【文献】
"騎士道",「アプリ STYLE VOL.6」,日本,株式会社イースト・プレス,2012年 1月15日,p.050-051,(特に、第050頁下方「クラスチェンジでカードグラフィックも大きく変化」の項)
【文献】
"ヴァイスシュヴァルツ ポータブル",「ゲーマガ 2011 9月号」,日本,ソフトバンク クリエイティブ株式会社,2011年 9月 1日,第28巻,第9号,p.79
【文献】
"「動く」「しゃべる」動画を利用したウェブサービスを展開 デジカメで撮った画像もオリジナルキャラクターに変身 オリエントコーポレーション",「CardWave 2005 10月号」,日本,(株)シーメディア,2005年 9月20日,第18巻,第10号,p.45
【文献】
"ヴァイスシュヴァルツ ポータブル",「電撃PlayStation Vol.506」,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2011年11月10日,第17巻,第32号,p.188-191,(特に、第191頁左方「C.X.M.(クライマックスモーション)アニメーションと音声でカードが動き出す!」の項)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のデジタルカードゲームでは、ゲーム上のオブジェクトであるカード上にキャラクタの画像を表示したものがユーザに付与されるが、同一のキャラクタについては、付与されるユーザとは無関係に同一の画像がカードに表示されている。つまり、同一のカードを所持しているユーザに対する、そのカードの提示態様は、ユーザによらず同一となっていた。このような状況では、カードを提示されるユーザにとっては面白みを感じることができず、ゲーム自体が飽きられる可能性がある。同一の画像のカードの流通量が多い場合には尚更である。
【0006】
本発明は上述した観点に鑑みてなされたもので、ゲーム上の同一のオブジェクト対するユーザへの提示態様をユーザ毎に異なるようにしたゲーム制御装置、ゲーム制御方法、プログラム、ゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、ゲーム制御装置であって、
画像情報及び音声情報のうち少なくともいずれかを各々含む複数の第1の情報と関連付けられているゲーム上のオブジェクトを、ユーザ毎に対応付けて記憶装置に記憶させる記憶手段と、
ユーザの操作入力に関する情報に基づいて、当該ユーザに対応付けられているオブジェクトのうちいずれかのオブジェクトを選択する選択手段と、
前記ユーザの前記ゲーム上の情報であるユーザ情報に基づいて、前記選択手段によって選択されたオブジェクトに関連付けられている前記複数の第1の情報のうちいずれかの第1の情報を特定する特定手段と、
前記選択手段によって選択されたオブジェクトを、前記特定手段によって特定された第1の情報に基づく態様によって前記ユーザに提示する提示手段と、
を備える。
【0008】
このゲーム制御装置において「オブジェクト」とは、ゲーム上のキャラクタやアイテム等を含む。キャラクタは、例えばゲーム上の仮想的な人物や生物、若しくはモンスター等であり、それらがカードに表示されているものをも含む。
このゲーム制御装置において「ユーザ情報」とは、ユーザ毎にゲーム上で管理される情報であり、例えば、ユーザID、ユーザの属性(性別、年令等)、ゲーム上の各種ポイント、スコア、ゲーム上でユーザが使用するオブジェクトのパラメータの値、ユーザがゲーム上で使用可能な仮想通貨の額、及びそれらの過去の履歴についての情報などのうち、少なくともいずれかであってよい。
【0009】
本実施形態のゲーム制御装置では、ゲーム上のオブジェクトが画像情報及び音声情報のうち少なくともいずれかを各々含む複数の第1の情報と関連付けられており、そのオブジェクトがユーザに提示される態様は、そのユーザのゲーム上のユーザ情報に基づいている。そのため、同じオブジェクトであってもユーザ情報が異なれば、ユーザに提示される態様が異なるようになり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0010】
上記ゲーム制御装置において、前記ユーザ情報は、前記ユーザの前記ゲーム上の進行度に関する情報であってもよい。これによって、ゲームが進行する度に、ユーザに提示されるオブジェクトの態様が変化するため、ユーザはゲームの進行とともにオブジェクトの態様の変化も楽しめることができ、ゲームの興趣性をさらに高めることができる。
このゲーム制御装置において「ゲーム上の進行度」とは、例えば、ユーザによるゲームの進行度合いを示す情報であり、ユーザがゲームを実行又は進行させることによって変化する情報である。「ゲーム上の進行度」は例えば、ゲームで取得する経験値で変動するレベル、クエストやバトルなどの所定の処理の実行回数、あるいはゲーム上の所定の条件を満たした回数(バトルで勝利した回数等)などであってよい。
【0011】
上記ゲーム制御装置において、前記ユーザ情報は、前記選択手段によって選択されたオブジェクトを用いた、前記ユーザの前記ゲーム上の進行度に関する情報であってもよい。これによって、オブジェクトを用いてゲームが進行する度に、そのオブジェクトについてユーザに提示される態様が変化するため、ユーザはゲームの進行とともにオブジェクトの態様の変化も楽しめることができ、ゲームの興趣性をさらに高めることができる。また、ユーザは、オブジェクトの提示態様の変化を期待して、そのオブジェクトを積極的にゲーム上で使用することが動機付けられる。
【0012】
上記ゲーム制御装置において、前記ユーザ情報は、前記ユーザの前記オブジェクトの前記ゲーム上での取得又は使用に関する情報であってもよい。これによって、オブジェクトに対するユーザの取得状況や使用状況に応じて、ユーザに提示されるオブジェクトの態様を適切に異ならせることができるようになる。
なお、「取得に関する情報」は、オブジェクトに対する入手方法(例えば、対価を支払うことによる購入、他のユーザとのトレードによる取得等)であってよい。「使用に関する情報」は、例えばオブジェクトのゲーム上での使用期間、使用回数等であってよい。
【0013】
上記ゲーム制御装置において、前記複数の第1の情報は、画像情報及び音声情報のうち少なくともいずれかの情報量がそれぞれ異なっており、前記特定手段は、前記複数の第1の情報のうち、前記ユーザ情報に基づいた大きさの情報量の第1の情報を特定してもよい。かかる構成により、オブジェクトの視覚的及び/又は聴覚的な提示態様を複数設定することができるようになるため、ユーザにとって、自らのユーザ情報に応じたオブジェクトの提示態様の変化がより分かり易くなる。
情報量の違いは、画像情報の場合、画像の変化量の違いのほか、画像の変化の内容が同一であるが画質(階調)が異なる場合も含まれ、音声情報の場合、例えば曲の小節の数の違いのほか、曲の小節の数が同一であるが音質(階調)が異なる場合も含まれる。
【0014】
