特許第5701384号(P5701384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5701384流体バルブと共に使用するためのバルブシート装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701384
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】流体バルブと共に使用するためのバルブシート装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/24 20060101AFI20150326BHJP
【FI】
   F16K3/24 A
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-520943(P2013-520943)
(86)(22)【出願日】2010年7月30日
(65)【公表番号】特表2013-532805(P2013-532805A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】CN2010075607
(87)【国際公開番号】WO2012012951
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2013年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ドブス, エリック, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ジールハート, テオドア, ポール
(72)【発明者】
【氏名】マクマホン, ティモシー, アーサー
(72)【発明者】
【氏名】アルマン, ポール, テイラー
(72)【発明者】
【氏名】キュ, ヤン
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04834133(US,A)
【文献】 特開2005−147213(JP,A)
【文献】 特表2009−523968(JP,A)
【文献】 実開平05−092579(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体バルブと共に使用するためのバルブシート装置であって、
第1環状凹部と、前記第1環状凹部に隣接する第2環状凹部とを含むことで、階段状の輪郭をなした外側表面を有する、シートリングと、
前記第1環状凹部の内部に配置される、封止アセンブリと、
前記第2環状凹部内に配置され、前記シートリングに着脱可能に結合されて、前記シートリングの前記第1環状凹部内に、前記封止アセンブリを保持する、保持部材と、
を含み、
前記第1環状凹部、および前記保持部材により、前記シートリングが、第1封止アセンブリを受容し、前記第1封止アセンブリと前記第1封止アセンブリとは異なる第2封止アセンブリとを交換することが可能になる、バルブシート装置。
【請求項2】
前記シートリングの第1末端部が、ケージに結合されて構成され、前記第2環状凹部が、さらに、前記シートリングの第2末端部に隣接して配置される、請求項1に記載のバルブシート装置。
【請求項3】
前記シートリングの前記第1末端部が、前記ケージの一部分を受容して、ネジ留め式の結合に対応するための陥凹部分を含む、請求項2に記載のバルブシート装置。
【請求項4】
前記封止アセンブリは、前記第環状凹部内において、前記保持部材と階段状の肩部との間に画定された空洞部に保持される、請求項3に記載のバルブシート装置。
【請求項5】
前記保持部材が、前記シートリングにネジ留め式に結合される、請求項4に記載のバルブシート装置。
【請求項6】
前記第2封止アセンブリは、封止部材、および押し出し防止リングを含む、請求項1に記載のバルブシート装置。
【請求項7】
第3封止アセンブリが、金属封止部材を含み、前記第1封止アセンブリおよび前記第2封止アセンブリと交換可能に前記前記第1環状凹部内に受容される、請求項1に記載のバルブシート装置。
【請求項8】
前記第3封止アセンブリが、600°F〜1100°Fの温度を有する流体と共に使用するための、内腔封止部材を含む、請求項7に記載のバルブシート装置。
【請求項9】
前記内腔封止部材が、C形状の断面を有する金属封止部材を含む、請求項8に記載のバルブシート装置。
