特許第5700895号(P5700895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5700895
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】ねじ込み式鋼管杭
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/28 20060101AFI20150326BHJP
   E02D 5/56 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   E02D5/28
   E02D5/56
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-532136(P2014-532136)
(86)(22)【出願日】2014年2月7日
(86)【国際出願番号】JP2014052935
【審査請求日】2014年7月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592198404
【氏名又は名称】千代田工営株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】市川 和臣
(72)【発明者】
【氏名】林 正宏
【審査官】 ▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−324419(JP,A)
【文献】 特開平10−131178(JP,A)
【文献】 特開平09−195271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/24 − 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の鋼管よりも外径が大きい円形状鋼板を略扇形状に分割して形成された複数の鋼製板が、前記鋼管の中心軸に直交する方向に対して傾斜し、かつ該鋼管の中空部を遮る態様で前記鋼管の周方向に沿って取り付けられてなるねじ込み式鋼管杭であって、
前記鋼管の中心軸が地面に対して直交した姿勢に配置することで該地面に形成される投影形状のうち最も径方向の長さが小さくなる部分となる前記複数の鋼製板のうち最も先端となる個所において、前記鋼管の中心軸回りに回転する場合に自身の軌跡が前記投影形状のうち最も径方向の長さが大きくなる部分の軌跡に近づくよう前記個所を有する鋼製板よりも径方向外部に突出して配設された犠牲部材を備えたねじ込み式鋼管杭。
【請求項2】
前記鋼管の先端部に円周方向に沿って複数形成され、かつそれぞれの先端面が前記円周方向の一方から他方に向けて漸次先端側に傾斜して成る取付部を備え、
前記鋼製板は、それぞれ対応する前記取付部の先端面に沿って取り付けられた請求項1に記載のねじ込み式鋼管杭。
【請求項3】
前記円形状鋼板の外径に対する前記犠牲部材の径方向外部へ突出する長さの比は、0.05以下である請求項1又は請求項2に記載のねじ込み式鋼管杭。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ込み式鋼管杭に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転力が与えられることにより、ねじの作用で地盤中に埋設されるねじ込み式鋼管杭として、図10の(a)及び図11の(a)に示すように、鋼管100と、複数(図示の例では2つ)の鋼製板200a,200bとを備えたものが知られている。尚、これら図10及び図11に示すねじ込み式鋼管杭においては、先端側を下方、杭頭側を上方として説明する。
【0003】
鋼管100は、内部に中空部110を有した円筒状の形態を成すものである。この鋼管100の先端部には複数(図示の例では2つ)の取付部120a,120bが形成されている。取付部120a,120bは、鋼管100の先端部に円周方向に沿ってそれぞれ形成されている。これら取付部120a,120bは、それぞれの先端面が円周方向の一方から他方に向けて漸次下方側に向けて傾斜する傾斜面を構成している。ここで例示する取付部120a,120bは、先端面の延在長さ、並びに先端面の傾斜角が互いに等しいものである。
【0004】
鋼製板200a,200bは、それぞれが鋼管100よりも外径が大きい円形状鋼板を2分割して形成された半円状を成すものである。一方の鋼製板200aは、一方の先端面に沿って取り付けられることで、鋼管100の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この鋼製板200aの外周部は、図10の(b)及び図11の(b)に示すように、鋼管100の径方向外部に向けて突出している。
【0005】
他方の鋼製板200bは、他方の先端面に沿って取り付けられることで、鋼管100の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この鋼製板200bの外周部は、図10の(b)及び図11の(b)に示すように、鋼管100の径方向外部に向けて突出している。
【0006】
そして、上述したように2つの取付部120a,120bは、先端面の延在長さ及び傾斜角が互いに等しいものであるから、それぞれの取付部120a,120bに取り付けられる鋼製板200a,200bの傾斜角も互いに等しいものとなる。
【0007】
かかる構成を有するねじ込み式鋼管杭は、鋼管100の中心軸L回りに回転力が与えられると、鋼製板200a,200bの突出部分によるねじの作用で地盤中に埋設される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−324419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述したような特許文献1に提案されているねじ込み式鋼管杭では、鋼製板200a,200bがそれぞれ鋼管100の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられているため、一方の鋼製板200aでは傾斜下端部210aと傾斜上端部220aとが形成され、他方の鋼製板200bでは傾斜下端部210bと傾斜上端部220bとが形成される。そして、ねじ込み式鋼管杭が鋼管100の中心軸L回りに回転力が与えられると、一方の鋼製板200aにおいては傾斜下端部210aが地盤中に最初に貫入する部分となり、他方の鋼製板200bにおいては傾斜下端部210bが地盤中に最初に貫入する部分となる。上述したように2つの鋼製板200a,200bの傾斜角は互いに等しいものであるから、傾斜下端部210aと傾斜下端部210bとは、2つの鋼製板200a,200bにおいて最も下方に位置する部分となり、2つの鋼製板200a,200bにおいて地盤中に最初に貫入する始端部となる。
【0010】
