(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のカラーフィルタにはそれぞれ開口部が形成され、前記第1着色部材と前記薄膜トランジスタとが重畳する部分が、前記開口部に対応する位置に配置される、請求項1または5に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、薄膜トランジスタの光漏洩電流を防止し、不良薄膜トランジスタの修理を容易にし、外光による周辺領域の光漏れとカラーフィルタの間の光漏れを防止し、安定したパターン形成の工程を可能にすることにある。
【0005】
また、本発明は、上記した目的以外にも、具体的に言及されていない他の技術課題を達成するために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ表示板は、基板と、前記基板上に形成され、薄膜トランジスタを含む薄膜トランジスタ層と、前記薄膜トランジスタ層上に形成される複数のカラーフィルタと、前記薄膜トランジスタ層上に形成され、前記薄膜トランジスタと重畳する部分を有する第1着色部材と、前記第1着色部材上に形成され、前記第1着色部材とは異なる光学密度を有する第2着色部材とを有し、前記第2着色部材は前記複数のカラーフィルタのうちの少なくとも一つと重畳する第1部分を含み、前記第1着色部材は前記第1部分と重畳する第2部分を含む。
【0007】
前記第1部分、前記第2部分、及び前記第1部分と重畳するカラーフィルタは、柱型間隔保持部材の一部を構成することができる。前記柱型間隔保持部材の厚さはほぼ3.6〜4.7μmであり得る。
【0008】
前記第2着色部材は、前記複数のカラーフィルタのうちの少なくとも一つと重畳する第6部分を含むことができ、前記第1着色部材は前記第6部分と重畳する第7部分を含むことができ、前記第6部分は前記第1部分より厚さが薄くてもよい。
【0009】
前記第2着色部材は、周辺領域に形成されるコンタクトホールを覆っている第3部分を含むことができる。前記第3部分は、前記第1部分と実質的に同一の厚さを有することができる。
【0010】
前記第2着色部材は、前記複数のカラーフィルタの間に形成される第4部分を含むことができる。前記第4部分は、前記複数のカラーフィルタと実質的に同一の厚さを有することができる。
【0011】
前記第2着色部材は、前記複数のカラーフィルタが互いに重畳する領域の上に形成される第5部分を含むことができる。前記第5部分は、前記第1着色部材と実質的に同一の厚さを有することができる。
【0012】
前記複数のカラーフィルタはそれぞれ開口部を含むことができ、前記開口部には前記第1着色部材と前記薄膜トランジスタとが重畳する部分が配置され得る。
【0013】
前記第2着色部材の光学密度は、ほぼ1μm当り1.6〜2.5であり得る。前記第1着色部材の光学密度は、ほぼ1μm当り1.2〜1.8であり得る。前記第1着色部材の厚さは、ほぼ2.0〜3.0μmであり得る。
【0014】
前記薄膜トランジスタ層上に形成される画素電極をさらに含むことができ、前記第2着色部材は前記画素電極上に形成できる。
【0015】
本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ表示板の製造方法は、基板上に薄膜トランジスタを含む薄膜トランジスタ層を形成する段階と、前記薄膜トランジスタ層上に複数のカラーフィルタを形成する段階と、前記薄膜トランジスタ層上に前記薄膜トランジスタと重畳する部分を有するように第1着色部材を形成する段階と、前記第1着色部材の上にフォトリソグラフィ工程で前記第1着色部材とは異なる光学密度を有する第2着色部材を形成する段階とを含み、前記第2着色部材は前記複数のカラーフィルタのうちの少なくとも一つと重畳する第1部分を含み、前記第1着色部材は前記第1部分と重畳する第2部分を含む。
【0016】
前記薄膜トランジスタ層上に画素電極を形成する段階をさらに含むことができる。前記画素電極を形成する段階は、前記第1着色部材を形成する段階の前、または前記第1着色部材を形成する段階と前記第2着色部材を形成する段階との間に行われてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、薄膜トランジスタの光漏洩電流を防止し、不良薄膜トランジスタの修理を容易にし、外光による周辺領域の光漏れとカラーフィルタの間の光漏れを防止し、安定したパターン形成の工程を可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の相異な形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。図面において、本発明を明確に説明するために、説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素については同一の図面符号を付した。また、広く知られている公知技術の場合、その具体的な説明は省略する。