【請求項10】
バルブであって、
内部に流体の通路を画定し、該通路が入口と出口との間を接続する、バルブ本体と、
前記バルブ本体内に設けられた請求項1に記載のバルブシート装置であって、前記シートリングがケージに結合された状態で、前記通路の内部に配置されている、バルブシート装置と
を備え、
前記第1封止アセンブリは、600°F未満の温度の流体と共に使用するために適用され、第2封止アセンブリは、600°Fよりも高い温度の流体と共に使用するために適用される、バルブ。
【請求項11】
前記ケージが、前記バルブ本体内に前記シートリングを吊り下げる、請求項10に記載のバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には、バルブに関し、より詳細には、流体バルブと共に使用するためのバルブシート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バルブは、一般的に、プロセス制御システム内で使用され、プロセス流体の流れを制御する。摺動軸バルブ(例えば、ゲートバルブ、玉形バルブ、ダイヤフラムバルブ、ピンチバルブなど)は、典型的には、流体経路内に配置される閉鎖部材(例えば、バルブプラグ)を有する。バルブ軸が、この閉鎖部材を作動装置に操作可能に結合して、この作動装置が、開放位置と閉鎖位置との間で閉鎖部材を移動させることにより、バルブの入口と出口との間の流体流を可能にするか、または制御する。更には、流体の所望の流れ特性を提供するために、かつ/または特定の流れ特性を達成するために、バルブは、多くの場合、バルブの入口と出口との間の、流体流の経路内に挿置される、ケージを採用する。ケージは、流動容量を低減し、雑音を減衰させ、かつ/またはキャビテーションを低減もしくは排除することができる。
【0003】
典型的には、バルブのサイズ、プロセス流体の動作温度(例えば、−100°F〜450°Fの温度、450°Fよりも高い温度など)などの工業プロセス条件を使用して、使用することができるバルブのタイプ、あるいはバルブの構成要素のタイプ、例えば、ケージ、バルブシート、バルブ本体、および/または閉鎖部材の間の封止をもたらすために使用することができる、封止部材のタイプなどが決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
更には、使用される封止部材のタイプが、通常は、バルブシート/封止部材の構成を決定する。例えば、バルブシートとバルブ本体との間の封止を提供するために、450°F未満の温度を有するプロセス流体に関しては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、PTFE、またはTeflon(登録商標))からなる封止部材が、典型的にはバルブシートとバルブ本体との間に配置される。例えば、その封止部材は、バルブシートの外周面の周りに形成される環状凹部の内部に配置することができる。バルブシートはケージに結合され(例えば、ネジ山によって)、このケージは、バルブ本体にケージが結合されると、そのバルブ本体の流体流の経路内部に、バルブシートを吊り下げる。封止部材が、バルブ本体とバルブシートとの間の流体漏洩を防止する。しかしながら、450°Fよりも高い温度を有するプロセス流体は、ポリテトラフルオロエチレンからなる封止部材を押し出すか、または故障させる虞がある。
【0005】
450°Fよりも高い温度を有するプロセス流体に関しては、バルブシート/封止部材の構成は、バルブシートとバルブ本体との間に配置されるガスケットを含む。しかしながら、そのようなバルブシート/封止部材の構成は、バルブシートがバルブ本体に固定される(例えば、ボルト締めされる)ことを必要とする。それゆえ、450°Fよりも高いプロセス温度で使用するためのバルブの、バルブシート/封止部材の構成は、450°F未満の温度を有するプロセス流体と共に使用するためのバルブシート/封止部材の構成を有するバルブの本体とは、異なるバルブ本体を使用する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で説明される例示的バルブシート装置は、第1環状凹部と、この第1環状凹部に隣接する第2環状凹部とを含むことで、階段状の輪郭をなした外側表面を有する、シートリングを含む。封止アセンブリが第1環状凹部の内部に配置され、保持部材が第2環状凹部内に配置されて、このシートリングの第1環状凹部内に封止アセンブリを保持し、前記シートリングは前記該1環状凹部および前記保持部材により、第1封止アセンブリを受容可能である一方、前記第1封止アセンブリを該第1封止アセンブリとは異なる第2封止アセンブリに交換可能にする(請求項1)
