特許第5701448号(P5701448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701448
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】ダブルオフセット型の等速ジョイント
(51)【国際特許分類】
   F16D 3/227 20060101AFI20150326BHJP
【FI】
   F16D3/227 G
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-509465(P2014-509465)
(86)(22)【出願日】2012年5月4日
(65)【公表番号】特表2014-513258(P2014-513258A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】US2012036447
(87)【国際公開番号】WO2012154526
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2013年11月14日
(31)【優先権主張番号】61/483,148
(32)【優先日】2011年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511310568
【氏名又は名称】ダナ オートモーティブ システムズ グループ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オー、スン、ターク
【審査官】 稲垣 彰彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭47−35444(JP,A)
【文献】 特開2010−101493(JP,A)
【文献】 特開2000−170785(JP,A)
【文献】 特開昭63−101522(JP,A)
【文献】 特開昭52−8251(JP,A)
【文献】 特開昭51−119447(JP,A)
【文献】 特開昭48−69932(JP,A)
【文献】 米国特許第3464232(US,A)
【文献】 米国特許第2150952(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 3/227
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
等速ジョイントであって、
外側部材の軸と、前記外側部材の内部に形成され、前記外側部材の軸に平行な複数の外側トラックと、内表面とを有する前記外側部材と、
内側部材の軸と、ジョイントの角運動のピボット点と異なる中心を有する球形の外表面と、前記内側部材の軸に平行な複数の内側トラックとを有する前記内側部材と、
第1の球形の外表面と、第2の球形の外表面と、球形の内表面と、環状部材に貫通して形成された複数の穿孔部とをもつ前記環状部材と、
前記環状部材の前記第2の球形の外表面に接触し、前記外側部材に対して配置された保持部材と、
前記環状部材に貫通して形成された前記複数の穿孔部に設けられた複数のトルク伝達部材と
を備え、
前記第1の球形の外表面と前記球形の内表面とは、前記内側部材の前記球形の外表面と共通の中心を有し、
前記第2の球形の外表面は、前記ピボット点と前記第1の球形の外表面と異なる中心を有し、
前記第2の球形の外表面は、前記外側部材の前記内表面の直径を補完する直径を有し、
前記環状部材は、前記内側部材と前記外側部材との間に設けられ、
前記複数のトルク伝達部材のそれぞれは、前記複数の外側トラックの1つおよび前記複数の内側トラックの1つに接触して、
前記複数のトルク伝達部材は、前記複数の外側トラックおよび前記複数の内側トラックと協働して、前記環状部材を、前記外側部材の軸と前記内側部材の軸とが形成する角度を二等分する平面に位置させる、等速ジョイント。
【請求項2】
前記等速ジョイントは、固定式等速ジョイントである、請求項1に記載の等速ジョイント。
【請求項3】
前記第2の球形の外表面の直径は、前記外側部材の前記内表面の直径を補完する、請求項1または2に記載の等速ジョイント。
【請求項4】
前記外側部材の前記複数の外側トラックの一部は、前記環状部材の前記第2の球形の外表面と接触し、前記環状部材の前記第2の球形の外表面を補完する外側部材の内部の球形の表面を定義する、請求項2に記載の等速ジョイント。
【請求項5】
前記保持部材は、
前記環状部材の前記第2の球形の外表面と接触し、前記環状部材の前記第2の球形の外表面を補完する内表面
を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の等速ジョイント。
【請求項6】
前記外側部材の前記内表面の一部は、前記環状部材の前記第2の球形の外表面と接触し前記環状部材の前記第2の球形の外表面を補完する球形の保持表面を定義し、
前記保持部材の前記内表面及び前記球形の保持表面は、前記環状部材の前記第2の球形の外表面と滑動可能に係合する
請求項5に記載の等速ジョイント。
【請求項7】
前記外側部材は、
内側に形成され、前記外側部材内に前記保持部材を固定するための保持特徴部
をさらに有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の等速ジョイント。
【請求項8】
前記保持部材は、前記複数の外側トラックの末端部に対して隣接するように配置されている、請求項からのいずれか一項に記載の等速ジョイント。
【請求項9】
前記保持特徴部は、留め具を受け容れるために前記外側部材に形成された溝である、請求項に記載の等速ジョイント。
【請求項10】
前記保持特徴部は、前記外側部材の一部から形成された少なくとも1つのステークを含む、請求項に記載の等速ジョイント。
【請求項11】
前記保持部材は、前記外側部材と螺子山によって係合する、請求項から10のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
【請求項12】
前記保持部材は、
内側に形成され、留め具と駆動可能に係合するための孔
を有する、請求項から11のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
【請求項13】
前記等速ジョイントは、第1の部材と、前記内側部材を含む第2の部材との間を連結し、
前記外側部材は、前記第1の部材と一体形成されており、
前記保持部材は、前記第1の部材とは反対側における前記外側部材の端部に配置されている
請求項1から12のいずれか1項に記載の等速ジョイント。
【請求項14】
等速ジョイントであって、
外側部材の軸と、前記外側部材の内部に形成され、前記外側部材の軸に平行な複数の外側トラックと、内表面とを有する前記外側部材と、
内側部材の軸と、ジョイントの角運動のピボット点と異なる中心を有する球形の外表面と、前記内側部材の軸に平行な複数の内側トラックとを有する前記内側部材と、
円錐状の外表面と、球形の外表面と、球形の内表面と、環状部材に貫通して形成された複数の穿孔部とをもつ前記環状部材と、
前記環状部材の前記球形の外表面に接触し、前記外側部材に対して配置された保持部材と、
前記環状部材に貫通して形成された前記複数の穿孔部に設けられた複数のトルク伝達部材と
を備え、
前記環状部材の前記球形の外表面は、前記ピボット点と前記球形の内表面と異なる中心を有し、
前記球形の内表面と前記内側部材の前記球形の外表面とは、共通の中心を有し、
前記環状部材の前記球形の外表面は、前記外側部材の前記内表面の直径を補完する直径を有し、
前記環状部材は、前記内側部材と前記外側部材との間に設けられ、
前記複数のトルク伝達部材のそれぞれは、前記複数の外側トラックの1つおよび前記複数の内側トラックの1つに接触し、
