(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に本発明の一実施例の通信システム100を示す。通信システム100は、複数の通信機器108を有し、それらは、様々な通信形態communication modality)で互いに通信できる。本発明の一実施例によれば、通信システム100は、複数のドメイン即ち企業104a,104bに関連する。これらは別々のエンティティ(例、会社企業等)により所有され操作される。
【0008】
企業104a,104b一方或いは両方は、通信機器108を有する。この通信機器108により、同一の企業内のユーザとあるいは別の企業のユーザと通信できる。特に、通信機器108は、通信ネットワーク136に接続される。この通信ネットワーク136により、個人の通信機器112と通信できる。更に通信ネットワーク136は、様々な企業ドメイン104a,104b内にある通信機器108に接続される。企業104a,104bの境界は、ネットワーク境界装置(network boundary device)で決められる。、例えばSession Border Controllers (SBC)、ゲートウエイ等で、決められる。
【0009】
本発明の一実施例によれば、企業104a,104bは専用の通信機器を有する。これにより、企業104a,104b用のローカル通信ネットワーク(LAN)を形成する。特に、企業104a,104bは、LAN、WAN、SIPネットワークを有する。通信セッションの開始と制御及び通信セッションの特徴の供与は通信マネジャ114の操作により制御され、アシストされる。この通信マネジャ114は通信サーバ120に関連している。通信マネジャ114は、IP PBX、例えば Avaya Aura Session Manager を有する。
【0010】
通信ネットワーク136は、あらゆる種類、あらゆる数の通信機器を含むことができる。この通信機器は、通信セッション(例、音声コール、画像コール、チャット、Eメール、TTYコール、マルチメディアセッション等)をサポートできる。通信ネットワーク136は、LAN、WAN、SIPネットワーク、パケット交換ネットワーク、回路交換のネットワークを含む。更に、通信ネットワーク136は、一種類のネットワークに限定されず、別のタイプのネットワークを含んでもよい。通信ネットワーク136は、IP Multi-media Subsystem(IMS)ネットワークや、構造的なSIP標準あるいはインターネットにアクセスを提供する他のネットワーク、例えば標準の電話網(Plain Old Telephone System (POTS)、ISDN、PSTN、あるいは携帯電話網を含んでもよい。従って通信ネットワーク136は、通信機器108又は通信機器112の間を、1つあるいは複数の通信媒体あるいは通信形態を介して、通信できる。
【0011】
本発明の一実施例によれば、通信機器108と通信機器112の間の通信をより効率的かつユーザフレンドリーにするために、コンテキスト・サービス124が提供され、それを通信機器108,112の一方あるいは両方が利用できる。コンテキスト・サービス124は、アプリケーションを含み、このアプリケーションは、コンテキストを提供するサーバにより実行される。一実施例においては、コンテキスト・サービス124は、通信サーバ1
20に具備される。この通信サーバ1
20は、企業104a,104b内に配置される。コンテキスト・サービス124は、アプリケーション・サーバ126により提供されるかあるいはそれに関連して提供される。このアプリケーション・サーバ126は通信サーバ120と通信状態にある。一実施例によれば、コンテキスト・サービス124は。企業104a,104bの外部にあるサーバに設けてもよい。この様な環境下においては、コンテキスト・サービス124又はこのコンテキスト・サービス124に利用可能なコンテンツは、Software as a Service(SaaS)として、クラウドコンピューティングを可能とするようなアプリケーションとして、あるいは加入ベースであるいは使用毎の支払いベースでユーザが利用できるソフトウエアアプリケーションとして提供してもよい。かくして、コンテキスト・サービス124は、一企業が管理すると、企業内の通信機器108のみが使用でき、サービスプロバイダが管理すると、複数の通信機器108,112が使用できるようになる。
【0012】