上記ゲーム制御装置において、前記ユーザ情報は、前記ユーザに対応付けられているオブジェクトの前記ゲーム上の使用回数、使用頻度、又は前記オブジェクトの前回の使用時からの経過時間に関する情報であって、前記特定手段は、前記使用回数若しくは前記使用頻度が大きいほど、又は前記経過時間が短いほど、前記複数の第1の情報のうち情報量が大きい第1の情報を特定してもよい。かかる構成では、ゲーム上で頻繁にオブジェクトを使用するほど、オブジェクトが提示されるときの画像情報及び/又は音声情報が増加する。そのため、ユーザは、オブジェクトが提示されるときの視覚的及び/又は聴覚的な変化を大きくなることを期待して、そのオブジェクトを頻繁に使用することが動機付けられるため、オブジェクトを使用するゲームについてユーザがより楽しむことができる。
【0015】
上記ゲーム制御装置において、前記ユーザ情報は、前記ユーザに対応付けられているオブジェクトの前記ユーザの取得時からの経過時間に関する情報であって、前記特定手段は、前記経過時間が長いほど、前記複数の第1の情報のうち情報量が大きい第1の情報を特定してもよい。かかる構成では、ゲーム上でオブジェクトを長期間所持するほど、オブジェクトが提示されるときの画像情報及び/又は音声情報が増加する。そのため、ユーザは、オブジェクトが提示されるときの視覚的及び/又は聴覚的な変化を大きくなることを期待して、そのオブジェクトを長期間所持することが動機付けられるため、オブジェクトを使用するゲームについてユーザがより楽しむことができる。
【0016】
本発明の第2の観点は、ゲーム制御方法であって、
画像情報及び音声情報のうち少なくともいずれかを各々含む複数の第1の情報と関連付けられているゲーム上のオブジェクトを、ユーザ毎に対応付けて記憶装置に記憶させるステップと、
ユーザの操作入力に関する情報に基づいて、当該ユーザに対応付けられているオブジェクトのうちいずれかのオブジェクトを選択するステップと、
前記ユーザの前記ゲーム上の情報であるユーザ情報に基づいて、前記選択するステップによって選択されたオブジェクトに関連付けられている前記複数の第1の情報のうちいずれかの第1の情報を特定するステップと、
前記選択するステップによって選択されたオブジェクトを、前記特定するステップによって特定された第1の情報に基づく態様によって前記ユーザに提示するステップと、
を備える。
【0017】
本発明の第3の観点は、コンピュータに、
画像情報及び音声情報のうち少なくともいずれかを各々含む複数の第1の情報と関連付けられているゲーム上のオブジェクトを、ユーザ毎に対応付けて記憶装置に記憶させる機能、
ユーザの操作入力に関する情報に基づいて、当該ユーザに対応付けられているオブジェクトのうちいずれかのオブジェクトを選択する機能、
前記ユーザの前記ゲーム上の情報であるユーザ情報に基づいて、前記選択する機能によって選択されたオブジェクトに関連付けられている前記複数の第1の情報のうちいずれかの第1の情報を特定する機能、及び、
前記選択する機能によって選択されたオブジェクトを、前記特定する機能によって特定された第1の情報に基づく態様によって前記ユーザに提示する機能、
を実現させるためのプログラムである。
【0018】
コンピュータは、例えばネットワークサーバ、大型計算機等であってよい。また、このプログラムは、DVD−ROMやCD−ROM等のコンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。
【0019】
本発明の第4の観点は、通信端末と、当該通信端末からアクセス可能なサーバと、を含むゲームシステムである。
このゲームシステムは、
画像情報及び音声情報のうち少なくともいずれかを各々含む複数の第1の情報と関連付けられているゲーム上のオブジェクトを、ユーザ毎に対応付けて記憶装置に記憶させる記憶手段、
ユーザの操作入力に関する情報に基づいて、当該ユーザに対応付けられているオブジェクトのうちいずれかのオブジェクトを選択する選択手段、
前記ユーザの前記ゲーム上の情報であるユーザ情報に基づいて、前記選択手段によって選択されたオブジェクトに関連付けられている前記複数の第1の情報のうちいずれかの第1の情報を特定する特定手段、及び、
前記選択手段によって選択されたオブジェクトを、前記特定手段によって特定された第1の情報に基づく態様によって前記ユーザに提示する提示手段、
の各手段を、前記通信端末又は前記サーバのいずれか一方が備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明のゲーム制御装置、ゲーム制御方法、プログラム、ゲームシステムによれば、ゲーム上の同一のオブジェクト対するユーザへの提示態様をユーザ毎に異ならせることができ、それによってゲームの興趣性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
(1)ゲームシステムの構成
図1は、実施形態のゲームシステムのシステム構成例を示している。
図1に示すように、このゲームシステムは、例えばインターネットなどの通信網NW(ネットワーク)に接続可能な通信端末10a,10b,10c,…と、通信網NWに接続されているゲームサーバ20と、データベースサーバ30とによって構成されている。各通信端末10a,10b,10c,…はそれぞれ、個々のユーザによって操作される端末であり、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)などの通信端末である。なお、以下の説明において、各通信端末10a,10b,10c,…に共通して言及するときには、通信端末10と表記する。
このゲームシステムにおいて、ゲームサーバ20は、クライアントである通信端末10と通信可能に構成されており、通信端末10に対してゲーミングサービスを提供する。ゲームサーバ20には、ゲーム用アプリケーションとしてウェブブラウザ上で動作可能なアプリケーションが実装されている。データベースサーバ30は、ゲームを実行する上での後述する様々な情報を格納しており、それらの情報の読み書きのためにゲームサーバ20と例えば有線で接続される。
通信端末10は、ゲームサーバ20によって提供されるウェブページを表示可能なウェブブラウザを備えており、ユーザは、通信端末10をウェブページ上で操作してゲームを実行する。
【0024】
また、
図1には図示していないが、ゲームサーバ20とは別に各通信端末10のユーザを認証するための認証サーバを設けてもよい。また、多くの通信端末10からのアクセスを受け入れるために複数のゲームサーバ20を設ける場合は、その複数のゲームサーバ20間の負荷を調整するためのロードバランサを設けてもよい。また、ゲームサーバ20は単一のサーバ装置として構成してもよいが、機能を分散させた複数のサーバ装置として構成してもよい。
【0025】
(2)通信端末の構成
図2及び
図3を参照して通信端末10について説明する。
図2は、通信端末10の外観の例を示す図であって、(a)は、例えば折り畳み式の携帯端末(携帯電話機)などの釦入力方式の通信端末を例示したものであり、(b)は、例えばスマートフォンなどのタッチパネル入力方式の通信端末を例示したものである。
図3は、通信端末10の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理部14、指示入力部15、表示部16、及び、信号送受信部としての通信インタフェース部17を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス18が設けられている。
