特許第5701516号(P5701516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5701516組織の圧縮を制御するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701516
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】組織の圧縮を制御するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20150326BHJP
【FI】
   A61B17/10 310
【請求項の数】7
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2010-96528(P2010-96528)
(22)【出願日】2010年4月19日
(65)【公開番号】特開2010-253272(P2010-253272A)
(43)【公開日】2010年11月11日
【審査請求日】2013年3月29日
(31)【優先権主張番号】12/430,780
(32)【優先日】2009年4月27日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501289751
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ピー. ホイットマン
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド マリノウスカス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エー. ゼイクナー
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−056319(JP,A)
【文献】 特開2008−259860(JP,A)
【文献】 特表2007−527748(JP,A)
【文献】 特開2008−093437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用装置であって、
第1のクランプ部材と、
第2のクランプ部材と、
該第1のクランプ部材および該第2のクランプ部材のうちの少なくとも1つを、該クランプ部材の間の所定の組織ギャップに向けて駆動するように構成されている電気モータと、
該クランプ部材によって該組織に及ぼされるクランプ力を示す該電気モータを駆動するための電流を監視し、かつ、該監視された電流に基づいて、該電気モータを制御することによって該クランプ力を所定の最大限界までに制限するように構成されている制御システムと
を含み、
該クランプ力は、該第1のクランプ部材と該第2のクランプ部材との間の該所定の組織ギャップが達成されるまで該第1のクランプ部材および該第2のクランプ部材の閉じる速さを連続的に減少させることと、それらの間で該組織を圧縮するために必要とされる時間を増加させることとによって制限される、外科用装置。
【請求項2】
前記所定の最大限界は、クランプされるべき前記組織の所定の特性に基づいて選択される、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項3】
前記所定の最大限界は、前記クランプされた組織への外傷を所定の受け入れ可能なレベルに制限するように選択される、請求項2に記載の外科用装置。
【請求項4】
前記所定の最大限界は、前記クランプ部材のうちの前記少なくとも1つの所定のたわみ限界より下である、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項5】
前記外科用装置は、(a)直線状の外科用ステープラ、(b)円形の外科用ステープラ、(c)直角の直線状切断器のうちの少なくとも1つとして配列されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項6】
前記電気モータを駆動する電流を決定するように構成された電流センサと、
該電気モータの回転速度を決定するように構成された速度センサと、
該モータの出力の位置、および、前記第1のクランプ部材と前記第2のクランプ部材との相対的位置のうちの少なくとも1つを決定するように構成された位置センサと
をさらに含む、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項7】
前記制御システムは、前記電気モータの駆動速さの調節によって、該電気モータを制御して、前記クランプ力を前記所定の最大限界までに制限するように適合されている、請求項1に記載の外科用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、概して、医療装置に関する。より具体的には、本発明は、制御された組織圧縮のための装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの外科処置は、患者の組織の圧縮(例えば、クランプ)を必要とする。そのような処置は、例えば、組織の吻合、ステープリング、および切除を含み得る。例えば、癌性組織が患者の胃腸管に識別されている場合、癌性組織は外科的に除去される必要があり得る。例えば、癌性組織が結腸上にあり、外科用器具類によってアクセス可能な場合、外科医は、患者の腹に切開を作ることによって、腸へのアクセスを可能にする。外科医は、そして、特許文献1(明示的に参照によりその全体が本明細書に援用されている)に記述されているように、直線状切開装置およびステープリング装置を使用することによって、除去されるべき癌性部分の両側の結腸組織を切断しステープルする。この処置において、結腸は、組織を圧縮するために外的に(例えば、対向する顎の間に)クランプされる。組織が圧縮されている間、切開器具およびステープラが起動されて、直線状の切断を作り、一般には2つのステープルの直線状の行を、切開に隣接した領域に適用する。ステープリングは、従って、腸の2つの切断端部の一時的な閉じることの提供に加えて、除去されるべき腸の部分の両方の開端部を閉じる。この閉じることは、周囲の組織の腸の内部への露出を制限し、従って、感染のリスクを制限する。切断およびステープリング処置の後で、組織の癌性部分は、患者の体内から取り除かれ得る。
【0003】
癌性組織の切除の後、外科医は、特許文献2(明示的に参照によりその全体が本明細書に援用されている)に記述されたように、吻合装置およびステープリング装置(例えば、円形のステープラ/切断器)を採用する。この処置の間、ヘッド部分は、開端部のうちの1つに隣接した腸内に位置決めされており、基部あるいはシャフト部分は、他方の開端部に隣接した腸内に位置決めされている。ヘッド部分および基部は、シャフトおよび/または1つの開端部から出て他方の中に延びるケーブルを介して結合され得る。この結合を介して、外科医は吻合およびステープリング装置を作動して、ヘッド部分と基部とを共に引き出す。結腸の2つの開端部が互いに接触した後、円環状の接触領域において、結腸の2つの部分が一緒にクランプされるように、作動は続く。クランプされている間、吻合およびステープリング装置は、さらに作動されて、ステープルの円環を圧縮された組織の中に適用する。装置は、また、結腸内の余剰組織を切断し得る。ヘッド部分および基部は、そして、離れるように動かされて、吻合およびステープリング装置は患者から取り除かれる。
【0004】