前記複数のトルク伝達部材は、前記複数の外側トラックおよび前記複数の内側トラックと協働して、前記環状部材を、前記外側部材の軸と前記内側部材の軸とが形成する角度を二等分する平面に位置させる、等速ジョイント。
【請求項15】
前記等速ジョイントは、固定式等速ジョイントである、請求項14に記載の等速ジョイント。
【請求項16】
前記外側部材の前記複数の外側トラックの一部は、前記環状部材の前記球形の外表面と接触し、前記環状部材の前記球形の外表面を補完する外側部材の内部の球形の表面を定義する、請求項14または15に記載の等速ジョイント。
【請求項17】
前記保持部材は、前記環状部材の前記球形の外表面と接触し、前記環状部材の前記球形の外表面を補完する内表面を含む、請求項14から16のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
【請求項18】
前記等速ジョイントが完全に連結された位置にあるときに、前記円錐状の外表面が前記外側部材の前記内表面に接触する、請求項14から17のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
【請求項19】
固定式等速ジョイントであって、
外側部材の軸と、前記外側部材の内部に形成され、前記外側部材の軸に平行であり、一部が外側部材の内部の球形の表面を定義する複数の外側トラックと、前記外側部材の内部の球形の表面と、保持特徴部とを有する前記外側部材と、
内側部材の軸と、ジョイントの角運動のピボット点と異なる中心を有する球形の外表面と、前記内側部材の軸に平行な複数の内側トラックとを有する前記内側部材と、
第1の球形の外表面と、第2の球形の外表面と、球形の内表面と、環状部材に貫通して形成された複数の穿孔部とをもつ前記環状部材と、
前記環状部材に貫通して形成された前記複数の穿孔部に設けられた複数のトルク伝達部材と、
前記保持特徴部と前記複数の外側トラックの末端部とに対して配置されている保持部材と
を備え、
前記第1の球形の外表面と前記球形の内表面とは、前記内側部材の前記球形の外表面と共通の中心を有し、
前記第2の球形の外表面は、前記ピボット点と前記第1の球形の外表面と異なる中心を有し、
前記第2の球形の外表面は、前記外側部材の内部の球形の表面の直径を補完する直径を有し、
前記環状部材は、前記内側部材と前記外側部材との間に設けられ、
前記複数のトルク伝達部材のそれぞれは、前記複数の外側トラックの1つおよび前記複数の内側トラックの1つに接触して、
前記保持部材は、前記第2の球形の外表面と接触し、
前記保持部材は、前記環状部材の前記第2の球形の外表面に接触し、前記環状部材の前記第2の球形の外表面を補完する内表面を含み、
前記複数のトルク伝達部材は、前記複数の外側トラックおよび前記複数の内側トラックと協働して、前記環状部材を、前記外側部材の軸と前記内側部材の軸とが形成する角度を二等分する平面に位置させる、
固定式等速ジョイント。
【請求項20】
前記外側部材の前記内表面の一部は、前記第2の球形の外表面と接触し前記第2の球形の外表面を補完する球形の保持表面を定義し、
前記保持部材の前記内表面及び前記球形の保持表面は、前記第2の球形の外表面と滑動可能に係合する
請求項19に記載の固定式等速ジョイント。
【請求項21】
前記固定式等速ジョイントは、第1の部材と、前記内側部材を含む第2の部材との間を連結し、
前記外側部材は、前記第1の部材と一体形成されており、
前記保持部材は、前記第1の部材とは反対側における前記外側部材の端部に配置されている
請求項19または20に記載の固定式等速ジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2011年5月6日提出の米国仮出願第61/483,148号の優先権を主張しており、この全体を参照としてここに組み込む。
【0002】
本発明は、等速ジョイントに係り、より詳しくは、ダブルオフセット型の等速ジョイントに係る。
【背景技術】
【0003】
等速ジョイントは、2つの部材間にを伝達しつつ、角運動を生じさせる用途でよく知られたメカニズムである。等速ジョイントのよく知られた用途は、車両のエンジンから車両の駆動輪にを伝達する、といったものである。等速ジョイントは、トラックが形成された外側トラックと、トラックが形成された内側トラックと、両トラックに設けられた複数のトルク伝達部材と、トルク伝達部材のガイド部材とを含んでいる。等速ジョイントは、軸方向の変位ができない固定式ジョイント、または、軸方向の変位ができる、しゅう動式ジョイント(plunging joint)として構成されてよい。
【0004】
固定式等速ジョイントは、通常、トルク伝達部材が内部に搭載された弓型のトラックを利用する。弓形のトラックは、ジョイントの連結(articulation)を促し、ジョイントの中心からオフセットされて、さらにジョイントを連結させる。しかし、この弓形のトラックは(特に外側トラックに形成されているほうは)、表面が精確にマシニングされている。この結果、精確にマシニングされた表面は、マシニングされた表面を組み込むジョイントのコストと複雑性とを増させる。さらに、固定式等速ジョイントのガイド部材もまた精確に形成され、通常は特定の内側トラックおよび外側トラックとともに利用されるよう設計されている。
【0005】
しゅう動式等速ジョイントは、軸方向の変位が可能ではあるが、高価であり複雑である。内側トラックおよび外側トラック両方に直線のトラックが存在してはいるが、しゅう動式等速ジョイントは、多くの精確にマシニングされた表面をさらに必要とする。特に、ガイド部材の内表面および内側トラックの部分を、精確に形成せねばならない。
【0006】
部品ごとの価格は、部品の品質が上がると減っていくことが、製造に関して一般的および具体的に分かっている。したがい、複数のアセンブリに関して交換可能な部品は、アセンブリのコストを下げる。等速ジョイントに関しては交換可能な部品があまりない(特に、固定式等速ジョイントと、しゅう動式等速ジョイントとの間で交換可能な部品があまりない)。異なるタイプの等速ジョイント間の交換可能な部品は、等速ジョイントのコストを下げ、ひいては、等速ジョイントの組み込まれる車両のコストも下がる。
【0007】
ダブルオフセット型の等速ジョイントコストおよび複雑性を低減する目的から、固定式等速ジョイントとしゅう動式等速ジョイントとの間で交換可能な部品を含む、ダブルオフセット型の等速ジョイントの開発は有益であると思われる。
【発明の概要】
【0008】
本発明では、固定式等速ジョイントとしゅう動式等速ジョイントとの間で交換可能な部品を含む、ダブルオフセット型の等速ジョイントが提供され、これは画期的である。
【0009】
一実施形態では、本発明は、外側部材、内側部材、環形部材、および複数のトルク伝達部材を含む等速ジョイントに関する。外側部材は、外側部材の軸を定義しており、複数の外側トラックが内部に形成されており、内表面を有している。複数の外側トラックは、外側部材の軸に平行である。内側部材は、内側部材の軸を定義しており、球形の外表面を有し、複数の内側トラックを含む。複数の内側トラックは、内側部材の軸に平行であり、球形の外表面は、ジョイントの回転軸(pivot point)と異なる中心を有している。環状部材は、第1の球形の外表面、第2の球形の外表面、球形の内表面、および、環形部材に形成された複数の穿孔部を有している。第1の球形の外表面および球形の内表面は、内側部材の球形の外表面と共通の中心を有している。第2の球形の外表面は、ジョイントの回転軸および第1の球形の外表面とは異なる中心を有している。第2の球形の外表面は、外側部材の内表面の直径を補完する直径を有している。環状部材は、内側部材と外側部材との間に設けられる。複数のトルク伝達部材が、環状部材に形成された穿孔部内に設けられる。トルク伝達部材のそれぞれは、外側トラックの1つおよび内側トラックの1つに背食する。複数のトルク伝達部材は、複数の外側トラックおよび複数の内側トラックと協働して、環状部材を、外側部材の軸および内側部材の軸が形成する角度を二等分する(bisect)する平面に位置させる。
