特許第5700739号(P5700739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700739
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】電池パック安全装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20150326BHJP
   H01M 2/12 20060101ALI20150326BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 S
   H01M2/12 Z
   H01M2/34 A
   H01M2/10 A
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-511308(P2014-511308)
(86)(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公表番号】特表2014-517469(P2014-517469A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】KR2012004487
(87)【国際公開番号】WO2012169793
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2013年11月14日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0054931
(32)【優先日】2011年6月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504111015
【氏名又は名称】エルジー ケム. エルティーディ.
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(72)【発明者】
【氏名】キム テヒョク
(72)【発明者】
【氏名】チェ スンドン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ミンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ホン スンテク
(72)【発明者】
【氏名】イ ジンギュ
(72)【発明者】
【氏名】カン ダルモ
(72)【発明者】
【氏名】チョ スンス
(72)【発明者】
【氏名】ファン セヨン
(72)【発明者】
【氏名】ホン スルギ
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−516390(JP,A)
【文献】 特開2001−297795(JP,A)
【文献】 特開2001−068156(JP,A)
【文献】 特開2001−068161(JP,A)
【文献】 特開2009−087600(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0159315(US,A1)
【文献】 特開平11−097066(JP,A)
【文献】 特開平11−067279(JP,A)
【文献】 特表2009−543317(JP,A)
【文献】 特表2006−527474(JP,A)
【文献】 特表2011−504285(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/023609(WO,A1)
【文献】 特開2009−064630(JP,A)
【文献】 特開2009−193815(JP,A)
【文献】 特開2012−028089(JP,A)
【文献】 特開2012−182022(JP,A)
【文献】 特表2013−543644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/12
H01M 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の電池セルを有する、少なくとも1つの電池モジュールを備えた電池パックの一側に装着され、針状体の貫通時に優先的に短絡して安全性を保障する装置であって、
互いに離隔している1対の導電性シートと、
前記導電性シートが挿着され、該導電性シートの前面を除いた外面を取り囲んでいる電気絶縁性のハウジングと、
前記前面をカバーする密閉部材と、
前記導電性シートを電池モジュールの電池セルのうちいずれか一つの正極及び負極にそれぞれ接続させる接続部材と、
を備えていることを特徴とする安全装置。
【請求項2】
前記導電性シートは金属素材からなることを特徴とする、請求項1に記載の安全装置。
【請求項3】
前記導電性シートは、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン及びニッケルからなる群から選ばれる1種、又は2種以上の合金からなることを特徴とする、請求項2に記載の安全装置。
【請求項4】
前記ハウジングの内側の上端及び下端には、一対の導電性シートが離隔した状態で挿入可能なように、それぞれ一対の溝が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の安全装置。