【0020】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して現わした。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“下”にあるとする時、これは他の部分の“すぐ下”にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐの下”にあるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0021】
<第1実施形態>
以下、
図1乃至
図2を参照して、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、
図2は、
図1の薄膜トランジスタ表示板のII‐II線に沿った断面図である。
【0023】
図1及び
図2を参照すると、薄膜トランジスタ表示板は、複数の画素領域RP、GP、BPに区切られており、これら画素領域RP、GP、BPはマトリックス状に配列されている。それぞれの画素領域RP、GP、BPは、基本色(primary color)のうちの一つを固有に表わし、これら基本色が空間的、時間的に合計されることによって所望の色相が認識されるようにする。基本色の例としては、赤色、緑色、青色といった三原色が挙げられる。
【0024】
薄膜トランジスタ表示板の表示領域DAは、実際のイメージを出力する画素領域であり、周辺領域PAは表示領域DAの外側領域である。
【0025】
透明なガラスまたはプラスチックなどを含む絶縁性基板110の上に、薄膜トランジスタ層(thin film transistor layer)120が形成されている。薄膜トランジスタ層120は薄膜トランジスタを含む。
【0026】
薄膜トランジスタ層120の上には、各カラーフィルタ230R、230G、230Bが互いに離隔して列方向にのびた帯状に形成されている。しかし、各カラーフィルタ230R、230G、230Bは離隔せずに重畳してもよく、この場合にも重畳した位置での液晶物質の動きが正常である。
図1に示したように、複数の赤色画素領域RPは列方向に一列に配置されている。また、複数の緑色画素領域GPと複数の青色画素領域BPもそれぞれ列方向に一列に配置されている。しかし、画素領域RP、GP、BPのうちの少なくとも2つの色の画素領域が同一列に配置されてもよい。
図1に示したように、各カラーフィルタ230R、230G、230Bは帯状(band shape)である。しかし、各カラーフィルタ230R、230G、230Bは島状(island shape)であってもよい。その他にも、画素領域RP、GP、BP及びカラーフィルタ230R、230G、230Bの形態と配置は種々に変更できる。カラーフィルタ230R、230G、230Bの厚さは、ほぼ2.8〜3.2μmであり得る。
【0027】
各カラーフィルタ230R、230G、230Bは、各画素領域RP、GP、BPのほぼ中間付近に2つの開口部231を含む。しかし、開口部231の位置は、各画素領域R、GP、BPの下端または上端に位置してもよく、各画素領域RP、GP、BPは1つの開口部を有することもできる。薄膜トランジスタ層120に形成される薄膜トランジスタ(図示せず)は、開口部231それぞれに1つずつ重畳してもよい。その他にも、開口部231及び薄膜トランジスタの個数及び配置は、樹種の変形が可能である。しかし、開口部231が形成されないこともあり、この場合にも薄膜トランジスタが位置する領域に第1着色部材220が形成できる。
【0028】
カラーフィルタ230R、230G、230Bの上には、第1着色部材220が各画素領域RP、GP、BP別に1つずつ形成されている。しかし、カラーフィルタ230R、230G、230Bの下に第1着色部材220が形成されることもできる。この2つの場合いずれもにおいても、第1着色部材220は薄膜トランジスタの少なくとも一部を覆っている。したがって、第1着色部材220の位置は薄膜トランジスタの配置により多様に変更できる。第1着色部材220は、各画素領域RP、GP、BPの開口部231を全て覆っており、ほぼ長方形の平面形状を有する。しかし、第1着色部材の平面形状は楕円形など多様な形態を有することができる。
【0029】
本明細書で、光学密度(optical density)とは、吸光度(absorbance)を1μm単位の厚さで割る値と定義する。吸光度は、log10(I0/I)と定義し、Iは、強さのI0の光が特定物質を通過した後の光度を意味する。カラーフィルタ230R、230G、230B上に形成される第1着色部材220の吸光度はほぼ1.2〜1.8であり、厚さはほぼ2.0〜3.0μmであり、光学密度はほぼ1μm当り0.4〜0.9であり得る。さらに、吸光度がほぼ1.3〜1.7、厚さがほぼ2.2〜2.8μm、光学密度がほぼ1μm当り0.5〜0.8の場合、効果はさらに改善できる
この時、第1着色部材220は、着色が可能な感光性有機物などを含むことができる。この場合、第1着色部材220は、光を遮断することによって薄膜トランジスタで光漏洩電流が発生することを防止する。同時に、第1着色部材220は、誤作動する薄膜トランジスタを修理するための光を透過させるため、薄膜トランジスタの修理を容易にする。また、第1着色部材220を形成するために、スリットなどを含むハーフトーンマスクを利用したフォトリソグラフィ工程を適用しなくてもよいので、第1着色部材220のパターンが安定的に形成される。例えば、第1着色部材220は、吸光度がほぼ1.5であり、その厚さはほぼ2.5μmであり、光学密度はほぼ1μm当り0.6であり得る。
