【実施例1】
【0014】
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
図1乃至
図4に示すように本発明に係るコンベヤシステム1は、搬入コンベヤ3と、該搬入コンベヤ3に対して所定の間隔をおいて直線状に配置される第1搬出コンベヤ5と、上記両コンベヤ3・5間に配置される搬送路変更コンベヤ7と、搬送路変更コンベヤ7の側方にて搬入コンベヤ3及び第1搬出コンベヤ5による搬送方向と直交する方向に搬送路を有した第2搬出コンベヤ9とから構成される。
【0015】
上記搬入コンベヤ3、第1搬出コンベヤ5及び第2搬出コンベヤ9は、同様な構造のため、共通の構成に付いては、搬入コンベヤ3を例に共通の符号を付して構造を説明し、第1搬出コンベヤ5及び第2搬出コンベヤ9の説明を省略する。
【0016】
即ち、搬入コンベヤ3は、所定の間隔をおいて相対して固定された一対の支持フレーム11の搬入側及び搬出側に回転可能に支持され、搬送方向と直交する方向に軸線を有した搬入側回転軸13及び搬出側回転軸15と、各回転軸13・15の軸端側にそれぞれ固定された歯付きプーリ等の回転体17・19と、各回転体17・19間にそれぞれ掛渡されたベルト等の搬送部材21とから構成される。
【0017】
搬入コンベヤ3における搬出側回転軸15の一方端部は、第2搬出コンベヤ9側へ突出して第1駆動力継断手段25に連結される。第1搬出コンベヤ5における搬入側回転軸13の一方端部は、第2搬出コンベヤ9と反対側へ突出して第2駆動力継断手段27に連結される。第2搬出コンベヤ9における搬入側回転軸13の一方端部は、搬入コンベヤ3側へ突出して第3駆動力継断手段29に連結される。
【0018】
上記第1乃至第3駆動力継断手段25,27、29は、同様な構造のため、第1搬出コンベヤ5の第2駆動力継断手段27を例に説明し、第1及び第3駆動力継断手段25,29に付いては、同一の符号を付して説明を省略する。即ち、第2駆動力継断手段25は、搬送方向に対して所要の間隔をおいて回転可能に軸支された歯付きプーリ等の一対の回転体31・33と、これら回転体31・33に掛渡された歯付きベルト等の走行帯35と、他方の回転体33に同心状に設けられ、中心部の内周面に多数の係合溝37aが周方向に形成された截頭円錐形状の係合凹部37bを有したボス37とから構成される。そして一方の回転体31には、上記搬出側回転軸15の一方端部が連結される。
【0019】
なお、第1駆動力継断手段25にあっては、一方の回転体31に対して搬入コンベヤ5における搬出側回転軸15の一方端部が連結される。また、第3駆動力継断手段29にあっては、一方の回転体31に対して第2搬出コンベヤ9における搬入側回転軸13の一方端部が連結される。
【0020】
上記搬入コンベヤ3の搬入側回転軸13又は第1搬出コンベヤ5の搬出側回転軸15には、第1搬送駆動部材を構成する電動モータ39が駆動連結される。図は、第1搬出コンベヤ5の搬出側回転軸15に電動モータ39を駆動連結した例を示す。また、第2搬出コンベヤ9の搬出側回転軸15には、搬入コンベヤ3、第1搬出コンベヤ5とは独立した第2搬送駆動部材を構成する電動モータ40が駆動連結される。
【0021】
搬送路変更コンベヤ7は、所定の間隔をおいて相対して固定された一対の支持フレーム41の搬入側及び搬出側にて搬送方向と直交する方向に軸線を有し、かつ軸線方向へ摺動可能で、回転可能に軸支された搬入側回転軸43及び搬出側回転軸45と、各回転軸43・45の軸端側にそれぞれ固定された歯付きプーリ等の回転体47・49と、各回転体47・49間にそれぞれ掛渡されたベルト等の搬送部材51とから構成される。