【請求項5】
前記溝の間には、導電性シートが離隔した状態で装着されて固定されるように、溝の離隔距離に相応する幅の突起部が形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の安全装置。
【請求項6】
前記密閉部材は、前記導電性シートを外部と遮断できるように、該導電性シートの開放された前面を密閉することを特徴とする、請求項1に記載の安全装置。
【請求項7】
前記接続部材は、前記導電性シートと電池モジュールの正極及び負極とをそれぞれ電気的に接続可能な長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の安全装置。
【請求項8】
前記ハウジングは接続部材が装着可能なように、前記接続部材と導電性シートとが連結された位置に対応して一対の溝部が形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の安全装置。
【請求項9】
前記接続部材は、板状のストリップ又は線形のワイヤーで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の安全装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の安全装置を使用して電気的連結をなしていることを特徴とする、電池パック。
【請求項11】
前記電池パックは、同一面に正極端子と負極端子が突出している電池モジュールを複数個積層した構造を有していることを特徴とする、請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
安全装置が対面している電池モジュールには、電極端子連結部位を、電池セルの膨脹時に、スウェリング体積が限界値である所定値以上に到達すると、膨張応力により破裂断電するように設けると共に、脆弱部を、前記スウェリング体積が前記所定値以上に到達すると、前記電極端子連結部位に膨脹応力が集中して物理的変形により破裂するように誘導するように設けた、ことを特徴とする、請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記脆弱部は、安全装置が対面している電池モジュールのセルカバーに切取り部として形成されていることを特徴とする、請求項12に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記切取り部の大きさは、電池セルスウェリングが電池セルの厚さを基準にして2乃至5倍の体積増加を招く時、電極端子連結部位が破裂するように設定されていることを特徴とする、請求項13に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記電池モジュールの電極端子は同一線上に配列されており、前記電極端子の電気的接続部位に電極端子連結装置がそれぞれ装着されており、前記電池モジュールの最外側から離隔距離を維持しつつ安全装置が装着されていることを特徴とする、請求項11に記載の電池パック。
【請求項16】
前記離隔距離は、1cm〜20cmであることを特徴とする、請求項15に記載の電池パック。
【請求項17】
請求項10に記載の電池パックを電源として備えていることを特徴とする、車両。
【請求項18】
前記車両は、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、又はプラグ−インハイブリッド電気自動車であることを特徴とする、請求項17に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パック安全装置に係り、特に、2つ以上の電池セル又は1つ以上の電池モジュールを備えている電池パックの一側に装着され、針状体の貫通時に優先的に短絡して安全性を保障する装置であって、互いに離隔している1対の導電性シート、これら導電性シートが挿着され、該導電性シートの前面を除いた外面を取り囲んでいる電気絶縁性のハウジング、前記前面をカバーする密閉部材、及び前記導電性シートを電池モジュールの電池セルのうち一つの正極及び負極にそれぞれ接続させる接続部材を備えている安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器の技術開発と需要が増加するに伴い、エネルギー源としての二次電池の需要も急増しつつある。二次電池の中でも、高いエネルギー密度と放電電圧を有するリチウム二次電池に対する研究が多く行われ、現在、商用化して広く使用されている。
【0003】
二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA、ノートパソコンなどのモバイル、ワイヤレス電子機器の他、電気自転車(E−bike)、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)のような動力装置のエネルギー源としても高い関心を集めている。
【0004】