また、上記ねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板200a,200bがそれぞれ鋼管100の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられているため、鋼管100の中心軸Lが地面に対して直交するよう配置した場合に、図10の(c)及び図11の(c)に示すように、該地面に対する鋼製板200a,200bの投影形状が楕円となる。この場合において、傾斜下端部210aと傾斜上端部220aとを結ぶ線分Eが楕円の短軸となり、一方の鋼製板200aの傾斜下端部210aより図10の(c)及び図11の(c)において反時計回りに90°回転した位置となる中央部230aと、他方の鋼製板200bの傾斜下端部210bより反時計回りに90°回転した位置となる中央部230bとを結ぶ線分Fが楕円の長軸となる。
【0011】
そのため、かかるねじ込み式鋼管杭を鋼管100の中心軸L回りに回転させて地盤中に貫入させると、鋼製板200aの傾斜下端部210aから中央部230aに至る領域と、鋼製板200bの傾斜下端部210bから中央部230bに至る領域とが地盤に接触して各鋼製板200a,200bの外周部が全体に亘って摩耗してしまう虞れがあった。このような摩耗の結果、摩耗量が増大すると、各鋼製板200a,200bの面積及び板厚の減少を招来し、結果として良好な地盤支持力を得ることが困難なものとなる虞れがあった。
【0012】
尚、上記問題を解決するために、鋼管100の中心軸Lが地面に対して直交するよう配置した場合に、該地面に対する鋼製板200a,200bの投影形状が円となるよう鋼製板200a,200bの形状を調整することも可能である。しかしながら、投影形状は、鋼管100の軸方向に直交する方向に対する鋼製板200a,200bの傾斜角度により容易に変化してしまうものであるため、取り付けられる傾斜角度毎に応じて鋼製板200a,200bの形状を適宜変化させる必要があり、ねじ込み式鋼管杭の製造が煩雑なものとなって実用的ではない。
【0013】
また、図10及び図11では、2つの取付部120a,120bにおける先端面の延在長さ及び傾斜角が互いに等しい例を示したが、これら取付部120a,120bの傾斜角が異なる場合でも、すなわちそれぞれの取付部120a,120bに取り付けられる鋼製板200a,200bの傾斜角が異なる場合でも同様の問題が生ずることはいうまでもない。
【0014】
本発明は、上記実情に鑑みて、鋼製板の摩耗量を低減して良好な地盤支持力を得ることができるねじ込み式鋼管杭を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るねじ込み式鋼管杭は、円筒状の鋼管よりも外径が大きい円形状鋼板を略扇形状に分割して形成された複数の鋼製板が、前記鋼管の中心軸に直交する方向に対して傾斜し、かつ該鋼管の中空部を遮る態様で前記鋼管の周方向に沿って取り付けられてなるねじ込み式鋼管杭であって、前記鋼管の中心軸が地面に対して直交した姿勢に配置することで該地面に形成される投影形状のうち最も径方向の長さが小さくなる部分となる前記複数の鋼製板のうち最も先端となる個所において、前記鋼管の中心軸回りに回転する場合に自身の軌跡が前記投影形状のうち最も径方向の長さが大きくなる部分の軌跡に近づくよう前記個所を有する鋼製板よりも径方向外部に突出して配設された犠牲部材を備えたものである。
【0016】
ここで、「鋼管の中空部を遮る」とは、鋼管の軸方向に沿って該鋼管の先端側から中空部を見た場合に、該中空部が複数の鋼製板で略閉塞されることをいい、より具体的には、特開2009−209674号公報等のように複数の鋼製板の中央域に土砂等を取り込むための開口が形成されていないことをいう。
【0017】
また本発明は、上記ねじ込み式鋼管杭において、前記鋼管の先端部に円周方向に沿って複数形成され、かつそれぞれの先端面が前記円周方向の一方から他方に向けて漸次先端側に傾斜して成る取付部を備え、前記鋼製板は、それぞれ対応する前記取付部の先端面に沿って取り付けられたものである。
【0018】
また本発明は、上記ねじ込み式鋼管杭において、前記円形状鋼板の外径に対する前記犠牲部材の径方向外部へ突出する長さの比は、0.05以下である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、犠牲部材が、複数の鋼製板のうち最も先端となる個所において該個所を有する鋼製板よりも径方向外部に突出する態様で配設されているので、犠牲部材が地盤に接触して摩耗することにより鋼製板の外周部が摩耗する割合を減少させることができる。この結果、ねじ込み式鋼管杭が地盤中に埋設された場合に、鋼製板の摩耗量が低減されて、鋼製板は十分な面積及び板厚を有し、これにより支持体として大きな地盤支持力を得ることができる。従って、鋼製板の摩耗量を低減させて、良好な地盤支持力を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1の(a)は、本発明の実施の形態1であるねじ込み式鋼管杭の要部の正面図である。図1の(b)は、(a)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。図1の(c)は、(a)及び(b)のねじ込み式鋼管杭を鋼管の中心軸が地面に直交するよう配置した場合における該ねじ込み式鋼管杭の投影形状を示す説明図である。
図2図2の(a)は、本発明の実施の形態1であるねじ込み式鋼管杭の要部の右側面図である。図2の(b)は、(a)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。図2の(c)は、(a)及び(b)のねじ込み式鋼管杭を鋼管の中心軸が地面に直交するよう配置した場合における該ねじ込み式鋼管杭の投影形状を示す説明図である。
図3図3は、図1及び図2に示した鋼管の先端部を示す斜視図である。
図4図4は、図1及び図2に示したねじ込み式鋼管杭の施工例を模式的に示す説明図である。
図5-1】図5−1の(a)は、本発明の実施の形態2であるねじ込み式鋼管杭の要部の正面図である。図5−1の(b)は、(a)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。図5−1の(c)は、(a)及び(b)のねじ込み式鋼管杭を鋼管の中心軸が地面に直交するよう配置した場合における該ねじ込み式鋼管杭の投影形状を示す説明図である。
図5-2】図5−2は、本発明の実施の形態2であるねじ込み式鋼管杭の変形例を示す平面図である。
図6図6の(a)は、本発明の実施の形態3であるねじ込み式鋼管杭の要部の正面図である。図6の(b)は、(a)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。
図7図7の(a)は、本発明の実施の形態4であるねじ込み式鋼管杭の要部の正面図である。図7の(b)は、(a)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。
図8図8は、本発明の実施の形態1のねじ込み式鋼管杭の変形例の要部を拡大して示す拡大側面図である。
図9図9は、本発明の実施の形態1のねじ込み式鋼管杭の他の変形例の要部を拡大して示す拡大側面図である。
図10図10の(a)は、従来のねじ込み式鋼管杭の要部の正面図である。図10の(b)は、(a)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。図10の(c)は、(a)及び(b)のねじ込み式鋼管杭を鋼管の中心軸が地面に直交するよう配置した場合における該ねじ込み式鋼管杭の投影形状を示す説明図である。