本発明の一実施例によれば、コンテキスト・サービス124は、通信サーバ(例えばMicrosoft Exchange Server、頻繁なクライアント、サーバにより使用されるルーチン)内に提供される。更なる一実施例によれば、コンテキスト・サービス124は、インターネットを介して使用可能である。コンテキスト・サービス124が提供されるフォーマットは、システムの条件、顧客のニーズに応じて、変わる。
【0013】
本発明の一実施例によれば、コンテキスト・サービス124は、コンテキスト情報例えばIDデータベース140又は通信アーカイブ144をサーチして、通信に関連するコンテキストを決定する。この決定されたコンテキスト情報は、コンテキスト情報116として、或いはメッセージ又は信号へのアタッチメントとして、通信そのものを含むメッセージあるいは通信内に含まれる。更にコンテキスト情報116は、様々なフォーマットあるいは通信形態で提供される。例えばコンテキスト情報116は、呼びの中のウィスパーページとして、音声の呼びと同時に送られるeメールとして、eメールのアタッチメントに含まれるボイスメール・メッセージを説明するeメールとして、SMSメッセージを説明するIMとして、ブログあるいはソシアルネットワークのポスティングをレポートするeメールとして、あるいは電話の元のディスプレイ上に提供されるテキストとして、送られる。かくして、コンテキスト情報116は、通信機器108,112のユーザに提供され、通信機器108,112との間の通信を補充する。一実施例によれば、コンテキスト情報116は、通信が開始される前に、ユーザに表示される(例、ユーザは、eメールを送信される前にeメールを生成する)。これによりユーザは、通信を適宜に構成し、所望のコンテキスト情報116を反映させる。更に送信者は、どのコンテキストが、受信者に、通信を構成する一部として提供されるかを選択できる。これにより送信者と受信者の共同作業がより効率的となる。
【0014】
コンテキスト・サービス124は、関連するコンテキスト情報を、IDデータベース140又は通信アーカイブ144から、通信ネットワーク132を介して検索し取り出すことができる。コンテキスト・サービス124が使用する通信ネットワーク132は、通信ネットワーク136とは別のものであってもよい。一実施例によれば、コンテキスト・サービス124は、通信ネットワーク136を利用して、様々なコンテキストソースからコンテキストを取り出すことができる。通信ネットワーク132は通信ネットワーク136と類似するが、これは通信ネットワーク136に接続されたノード間で、メッセージの形態でデータパケットを送信できるよう構成されている点においてである。
【0015】
本発明の一実施例によれば、コンテキスト情報のソースは、IDデータベース140と通信アーカイブ144とを含む。IDデータベース140は、ユーザのIDが、そのユーザが使用する別名としてのIDをマッピングできるような情報を含む。一例としてユーザは、第1の通信形態に対しては第1のID(username@enteprise.com for emall)を、第2の通信形態に対しては第2のID(e.g.,+13034441234 for voice calls)を有することができる。本発明の一実施例によれば、一人のユーザの複数のIDは、IDデータベース140内に一緒にマッピングされる。
【0016】
本発明の一実施例によれば、IDデータベース140は、企業104a,104b内に具備してもよい。他の実施例では、IDデータベース140は、企業104a,104bの外部で、通信サービスをユーザに与えるサービスプロバイダ(例えばeメールサービスプロバイダ、音声通信サービスプロバイダ、IMサービスプロバイダ、ソシアルネットワークサービスプロバイダ等)が保有してもよい。図では、1個のIDデータベース140のみが示されているが、複数のIDデータベース140を有してもよい、この複数のIDデータベース140に、コンテキスト・サービス124がアクセスしサーチすることもできる。
【0017】
本発明の一実施例によれば、コンテキスト情報は、コンテキスト・サービス124により、必要ベースで取り出すこともできる。別の構成として、コンテキスト・サービス124は、永続的なリクエスト(persistent request)をIDデータベース140に送り、これによりIDデータベース140が、新たな情報をコンテキスト・サービス124内に入れる。これは、情報が特定のユーザあるいは特定のユーザグループに対して変わった時に行われる。かくしてコンテキスト・サービス124は、特定のユーザに対し1回だけコンテキスト情報を要求すればよく、IDデータベース140内の後続の更新は、コンテキスト・サービス124に自動的に通知され、これにより、コンテキスト情報を取り出すために必要な通信の回数を減らすことができる。更にコンテキスト情報の更新が、コンテキスト・サービス124で受領されると、コンテキストサービスは、コンテキストキャッシュを更新する。これに関しては以下説明する。