【0010】
本発明の様々な態様は、当業者が以下の好適な実施形態の詳細な記述を添付図面に照らして読むことで明らかとなる。
【0011】
本発明の上述した利点およびその他の利点は、以下の詳細な記載を添付図面に照らして読むことで明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態における、ダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントの断面図である。
図2図1のダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントの環状部材の断面図を示す。
図3図1に示すダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントの断面図を示し、ジョイントは連結された位置で示されている。
図4図1に示すダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントの部分的断面図を示し、ジョイントは連結された位置で示され、ジョイントの内側部材および第2の部材は示されていない。
図5】本発明の別の実施形態における、ダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの断面図を示す。
図6図5に示すダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの外側部材の断面図を示す。
図7図5に示すダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの断面図を示し、ジョイントは連結された位置で示されている。
図8図5に示すダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの部分的断面図を示し、ジョイントは連結された位置で示され、ジョイントの内側部材および第2の部材は示されていない。
図9】本発明の別の実施形態における、ダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントの断面図を示している。
図10図9のダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントの環状部材の断面図を示す。
図11図9のダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントの断面図を示し、ジョイントは連結された位置で示されている。
図12図9に示すダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントの部分的断面図を示し、ジョイントは連結された位置で示され、ジョイントの内側部材および第2の部材は示されていない。
図13】本発明の別の実施形態における、ダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの断面図を示す。
図14図13に示すダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの外側部材の断面図を示す。
図15図13に示すダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの断面図を示し、ジョイントは連結された位置で示されている。
図16図13に示すダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの部分的断面図を示し、ジョイントは連結された位置で示され、ジョイントの内側部材および第2の部材は示されていない。
図17】本発明の別の実施形態における、ダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの断面図を示している。
図18】本発明の別の実施形態における、ダブルオフセット型の固定式等速ジョイントの断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明では、そうではないと明記していない限りにおいて、様々な別の向きおよび段階で実施することができる。添付図面に図示されている、および、以下の明細書に記載されている具体的なデバイスおよび処理は、添付請求項の発明的思想の実施形態の例にすぎない。したがい、開示されている実施形態に関する特定の寸法、方向、その他の物理的な特徴は、請求項がそうではないと明記していない限り、限定ととらえられるべきではない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態における、等速ジョイント10を示す。等速ジョイント10は、好適には、外側部材14を含む第1の部材12と、内側部材18を含む第2の部材16と、環状部材20と、複数のトルク伝達部材22とを含む。図示されているように、等速ジョイント10は、ダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントであり、ジョイントの回転軸が、2つの別個の連結点の中間点により定義され、等速ジョイント10が、軸方向の並進運動を吸収することを意味している。
【0015】
外側部材14は、鋼等の剛性材料から形成された第1の部材12の中空の円筒部である。外側部材14を含む第1の部材12は、通常、鋳物形成され、次に、第2の処理でマシニングされる。しかし、外側部材14は、任意の他の材料から任意の他の方法を利用して形成されてもよい。または、外側部材14が、第1の部材12とは別個に形成されてから連結されてもよい。外側部材14は、外側部材の軸24と内径26とを定義する。外側部材の軸24は、内径26から等距離にある一連の点である。外側部材の軸24は、第1の部材12の軸と一致する。
【0016】
外側部材14の内表面30には複数の外側トラック28が形成されている。各外側トラック28は、外側部材の軸24に平行な中心線と直径とを有する弓形のプロフィールを有している。この代わりに、外側部材14は、交互に異なる深さ(alternating depths)を有する複数の外側トラック28を含んでもよい。外側部材14の内部には8つの外側トラック28が形成されている。しかし各外側トラック28は、弓形ではないプロフィールを有してもよく、任意の数の外側トラック28が外側部材14に形成されてもよい。複数の外側トラック28は、外側部材の軸24の周りに均等配置されている。
【0017】
内側部材18は、鋼等の剛性の材料から形成される中空の部材である。第2の部材16と内側部材18とは、任意の他の材料から任意の他の方法で形成されてもよい。内側部材18は、通常、第2の部材16とは別個に形成され、第2の部材16の端部にスプライン配置されてよい(spliningly disposed)。しかし、内側部材18は、第2の部材16と一体形成(unitarily formed)されてもよい。
【0018】
内側部材18は、内側部材の外表面32と内側部材の内表面34とを含む。内側部材の外表面32は、ジョイントの回転軸とは異なる中心点をもつ外側部材18の球形表面である。内側部材の内表面34は、内側部材18の円筒の口径(cylindrical bore)を定義する。内側部材の内表面34には、内側部材18と第2の部材16とを駆動可能に係合させる(drivingly engaging)ための複数のスプライン36が形成されている。内側部材の軸38は、内側部材の内表面34から等距離にある一連の点である。