【0007】
別の実施例では、バルブは、内部に流体の通路を画定し、該通路が入口と出口との間を接続する、バルブ本体と、このバルブ本体内に設けられた請求項1のバルブシート装置であって、該バルブシート装置のシートリングがケージに結合された状態で、前記通路内部に配置されている、バルブシート装置とを備え、この場合、前記第1封止アセンブリが600°F未満の温度の流体が流れに対して使用され、前記第2封止アセンブリが600°Fよりも高い温度の流体の流れに対して使用される(請求項10)
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】既知の封止アセンブリで実装される、既知のバルブの断面図である。
図2A】別の既知の封止アセンブリで実装される、別の既知のバルブの断面図である。
図2B】別の既知の封止アセンブリで実装される、別の既知のバルブの断面図である。
図3】本明細書で説明される例示的バルブシート装置で実装される、バルブの断面図である。
図4A図3の例示的バルブシート装置の拡大部分である。
図4B図3の例示的バルブシート装置の拡大部分である。
図5A】本明細書で説明される別の例示的バルブシート装置で実装される、別の例示的バルブを示す。
図5B図5Aの例示的バルブシート装置の拡大部分である。
図6】本明細書で説明される別の例示的バルブシート装置で実装される、更に別の例示的流体バルブの拡大部分である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で説明される例示的バルブシート装置は、バルブ調節構成(例えば、ケージ)を含む、例えば、制御バルブ、スロットルバルブなどのような、摺動軸を有するバルブと共に使用することができる。全般的には、本明細書で説明される例示的バルブシート装置は、広範囲の温度(例えば、−325°F〜1100°F)のプロセス流体と共に使用するための、種々のタイプの封止アセンブリ間の互換性を可能にする、モジュラー式バルブシートを提供する。本明細書で説明されるバルブシート装置によって提供される互換性の結果として、広範囲のプロセス流体温度で使用することができる流体バルブに関して、より多様な封止構成を提供するために必要とされる構成要素の総数は、より少ないものとなる。換言すれば、本明細書で説明される例示的バルブシート装置を使用する場合には、既知のバルブシート設計で典型的には必要とされるような、バルブシート構成、ケージ構成、および/またはバルブ本体構成の、可能な組み合わせのそれぞれを、製造ならびに在庫管理する必要がない。それゆえ、本明細書で説明されるバルブシート装置は、種々の封止アセンブリまたは封止構成と共に使用する場合に、そのバルブシート装置を受容することができる、単一のバルブ本体の製造を可能にする。
【0010】
より具体的には、本明細書で説明されるバルブシート装置は、例えば約−100°F以下〜450°Fの、第1の温度範囲を有するプロセス流体と共に使用するための、第1封止アセンブリ、例えば約450°F〜600°Fの、第2の温度範囲を有するプロセス流体と共に使用するための、第2封止アセンブリ、または例えば約600°F〜1100°Fの、第3の温度範囲を有するプロセス流体と共に使用するための、第3封止アセンブリを、受容することができる。例えば、第1封止アセンブリは、ポリテトラフルオロエチレン、または超高分子量ポリエチレンの封止部材を含み得、第2封止アセンブリは、PTFE封止部材および押し出し防止リングを含み得、第3封止アセンブリは、内腔封止部材(例えば、Cシールなどの金属封止部材)を含み得る。説明される実施例では、保持部材が、バルブシート装置と共に、封止アセンブリを保持する。更には、実施例では、バルブシート装置は、ケージに結合され、このケージは、バルブ本体にケージが結合されると、バルブ本体内部に、バルブシート、封止部材、および保持部材を吊り下げる。
【0011】