携帯電話、カメラなどの小型デバイスには、1つの電池セルがパックキングされている小型電池パックが使われているが、ノートパソコン、電気自動車などの中大型のデバイスには、2つ又はそれ以上の電池セル(以下、「マルチ−セル」ともいう)を並列及び/又は直列に連結した電池パックがパックキングされている中型又は大型の電池パックが使われている。
【0005】
上述したように、リチウム二次電池は、優れた電気化学的特性を有してはいるが、安全性が低いという問題点がある。例えば、リチウム二次電池は、過充電、過放電、高温への露出、電気的短絡などの異常作動において、電池構成要素である活物質、電解質などの分解反応が起こって熱とガスが発生し、これによる高温高圧の条件は上記分解反応をより促し、ついには発火又は爆発につながることもある。
【0006】
リチウム二次電池の安全性問題は、マルチ−セル構造の中大型電池パックにおいてより深刻である。マルチ−セル構造の電池パックでは多数の電池セルが使用されているため、一部の電池セルの作動異常は他の電池セルへの連鎖反応を誘発することがあり、それによる発火及び爆発は大型事故に繋がりがちなためである。そこで、中大型電池パックには過放電、過充電、過電流などから電池セルを保護するためのヒューズ、バイメタル、BMS(Battery Management System)などの安全システムが備えられている。
【0007】
しかしながら、リチウム二次電池は、継続した使用、すなわち、継続した充放電過程で発電素子、電気的接続部材などが次第に劣化していくため、例えば、発電素子の劣化は、電極材料、電解質などの分解によりガス発生を誘発し、これにより電池セル(缶、パウチ型のケース)は漸次膨脹することになる。また、正常状態では、安全システムであるBMSが過放電、過充電、過電流などを探知して電池パックを制御/保護しているが、異常状況でBMSが作動しなくなると危険性が増加し、安全のための電池パックの制御が困難となる。中大型電池パックは、一般に、多数の電池セルが一定のケース内に固定した状態で装着された構造となっているため、それぞれの膨脹した電池セルは、限定されたケース内でより加圧され、異常作動の条件下で発火及び爆発の危険性が大きく増加する。
【0008】
特に、車両などに使用される電池パックでは、車両の衝突などにより電池パックに物理的変形を誘発する程度の強い外力が印加されたり、針状体が電池パックを貫通したりする場合などが起こる可能性もあり、この場合には電池セル同士間に短絡が発生することがある。
【0009】
そこで、短絡による電流の急激な流れ及び電池の発火や爆発を防止し、より効率的な方法で電池の安全性を確保できる技術が切実に望まれている実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点、及び過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0011】
本発明の目的は、電池パックの一側に装着され、外力により電池パックに物理的変形が起こったり、針状体が貫通したりするなどのイベントが発生した時、優先的に短絡して安全性を保障することができる安全装置を提供する。
【0012】
本発明の他の目的は、上記のような安全装置を備えて構成された電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するための本発明に係る安全装置は、
2つ以上の電池セル又は1つ以上の電池モジュールを備えた電池パックの一側に装着され、針状体の貫通時に優先的に短絡して安全性を保障する装置であって、
互いに離隔している1対の導電性シートと、
前記導電性シートが挿着され、該導電性シートの前面を除いた外面を取り囲んでいる電気絶縁性のハウジングと、
前記前面をカバーする密閉部材と、
前記導電性シートを電池モジュールの電池セルのうちいずれか一つの正極及び負極にそれぞれ接続させる接続部材と、
を備えて構成されている。
【0014】
上述した通り、二次電池は、優れた性能を有するものの、安全性側面では問題点がある。例えば、外部から針状体などの物体が電池を加圧又は貫通したり、物理的変形を誘発したりする程度の強い外力が電池に加えられる場合に、正極と負極とが接触しながら短絡が発生し、このような短絡時に電極活物質の反応により温度が急激に上昇することになる。特に、電池パックではこのような電池セルが多数個使用されているため、一部の電池セルでの作動異常が他の電池セルへの連鎖反応を誘発し、ついには発火や爆発にまでつながることもある。
【0015】
これに対し、本発明に係る安全装置が電池パックの一側に装着されていると、上記のような針状体による貫通時又は物理的変形を誘発する強い外力の印加時に、相対的に抵抗の低い安全装置の導電性シートに優先的に電流が流れて意図的な短絡を誘発し、通電を遂げることとなる。これにより、電池セル同士間に流れるエネルギーを減少させ、発火や爆発を未然に防止することができる。
【0016】
本発明の安全装置において、前記導電性シートは好ましくは金属素材からなるとよい。
【0017】
前記導電性シートの種類は特に制限されず、例えば、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケルからなる群から選ばれる1種、又はこれらの選択的な合金であればよい。