図11図11の(a)は、従来のねじ込み式鋼管杭の要部の右側面図である。図11の(b)は、(a)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。図11の(c)は、(a)及び(b)のねじ込み式鋼管杭を鋼管の中心軸が地面に直交するよう配置した場合における該ねじ込み式鋼管杭の投影形状を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るねじ込み式鋼管杭の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
<実施の形態1>
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態1であるねじ込み式鋼管杭の一例を示すものである。図1の(a)は、ねじ込み式鋼管杭の要部の正面図であり、図1の(b)は、図1の(a)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。図2の(a)は、ねじ込み式鋼管杭の要部の右側面図であり、図2の(b)は、図2の(b)のねじ込み式鋼管杭の平面図である。ここに例示するねじ込み式鋼管杭は、鋼管10と、複数(図示の例では2つ)の鋼製板20a,20bとを備えて構成されている。尚、これら図1及び図2に示すねじ込み式鋼管杭においては、先端側を下方、杭頭側を上方として説明する。
【0023】
鋼管10は、内部に中空部11を有した円筒状の形態を成すものである。この鋼管10の先端部には、図3に示すように、複数(図示の例では2つ)の取付部12a,12bが形成されている。尚、図3では、取付部12a,12bを示しやすくするように、先端側を上方、杭頭側を下方となるように示している。
【0024】
これら取付部12a,12bは、鋼管10の先端部を円周方向に2等分することにより、該先端部の円周方向に沿って形成されている。より詳細に説明すると、取付部12aは、段部13a,13bを介した状態で他の取付部12bに隣接しており、それぞれの先端面12a1,12b1が円周方向の一方から他方に向けて漸次上方に向けて傾斜している。つまり、一方の取付部12aの先端面12a1は、一方の段部13aの下端から他方の段部13bの上端に連続するよう傾斜して形成されており、他方の取付部12bの先端面12b1は、他方の段部13bの下端から一方の段部13aの上端に連続するよう傾斜して形成されている。
【0025】
ここで段部13a,13bの高さhは、ねじ込み式鋼管杭を埋設する地盤G(図4参照)の状態、鋼管10の外径(以下、杭径ともいう)、鋼製板20a,20bの数等によって適宜決められるが、杭径に対する比が0.1〜0.5程度であることが望ましい。
【0026】
尚、ここで例示する2つの取付部12a,12bは、先端面12a1,12b1の延在長さ、並びに先端面12a1,12b1の傾斜角が互いに等しいものである。
【0027】
鋼製板20a,20bは、それぞれが鋼管10よりも外径が大きい円形状鋼板を2分割して形成されるもので、半円状を成している。ここで円形状鋼板の外径(以下、翼径ともいう)は、ねじ込み式鋼管杭を埋設する地盤Gの状態、鋼管10の外径、鋼製板20a,20bの数等によって適宜決められる。また、円形状鋼板の材質は、SM490材やSM570材相当の強度を有するものが用いられており、その厚み(板厚)は、10〜100mm程度とされる。
【0028】
一方の鋼製板20aは、一方の取付部12aの先端面12a1に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管10の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この鋼製板20aの外周部は、図1の(b)及び図2の(b)にも示すように、鋼管10の径方向外部に向けて突出している。また、この鋼製板20aにおいては、鋼管10の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部21aと傾斜上端部22aとが形成されている。
【0029】
他方の鋼製板20bは、他方の取付部12bの先端面12b1に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管10の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この鋼製板20bの外周部は、図1の(b)及び図2の(b)にも示すように、鋼管10の径方向外部に向けて突出している。また、この鋼製板20bにおいては、鋼管10の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部21bと傾斜上端部22bとが形成されている。
【0030】
そして、上述したように2つの取付部12a,12bは、先端面12a1,12b1の延在長さ及び傾斜角が互いに等しいものであるから、それぞれの取付部12a,12bに取り付けられる鋼製板20a,20bの傾斜角も互いに等しいものとなる。これにより、傾斜下端部21aと傾斜下端部21bとは、2つの鋼製板20a,20bにおいて最も下方に位置する部分となり、傾斜上端部22aと傾斜上端部22bとは、2つの鋼製板20a,20bにおいて最も上方に位置する部分となる。
【0031】
このようなねじ込み式鋼管杭においては、杭径に対する翼径の比が例えば1.5〜3とされる。
【0032】
図1中の符号14は、閉塞部材である。閉塞部材14は、例えば三角形状を成す板状体であり、段部13a,13bが形成されることにより鋼管10の先端部において側方に開口する部分を閉塞するものである。尚、本実施の形態1では、閉塞部材14により閉塞しているが、本発明においてはかかる部分を閉塞しなくてもよい。これはかかる部分の開口面積が小さいために鋼管の内部に土砂等が侵入しないからである。但し、本実施の形態1のように該部分を閉塞部材14で閉塞することによりねじ込み式鋼管杭の強度を向上させることができる。
【0033】
このようなねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板20a,20bは円形状鋼板を分割して構成されるものであるので、図1の(b)及び図2の(b)に示すように、鋼管10の先端開口が、鋼製板20a,20bにより略閉塞されてこれら鋼製板20a,20bの中央域に土砂取り込み用の開口が形成されていない閉端構造となっている。
【0034】
上記ねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板20a,20bがそれぞれ鋼管10の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられているため、鋼管10の中心軸Lが地面に対して直交するよう配置した場合に、図1の(c)及び図2の(c)に示すように、地面に対する鋼製板20a,20bの投影形状が楕円となる。この場合において、傾斜下端部21a,21bと傾斜上端部22a,22bとを結ぶ線分Aが楕円の短軸となり、一方の鋼製板20aの傾斜下端部21aより図1の(c)及び図2の(c)において反時計回りに90°回転した位置となる中央部23aと、他方の鋼製板20bの傾斜下端部21bより反時計回りに90°回転した位置となる中央部23bとを結ぶ線分Bが楕円の長軸となる。
【0035】