例示的バルブシート装置を詳細に論じる前に、既知の流体バルブ100の簡単な説明を、図1に関連して以下に記載する。図1に示される流体バルブ100は、入口106と出口108との間の、流体流の通路104を画定する、バルブ本体102を含む。バルブプラグ110が、摺動可能にケージ112内部に配置され、開放位置と閉鎖位置との間を移動して、流体バルブ100を通る流体流を制御する。バルブ軸114は、作動装置(図示せず)に、バルブプラグ110を結合して、この作動装置が、バルブシート116に向けて、またバルブシート116から離れる方向に、バルブプラグ110を移動させる。バルブシート116は、ケージ112の第1末端部118に結合され(例えば、ネジ山によって)、ケージ112の第2末端部120は、バルブ本体102とボンネット124との間に配置される、フランジ122を含む。バルブ本体102に結合されると、ケージ112は、バルブ本体102内部に、バルブシート116を吊り下げるか、または保持する。
【0012】
動作時には、作動装置が、バルブシート116から離れる方向に、バルブプラグ110を移動させて、流体バルブ100を通る流体流を可能にし(例えば、開放位置)、またバルブシート116に向けて、バルブプラグ110を移動させて、流体バルブ100を通る流体流を制限する。バルブプラグ110は、バルブシート116に封止係合して、流体バルブ100を通る流体流を妨げる(例えば、閉鎖位置)。プラグ封止アセンブリ126は、図1に示すように、流体バルブ100が閉鎖位置にある場合(すなわち、バルブプラグ110が、バルブシート116と封止係合する場合)に、プラグ110とケージ112との間の流体漏洩を防止する。
【0013】
更には、ポリテトラフルオロエチレンなどの弾性材料からなる封止部材128が、バルブシート116の外周面132に形成される、溝または環状凹部130の内部に配置される。バルブシート116は、テーパー状の縁部または表面134(例えば、面取りされた表面もしくは縁部、または引き込み表面もしくは縁部)を含み、封止部材128とバルブシート116との組み立てを可能にするか、または容易にする。封止部材128(例えば、Oリング)は、バルブシート116とバルブ本体102との間の流体漏洩を防止する。封止部材128は、ポリテトラフルオロエチレン材料からなるため、図1の例示的流体バルブ100は、約−100°F〜450°Fの温度を有するプロセス流体と共に使用することができる。450°Fよりも高い温度を有するプロセス流体は、封止部材128を押し出し、かつ/または崩壊させる恐れがある。
【0014】
図2Aは、約325°F〜600°Fの温度を有するプロセス流体と共に使用することができる、別の既知のバルブ200を示す。図2Aに示す流体バルブ200は、入口206と出口208との間の、流体流の通路204を画定する、バルブ本体202を含む。バルブプラグ210が、摺動可能にケージ212内部に配置され、開放位置と閉鎖位置との間を移動して、流体バルブ200を通る流体流を制御する。バルブプラグ210は、封止アセンブリ214を含み、バルブプラグ210とケージ112との間の封止を提供する。バルブ軸216は、作動装置(図示せず)に、バルブプラグ210を結合して、この作動装置が、バルブシート218に向けて、またバルブシート218から離れる方向に、バルブプラグ210を移動させる。バルブシート218は、バルブ本体202にバルブシート218を結合するための複数個の締結具222(例えば、ボルト)を受容する、フランジ220(例えば、環状フランジ)を含む。ガスケット224が、バルブシート218とバルブ本体202との間に配置され、バルブシート218とバルブ本体202との間の流体漏洩を低減または防止する。
【0015】
図2Aに示すバルブシートおよびバルブ本体の構成は、典型的には、約450°F〜600°Fの温度を有するプロセス流体と共に使用される。プロセス流体温度が約450°F〜600°Fである用途では、弾性材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、すなわちPTFE)で作製される封止部材は、典型的には、バルブシート218とバルブ本体202との間の封止を提供するためには使用されないが、これは、その封止部材が、プロセス流体の温度によって押し出されるか、または崩壊する恐れがあるためである。更には、プロセス流体温度が−325°F〜−100°Fである用途では、弾性材料で作製される封止部材は、典型的には、バルブシート218とバルブ本体202との間の封止を提供するためには使用されないが、これは、その封止部材が過度に脆化するためである。また、流体バルブ200のバルブシート218およびバルブ本体202も、図1の流体バルブ100のバルブシート116およびバルブ本体102とは異なるように構成される。
