(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701522
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】端末機のタッチスクリーンを用いる文字入力装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20150326BHJP
H03M 11/04 20060101ALI20150326BHJP
G06F 3/023 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
G06F3/041 330C
G06F3/023 310L
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-137416(P2010-137416)
(22)【出願日】2010年6月16日
(62)【分割の表示】特願2008-19464(P2008-19464)の分割
【原出願日】2008年1月30日
(65)【公開番号】特開2010-198645(P2010-198645A)
(43)【公開日】2010年9月9日
【審査請求日】2010年6月16日
【審判番号】不服2014-76(P2014-76/J1)
【審判請求日】2014年1月6日
(31)【優先権主張番号】10-2007-0009602
(32)【優先日】2007年1月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2007-0079243
(32)【優先日】2007年8月7日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2007-0112148
(32)【優先日】2007年11月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】朴 世煥
(72)【発明者】
【氏名】申 根浩
(72)【発明者】
【氏名】崔 宇濟
【合議体】
【審判長】
和田 志郎
【審判官】
山田 正文
【審判官】
千葉 輝久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−181608(JP,A)
【文献】
特開2005−129014(JP,A)
【文献】
特表2005−535975(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0052431(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/02-3/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機において文字を入力する装置であって、
予め定められる複数の四角形基本文字キーを含む基本キーセットと、前記基本キーセットを介して前記基本文字キーの中で選択された第1の文字キーに対応する第1の文字を中心に前記第1の文字と関連した複数の第2の文字がそれぞれ割り当てられた複数の四角形第2の文字キーが前記第1の文字の少なくとも上下左右側に形成される拡張キーセットを表示するタッチスクリーンと、
前記基本キーセットを介して前記第1の文字キーの選択を受けた場合に前記拡張キーセットを表示するように前記タッチスクリーンを制御し、前記拡張キーセットを介して少なくとも一つの文字の入力を受ける制御部とを備え、
前記基本キーセットは少なくとも一つ以上の子音を含み、前記拡張キーセットは選択された前記第1の文字キーと組み合わせ可能な母音のみを含む
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
前記それぞれの第2の文字キーは、前記第1の文字キーと同一のサイズを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記第2の文字キーは、前記第1の文字を中心におき、前記第1の文字を取り囲むように前記第1の文字の周囲に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記タッチスクリーンの下部には、前記基本キーセットを表示するタッチキーボードが形成され、前記タッチスクリーンの上部には、前記タッチキーボードにより入力された文字を表示するディスプレー部が形成され、前記拡張キーセットの一部分は、前記ディスプレー部に表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項5】
前記タッチスクリーン上に入力されるタッチ移動入力が向かう方向に形成された第2の文字キーに割り当てられた文字が前記ディスプレー部に表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項6】
前記拡張キーセットは、前記第1の文字キーより大きく、前記第1の文字キーに隣接した他の第1の文字キーに表示された文字を遮らないように形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項7】
前記拡張キーセットは、ハイライトされて表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項8】
端末機において文字を入力する方法であって、
予め定められる複数の四角形基本文字キーを含む基本キーセットをタッチスクリーンに表示するステップと、
前記基本キーセットを介して前記基本文字キーの中で第1の文字キーの選択を受けるステップと、
前記選択された第1の文字キーに対応する第1の文字を中心に前記第1の文字と関連した複数の第2の文字がそれぞれ割り当てられた複数の四角形第2の文字キーが前記第1の文字の少なくとも上下左右側に形成される拡張キーセットを提供するステップと、
