特許第5701431号(P5701431)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5701431
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】軒先換気構造体
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/152 20060101AFI20150326BHJP
   E04D 13/16 20060101ALI20150326BHJP
   E04B 9/02 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   E04D13/152 Z
   E04D13/16 A
   E04B5/60 F
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-118319(P2014-118319)
(22)【出願日】2014年6月9日
【審査請求日】2014年6月10日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年3月20日ハウゼコ技術セミナーにおいて公開。平成26年3月17日株式会社オープンハウス・ディベロップメントにて公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】592114080
【氏名又は名称】株式会社ハウゼコ
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】神戸 睦史
【審査官】 南澤 弘明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−27652(JP,A)
【文献】 特許第5393135(JP,B2)
【文献】 特公昭61−25869(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/152
E04B 9/02
E04D 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材と外壁とからなる軒先部分に設置する軒先換気構造体であって、
前記屋根材に取り付けられ、その下面に第1の開口が形成されると共に前記屋根材の短手方向の断面がU字状に形成された通気部材と、
前記外壁に取り付けられ、前記通気部材に接続する外壁部材と、
前記通気部材の前記U字状の部分の中に脱着自在に装着され、前記下面から上方に離れた位置に第2の開口が形成された第1の通気部品とを備えた、軒先換気構造体。
【請求項2】
前記通気部材及び前記外壁部材の各々は、前記屋根材の長手方向に延び、
前記第1の通気部品は、前記通気部材に対して長手方向に挿入自在の形状を有する、請求項1記載の軒先換気構造体。
【請求項3】
前記通気部材の前記U字状の部分の中に、前記第1の通気部品の上方に脱着自在に装着され、前記第2の開口から上方に離れた位置に第3の開口が形成された第2の通気部品を更に備え、
前記第2の通気部品は、前記通気部材に対して長手方向に挿入自在の形状を有する、請求項1又は請求項2記載の軒先換気構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は軒先換気構造体に関し、特に、家屋における小屋裏空間の自然換気を図るために、軒先部分に取り付けられる軒先換気構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図20は特許文献1で開示された従来の軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略断面図である。
【0003】
図を参照して、軒先換気構造体81は、屋根材82と鼻隠し(外壁部材の一部)88とからなる軒先部分83に設置されている。軒先換気構造体81は、鋼板を折り曲げて形成された通気部材84を中心として構成され、通気部材84内には通気部品85が図示しない接着剤又は両面テープ等によって取り付けられている。尚、通気部品85は、屋根材82の幅方向の断面が矩形形状を有し、長手方向に対しては通気部材84の長手方向の長さとほぼ同一長さを有する棒形状を有している。具体的には、通気部品85は各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって相互に接続して一体化されている。そして、下方の面から上方の面へ貫通する通気孔(図示せず)が多数形成されている。尚、通気孔はほぼ1mm×4mmの長方形形状の開口寸法に設定されている。又、通気部材84の一部は平板状に折り曲げられることで鍔部86が形成されている。更に、通気部材84には、軒先換気構造体81の長手方向に沿って複数の開口87が形成されている。