上の処置における効果的なステープリングを達成するために、道具の表面の間に十分に小さな組織ギャップ(例えば1ミリメータ)が存在する程度にまで、組織は圧縮されなければならない。器具のクランプ構造が十分な力にさらされる場合、ステープルされるべき組織の長さを横切る均一な目標組織ギャップを維持することは、困難であり得、あるいはむしろ不可能であり得る。例えば、クランプ構造が、直線状のステープラのカンチレバーの顎である場合、顎は、高いクランプ力の下で、互いから外方向に向かって広がり得る。顎の一方あるいは両方がこの方法で広がる場合、組織ギャップは、顎の遠位端に向かって一般に増加する。この組織ギャップが受け入れ可能な範囲を超える場合、ステープルは、汚染を防ぐために組織を十分に閉じないことがあり得る。これは、例えば、ステープルプッシャと、ステープルを閉じるアンビルとの間の大きすぎるギャップからの結果である不適正な形成が原因の、例えば、初めにステープルされたギャップが大きすぎる、および/またはステープルの欠損(例えば、ステープルされた組織の1つ以上の部分からの分離)からの結果であり得る。
【0005】
ステープリング処置に伴うその様な問題は、感染および/または敗血症の原因の1つとなり得る組織の汚染(例えば、腸に隣接する組織の腸の内容物との汚染)につながる。ステープリング処置に伴うその様な問題は、また、不適正な組織閉鎖が原因で、例えば、吻合の欠損(例えば、ステープルされた組織が分離する場合)および/または過剰な出血につながる。さらに、これらの問題は、さらなる、繰り返される、および/または、それに関連するリスクの増加を伴う長びく外科手術を必要とする。米国食品医薬品局によって報告されたように(http://www.fda.gov/cdrh/surgicalstapler/other_data.html、最終更新日2004年7月21日、における「外科用ステープラ情報」、「他のデータ」を参照)、感染、敗血症、吻合欠損、および出血は、ステープリング処置で生じる、幾人かの患者には、重症の傷害、あるいは死にさえつながる、実質的な問題である。従って、これらの問題を最小にすることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第12/235,362号明細書
【特許文献2】米国特許出願第10/785,682号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0057369号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さらに、圧縮を実行する場合、一定の閉じる速さ(例えば、直線状のステープラの顎の間、あるいは、円形ステープラ/切断器のヘッド部と基部との間の閉じる速さ)は、高いレベルのパワーをクランプされた組織に及ぼし得る。この高レベルのパワーは過剰な組織外傷をもたらす。従って、例えば、組織に加えられるパワーを効果的に制御することによって、この外傷を制限することが望ましい。さらに、クランプされるべき組織が圧縮可能であるかを判断することが望ましい。
【0008】
特許文献3は、アンビルネックに収納された線形な力のスイッチから連続的な測定を使用する装置を記述している。スイッチは較正されることによって、所与の負荷が加えられた場合に、起動する。所与の負荷は、ステープリングが起きる前に、特定の組織に加えられるべき望ましい圧力に対応するように設定される。このスイッチのプロセッサとのインターフェイスは、圧縮領域内のみのステープルの発射を提供する。その様な装置および制御方法は、連続的な閉じるあるいは圧縮された組織に入るパワーの監視を可能にはしない。
【0009】
さらに、シンプルで信頼可能な方法で、クランプ部材の構造疲労を監視し、追跡することが望ましい。
【0010】
適切なステープル充填を、シンプルな信頼可能な方法で、識別することがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態例は、組織の圧縮を制御するための装置および方法を提供する。
【0012】
本発明の実施形態例によると、方法は、クランプ部材のうちの少なくとも1つを、クランプ部材間の所定の組織ギャップに向かって電気モータにより駆動することによって、第1のクランプ部材と第2のクランプ部材との間の組織をクランプすることを含む。方法は、また、クランプの間、クランプ部材によって組織に及ぼされるクランプ力を示す電気モータのパラメータを監視する。方法は、また、クランプの間、監視されたパラメータに基づいて、電気モータを制御することによって、クランプ力を所定の最大限界までに制限することを含む。
【0013】
所定の最大限界は、クランプされるべき組織の所定の特性に基づいて、選択され得る。
【0014】
所定の最大限界は、外傷をクランプされた組織に、また、受け入れ可能なレベルに制限するように選択され得る。
【0015】
所定の最大限界は、クランプ部材のうちの少なくとも1つの所定の屈折限界より下であり得る。
【0016】
制御することは、電気モータに加えられる電圧を調節することを含み得る。制御することは、電気モータを駆動する電流を、例えば、所定の最大値に制限することを含み得る。
【0017】
監視することは、電気モータを駆動する電流を測定することを含み得る。
【0018】
方法は、クランプの前に、クランプ部材を動かすことに関連する摩擦損失が原因の電流を測定することと、摩擦損失をクランプの間に測定された電流から減算することとを含み得る。
【0019】
方法は、クランプの前に、電流オフセットを測定することを含み得る。
【0020】
方法は、電流オフセットを、クランプの間に測定された電流から減算することを含み得る。
【0021】
所定の最大限界は、力が降伏力に到達することを防ぐように選択され得る。
【0022】
所定の最大限界は、クランプ部材が広がることを防ぐように選択され得る。
【0023】
方法は、監視されたパラメータのプロファイルを使用することによって、クランプ部材のうちの少なくとも1つにおける構造疲労を監視し追跡することを含み得る。プロファイルは、通常のパラメータ識別特性と比較され得る。
【0024】
外科用器具は、外科用ステープラであり得、クランプ部材のうちの1つは、外科用ステープルを形成するように配置されたアンビルであり得る。
【0025】
方法は、監視されたパラメータのプロファイルを使用することによって、ステープルカートリッジのすべてのステープルが発射されたかを識別する。
【0026】
方法は、監視されたパラメータのプロファイルを使用することによって、ステープルの誤発射、ステープルカートリッジ内のステープルの不在、およびステープルの混雑のうちの少なくとも1つを識別する。
【0027】
制御することは、例えば、モータ速度を決定すること、モータ位置を決定すること、および、電流オフセットおよび摩擦損失に起因する電流を減算することによって圧縮に寄与可能な正味のモータ電流を決定することを含み得る。制御することは、また、決定された速度に基づいて速度駆動を決定することと、決定された位置に基づいて位置駆動を決定することと、決定された正味電流に基づいて電流駆動を決定することとを含み得る。制御することは、また、速度駆動、位置駆動、および電流駆動のうちの最小の駆動を、モータに適用することを含み得る。
【0028】
方法は、モータ速度に基づいて、圧縮されない物体の存在を検出することを含み得る。
【0029】
制御することは、モータの駆動スピードを調節することによって、クランプ力を所定の最大限界までに制限することを含み得る。
【0030】
本発明の実施形態の例によると、外科用装置は、第1のクランプ部材と、第2のクランプ部材と、第1のクランプ部材と第2のクランプ部材とのうちの少なくとも1つを、クランプ部材の間の所定の組織ギャップに向けて駆動するように構成されている電気モータとを含む。装置は、また、制御システムを含むことによって、クランプ部材によって組織に及ぼされるクランプ力を示す電気モータのパラメータを監視し、監視されたパラメータに基づいて電気モータを制御することによってクランプ力を所定の最大限界までに制限する。
【0031】
所定の最大限界は、クランプされるべき組織の所定の特性に基づいて選択され得る。
【0032】
所定の最大限界は、外傷をクランプされた組織に、また、受け入れ可能なレベルに制限するように選択され得る。