【0022】
また、上記支持フレーム41の搬出側には、作動軸53が軸線方向へスライドするように軸支され、上記支持フレーム41から外側へ突出した作動軸53の軸端部には、支持フレーム41から外側へ突出し、搬出側回転軸45の軸端部に軸線方向へ摺動するように支持された作動板55が固定される。そして支持フレーム41と作動板55の間に位置する作動軸53の軸端部には、圧縮ばね57がそれぞれ卷装され、これら圧縮ばね57のばね力により上記作動軸53をその軸線方向中心が搬送路変更コンベヤ7の装置中心に位置するように付勢する。また、上記作動軸53の軸線方向中央部には、後述する回動走行部材81に固定される固定部材58が固定される。
【0023】
搬送路変更コンベヤ7における搬入側回転軸43の一方軸端部には、搬入コンベヤ3における第1駆動力継断手段25のボス37に対して挿嵌する第1連結部材59が取り付けられる。該第1連結部材59は、対応するボス37の係合凹部37bに対して挿嵌可能な截頭円錐形状で、外周面に多数の係合爪部59aが周方向へ所定の間隔をおいて係合溝37aへ係合可能に形成される。
【0024】
また、上記作動板55の外側へそれぞれ突出した搬出側回転軸45の各軸端部には、第1搬出コンベヤ5における第2駆動力継断手段27のボス37及び第2搬出コンベヤ9における第3駆動力継断手段29のボス37に対して選択的に挿嵌する第2及び第3連結部材63・65がそれぞれ取り付けられる。該第2及び第3連結部材63・65は、対応するボス37の係合凹部37bに対して挿嵌可能な截頭円錐形状で、外周面に多数の係合爪部63a・65aが周方向へ所定の間隔をおいて係合溝37aへ係合可能に形成される。上記第2及び第3連結部材63・65は、作動板55との間に位置する搬出側回転軸45の周りに卷装された圧縮ばね67・69のばね力により搬出側回転軸45の軸端側へそれぞれ付勢される。
【0025】
上記搬送路変更コンベヤ7は、回動中心が搬出側回転軸45側に設定され、固定盤71に設けられた軸73に対して回動するように軸支される。また、第1搬出コンベヤ5側の図示する前方角部を除いた上記固定盤71の各角部には、スプロケットや歯付きプーリ等で回動部材の一部を構成する回転体75が回転可能に軸支され、その内の1個の回転体75には、数値制御可能なサーボモータ等で回動部材の一部を構成する電動モータ77が駆動連結される。
【0026】
また、上記固定盤71には、走行ガイド板79が、第1搬出コンベヤ5側の図示する後方角部から搬入コンベヤ3の前方角部に亘って設けられる。該走行ガイド板79は、第1搬出コンベヤ5側の図示する後方角部側と搬入コンベヤ3の前方角部側に直線部79a及びこれら直線部79a間にて所要の角度幅(本例では、90度幅)の円弧部79bが一体に設けられる。
【0027】
そして走行ガイド板79には、各回転体75に噛合わされたチェーン、歯付きベルト等の回動走行部材81が摺動して走行可能に支持される。また、該回動走行部材81には、上記固定部材58が固定され、該回動走行部材81が円弧部79bを走行する際に固定部材58で連結された搬送路変更コンベヤ7を軸73を中心に所要の角度、本例では90度、回動させると共に該回動走行部材81が直線部79aを走行する際に搬送路変更コンベヤ7の搬出側回転軸45を軸線方向へ移動させる。
【0028】
次に、上記のように構成されたコンベヤシステム1による製品の搬送作用を説明する。
先ず、搬入コンベヤ3上に移載された製品を第1搬出コンベヤ5へ直線状に搬送する場合に付いて説明すると、電動モータ77を駆動して回動走行部材81を図示する実線矢印方向へ走行し、固定部材58により連結された搬送路変更コンベヤ7を、軸73を中心に