【0026】
CPU11は、ROM12内のウェブブラウザをRAM13にロードして実行する。そして、CPU11は、指示入力部15等によってユーザに入力されるURL(Uniform Resource Locator)の適切な指定に基づき、通信インタフェース部17を介して、ゲームサーバ20からウェブページを表示するためのデータ、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)文書や当該文書と関連付けられた画像などのオブジェクトのデータ(以下、総称して適宜「HTMLデータ」と表記する。)を通信インタフェース部17を介して取得し、そのHTMLデータを解釈する。なお、通信端末10には、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインが実装されていてよい。そのようなプラグインの一例は、アドビシステムズ社(米国)によるフラッシュプレイヤである。あるいは、本実施形態でのHTMLデータを、動画及び音声の再生機能を備えたHTML5形式としてもよい。
なお、HTMLデータの取得に当たって、CPU11は、予め登録されたユーザID(ユーザ識別情報)、あるいは指示入力部15を介して入力されるユーザIDを含むアクセス要求メッセージを、通信インタフェース部17を介してゲームサーバ20へ通知する。
【0027】
ウェブブラウザは、ゲームサーバ20とHTTP(HyperText Transfer Protocol)に従った通信を行う。ウェブブラウザは、ゲームサーバ20から取得したHTMLデータを解釈して、画像処理部14を介してウェブページを表示部16に表示する。また、ウェブブラウザは、ユーザが指示入力部15の操作によってウェブページ上のハイパーリンク(Hyperlink)またはメニューが選択されると、ウェブページの更新のために、その選択結果に応じたHTTPリクエストをゲームサーバ20に送信する。
【0028】
画像処理部14は、HTMLデータの解析結果としてCPU11から与えられる表示用画像データに基づいて、表示部16にウェブページを表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、表示用画像データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することでウェブページの画像を表示画面16aに表示する。
【0029】
通信端末10が釦入力方式の通信端末(
図2(a))である場合、指示入力部15は、ユーザの操作入力を受け入れるための方向指示釦と決定釦などの複数の指示入力釦を含む釦群15a、及び、テンキーなどの複数の指示入力釦を含む釦群15bを備え、各釦の押下(操作)入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含む。例えば、方向指示釦は、表示部16に表示されているウェブページをスクロールして表示することをCPU11へ指示するために設けられる。また、決定釦は、例えばウェブページ上で複数のハイパーリンクまたはメニューが表示されるときに、アクティブ表示(例えば強調表示)されている1つのハイパーリンクまたはメニューをユーザが選択することをCPU11へ指示するために設けられる。なお、通信端末10を小型の携帯端末によって構成する場合には、これらの釦は、ユーザが通信端末10を片手で保持したままその親指で操作(クリック)しやすいように、通信端末10の前面に配置されていることが好ましい。
図2(a)に示す例では、釦群15bは、釦群15aの下方に配置され、「0」〜「9」、「*」、「#」(テンキー)が表記された複数の指示入力釦を含む。
【0030】
通信端末10がタッチパネル入力方式の通信端末(
図2(b))である場合、指示入力部15は、主として表示画面16aに指先あるいはペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。タッチパネル入力方式は、静電容量方式などの公知の方式でよい。なお、
図2(b)に示すように、通信端末10がタッチパネル入力方式の場合であっても釦群15aが設けられる場合もある。
【0031】
通信端末10に表示されるウェブページ上のメニューの選択操作は、例えば通信端末10が携帯端末である場合には、方向指示釦の押下操作によってメニューを選択し、決定釦の押下操作によって、選択したメニューを確定することによって行われる。また、選択操作は、例えば通信端末10がタッチパネル入力方式の場合には、ウェブページが表示されている表示画面16a上のメニューの位置を指あるいはペンで指示(タッチ操作)することによって行われる。
【0032】
(3)ゲームサーバの構成
図4を参照してゲームサーバ20の構成について説明する。
ゲームサーバ20は、例えば階層構造の複数のウェブページからなるゲームのウェブサイトを管理しており、通信端末10に対してゲームのウェブサービスを提供する。図
4に示すように、ゲームサーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、データベース(DB)アクセス部24、及び、通信インタフェース部25を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス26が設けられている。なお、ゲームサーバ20は、ハードウエアに関しては汎用のウェブサーバと同一の構成をとることができる。
【0033】
ROM22には、クライアントである通信端末10のウェブブラウザに対してHTML文書や画像などのオブジェクトの表示(ウェブページの表示)のサービスを提供するアプリケーションプログラムが格納されている。ROM22には、アプリケーションプログラム以外にもCPU21によって参照される各種データが格納されている。
CPU21は、ROM22内のゲームプログラムをRAM23にロードして実行し、通信インタフェース部25を介して、各種の処理を行う。
【0034】
例えば、CPU21は、通信インタフェース部25を介して、ゲームサーバ20のウェブブラウザとの間でHTTPに従った通信を行う。例えば、CPU21は、通信インタフェース部25を介して、通信端末10から受信したHTTPリクエスト(例えば、ウェブページ上でのユーザのハイパーリンクまたはメニューの選択結果を含む。)に基づいて所定のデータ処理や、演算処理を行い、その処理結果を含むHTTPレスポンスをゲームサーバ20のウェブブラウザに返す。HTTPレスポンスには、ウェブページを更新するためのHTMLデータが含まれる。また、ゲームサーバ20が通信端末10のユーザの認証処理を行う場合には、CPU21はその認証処理を行う。
データベースアクセス部24は、CPU21がデータベースサーバ30に対してデータの読み書きを行うときのインタフェースである。
【0035】
(4)データベースサーバの構成
データベースサーバ30(記憶装置)は、大容量のハードディスク装置やRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)等の形態の装置等、汎用ストレージで実現できる。データベースサーバ30内の各データベースは、ゲームサーバ20のデータベースアクセス部24を介してCPU21からのデータの読み書きが可能となるように構成されている。