【0018】
本発明の一実施例によれば、通信アーカイブ144は、コンテキスト情報のソースとして機能する。、通信アーカイブ144は通信の披瀝あるいは関連データを提供する。一実施例によれば、通信アーカイブ144は、アーカイブ形式で、通信披瀝と通信そのものを記憶(保存)する。通信アーカイブ144は、様々な通信媒体あるいは形態で通信を記憶する。かくして通信アーカイブ144は、通信媒体あるいは形態を問わない。ある一実施例によれば、通信アーカイブ144は、通信のあるタイプ(eメール、テキストメッセージ、ボイスメール、呼び披瀝トランスクリプト、コールログ、ブログ、ソシアルネットワークメッセージボード等)のみを記憶することができる。この構成においては、複数の通信アーカイブ144は、あるユーザが使用できる様々な通信媒体と通信形態のそれぞれに、用意される。
【0019】
本発明の一実施例によれば、通信アーカイブ144は、IDデータベース140内で特定される。これによりコンテキスト・サービス124は、特定のユーザ又は通信用のコンテキスト情報をサーチするための通信アーカイブ144の数を減らすことができる。
【0020】
IDデータベース140と同様に、通信アーカイブ144は、企業104a,104bの内にあるいは外に保有することもできる。更に通信アーカイブ144は、コンテキスト・サービス124を含む通信サーバ120内に保有することもできる。これは、特にコンテキスト・サービス124が通信サーバ例えばMicrosoft Exchange Server内に具備される場合である。かくして、通信アーカイブ144は、コンテキスト・サービス124に対し局部的(local)である。別の構成として、通信アーカイブ144は、通信機器108,112から取り出すこともできる。但しこの装置が、通信ログ(例、喪失した呼びログ、出発コールログ、来入コールログ、eメールログ、SMSメッセージログ、IMログ)を保持できる場合である。かくして、コンテキスト・サービス124に、コンテキスト情報を取り出すことのできる複数のロケーションを提供する。
【0021】
IDデータベース140と同様に、コンテキスト・サービス124は、必要に応じて、通信アーカイブ144から所望のコンテキスト情報を取り出すことができる。別の構成として、コンテキスト・サービス124は、永続的なリクエストを通信アーカイブ144に送ることができる。これにより通信アーカイブ144は、情報をコンテキスト・サービス124に入れるが、これは情報が特定のユーザあるいはグループに対して変更された場合である。
【0022】
図2に、本発明の一実施例により、コンテキスト・サービス124を提供する通信サーバ120の詳細を示す。コンテキスト・サービス124は、メモリ204内のインストラクションとして提供される。このインストラクションは、メモリ204と同一場所にあるプロセッサ208により実行される。コンテキスト・サービス124の実行結果は通信機器108と112とが、ネットワーク・インターフェース212を介して共有する。プロセッサ208は、汎用プロセス、digital signal processor(DSP)、アプリケーションプログラムを実行するコントローラである。別の構成として、プロセッサ208はApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)を含む。
【0023】
ネットワーク・インターフェース212は、通信モデム、通信ポートあるいは他のあらゆる種類の通信機器を含む。これらの機器は、通信ネットワーク132,136を介して、宛先の通信機器への通信ができ、又プロセッサ208が処理できるような、受領パケットを処理できる(条件付ける)機器である。ネットワーク・インターフェース212の一例は、ネットワークインターフェースカード、モデムカード、有線電話ポート、直列又は並列のデータポート、無線周波数放送トランシーバ、USBポート、あるいは有線又は無線の通信ネットワークインターフェースである。
【0024】