【0019】
内側部材の外表面32には複数の内側トラック40が形成されている。各内側トラック40は、内側部材の軸38に平行な中心線と直径とを有する弓形のプロフィールを有している。この代わりに、内側部材18は、交互に異なる深さ(alternating depths)を有する複数の内側トラック40を含んでもよい。各内側トラック40の弓形のプロフィールの直径は、これに対応する外側トラック28それぞれの弓形のプロフィールの直径を補完するものであってよい。図1および図3に示すように、各内側トラック40の深さは、内側部材の外表面32が内側部材の軸38から離れている距離に応じて変化させてよい。内側部材18の内部には8つの内側トラック40が形成されている。しかし各内側トラック40は、弓形ではないプロフィールを有してもよく、任意の数の内側トラック40が内側部材18に形成されてもよい。複数の内側トラック40は、内側部材の軸38の周りに均等配置されている。
【0020】
内側部材18は、第2の部材16の外表面に形成された溝44に設けられたスナップリング42を利用して第2の部材に固定される。この代わりに、任意の他のタイプの留め具を利用して、内側部材18を第2の部材に固定させてもよい。
【0021】
環状部材20は(図2に最も明瞭に示されている)、外側部材14と内側部材18との間に設けられている。環状部材20は、鋼等の剛性の材料からマシニングで形成された中空の部材である。しかし環状部材20は、任意の他の材料から任意の他の方法で形成されてもよい。環形の材料20は、第1の球形の外表面46、第2の球形の外表面48、および、球形の内表面50を含む。
【0022】
環状部材20には複数の穿孔部52が設けられている。各穿孔部52は、環状部材の軸54に垂直に形成される。環状部材20には8つの穿孔部52が形成されている。しかし、環状部材20には任意の数の穿孔部52を設けてよいことを理解されたい。複数の穿孔部52は、環状部材の軸54の周りに均等配置されている。さらに、各穿孔部52は、円筒形状、実質的に矩形の形状、任意のその他の形状であってよく、環状部材の軸54に斜めに設けられてよい。
【0023】
第1の球形の外表面46は、図1に最も明瞭に示されているように、内側部材の外表面32と共通の中心点を有している。第1の球形の外表面46の一部は、各穿孔部52の一部を定義している。図3および図4に示されているように、等速ジョイント10が、完全に連結された位置にある場合、第1の球形の外表面46が、外側部材14の内表面30に接触する。
【0024】
第2の球形の外表面48は、図1に最も明瞭に示されているように、内側部材の外表面32と異なる中心点を有している。第2の球形の外表面48の一部は、各穿孔部52の一部を定義している。第2の球形の外表面48は、外側部材14の内表面30に対して、滑動可能に係合するよう配置される。第2の球形の外表面48の直径は、外側部材14の内表面30を補完する。第2の球形の外表面48と内表面30とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。
【0025】
球形の内表面50は、図1に示すように、内側部材の外表面32と共通の中心点を有している。球形の内表面50の一部は、各穿孔部52の一部を定義している。球形の内表面50は、内側部材の外表面32に対して、滑動可能に係合するよう配置される。球形の内表面50の半径は、内側部材の外表面32の半径を補完する。球形の内表面50と内側部材の外表面32とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。
【0026】
複数のトルク伝達部材22は、穿孔部52、外側トラック28、および、内側トラック40のそれぞれに配置された鋼の領域を含んでいる。各トルク伝達部材22は、当技術分野で知られている玉軸受である。しかし、複数のトルク伝達部材22は、任意の他の剛性の材料から形成された任意の他の形状であってもよい。各トルク伝達部材22の直径は、外側トラック28および内側トラック40のそれぞれの弓形のプロフィールの直径を補完する。トルク伝達部材22、外側トラック28、および内側トラック40は、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。1つのトルク伝達部材22が、外側トラック28それぞれおよび内側トラック40それぞれに滑動可能に係合するよう配置される。
【0027】
利用に際しては、等速ジョイント10が、第1の部材12と第2の部材16との間の連結を促す。図4に示すように、外側部材14に対する、第2の球形の外表面48の中心点の周りの、環状部材20の最大連結角度は、外側部材14の内表面30に第1の球形の外表面46が接触したときに生じる。図4にさらに示されているように、内側部材18および第2の部材16は、環状部材20に対して、内側部材の外表面32の中心点の周りに連結される。第1の球形の外表面46と内表面30とが隣接することで、各トルク伝達部材22が内側部材18に対して移動しなくなり、内側部材18の、環状部材20に対する最大連結角度が定義される。等速ジョイント10の総連結角度は、環状部材20の、外側部材14に対する、第2の球形の外表面48の中心点の周りの最大連結角度と、内側部材18の、環状部材20に対する、内側部材の外表面32中心点の周りの最大連結角度とを組み合わせたものである。複数のトルク伝達部材22が複数の外側トラック28および複数の内側トラック40と協働して、環状部材20を、外側部材の軸24と内側部材の軸38とが形成する角度を二等分する平面に位置させる。
【0028】
等速ジョイント10はさらに、第1の部材12と第2の部材16との間の軸方向の変位を促す。外側部材の軸24と内側部材の軸38との間に力が加わると、トルク伝達部材22が、外側トラック28沿いに変位して、第1の部材12を、第2の部材16に対して軸方向に変位させる。さらに、第1の部材12および第2の部材16が、同時に、連結して、軸方向に変位する。
【0029】
図5から図8は、等速ジョイント10の別の実施形態を示す。等速ジョイント10と同様の構造の特徴部には、同じ参照番号にプライム記号(')を付している。
【0030】
等速ジョイント70は、好適には、外側部材74を含む第1の部材72と、内側部材18'を含む第2の部材16'と、環状部材20'と、複数のトルク伝達部材22'と、保持部材78とを含んでいる。図示されているように、等速ジョイント70は、ダブルオフセット型の固定式等速ジョイントであり、これは、ジョイントの回転軸が、2つの別個の連結点の間の中間点により定義されている、ということを意味している。
【0031】
外側部材74は、鋼等の剛性の材料から形成された第1の部材72の中空の円筒部である。図示されているように、外側部材74は、第1の部材72とは別個に形成されてから連結されている。しかし、外側部材74は、任意の他の材料から任意の他の方法で形成されてもよい。外側部材74は、内表面76を有している。内表面76は、第1の球形の保持表面80、第2の球形の保持表面81、保持部材の肩部82、および、保持溝84を定義している。
【0032】
複数の外側トラック28'は、外側部材74の内表面76の円筒部分に形成される。各外側トラック28'は、外側部材の軸24'に平行な中心線と直径とを持つ弓形のプロフィールを有している。この代わりに、外側部材14'は、交互に異なる深さ(alternating depths)を有する複数の外側トラック28を含んでもよい。外側部材14'の内部には8つの外側トラック28'が形成されている。しかし各外側トラック28'は、弓形ではないプロフィールを有してもよく、任意の数の外側トラック28'が外側部材74に形成されてもよい。複数の外側トラック28'は、外側部材の軸24'の周りに均等配置されている。