【0016】
図2Bは、約600°F〜1100°Fの温度範囲を有するプロセス流体と共に使用するための、封止アセンブリ232を有する閉鎖部材230で実装される、図2Aのバルブ200を示す。この実施例では、閉鎖部材230の封止アセンブリ232は、グラファイト製ピストンリング234、および金属もしくは任意の他の材料で作製される内腔封止部材236(例えば、C形状の封止部材)を含み、比較的高い温度(例えば、約600°Fよりも高い温度)を有するプロセス流体に関する、閉鎖部材230とケージ212(またはバルブ本体202)との間の、閉鎖部材230の周囲または閉鎖部材230を越えるプロセス流体の漏洩に対する、比較的高い抵抗性を提供する。
【0017】
それゆえ、結果として、複数の、もしくは種々のバルブ本体およびバルブシートの構成を使用する、種々の構成が、種々のプロセス流体温度の範囲に対応するために必要とされ、より多大な在庫管理、および製造コストの増大が、結果的にもたらされる。
【0018】
図3は、例示的バルブシート装置302で実装される、例示的流体バルブ300を示す。図4Aおよび図4Bは、図3の例示的流体バルブ300の拡大図を示す。例示的流体バルブ300は、約−325°F〜1100°F以上のプロセス流体温度を有する用途で使用することが可能な、封止アセンブリを受容することができる。
【0019】
図3を参照すると、流体バルブ300は、入口308と出口310との間の、流体流の経路306を画定する、バルブ本体304を含む。バルブ調節アセンブリ312が、流体流の通路306内に挿置され、入口308と出口310との間の流体流を制御する。バルブ調節アセンブリ312は、例えば、ケージ314、閉鎖部材316(例えば、バルブプラグ)、バルブシート302、およびバルブ軸318などの、流体バルブ300の内部構成要素を含む。
【0020】
ケージ314は、入口308と出口310との間に配置され、バルブ本体304を通る特定の流体流特性を提供する(例えば、流体バルブ300を通る流体の流れによって発生する、雑音および/またはキャビテーションを低減する)。ケージ314は、閉鎖部材316を受容する(例えば、摺動可能に受容する)ための内腔320と、流体バルブ300が開放位置にある場合(すなわち、閉鎖部材316が、バルブシート302から離間している場合)に、流体が通過して流れることができる、少なくとも1つの開口部322とを含む。ケージ314は、種々の方式(例えば、様々な形状、サイズ、または間隔を有する、開口部322)で構成して、例えば、流れを制御し、雑音および/またはキャビテーションを低減し、プロセス流体の減圧を促進するなどのように、その流体の、特定の望ましい流体流特性を提供することができる。
【0021】
図示の実施例では、ケージ314は、実質的な単一構造である。ケージ314の第1末端部324は、バルブ本体304の表面328に係合する、フランジ326を含む。ボンネット(図示せず)(例えば、図1のボンネット124)が、フランジ326に係合して、バルブ本体304内部にケージ314を保持する。ケージ314がバルブ本体304に結合されると、ケージ314は、バルブ本体304内部に、バルブシート302を吊り下げるか、または保持する。それゆえ、ケージ314はまた、バルブ調節アセンブリ312の他の構成要素の保全、取り外し、および/または交換を容易にすることもできる。
【0022】
ケージ314は、閉鎖部材316が、開放位置と閉鎖位置との間を移動する際に、閉鎖部材316を誘導して、横安定性、平衡性、および位置合わせを提供することにより、振動および他の機械的応力を低減する。閉鎖部材316は、内腔320内部に密接に適合して、閉鎖部材316がケージ314の開口部322を遮断する閉鎖位置と、閉鎖部材316が開口部322の少なくとも一部分から離れる(すなわち、封鎖しない)開放位置との間で、ケージ314内部を摺動することができる。
【0023】