上記鋼製板20a,20bにおいては、最も下方に位置する傾斜下端部21a,21bの下面にそれぞれ犠牲部材25が溶接等により取り付けられている。これら犠牲部材25は、例えば掘削刃等により構成されるもので、図1に示すように上方あるいは正面から見た場合に矩形状をなし、図2に示すように右方から見た場合に平行四辺形状を成す直方体である。これら犠牲部材25の材質は、特に限定されるものではなく、掘削対象となる地盤の強度に応じてその強度が適宜選択されるものである。
【0036】
これら犠牲部材25は、対応する傾斜下端部21a,21bにおいて、該傾斜下端部21a,21bを有する鋼製板20a,20bよりも径方向外部に突出するよう取り付けられている。ここで、犠牲部材25の鋼製板20a,20bからの突出長さ(張り出し長さ)は、翼径に対する犠牲部材25の径方向外部へ突出する長さの比が0.05以下であることが好ましい。翼径に対する犠牲部材25の径方向外部の突出長さの比がこのような範囲にあることにより、ねじ込み式鋼管杭が鋼管10の中心軸回りに回転することによる犠牲部材25の軌跡が上記長軸を形成する中央部23aの軌跡に近づけることができる。
【0037】
ここで具体的な寸法例を示すと、鋼管10の外径が1000mm、鋼製板20a,20bの傾きが14.4°で、投影形状(楕円)の長軸が2000mmで、短軸が1937mmとなる場合、犠牲部材25の径方向外部への突出長さは、31.5mmに調整されるのが望ましい。
【0038】
上記構成を有するねじ込み式鋼管杭を用いた施工例を、図4を用いて説明する。図4の(a)に示すように、回転力を付与して鋼管10の中心軸L回りに回転させてねじ込み式鋼管杭を地面gに接地させる。この場合、一方の鋼製板20aにおいては傾斜下端部21aが地盤Gに最初に貫入する部分であり、他方の鋼製板20bにおいては傾斜下端部21bが地盤Gに最初に貫入する部分となる。しかも、これら2つの傾斜下端部21a,21bは、2つの鋼製板20a,20bにおいて最も下方に位置する部分であるから、2つの鋼製板20a,20bにおいて地盤G中に最初に貫入する始端部となる。
【0039】
次に、図4の(b)に示すように、2つの鋼製板20a,20bの突出部分のねじの作用により、ねじ込み式鋼管杭が地盤G中にねじ込まれる。この場合、犠牲部材25は、鋼管10の中心軸L回りに回転することによる自身の軌跡が中央部23a,23bの軌跡と略一致する。この犠牲部材25は、地盤Gに接触して摩耗しても鋼製板20a,20bの外周部が摩耗する割合を減少させることで鋼製板20a,20bの摩耗量を低減させる。
【0040】
この結果、図4の(c)に示すように、ねじ込み式鋼管杭が地盤G中に埋設された場合に、鋼製板20a,20bの摩耗量が低減されて、鋼製板20a,20bは十分な面積及び板厚を有し、これにより支持体として大きな地盤支持力を得ることができる。
【0041】
従って、本発明の実施の形態1であるねじ込み式鋼管杭によれば、鋼製板20a,20bの摩耗量を低減させて、良好な地盤支持力を得ることができる。
【0042】
また、上記ねじ込み式鋼管杭によれば、犠牲部材25が、2つの鋼製板20a,20bにおいて最も下方(先端)となる傾斜下端部21a,21bに鋼製板20a,20bの径方向外部に突出するよう取り付けられているので、硬い地盤Gに対して行うように、鋼管10の中心軸L回りに正回転させて地盤G中にねじ込んだ後に一旦逆回転させて引き抜き、再度正回転させて地盤G中にねじ込むような施工を行っても、鋼製板20a,20bの傾斜下端部21a,21bと地盤Gとの間に隙間が形成されることを抑制し、直進性及び安定性に優れた施工を実施することができる。
【0043】
更に、上記ねじ込み式鋼管杭によれば、犠牲部材25を傾斜下端部21a,21bに配設しただけなので、鋼製板の投影形状が円となるよう鋼製板の形状を調整するのに比べて、ねじ込み式鋼管杭の製造を容易なものとすることができる。
【0044】
<実施の形態2>
図5−1は、本発明の実施の形態2であるねじ込み式鋼管杭の一例を示すものである。図5−1の(a)は、ねじ込み式鋼管杭の要部の正面図であり、図5−1の(b)は、ねじ込み式鋼管杭の平面図である。尚、この図5−1に示すねじ込み式鋼管杭においては、先端側を下方、杭頭側を上方として説明する。
【0045】
ここに例示するねじ込み式鋼管杭は、鋼管30と、複数(図示の例では2つ)の鋼製板40a,40bとを備えて構成されている。
【0046】
鋼管30は、内部に中空部31を有した円筒状の形態を成すものである。この鋼管30の先端部には、複数(図示の例では2つ)の取付部32a,32bが形成されている。これら取付部32a,32bは、鋼管30の先端部を円周方向に2等分することにより、該先端部の円周方向に沿って形成されている。
【0047】
より詳細に説明すると、取付部32aは、上記円周方向の一方側の一端部から該円周方向の他方側の他端部に向けて先端面32a1が漸次上方に向けて傾斜する態様で形成されている。また、取付部32bは、上記円周方向の一方側の一端部から該円周方向の他方側の他端部に向けて図示せぬ先端面が漸次上方に向けて傾斜する態様で形成されている。これら取付部32aと取付部32bとでは、取付部32aの他端部と取付部32bの一端部とが連続し、かつ取付部32aの一端部と取付部32bの他端部とが段部33aを介して連続している。つまり、取付部32aと取付部32bとは見かけ上は一体のものであり、取付部32aの先端面32a1が段部33aの下端から取付部32bの一端部に連続するよう傾斜して形成されており、取付部32bの先端面が取付部32aの他端部から段部33aの上端に連続するよう傾斜して形成されている。尚、本実施の形態2においては、取付部32aの先端面32a1の傾斜角と、取付部32bの先端面の傾斜角とは略等しいものであるが、本発明においては、傾斜角が異なっていてもよい。
【0048】
鋼製板40a,40bは、それぞれが鋼管30よりも外径が大きい円形状鋼板を分割して形成されるもので、半円状を成している。ここで円形状鋼板の外径(以下、翼径ともいう)は、ねじ込み式鋼管杭を埋設する地盤の状態、鋼管30の外径(以下、杭径ともいう)、鋼製板40a,40bの数等によって適宜決められる。また、円形状鋼板の材質は、SM490材やSM570材相当の強度を有するものが用いられており、その厚み(板厚)は、10〜100mm程度とされる。
【0049】
一方の鋼製板40aは、一方の取付部32aの先端面32a1に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管30の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この鋼製板40aの外周部は、図5−1の(b)にも示すように、鋼管30の径方向外部に向けて突出している。また、この鋼製板40aにおいては、鋼管30の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部41aと傾斜上端部42aとが形成されている。
【0050】
他方の鋼製板40bは、他方の取付部32bの先端面に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管30の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この鋼製板40bの外周部は、図5−1の(b)にも示すように、鋼管30の径方向外部に向けて突出している。また、この鋼製板40bにおいては、鋼管30の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部41bと傾斜上端部42bとが形成されている。