【0004】
このような軒先換気構造体81においては、通気部材84は通気部品85の通気孔(図示せず)を介しての通気を可能にすると共に、通気孔を介しての雨水の浸入を阻止する通気性能及び防水性能を発揮する。したがって、開口87の各々から侵入した外気は、通気部品85の通気孔(図示せず)を通過して小屋裏空間90へと移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−60746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図20に示したような従来の軒先換気構造体81では、上述したように、通気部品85は接着剤等によって通気部材84内に取り付けられるため、雨水の浸入方向や浸入量等に応じて軒先換気構造体81の防水性能を適宜調整できないという問題がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、防水性能を調整することができ、信頼性が向上した軒先換気構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、屋根材と外壁とからなる軒先部分に設置する軒先換気構造体であって、屋根材に取り付けられ、その下面に第1の開口が形成されると共に屋根材の短手方向の断面がU字状に形成された通気部材と、外壁に取り付けられ、通気部材に接続する外壁部材と、通気部材のU字状の部分の中に脱着自在に装着され、下面から上方に離れた位置に第2の開口が形成された第1の通気部品とを備えたものである。
【0009】
このように構成すると、軒先換気構造体の防水性能を調整することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、通気部材及び外壁部材の各々は、屋根材の長手方向に延び、第1の通気部品は、通気部材に対して長手方向に挿入自在の形状を有するものである。
【0011】
このように構成すると、第1の通気部品の設置に対して通気部材の上方のスペースを必要としない。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、通気部材のU字状の部分の中に、第1の通気部品の上方に脱着自在に装着され、第2の開口から上方に離れた位置に第3の開口が形成された第2の通気部品を更に備え、第2の通気部品は、通気部材に対して長手方向に挿入自在の形状を有するものである。
【0013】
このように構成すると、軒先換気構造体の防水性能が更に向上する。又、第2の通気部品の設置に対して通気部材の上方のスペースを必要としない。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、軒先換気構造体の防水性能を調整することができるため、信頼性が向上する。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第1の通気部品の設置に対して通気部材の上方のスペースを必要としないため、第1の通気部品の設置が容易となる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、軒先換気構造体の防水性能が更に向上し、又、第2の通気部品の設置に対して通気部材の上方のスペースを必要としないため、信頼性が更に向上すると共に、第2の通気部品の設置が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の第1の実施の形態による軒先換気構造体の外観形状を示した平面図である。
図2図1で示した軒先換気構造体の屋根材の短手方向の拡大側面図である。
図3図1で示したIII−IIIラインから見た拡大断面図である。
図4図2で示したIV−IVラインから見た縮小図である。
図5図2で示したV−Vラインから見た縮小図である。
図6図2で示したVI−VIラインから見た縮小図である。
図7図2で示した軒先換気構造体の分解図である。
図8図2で示した第1の通気部品の外観形状を概略的に示す拡大斜視図である。
図9図2で示した第2の通気部品の外観形状を概略的に示す拡大斜視図である。
図10図2で示した軒先部に装着された第1の通気部品及び第2の通気部品の外観形状を概略的に示す拡大斜視図である。
図11図1で示した軒先換気構造体の軒先部分への取付工程を示す概略断面図である。
図12図11で示す取付工程に続く他の取付工程を示す概略断面図である。
図13図12で示す取付工程に続く更に他の取付工程を示す概略断面図である。
図14図13で示す取付工程に続く更に他の取付工程を示す概略断面図である。
図15図14で示す取付工程に続く更に他の取付工程を示す概略断面図である。