【0033】
所定の最大限界は、クランプ部材のうちの少なくとも1つの所定のたわみ限界より下であり得る。
【0034】
外科用装置は、(a)直線状の外科用ステープラ、(b)円形の外科用ステープラ、および(c)直角の直線状の切断器のうちの少なくとも1つとして配置され得る。外科用装置が、ステープラ、結紮器等を含むクランプ構成部品を含む外科用装置として配置され得ることは容易に理解されるべきである。
【0035】
外科用装置は、電気モータを駆動する電流を判断する電流センサ、電気モータの回転速度を判断する速度センサ、およびモータの出力の位置と、第1および第2のクランプ部材の相対位置とのうちの少なくとも1つを判断する位置センサを含み得る。
【0036】
制御システムは、モータの駆動スピードの調節によって、電気モータを制御するように適合されることによって、クランプ力を所定の最大限界までに制限する。
【0037】
本発明の実施形態の例によると、外科用装置は、クランプされている組織上に及ぼされるクランプ力を示す電気モータのパラメータを監視し、クランプ力に対する所定の最大限界が到達されたか否かを判断して電気モータのパラメータを制限するように電気モータを制御して、クランプ力を監視することによってクランプ力における変動を判断して、ひとたび組織に及ぼされるクランプ力が所定の最大限界より下に落ち込んだ場合、電気モータが再起動することを可能にするように構成されている。
【0038】
本発明の実施形態の例によると、外科用装置は、第1のクランプ部材および第2のクランプ部材の圧縮力を所定の組織ギャップに向けて制御するように構成され、ひとたび該組織ギャップが達成されると、組織ファスナ、エネルギ、および接着流体のうちの少なくとも1つを展開することによって、該組織は治癒プロセスの間、近接した状態で残るように構成されている。
【0039】
本発明の実施形態の例によると、外科用装置は、組織をクランプするように構成されたクランプ機構、クランプ機構を駆動するように構成された電気モータ、および制御システムを含む。制御システムは、クランプされている組織上に及ぼされるクランプ力を示す電気モータのパラメータを監視し、クランプ力に対する所定の最大限界が到達されたかを判断して電気モータのパラメータを制限することによって、電気モータを制御し、クランプ力を監視することによって、ひとたび組織に及ぼされるクランプ力が所定の最大限界より下に落ち込んだ場合、クランプ力における変動を判断して電気モータが再起動することを可能にするように構成されている。
【0040】
本発明の実施形態の例によると、外科用装置は、第1のクランプ部材、第2のクランプ部材、および制御システムを含む。制御システムは、第1のクランプ部材および第2のクランプ部材の圧縮力を所定の組織ギャップに向けて制御し、ひとたび該組織ギャップが達成されると、組織ファスナ、エネルギ、および接着流体のうちの少なくとも1つを展開することによって、該組織は治癒プロセスの間、近接した状態で残るように構成されている。
【0041】
本発明に従った組織の圧縮を制御するための方法の例は、組織を組織圧縮機構の中に(例えば、直線状切断器の顎)位置決めすることと、ステープリング装置あるいはアンビルと、円形切断の基部と、ステープリング装置とを含む。方法は、また、閉じる速さに従って組織を圧縮することを含む。
【0042】
方法は、圧縮の間に組織に加えられる瞬間のエネルギまたはパワー、および/または累積エネルギまたはパワーを判断することをさらに含む。方法は、与えられるパワーが、例えば所定のレベルに上昇する場合、閉じる速さを減少することをさらに含む。測定することは、直流モータに加えられる電流を測定することを含む。電流は、例えば固定の間隔で、圧縮の治療単位にわたって連続的に測定され得る。閉じる速さは、組織内に与えられるパワーが、圧縮の部分にわたって一定のままに残るように、調節され得る。
【0043】
本発明に従った組織の圧縮を制御するための装置の例は、クランプ機構あるいは圧縮機構を含み得る。圧縮機構は、任意の適切な機構(例えば、回転あるいは平行な顎、円形のステープリングおよび切断機構のアンビルおよび基部等)であり得る。圧縮機構は、アクチュエータによって作動され、アクチュエータは、1つ以上の電気モータを含み得、電気モータは、遠隔操作卓および/または装置のハウジングに配置され得る。パワーは、アクチュエータから圧縮機構に任意の適切な構造(例えば、回転力を伝送するように配置された1つ以上の回転シャフト)によって伝達され得る。アクチュエータが直流モータを含む場合、制御システム(例えば、デジタルおよび/またはアナログ制御システム)は、モータに加えられる電圧を変えることによって、アクチュエータに流れ込む電流を制御し得る。制御システムは、モータに流れ込む電流を制限するように構成されおよび/またはプログラムされ得る。制御システムは、電流センサによって示される、モータに流れ込む測定された電流に基づいて、組織に加えられるパワーを計算するようにプログラムされ得る。制御システムは、電圧入力に基づいて、圧縮機構の閉じる速さを計算するようにプログラムされ得る。
【0044】
さらに、制御装置は、組織に流れ込むパワーを制限するために、および/または組織に流れ込むパワーを一定のレベルに維持するために、アクチュエータへの電圧入力を変えること(例えば、下げること)によって、閉じる速さを減少するようにプログラムされ得る。
【0045】
本発明の実施形態例のさらなる詳細および局面が、添付の図面を参照して、より詳細に下に記述される。
【0046】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
外科用装置であって、
第1のクランプ部材と、
第2のクランプ部材と、
該第1のクランプ部材および該第2のクランプ部材のうちの少なくとも1つを、該クランプ部材の間の所定の組織ギャップに向けて駆動するように構成されている電気モータと、
該クランプ部材によって該組織に及ぼされるクランプ力を示す該電気モータのパラメータを監視し、かつ、該監視されたパラメータに基づいて、該電気モータを制御することによって該クランプ力を所定の最大限界までに制限するように構成されている制御システムと
を含む、外科用装置。
(項目2)
前記所定の最大限界は、クランプされるべき前記組織の所定の特性に基づいて選択される、項目1に記載の外科用装置。
(項目3)
前記所定の最大限界は、前記クランプされた組織への外傷を所定の受け入れ可能なレベルに制限するように選択される、項目1−2のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目4)
前記所定の最大限界は、前記クランプ部材のうちの前記少なくとも1つの所定のたわみ限界より下である、項目1−3のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目5)
前記外科用装置は、(a)直線状の外科用ステープラ、(b)円形の外科用ステープラ、および(c)直角の直線状切断器のうちの少なくとも1つとして配列されている、項目1−4のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目6)
前記電気モータを駆動する電流を判断するように構成された電流センサと、
該電気モータの回転速度を判断するように構成された速度センサと、
該モータの出力の位置、および前記第1のクランプ部材と第該2のクランプ部材との相対的位置のうちの少なくとも1つを判断するように構成された位置センサと
をさらに含む、項目1−5のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目7)
前記制御システムは、前記電気モータの駆動速さの調節によって、前記電気モータを制御して、前記クランプ力を前記所定の最大限界までに制限するように適合されている、項目1−6のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目8)