前記拡張キーセットを介して前記第2の文字キーの中で少なくとも一つの文字キーの入力を受けるステップとを有し、
前記基本キーセットは少なくとも一つ以上の子音を含み、前記拡張キーセットは選択された前記第1の文字キーと組み合わせ可能な母音のみを含む
ことを特徴とする文字入力方法。
【請求項9】
前記それぞれの第2の文字キーは、前記第1の文字キーと同一のサイズを有する
ことを特徴とする請求項8に記載の文字入力方法。
【請求項10】
前記第2の文字キーは、前記第1の文字を中心におき、前記第1の文字を取り囲むように前記第1の文字の周囲に形成される
ことを特徴とする請求項8に記載の文字入力方法。
【請求項11】
前記タッチスクリーンの下部には、前記基本キーセットを表示するタッチキーボードが形成され、前記タッチスクリーンの上部には、前記タッチキーボードにより入力された文字を表示するディスプレー部が形成され、前記拡張キーセットの一部分は、前記ディスプレー部に表示される
ことを特徴とする請求項8に記載の文字入力方法。
【請求項12】
前記拡張キーセットは、ハイライトされて表示される
ことを特徴とする請求項8に記載の文字入力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末機の文字入力装置及び方法に関し、特に、端末機のタッチスクリーンを介して文字を入力する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人用端末機は、携帯できる小型端末機を通称する用語であって、PDA(Personal Data Assistant)、無線通信端末機、MP3プレーヤー、ブルートゥース機器、デジタルカメラなどがあり、以下、PDAを例に挙げて説明する。一般に、PDAは、コンピュータの基本となる中央処理処置(CPU)、メモリ、OS(Operating System)、OSを基盤とする様々なソフトウェア、及び周辺機器を備え、情報の収集、保存、作成、及び検索機能を行える機器であり、最近では、携帯電話モジュールを搭載することにより、音声通話及びデータ通信(インターネットの使用)が可能な複合機器として発展してきている。
【0003】
通常、PDAは、タッチスクリーンを備えており、タッチスクリーンは、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)のようなディスプレイと、ディスプレイ上に配置されるタッチパネルとで構成される。ユーザーは、指またはポインターを用いてタッチスクリーンにディスプレイされるアイコンをタッチすることにより該当するアプリケーションを実行したり、タッチスクリーン上の所定領域にディスプレイされるタッチキーボードをタッチすることによって文字などを入力したりすることができる。
【0004】
図1は、従来の端末機のタッチキーボード配列のうち、一般的なキーボード配列を示す図である。
図1を参照すると、端末機のタッチスクリーンは、入力された文字を画面に表示するディスプレイ部と、文字が入力されるタッチキーボードとで構成され、このタッチキーボードには、一般的なパーソナルコンピュータ(Personal Computer;以下、“PC”と称する)のキーボード配列が適用されている。
【0005】
しかしながら、上記のように、端末機のタッチスクリーンに従来のキーボード配列を適用する場合には、タッチスクリーンの大きさの制限によってタッチスクリーンに表示されるタッチキーボードの大きさが小さくなってしまう。このため、従来のタッチスクリーンを用いる入力方法では、タッチスクリーンに表示されたタッチキーボードのそれぞれのキーが小さくなるので、見ることもタッチすることも不便である。このことより、文字の入力が難しくなり、文字入力の速度が低下する。
したがって、端末機のタッチスクリーンにおいて文字入力を容易にするタッチキーボードを用いて文字を入力する方案が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2001−0000692号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2003−0018665号明細書
【特許文献3】韓国特許出願公開第2005−0038422号明細書
【特許文献4】特開2006−023950号公報
【特許文献5】特開2002−108543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためのもので、その目的は、端末機のタッチスクリーンにおいて文字入力を容易にするタッチキーボードを用いて文字を入力する文字入力装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、端末機において文字を入力する装置は、子音キーを含む基本キーセットと、上記基本キーセットを介して入力された一つの子音キーに該当する子音に組合せ可能な文字を含む文字キーと、を含む拡張キーセットを表示するタッチスクリーンと、上記基本キーセットを介して上記子音キーが入力された場合に、上記拡張キーセットを上記入力された子音キー上に表示するように上記タッチスクリーンを制御し、上記基本キーセットと上記拡張キーセットとを介して少なくとも一つの文字が入力される制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様によれば、端末機において文字を入力する方法は、子音キーを含む基本キーセットを表示するステップと、上記基本キーセットを介して上記子音キーのうち一つの子音キーが入力されるステップと、上記子音キーに該当する子音に組合せ可能な文字を含む文字キーを含む拡張キーセットを、タッチスクリーン上に表示するステップと、上記拡張キーセットを介して少なくとも一つの文字キーが入力されるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態のさらに他の態様によれば、端末機において文字を入力する装置は、予め定められる複数の四角形基本文字キーを含む基本キーセットと、上記基本キーセットを介して上記基本文字キーの中で選択された第1の文字キーに対応する第1の文字を中心に上記第1の文字と関連した複数の第2の文字がそれぞれ割り当てられた複数の四角形第2の文字キーが上記第1の文字の少なくとも上下左右側に形成される拡張キーセットを表示するタッチスクリーンと、上記基本キーセットを介して上記第1の文字キーの選択を受けた場合に上記拡張キーセットを表示するように上記タッチスクリーンを制御し、上記拡張キーセットを介して少なくとも一つの文字の入力を受ける制御部とを備えることを特徴とする。