【0033】
第1の球形の保持表面80は、外側部材74の内表面76の一部である。第1の球形の保持表面80は、各外側トラック28'間の内表面76の部分により定義される。第1の球形の保持表面80は、環状部材20'の第2の球形の外表面48'と共通の中心点を有している(図5および図6に最も明瞭に示されている)。第1の球形の保持表面80は、第2の球形の外表面48'に対して、滑動可能に係合するよう配置される。第1の球形の保持表面80の半径は、第2の球形の外表面48'の半径を補完する。第1の球形の保持表面80と第2の球形の外表面48'とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。第1の球形の保持表面80は、保持部材の肩部82に隣接するよう形成される。
【0034】
第2の球形の保持表面81は、外側部材74の内表面76の一部である。第2の球形の保持表面81は、外側トラック28'のそれぞれの間の内表面76の部分により定義される。等速ジョイント70が連結された位置にあるとき、第2の球形の保持表面81は、環状部材20'の第1の球形の外表面46'と共通の中心点を有している(図7および図8に最も明瞭に示されている)。第2の球形の保持表面81の半径は、等速ジョイント70が連結された位置にあるとき、第1の球形の外表面46'の半径を補完する。第2の球形の保持表面81と第1の球形の外表面46'とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。第2の球形の保持表面81は、第1の球形の保持表面80に隣接するよう形成される。
【0035】
保持部材の肩部82は、外側部材74の内表面76の段のついた部分である。保持部材の肩部82は、外側部材74の内表面76の直径より大きな直径を有している。保持部材の肩部82は、保持部材78を受ける。
【0036】
保持部材78は、保持部材の肩部82に対向して、外側部材74内に位置しているリング形状の部材である。示されているような保持部材78は、2対の対向する平行な辺と、1つの斜めの辺とを有する断面をもつが、保持部材78は、任意の他の断面形状を有してもよい。断面で斜めの辺は、円錐状の保持表面86を定義している。円錐状の保持表面86は、保持部材78が保持部材の肩部82に対して配置されたときに、第2の球形の外表面48'に対して、滑動可能に係合するよう配置される。円錐状の保持表面86と第2の球形の外表面48'とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。この代わりに、保持部材78の一部を、外側部材74と螺子によって係合(threadingly engaged)するようにして、円錐状の保持表面86が、球形の保持表面であってもよい。
【0037】
保持溝84は、外側部材74の内表面76に形成された環形の窪みである。保持溝84は、矩形の断面を有しているが、保持溝84は任意の他の形状であってもよい。保持溝84の直径は、保持部材の肩部82の直径および内表面76の内径26'より大きい。保持溝84は、留め具88を受ける。留め具88は、当技術分野で知られているスナップリングであるが、螺子山形状のアニュレット、保持ピン等の他の留め具、またはその他の留め具を利用することもできる。
【0038】
利用に際しては、等速ジョイント70は、第1の部材72と第2の部材16'との間の連結を促す。図7および図8に示すように、外側部材74の第1の球形の保持表面80に対する、第2の球形の外表面48'の中心点の周りの、環状部材20'の最大連結角度は、第1の球形の外表面46'が外側部材74の内表面76に接触したときに生じる。図7および図8にさらに示されているように、内側部材18'および第2の部材16'は、環状部材20'に対して、内側部材の外表面32'の中心点の周りに連結される。第1の球形の外表面46'と内表面76とが隣接することで、各トルク伝達部材22'が内側部材18'に対して移動しなくなり、内側部材18'の、環状部材20'に対する最大連結角度が定義される。等速ジョイント70の総連結角度は、環状部材20'の、外側部材74の第1の球形の保持表面80に対する、第2の球形の外表面48'の中心点の周りの最大連結角度と、内側部材18'の、環状部材20'に対する、内側部材の外表面32'中心点の周りの最大連結角度とを組み合わせたものである。
【0039】
図9から図12は、等速ジョイント10の別の実施形態を示す。等速ジョイント10と同様の構造の特徴部には、同じ参照番号のダブルプライム記号('')を付している。
【0040】
等速ジョイント100は、好適には、外側部材14''を含む第1の部材12''と、内側部材18''を含む第2の部材16''と、環状部材102と、複数のトルク伝達部材22''とを含んでいる。図示されているように、等速ジョイント100は、ダブルオフセット型のしゅう動式等速ジョイントであり、これは、ジョイントの回転軸が、2つの別個の連結点の間の中間点により定義され、等速ジョイント100が、軸方向の並進運動を吸収する(accommodate axial translation)ことを意味している。
【0041】
環状部材102は、外側部材14''と内側部材18''との間に設けられている(図10に最も明瞭に示されている)。環状部材102は、鋼等の剛性の材料からマシニングで形成された中空の部材である。しかし環状部材102は、任意の他の材料から任意の他の方法で形成されてもよい。環形の材料102は、円錐状の外表面104、部材の球形の外表面(element spherical outer surface)106、および、球形の内表面50''を含む。複数の穿孔部52''が、環状部材102に形成されている。
【0042】
円錐状の外表面104は、図9および図10に最も明瞭に示されているように、環状部材102のテーパ形状の部分である。円錐状の外表面104の一部が、各穿孔部52''の一部を定義している。図11および図12に示されているように、等速ジョイント100は、完全に連結した部分であり、円錐状の外表面104は、外側部材14''の内表面30''に実質的に平行ではあるが、接触はしない。
【0043】
部材の球形の外表面106は、内側部材の外表面32''とは異なる中心点を有している(図9に最も明瞭に示されている)。部材の球形の外表面106の一部は、各穿孔部52''の一部を定義する。部材の球形の外表面106は、外側部材14''の内表面30''に対して、滑動可能に係合するよう配置される。部材の球形の外表面106の直径は、外側部材14''の内表面30''を補完する。部材の球形の外表面106および内表面30''は、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。図10および図12に最も明瞭に示されているように、部材の球形の外表面106は、円錐状の外表面104に正接しない。環状部材102に対して半径方向内向きに方向づけられる表面の頂点108が、円錐状の外表面104と、部材の球形の外表面106との間に形成される。
【0044】
球形の内表面50''は、図9に最も明瞭に示されているように、内側部材の外表面32''と共通の中心点を有している。球形の内表面50''の一部が、各穿孔部52''の一部を定義する。球形の内表面50''は、内側部材の外表面32''に対して、滑動可能に係合するよう配置される。球形の内表面50''の半径は、内側部材の外表面32''の半径を補完する。球形の内表面50''および内側部材の外表面32''は、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。