【0051】
そして、上述したように取付部32aの他端部と取付部32bの一端部とが連続し、かつ取付部32aの一端部と取付部32bの他端部とが段部33aを介して連続していることから、鋼管30の外周部の一部の下方、すなわち取付部32aの他端部と取付部32bの一端部とが連続する部分で2つの鋼製板40a,40bが互いに交差して配設されている。また、このように鋼管30の外周部の一部の下方で2つの鋼製板40a,40bが互いに交差していることで、この交差部分から傾斜下端部41bまでの離間距離よりも該交差部分から傾斜下端部41aまでの離間距離の方が長くなり、これにより、鋼製板40aの傾斜下端部41aが傾斜下端部41bよりも下方に位置し、2つの鋼製板40a,40bにおいて鋼製板40aの傾斜下端部41aが最も下方に位置する部分となる。
【0052】
このようなねじ込み式鋼管杭においては、杭径に対する翼径の比が例えば1.5〜3とされる。
【0053】
また、上記ねじ込み式鋼管杭においても、上述した実施の形態1と同様に、段部33aが形成されることにより鋼管30の先端部において側方に開口する部分(図示せず)が形成されており、かかる部分は図示せぬ閉塞部材により閉塞されている。尚、本実施の形態2では、鋼管30の先端部において側方に開口する部分を図示せぬ閉塞部材により閉塞しているが、本発明においてはかかる部分を閉塞しなくてもよい。これはかかる部分の開口面積が小さいために鋼管の内部に土砂等が侵入しないからである。但し、本実施の形態2のように該部分を閉塞部材で閉塞することによりねじ込み式鋼管杭の強度を向上させることができる。
【0054】
そして、このようなねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板40a,40bは円形状鋼板を分割して構成されるものであるので、図5−1の(b)に示すように、鋼管30の先端開口が、鋼製板40a,40bにより略閉塞されてこれら鋼製板40a,40bの中央域に土砂取り込み用の開口が形成されていない閉端構造となっている。
【0055】
上記ねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板40a,40bがそれぞれ鋼管30の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられているため、鋼管30の中心軸Lが地面に対して直交するよう配置した場合に、図5−1の(c)に示すように、地面に対する鋼製板40a,40bの投影形状が楕円となる。かかる投影形状において、一方の鋼製板40aの傾斜下端部41aと鋼管30の中心軸Lを通る線分Cが最も短い径(以下、短径ともいう)となり、一方の鋼製板40aの傾斜上端部42aより図5−1の(c)において時計回りに90°回転した位置となる中央部44aと、他方の鋼製板40bの傾斜下端部41bより反時計回りに90°回転した位置となる中央部44bとを結ぶ線分Dが最も長い径(長径ともいう)となる。
【0056】
上記鋼製板40a,40bにおいては、最も下方に位置する傾斜下端部41aの下面に犠牲部材45が溶接等により取り付けられている。これら犠牲部材45は、例えば掘削刃等により構成されるものである。この犠牲部材45の材質は、特に限定されるものではなく、掘削対象となる地盤の強度に応じてその強度が適宜選択されるものである。
【0057】
この犠牲部材45は、傾斜下端部41aにおいて、該傾斜下端部41aを有する鋼製板40aよりも径方向外部に突出するよう取り付けられている。ここで、犠牲部材45の鋼製板40aからの突出長さ(張り出し長さ)は、翼径に対する犠牲部材45の径方向外部へ突出する長さの比が0.05以下であることが好ましい。翼径に対する犠牲部材45の径方向外部の突出長さの比がこのような範囲にあることにより、ねじ込み式鋼管杭が鋼管30の中心軸L回りに回転することによる犠牲部材45の軌跡が上記長径を形成する中央部44a,44bの軌跡に近づけることができる。
【0058】
上記構成を有するねじ込み式鋼管杭に回転力を付与して鋼管30の中心軸L回りに回転させて地面に接地させる場合、一方の鋼製板40aにおいては傾斜下端部41aが地盤に最初に貫入する部分であり、他方の鋼製板40bにおいては傾斜下端部41bが地盤に最初に貫入する部分となるが、一方の鋼製板40aの傾斜下端部41aが、2つの鋼製板40a,40bにおいて最も下方に位置する部分であるから、地盤中に最初に貫入する始端部となる。
【0059】
そして、2つの鋼製板40a,40bの突出部分のねじの作用により、ねじ込み式鋼管杭が地盤中にねじ込まれる場合、犠牲部材45は、鋼管30の中心軸L回りに回転することによる自身の軌跡が中央部44a,44bの軌跡と略一致する。この犠牲部材45は、地盤に接触して摩耗することにより鋼製板40a,40bの外周部が摩耗する割合を減少させることで鋼製板40a,40bの摩耗量を低減させる。
【0060】
この結果、ねじ込み式鋼管杭が地盤中に埋設された場合に、鋼製板40a,40bの摩耗量が低減されて、鋼製板40a,40bは十分な面積及び板厚を有し、これにより支持体として大きな地盤支持力を得ることができる。
【0061】
従って、本発明の実施の形態2であるねじ込み式鋼管杭によれば、鋼製板40a,40bの摩耗量を低減させて、良好な地盤支持力を得ることができる。
【0062】
また、上記ねじ込み式鋼管杭によれば、犠牲部材45が、2つの鋼製板40a,40bにおいて最も下方(先端)となる傾斜下端部41aに鋼製板40aの径方向外部に突出するよう取り付けられているので、硬い地盤に対して行うように、鋼管30の中心軸L回りに正回転させて地盤中にねじ込んだ後に一旦逆回転させて引き抜き、再度正回転させて地盤中にねじ込むような施工を行っても、鋼製板40aの傾斜下端部41aと地盤との間に隙間が形成されることを抑制し、直進性及び安定性に優れた施工を実施することができる。
【0063】
更に、上記ねじ込み式鋼管杭によれば、犠牲部材45を傾斜下端部41aに配設しただけなので、鋼製板の投影形状が円となるよう鋼製板の形状を調整するのに比べて、ねじ込み式鋼管杭の製造を容易なものとすることができる。
【0064】
図5−2は、本発明の実施の形態2であるねじ込み式鋼管杭の変形例を示す平面図である。上述した実施の形態2であるねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板40aは半円状を成しているものであったが、本発明においては、この図5−2に示すように、鋼製板40a′は鋼管30の径外側となる一部分が切り欠かれた形状を成すものであってもよい。このような鋼製板40a′においても傾斜下端部41a′に犠牲部材45が鋼製板40a′の径方向外部に突出するよう取り付けられている。
【0065】
上述した実施の形態1と2では、2つの鋼製板20a,20b,40a,40bを備えたねじ込み式鋼管杭について説明したが、本発明のねじ込み式鋼管杭は、鋼製板の数が2つに限られず、3つの鋼製板を備えたねじ込み式鋼管杭、4つの鋼製板を備えたねじ込み式鋼管杭であっても良い。以下に説明する。