前記クランプ部材を動かすことに関連する摩擦損失が原因の電流を測定するための手段をさらに含む、項目1−7のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目9)
前記所定の最大限界は、前記力が降伏力に到達することを防ぐ、項目1−8のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目10)
前記所定の最大限界は、前記クランプ部材が広がることを防ぐ、項目1−9のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目11)
前記制御システムは、前記監視されたパラメータのプロファイルを使用して、前記クランプ部材のうちの少なくとも1つの構造疲労を監視し追跡するようにさらに構成されている、項目1−10のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目12)
前記制御システムは、前記プロファイルを正常なパラメータ特徴と比較する手段を含む、項目1−11のいずれか1項に外科用装置。
(項目13)
前記外科用装置は、外科用ステープラであり、前記クランプ部材のうちの1つは、外科用ステープラを形成するように構成されたアンビルである、項目1−12のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目14)
前記制御システムは、前記監視されたパラメータのプロファイルを使用して、ステープルカートリッジのすべての前記ステープルが発射されたか否かを識別するようにさらに構成されている、項目1−13のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目15)
前記制御システムは、前記監視されたパラメータのプロファイルを使用して、ステープルの誤発射、ステープルカートリッジ内のステープルの不在、およびステープルの妨害のうちの少なくとも1つを識別するようにさらに構成されている、項目1−14のいずれか1項に記載外科用装置。
(項目16)
前記制御システムは、
モータ速度を決定し、
モータ位置を決定し、
電流オフセットおよび摩擦損失が原因の電流を減ずることによって、前記圧縮に寄与可能な正味のモータ電流を決定する
ように構成されている、項目1−15のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目17)
前記制御システムは、
前記決定された速度に基づいて、速度駆動を決定し、
前記決定された位置に基づいて、位置駆動を決定し、
前記決定された正味のモータ電流に基づいて、電流駆動を決定する
ようにさらに構成されている、項目1−16のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目18)
前記制御システムは、前記モータに対する前記速度駆動、前記位置駆動、および前記電流駆動のうちの最小の駆動を適用するようにさらに構成されている、項目1−17のいずれか1項に記載外科用装置。
(項目19)
前記モータ速度に基づいて、圧縮不可能な物体の存在を検出するための手段をさらに含む、項目1−18のいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目20)
クランプされている組織上に及ぼされるクランプ力を示す電気モータのパラメータを監視し、該クランプ力に対する所定の最大限界が到達されたか否かを判断して該電気モータのパラメータを制限するように該電気モータを制御し、該クランプ力を監視することによって該クランプ力における変動を判断して、ひとたび該組織に及ぼされる該クランプ力が該所定の最大限界より下に落ち込んだ場合、該電気モータが再起動することを可能にするように構成されている外科用装置。
(項目21)
第1のクランプ部材および第2のクランプ部材の圧縮力を所定の組織ギャップに向けて制御し、ひとたび該組織ギャップが達成された場合、組織ファスナ、エネルギ、および接着流体のうちの少なくとも1つを展開することによって、該組織が治癒プロセスの間、近接したままであるように構成されている外科用装置。
(項目22)
外科用装置であって、
組織をクランプするように構成されたクランプ機構と、
該クランプ機構を駆動するように構成された電気モータと、
制御システムであって、
クランプされている組織上に及ぼされるクランプ力を示す該電気モータのパラメータを監視し、
該クランプ力に対する所定の最大限界が到達されたか否かを判断して該電気モータの該パラメータを制限することによって、該電気モータを制御し、
該クランプ力を監視することによって該クランプ力における変動を判断して、ひとたび該クランプ力が該所定の最大限界より下に落ち込んだ場合、該電気モータが再起動することを可能にする
ように構成されている制御システムと
を含む、外科用装置。
(項目23)
外科用装置であって、
第1のクランプ部材と、
第2のクランプ部材と、
制御システムであって、
該第1のクランプ部材および該第2のクランプ部材の圧縮力を、該第1のクランプ部材と該第2のクランプ部材との間の所定の組織ギャップに向けて制御し、
ひとたび該組織ギャップが達成されると、組織ファスナ、エネルギ、および接着流体のうちの少なくとも1つを展開することによって、該組織は治癒プロセスの間、近接したままである
ように構成されている、制御システムと
を含む、外科用装置。
(項目1A)
方法であって、
第1のクランプ部材と第2のクランプ部材との間の組織をクランプすることであって、該クランプ部材のうちの少なくとも1つを、電気モータにより該クランプ部材の間の所定の組織ギャップに向けて駆動することによってクランプする、ことと、
該クランプの間、該クランプ部材によって該組織に及ぼされたクランプ力を示す該電気モータのパラメータを監視することと、
該クランプの間、該監視されたパラメータに基づいて、該クランプ力を所定の最大限界までに制限するように、該電気モータを制御することと
を含む、方法。
(項目2A)
前記所定の最大限界は、クランプされるべき前記組織の所定の特性に基づいて、選択される、項目1Aに記載の方法。
(項目3A)
前記所定の最大限界は、前記クランプされた組織への外傷を所定の受け入れ可能なレベルに制限する、項目1A−2Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目4A)
前記所定の最大限界は、前記クランプ部材のうちの少なくとも1つの所定のたわみ限界より下である、項目1A−3Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目5A)
前記制御することは、前記モータに加えられる電圧を調節することを含む、項目1A−4Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目6A)
前記制御することは、前記電気モータを駆動する前記電流を制限することを含む、項目1A−5Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目7A)
前記監視することは、前記電気モータを駆動する電流を測定することを含む、項目1A−6Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目8A)
前記クランプの前に、前記クランプ部材を動かすことに関連する摩擦損失が原因の電流を測定することと、
前記クランプの間に、該摩擦損失を測定された前記電流から減ずることと
をさらに含む、項目1A−7Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目9A)
前記クランプの前に、電流オフセットを測定することをさらに含む、項目1A−8Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目10A)