【0030】
第1着色部材220の上には、第1着色部材とは異なる光学密度を有する第2着色部材240a、240b、240c、240dが形成されている。第2着色部材240a、240b、240c、240dは同一の材料を含み、同一の工程順序で同時に形成できる。第2着色部材240a、240b、240c、240dの光学密度は1μm当りほぼ1.6〜2.5であり得る。さらに、光学密度は1μm当りほぼ1.8〜2.3であり得る。第2着色部材240a、240b、240c、240dは、多様な機能をする部分を選択的に含むことができる。例えば、第1部分240cまたは第6部分240dは、カラーフィルタ230R、230G、230Bのうちの少なくともいずれか一つと重畳する部分である。第3部分240bは、周辺領域に形成されるコンタクトホールを覆っている部分である。第4部分240aは、カラーフィルタ230R、230G、230Bの間に形成される部分である。同時に、カラーフィルタ230R、230G、230Bが互いに重畳した時、その重畳する領域の上に第5部分(
図9参照)が形成されてもよく、この場合、第5部分は
図9の第2着色部材240aと類似するように形成できる。また、第1着色部材220は第1部分240cと重畳する第2部分を含むことができ、第6部分240dと重畳する第7部分を含むことができる。しかし、第2着色部材240a、240b、240c、240dのうちの少なくとも一部は省略できる。例えば、各カラーフィルタ230R、230G、230Bの間に位置する第4部分240aが省略でき、第1着色部材220の上に形成される第6部分240dが省略されてもよい。その他にも、多様な組み合わせによって生成及び省略が可能である。
【0031】
各カラーフィルタ230R、230G、230Bの間に位置する第4部分240aは、カラーフィルタ230R、230G、230Bの間の光漏れを防止する遮光部材の役割を果たす。各カラーフィルタ230R、230G、230Bの間の間隔が狭いので、第2着色部材240a、240b、240c、240dの材料を全面に塗布して、実質的に同一の露光量で現象する時、第4部分240aは、第1部分240c、第6部分240d、または第3部分240bより厚く形成される。したがって、第4部分240aはカラーフィルタ230R、230G、230Bを平坦化させる役割を果たす。また、この場合、第4部分240aは、光が全て透過する透過領域、または光を全て遮断する非透過領域を含むマスクを通じて形成できるので、第4部分240aのパターンが安定的に形成される。例えば、各カラーフィルタ230R、230G、230Bの厚さがほぼ3μmであり、青色カラーフィルタ230Bの上に形成される第1部分240cの厚さと第3部分240bの厚さがほぼ2μmの時、第4部分240aの厚さはほぼ3μmであり得る。
【0032】
第1着色部材220の上に形成されながら、第1着色部材220の少なくとも一部と重畳する第1部分240cと第6部分240dは、第1着色部材220及びカラーフィルタ230R、230G、230Bと共に柱型間隔保持部材(columnar spacer)の少なくとも一部を構成する。各カラーフィルタ230R、230G、230Bに開口部231が形成されている場合、ほぼ開口部231の側部に第1部分240cと第6部分240dが形成できる。青色カラーフィルタ230Bの上に形成される第1部分240cは、第1部分240cの下に形成される第1着色部材220の第2部分、及び青色カラーフィルタ230Bと共に適切な圧縮特性を有する主柱型間隔保持部材(main columnar spacer)の少なくとも一部を構成する。この時、第1部分240cと第1着色部材220の厚さの合計は、ほぼ3.6〜4.7μmであり得る。例えば、第1部分240cが2.0μmであり、第1着色部材220が2.5μmであり得る。また、赤色カラーフィルタ230Rまたは緑色カラーフィルタ230Gの上に形成される第6部分240dは、赤色カラーフィルタ230Rまたは緑色カラーフィルタ230Gの下に形成される第1着色部材220、及び赤色カラーフィルタ230Rまたは緑色カラーフィルタ230Gと共に適切な圧縮特性を有する補助柱型間隔保持部材(subsidiary columnar spacer)の一部を構成する。この時、補助柱型間隔保持部材は、主柱型間隔保持部材より幅が狭く、かつ高さが低くてもよい。しかし、第1部分240cは、カラーフィルタ240R、230G、230Bのうちの少なくとも一つの上に形成でき、第6部分240dもカラーフィルタ240R、230G、230Bのうちの少なくとも一つの上に形成でき、第6部分240dは省略されてもよい。また、第1部分240c及び第6部分240dの個数及び配置は多様に変更できる。
【0033】
また、周辺領域PAに位置する第3部分240bは、互いに異なる層の配線を電気的に接続するコンタクトホール(図示せず)を覆っているため、コンタクトホールによる外光の反射を防止する遮光部材の役割を果たす。つまり、コンタクトホールが形成された後に第3部分240bが形成されるため、周辺領域PAでの外光の反射を基本的に防止する構造が形成される。この時、第3部分240bの厚さは第1部分240cの厚さと実質的に同一であり得る。