【0066】
<実施の形態3>
図6は、本発明の実施の形態3であるねじ込み式鋼管杭の一例を示すものである。図6の(a)は、ねじ込み式鋼管杭の要部の正面図であり、図6の(b)は、ねじ込み式鋼管杭の平面図である。ここに例示するねじ込み式鋼管杭は、鋼管50と、3つの鋼製板60a,60b,60cとを備えて構成されている。尚、この図6に示すねじ込み式鋼管杭においては、先端側を下方、杭頭側を上方として説明する。
【0067】
鋼管50は、内部に中空部51を有した円筒状の形態を成すものである。この鋼管50の先端部には、3つの取付部52a,52b,52cが形成されている。
【0068】
これら取付部52a,52b,52cは、鋼管50の先端部を円周方向に3等分することにより、該先端部の円周方向に沿って形成されている。より詳細に説明すると、取付部52a,52b,52cは、段部53を介した状態で他の取付部52a,52b,52cに隣接しており、それぞれの先端面が円周方向の一方から他方に向けて漸次上方に向けて傾斜している。ここで段部53の高さは互いに等しいものである。尚、ここで例示する3つの取付部52a,52b,52cは、先端面の延在長さ、並びに先端面の傾斜角が互いに等しいものである。
【0069】
鋼製板60a,60b,60cは、それぞれが鋼管50よりも外径が大きい円形状鋼板を3分割して形成されるもので、扇形状を成している。ここで円形状鋼板の外径(以下、翼径ともいう)は、ねじ込み式鋼管杭を埋設する地盤の状態、鋼管50の外径(以下、杭径ともいう)、鋼製板60a,60b,60cの数等によって適宜決められる。また、円形状鋼板の材質は、SM490材やSM570材相当の強度を有するものが用いられており、その厚み(板厚)は、10〜100mm程度とされる。
【0070】
第1鋼製板60aは、第1取付部52aの先端面に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管50の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この第1鋼製板60aの外周部は、図6の(b)にも示すように、鋼管50の径方向外部に向けて突出している。また、この第1鋼製板60aにおいては、鋼管50の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部61aと傾斜上端部62aとが形成されている。
【0071】
第2鋼製板60bは、第2取付部52bの先端面に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管50の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この第2鋼製板60bの外周部は、図6の(b)にも示すように、鋼管50の径方向外部に向けて突出している。また、この第2鋼製板60bにおいては、鋼管50の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部61bと傾斜上端部62bとが形成されている。
【0072】
第3鋼製板60cは、第3取付部52cの先端面に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管50の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この第3鋼製板60cの外周部は、図6の(b)にも示すように、鋼管50の径方向外部に向けて突出している。また、この第3鋼製板60cにおいては、鋼管50の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部61cと傾斜上端部62cとが形成されている。
【0073】
そして、上述したように3つの取付部52a,52b,52cは、先端面の延在長さ及び傾斜角が互いに等しいものであるから、それぞれの取付部52a,52b,52cに取り付けられる鋼製板60a,60b,60cの傾斜角も互いに等しいものとなる。これにより、傾斜下端部61a,61b,61cは、3つの鋼製板60a,60b,60cにおいて最も下方に位置する部分となる。
【0074】
このようなねじ込み式鋼管杭においては、杭径に対する翼径の比が例えば1.5〜3とされる。
【0075】
図6中の符号64は、閉塞部材である。閉塞部材64は、例えば三角形状を成す板状体であり、段部53が形成されることにより鋼管50の先端部において側方に開口する部分を閉塞するものである。尚、本実施の形態3では、閉塞部材64により閉塞しているが、本発明においてはかかる部分を閉塞しなくてもよい。これはかかる部分の開口面積が小さいために鋼管の内部に土砂等が侵入しないからである。但し、本実施の形態3のように該部分を閉塞部材64で閉塞することによりねじ込み式鋼管杭の強度を向上させることができる。
【0076】
このようなねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板60a,60b,60cは円形状鋼板を分割して構成されるものであるので、図6の(b)に示すように、鋼管50の先端開口が、鋼製板60a,60b,60cにより略閉塞されてこれら鋼製板60a,60b,60cの中央域に土砂取り込み用の開口が形成されていない閉端構造となっている。
【0077】
尚、図6の(b)に示すように、互いに隣り合う鋼製板60a,60b,60c間には僅かに隙間が形成されている。かかる隙間については、そのまま残しておいてもよいし、例えば複数の鋼製板60a等の内角の総和が360°を超えるようにして上方(杭頭側)若しくは下方(先端側)から見た場合に隙間が現れないようにしてもよい。
【0078】
上記鋼製板60a,60b,60cにおいては、最も下方に位置する傾斜下端部61a,61b,61cの下面にそれぞれ犠牲部材65が溶接等により取り付けられている。これら犠牲部材65は、例えば掘削刃等により構成されるものである。これら犠牲部材65の材質は、特に限定されるものではなく、掘削対象となる地盤の強度に応じてその強度が適宜選択されるものである。
【0079】
これら犠牲部材65は、対応する傾斜下端部61a,61b,61cにおいて、該傾斜下端部61a,61b,61cを有する鋼製板60a,60b,60cよりも径方向外部に突出するよう取り付けられている。ここで、犠牲部材65の鋼製板60a,60b,60cからの突出長さ(張り出し長さ)は、翼径に対する犠牲部材65の径方向外部へ突出する長さの比が0.05以下であることが好ましい。
【0080】
上記ねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板60a,60b,60cがそれぞれ鋼管50の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられているため、鋼管50の中心軸LLが地面に対して直交するよう配置した場合に地面に形成される投影形状において、各鋼製板60a,60b,60cの傾斜下端部61a,61b,61cと鋼管50の中心軸Lを通る線分が最も短い径となる。
【0081】
