(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700921
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20150326BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2009-230810(P2009-230810)
(22)【出願日】2009年10月2日
(65)【公開番号】特開2010-88883(P2010-88883A)
(43)【公開日】2010年4月22日
【審査請求日】2012年10月1日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0098576
(32)【優先日】2008年10月8日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597096909
【氏名又は名称】三星メディソン株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG MEDISON CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ジュン シク
【審査官】
冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−067794(JP,A)
【文献】
特表2005−526566(JP,A)
【文献】
特開2005−198916(JP,A)
【文献】
特開平01−262847(JP,A)
【文献】
特開2007−260188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントロールパネルと;
前記コントロールパネルの高さを調節する電動装置と;
接触を感知し、選択信号を生成する接触感知部と;
前記選択信号によって前記電動装置を制御する制御部と;を含み、
前記接触感知部は、圧力センサー、静電容量センサー及び温度センサーのうち少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機。
【請求項2】
前記コントロールパネルは、ハンドル部を有し、
前記接触感知部は、前記コントロールパネルの前記ハンドル部に装着されることを特徴とする請求項1に記載の接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機。
【請求項3】
前記接触感知部は、使用者の接触状態を表示するLEDを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機。
【請求項4】
前記選択信号は、前記接触感知部の接触時間によって分類されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機。
【請求項5】
前記電動装置は、電動で駆動されるブレーキを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機。
【請求項6】
前記超音波診断機は、前記制御部の出力により、前記電動装置の動作状態を表示する動作表示部をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機。
【請求項7】
前記動作表示部は、LED、スピーカー及びディスプレイのうち少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項6に記載の接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断機に関するもので、より詳細には、使用者の接触を感知する接触感知部及び電動で制動が可能な電動装置を用いてコントロールパネルの高さを調節できるようにした、接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、超音波診断機は、被検体の体表から体内の所望の部位に向かって超音波信号を照射し、反射された超音波信号(超音波エコー信号)の情報を用いて軟部組織の断層像や血流情報を無侵襲で得る装置である。この装置は、X線診断装置、CTスキャナー(Computerized Tomography Scanner)、MRI(Magnetic Resonance Image)、核医学診断装置などの他の画像診断装置と比較して、小型でかつ低廉である、実時間で表示可能である、X線などの被爆なしに安全性が高い、などの長所を有しており、心臓、腹部、泌尿器及び産婦人科診断のために広く用いられている。
【0003】
特に、従来の超音波診断機には、使用者(ユーザー)が使う測定モードと機能を選択し、ディスプレイ上に表示される超音波画像を最適化するためのコントロールパネルが備えられている。このコントロールパネルにはタッチスクリーンが設置されており、そこに表示されるメニューを選択してディスプレイ上に表示される超音波画像を最適化する。更にこのコントロールパネルには、ディスプレイ上に表示されたカーソルを移動させ、シネ映像から必要な映像を検索する機能を提供するトラックボールや、テキスト情報を入力し、測定モードによってそれをスキップする機能(短縮キー機能)を有するキーボード等も備わっている。
【0004】
上述した内容は、本発明の背景技術を理解するために記載したものであって、本発明の属する技術分野で広く知られた従来技術全てを意味するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の超音波診断機では、そこに取り付けてあるレバーなどの機械的手動装置を用いてコントロールパネルの高さ調節を行っていた。そのため、使用者(ユーザー)は、超音波診断時に高さ調節が必要な場合、診断を中止し、レバーを用いて手動でコントロールパネルの高さを調節しなければならなかった。したがって、このような不便さを改善する必要性が要請されていた。
【0006】
本発明は、上記のような必要性によってなされたもので、その目的は、使用者の接触を感知する接触感知部と電動で制動が可能な電動装置を用いて、使用者が便利に超音波診断を行えるように使用者との接触を通してコントロールパネルの高さを調節できるようにした超音波診断機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明において、超音波診断機は、コントロールパネルと、コントロールパネルの高さを調節する電動装置と、接触を感知して選択信号を生成する接触感知部と、選択信号によって前記電動装置を制御する制御部とを備える。
【0008】
本発明で、コントロールパネルは、ハンドル部を有し、接触感知部は、コントロールパネルのハンドル部に装着される。
【0009】
前記接触感知部は、使用者の接触状態を表示するLED(light emitting diode)であってよい。
【0010】
また、前記接触感知部は、圧力センサー、静電容量センサーおよび温度センサーのうち少なくとも何れか一つであってよい。
【0011】
前記の選択信号は、接触感知部の接触時間によって分類(区分)される。
【0012】
本発明の超音波診断機の電動装置は、電動で駆動されるブレーキを備えている。
【0013】
本発明の超音波診断機は、制御部の出力により電動装置の動作状態を表示する動作表示部を備えている。
【0014】
前記の動作表示部は、LED、スピーカー及びディスプレイのうち少なくとも何れか一つを備えている。
【発明の効果】
【0015】
以上の記載から明らかなように、本発明による超音波診断機を用いれば、使用者の接触を感知する接触感知部と、電動で制動が可能な電動装置を用いてコントロールパネルの高さを調節することができるので、使用者は、超音波診断時の操作を便利に行うことができるようになる。