【0034】
<第2実施形態>
以下、
図3乃至
図7を参照して、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ表示板を含む液晶表示装置の一画素に対する等価回路図である。
【0036】
図3を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する薄膜トランジスタ表示板100と対向基板200、及びその間に入っている液晶層3を含む。薄膜トランジスタ表示板100は、複数のゲート線GL、複数対のデータ線DLa、DLb、及び複数の維持電極線SLを含む信号線と、これに接続された複数の画素PXとを含む。
【0037】
各画素PXは、一対の副画素PXa、PXbを含み、副画素PXa、PXbは、スイッチング素子Qa、Qb、液晶キャパシタClca、Clcb、及びストレージキャパシタ(storage capacitor)Csta、Cstbを含む。
【0038】
スイッチング素子Qa、Qbは、薄膜トランジスタ表示板100に備えられた薄膜トランジスタであって、制御端子はゲート線GLと接続され、入力端子はデータ線DLa、DLbと接続され、出力端子は液晶キャパシタClca、Clcb及びストレージキャパシタCsta、Cstbと接続されている。
【0039】
液晶キャパシタClca、Clcbは、副画素電極191a、191bと共通電極270とを二端子とし、二端子の間の液晶層3部分を誘電体として形成される。
【0040】
液晶キャパシタClca、Clcbの補助的な役割を果たすストレージキャパシタCsta、Cstbは、基板100に具備された維持電極線SLと副画素電極191a、191bが、絶縁体を介在して重畳して形成され、維持電極線SLには共通電圧Vcomなどの定められた電圧が印加される。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、
図5は、
図4の薄膜トランジスタ表示板のV‐V線に沿った断面図であり、
図6は、
図4の薄膜トランジスタ表示板のVI‐VI線に沿った断面図であり、
図7は、
図4の薄膜トランジスタ表示板のVII‐VII線に沿った断面図である。
【0042】
図4乃至
図6を参照すると、複数のゲート線121及び複数の維持電極線131、135が形成されている。
【0043】
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向にのびている。各ゲート線121は、上に突出した複数の第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを含む。
【0044】
維持電極線は、ゲート線121と実質的に平行にのびた幹線131と、これからのび出た複数の維持電極135とを含む。維持電極線131、135の形状及び配置は種々の形態に変更できる。
【0045】
ゲート線121及び維持電極線131、135の上にはゲート絶縁膜140が形成され、ゲート絶縁膜140の上には非晶質または結晶質ケイ素などを含む複数の半導体154a、154bが形成されている。
【0046】
半導体154a、154bの上には、それぞれ複数対のオーミックコンタクト部材161a、161b、163b、165b、165a、165bが形成され、オーミックコンタクト部材161a、161b、163a、163b、165a、165bは、金属シリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質を含むことができる。
【0047】
オーミックコンタクト部材161a、161b、163b、165b、165a、165b及びゲート絶縁膜140の上には、複数対のデータ線171a、171bと、複数対の第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bとが形成されている。また、周辺領域PAには、データ線171a、171bと同一層に維持電圧供給線174が形成されている。維持電圧供給線174は、ほぼ列方向に形成され、複数の維持電極線131を電気的に接続する。
【0048】
データ線171a、171bは、データ信号を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121及び維持電極線の幹線131と交差する。データ線171a、171bは、第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124bに向かってのび、U字状に曲がった第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含み、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bは、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを中心として第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと対向する。
【0049】