上記構成を有するねじ込み式鋼管杭に回転力を付与して鋼管50の中心軸L回りに回転させて地面に接地させる場合、第1鋼製板60aにおいては傾斜下端部61aが地盤に最初に貫入する部分であり、第2鋼製板60bにおいては傾斜下端部61bが地盤に最初に貫入する部分となり、第3鋼製板60cにおいては傾斜下端部61cが地盤に最初に貫入する部分となる。しかも、これら3つの傾斜下端部61a,61b,61cは、3つの鋼製板60a,60b,60cにおいて最も下方に位置する部分であるから、3つの鋼製板60a,60b,60cにおいて地盤中に最初に貫入する始端部となる。
【0082】
そして、3つの鋼製板60a,60b,60cの突出部分のねじの作用により、ねじ込み式鋼管杭が地盤中にねじ込まれる場合、犠牲部材65は、鋼管50の中心軸L回りに回転することにより、地盤に接触して摩耗することで鋼製板60a,60b,60cの外周部が摩耗する割合を減少させる。これにより鋼製板60a,60b,60cの摩耗量を低減させる。
【0083】
この結果、ねじ込み式鋼管杭が地盤中に埋設された場合に、鋼製板60a,60b,60cの摩耗量が低減されて、鋼製板60a,60b,60cは十分な面積及び板厚を有し、これにより支持体として大きな地盤支持力を得ることができる。
【0084】
従って、本発明の実施の形態3であるねじ込み式鋼管杭によれば、鋼製板60a,60b,60cの摩耗量を低減させて、良好な地盤支持力を得ることができる。
【0085】
また、上記ねじ込み式鋼管杭によれば、犠牲部材65が、3つの鋼製板60a,60b,60cにおいて最も下方(先端)となる傾斜下端部61a,61b,61cに鋼製板60a,60b,60cの径方向外部に突出するよう取り付けられているので、硬い地盤に対して行うように、鋼管50の中心軸L回りに正回転させて地盤中にねじ込んだ後に一旦逆回転させて引き抜き、再度正回転させて地盤中にねじ込むような施工を行っても、鋼製板60a,60b,60cの傾斜下端部61a,61b,61cと地盤との間に隙間が形成されることを抑制し、直進性及び安定性に優れた施工を実施することができる。
【0086】
更に、上記ねじ込み式鋼管杭によれば、犠牲部材65を傾斜下端部61a,61b,61cに配設しただけなので、鋼製板の投影形状が円となるよう鋼製板の形状を調整するのに比べて、ねじ込み式鋼管杭の製造を容易なものとすることができる。
【0087】
<実施の形態4>
図7は、本発明の実施の形態4であるねじ込み式鋼管杭の一例を示すものである。図7の(a)は、ねじ込み式鋼管杭の要部の正面図であり、図7の(b)は、ねじ込み式鋼管杭の平面図である。ここに例示するねじ込み式鋼管杭は、鋼管70と、4つの鋼製板80a,80b,80c,80dとを備えて構成されている。尚、この図7に示すねじ込み式鋼管杭においては、先端側を下方、杭頭側を上方として説明する。
【0088】
鋼管70は、内部に中空部71を有した円筒状の形態を成すものである。この鋼管70の先端部には、4つの取付部72a,72b,72c,72dが形成されている。
【0089】
これら取付部72a,72b,72c,72dは、鋼管70の先端部を円周方向に4等分することにより、該先端部の円周方向に沿って形成されている。より詳細に説明すると、取付部72a,72b,72c,72dは、段部73を介した状態で隣接しており、それぞれの先端面が円周方向の一方から他方に向けて漸次上方に向けて傾斜している。ここで段部73の高さは等しいものとする。尚、ここで例示する4つの取付部72a,72b,72c,72dは、先端面の延在長さ、並びに先端面の傾斜角が互いに等しいものである。
【0090】
鋼製板80a,80b,80c,80dは、それぞれが鋼管70よりも外径が大きい円形状鋼板を4分割して形成されるもので、扇形状を成している。ここで円形状鋼板の外径(以下、翼径ともいう)は、ねじ込み式鋼管杭を埋設する地盤の状態、鋼管70の外径(以下、杭径ともいう)、鋼製板80a,80b,80c,80dの数等によって適宜決められる。また、円形状鋼板の材質は、SM490材やSM570材相当の強度を有するものが用いられており、その厚み(板厚)は、10〜100mm程度とされる。
【0091】
第1鋼製板80aは、第1取付部72aの先端面に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この第1鋼製板80aの外周部は、図7の(b)にも示すように、鋼管70の径方向外部に向けて突出している。また、この第1鋼製板80aにおいては、鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部81aと傾斜上端部82aとが形成されている。
【0092】
第2鋼製板80bは、第2取付部72bの先端面に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この第2鋼製板80bの外周部は、図7の(b)にも示すように、鋼管70の径方向外部に向けて突出している。また、この第2鋼製板80bにおいては、鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部81bと傾斜上端部82bとが形成されている。
【0093】
第3鋼製板80cは、第3取付部72cの先端面に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この第3鋼製板80cの外周部は、図7の(b)にも示すように、鋼管70の径方向外部に向けて突出している。また、この第3鋼製板80cにおいては、鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部81cと傾斜上端部82cとが形成されている。
【0094】
第4鋼製板80dは、第4取付部72dの先端面に沿って溶接等により取り付けられることで、鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられている。この第4鋼製板80dの外周部は、図7の(b)にも示すように、鋼管70の径方向外部に向けて突出している。また、この第4鋼製板80dにおいては、鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられていることにより、傾斜下端部81dと傾斜上端部82dとが形成されている。
【0095】
そして、上述したように4つの取付部72a,72b,72c,72dは、先端面の延在長さ及び傾斜角が互いに等しいものであるから、それぞれの取付部72a,72b,72c,72dに取り付けられる鋼製板80a,80b,80c,80dの傾斜角も互いに等しいものとなる。これにより、傾斜下端部81a,81b,81c,81dは、4つの鋼製板80a,80b,80c,80dにおいて最も下方に位置する部分となる。
【0096】
このようなねじ込み式鋼管杭においては、杭径に対する翼径の比が例えば1.5〜3とされる。
【0097】
上記ねじ込み式鋼管杭においては、図には明示していないが、段部73が形成されることにより鋼管70の先端部において側方に開口する部分(図示せず)が形成されており、かかる部分は図示せぬ閉塞部材により閉塞されている。尚、本実施の形態4では、鋼管70の先端部において側方に開口する部分を図示せぬ閉塞部材により閉塞しているが、本発明においてはかかる部分を閉塞しなくてもよい。これはかかる部分の開口面積が小さいために鋼管の内部に土砂等が侵入しないからである。但し、本実施の形態4のように該部分を閉塞部材で閉塞することによりねじ込み式鋼管杭の強度を向上させることができる。