メモリ204は、プロセッサ208によりプログラムの実行に関連して使用される。このメモリ204は。プログラムのインストラクション、又はデータの短期又長期の保存用であり、コンテキスト・サービス124とコンテキスト・キャッシュ232を有する。別の構成として、データ貯蔵は、メモリ204とは別の場所で行われる。メモリ204は、半導体メモリである。メモリ204は、ハードディスク又はRAMである。他の一実施例によれば、メモリ204は、RAM又はROMである。
【0025】
本発明の一実施例によれば、コンテキスト・サービス124は1つあるいは複数のモジュールを有し、このモジュールは、コンテキスト・サービス124のある特徴を提供する。この様なモジュールの一例は、ディスカバリ・モジュール216,アウトバンド処理モジュール220,関連性モジュール224,プレゼンテーション・モジュール228である。
【0026】
ディスカバリ・モジュール216は、送信者(機)又は受信者(機)のIDを取得したり、入力としてのトピックスを取得したり、この様な入力に基づいてフィルターを形成したり、このフィルターを用いて、通信或いはIDデータベース140又は通信アーカイブ144からの通信記録(例、Eメール、音声記録、IM、ブログ、マイクロブログ、ソシアル媒体(リンクのID、フェースブック、マイスペース)の登録されたモードあるいは発見されたモードをスクリーンサーチしたり、関連サーチ結果(即ちフィルター基準に適合した結果)を戻したりする。ディスカバリ・モジュール216は、送信者のID又は受信者のIDに基づいて、コンテキスト情報をサーチしフィルター処理する。
【0027】
関連性モジュール224は、ディスカバリ・モジュール216から得た結果を関連性を得るためにスコアを付け、選択的なユーザ入力を可能とし、最大精度を得るために編集を可能とする。ディスカバリ・モジュール216と関連性モジュール224は、装置又はサーバの使用頻度の少ない時に働き、その結果は、リアルタイムの使用の更新のために記憶される。最新の結果を記憶しリアルタイムで最小の更新を処理することにより、ユーザが受ける遅延が、システムを使用する際に決定的なファクタとなるのを防止する。
【0028】
プレゼンテーション・モジュール228は、所定のコンテキスト情報を、通信機器108,112に合った方法で、あるいはコンテキスト情報116が分配されるそれらの付属物に合った方法で提供する。プレゼンテーション・モジュール228は、コンテキスト情報のプレゼンテーションの冗長度を制御する。例えば、デスクトップのアプリケーションでは100文字以下に、モバイルのアプリケーションでは50文字以下となるように制御する。更に、元のフォーマットでの元となるメッセージの拡張を提供する。例えば通信に関連する簡単なサマリーを最初に提供し、詳細なサマリーあるいは複雑で完全なサマリーを、クリックスロー(例、ユーザがメッセージ又はコンテキストサマリーをクリックすることに応答して)、フライオーバー(例、カーソールをメッセージ又はコンテキストサマリーの上を通過させることに応答して)、又はタブ(通信のタブ内に含まれる埋設されたサマリーとして)として、提供する。
【0029】
本発明の一実施例によれば、アウトバンド処理モジュール220を具備し、コンテキスト情報を、ユーザにより選択された通信のモードに合った媒体(音声、テキスト、画像又はそれらの組み合わせ)に変換する。本発明の一実施例によれば、マルチメディア装置(パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、PDA)を具備し、プレゼンテーションを幾つかの媒体のタイプで同時に表示することができる。一例として音声の呼びが入ってきた時には、コンテキスト情報を提供するテキストメッセージが、ID情報と共に表示される。別の例として、eメールを受領すると、可聴メッセージが再生されて、eメールの関連するコンテンツを記述(発声)する。後者の例は、モバイルのアプリケーションに特に有益であり、これはユーザが車を運転中にeメールを受信した時にそうである。コンテキスト情報を表示する別の方法は、当業者により本明細書を参照することにより容易に想到できる。
【0030】
コンテキスト・サービス124のコンテンツにより、コンテキスト・サービス124は、送信者側あるいは受信者側による、ローカルでかつサーバベースの通信ログ、送信されたホルダー、話題となってるホルダー、コンタクト(接触)先データベース、ソシアルネットワーク・ポスティング、ブログ/マイクロブログ等をサーチでき、特定のタイトル、話題、主題に基づいてサーチを構築することができる。これにより、サーチ結果の一貫した簡潔な処理(例、翻訳)が可能となり、通信機器112のユーザにより使用が可能となる。
【0031】