第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bと、第1ソース電極173及び第2ソース電極173bと、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bとは、第1半導体154a及び第2半導体154bと共に第1薄膜トランジスタQa及び第2薄膜トランジスタQbを成す。
【0050】
オーミックコンタクト部材161a、161b、163a、163b、165a、165bは、その下の半導体154a、154bとその上のデータ線171a、171b、及びドレイン電極175a、175bの間にだけ存在し、これらの間のコンタクト抵抗を低くする。
【0051】
データ線171a、171b、ドレイン電極175a、175b、及び露出した半導体154a、154b部分の上には、窒化ケイ素、酸化ケイ素などを含む下部保護膜180pが形成されている。
【0052】
下部保護膜180pの上には、カラーフィルタ230R、230G、230Bと第1着色部材220が順次に形成されている。この時、カラーフィルタ230R、230G、230Bと第1着色部材220は、前述した説明した内容が同一に適用される。
【0053】
第1着色部材220の上には上部保護膜180qが形成されている。上部保護膜180qは感光性を有する有機物質で形成できる。また、上部保護膜180qは、画素電極191とデータ線171a、171bとのカップリング現象を減少させ、基板を平坦化するために、その厚さが1.0μm以上であり得る。上部保護膜180qは、カラーフィルタ230R、230G、230Bから流入する溶媒などの有機物によって液晶層3が汚染されることを防止することにより、残像などの液晶表示装置の不良を防止する。
【0054】
上部保護膜180q、カラーフィルタ230B、及び下部保護膜180pには、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bを露出する複数のコンタクトホール185a、185bが形成されている。
【0055】
上部保護膜180qの上には、複数の画素電極191と、接続部材192とが形成されている。複数の画素電極191と接続部材192は、ITO、IZOなどの同一の材料を含むことができ、同一の工程で形成できる。
【0056】
図4を参照すると、各画素電極191は、間隙91を間において互いに分離されている第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含む。
【0057】
第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bの全体的な形状は四角形である。画素電極191の全体で第2副画素電極191bが占める面積が、第1副画素電極191aが占める面積より大きいこともある。
【0058】
第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bは、コンタクトホール185a、185bによって第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと物理的、電気的に接続され、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受ける。
【0059】
図7を参照すると、接続部材192は、互いに異なる層に形成される維持電極線131と維持電圧供給線174とを、コンタクトホール183a、183bによって電気的に接続する。
【0060】
複数の画素電極191と接続部材192の上には、第2着色部材240a、240b、240c、240dが形成されている。第2着色部材240a、240b、240c、240dは、前述した内容が同一に適用される。第2着色部材240a、240b、240c、240dの上には、下部配向膜11が形成されている。
【0061】
<第3実施形態>
以下、
図8を参照して、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0062】
図8は、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタの表示板を示す断面図である。
【0063】
図3乃至
図4の薄膜トランジスタ表示板における第1着色部材220の上には上部保護膜180qと画素電極191aとが順に形成されるが、これとは異なって
図8の薄膜トランジスタ表示板における第1着色部材220は画素電極191aの上に形成されている。つまり、
図8の薄膜トランジスタ表示板では画素電極191aが形成された後に第1着色部材220が形成される。したがって、第1着色部材220と画素電極191の上下位置関係を除いては、前述した
図3乃至
図7の薄膜トランジスタ表示板の説明が類似に適用される。
【0064】
<第4実施形態>
以下、
図9を参照して、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0065】
図9は、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタの表示板を示す断面図である。
【0066】
図3乃至