前記クランプの間に、前記電流オフセットを測定された前記電流から減ずることをさらに含む、項目1A−9Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目11A)
前記所定の最大限界は、前記力が降伏力に到達することを防ぐように選択される、項目1A−10Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目12A)
前記所定の最大限界は、前記クランプ部材が広がることを防ぐように選択される、項目1A−11Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目13A)
前記監視されたパラメータのプロファイルを使用して、前記クランプ部材のうちの少なくとも1つの構造疲労を監視し追跡することをさらに含む、項目1A−12Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目14A)
前記プロファイルは、正常なパラメータ特徴と比較される、項目1A−13Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目15A)
外科用器具は、外科用ステープラであり、前記クランプ部材のうちの1つは、外科用ステープルを形成するように構成されたアンビルである、項目1A−14Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目16A)
前記監視されたパラメータのプロファイルを使用して、ステープルカートリッジのすべての前記ステープルが発射されたか否かを識別する、項目1A−15Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目17A)
前記監視されたパラメータのプロファイルを使用して、ステープルの誤発射、ステープルカートリッジ内のステープルの不在、およびステープルの妨害のうちの少なくとも1つを識別することをさらに含む、項目1A−16Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目18A)
前記制御することは、
モータ測度を決定することと、
モータ位置を決定することと、
電流オフセットおよび摩擦損失が原因の電流を減ずることによって、前記圧縮に寄与可能な正味のモータ電流を決定することと
を含む、項目1A−17Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目19A)
前記制御することは、
前記決定された速度に基づいて、速度駆動を決定することと、
前記決定された位置に基づいて、位置駆動を決定することと、
前記決定された正味のモータ電流に基づいて、電流駆動を決定することと
をさらに含む、項目1A−18Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目20A)
前記制御することは、前記モータに対する前記速度駆動、前記位置駆動、および前記電流駆動のうちの最小の駆動を適用することをさらに含む、項目1A−19Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目21A)
前記モータ速度に基づいて、圧縮不可能な物体の存在を検出することをさらに含む、項目1A−20Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目22A)
前記制御することは、前記モータの駆動速さを調節して、クランプ力を前記所定の最大限界に制限することを含む、項目1A−21Aのいずれか1項に記載の方法。
(項目23A)
外科用装置であって、
第1のクランプ部材と、
第2のクランプ部材と、
該第1のクランプ部材および該第2のクランプ部材のうちの少なくとも1つを、該クランプ部材の間の所定の組織ギャップに向けて駆動するように構成されている電気モータと、
該クランプ部材によって該組織に及ぼされるクランプ力を示す該電気モータのパラメータを監視し、かつ、該監視されたパラメータに基づいて、該電気モータを制御することによって該クランプ力を所定の最大限界までに制限するように構成されている制御システムと
を含む、外科用装置。
(項目24A)
前記所定の最大限界は、クランプされるべき前記組織の所定の特性に基づいて選択される、項目1A−23Aのいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目25A)
前記所定の最大限界は、前記クランプされた組織への外傷を所定の受け入れ可能なレベルに制限するように選択される、項目1A−24Aのいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目26A)
前記所定の最大限界は、前記クランプ部材のうちの前記少なくとも1つの所定のたわみ限界より下である、項目1A−25Aのいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目27A)
前記外科用装置は、(a)直線状の外科用ステープラ、(b)円形の外科用ステープラ、および(c)直角の直線状切断器のうちの少なくとも1つとして配列されている、項目1A−26Aのいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目28A)
前記電気モータを駆動する電流を判断するように構成された電流センサと、
該電気モータの回転速度を判断するように構成された速度センサと、
該モータの出力の位置、および前記第1と第2のクランプ部材のうちの少なくとも1つを判断するように構成された位置センサと
をさらに含む、項目1A−27Aのいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目29A)
前記制御システムは、前記電気モータの駆動速さの調節によって、前記電気モータを制御して、前記クランプ力を前記所定の最大限界までに制限するように適合されている、項目1A−28Aのいずれか1項に記載の外科用装置。
(項目30A)
クランプされている組織上に及ぼされるクランプ力を示す電気モータのパラメータを監視し、該クランプ力に対する所定の最大限界が到達されたか否かを判断して該電気モータのパラメータを制限するように該電気モータを制御し、該クランプ力を監視することによって該クランプ力における変動を判断して、ひとたび該組織に及ぼされる該クランプ力が該所定の最大限界より下に落ち込んだ場合、該電気モータが再起動することを可能にするように構成されている外科用装置。
(項目31A)
第1のクランプ部材および第2のクランプ部材の圧縮力を所定の組織ギャップに向けて制御し、ひとたび該組織ギャップが達成された場合、組織ファスナ、エネルギ、および接着流体のうちの少なくとも1つを展開することによって、該組織が治癒プロセスの間、近接したままであるように構成されている外科用装置。
(項目32A)
外科用装置であって、
組織をクランプするように構成されたクランプ機構と、
該クランプ機構を駆動するように構成された電気モータと、
制御システムであって、
クランプされている組織上に及ぼされるクランプ力を示す該電気モータのパラメータを監視し、
該クランプ力に対する所定の最大限界が到達されたか否かを判断して該電気モータの該パラメータを制限することによって、該電気モータを制御し、
該クランプ力を監視することによって該クランプ力における変動を判断して、ひとたび該クランプ力が該所定の最大限界より下に落ち込んだ場合、該電気モータが再起動することを可能にする
ように構成されている、制御システムと
を含む、外科用装置。
(項目33A)
外科用装置であって、
第1のクランプ部材と、
第2のクランプ部材と、
制御システムであって、