図3は、本発明の一実施例により、2人のユーザ304の間の通信システム100内の構成要素の関係を示す。この実施例において、ユーザA304Aに関連した通信機器108Aは、通信サーバ120が取り扱う呼びに参加している。より具体的には、呼びは、通信コア308により処理される。この通信コア308は、通信サーバ120上で動作している。通信セッションは、通信コア308と呼びデータストリームメッセージの交換により行われる。例えば通信コア308は、SIPを用いた通信システム100内で、通信マネージャ312を動かしあるいは参照する。SIPインバイトメッセージ316は、第1の通信マネージャ1312aに送られる。この第1の通信マネージャ1312aは、SIPトライング・メッセージを含むメッセージ320に応答する。SIPメッセージは、通信データ(例、音声データ)と、信号又は呼び制御データ(例インバイトメッセージ)を含む。
【0032】
本発明の一実施例によれば、第1のコンテキスト・サービス124aには、通信セッションが与えられるあるいは通信セッションが通知される。この通信セッションは、通信システム100が、通信機器108Aと通信機器112Bとの間で確立した通信セッション、あるいは確立しようとした通信セッションである。SIPトライングメッセージを含むSIP応答320は、コンテキスト・サービス124aに送信される。SIPメッセージは様々な情報のアイテムを含む。この情報は、発呼者(機)である通信機器108A,112Aと、被呼者(機)である通信機器108B,112を特定するアドレスを含む。従ってSIP応答320は、コンテキスト・サービス124に提供され、これによりコンテキスト・サービス124は、通信セッションへの参加者であるか試みた通信セッションへの参加者である通信機器108、112を特定することができる。ID情報を用いて、コンテキスト・サービス124は、コンテキスト情報を収集する。本発明の一実施例によれば、このコンテキスト情報は、コンテキスト・サービス124により、SIPメッセージへのアタッチメントの一部としてあるいはアタッチメントとして、提供される。従ってSIPメッセージ324、例えばSIPトライングメッセージとコンテキスト・サービス124aに付加されたコンテキスト情報は、通信コア308に戻される。コンテキスト情報を含むSIPメッセージ324は、その後呼びを開始する通信機器108に戻される。かくしてユーザA304aは、ユーザB304bに関連するコンテキスト情報を所有することができる。
【0033】
SIPインバイトメッセージを含むSIPメッセージ316は、通信システム100の構成要素に渡される。この構成要素は、ユーザB304bに関連した通信機器Bである通信機器108,112に成された呼びを処理する。例えば通信機器AとBである通信機器108,112は、同一の企業内の一部であると、第1の通信マネージャ1312aは、通信セッションの全てのセグメントを取り扱う。別の構成として、第2の通信マネージャ1312bは、通信セッションを開始するのに用いられたSIPメッセージ316を具備する。受領側の通信機器108,112への呼びを完了することに関し、通信マネージャ312より戻されたSIPメッセージ320の一例は、全ての必要とされる数字を受領した旨の確認情報、又は通信機器108,112の呼び出し音が鳴っていることの確認情報を含む。通信セッションに関連したあるいは通信セッションの確立に関連したメッセージは、第2のコンテキスト・サービス124bに送られる。このコンテキスト・サービス124bは、その後コンテキスト情報116をSIPメッセージに付加する。かくして収集されたコンテキスト情報は、通信機器108,112に、SIPメッセージのアタッチメントとして、分配される。従って第2のコンテキスト・サービス124bは、単独であるいは別のコンテキスト・サービス124に付加されて、動作する。
【0034】
ユーザB304bが、自分の通信機器108,112で呼びに答えた後、SIPメッセージの必要な交換が完了すると、通信機器Aである通信機器108、112と通信機器Bである通信機器108,112の間の通信セッション328が確立する。その後通信データは、通信機器108,112の間で交換され、例えばこれは、real time protocol(RIP)データ交換の一部として交換される。
【0035】