図5に、データベースサーバ30の構成の一例を示す。
図5に示すように、データベースサーバ30は、ユーザデータベース31と、ゲームデータベース32とを備える。
【0036】
本実施形態のゲームサーバ20によって実現されるゲームのタイプは特に限定されるものではなく、オブジェクトを使用するゲームであれば如何なるゲームでもよいが、以下では、実施形態の説明の便宜上、ゲームサーバ20によって実現されるゲームの一例として、オブジェクトとしてゲームキャラクタの画像が表示されるカードを使用するデジタルカードゲームを採り上げる。
【0037】
図6に、本実施形態のデジタルカードゲーム(以下適宜、単に「ゲーム」あるいは「本実施形態のゲーム」という。)において適用されるユーザデータベース31の一例を示す。この例では、ユーザデータベース31は、ユーザID(ユーザ識別情報)ごとに、ユーザ名、進行レベル、体力ポイント、経験値、所持コイン、保有カード(カード、及びそのカードのカードレベル)の各項目についての情報を含む。ユーザデータベース31に含まれる情報は、ゲームサーバ20によって逐次更新されうる。
【0038】
以下の説明では、ユーザデータベース31に含まれるユーザID、あるいはユーザを特定するユーザ名ごとのデータを総称してユーザデータという。ユーザデータを構成する各項目のデータは、以下のとおりである。
・ユーザ名
ゲームの実行時に通信端末10のユーザを特定するために表示されるユーザ名である。ユーザ名はユーザによって予め指定される所定長以下のテキストである。ユーザ名は、ゲームサーバ20によって提供されるネットワーク環境(あるいはゲームコミュニティ)上でユーザを特定する名称である。
・進行レベル
ユーザのゲームの進行度合いを示すデータであり、ゲーム上の進行度に関する情報の一例である。例えばLv1(レベル1)からLv100(レベル100)までの範囲のレベル値である。
・体力ポイント
本実施形態のゲームにおいて、後述するクエストを行う上で必要となるポイントである。体力ポイントは、クエストを行う度に低減し、所定の時間が経過する毎に回復(増加)する値である。
・経験値
本実施形態のゲームにおいて、後述するクエストを行う上で増加する値である。経験値が所定の値(例えば、100)に達すると、進行レベルが1増加して経験値はリセットされる(つまりゼロになる)。
・所持コイン
ユーザがゲーム上で所持する仮想通貨の量である。本実施形態のゲームでは、カードを購入する場合、あるいはカードを抽選で取得するためのくじを引く場合に一定量のコインが必要となるようにしてもよい。
・保有カード
保有カードは、ユーザが保有しているカード(C3,C10等)のデータである。ユーザは、(a)ゲームに登録するときに予め付与される、(b)仮想通貨により購入する、(c)ゲーム内のくじによって取得する、あるいは、(d)ゲーム内で他のユーザからプレゼントとして取得し、若しくはトレードによって取得する、ことによってカードを入手する。すべてのカード、又は一部のカードは、後述する複数のカードレベルM1〜M4のうちいずれかが設定されている。各カードは、例えばゲーム内のバトル等で参照されるパラメータ(つまり、攻撃力と防御力等の能力値)が対応付けられてもよい。
【0039】
図5に戻り、ゲームデータベース32は、ゲームサーバ20からのアクセスに基づき、ゲームサーバ20によって実行されたゲームの進行に関する情報を記憶、更新する。ゲームの進行に関する情報は、ゲームの性質によって多様な情報を含みうるが、例えば、後述するクエストの結果についての情報を含む。
【0040】
ゲームデータベース32は、カードデータベースを含む。
図7にカードデータベースの構成例を示す。
図7に示すように、カードデータベースには、カード毎に、カードレベルと、画像情報及び音声情報の少なくともいずれかを含む情報(以下、「再生情報」という。)が対応付けられている。再生情報の一例は、HTMLデータに埋め込まれるSWF形式のファイルである。カードレベルが上がる毎に再生情報の情報量が大きくなるように構成されており、それによってカードレベルが上がる毎に、例えばカード上のゲームキャラクタが通信端末10のウェブブラウザで再生されたときの動作レベル(つまり、動作の変化度合い)が大きくなるようになっている。ここで、カードレベルM1に対応する再生情報は、静止画であってもよい。
なお、本実施形態のゲーム上で利用可能なすべてのカードに対してカードレベルが設定されていなくてもよい。例えば、カード上のゲームキャラクタが通信端末10のウェブブラウザで表示されたときに常時静止画である場合には、カードレベルが設定されていなくてもよい。
【0041】
(5)本実施形態のゲーム
以下、本実施形態のゲームについて、
図8〜12を参照しながら説明する。
図8は、本実施形態のゲームにおいて、ユーザがカードを取得するときの一連のウェブページを示す一例である。
図9は、本実施形態のゲームにおいて、ユーザがゲーム上で使用するカードを選択するときの一連のウェブページを示す一例である。
図10は、本実施形態のゲームにおいて、ユーザがクエストを行うときの一連のウェブページを示す一例である。
図11は、本実施形態のゲームにおいて、ユーザが手持ちのカードを確認(表示)するときの一連のウェブページを示す一例である。
図12は、カードレベルに応じたカード上のキャラクタ画像の表示態様の変化例を示す図である。
【0042】
(5−1)カード取得処理(
図8)
図8のウェブページP1は、本実施形態のゲームのトップページの一例であり、個々のユーザIDに応じて構成される。
図8の例では、キャラクタ画像表示領域101、ユーザデータ表示領域102、及びメニュー表示領域103を含む。
キャラクタ画像表示領域101は、対象となるユーザIDのユーザデータに含まれる複数のカードに表示されるキャラクタ画像のうちユーザによって予め指定されたキャラクタ画像が表示される領域である。
ユーザデータ表示領域102は、対象となるユーザIDのユーザデータに含まれる、進行レベル、体力ポイント、カード、所持コインの各項目のデータ(
図6参照)が表示される領域である。なお、ユーザデータ表示領域102内の「カード」は、ユーザの保有カードの枚数である。また、
図8に例示するように、カード数が「43/50」と表記されている場合、ユーザの保有カードの枚数が43枚であり、最大で保有可能なカードの枚数が50枚であることを示す。体力ポイントが「100/100」と表記されている場合、ユーザの現在の体力ポイントが100であり、現時点でユーザの体力ポイントの最大値も100であることを示す。
メニュー表示領域103は、本実施形態のゲームに設けられる複数の機能に対応するメニューを表示する領域である。ここでは、メニューの例として、「カード取得」、「使用カード設定」、「クエスト」のテキストが表記された各メニューm1〜m3が表示される場合が示されている。なお、メニュー表示領域103には一例として、メニューm1〜m3を示したが、これに限定されるものではなく、他の処理を実行するメニューを適宜表示してよい。例えば、他のユーザとのカードを使用したバトルを実行するための「バトル」のメニューを表示してもよい。