【0045】
図13図16は、等速ジョイント10の別の実施形態を示す。等速ジョイント10と同様の構造の特徴部には、同じ参照番号にトリプルプライム記号(''')を付している。
【0046】
等速ジョイント120は、好適には、外側部材124を含む第1の部材122と、内側部材18'''を含む第2の部材16'''と、環状部材126と、複数のトルク伝達部材22'''と、保持部材128とを含んでいる。図示されているように、等速ジョイント120は、ダブルオフセット型の固定式等速ジョイントであり、これは、ジョイントの回転軸が、2つの別個の連結点の間の中間点により定義されていることを意味している。
【0047】
外側部材124は、鋼等の剛性の材料から形成された第1の部材122の中空の円筒部である。図示されているように、外側部材124は、第1の部材122とは別個に形成されてから連結されている。外側部材124は、任意の他の材料から任意の他の方法で形成されてもよい。外側部材は、内表面130を有している。内表面130は、第1の球形の保持表面132、保持部材の肩部134、および保持溝136を定義する。
【0048】
外側部材124の内表面130の円筒部には複数の外側トラック28'''が形成されている。各外側トラック28'''は、外側部材の軸24'''に平行な中心線と直径とを有する弓形のプロフィールを有している。この代わりに、外側部材124は、交互に異なる深さ(alternating depths)を有する複数の外側トラック28'''を含んでもよい。外側部材124の内部には8つの外側トラック28'''が形成されている。しかし各外側トラック28'''は、弓形ではないプロフィールを有してもよく、任意の数の外側トラック28'''が外側部材124に形成されてもよい。複数の外側トラック28'''は、外側部材の軸24'''の周りに均等配置されている。
【0049】
第1の球形の保持表面132は、外側部材124の内表面130の一部である。第1の球形の保持表面132は、各外側トラック28'''の間の内表面130の部分により定義される。第1の球形の保持表面132は、環状部材126の部材の球形の外表面138と共通の中心点を有している(図14および図16に最も明瞭に示されている)。第1の球形の保持表面132は、部材の球形の外表面138に対して、滑動可能に係合するよう配置される。第1の球形の保持表面132の半径は、部材の球形の外表面138の半径を補完する。第1の球形の保持表面132と部材の球形の外表面138とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。第1の球形の保持表面132は、保持部材の肩部134に隣接するよう形成される。
【0050】
保持部材の肩部134は、外側部材124の内表面130の段のついた部分である。保持部材の肩部134は、円筒形状であり、外側部材124の内表面130の直径より大きな直径を有している。保持部材の肩部134は、保持部材128を受ける。
【0051】
保持部材128は、保持部材の肩部134に対向して、外側部材124内に位置しているリング形状の部材である。示されている保持部材128は、2対の対向する平行な辺と、1つの斜めの辺とを有する断面をもつが、保持部材128は、任意の他の断面形状を有してもよい。断面の斜めの弓状の辺は、円錐状の保持表面140を定義している。円錐状の保持表面140は、保持部材128が保持部材の肩部134に対して配置されたときに、部材の球形の外表面138に対して、滑動可能に係合するよう配置される。円錐状の保持表面140と部材の球形の外表面138とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。この代わりに、保持部材128の一部を、外側部材124と螺子によって係合するようにして、円錐状の保持表面140が、球形の保持表面であってもよい。
【0052】
保持溝136は、外側部材124の内表面130に形成された環形の窪みである。保持溝136は、矩形の断面を有しているが、保持溝136は任意の他の形状であってもよい。保持溝136の直径は、保持部材の肩部134の直径および内表面130の内径26'''より大きい。保持溝136は、留め具142を受ける。留め具142は、当技術分野で知られているスナップリングであるが、螺子山形状のアニュレット、保持ピン等の他の留め具、またはその他の留め具を利用することもできる。
【0053】
環状の部材126は、図16に最も明瞭に示されているが、外側部材124と内側部材18'''との間に配置されている。環状部材126は、鋼等の剛性の材料からマシニングで形成された中空の部材である。しかし環状部材126は、任意の他の材料から任意の他の方法で形成されてもよい。環形の材料126は、円錐状の外表面144、部材の球形の外表面138、および、球形の内表面50'''を含む。複数の穿孔部52'''が、環状部材126に形成されている。
【0054】
円錐状の外表面144は、図13および図16に最も明瞭に示されているように、環状部材126のテーパ形状の部分である。円錐状の外表面144の一部が、各穿孔部52'''の一部を定義している。図15および図16に示されているように、等速ジョイント120が完全に連結した位置にあるとき、円錐状の外表面144は、外側部材124の内表面130に実質的に平行であり、接触する。
【0055】
部材の球形の外表面138は、内側部材の外表面32'''とは異なる中心点を有している(図13に最も明瞭に示されている)。部材の球形の外表面138の一部は、各穿孔部52'''の一部を定義する。部材の球形の外表面138は、外側部材124の内表面130に対して、滑動可能に係合するよう配置される。部材の球形の外表面138の直径は、外側部材124の内表面130を補完する。部材の球形の外表面138および内表面130は、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。図16に最も明瞭に示されているように、部材の球形の外表面138は、円錐状の外表面144に正接しない。環状部材126に対して半径方向内向きに方向づけられる表面の頂点146が、円錐状の外表面144と、部材の球形の外表面138との間に形成される。
【0056】
利用に際しては、等速ジョイント120が、第1の部材122と第2の部材16'''との間の連結を促す。図15および図16に示すように、外側部材124の第1の球形の保持表面132に対する、部材球形の外表面138の中心点の周りの、環状部材126の最大連結角度は、外側部材124の内表面130に円錐状の外表面144が接触したときに生じる。図15にさらに示されているように、内側部材18'''および第2の部材16'''は、環状部材126に対して、内側部材の外表面32'''の中心点の周りに連結される。円錐状の外表面144と内表面130とが隣接することで、各トルク伝達部材22'''が内側部材18'''に対して移動しなくなり、内側部材18'''の、環状部材126に対する最大連結角度が定義される。等速ジョイント120の総連結角度は、環状部材126の、外側部材124の第1の球形の保持表面132に対する、部材の球形の外表面138の中心点の周りの最大連結角度と、内側部材18'''の、環状部材126に対する、内側部材の外表面32'''の中心点の周りの最大連結角度とを組み合わせたものである。
【0057】
図17は、等速ジョイント70の別の実施形態を示す。等速ジョイント70と同様の構造の特徴部には、同じ参照番号を付している。
【0058】