図16図15で示す取付工程に続く更に他の取付工程を示す概略断面図である。
図17図16で示す取付工程に続く更に他の取付工程を示す概略断面図である。
図18】この発明の第2の実施の形態による軒先換気構造体の軒先部分への取付工程の一部を示す概略断面図である。
図19図18に対応した図であって、熱膨張シーリングが膨張した後の軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略断面図である。
図20】特許文献1で開示された従来の軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1はこの発明の第1の実施の形態による軒先換気構造体の外観形状を示した平面図であり、図2図1で示した軒先換気構造体の屋根材の短手方向の拡大側面図であり、図3図1で示したIII−IIIラインから見た拡大断面図であり、図4図2で示したIV−IVラインから見た縮小図であり、図5図2で示したV−Vラインから見た縮小図であり、図6図2で示したVI−VIラインから見た縮小図であり、図7図2で示した軒先換気構造体の分解図である。
【0019】
これらの図を参照して、軒先換気構造体11は、通気機能を有する通気部材15及び外壁部材35を中心として構成されている。尚、通気部材15及び外壁部材35共に、屋根材(図示せず)の長手方向に延びる形状を有している。
【0020】
通気部材15は、鋼板を折り曲げて形成され、屋根材(図示せず)に対して平行状態で幅方向に斜め下方に延びる傾斜部17と、傾斜部17の下方側に接続された軒先部19とを含んでいる。尚、軒先部19の一部は折り曲げられることで、平板状の延出部20が形成されている。又、軒先部19の短手方向の断面はU字形状に形成されており、軒先部19の下面22には、下面22を軒先部19の内方へ切り起こしてなる第1の開口23が、屋根材(図示せず)の長手方向に所定間隔で複数形成されている。更に、軒先部19のU字形状部分の中には、詳しくは後述する第1の通気部品45及び第2の通気部品51が、軒先部19に対して脱着自在に装着されている。
【0021】
外壁部材35は、鋼板を折り曲げて形成され、外壁(図示せず)に取り付けられる外壁固定部37と、外壁固定部37に接続され、軒先部19に対向する軒先対向部38とを含んでいる。尚、軒先対向部38の一部は折り曲げられることで、屋根材(図示せず)の短手方向の断面がコの字形状の受け部39が形成されている。そして、上述した延出部20は、受け部39に対し、受け部39の内方を摺動自在に移動するようにして、延出部20と受け部39とが、水平方向にスライド自在に係合するように構成されている。
【0022】
図8図2で示した第1の通気部品の外観形状を概略的に示す拡大斜視図であり、図9図2で示した第2の通気部品の外観形状を概略的に示す拡大斜視図であり、図10図2で示した軒先部に装着された第1の通気部品及び第2の通気部品の外観形状を概略的に示す拡大斜視図である。
【0023】
これらの図を参照して、第1の通気部品45は、屋根材(図示せず)の長手方向に延び、軒先部19の長手方向の長さとほぼ同一の長さを有している。又、第1の通気部品45は、屋根材(図示せず)の短手方向の断面が逆U字形状に形成されており、軒先部19に対して長手方向に挿入自在の形状を有している。更に、第1の通気部品45の上面46には、上面46を第1の通気部品45の内方(下方)へ切り起こしてなる第2の開口47が、屋根材(図示せず)の長手方向に所定間隔で複数形成されている。
【0024】
一方で、第2の通気部品51も、第1の通気部品45と同様に、屋根材(図示せず)の長手方向に延び、軒先部19の長手方向の長さとほぼ同一の長さを有している。又、第2の通気部品51も、屋根材(図示せず)の短手方向の断面が逆U字形状に形成されており、軒先部19に対して長手方向に挿入自在の形状を有している。更に、第2の通気部品51の上面52には、上面52を第2の通気部品51の内方(下方)へ切り起こしてなる第3の開口53が、屋根材(図示せず)の長手方向に所定間隔で複数形成されている。尚、軒先部19の中で、第2の通気部品51は、第3の開口53が第1の通気部品45の第2の開口47から上方に対応して位置するようにして、第1の通気部品45の上方に装着されている。
【0025】
次に、図1で示した軒先換気構造体11の軒先部分への取付について説明する。
【0026】
図11から図17は、図1で示した軒先換気構造体の軒先部分への取付各工程を示す概略断面図である。
【0027】
はじめに図11を参照して、軒先換気構造体11を軒先部分に取り付ける。取付にあっては、あらかじめ延出部20と受け部39とを係合させて、外壁部材35が通気部材15に一体的に保持された状態とする。この状態で、下方先端側に水切部材61が取り付けられた屋根材下地64に対して、軒先換気構造体11を外方側から移動させる。それから、傾斜部17が屋根材下地64の一部及び水切部材61の各々の上面を覆うと共に、傾斜部17が屋根材下地64に対して平行状態となるようにして、軒先換気構造体11を取り付ける。