図5に示す実線矢印方向へ回動して搬入側端部を搬入コンベヤ3の搬出側に、又搬出側を第1搬出コンベヤ5の搬入側にそれぞれ位置するように回動させる。
【0029】
上記搬送路変更コンベヤ7の回動により搬送路変更コンベヤ7における搬入側回転軸43の第1連結部材59を第1駆動力継断手段25におけるボス37の係合凹部37b内に挿嵌して係合爪部59aを係合溝37aに係合して駆動連結させると共に搬出側回転軸45の第2連結部材63を第2駆動力継断手段27におけるボス37の係合凹部37b内に挿嵌して係合爪部59aを係合溝37aに係合して連結させる。
【0030】
第2駆動力継断手段27のボス37に対して第2連結部材63が挿嵌して駆動連結する際に、回動走行部材81における固定部材58の固定個所が走行ガイド板79における第1搬出コンベヤ5側の直線部79aに沿って走行すると、連結板58が固定された作動軸53が第2駆動力継断手段27側へ移動し、作動板55を介して搬出側回転軸45を第2駆動力継断手段27のボス37に向かって直線状に移動して第2連結部材63を係合させる。(
図6参照)
【0031】
また、第2駆動力継断手段27におけるボス37の係合凹部37bに対して第2連結部材63が挿嵌する際に、係合爪部63aは係合溝37aと必ずしも一致せず、非係合状態になって連結が不完全になる場合がある。この場合にあっては、第2連結部材63は、搬出側回転軸45の軸端部に対して圧縮ばね67のばね力に抗して軸線方向の中央側へ移動して係合凹部37bへの挿嵌が可能にされる。
【0032】
そして後述するように電動モータ39の駆動により第1搬出コンベヤ5における搬入側回転軸13に連結された第2駆動力継断手段27のボス37が回転した際、それぞれの係合溝37aに対して対応する係合爪部63aを係合して連結させる。
【0033】
上記状態にて電動モータ39の駆動により第1搬出コンベヤ5の搬出側回転軸15を回転して搬送部材21を
図5に示す実施線矢印方向へ走行させると、該走行に伴って搬入側回転軸13が回転してボス37に駆動連結された第2連結部材63を介して搬送路変更コンベヤ7における搬出側回転軸45を回転して搬送部材51を
図5に示す実線矢印方向へ走行させる。また、該搬送部材51の走行により搬送路変更コンベヤ7の搬入側回転軸43が回転してボス37に連結された第1連結部材59を介して搬入コンベヤ3の搬出側回転軸15を回転して搬送部材21を
図5に示す実線矢印方向へ走行させる。
【0034】
即ち、第1搬出コンベヤ5に設けられた単一の電動モータ39により第1搬出コンベヤ5の搬送部材21、搬送路変更コンベヤ7の搬送部材51及び搬入コンベヤ3の搬送部材21をそれぞれ同期して一致する方向へ走行し、搬入コンベヤ3上に移載された製品を、搬送路変更コンベヤ7を経由して第1搬出コンベヤ5へ直線状に搬送させる。
【0035】
一方、製品の搬送路を搬入コンベヤ3から第2搬出コンベヤ9へ変更するには、上記搬送路が直線状の状態で搬入コンベヤ3上に載置された製品が搬入コンベヤ3、第1搬出コンベヤ5及び搬送路変更コンベヤ7の一体搬送により搬送路変更コンベヤ7上に移載されたタイミングで第1搬出コンベヤ5の電動モータ39の駆動を停止させる。
【0036】
次に、電動モータ77を駆動して回動走行部材81を
図7に示す実線矢印方向へ走行し、固定部材58により連結された搬送路変更コンベヤ7を、軸73を中心に図示する時計方向へ回動して搬出側端部を第2搬出コンベヤ9の搬入側に接続するように回動させる。
【0037】