該第1のクランプ部材および該第2のクランプ部材の圧縮力を、該第1のクランプ部材と該第2のクランプ部材との間の所定の組織ギャップに向けて制御し、
ひとたび該組織ギャップが達成されると、組織ファスナ、エネルギ、および接着流体のうちの少なくとも1つを展開することによって、該組織は治癒プロセスの間、近接したままである
ように構成されている、制御システムと
を含む、外科用装置。
(摘要)
組織の圧縮を制御するための方法および装置は、クランプ部材のうちの少なくとも1つを、電気モータによりクランプ部材の間の所定の組織ギャップに向けて駆動することによって、第1のクランプ部材と第2のクランプ部材との間の組織をクランプし、クランプの間、クランプ部材によって組織に及ぼされたクランプ力を示す電気モータのパラメータを監視することを含む。方法および装置は、クランプの間、監視されたパラメータに基づいて、電気モータを制御することによってクランプ力を所定の最大限界までに制限することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、圧縮の間に、一定のアンビルを閉じる速さにおいて組織に加えられたパワーを例示するグラフである。
図2図2は、本発明の実施形態例に従った、圧縮の間に組織に加えられたパワーを例示するグラフである。
図3図3は、図1のグラフと図2のグラフの重ね合わせである。
図4図4は、本発明の実施形態例に従った制御システムの模式図である。
図5図5は、本発明の実施形態例に従った方法を例示するフローチャートである。
図6a図6aは、ステープリング装置の顎の広がる効果を模式的に例示している図である。
図6b図6bは、ステープリング装置の顎の広がる効果を模式的に例示している図である。
図7a図7aは、異なるステープリング事象に関連した電流プロファイルを例示している図である。
図7b図7bは、異なるステープリング事象に関連した電流プロファイルを例示している図である。
図7c図7cは、異なるステープリング事象に関連した電流プロファイルを例示している図である。
図7d図7dは、異なるステープリング事象に関連した電流プロファイルを例示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
患者の組織の圧縮の間、組織の組成の結果(例えば、流体の存在)として流体効果が存在する。この点において、流体抵抗が測定され、クランプ要素の閉鎖のためのフィードバックとして使用され得る。
【0049】
患者の組織をクランプする場合、クランプ装置(例えば、直線状のステープラ)および組織を介して及ぼされた力は、受け入れがたい高いレベルに到達し得る。例えば、一定の閉じる速さが採用される場合、力は、十分に高くなり得て、過剰な外傷をクランプされた組織に起こし、受け入れ可能な組織ギャップがステープリング経路を横切っては維持されないように、クランプ装置に変形を起こす。例えば、受け入れ可能な組織ギャップは、例えば、1mm±0.4mm、1mm+0.4/−0.3mm(0.7mmから1.4mm)等の範囲にあり得る。図6aおよび6bを参照すると、クランプ力を組織の断面に及ぼす場合の、直線状の外科用ステープラ1000および1100が模式的に例示されている。
【0050】
例示されたように、ステープラ1000および1100の顎によって及ぼされた、高いレベルの力は、広げる効果をもたらし、このことは、例示目的のために図6aおよび6bに誇張されている。図6aを参照すると、1対の対向する顎1005および1010が、近位部分においてのみ、目標組織ギャップ1020を形成し、一方、顎1005および1010の遠位端は、外方向に互いに離れて広がって、拡大された組織ギャップ1025を遠位位置にもたらす。この広がりは、顎1005および1010を平行位置合わせから外れ、受け入れがたく大きな、ステープルが顎1005および1010の遠位端に向かって適用されている組織ギャップにつながり、代わりに前述の困難性(例えば、漏れ、汚染、およびステープル接続の欠損のような)をもたらし得る。この広がりは、顎を、互いに対して平行な位置合わせから外れる降伏力を超えることからもたらされる。
【0051】
図6bは、比べられる効果を示しているが、広がりは、第2の顎1110より構造的に弱い第1の顎1105において生じる。これはふたたび、目標組織ギャップ1120を実質的に超える、受け入れがたく大きい組織ギャップ1125につながる。
【0052】
図1は、圧縮の間、一定のアンビルを閉じる速さにおいて組織に加えられるパワーを例示するグラフである。圧縮は、初期の開状態において始まり、ここでは、それらの間の組織の圧縮の前に、クランプ部材あるいは要素が移動する。領域Aは、クランプ要素が初期の開状態から組織圧縮の開始に動く間の時間を表わし、領域Bは、組織が、初期の厚さから目標厚さに、この場合は、1mmの組織厚さ(クランプ要素間の1mmの組織ギャップに対応する)に、圧縮される時間期間を表わしている。領域A’およびB’は、初期厚さにおける、組織の圧縮の開始を示す「膝」によって描かれている。組織に与えられるパワー、また代わりに力は、ピーク値に到達するまで、時間に関して鋭く上昇する。線10は、クランプ部材(図1ではアンビルを閉じる速さとして示される)閉じる速さを示しており、該閉じる速さは、初期の開状態と目標組織ギャップ1mmとの間で一定である。パワー曲線の下の斜線の領域はクランプ処置の間に及ぼされた合計エネルギを示す。
【0053】
図2は、本発明の実施形態例に従った、圧縮の間に組織に加えられたパワーを例示するグラフである。図1のグラフに対応する装置および方法において、図2に示されているような圧縮は、初期の開状態において始まり、それらの間の組織の圧縮の前に、クランプ部材あるいは要素が移動する。領域A’はクランプ要素が初期の開状態から組織圧縮の開始に動く間の時間を表わし、領域B’は、組織が、初期の厚さから目標厚さに、この場合は、1mmの組織厚さ(クランプ要素間の1mmの組織ギャップに対応する)に、圧縮される時間期間を表わしている。A’およびB’は、初期厚さにおける、組織の圧縮の開始を示す「膝」によって描かれている。A’で示される期間の間、クランプ要素は、一定の速さ(例えば、13mm/秒)で閉じる。しかしながら、任意の適切な速さが採用され得、全期間A’にわたって一定である必要はないことは、容易に理解されるべきである。パワー曲線の下の斜線の領域は、クランプ処置の間に及ぼされた合計エネルギを示す。
【0054】
図1に比べて、図2は、組織に加えられたパワーがあるレベルに増加しており、閉じる速さが減少(この例では、13mm/秒から1mm/秒に)され、効果的に組織を圧縮するために必要な時間を増加し、組織に加えられるパワーを減少する。閉じる速さが、図2に、線100として例示されている。ある実施形態例に従うと、パワーは変動しているが、この例では、組織に加えられるパワーは一定に保たれている。
【0055】
図3は、図1図2のグラフの重ね合わせである。図1に反映されたシステムと方法に対して、図2に従った、組織に与えられるピークパワーは、より少ない。与えられたパワーに基づいて、外科用装置(あるいは力に関係するあるいは比例するパラメータ)によって及ぼされる力が、計算され得る。この点において、外科用装置を介して(例えば、直線状のステープラの顎を介して)及ぼされた力が、顎の広がりをもたらす降伏力あるいは圧力を越えないように、パワーが制限され得、該降伏力あるいは圧力は、組織ギャップが完全に閉じられた位置にある場合、組織ギャップが全ステープリング長に沿って受け入れられる範囲内ではなくなるように、顎の広がりをもたらす。
例えば、顎は十分に平行にされるあるいは閉じられているべきであることによって、組織ギャップが、顎の全長に沿ったすべてのステープル位置に対して受け入れられる範囲あるいは目標の範囲内に残ることと似ている。さらに、及ぼされたパワーの制限は、組織に対する外傷あるいは損傷を避ける、あるいは少なくとも最小にする。