【0028】
本実施の形態によれば、外壁部材35が通気部材15に一体的に保持された状態で軒先換気構造体11を取り付けることができるので、取付過程で外壁部材35を紛失する虞がない。
【0029】
次に図12を参照して、第1の通気部品45を軒先部19に対して長手方向に挿入して、軒先部19の中に第1の通気部品45を装着する。このとき、第1の通気部品45の第2の開口47が、軒先部19の第1の開口23から上方に対応して位置するように装着する。
【0030】
それから、第2の通気部品51を軒先部19に対して長手方向に挿入して、第1の通気部品45の上方に第2の通気部品51を装着する。このとき、第2の通気部品51の第3の開口53が、第1の通気部品45の第2の開口47から上方に対応して位置するように装着する。
【0031】
本実施の形態によれば、第1の通気部品45及び第2の通気部品51のそれぞれを軒先部19に対して長手方向に挿入できるため、第1の通気部品45及び第2の通気部品51の装着に対して軒先部19の上方のスペースが不要となると共に、第1の通気部品45及び第2の通気部品51の各々を容易に装着できる。
【0032】
それから屋根材下地64及び傾斜部17の上面を覆うようにして、ルーフィング65及び屋根材66を順に設置する。
【0033】
次に図13図14及び図15を参照して、外壁下地70及び胴縁71を順に設置する。それから外壁部材35を通気部材15から離れるように、胴縁71側へと水平方向にスライドし、外壁固定部37を胴縁71に当接させる。
【0034】
本実施の形態によれば、延出部20は、受け部39に対し、受け部39の内方を摺動するので、上述のスライド動作は安定し、水平方向の調整を容易に行うことができる。又、受け部39及び延出部20の各々は、上述したように鋼板を折り曲げて形成されることで強度が向上しているため、受け部39及び延出部20の係合状態が安定している。
【0035】
次に図16及び図17を参照して、外壁固定部37が胴縁71に当接している状態で、外壁固定部37に外壁72の内面が当接するようにして外壁72を取り付ける。最後に軒先対向部38と外壁72の上端部の間の隙間にコーキング剤74を充填し、軒先換気構造体11の取付を終了する。
【0036】
このようにして取り付けられた軒先換気構造体11にあっては、第1の開口23、第2の開口47及び第3の開口53を介して小屋裏空間55の自然換気を図ることができる。
【0037】
尚、本実施の形態によれば、軒先部19の中に第1の通気部品45及び第2の通気部品51を装着することで、軒先換気構造体11の防水性能を調整することができる。又、第2の開口47及び第3の開口53の各々を上述したように切り起こし孔として形成することで、それらの開口寸法を従来の通気部品の開口寸法よりも大きくすることができる。これによれば、第2の開口47及び第3の開口53の各々が埃等によって目詰まり等する虞がないので、軒先換気構造体11の通気性能が低下する虞がない。
【0038】
図18はこの発明の第2の実施の形態による軒先換気構造体の軒先部分への取付工程の一部を示す概略断面図である。
【0039】
図を参照して、この実施の形態による軒先換気構造体の基本的な構造は、第1の実施の形態による軒先換気構造体と同様であるので、ここでは相違点を中心に説明する。
【0040】
この実施の形態においては、軒先換気構造体31の水平方向における延出部20の長さ、及び、受け部39の内方の長さをそれぞれd、dとすると、d>dに設定されている。これにより、軒先部19と軒先対向部38とが水平方向に最も近づいたときに、通気部材15と外壁部材35との接合部分には、軒先部19、延出部20及び軒先対向部38により形成される、屋根材の短手方向の断面が逆U字形状のスペース(S)が残る。そして、このスペース(S)には、熱膨張シーリング32が充填される。尚、熱膨張シーリング32としては、例えば3M(登録商標)ファイヤーバリアー(3M社製)のように、350℃以上の高温になると熱に反応して6倍以上に膨張するシーリング材等の、汎用の熱膨張シーリング材を使用すれば良い。
【0041】
尚、本実施の形態においては、更に、水切部材61の下方先端側及び下面側、傾斜部17の下方上面側、及び第1の通気部品45及び第2の通気部品51の各々の内方のそれぞれに熱膨張材33a〜eを取り付けているが、熱膨張シーリング32を少なくとも上述のスペース(S)に取り付ければ、後述する効果は発揮される。
【0042】
図19図18に対応した図であって、熱膨張シーリングが膨張した後の軒先換気構造体の軒先部分への取付状態を示す概略断面図である。