【0043】
メニューm1(「カード取得」)は、本実施形態のゲームに用意されているカードのうち、ゲームキャラクタの動画が再生されるカード(以下、「動画再生カード」という。)をユーザが一定の対価によって取得するためのメニューである。
図8のウェブページP1上でメニューm1が選択操作されると、P10に示すようにウェブページが更新される。このウェブページP10では、動画再生カードがゲーム上の一定量の仮想通貨(ここでは、例えば300コイン)に取得できることが通知されるとともに、ユーザの最終的な購入の意思表示を促すためのメニューm10(「取得する」)が表示される。ウェブページP10上でメニューm10が選択操作されると、P11に示すようにウェブページが更新される。ウェブページP11では、ゲーム上で用意されている複数の動画再生カードの中からいずれかの動画再生カード(ここでは、例えばカードC3)が抽選により選択されて表示される。
【0044】
(5−2)使用カード設定処理(
図9)
メニューm2(「使用カード設定」)は、ユーザの保有カードのうちゲーム内の様々な機能(例えば、他のユーザとのバトル等)を実行するために使用するカードを設定するためのメニューである。
図9のウェブページP1上でメニューm2が選択操作されると、P20に示すようにウェブページが更新される。このウェブページP20では、ユーザの現在の使用カードの一覧(例えば、C3,C15,…)が表示される。一覧中の各カードにはメニューm11(「変更する」)が対応付けられて表示される。いずれかのカードに対応するメニューm11が選択操作された場合には、そのカードに代えて保有カードの中の他のカードを選択するために、保有カードの一覧が表示される(図示せず)。
【0045】
(5−3)クエスト処理(
図10)
図10のウェブページP1上でメニューm3(「クエスト」)が選択操作されると、P30に示すようにウェブページが更新される。このウェブページP30には、ユーザがエリアを探索するためのメニューm12が含まれる。メニューm12が選択操作されると、P31に示すようにウェブページが更新される。ウェブページP31には、メニューm13(「もう一度実行」)が表示され、探索が続行できるようになっている。メニューm12又はメニューm13が選択操作される度に一定の、あるいはランダムな増加量で達成率の値が増加し、達成率が100%に達するとエリアの探索が終了する。メニューm12又はメニューm13が選択操作される度に、ユーザの体力ポイントが所定量(
図10の例では、8)だけ消費され、ユーザの経験値が所定(
図10の例では、8)量だけ増加する。探索対象のエリアは、複数設けられてもよい。なお、クエスト処理では、メニューm12又はメニューm13が選択操作される度に、所定の、あるいはランダムな確率で、ゲーム上で用意されている様々なカードやアイテムをユーザが入手できるように構成してもよい。
体力ポイントが上記所定量未満になった場合にはクエスト処理を実行することはできない。その場合には、体力ポイントが回復するまでユーザは待機する必要がある。
【0046】
(5−4)カード確認処理(
図11)
図11のウェブページP1上でユーザデータ表示領域102のカードの欄が選択操作されると、P40に示すようにウェブページが更新される。このウェブページP40では、処理対象のユーザの保有カードの一覧が表示される。ウェブページP40のカードの一覧の中でいずれかのカード(この例では、カードC3)が選択操作されると、P41に示すようにウェブページが更新される。ウェブページP41では、ウェブページP40で選択されたカードが拡大して表示される。ウェブページP41の例では、選択されたカードのゲームキャラクタの画像が表示される画像表示領域201と、ゲームキャラクタを説明するテキストを表示するテキスト表示領域202とが含まれる。
ウェブページP41に表示されるカードのゲームキャラクタの画像が動画再生カードである場合には、そのカードのカードレベルに応じた動画及び/又は音声が再生されて表示される。
図12に、例えばカードC3の再生態様を例示する。
図12では、画像表示領域201の時刻の経過に沿った表示内容を、カードレベル毎に示す例である。カードレベルに応じた表示内容の例は以下のとおりであってよく、カードレベルM1,M2の場合のみ
図12に例示する。なお、台詞1〜4はそれぞれ異なるものであってよい。
【0047】
カードレベルM1:目蓋の開閉→頭の揺れ→台詞1の表示
カードレベルM2:目蓋の開閉→頭の揺れ→笑顔→髪撫で→台詞2の表示
カードレベルM3:目蓋の開閉→頭の揺れ→笑顔→照れた表情→ウインク→髪撫で→台詞3の表示
カードレベルM4:目蓋の開閉→頭の揺れ→笑顔→照れた表情→甘えた表情→ウインク→髪撫で→台詞4の表示
【0048】
(6)ゲーム制御装置が備える機能の概要
次に、上述した本実施形態のゲームを実現するためゲーム制御装置が備える機能について説明する。
本実施形態では、ゲームサーバ20及びデータベースサーバ30によってゲーム制御装置が構成されている。以下では、上述した実施形態のゲームが適用される場合を例として、本実施形態のゲーム制御装置で実現される機能について、
図13を参照して説明する。
図13は、本実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図13に示す機能ブロック図において、ゲーム実行手段52は、本発明に必ずしも必須の構成要素ではない。
なお、以下の説明において、通信端末10に表示されるウェブページ上で表示されるメニュー、マーク等はウェブページ上で所望の位置に配置されるものであって、通信端末10で視認されるメニュー、マーク等の表示画面上の位置は、ユーザの方向指示釦あるいはタッチパネル操作によるウェブページのスクロール操作によって変化しうる。
【0049】
記憶手段51は、複数の再生情報(第1の情報)と関連付けられているゲーム上のカード(オブジェクト)を、ユーザ毎に対応付けてゲームデータベース32(記憶装置)に記憶させる機能を備える。記憶手段51の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、ゲームデータベース32内のカードデータベースにおいて、カード毎にカードレベルに応じた再生情報(例えば、SWF形式のファイル)を記憶させる。
なお、カードデータベースは、通信端末10のROM12や図示しないHDD(Hard Disk Drive)等に記憶されていてもよい。
【0050】
ゲーム実行手段52は、本実施形態のゲームを実行する機能を備える。ゲームの実行は、ユーザの保有カード(ユーザに対応付けられているオブジェクト)のうちいずれかのカード(使用カード)を用いて行われてもよい。
本実施形態の場合、ゲームの実行は、通信端末10に対するユーザの操作に応じて、通信端末10に表示されるウェブページを逐次更新するためのHTMLデータを送信することでなされる。このとき、ゲームサーバ20のCPU21は、通信インタフェース部25を介して通信端末10からHTTPリクエストを受信し、そのHTTPリクエストによって要求される処理を実行し、その実行結果であるHTMLデータを含むHTTPレスポンスを通信端末10宛に返す。