【0018】
一つの好適な例において、前記ハウジングの内側の上端及び下端には、一対の導電性シートが離隔した状態で挿入可能なように、それぞれ一対の溝が形成されていてもよい。
【0019】
具体的に、前記溝同士の間には、導電性シートが離隔した状態で装着されて固定されるように、溝の離隔距離に相応する幅の突起部が形成されており、該突起部は、前記溝の高さよりも略10〜20%さらに高くなっていればよい。
【0020】
前記導電性シートの相互離隔距離は、設計条件などによって異なることがあり、例えば、0.1cm〜10cm、好ましくは0.5cm〜5cmの範囲で決定されるとよいが、これに限定されるものではない。
【0021】
一方、前記密閉部材は、前記導電性シートを外部と遮断できるように、開放された前面を密閉する構造になっており、安全性を損ねない程度の弱い外部衝撃から導電性シートを保護しながら、異物や水分の侵入などを防止する機能を担う。
【0022】
前記密閉部材は、例えば、接続部材が通る側面位置を除いて、開放された前面及び対向側面の一部を密閉する構造になっていればよい。また、前記密閉部材は、様々な構造に形成可能であり、例えば、スライディング方式でハウジングに装着されたり、密閉部材が弾性変形しながらハウジングの前面に密着されたり、前記ハウジングの一側にヒンジ構造で取り付けられたり、所定の締結構造により結合方式で装着されたりする構造などが可能である。このような密閉部材は前記ハウジングと同様に絶縁性素材からなると好ましいが、このような素材に限定されるものではない。
【0023】
一方、前記接続部材は、前記導電性シートと電池モジュールの正極及び負極とをそれぞれ電気的に接続させるような長さを有している。
【0024】
前記ハウジングは接続部材が装着可能なように、前記接続部材と導電性シートとが連結された位置に対応して一対の溝部が形成されている構造であってもよい。これにより、振動の発生時に、接続部材が導電性シート及びハウジングから分離されることを防止することができる。
【0025】
一方、前記接続部材は、前記導電性シートと電気的接続を容易に遂げる構造であれば特に制限されず、例えば、板状のストリップ又は線形のワイヤーの構造であってもよく、好ましくは、板状のストリップの構造であるとよい。
【0026】
このように、前記安全装置は、針状体による貫通時又は物理的変形を誘発する強い外力の印加時に、導電性シートに優先的に電流が流れて意図的な短絡を誘発するようにしたため、電池セル同士の間に流れるエネルギーを減少させて発火や爆発を防止し、安全性を向上させることができる。
【0027】
本発明に係る安全装置は電池モジュールと電気的に接続可能であるため、所望する出力の大きさと容量に合わせた自由な設計が可能である。したがって、本発明は、前記安全装置を使用して電気的接続をなす構造の電池パックを提供する。
【0028】
一つの好適な例において、前記電池パックは、同一面に正極端子及び負極端子が突出している電池モジュールを多数個積層した構造を有してもよい。すなわち、正極端子及び負極端子を同一面に形成することによって、正極端子及び負極端子がそれぞれ異なる面に形成される場合に比べて、電極端子の突出部位により発生する空間を減少させ、電池パックをよりコンパクトに構成することができる。
【0029】
一つの好適な例において、安全装置と対面している電池モジュールには、電池セルの膨脹時に電極端子連結部位が破裂しながら断電される構造の脆弱部が形成されていてもよい。
【0030】
このように、電池モジュールは、電池セルの電極端子連結部位を、スウェリング時に体積膨脹に弱い構造にすることによって、スウェリング体積が限界値である所定値以上に到達すると、電極端子連結部位に膨脹応力が集中するようにし、物理的変形により破裂するように誘導する。電極端子連結部位のこのような破裂により、電池モジュール内部の電気的接続が切れ、充放電過程が中止することによって、電池セル又は単位モジュールのスウェリング体積がそれ以上増加することが抑制され、電池モジュールの発火や爆発を防止し、電池の安全性を大きく向上させることができる。
【0031】
また、前記脆弱部は、安全装置と対面している電池モジュールのセルカバーに切取り部として形成されていてもよい。例えば、電池セルは合成樹脂又は金属素材の高強度セルカバーで覆われた構造で一つの電池モジュールを構成しており、セルカバーにおいて電極端子連結部位と隣接した一部の部位に所望の形状で切取り部を形成することによって、スウェリング時に電池セルの膨脹応力がセルカバーの切取り部に集中するように容易に誘導することができる。
【0032】
前記切取り部の大きさは、電極端子連結部の破裂設定条件によって異なるように設定可能であり、好ましくは、電池セルスウェリングが電池セルの厚さを基準にして2〜5倍の体積増加を招く時に電極端子連結部が破裂するように設定するとよい。このような設定範囲は、所望する電池モジュールの安全性試験規格に従えばよい。ただし、切取り部の大きさが大きすぎると、セルカバーによる電池セルの機械的剛性の補完、及び正常作動条件で電池セルの膨脹抑制といった本質的な機能を発揮し難いこともあり、このような点を考慮して適度の範囲で切取り部の大きさを設定する必要がある。