図示の実施例では、閉鎖部材316は、円筒形本体330および封止表面332を有する、バルブプラグとして示される。しかしながら、他の実施例では、閉鎖部材316は、流体バルブ300を通る流体の流れを変化させる、ディスクまたは任意の他の構造とすることができる。バルブ軸318が、作動装置(図示せず)に、閉鎖部材316を操作可能に結合する。この実施例では、閉鎖部材316は、溝または管路334を含み、閉鎖部材316全体にわたって作用するプロセス流体の圧力によって、閉鎖部材316全体にわたって加えられる力を、平衡化または均等化する。結果として、開放位置と閉鎖位置との間で閉鎖部材316を移動させるために提供される作動力を、より小さくすることができる。閉鎖部材316はまた、プラグ封止アセンブリ338を受容するための、陥凹部分336も含む。プラグ封止アセンブリ338は、ケージ314の内側表面340に係合して、流体が、ケージ314と閉鎖部材316の外側表面342との間で漏洩することを防止する。プラグ封止アセンブリ338は、弾性材料からなる封止部材344(例えば、Oリング)、および押し出し防止リング346を含む。押し出し防止リング346は、プロセス流体温度が約450°F〜600°Fである場合に、封止部材344が、閉鎖部材316の外側表面342とケージ314の内側表面340との間に押し出されることを防止する。プラグ封止アセンブリ338はまた、裏当てリングまたはピストンリング348も含み得る。
【0024】
図4Aおよび図4Bで最も明確に示されるように、バルブシート302は、外周縁部すなわち外側表面402、および内側表面404を有する、シートリングである。外側表面402は、バルブシート302の第1末端部408に隣接する、第1陥凹部分すなわち肩部406を含み、ケージ314の一部分すなわち第2末端部410を受容する。この実施例では、バルブシート302の第1末端部408は、ネジ山412によって、ケージ314の第2末端部410に結合される。
【0025】
バルブシート302の外側表面402はまた、第1環状凹部すなわち封止部材受容区域414、およびこの封止部材受容区域414に隣接する第2環状凹部すなわち保持部材受容区域416も含み、階段状部分418を画定または形成する(例えば、機械加工によって)。保持部材受容区域416は、バルブシート302の第2末端部420に隣接する。封止アセンブリ422が、バルブシート302の封止部材受容区域414内部に配置され、保持部材424が、保持部材受容区域416内部に配置されて、階段状部分418の肩部すなわち壁426と保持部材424との間に、封止アセンブリ422を保持する。この実施例に示すように、保持部材424は、ネジ山428によって、バルブシート302の保持部材受容区域416に結合される。バルブシート302に結合されると、保持部材424および肩部426は、封止アセンブリ422を受容するための空洞部を画定する。
【0026】
封止アセンブリ422は、例えばポリテトラフルオロエチレンなどの、弾性ポリマーまたはフルオロポリマーからなる、封止部材430(例えば、Oリング)を含む。押し出し防止リング432(例えば、硬質プラスチック)は、更なる封止を提供して、流体バルブ300が約450°F〜600°Fの温度を有するプロセス流体と共に使用される場合に、封止部材430が、バルブシート302とバルブ本体304との間に押し出されることを防止する。一部の実施例では、450°F未満の温度を有するプロセス流体に関して、押し出し防止リング432が使用されない場合がある。図示のように、押し出し防止リング432は、保持部材424と封止部材430との間に配置され、封止部材430は、押し出し防止リング432と、階段状部分418によって形成される肩部426との間に配置される。封止部材430は、バルブシート302(およびケージ314)がバルブ本体304に結合されると、バルブ本体304の表面434(図4B)に係合する。
【0027】
動作時には、作動装置(例えば、空気圧式作動装置)は、閉鎖部材316がバルブシート302と封止係合して、流体バルブ300を通る流体流を制限または妨げる、閉鎖位置と、閉鎖部材316がバルブシート302およびケージ314の開口部322から離間して、流体バルブ300を通る流体流を可能にする、完全開放または最大流量位置との間で、バルブ軸318を、またそれゆえ閉鎖部材316を、移動させる。開放位置では、流体は、入口308から、ケージの開口部322を通って、出口310までの間を流れる。閉鎖位置では、閉鎖部材316が、ケージ314の開口部322を遮断して、封止表面332が、バルブシート302に封止係合し、入口308と出口310との間の流体流を妨げる。
【0028】