【0051】
HTTPリクエストによって要求される処理の実行内容は、HTTPリクエストによる要求内容によって異なるが、例えば以下のとおりである。
例えばクエストを実行する場合、ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザによる所定の選択操作内容(例えば、メニューm12又はm13の選択操作結果)を含むHTTPリクエストを受信すると、処理対象のユーザの達成率、体力ポイント、及び経験値を更新する処理を行う。ユーザの達成率、体力ポイント、及び経験値のデータは、クエストの実行開始時(メニューm3の選択時)にデータベースサーバ30からRAM23に転送し、クエスト中はRAM23内のデータに対して更新処理を行い、クエスト終了時に、RAM23内の更新後のデータをデータベースサーバ30内のデータに上書きするようにしてよい。
例えば他のユーザとの間でのカードを用いたバトルを実行する場合には、ゲームサーバ20のCPU21は、バトル対象となるユーザの使用カードのパラメータ(攻撃力及び防御力の値等)の値を比較し、その比較結果に基づいてバトルの勝敗を決定してもよい。
【0052】
選択手段53は、ユーザの操作入力に関する情報に基づいて、当該ユーザの保有カード(ユーザに対応付けられているオブジェクト)のうちいずれかのカード(オブジェクト)を選択する機能を備える。
選択手段53の機能は、例えば以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、
図11のウェブページP1上でユーザデータ表示領域102のカードの欄の選択操作結果を含むHTTPリクエストを受信すると、処理対象となるユーザのユーザデータの保有カードの項目を読み出して、そのユーザの保有カードの一覧を含むHTMLデータを生成してユーザの通信端末10宛に送信する。これによって、ユーザの通信端末10においてウェブページP40が表示される。また、CPU21は、保有カードの一覧の中からいずれかのカードの選択操作結果を含むHTTPリクエストを受信すると、当該HTTPリクエストに基づいてユーザのカードの選択結果を認識する。
なお、
図11では、ユーザが保有カードの一覧からいずれかのカードを選択操作することによってカードが選択される場合を例示したが、これに限られない。つまり、選択手段53の「ユーザの操作入力に関する情報に基づいてカードを選択する」とは、
図11に例示したような、いわば直接的な選択方法のみに限られない。例えば、クエスト実行の操作によってカードが得られた場合、あるいは、ゲーム上でくじを引く機能が設けられており、ユーザがくじを引く操作によってカードが抽選により得られた場合など、いわば間接的にカードを選択した場合についても「ユーザの操作入力に関する情報に基づいてカードを選択する」ことに含まれる。
【0053】
特定手段54は、ユーザのゲーム上の情報であるユーザ情報に基づいて、選択手段53によって選択されたカード(オブジェクト)に関連付けられている複数の再生情報(第1の情報)のうちいずれかの再生情報を特定する機能を備える。
特定手段54の機能を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、動画再生カードについて、ユーザ情報とカードレベルとを対応付けた対応表を参照する。
図14には、ユーザ情報をユーザのゲームの進行レベルとした場合(
図14(a))と、ユーザ情報を対象となるカードの使用回数とした場合(
図14(b))の対応表の一例を示す。なお、カードの使用回数は、そのカードをユーザの使用カードとしたときのクエスト及び/又はバトルの実行回数としてもよい。
図14に示すように、進行レベルが上昇するほど、又はカードの使用回数が増加するほど、カードレベルが増加し、
図7に示すように、カードレベルが増加することによってカードが通信端末10上で表示されるときのゲームキャラクタの動作レベルが増加するように設定されることが好ましい。
なお、カードレベルを決定するのに対応表を参照する場合に限られない。ユーザ情報に対して所定の演算式を適用することによってカードレベルを算出してもよい。
また、
図14では、概ね時間の経過とともに増加する傾向がある値のユーザ情報の例を挙げたが、これに限られない。例えば、ユーザ情報をカードの使用頻度とした場合、このユーザ情報の値は時間の経過とともに低下する可能性がある。つまり、カードレベルは、ユーザ情報に応じて増加する場合もあれば、低下する場合もある。
【0054】
上記対応表を参照したカードレベルの設定について、
図15のフローチャートを参照して説明すると以下のとおりである。
CPU21は、カードレベルの設定を行うために、ユーザ情報を逐次読み出すか、あるいは算出する(ステップS10)。次いで、CPU21は、ステップS10で得られたユーザ情報に基づいて上記対応表を参照することによってカードレベルを特定する(ステップS20)。さらにCPU21は、ステップS20で特定されたカードレベルを、ユーザデータにおいてカードと関連付けるようにして書き込む(ステップS30)。
例えば、CPU21は、ユーザデータの進行レベルの値を読み出し、読み出した進行レベルに値に応じたカードレベルを上記対応表から決定し、その決定したカードレベルをユーザデータに書き込む。ユーザ情報をカードの使用回数とした場合も同様であるが、その場合、ユーザデータにおいて、保有カードの各々について使用回数をカウントして記憶させておき、そのカウント値を読み出すようにする。
CPU21は、ユーザのカードの選択結果を認識すると、選択されたカードが動画再生カードである場合には、ユーザデータにアクセスして、選択されたカードのカードレベルを読み出す。CPU21はさらに、カードデータベースを参照して、ユーザデータから読み出したカードレベルに応じた再生情報を特定する。
【0055】
提示手段55は、選択手段53によって選択されたカード(オブジェクト)を、特定手段54によって特定された再生情報(第1の情報)に基づく態様によってユーザに提示する機能を備える。
提示手段55の機能は、以下のようにして実現できる。ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザのカードの選択結果を認識し、かつそのカードが動画再生カードである場合の再生情報を特定すると、その再生情報をHTMLデータに埋め込むようにして、あるいはHTMLデータから再生情報を参照可能な形式で、HTMLデータを生成してユーザの通信端末10宛に送信する。これによって、通信端末10のウェブブラウザがゲームサーバ20から送信されたHTMLデータを解釈し、カードを表示する。HTMLデータに例えばSWF形式の再生情報が含まれている場合には、通信端末10のウェブブラウザに組み込まれるフラッシュプレイヤによってウェブページ上でカードが動画再生される。
【0056】
(7)本実施形態のゲーム制御装置の主要な処理のフロー
次に、本実施形態のゲーム制御装置により行われる主要な処理のフローの一例について、
図16のフローチャートを参照して説明する。
図16は、本実施形態のゲーム制御装置によって、本実施形態のカード表示処理を示すフローチャートである。
【0057】
ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザの保有カードの一覧の中からいずれかのカードの選択操作結果を含むHTTPリクエストを受信すると、当該HTTPリクエストに基づいてユーザのカードの選択結果を認識する。CPU21は、カードの選択結果を認識すると(ステップS100:YES)、選択されたカードが動画再生カードである場合には、ユーザデータにアクセスして、選択されたカードのカードレベルを読み出す(ステップS110)。CPU21はさらに、カードデータベースを参照して、ユーザデータから読み出したカードレベルに対応する再生情報を読み出し(ステップS120)、その再生情報をHTMLデータに埋め込むようにして、あるいはHTMLデータから再生情報を参照可能な形式で、HTMLデータを生成してユーザの通信端末10宛に送信する(ステップS130)。これによって、通信端末10のウェブブラウザがゲームサーバ20から送信されたHTMLデータを解釈し、カードを表示する。HTMLデータに例えばSWF形式の再生情報が含まれている場合、通信端末10のウェブブラウザに組み込まれるフラッシュプレイヤによってウェブページ上でカードが動画再生される。
なお、ステップS100においてカードの選択結果を認識しない場合には(ステップS100:NO)、終了する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のゲーム制御装置では、ゲーム上の動画再生カード(オブジェクト)が画像情報及び音声情報のうち少なくともいずれかを各々含む複数の再生情報(第1の情報)と関連付けられており、その動画再生カードがユーザに提示される態様は、そのユーザのゲーム上のユーザ情報に基づいている。そのため、同じ動画再生カード(オブジェクト)であってもユーザ情報が異なれば、その動画再生カードがユーザに提示される態様が異なるようになり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0059】
上述した実施例の説明において、ユーザ情報は、ユーザのゲーム上の進行レベルの値(進行度に関する情報)であってもよいとしたが、これに限られない。なお、ユーザ情報をユーザのゲーム上の進行レベルの値とした場合、ゲームが進行する度に、ユーザに提示されるカード(オブジェクト)の態様が変化するため、ユーザはゲームの進行とともにカードの態様の変化も楽しめることができ、ゲームの興趣性をさらに高めることができる。
このとき、ユーザ情報は、選択手段53によって選択されたカード(オブジェクト)を用いた、ユーザのゲーム上の進行レベルの値(進行度に関する情報)であってもよい。これによって、カードを用いてゲームが進行する度に、そのカードについてユーザに提示される態様が変化するため、ユーザはゲームの進行とともにカードの態様の変化も楽しめることができ、ゲームの興趣性をさらに高めることができる。また、ユーザは、カードの提示態様の変化を期待して、そのカードを積極的にゲーム上で使用することが動機付けられる。
なお、本実施形態の進行レベル(ゲームで取得する経験値で変動するレベル)は、進行度に関する情報の一例である。しかし、進行度に関する情報は、進行レベルに限られず、ユーザによるゲームの進行度合いを示す情報であり、ユーザがゲームを実行又は進行させることによって変化する情報であれば如何なるデータであってもよい。例えば、進行度に関する情報は、クエストやバトルなどの所定の処理の実行回数、あるいはゲーム上の所定の条件を満たした回数(バトルで勝利した回数等)などであってよい。
【0060】
上述した実施形態の説明において、ユーザ情報がカードの使用回数である場合を例示したが、これに限られない。ユーザ情報は、ユーザのカード(オブジェクト)のゲーム上での取得又は使用に関する情報であってもよい。これによって、カードに対するユーザの取得状況や使用状況に応じて、ユーザに提示されるカードの態様を適切に異ならせることができるようになる。例えば、カードを使用してゲーム上の所定のミッションをクリアしたとき、あるいは所定のミッションをクリアした数が所定値に達する度に、そのカードのカードレベルが上昇するようにしてもよい。
なお、「取得に関する情報」は、カードの入手方法(例えば、一定量の仮想通貨などの対価を支払うことによる購入する方法や、他のユーザとのトレードによって取得する方法等)に関する情報であってよい。例えば、一定量の仮想通貨などの対価を支払って取得した場合にのみ、カードレベルが変化するようにしてもよい。
「使用に関する情報」は、例えばカードのゲーム上での使用期間、使用回数等であってよい。例えば、カードのゲーム上での使用期間が長くなるほど、そのカードのカードレベルが上昇するようにしてもよい。
【0061】
上述した実施形態では、
図7に示したように、1つのカードに対して、カードレベル毎に情報量が異なる複数の再生情報が対応付けられる場合について説明したが、これに限られない。複数の再生情報のうち情報量が同一のものがあってもよい。しかしながら、複数の再生情報(第1の情報)の情報量がそれぞれ異なるようにし、特定手段54が、複数の再生情報のうち、ユーザ情報に基づいた大きさの情報量の第1の情報を特定することが好ましい。かかる構成により、カード(オブジェクト)の視覚的及び/又は聴覚的な提示態様を複数設定することができるようになるため、ユーザにとって、自らのユーザ情報に応じたカードの提示態様の変化がより分かり易くなる。
【0062】
(8)変形例
上述した実施形態では、オブジェクトの一例としてゲームキャラクタの画像を含むカードを挙げたが、これに限られない。オブジェクトであれば如何なるものでもよい。例えば、オブジェクトは、ゲーム上のキャラクタやアイテム等を含むものでよく、例えばゲーム上の仮想的な人物や生物、若しくはモンスター等であり、本実施形態で示したように、それらがカードに表示されているものをも含む。
上述した実施形態では、ユーザへのカードの提示態様として、カード上のゲームキャラクタの動画像がカードレベルに応じて変化する場合について例示したが、これに限られない。情報量が異なる複数の音声情報のみがカードレベルに対応付けられてもよいし、情報量が異なる複数の画像情報及び音声情報がカードレベルに対応付けられてもよい。
なお、情報量の違いは、画像情報の場合、画像の変化量の違いのほか、画像の変化の内容が同一であるが画質(階調)が異なる場合も含まれ、音声情報の場合、例えば曲の小節の数の違いのほか、曲の小節の数が同一であるが音質(階調)が異なる場合も含まれる。
以下、上述した実施形態の変形例について説明する。
【0063】
(8−1)変形例1
上述した実施形態において、ユーザ情報は、ユーザが保有するカード(ユーザに対応付けられているオブジェクト)のゲーム上の使用回数、使用頻度、又はそのカードの前回の使用時からの経過時間に関する情報であって、特定手段54は、使用回数若しくは使用頻度が大きいほど、又は上記経過時間が短いほど、複数の再生情報(第1の情報)のうち情報量が大きい再生情報を特定してもよい。かかる構成では、ゲーム上で頻繁にカードを使用するほど、カードが提示されるときの画像情報及び/又は音声情報が増加する。そのため、ユーザは、カードが提示されるときの視覚的及び/又は聴覚的な変化を大きくなることを期待して、そのカードを頻繁に使用することが動機付けられるため、カードを使用するゲームについてユーザがより楽しむことができる。