図4の薄膜トランジスタ表示板における各カラーフィルタ230R、230G、230Bは互いに離隔しているが、これとは異なって
図9の薄膜トランジスタ表示板における各カラーフィルタ230R、230G、230Bは互いに重畳している。
図9に示したように、各カラーフィルタ230R、230G、230Bが互いに重畳した位置に第2着色部材240aが形成されているため、データ線171の上部で液晶が正常に動ける。各カラーフィルタ230R、230G、230Bが互いに重畳していることを除いては、前述した
図3乃至
図7の薄膜トランジスタ表示板の説明が類似に適用される。
【0067】
<薄膜トランジスタ表示板の製造方法の一例>
以下、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ表示板の製造方法について詳細に説明する。カラーフィルタ230R、230G、230B、第1着色部材220及び第2着色部材240a、240b、240c、240dに対して前述した説明が類似に適用される。
【0068】
基板110の上にスイッチング素子などの薄膜トランジスタ層120を形成する。薄膜トランジスタ層120の上に開口部231を含むカラーフィルタ230R、230G、230Bを形成する。カラーフィルタ230R、230G、230Bの上に陰性または陽性感光性物質を含む第1着色部材220を積層する。次に、フォトリソグラフィ工程によって第1着色部材220が開口部231の全体を覆うようにパターニングする。陰性感光性物質を用いる場合、第1着色部材220が形成される領域は光を全て透過するマスクの透過領域に対応し、陽性感光性物質を用いる場合、第1着色部材220が形成される領域は光を全て遮断するマスクの非透過領域に対応する。したがって、スリット、半透明膜などを利用したハーフトーンマスク(half-tone mask)を利用しなくてもよいので、安定したパターニングが可能である。しかし、最初に第1着色部材220を形成した後に、カラーフィルタ230R、230G、230Bを形成することもできる。
【0069】
第1着色部材220の上に陽性または陰性感光性物質を含む第2着色部材240a、240b、240c、240dを積層する。次に、1つのマスクを利用したフォトリソグラフィ工程によって、カラーフィルタ230R、230G、230Bの間、各カラーフィルタ230R、230G、230Bの上、及び周辺領域PAに位置するように第2着色部材240a、240b、240c、240dをパターニングする。この時、カラーフィルタ230R、230G、230Bの間、青色カラーフィルタ230R、230G、230Bの上、及び周辺領域PAに第2着色部材240a、240b、240cが形成される領域は、陰性感光性物質を用いる場合、全てマスクの透過領域に対応し、陽性感光性物質を用いる場合、全てマスクの非透過領域に対応する。一方、赤色カラーフィルタ230Rと緑色カラーフィルタ230Gの上に第2着色部材240dが形成される領域は、光を一部だけ透過するマスクの半透過領域に対応する。この時、第2着色部材240dは、補助柱型間隔保持部材の役割を果たすので、工程のマージン(margin)が大きい。または、補助柱型間隔保持部材が形成されないこともある。したがって、第2着色部材240a、240b、240c、240dのパターンが安定的に形成できる。
【0070】
さらに、画素電極190と接続部材192を形成する工程が進められる。この場合、画素電極190及び接続部材192の形成工程は第1着色部材220の形成前や形成後に全て進められる。
【0071】
また、薄膜トランジスタ層120は、次のような方法で形成できる。
【0072】
基板110の上にゲート電極124a、124bを含むゲート線121を形成し、ゲート線121を含む基板110の上にゲート絶縁膜140、不純物がドーピングされない非晶質シリコン層、不純物がドーピングされた非晶質シリコン層、及びデータ導電層を順次に積層する。次に、データ導電層上に感光膜(図示せず)を塗布し、スリットマスクなどを用いて厚さの異なる感光パターンを形成する。そして、感光パターンをマスクとしてデータ導電層、不純物がドーピングされた非晶質シリコン層、及び不純物がドーピングされない非晶質シリコン層を1次エッチングして半導体154a、154bを形成した後、データ導電層を2次エッチングしてソース電極173a、173bを含むデータ線171a、171b及びドレイン電極175a、175bを形成する。
【0073】
ソース電極173a、173b及びドレイン電極175a、175bをマスクとして、これらの間に露出している非晶質シリコン層を除去し、オーミックコンタクト層161a、161b、163a、163b、165a、165bを形成する。次に、データ線171a、171b、ドレイン電極175a、175b、及びゲート絶縁膜140の上に下部保護膜180pを形成する。
【0074】
薄膜トランジスタと電極を形成する方法は、通常の薄膜形成方法である薄膜蒸着、写真エッチングによるパターニングなどの方法を用いることができる。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるわけではなく、請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。