本発明の一実施例によれば、コンテキスト・サービス124により生成されたコンテキスト情報116は、通信セッション328に関連するあらゆるユーザ304に関連する。コンテキスト情報116を通信機器108,112に与えることは、通信機器108,112の全てあるいは一部に関連しているあるいは通信セッション328に参加しているユーザ304により行われる。一般的な構成において、コンテキスト情報116を受領する通信機器108,112は、通信セッション328への他の参加者に関連するコンテキスト情報116のみを受領する。更に通信セッション328への複数の参加者が、その通信セッション328への別の参加者に関するコンテキスト情報116を受領する場合でも、この様なコンテキスト情報116は、1つの通信マネージャ312又はコンテキスト・サービス124により与えられる。更に通信セッション328は、複数の通信サーバ120又は通信コア308の参加により、確立される。
【0036】
図4は、呼びデータストリームのメッセージのデータ構造を示す。このデータ構造は、SIPメッセージ400を含む。このSIPメッセージ400は、発呼者ID404と、被呼者ID408と、SIP信号412と、コンテキスト情報416とを有する。SIP信号412は、標準のあるいは拡張したSIP信号、又はコード(例、100トライ、180リンギング、200ok等)を含む。コンテキスト情報416は、コンテキスト・サービス124により追加された情報を含む。コンテキスト情報416は、あらゆる形態特にコンテキスト情報をユーザに出力する通信機器の機能に基づいて変化するフォーマットである。別に構成として、コンテキスト情報416は、SIPメッセージ400へのアタッチメントを含む。
【0037】
図5に、本発明の一実施例によりコンテキスト情報を提供する通信システムの動作を表す。ステップ500において、通信セッション328のメッセージ又はコールデータストリームメッセージが生成される。このメッセージは、通信セッション328を開始するリクエストを含む。このリクエストは、通信機器108,112から発信してもよい。別の構成として、予測ダイアルシステムにおいては、通信セッション328のリクエストは、サーバ装置又は自動アイアラーにより開始することもできる。いずれの場合も、このリクエストは、メッセージ(例えばSIPインバイトメッセージ)を生成する。このメッセージは、通信機器108,112のIDを含み、これは要求された通信セッションのエンドポイントとして機能する。更に通信セッション328のリクエストは、SIPインバイトメッセージを、通信マネージャ312与えることを含み、これは通信サーバ120に関連して行われる。
【0038】
ステップ504において、通信セッション328メッセージは、要求された通信セッションへの参加者のIDを含むが、通信マネージャ312によりコンテキスト・サービス又はアプリケーション124に転送される。本発明の一実施例によれば、コンテキスト情報124は、SIPインバイトメッセージを具備する。このSIPインバイトメッセージは発呼者と被呼者のアドレスを含む。その後コンテキスト情報が利用可能であるか否かの決定が行われる(ステップ508)。例えば通信セッション328のリクエストを開始したあるいはこの様なリクエストを開始したダイアルシステムに関連する第1の通信機器108,112は、コンテキスト・サービス124に加入し、コンテキスト情報が得られるか否かの決定は、被呼者である通信機器108,112に関連するコンテキスト情報116が得られるか否かの決定含む。別に構成として、コンテキスト情報が得られるか否かの決定は、発呼者である通信機器108,112に関連するユーザ304に関連するコンテキスト情報116が、被呼者である通信機器108,112に関連するユーザ304に分配されるか否かを含む。コンテキスト情報116が利用可能か否かの決定は、情報が提供される適宜のフォーマットを選択することを含む。特にコンテキスト情報116が、様々な形態でユーザに提示される。例えばコンテキスト情報116は、コンテキスト情報116を受領する通信機器108,112のユーザに表示されるテキストを含む。更にこの様な情報は、通信機器108,112の一部(電話)として表示されるか、あるいは通信機器108,112の付属装置(例、電話機への付属装置として動作する汎用コンピュータ)として提供される。他の実施例においては、コンテキスト情報116は、簡単な形態で提供される、例えばウィスパーアナウンスメント、スマートスクリーンホップ等で提供される。他の一実施例によれば、コンテキスト情報116は、完全なコンテンツフォームの形態で提供される。例えばMICROSOFT EXCEL,POWERPOINT,orWORD fileで提供される。更にコンテキスト情報が提供されるフォーマットは、コンテキストが分配される通信機器108,112の機能に応じて変わる。分配フォーマットの選択は、コンテキスト・サービス124により、受領する側の通信機器108,112の機能に関する情報に応じて、受領する通信機器108,112のユーザによる選択に応じて、あるいは受信側の通信機器108,112のそのものにより、変わる。