【0056】
この例では、図1の方法において及ぼされた合計エネルギは、図2の方法において及ぼされた合計エネルギと同じである、つまり、図1および図2のパワー曲線の下の領域は、同じあるいは実質的に同じである。利用されたパワープロファイルにおける差は、しかしながら、実質的には、ピークパワーが、図1に比べて図2の例ではより小さい。
【0057】
パワーの制限は、線100によって例示されているように、図2の例において閉じる速さを遅くすることによって達成される。圧縮時間B’は、閉じる時間Bより長いことに注意が必要である。図1から図3に例示されているように、一定の閉じる速さを提供する装置および方法は、図2に反映された装置および方法と、同じ1mm組織ギャップにおいて同じ50lbの圧縮力を達成する。一定の閉じる速さ(図1)を提供する装置および方法は、所望の組織ギャップにおいて、図2と比べた場合よりも短い時間期間において圧縮力を達成し得る一方で、例えば図1に例示されるように、これは組織に加えられたパワーにスパイクをもたらす。それに対して、例えば図2に関して例示された実施形態例は、閉じる速さを遅くし始めて、組織に加えられるパワー量をあるベレルより下に制限する。組織に加えられるパワーを制限することによって、組織の外傷は、図1に反映されたシステムおよび方法に関して、最小にされ得る。
【0058】
実施形態例によると、装置および方法は、電流がモータのトルク出力に比例するので、組織に加えられるパワーあるいは力を、アクチュエータに加えられる電流の測定によって決定することによって実装され得る。この点に関して、器具(例えば可動部品等の間の摩擦が原因の)に基づく損失は、駆動モータに加えられたパワーから減算されることによって、組織内に与えられているパワーをより正確に決定し得る。取り消されるべきこれらの損失は、例えば、器具あるいは器具の構成部品をテストすることによる、器具あるいは器具の構成部品の既知の品質を使用することによる、および/または、テストおよび/または既知の品質に基づいて計算を実行することによる、任意の適切な方法で決定され得る。例えば、器具は無負荷の状態で駆動されて、器具およびその関連構成部品を駆動するために必要なパワーあるいは電流の基準測定を獲得し得る。それ以降、基準線を越えるパワーあるいは電流は、圧縮の間に組織に加えられるパワーに対応する。
【0059】
例えば、アクチュエータが直流電気モータである場合、モータに加えられるパワーは、モータを駆動するために必要な電流の測定に基づいて決定され得る。器具が原因の損失は、取り消されて、圧縮の間に、組織内に与えられるパワーを決定する。この測定は、組織を圧縮する場合に、フィードバックの源を可能にする。モータに加えられたパワーは、連続ベースで実行されている計算により、間断なく監視され得る。これは、例えば、組織に加えられるパワーあるいは力が、例えば、モータに入り込む電圧を調節することによって、正確に制御されることを可能にする。このフィードバック制御システムの例では、消費される電流は、電圧が調節されて所望の電流を達成するフィードバックであり得る。図2のグラフに例示された例は、決定されたパワーが特定のレベル(例えば、組織外傷の受け入れがたいレベルを防ぐように選択される所定のパワーレベル)に当たる場合、この制御システムを使用して、閉じる速さを減少する。
【0060】
図4は、本発明の実施形態例に従った制御システムの模式図である。制御装置400は、クランプ動作(例えば、直線状の外科用ステープラの顎のクランプ)を駆動するモータ410を制御する。目標位置、目標電流、および目標速度が、例えば、特定の制御プログラムおよび/または、外科医あるいは操作者による手動入力によって制御装置400に入力される。制御装置400は、モータ位置、モータ速度、およびモータ電流信号をモータ410を制御するためのフィードバックとして受信する。より詳細が以下で議論されるように、この例による制御装置400は、モータ410を制御するための最小の入力を選択する。
【0061】
図5は、本発明の実施形態例に従った方法を例示するフローチャートである。システム開始は、500において起きる。システムが開始した後、電流オフセットが測定され、すべての電流読み取り値から減算されるように設定されることによって、すべての読み取り値がゼロからあるいはほぼゼロの基準線から取られる。510において、摩擦損失(例えば、モータおよびモータの回転力を、器具を介して及ぼされるクランプ力(例えば、直線状のステープラの顎を介して及ぼされる力)に変換する駆動構成部品における摩擦)が原因の電流を測定することを含む較正が生じる。較正は、無負荷状態下での(つまり、閉鎖されていない運動の間での)異なるモータ速さに対応する電流を測定することによって実行され得る。オフセット測定および較正は、システムが開始する毎に、および/または、獲得された値が格納され得て同じ装置を使用する次の処置に使用される毎に、実行され得る。例えば、制御システムは、所与の、時間期間、使用回数、および/またはシステム開始回数のあとに、これらの値の再測定を要求し得る。
【0062】
較正の後に、クランプ処置が始まり得る。クランプされるべき組織が外科用器具のクランプ部分に配置されるとき、515において運動が開始される。例示の方法は、それから、電流ループ、速度ループ、および位置ループを実行する。これらのループは、いかなる特定の順序で実行される必要はなく、いくつかの例では、ループのうちの2つあるいは3つすべてが同時に、あるいは、実質的に同時に実行され得る。
【0063】
600における電流ループに対して、例えば、モータを駆動する電流を感知するように配列された電流センサの信号に従って、モータ電流が読み取られる。505および510において決定されたオフセットおよび摩擦損失が、取り除かれるあるいは減算される。このように、組織クランプに応答して加えられた電流の部分が決定される。605において、電流駆動が、電流駆動式を使用して計算される。例えば、電流駆動は、K*(目標電流−モータ電流)によって決定され得、ここで、Kは、モータ電流を制御するための所望の制御性能に基づいて選択される。
【0064】
700における速度ループに対して、モータ速度が決定される。速度は、速度信号からの信号を読むことによるか、あるいは、任意の適切な方法(例えば、位置および時間のデータから)によるか、のいずれかにより決定される。705において、速度駆動は、速度駆動式を使用して計算される。例えば、速度駆動は、K*(目標速度−モータ速度)によって決定され得、ここで、Kは、モータ速度を制御するための所望の制御性能に基づいて選択される。710において、可動でない物体が到達したかが判断される。この点において、ゼロの速度値は、可動でない物体あるいはクランプ装置によって到達された閉塞を示す。閉塞が到達された場合、モータの駆動は、そして、Aにおいて停止する。そうでなければ、制御は継続する。この判断は、速度駆動の計算の前に、その後に、および/またはそれと同時になされ得ることが容易に理解されるであろう。
【0065】
800における位置ループに対して、モータ位置が読まれる。モータ位置は、例えば、エンコーダあるいはモータの出力に結合されたレゾルバー、または任意の他の適切な方法によって決定され得る。805において、位置駆動が位置駆動式を使用して計算される。例えば、位置駆動は、K*(目標位置−モータ位置)によって決定され得、ここで、Kは、モータ位置を制御するための所望の制御性能に基づいて選択される。
【0066】
