び944、振込許可ボタン942、及び振込不許可ボタン943を、ユーザ端末180に表示させる。
【0070】
ユーザ端末180において、送金許可者190がマウス等の操作によって通信記録参照941又は944ボタンがクリックされると、ネットワークサービスサーバ145は、通信記録取得部294が取得した通信元及び通信先をユーザ端末180に表示させる。さらにネットワークサービスサーバ145は、通信記録取得部294が取得した通信内容に含まれる音声データをユーザ端末180に再生させるか、或いは通信内容に含まれるテキストデータをユーザ端末180に表示させる。これにより、送金許可者190は、振込前に送金依頼者195が誰と通話していたかを特定することができ、不審な相手と通話している場合には、振込許可を与えないようにすることができる。
【0071】
画面900に戻って、振込許可ボタン942がクリックされるとユーザ端末180は振込許可をネットワークサービスサーバ145に送信し、振込不許可ボタン943がクリックされるとユーザ端末180は振込不許可をネットワークサービスサーバ145に送信する。また、許可要求通知部280が複数の送金許可者190に振込依頼通知を送信している場合において、他の送金許可者190からの振込許可を許可要求通知部280が既に取得している場合には、画面900の下段に示されるように、許可済みである旨を表示して、振込許可ボタン及び振込不許可ボタンをユーザ端末180に表示させない。
【0072】
図10は、送金制御装置140、ネットワークサービスサーバ145、制御情報データベース130、及び中間送金情報格納部135のハードウェア構成の一例を示す。送金制御装置140、ネットワークサービスサーバ145、制御情報データベース130及び中間送金情報格納部135は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、及び表示装置1580を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、及びCD−ROMドライブ1560を有する入出力部と、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570を有するレガシー入出力部とを備える。
【0073】
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505、及びグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510、及びRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0074】
入出力コントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1540、通信インターフェイス1530、CD−ROMドライブ1560を接続する。ハードディスクドライブ1540は、CPU1505が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス1530は、ネットワーク通信装置1598に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。
【0075】
また、入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、送金制御装置140、ネットワークサービスサーバ145、制御情報データベース130及び中間送金情報格納部135が起動時に実行するブート・プログラムや、送金制御装置140、ネットワークサービスサーバ145、制御情報データベース130及び中間送金情報格納部135のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスク・ドライブ1550や、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0076】
CPU1505が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1540にインストールされ、RAM1520に読み出されてCPU1505により実行される。
【0077】
CPU1505により実行されるプログラムは、送金制御装置140、ネットワークサービスサーバ145、制御情報データベース130、及び中間送金情報格納部135を、
図1から
図9に関連して説明した送金制御装置140、ネットワークサービスサーバ145、制御情報データベース130及び中間送金情報格納部135として機能させる。
【0078】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595の他に、DVDやPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムを送金制御装置140、ネットワークサービスサーバ145、制御情報データベース130、及び中間送金情報格納部135に提供してもよい。
【0079】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。