【0039】
コンテキスト情報116が利用可能な場合には、その情報は、コンテキスト・サービス124に与えられるSIPメッセージ400に追加される(ステップ512)。コンテキスト情報をメッセージに追加することは、コンテキスト情報をメッセージそのもの内に配置することを含む。例えばコンテキスト情報は、SIPメッセージのヘッダ内に配置されるか、あるいはSIPメッセージの他の部分に配置される。更なる例として、コンテキスト情報は、SIPメッセージのアタッチメントとして、例えばmultipurpose Internet mail extension(MIME)アタッチメントとして、提供される。
【0040】
追加されたコンテキスト情報116を含むSIPメッセージ400は、その後加入者ユーザ304の通信機器108,112に配布される(ステップ516)。例えばコンテキスト情報116が、通信機器Aである通信機器108,112に関連するユーザA304aに関する場合には、コンテキスト情報は、ユーザB304bに関連する通信機器Bである通信機器108,112に転送される。例えばコンテキスト情報は、SIPインバイトメッセージに含まれるかそれに添付される。コンテキスト情報116は、更にユーザA304aに、通信機器Aである通信機器108,112を介して、与えられる。例えばユーザB304bに関するコンテキスト情報は、通信機器Aである通信機器108,112に、SIPステータスメッセージの添付物として、例えばSIPtryingメッセージあるいはSIPringingメッセージとして、分配される。
【0041】
ステップ520において、メッセージに添付されたコンテキスト情報は、コンテキスト・サービス124に加入したユーザ304に、ユーザの通信機器108,112により提示される。例えばテキスト情報は、元のスクリーンディスプレイ(native screen display)で表示できる。このスクリーンディスプレイは、電話機を含む通信機器108,112の一部として含まれるか、あるいは電話機への付属物として動作する通信機器108,112の一部を含むラップトップ・コンピュータ又は汎用コンピュータのディスプレイである。他の実施例として、テキスト情報は、電話操作をサポートする汎用コンピュータを含む通信機器108,112により表示される。別の構成として、コンテキスト情報116は、簡単な形態で提供される。例えばテキストとして表せるショートメッセージ、ウィスパーアナウンスメント等で提供される。コンテキスト情報116は、完全なドキュメントあるいはファイルとして提供される。例えばスプレッドシート、ワードプロセッシングドキュメント又はデータベースとして提供される。更にコンテキスト情報116が表される特定のフォーマットは、通信機器108,112の機能(この機能を介して情報が表示される)に基づいて、あるいは通信機器108,112に関連するユーザ304の好みに応じて、選択される。
【0042】
ステップ524において、通信セッション328が終了したか否かの決定がなされる。通信セッション328が終了した場合には、プロセスはそこで終了する。通信セッションが継続中の場合には、更なるフィルタあるいはコンテンツ情報が利用可能か否かの決定がなされる(ステップ528)。本発明の一実施例によれば、更なるフィルタ情報は、通信セッション328の状態に関する情報、あるいは新たな(更新された)コンテキスト情報116の受領あるいは発見に関する情報を含む。例えば他の構造体あるいはスクリプトにより構成された通信に関連して、構造体化された通信内の現在あるいは将来のステップに関連する更なるフィルタ情報を、表すことができる。例えばコンテキスト・サービス124より行われた通信フロー又は状態情報を受領したか否かの決定が、行われる。更なるフィルタあるいはコンテキスト情報を受領した場合には、この新たな情報がコンテキスト・サービス124に提供される(ステップ532)。その後、プロセスはステップ512に戻る。コンテキスト・サービス124は、その後新たな情報を適用し、追加的なコンテキスト情報が、ステップ512で、後続のメッセージに追加され、加入者であるユーザ304に関連する通信機器108,112に分配される(ステップ516)。追加的なフィルタあるいはコンテキスト情報を受領していないと決定した場合(ステップ528)、プロセスはステップ524に戻る。