封止アセンブリ422は、バルブ本体304とバルブシート302との間の封止を提供する。バルブ本体304とバルブシート302との間(および閉鎖部材316とケージ314との間)の漏洩は、流体バルブ300の遮断等級に影響を及ぼし得る。封止アセンブリ422は、バルブシート302とバルブ本体304との間に配置され、閉鎖部材316が閉鎖位置にある場合に、流体バルブ300の入口308と出口310との間の漏洩を防止して、流体バルブ300の遮断等級を改善する。
【0029】
図5Aは、図3図4A、および図4Bのバルブシート302で実装されるが、別の例示的封止アセンブリ502を有する、例示的流体バルブ500を示す。図5Bは、図5Aの流体バルブ500の拡大部分を示す。上述の例示的流体バルブ300の構成要素と実質的に同様または同一であり、それらの構成要素の機能と実質的に同様または同一の機能を有する、図5Aおよび図5Bの例示的バルブ500の構成要素は、以下で再び詳細に説明されることはない。その代わりに、関心のある閲覧者は、図3図4A、および図4Bに関連する、上記の対応する説明を参照されたい。それらの実質的に同様または同一である構成要素は、図3図4A、および図4Bに関連して説明される構成要素と同じ参照番号で参照される。具体的には、例示的流体バルブ500は、図3のバルブ本体304を含む。
【0030】
例示的バルブ500は、図3および図4の例示的流体バルブ300と同様である。しかしながら、例示的バルブ500は、約600°Fよりも高い温度を有するプロセス流体と共に使用することができる。例示的バルブ500の閉鎖部材504は、プラグ封止アセンブリ506で実装される。この実施例では、閉鎖部材504のプラグ封止アセンブリ506は、グラファイト製ピストンリング508、および金属もしくは任意の他の材料で作製される内腔封止部材510(例えば、C形状の封止部材)を含み、比較的高い温度(例えば、約600°Fよりも高い温度)を有するプロセス流体に関する、閉鎖部材504とバルブ本体304との間のプロセス流体の漏洩に対する、比較的高い抵抗性を提供する。
【0031】
図3図4A、および図4Bの流体バルブ300と同様に、バルブシート302が、ケージ314に結合されて、バルブ本体304内部に配置される。封止アセンブリ502が、バルブシート302の封止部材受容区域414内部に配置される。保持部材424が、保持部材受容区域416内部に配置されて、階段状部分418の肩部すなわち壁426と保持部材424との間に、封止アセンブリ502を保持する。この実施例では、封止アセンブリ502は、600°Fよりも高い温度に対して高い抵抗性がある金属または任意の他の材料で作製される、内腔封止部材512(例えば、C形状の封止部材)を含む。内腔封止部材512は、そのような高温に抵抗することができ、バルブシート302とバルブ本体304との間の封止を提供する。通路306を通って流れる流体の流向に応じて、内腔封止部材512の開口部が流体の流れの方向に面するように、内腔封止部材512を、封止部材受容区域414内部に配置することができる。
【0032】
図6は、別の例示的保持装置604を含む、本明細書で説明される別の例示的バルブシート602で実装される、更に別の例示的流体バルブ600の拡大部分を示す。上述の例示的流体バルブ300または例示的流体バルブ500の構成要素と実質的に同様もしくは同一であり、それらの構成要素の機能と実質的に同様または同一の機能を有する、図6の例示的バルブ600の構成要素は、以下で再び詳細に説明されることはない。その代わりに、関心のある閲覧者は、図3図4A図4B図5A、および図5Bに関連する、上記の対応する説明を参照されたい。それらの実質的に同様または同一である構成要素は、図3図4A図4B図5A、および図5Bに関連して説明される構成要素と同じ参照番号で参照される。具体的には、例示的流体バルブ600は、図3図5A、および図5Bの、バルブ本体304を含む。
【0033】
図6に示すように、バルブシート602(例えば、シートリング)は、内側表面606、および主要直径を有する外周縁部すなわち外側表面608を含む。外側表面608は、バルブシート602の第1末端部612に隣接する、陥凹部分610を含み、ケージ314の末端部410を受容する。この実施例では、バルブシート602の第1末端部612は、ケージ314の末端部410に、ねじ留め式に結合される。
【0034】