上記搬送路変更コンベヤ7の回動により第1駆動力継断手段25のボス37に対する搬送路変更コンベヤ7における搬入側回転軸43の第1連結部材59の係合及び第2駆動力継断手段27のボス37に対する搬送路変更コンベヤ7における搬出側回転軸45の第2連結部材63の係合を解除させると共に搬送路変更コンベヤ7における搬出側回転軸45の第3連結部材65を第3駆動力継断手段29におけるボス37の係合凹部37b内に挿嵌して係合爪部59aを係合溝37aに係合させる。
【0038】
第3駆動力継断手段29のボス37に対して第3連結部材65が挿嵌して連結する際に、回動走行部材81における固定部材58の固定個所が走行ガイド板79における第2搬出コンベヤ9側の直線部79aに沿って走行すると、
図6に示す動作と同様に固定部材58が固定された作動軸53が第3駆動力継断手段29側へ移動し、作動板55を介して搬出側回転軸45を第3駆動力継断手段29のボス37に向かって直線状に移動して第3連結部材65を係合させる。
【0039】
なお、第3駆動力継断手段29におけるボス37の係合凹部37bに対して第3連結部材65が挿嵌する際に係合爪部65aは係合溝37aと必ずしも一致せず、非係合状態になって連結が不完全になる場合がある。この場合にあっては、上記と同様に第3連結部材65は、搬出側回転軸45の軸端部に対して圧縮ばね69のばね力に抗して軸線方向の中央側へ移動して係合凹部37bへの挿嵌を可能にさせる。
【0040】
上記状態にて第2搬出コンベヤ9の電動モータ39を駆動して第2搬出コンベヤ9の搬出側回転軸15を回転して搬送部材21を
図7に示す実施線矢印方向へ走行させると、該走行に伴って搬入側回転軸13が回転してボス37に駆動連結された第3連結部材65を介して搬送路変更コンベヤ7における搬出側回転軸45を回転して搬送部材51を
図7に示す実線矢印方向へ走行させる。
【0041】
即ち、第2搬出コンベヤ9に設けられた単一の電動モータ39により第2搬出コンベヤ9及び搬送路変更コンベヤ7をそれぞれ同期して一致する方向へ搬送駆動して搬送路変更コンベヤ7上の製品を第2搬出コンベヤ9へ搬送させる。
【0042】
本実施例は、製品を直線方向へ搬送する場合には、搬送路変更コンベヤ7の回動に伴って第1連結部材59を搬入コンベヤ3の第1駆動力継断手段25に、第2連結部材63を第1搬出コンベヤ5の第2駆動力継断手段27にそれぞれ連結し、第1搬出コンベヤ5の搬送駆動力により搬送路変更コンベヤ7、搬入コンベヤ3を一体に搬送駆動して製品を搬送することができる。
【0043】
また、製品を直交方向へ搬送する場合には、搬送路変更コンベヤ7の回動に伴って搬送路変更コンベヤ7の第3連結部材65を第2搬出コンベヤ9の第3駆動力継断手段29に連結し、第2搬出コンベヤ5の搬送駆動力により搬送路変更コンベヤ7を一体に搬送駆動して製品を搬送することができる。
【0044】
更に、搬送路変更コンベヤ7の搬送方向を変更する回動走行部材81を走行支持する走行ガイド板79に直線部79bを設け、第2連結部材63を第1搬出コンベヤ5の第2駆動力継断手段27に、また第3連結部材65を第2搬出コンベヤ9の第3駆動力継断手段29に連結する際に、それぞれの駆動力継断手段27,29に対して対応する連結部材63,65を直線状に移動して連結を確実に行うことができる。
【0045】
上記説明は、搬入コンベヤ3及び第1搬出コンベヤ5による直線状の搬送路に対して搬送路変更コンベヤ7を回動して搬送路を90度の角度で変更して第2搬出コンベヤ9へ接続する例を示したが、搬送路の変更角度はこれに限定されず、任意に設定することができる。その場合、回動走行部材81を走行可能に支持する走行ガイド板79における円弧部79bを所望の角度に対応する円弧とすればよい。