810において、目標位置が到達されたかが判断される。目標位置が到達された場合、制御ループは、Bで終了する。Bにおいて、モータへの出力は停止され得る(例えば、クランプされた組織によって及ぼされる残留圧力によっては、あるいは、クランプ部材の間で駆動され形成されているステープルの力によっては後退駆動が不可能なドライバを使用して組織がクランプされる場合)、および/またはモータは、モータを目標位置に維持するために必要な力の量を出力するように制御され得る。目標位置は、上記の例において、概して目標組織ギャップに対応する。目標位置が到達されていない場合、制御は継続する。目標位置が到達されたか否かの判断は、位置駆動の計算の前に、その後に、および/またはそれと同時になされ得ることが容易に理解されるであろう。さらに、クランプ要素(例えば、顎)、あるいは任意の中間構成部品(例えば、ドライバ)の相対位置が位置入力として使用され得ることは容易に理解されるべきである。
【0067】
3つの制御ループの後に、計算された電流駆動、速度駆動、および位置駆動が比較されて、最小の駆動が、900においてモータに適用される。905において、オフセットおよび摩擦損失を減じた後のモータ電流に比例し、それから決定された、加えられるトルクが報告される。910において、加えられたトルクは蓄積されて、組織に加えられたエネルギを計算する。
【0068】
図表950は、3つの異なる状況に対する制御優先順位付けを例示している。第1の状況では、モータ速度およびモータ電流が、それらのそれぞれの目標より下であり、一方、モータ位置はそうではない。この状況では、位置ループが制御しており、一方、速度ループおよび電流ループは最大値に設定される。第2の状況では、速度および位置ループが、それらのそれぞれの目標より下であり、一方、電流ループはそうではない。この状況では、電流ループが出力を制御しており、一方、速度ループおよび位置ループは最大値に設定される。第3の状況では、電流および位置ループが、それらのそれぞれの目標より下であり、一方、速度ループはそうではない。この状況では、速度ループが制御しており、一方、電流ループおよび位置ループは最大値に設定される。
【0069】
915において、過大な時間が目標位置に達するために必要か、が判断される。この判断は、例えば、決定915までに経過した時間の量、期待された時間の合計量、および制御プロファイル(例えば、電流、速度、および位置)を検査することによって、および/または任意の他の適切な方法によって、なされ得る。必要な時間が過大であると判断される場合、例示の制御方法は、Cにおいて終了する。Cにおいて、モータへの制御出力は、停止し得るか、あるいは、他の制御方法(例えは、モータの位置を反転するために)が採用され得る。例えば、直線状のステープラの顎を開位置に動かすために、モータが駆動され得ることにより、外科医あるいは操作者は外科用装置を取り除くか、あるいは顎を、クランプするのがより容易であり得る組織の異なる位置に動かす。言い換えれば、Cにおいて、ユーザの介入の要請あるいは要求が起動され得る。
【0070】
過大な時間が必要ではないと判断される場合、制御システムは、電流、速度および位置ループを、それぞれ600、700および800において再び実行する。このループは、事象A、Bおよび/またはCのうちの1つが起きてループを止めるまで続く。しかしながら、さらなる条件(例えば、手動のオーバーライド、センサエラー等)が実装され得て、ループを止めることは容易に理解されるべきである。
【0071】
上に示されたように、Bにおいて目標位置が到達された後に、モータが、制御され得ることにより、目標位置を維持するために必要な力を維持する。モータを駆動する電流は、この段階で、多様な目的のために監視され得る。例えば、装置が、例えば、外科用ステープラである場合、測定された電流のプロファイルは、ステープルカートリッジのすべてのステープルが発射されたかを識別するために使用され得る。図7aは、ドライバ(例えば、くさび)が連続して5つのステープルを駆動する、ステープリング処置の間の予想される電流プロファイルを例示している。任意の数のステープルが提供され得、5つのステープルの発射は例示目的のためであることを理解すべきである。電流測定におけるピークは、ステープルがクランプ要素(例えば、直線状のステープラの顎)の間に押し付けられている組織ギャップを保持するために必要な力あるいはパワーの増加に対応する。発射が始動され、図7aに類似の電流プロファイルが結果である場合、すべてのステープルが正しく駆動された、あるいは発射されたと判断され得る。
【0072】
ステープル駆動処置が始動され、図7bに例示されたような電流プロファイルをもたらした場合、ピークの欠落から第2のステープル位置は、例えば、誤発射あるいは、ステープルカートリッジからのステープルの欠如が原因で、正しく駆動されなかったか、あるいは発射されなかったと判断され得る。誤発射は、例えば、電流ピークが存在するが、予測されたものよりも実質的に低い場合に、同様に示され得る。
【0073】
ステープル駆動処置が始動され、図7cに例示されたような電流プロファイルをもたらした場合、第3のステープル位置のステープルがなんらかの態様で妨害されたと判断され得、より高いピーク電流測定値をもたらす。
【0074】
ステープル駆動処置が始動され、図7dに例示されたような電流プロファイルをもたらした場合、ステープルカートリッジが空であると判断され得るか、あるいは、ステープルカートリッジが存在しないと判断され得る。
【0075】
これらの予期しない事象が起きる場合、制御システムは、ユーザに、例えば、音響アラームを発することによって、および/またはエラーメッセージをコンピュータ画面に表示することによって、警告する。制御システムは、また、ステープルの発射を中断し、および/または、異なる制御アルゴリズムに入る。
【0076】
さらに、電流測定のプロファイルが使用されることによって、クランプ部材のうちの少なくとも1つの構造疲労を、通常の電流あるいはモータ識別特性と比較することによって、監視し、追跡し得る。この点において、電流プロファイルは、例えば、疲労故障からもたらされる塑性変形が原因の湾曲を示し得る。さらに、電流プロファイルは、力の量およびクランプ部材によって及ぼされたサイクル数を判断することによって、蓄積疲労を追跡するように使用され得る。
【0077】
本発明に従った例示の方法は、任意の適切な制御システム(例えば、デジタルおよび/またはアナログ制御システム)を使用して実装され得、適切な制御システムは、医療装置に一体化され得る、あるいは、遠隔に配置され得、それによって、制御およびフィードバック信号が、例えば、無線あるいは有線インターフェイスを介して通信される。制御システムは、ディスプレイ(例えば、モニタ)の出力、および/または入力を有し得、例えば、外科医と通信する。ディスプレイ出力は、例えば電流で表わされた、閉じる速さ、圧縮力、および/または組織ギャップを含む、処置に関係するデータを表示し得る。制御システムは、特定の装置のために事前に規定され得る所定の制御プログラム、あるいはアルゴリズムを走らせ得る。制御システムは、追加的にあるいは代替的に操作者からの入力を求めることによって、組織圧縮制御のパラメータを規定し得る。
【0078】
さらに、組織の圧縮性は、閉じる速さと比較して、モータに加えられる電流を検査することによって判断され得ることは、容易に理解されるべきである。例えば、低い閉じる速さを使用する場合に測定された電流が非常に高いならば、組織は、より高い閉じる速さに対して電流が低い状況よりも、より低い圧縮性である。
【0079】
1mmの組織ギャップが、組織ステープリングに適切な、望まれる組織ギャップの例として上に述べられているが、ギャップに対する絶対距離測定の代わりに、代替のギャップパラメータが提供され得る。例えば、1つ以上の光学センサが提供されて、望ましい組織ギャップの測定値として、1つ以上のステープル線を横切る血流を測定し得る。さらに、酸素飽和が、望ましい組織ギャップの決定に関連して使用され得る。さらに、圧縮された組織の非圧縮の組織に対する比は、例えば、図1および2の膝において組織に加えられたパワーに基づいて、望ましい組織ギャップの基準を形成し得る。
【符号の説明】
【0080】
100 閉じる速さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d