【0098】
そして、このようなねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板80a,80b,80c,80dは円形状鋼板を分割して構成されるものであるので、図7の(b)に示すように、鋼管70の先端開口が、鋼製板80a,80b,80c,80dにより略閉塞されてこれら鋼製板80a,80b,80c,80dの中央域に土砂取り込み用の開口が形成されていない閉端構造となっている。
【0099】
尚、図7の(b)に示すように、互いに隣り合う鋼製板80a,80b,80c,80d間には僅かに隙間が形成されている。かかる隙間については、そのまま残しておいてもよいし、例えば複数の鋼製板80a等の内角の総和が360°を超えるようにして上方(杭頭側)若しくは下方(先端側)から見た場合に隙間が現れないようにしてもよい。
【0100】
上記鋼製板80a,80b,80c,80dにおいては、最も下方に位置する傾斜下端部81a,81b,81c,81dの下面にそれぞれ犠牲部材85が溶接等により取り付けられている。これら犠牲部材85は、例えば掘削刃等により構成されるものである。これら犠牲部材85の材質は、特に限定されるものではなく、掘削対象となる地盤の強度に応じてその強度が適宜選択されるものである。
【0101】
これら犠牲部材85は、対応する傾斜下端部81a,81b,81c,81dにおいて、該傾斜下端部81a,81b,81c,81dを有する鋼製板80a,80b,80c,80dよりも径方向外部に突出するよう取り付けられている。ここで、犠牲部材85の鋼製板80a,80b,80c,80dからの突出長さ(張り出し長さ)は、翼径に対する犠牲部材85の径方向外部へ突出する長さの比が0.05以下であることが好ましい。
【0102】
上記ねじ込み式鋼管杭においては、鋼製板80a,80b,80c,80dがそれぞれ鋼管70の軸方向に直交する方向に対して傾斜して取り付けられているため、鋼管70の中心軸Lが地面に対して直交するよう配置した場合に地面に形成される投影形状において、各鋼製板80a,80b,80c,80dの傾斜下端部81a,81b,81c,81dと鋼管70の中心軸Lを通る線分が最も短い径となる。
【0103】
上記構成を有するねじ込み式鋼管杭に回転力を付与して鋼管70の中心軸L回りに回転させて地面に接地させる場合、第1鋼製板80aにおいては傾斜下端部81aが地盤に最初に貫入する部分であり、第2鋼製板80bにおいては傾斜下端部81bが地盤に最初に貫入する部分となり、第3鋼製板80cにおいては傾斜下端部81cが地盤に最初に貫入する部分となり、第4鋼製板80dにおいては傾斜下端部81dが地盤に最初に貫入する部分となる。しかも、これら4つの傾斜下端部81a,81b,81c,81dは、4つの鋼製板80a,80b,80c,80dにおいて最も下方に位置する部分であるから、4つの鋼製板80a,80b,80c,80dにおいて地盤中に最初に貫入する始端部となる。
【0104】
そして、4つの鋼製板80a,80b,80c,80dの突出部分のねじの作用により、ねじ込み式鋼管杭が地盤中にねじ込まれる場合、犠牲部材85は、鋼管70の中心軸L回りに回転することにより地盤に接触して摩耗することで、鋼製板80a,80b,80c,80dの外周部が摩耗する割合を減少させる。これにより鋼製板80a,80b,80c,80dの摩耗量を低減させる。
【0105】
この結果、ねじ込み式鋼管杭が地盤中に埋設された場合に、鋼製板80a,80b,80c,80dの摩耗量が低減されて、鋼製板80a,80b,80c,80dは十分な面積及び板厚を有し、これにより支持体として大きな地盤支持力を得ることができる。
【0106】
従って、本発明の実施の形態4であるねじ込み式鋼管杭によれば、鋼製板80a,80b,80c,80dの摩耗量を低減させて、良好な地盤支持力を得ることができる。
【0107】
また、上記ねじ込み式鋼管杭によれば、犠牲部材85が、4つの鋼製板80a,80b,80c,80dにおいて最も下方(先端)となる傾斜下端部81a,81b,81c,81dに鋼製板80a,80b,80c,80dの径方向外部に突出するよう取り付けられているので、硬い地盤に対して行うように、鋼管70の中心軸L回りに正回転させて地盤中にねじ込んだ後に一旦逆回転させて引き抜き、再度正回転させて地盤中にねじ込むような施工を行っても、鋼製板80a,80b,80c,80dの傾斜下端部81a,81b,81c,81dと地盤との間に隙間が形成されることを抑制し、直進性及び安定性に優れた施工を実施することができる。
【0108】
更に、上記ねじ込み式鋼管杭によれば、犠牲部材85を傾斜下端部81a,81b,81c,81dに配設しただけなので、鋼製板の投影形状が円となるよう鋼製板の形状を調整するのに比べて、ねじ込み式鋼管杭の製造を容易なものとすることができる。
【0109】
以上、本発明の好適な実施の形態1〜4について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0110】
上述した実施の形態1では、犠牲部材25は、傾斜下端部21a,21bの下面に溶接等により取り付けられていたが、本発明においては、図8に示すように、犠牲部材25′が傾斜下端部21aの側面に溶接等により取り付けられていてもよいし、図9に示すように、犠牲部材25”が傾斜下端部21aの上面に溶接等により取り付けられていてもよい。
【0111】
上述した実施の形態1〜4では、各取付部12a等の先端面12a1等の傾斜角を同じものとして該取付部12a等に取り付けられる鋼製板20a等の傾斜角を等しいものとして説明したが、本発明においては、鋼製板の傾斜角がそれぞれ異なる態様で配設されてもよい。その場合、複数の鋼製板のうち最も先端に位置する傾斜下端部に犠牲部材を配設すればよい。
【0112】
上述した実施の形態1〜4では、複数の鋼製板20a等のうち最も先端に位置する傾斜下端部21a等に犠牲部材25等を取り付けたが、本発明においては、犠牲部材は、最も先端に位置する傾斜下端部以外の個所にも必要に応じて適宜配設してもよい。
【0113】
上述した実施の形態1〜4では、複数の鋼製板20a等は鋼管10等の先端部に取り付けられていたが、本発明においては、鋼製板は鋼管の先端部だけに限られず、その側周面に設けられていても良い。
【符号の説明】
【0114】
10 鋼管
11 中空部
12a 取付部
12b 取付部
13a 段部
13b 段部
20a 鋼製板
21a 傾斜下端部
22a 傾斜上端部
23a 中央部
20b 鋼製板
21b 傾斜下端部
22b 傾斜上端部
23b 中央部
25 犠牲部材
g 地面
G 地盤
L 中心軸
【要約】
円筒状の鋼管10よりも外径が大きい円形状鋼板を略扇形状に分割して形成された複数の鋼製板20a,20bが、鋼管10の軸方向に直交する方向に対して傾斜するよう鋼管10の周方向に沿って取り付けられたねじ込み式鋼管杭であって、複数の鋼製板20a,20bのうち最も先端となる傾斜下端部21a,21bにおいて鋼製板20a,20bよりも径方向外部に突出する態様で配設された犠牲部材25を備えたものである。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
図8
図9
図10
図11