【0043】
図を参照して、軒先換気構造体31によれば、火災等が発生すると、その熱により熱膨張シーリング32が膨張する。これによれば、膨張した熱膨張シーリング32によって通気部材15と外壁部材35との接合部分を保護することができるので、第1の実施の形態の軒先換気構造体11(図17参照)と比較して、軒先換気構造体31は耐火性が向上している。又、上述したように、接合部分の短手方向の断面は逆U字形状を有することで熱膨張シーリング32の充填量は一定となるため、耐火機能は安定して発揮される。
【0044】
尚、上記の各実施の形態では、通気部材は特定形状を有しているが、少なくとも屋根材に取り付けられ、その下面に第1の開口が形成されると共に、屋根材の短手方向の断面がU字状に形成されていれば、他の形状であっても良い。
【0045】
又、上記の各実施の形態では、外壁部材は特定形状を有しているが、外壁に取り付けられ、通気部材に接続するものであれば、他の形状であっても良い。
【0046】
更に、上記の各実施の形態では、第1の通気部品は特定形状を有しており、又、その第2の開口は所定位置に形成された構成としたが、第1の通気部品は少なくとも通気部材のU字状の部分の中に脱着自在に装着される構成であれば良く、又、第2の開口は軒先部の下面から上方に離れた位置に形成されていれば、他の形状であっても良い。
【0047】
更に、上記の各実施の形態では、第2の通気部品は特定形状を有しており、又、その第3の開口は所定位置に形成された構成としたが、第2の通気部品は少なくとも通気部材のU字状の部分の中であって、第1の通気部品の上方に脱着自在に装着される構成であれば良く、又、第3の開口は第1の通気部品の第2の開口から上方に離れた位置に形成されていれば、他の形状であっても良い。
【0048】
更に、上記の各実施の形態では、形状の異なる2つの通気部品を備える構成としているが、軒先換気構造体は、少なくとも第1の通気部品を備えていれば良い。又、通気部材の形状を変えることで、例えば第2の通気部品を2以上備えると共に、一方の第2の通気部品の上方に他方の第2の通気部品が装着される構成とする等、第1の通気部品の他に、複数の他の通気部品を備える構成としても良い。
【0049】
更に、上記の各実施の形態では、第1の通気部品及び第2の通気部品の各々は、通気部材のU字状部分の中に特定方向から装着される構成としたが、これらが他の方向から装着される構成としても良い。
【0050】
更に、上記の各実施の形態では、軒先換気構造体を特定の手順で取り付ける構成としたが、例えば通気部材のU字状の部分の中に第1の通気部品及び第2の通気部品を先に装着してから、通気部材を屋根材に取り付けても良い
更に、上記の各実施の形態では、通気部材は外壁部材を保持できる形状を有しているが、通気部材は外壁部材を保持できない形状であっても良い。
【0051】
更に、上記の各実施の形態では、傾斜部を含む通気部材とすることで、傾斜屋根に対応した軒先換気構造体としているが、通気部材の形状を変えることで、平坦屋根等の他の屋根に対応した軒先換気構造体としても良い。
【0052】
更に、上記の各実施の形態では、通気部材及び外壁部材はそれぞれ鋼板を折り曲げて形成されているが、通気部材及び外壁部材の少なくとも一方が、鋼板の折り曲げ以外で形成されていても良い。
【0053】
更に、上記の各実施の形態では、通気部材及び外壁部材がスライド係合する構成としたが、通気部材及び外壁部材はスライド係合せずに一体型に構成されていても良い。
【符号の説明】
【0054】
11…軒先換気構造体
15…通気部材
17…傾斜部
19…軒先部
20…延出部
35…外壁部材
38…軒先対向部
39…受け部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【要約】
【課題】 防水性能を調整することができ、信頼性が向上した軒先換気構造体を提供する。
【解決手段】 軒先換気構造体11は、通気部材15と、外壁72に取り付けられ、通気部材15に接続する外壁部材35とを中心に構成されている。通気部材15は、軒先部19を含んでおり、屋根材の短手方向における軒先部19の断面はU字形状に形成されている。又、軒先部19の下面には、第1の開口23が、屋根材の長手方向に所定間隔で複数形成されている。更に、軒先部19のU字状の部分の中には、第2の開口47が形成された第1の通気部品45、及び、第3の開口51が形成された第2の通気部品51が脱着自在に装着されている。このような構成とすることで、軒先換気構造体11の防水性能を調整することができ、信頼性が向上する。
【選択図】 図17
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20