【0064】
本変形例を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザのカードが使用カードに設定された状態で、例えばクエスト及び/又はバトルをそのユーザが行った回数を、カード単位で計数する。それによってCPU21は、カード毎にゲーム上の使用回数や使用頻度を算出する。使用頻度は、例えば直前の所定期間(例えば直前1週間)での使用回数であってよい。CPU21は、前回の使用時からの経過時間を算出するために、ユーザのカードが使用カードに設定された状態で、例えばクエスト及び/又はバトルをそのユーザが行った日時を、カード単位で記録してもよい。
CPU21は、カードレベルを決定するに当たって、
図14に例示したものと同様の形式の対応表を参照するが、本変形例では、使用回数若しくは使用頻度が大きいほど、又は上記経過時間が短いほど、カードレベルが上昇するように対応表が構成される。
【0065】
(8−2)変形例2
上述した実施形態において、ユーザ情報は、ユーザが保有するカード(ユーザに対応付けられているオブジェクト)のユーザの取得時からの経過時間に関する情報であって、特定手段54は、その経過時間が長いほど、複数の再生情報(第1の情報)のうち情報量が大きい再生情報を特定してもよい。かかる構成では、ゲーム上でカードを長期間所持するほど、カードが提示されるときの画像情報及び/又は音声情報が増加する。そのため、ユーザは、カードが提示されるときの視覚的及び/又は聴覚的な変化を大きくなることを期待して、そのカードを長期間所持することが動機付けられるため、カードを使用するゲームについてユーザがより楽しむことができる。
【0066】
本変形例を実現するために、ゲームサーバ20のCPU21は、カードを取得する度に、カードの取得日時を例えばユーザデータ内に記憶させておく。そして、CPU21は、カード単位で、カードの取得日時から現在日時までの経過時間を算出し、算出した経過時間に応じてカードレベルを決定する。CPU21は、カードレベルを決定するに当たって、
図14に例示したものと同様の形式の対応表を参照するが、本変形例では、カード取得日時からの経過時間が長いほど、カードレベルが上昇するように対応表が構成される。
【0067】
(8−3)変形例3
上述した実施形態では、ユーザ情報が変化する度にユーザデータ内のカードレベルを変化させ(
図15)、ユーザに対してカードを表示するタイミングでユーザデータ内のカードレベルを参照してそのユーザ向けのHTMLデータを生成したが(
図16)、これに限られない。ユーザ情報が変化する度にカードレベルを変更せず、ユーザに対してカードを表示するタイミングでユーザ情報を基にカードレベルを特定してもよい。
本変形例に係るカード表示処理を示すフローチャートを
図17に示す。
図17のフローチャートの各処理について、
図16と同じ処理については同一の符号を付している。
図17において、ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザの保有カードの一覧の中からいずれかのカードの選択操作結果を含むHTTPリクエストを受信すると、当該HTTPリクエストに基づいてユーザのカードの選択結果を認識する。CPU21は、カードの選択結果を認識すると(ステップS100:YES)、ユーザ情報を逐次読み出すか、あるいは算出する(ステップS112)。次いで、CPU21は、ステップS112で得られたユーザに基づき、ユーザ情報とカードレベルとを対応付けた対応表(例えば、
図14)を参照することによってカードレベルを特定する(ステップS114)。CPU21はさらに、カードデータベースを参照して、ユーザデータから読み出したカードレベルに対応する再生情報を読み出し(ステップS120)、その再生情報をHTMLデータに埋め込むようにして、あるいはHTMLデータから再生情報を参照可能な形式で、HTMLデータを生成してユーザの通信端末10宛に送信する(ステップS130)。
なお、ステップS100においてカードの選択結果を認識しない場合には(ステップS100:NO)、終了する。
【0068】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。上記実施形態及び各変形例に記載された技術的事項は適宜組合せて適用してもよい。
【0069】
上述した実施形態では、ユーザによる通信端末に対する所定の操作入力は、ユーザの通信端末に対する所定の操作釦の押下操作の入力や、タッチパネル機能を備えた通信端末に対する表示画面上のタッチ操作の入力であるとしたが、操作入力はこれに限られない。操作入力は、加速度センサを備えた通信端末を振ることによる操作入力、あるいはジェスチャによる操作入力(ジェスチャ入力)であってもよい。ジェスチャ入力では、撮像機能を備えた通信端末に対する所定のジェスチャを行うことで通信端末がそのジェスチャを画像認識し、予めジェスチャに対応付けられた操作入力を認識する。また、音声認識プログラムを実行可能な通信端末の場合には、操作入力は、音声を入力することにより行われてもよい。
【0070】
上述した実施形態では、ソーシャルゲームに適用される場合を例として説明したが、これに限られない。例えば、ネットワーク上に置かれたサーバ装置と家庭用オンラインゲーム機とを接続した、いわゆるオンラインゲームシステムにおいても、上述した実施形態と同様に、各ユーザによるゲームの進行を制御できることは言うまでもない。
【0071】
上述した実施形態では、ネットワーク上のゲームサーバ20及びデータベースサーバ30によって、記憶手段51、ゲーム実行手段52、選択手段53、特定手段54、及び提示手段55の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。これらのすべての手段を通信端末10によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段を通信端末10によって実現する構成としてもよい。通信端末10とゲームサーバ20とでは実質的に同一のハードウエア構成を採るため、上記実施形態に記載したようにして通信端末10によっても各機能を実現できる。なお、上述した実施形態では、カードデータベースをゲームデータベース32が記憶する構成としたが、カードデータベースを通信端末10内のROM12やHDD(Hard Disk Drive;図示せず)に記憶してもよい。
図18(a),(b)には、本実施形態のゲーム制御装置の各機能(
図12に示す各機能)について、通信端末10と、ゲームサーバ20及びデータベースサーバ30との間の分担例を示す。
【0072】
上述した実施形態は、通信機能を使用しないゲーム機においても実現することができる。つまり、上述したデータベースサーバ30に記憶されるデータ(ユーザデータベースやカードデータベース)をゲーム機内のHDDに記憶しておき、ゲーム機内のCPU、ROM、RAM、及びHDDを用いて、本実施形態のゲーム制御装置の各機能を実現することができる。