【0043】
本発明の一実施例によれば、コンテキスト情報116は、シーケンスで、コンテキスト情報をユーザ304に表すために、様々なアプリケーションを用いて、与えられる。コンテキスト情報116は特定のタイプに限定されない。しかし一実施例によれば、コンテキスト情報116は、通信セッション328への参加者である他のユーザ304に関連する個人情報を含む。更にコンテキスト情報116は、この様な情報が与えられたユーザ304により注釈が付けられた資料のコピーを含む。アプリケーションの更なる例は、プレゼンテーションツール、スプレッドシートツール、ドキュメンテーションツール、プロジェクトトラッキングツール、データベースツール等である。提供される個人情報は、家族の一員の名前、前の通信セッションへの参加者の名前、最近の休暇あるいは他のイベントに関する情報、趣味等を含む。あるアプリケーションを介してオープンにされた資料は、通信セッション328を準備した時に、ユーザ304により生成された個人的な注釈を含む。インテリジェントな個人的アスタントフューチャーは、コンテキスト・サービス124にリンクされて、ウィスパーアナウンスメント通信セッションの進行等を提供する。コンテキスト・アプリケーション又はサービス124は、ソフトウエアプログラム、ハードウエア構成要素、ファームウエアプログラムの一部である。更に本発明の一実施例によるコンテキスト・サービス124は、ユーザ304のリクエストに基づいて、コンテキスト情報のコーディネートされたプレゼンテーションを提示する。これは、アジェンダスライドディスク、スライドデッキ等に基づいて行われる。コンテキスト情報は、企業の電話システムの顧客にも提供される。このコンテキスト情報は、通信サービスプロバイダの顧客にも提供され、それらはサービス指向のアーキテクチャ、プロバイダの組み合わせ等を介して、加入者サービスとして提供される。顧客の通信機器108,112の特徴に基づき、これらの特徴は、クライアント−サーバの形態で、通信機器108,112全体に、通信サーバ120全体に、あるいは総合接続されたサービス全体に、提供される。通信セッション328は、PSTN、VoIP、ビデオコール、インスタントメッセージ(IM)等介した、呼びである。
【0044】
一実施例によれば、ユーザは、自分の事務所から有力顧客に電話をかけようとする。コンテキスト・サービス124は、ユーザのカレンダにアクセスして、日付、電話番号、呼びのアジェンダ、資料、あるいは被呼者(顧客)の個人情報、同一顧客の最後の通信セッションのサマリー等にアクセスして、電話をかけようとするユーザが、利用できるようにする。コンテキスト情報はユーザ304のコンピュータスクリーン上に表示される。被呼者(顧客)の個人情報は、電話の開始時に提示される、例えば配偶者の名前、子供の名前、彼らの誕生日、趣味、最近の休暇計画等が表示され、通信をより個人的な(親しい)ものにする。呼びのアジェンダが存在する場合には、ポインタ等を現在の話題に向けることにより、情報の提示、資料、アプリケーション、個人的補助特徴等となる。電話が終わり、ユーザ304が自分の部屋を出ると、それらは別の通信機器108,112に移り、例えば携帯電話あるいはAvaya
,sES 500 Systemのようなシステムや、Call Preparation Systemに移る。この変化に応じて、スクリーン材料、スクロール情報、ウィスパーアナウンスメント等を提供して、コンテキスト情報を、参加者の通信機器108,112に適宜の形態で提供する。
【0045】
他の一実施例において、ユーザが、タッチスクリーンを有する通信装置308,312を持って移動中であるとする。コンテキスト・サービス124に関連するアイコンのホームページが、通信セッション328を含む電話の呼びが開始した時に、提示される。このアイコンは、アプリケーション、ファイル、個人情報、インテリジェントパーソナルアシスタントへのアクセスを提示する。発呼者であるユーザ304は、彼らが呼びの進捗状況の検知に応じて準備完了時に、各アイコンの発言をトリガするか、あるいはこれらはアジェンダ上に入る指示に基づいて、自動的に表示される。複数個のオープンしたアプリケーションあるいはファイルを有することは、インテリジェントな通信機器上をタッチスクリーンを介して前後にtogglingすることにより、取り扱うことができる。
【0046】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。