【0033】
一方、前記電池モジュールの電極端子は好ましくは同一線上に配列されており、前記電極端子の電気的接続部位に電極端子連結装置がそれぞれ装着されており、前記電池モジュールの最外側から離隔距離を維持しつつ安全装置が装着されているとよい。
【0034】
上記の構造において、離隔距離は1cm〜20cm、好ましくは3cm〜10cm、より好ましくは3cm〜7cmでよい。この離隔距離が狭すぎると、過充電によるスウェリングの距離確保が容易でないことがあり、逆に、離隔距離が広すぎると、電池パックが嵩むため好ましくない。
【0035】
本発明はまた、前記電池パックを電源として備えた車両を提供する。
【0036】
特に、上記構造の車両は、所望する出力及び容量によって、装着効率性、構造的安全性などを考慮する時、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、又はプラグ−インハイブリッド電気自動車として使用可能である。
【0037】
一般的な電池パックの構造とそれを備えたデバイスの構造は当業界に公知であり、それについての詳細な説明は本明細書では省略する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明の一実施例に係る安全装置を示す斜視図である。
図2図2は、図1のハウジングを示す正面図である。
図3図3は、本発明の他の実施例に係る電池パックを示す斜視図である。
図4図4は、図3の電池モジュールを示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施例に係る図面を参照して本発明をより詳しく説明するが、本発明の範ちゅうがそれに限定されるものではない。
【0040】
図1は、本発明の一実施例に係る安全装置を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1のハウジングを模式的に示す正面図である。
【0041】
図1及び図2を参照すると、安全部材100は、一対の銅素材の導電性シート110と、導電性シート110が挿着され、これらの前面を除いた外面を取り囲んでいる電気絶縁性のハウジング120と、前記前面をカバーする密閉部材130と、導電性シート110を電池モジュール200の電池セルのうちいずれか一つの正極及び負極にそれぞれ接続させる接続部材140と、を備えている。
【0042】
ハウジング120の内側の上端及び下端には、一対の導電性シート110が離隔した状態で挿入可能なように、それぞれ一対の溝121,122が形成されている。
【0043】
また、溝121,122の間には、一対の導電性シート110が離隔した状態で装着されて固定されるように、溝121,122の離隔距離に相応する幅wの突起部123が形成されている。
【0044】
密閉部材130は、電気絶縁性の素材からなるもので、導電性シート110を外部と遮断できるように、接続部材140が通る側面位置を除いて、開放された前面及び対向側面の一部を“¬”状に密閉している。
【0045】
接続部材140は、導電性シート110と電池モジュールの正極及び負極とをそれぞれ電気的に接続させるような長さを有し、板状のストリップ構造になっている。
【0046】
一方、ハウジング120は、接続部材140が装着可能なように、接続部材140と導電性シート110とが連結された位置に対応して一対の溝部125が形成されている。
【0047】
図3は、本発明の他の実施例に係る電池パックを模式的に示す斜視図であり、図4は、図3の電池モジュールを模式的に示す斜視図である。
【0048】
図3及び図4図1と共に参照すると、電池パック300は、同一面に正極端子及び負極端子が突出している電池モジュール200を複数個積層した構造になっており、電池モジュール200の電極端子はいずれも電池パック300の一側面に位置しており、最外側の電池モジュール202から約5cmの離隔距離dを維持しつつ安全装置100が装着されている。
【0049】
図4には、図2の電池モジュール202が模式的に示されている。
【0050】
図4図1乃至図3と共に参照すると、電池モジュール202は、電池セルをセルカバーで覆った構造になっており、電池モジュール200のうち、安全装置100に対面している電池モジュール202のセルカバー212には切取り部215が形成されている。
【0051】
そのため、電池セルのスウェリング厚が電池セル厚の2倍以上になる場合に、電極端子連結部位214が切取り部215に突出して断電され、これにより、電池モジュール200の電気的接続が切れるようになる。
【0052】
以上、本発明の実施例に係る電池モジュールの図面を参照して説明してきたが、本発明の属する分野における通常の知識を有する者にとっては、上記内容に基づいて本発明の範ちゅう内で様々な応用及び変形を行うことが可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上で説明した通り、本発明に係る安全装置は、電池パックの一側に装着され、針状体の貫通時又は物理的変形を誘発する強い外力の印加時に優先的に短絡されるため、安全性を大きく向上させることができる。
図1
図2
図3
図4