等速ジョイント150は、好適には、外側部材154を含む第1の部材152と、内側部材18'を含む第2の部材16'と、環状部材20'と、複数のトルク伝達部材22'と、保持部材156とを含んでいる。図示されているように、等速ジョイント150は、ダブルオフセット型の固定式等速ジョイントであり、これは、ジョイントの回転軸が、2つの別個の連結点の間の中間点により定義されている、ということを意味している。
【0059】
外側部材154は、鋼等の剛性の材料から形成された第1の部材152の中空の円筒部である。図示されているように、外側部材154は、第1の部材152と一体形成(unitarily formed)されている。しかし、外側部材154は、第1の部材152とは別個に形成されてから連結されていてもよい。外側部材154は、内表面158を有している。内表面158は、第1の球形の保持表面160、第2の球形の保持表面161、および、保持部材の肩部162を定義している。
【0060】
外側部材154の内表面158の円筒部には複数の外側トラック166が形成されている。各外側トラック166は、外側部材の軸168に平行な中心線と直径とを有する弓形のプロフィールを有している。この代わりに、外側部材154は、交互に異なる深さ(alternating depths)を有する複数の外側トラック166を含んでもよい。外側部材154の内部には8つの外側トラック166が形成されている。しかし各外側トラック166は、弓形ではないプロフィールを有してもよく、任意の数の外側トラック166が外側部材154に形成されてもよい。複数の外側トラック166は、外側部材の軸168の周りに均等配置されている。
【0061】
第1の球形の保持表面160は、外側部材154の内表面158の一部である。第1の球形の保持表面160は、第1の部材152に対向する外側部材154の端部に形成されている。第1の球形の保持表面160は、各外側トラック166の間の内表面158の部分により定義される。第1の球形の保持表面160は、環状部材20'の第2の球形の外表面48'と共通の中心点を有している。第1の球形の保持表面160は、第2の球形の外表面48'に対して、滑動可能に係合するよう配置される。第1の球形の保持表面160の半径は、第2の球形の外表面48'の半径を補完する。第1の球形の保持表面160と第2の球形の外表面48'とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。第1の球形の保持表面80は、保持部材の肩部82に隣接するよう形成される。
【0062】
第2の球形の保持表面161は、外側部材154の内表面158の一部である。第2の球形の保持表面161は、外側トラック166のそれぞれの間の内表面158の部分により定義される。等速ジョイント150が連結された位置にあるとき、第2の球形の保持表面161は、環状部材20'の第1の球形の外表面46'と共通の中心点を有している。第2の球形の保持表面161の半径は、等速ジョイント150が連結された位置にあるとき、第1の球形の外表面46'の半径を補完する。第2の球形の保持表面161と第1の球形の外表面46'とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。第2の球形の保持表面161は、第1の球形の保持表面160に隣接するよう形成される。
【0063】
保持部材の肩部162は、円筒形状であり、外側部材154の内表面158の段のついた部分である。保持部材の肩部162は、第1の部材152に対向する外側部材154の端部に形成されている。保持部材の肩部162は、外側部材154の内表面158の直径より大きな直径を有している。保持部材の肩部162は、保持部材156を受ける。
【0064】
保持部材156は、保持部材の肩部162に対向して、外側部材154内に位置しているリング形状の部材である。示されている保持部材156は、2対の対向する平行な辺と、1つの斜めの辺とを有する断面をもつが、保持部材156は、任意の他の断面形状を有してもよい。断面の斜めの辺は、円錐状の保持表面170を定義している。円錐状の保持表面170は、保持部材156が保持部材の肩部162に対して配置されたときに、第2の球形の外表面48'に対して、滑動可能に係合するよう配置される。円錐状の保持表面170と第2の球形の外表面48'とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。保持部材は、抽出リップ172を含む。抽出リップ172は、保持部材156から半径方向内向きに延びる環形の突起部である。
【0065】
複数の外側部材のステーク174は、外側部材154と一体形成(unitarily formed)されて、保持部材156を、保持部材の肩部162に対して固定する。保持部材156が保持部材の肩部162に対向して配置された後で、加圧またはその他のツールを利用して、外側部材のステーク174を、外側部材154の内表面158から離すように弾性変形させる。この代わりに、加圧またはその他のツールを利用して、外側部材154自身を変形させ、外側部材のステーク174を形成してもよい。
【0066】
図18は、等速ジョイント70の別の実施形態を示す。等速ジョイント70と同様の構造の特徴部には、同じ参照番号を付している。
【0067】
等速ジョイント180は、好適には、外側部材184を含む第1の部材182と、内側部材18'を含む第2の部材16'と、環状部材20'と、複数のトルク伝達部材22'と、螺子山をもつ保持部材186とを含んでいる。図示されているように、等速ジョイント180は、ダブルオフセット型の固定式等速ジョイントであり、これは、ジョイントの回転軸が、2つの別個の連結点の間の中間点により定義されている、ということを意味している。
【0068】
外側部材184は、鋼等の剛性の材料から形成された第1の部材182の中空の円筒部である。図示されているように、外側部材184は、第1の部材182とは別個に形成されてから連結されている。外側部材184は、内表面188を有している。内表面188は、第1の球形の保持表面190、第2の球形の保持表面191、および、保持部材の肩部192を定義している。
【0069】
保持部材の肩部192は、螺子山が形成された内表面188の段のついた部分である。保持部材の肩部192は、第1の部材182に隣接する外側部材184の端部に形成されている。保持部材の肩部192は円筒形であり、外側部材184の内表面188の直径より大きな直径を有している。保持部材の肩部192は、螺子山のある保持部材186を受ける。
【0070】
螺子山のある保持部材186は、外側部材184に設けられた螺子山が形成された円筒型の部材であり、螺子山によって保持部材の肩部192と係合する。示されている、螺子山のある保持部材186は、ツールに係合する窪み194と、部材に係合する窪み196とを含む。ツールに係合する窪み194は、部材に係合する窪み196に対向して形成されており、好適には六角形である。しかしツールに係合する窪み196は、任意の他の形状であってもよい。部材に係合する窪み196は、円錐状の保持表面198を含んでいる。円錐状の保持表面198は、環状部材20'の第2の球形の外表面48'と共通の中心点を有している。円錐状の保持表面198は、螺子山のある保持部材186が保持部材の肩部192に対して配置されたときに、第2の球形の外表面48'に対して、滑動可能に係合する。円錐状の保持表面198の半径は、第2の球形の外表面48'の半径を補完する。円錐状の保持表面198と第2の球形の外表面48'とは、当技術分野でも知られているように、等速ジョイントの係合面として利用するべく、精確にマシニングされる。
【0071】
特許法の法規定に従い、本発明を好適な実施形態を表すとみなされるもので記載してきた。しかし本発明は、その精神または範囲を超えなければ、具体的に示したり記載したりしたもの以外の方法または構成でも実施可能である。