バルブシート602の外側表面608はまた、第1環状凹部すなわち封止部材受容区域614、およびこの封止部材受容区域614に隣接する第2環状凹部すなわち保持部材受容区域616(例えば、空洞部)も含む。封止部材受容区域614は、例えば機械加工または任意の他の好適な製造プロセスによって形成される、低減された外径すなわち封止外径を有する。保持部材受容区域616は、対向する壁すなわち肩部618aおよび肩部618bと、壁618cとを有する、環状凹部(例えば、C形状の断面形状を有する環状凹部)である。保持部材受容区域616は、バルブシート602の第2末端部620に近接している。
【0035】
封止アセンブリ622が、バルブシート602の封止部材受容区域614内部に配置されるか、または封止部材受容区域614上に滑り嵌めされ、保持部材624が、保持部材受容区域616内部に配置されて、肩部すなわち壁626と保持部材624との間に、封止アセンブリ622を保持する。この実施例に示すように、保持部材624は、バルブシート602の保持部材受容区域616内部に配置されるスナップリングである。より具体的には、保持部材624は、対向する壁618aと壁618bとの間に、少なくとも部分的に配置または捕捉される。封止部材受容区域614内部に配置される場合の封止アセンブリ622を更に支持するために、バックアップリング628を含めることができる。バックアップリング628は、封止部材受容区域614の外径と実質的に同様の内径、およびバルブシート602の外側表面608と実質的に同様である外径を含み得る。バルブシート602に結合されると、保持部材624および/またはバックアップリング628、ならびに肩部626は、封止アセンブリ622を受容するための空洞部を画定する。
【0036】
図示の実施例では、封止アセンブリ622は、例えばポリテトラフルオロエチレンなどの、弾性材料またはフルオロポリマー材料からなる、封止部材630(例えば、Oリング)を含み、その中にバネ632aを配置させて、バルブシート602の外側表面608、およびバルブ本体304の表面434に向けて、封止部材630の側部632bを付勢する。押し出し防止リング634(例えば、硬質プラスチックの押し出し防止リング)は、約450°F〜600°Fの温度を有するプロセス流体と共に使用される場合に、封止部材630がバルブシート602とバルブ本体304との間に押し出されることを防止するために提供される。一部の実施例では、450°F未満の温度を有するプロセス流体に関して、押し出し防止リング634が使用されない場合がある。図示のように、押し出し防止リング634は、バックアップリング628と封止部材630との間に配置され、封止部材630は、押し出し防止リング634と、肩部626との間に配置される。封止部材630は、バルブシート602(およびケージ314)がバルブ本体304に結合されると、バルブ本体304の表面434に係合する。他の実施例では、封止部材受容区域614は、例えば、封止アセンブリ422(図3図4A、および図4B)および/または封止アセンブリ502(図5Aおよび図5B)などの、任意の他の好適な封止アセンブリを受容することができる。
【0037】
例示的バルブシート302および例示的バルブシート602は、約−100°F以下〜450°Fの温度を有するプロセス流体と共に使用するための、第1封止アセンブリ(例えば、封止部材422、630)と、450°F〜600°Fの温度を有するプロセス流体と共に使用するための、第2封止アセンブリ(例えば、封止部材422、630、および押し出し防止リング424、634)と、約600°F〜1100°F以上の温度を有するプロセス流体と共に使用するための、第3封止アセンブリ(例えば、封止アセンブリ502)と、を受容することができる、モジュラー式バルブシートを提供する。結果として、本明細書で説明される例示的バルブシート装置は、例えば図1の流体バルブ100および図2の流体バルブ200に関連する、製造コストならびに在庫管理コストを著しく低減する。それゆえ、本明細書で説明されるバルブシート装置により、種々の封止アセンブリを、同じバルブシート/本体の構成と共に使用することが可能になる。
【0038】
特定の装置が、本明細書で説明されているが、本特許の対象の範囲は、それらに限定されるものではない。反対に、本特許は、字義通りまたは均等論の下で、添付の特許請求の範囲に適正に含まれる、全ての装置を対象とする。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6