【0016】
また、本発明の超音波診断機によれば、動作表示部を通して電動装置の動作状態と動作開始時刻を明確に把握し、決定することができるので、使用者が、コントロールパネルの高さを一層容易に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例に係る超音波診断機を概略的に示した構成図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る動作表示部を含む超音波診断機を示した構成図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機を示した例示図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る接触感知部を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して、本発明に係る接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機の一実施例を説明する。この説明過程で、図面に示した線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜のために誇張されて示されることがある。また、後述する各用語は、本発明の機能を考慮して定義された用語であり、使用者及び運用者の意図または慣例によって変わり得る。したがって、これら各用語は、本明細書の全般内容に基づいて定義されるべきである。
【0019】
図1は、本発明の一実施例に係る超音波診断機を概略的に示した構成図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施例に係る超音波診断機は、コントロールパネル10、電動装置20、接触感知部30及び制御部40で構成される。
【0021】
以下、本発明の一実施例に係る接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機の動作について具体的に説明する。
【0022】
超音波診断中にコントロールパネル10の高低を調節するため、使用者が接触感知部30を保持(把持)すると、接触感知部30は、使用者の接触を感知し、選択信号を生成する。
【0023】
ここで、接触感知部30は、圧力センサー、静電容量センサー及び温度センサーのうちの少なくとも何れか一つであって、そのセンサーを介して使用者の接触を感知し、選択信号を生成する。
【0024】
選択信号は、使用者の接触時間によって分別(classify)されるが、例えば、使用者が予め定めた設定時間以上に接触感知部30を保持していると、電動装置20を動作させる選択信号が生成される。ここで、設定時間は、たとえば、1秒ないし2秒である。
【0025】
選択信号が生成されると、制御部40は、その選択信号を受信し、電動装置20を制御する。そして、電動装置20は、制御部40の制御に従ってコントロールパネル10の高低を調節する。
【0026】
電動装置20は、電動で駆動されるブレーキを含んでおり、例えば、ブレーキをオン(on)したりオフ(off)したりすることができる。すなわち、使用者が設定時間以上に接触感知部30を保持していると、電動装置20は、制御部40の制御によって制動解除を行い、使用者はコントロールパネル10の高低を調節することができる。使用者が接触感知部30の接触を止めると、制御部40の制御によってブレーキが作動し、コントロールパネル10が使用者の望む高さに固定される
【0027】
本発明の一実施例において、接触感知部30は、コントロールパネル10のハンドル部に装着されており、LEDが、使用者と接触感知部30との接触状態を表示する。
【0028】
図2は、本発明の一実施例に係る動作表示部を含む超音波診断機を示した構成図である。
【0029】
図2を参照して動作表示部50を含む超音波診断機の動作について詳しく説明すると、上述したように、制御部40は、選択信号を受信し、それによって電動装置20を制御する。
【0030】
制御部40から電動装置20を制御するために制御信号が出力されると、動作表示部50は、制御部40からの出力を受け、電動装置20の動作状態を表示する。
【0031】
動作表示部50は、LED51、スピーカー52及びディスプレイ53のうち少なくとも何れか一つを有していれば良い。
【0032】
LED51が使用される場合を例に挙げて説明すると、使用者が設定時間以上に接触感知部30に接触していると、LED51は青色の光を放って、電動装置20の制動(ブレーキ)を解除する。一方、使用者が接触感知部30との接触を止めると、LEDは赤色の光を放ち、電動装置20のブレーキを作動させて制動が行われる。
【0033】
上記と同様に、スピーカー52が使用される場合、制御部40による制御信号の出力によって電動装置20の制動(ブレーキ)が解除されているときには、長いビープ音をスピーカー52に出力し、電動装置20のブレーキ動作によって制動が行われているときには、短いビープ音をスピーカー52に出力することで、使用者が電動装置20の動作状態を容易に認知することができる。
【0034】
更に、ディスプレイ53が使用される場合には、電動装置20の制動(ブレーキ)が解除されているとき、または制動が行われているとき、制御部40からの制御信号の出力によって、文字か図形を表示する。
【0035】
LED51、スピーカー52またはディスプレイ53のうちの一つのみを使用するのでなく、それらを協働させて使用すれば、使用者は、電動装置20の動作状態を一層容易に認知することができる。
【0036】
図3は、本発明の一実施例に係る接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機を示した例示図である。
【0037】
図3に示すように、使用者は、コントロールパネル10のハンドル部に装着された接触感知部30に接触することで、上述したように、コントロールパネル10の高低を調節することができる。また、動作表示部を構成するLED51、スピーカー52またはディスプレイ53を通して、使用者が電動装置20の動作状態を容易に認知することができる。
【0038】
図4は、本発明の一実施例に係る接触感知部を示した例示図である。
【0039】
図4に示すように、接触感知部30はLED31を備えており、使用者が接触感知部30へ接触しているか否かの状態を表示する。例えば、LED31は、使用者が接触感知部30に接触している間は黄色を表示し、使用者が接触感知部30との接触を止めると橙色を表示することで、使用者が、接触感知部30に接触しているか否かを判断することができる。
【0040】
上記のように、本発明に係る接触を通してコントロールパネルの高さ調節が可能な超音波診断機を用いれば、使用者の接触を感知する接触感知部と電動で制動が可能な電動装置によってコントロールパネルの高さを調節することができるので、使用者は超音波診断を便利に行うことができる。
【0041】
また、動作表示部に表示される情報から電動装置の動作状態と動作開始時刻を明確に把握することができるので、使用者がコントロールパネルの高さを調節するのが更に容易になる。
【0042】
本発明は、図面に示した実施例に基づいて説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術に属する分野で通常の知識を有する者であれば、この実施例を通して多様な変形及び同等な他の実施例を創案することが可能である。以上により、本発明の技術的な保護範囲は、下記に述べる特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0043】
10 コントロールパネル
20 電動装置
30 接触感知部
31,51 LED
40 制御部
50 動作表示部
52 スピーカー
53 ディスプレイ