[項目1]
等速ジョイントであって、
外側部材の軸と、前記外側部材の内部に形成され、前記外側部材の軸に平行な複数の外側トラックと、内表面とを有する前記外側部材と、
内側部材の軸と、ジョイントの回転軸と異なる中心を有する球形の外表面と、前記内側部材の軸に平行な複数の内側トラックとを有する前記内側部材と、
第1の球形の外表面と、第2の球形の外表面と、球形の内表面と、環状部材に形成された複数の穿孔部とをもつ前記環状部材と、
前記環状部材に形成された前記複数の穿孔部に設けられた複数のトルク伝達部材と
を備え、
前記第1の球形の外表面と前記球形の内表面とは、前記内側部材の前記球形の外表面と共通の中心を有し、
前記第2の球形の外表面は、前記ジョイントの回転軸と前記第1の球形の外表面と異なる中心を有し、
前記第2の球形の外表面は、前記外側部材の前記内表面の直径を補完する直径を有し、
前記環状部材は、前記内側部材と前記外側部材との間に設けられ、
前記複数のトルク伝達部材のそれぞれは、前記複数の外側トラックの1つおよび前記複数の内側トラックの1つに接触して、
前記複数のトルク伝達部材は、前記複数の外側トラックおよび前記複数の内側トラックと協働して、前記環状部材を、前記外側部材の軸と前記内側部材の軸とが形成する角度を二等分する平面に位置させる、等速ジョイント。
[項目2]
固定式等速ジョイントである、項目1に記載の等速ジョイント。
[項目3]
しゅう動式等速ジョイントである、項目1に記載の等速ジョイント。
[項目4]
前記第2の球形の外表面の直径は、前記外側部材の前記内表面の直径を補完する、項目1から3のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
[項目5]
前記外側部材の前記複数の外側トラックの一部は、前記環状部材の前記第2の球形の外表面と接触し、前記環状部材の前記第2の球形の外表面を補完する外側部材の内部の球形の表面を定義する、項目2に記載の等速ジョイント。
[項目6]
前記環状部材の前記第2の球形の外表面に接触する前記外側部材に対して配置された保持部材をさらに備える、項目1から5のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
[項目7]
前記保持部材は、前記環状部材の前記第2の球形の外表面と接触し、前記環状部材の前記第2の球形の外表面を補完する内表面を含む、項目6に記載の等速ジョイント。
[項目8]
前記外側部材の内部には、前記外側部材内に前記保持部材を固定するための保持特徴部が形成されている、項目6または7に記載の等速ジョイント。
[項目9]
前記保持部材は、前記複数の外側トラックの末端部に対して隣接するように配置されている、項目6から8のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
[項目10]
前記保持特徴部は、留め具を受け容れるために前記外側部材に形成された溝である、項目8に記載の等速ジョイント。
[項目11]
前記保持特徴部は、前記外側部材の一部から形成された少なくとも1つのステークを含む、項目8に記載の等速ジョイント。
[項目12]
前記保持部材は、前記外側部材と螺子山によって係合する、項目6から11のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
[項目13]
前記保持部材の内部には、留め具と駆動可能に係合するための孔が形成されている、項目6から12のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
[項目14]
等速ジョイントであって、
外側部材の軸と、前記外側部材の内部に形成され、前記外側部材の軸に平行な複数の外側トラックと、内表面とを有する前記外側部材と、
内側部材の軸と、ジョイントの回転軸と異なる中心を有する球形の外表面と、前記内側部材の軸に平行な複数の内側トラックとを有する前記内側部材と、
円錐状の外表面と、部材の球形の外表面と、球形の内表面と、環状部材に形成された複数の穿孔部とをもつ前記環状部材と、
前記環状部材に形成された前記複数の穿孔部に設けられた複数のトルク伝達部材と
を備え、
前記部材の球形の外表面は、ジョイントの回転軸と前記球形の内表面と異なる中心を有し、
前記内側部材の前記球形の内表面と前記球形の外表面とは、共通の中心を有し、
前記部材の球形の外表面は、前記外側部材の前記内表面の直径を補完する直径を有し、
前記環状部材は、前記内側部材と前記外側部材との間に設けられ、
前記複数のトルク伝達部材のそれぞれは、前記複数の外側トラックの1つおよび前記複数の内側トラックの1つに接触して、
前記複数のトルク伝達部材は、前記複数の外側トラックおよび前記複数の内側トラックと協働して、前記環状部材を、前記外側部材の軸と前記内側部材の軸とが形成する角度を二等分する平面に位置させる、等速ジョイント。
[項目15]
固定式等速ジョイントである、項目14に記載の等速ジョイント。
[項目16]
しゅう動式等速ジョイントである、項目14に記載の等速ジョイント。
[項目17]
前記外側部材の前記複数の外側トラックの一部は、前記環状部材の前記部材の球形の外表面と接触し、前記環状部材の前記部材の球形の外表面を補完する外側部材の内部の球形の表面を定義する、項目15に記載の等速ジョイント。
[項目18]
前記部材の球形の外表面に接触する前記外側部材に対して配置された保持部材をさらに備え、前記保持部材は、前記部材の球形の外表面と接触し、前記部材の球形の外表面を補完する、項目14から17のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
[項目19]
前記部材の球形の外表面は、前記等速ジョイントが完全に連結された位置にあるときに、前記円錐状の外表面と前記複数の外側トラックとの間の接触を阻止する、項目16から18のいずれか一項に記載の等速ジョイント。
[項目20]
固定式等速ジョイントであって、
外側部材の軸と、前記外側部材の内部に形成され、前記外側部材の軸に平行であり、一部が外側部材の内部の球形の表面を定義する複数の外側トラックと、前記外側部材の内部の球形の表面と、保持特徴部とを有する前記外側部材と、
内側部材の軸と、ジョイントの回転軸と異なる中心を有する球形の外表面と、前記内側部材の軸に平行な複数の内側トラックとを有する前記内側部材と、
第1の球形の外表面と、第2の球形の外表面と、球形の内表面と、環状部材に形成された複数の穿孔部とをもつ前記環状部材と、
前記環状部材に形成された前記複数の穿孔部に設けられた複数のトルク伝達部材と、
前記保持特徴部と前記複数の外側トラックの末端部とに対して配置されている保持部材と
を備え、
前記第1の球形の外表面と前記球形の内表面とは、前記内側部材の前記球形の外表面と共通の中心を有し、
前記第2の球形の外表面は、前記ジョイントの回転軸と前記第1の球形の外表面と異なる中心を有し、
前記第2の球形の外表面は、前記外側部材の内部の球形の表面の直径を補完する直径を有し、
前記環状部材は、前記内側部材と前記外側部材との間に設けられ、
前記複数のトルク伝達部材のそれぞれは、前記複数の外側トラックの1つおよび前記複数の内側トラックの1つに接触して、
前記保持部材は、前記第2の球形の外表面と接触し、
前記保持部材は、前記部材の球形の外表面に接触し、前記部材の球形の外表面を補完する内表面を含み、
前記複数のトルク伝達部材は、前記複数の外側トラックおよび前記複数の内側トラックと協働して、前記環状部材を、前記外側部材の軸と前記内側部材の軸とが形成する角度を二等分する平面に位置させる、
固定式等速ジョイント。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18