ここで、上記それぞれの第2の文字キーは、上記第1の文字キーと同一のサイズを有する。また、上記第2の文字キーは、上記第1の文字を中心におき、上記第1の文字を取り囲むように上記第1の文字の周囲に形成される。上記タッチスクリーンの下部には、上記基本キーセットを表示するタッチキーボードが形成され、上記タッチスクリーンの上部には、上記タッチキーボードにより入力された文字を表示するディスプレー部が形成され、上記拡張キーセットの一部分は、上記ディスプレー部に表示される。さらに、上記タッチスクリーン上に入力されるタッチ移動入力が向かう方向に形成された第2の文字キーに割り当てられた文字が上記ディスプレー部に表示される。なお、上記拡張キーセットは、上記第1の文字キーより大きく、上記第1の文字キーに隣接した他の第1の文字キーに表示された文字を遮らないように形成される。また、上記拡張キーセットは、ハイライトされて表示される。
本発明の実施形態のさらなる他の態様によれば、端末機において文字を入力する方法は、予め定められる複数の四角形基本文字キーを含む基本キーセットをタッチスクリーンに表示するステップと、上記基本キーセットを介して上記基本文字キーの中で第1の文字キーの選択を受けるステップと、上記選択された第1の文字キーに対応する第1の文字を中心に上記第1の文字と関連した複数の第2の文字がそれぞれ割り当てられた複数の四角形第2の文字キーが上記第1の文字の少なくとも上下左右側に形成される拡張キーセットを表示するステップと、上記拡張キーセットを介して上記第2の文字キーの中で少なくとも一つの文字キーの入力を受けるステップとを備えることを特徴とする。ここで、上記それぞれの第2の文字キーは、上記第1の文字キーと同一のサイズを有する。また、上記第2の文字キーは、上記第1の文字を中心におき、上記第1の文字を取り囲むように上記第1の文字の周囲に形成される。さらに、上記タッチスクリーンの下部には、上記基本キーセットを表示するタッチキーボードが形成され、上記タッチスクリーンの上部には、上記タッチキーボードにより入力された文字を表示するディスプレー部が形成され、上記拡張キーセットの一部分は、上記ディスプレー部に表示される。また、上記拡張キーセットは、ハイライトされて表示される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、タッチキーボードにおいて、入力されたキーに対して次に入力可能な文字を含むポップアップウィンドウとして拡張キーセットを表示するので、文字の入力を容易にすることが可能となる。
また、本発明によれば、小さいスクリーンの端末機において次に入力可能な文字を含む拡張キーセットを拡大して表示するので、ユーザーは、所望の文字を迅速且つ容易に入力することができる。
また、本発明によれば、端末機において拡張キーセットを用いてタッチスクリーンを介した初期入力画面に配置される文字キーの数を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来の端末機のタッチキーボード配列の中で一般的なキーボード配列を示す図である。
【
図2A】本発明の実施形態による中国語の入力のための基本キーセットの例を示す図である。
【
図2B】本発明の実施形態による中国語の入力のための基本キーセットの例を示す図である。
【
図3A】本発明の実施形態による中国語の入力のための拡張キーセットの例を示す図である。
【
図3B】本発明の実施形態による中国語の入力のための拡張キーセットの例を示す図である。
【
図3C】本発明の実施形態による中国語の入力のための拡張キーセットの例を示す図である。
【
図3D】本発明の実施形態による中国語の入力のための拡張キーセットの例を示す図である。
【
図4A】本発明の実施形態による基本キーセットと拡張キーセットとを用いるタッチキーボードを示す図である。
【
図4B】本発明の実施形態による基本キーセットと拡張キーセットとを用いるタッチキーボードを示す図である。
【
図5】本発明の実施形態によるタッチキーボードを介して文字を入力する方法を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態によるタッチキーボードを介して文字を入力する方法を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態によるタッチキーボードを介して文字を入力する方法を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態によるタッチキーボードを用いる文字入力装置を示すブロック図である。
【
図9】本発明の実施形態によるタッチキーボードを用いる文字入力方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な一実施形態を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明の実施形態の下記の説明において、本発明の要旨のみを明瞭にする目的で、関連した公知の機能又は構成に関する具体的な説明は省略する。
本発明の主な要旨は、文字を入力するために、タッチキーボードに全ての子音キーを表示し、同タッチキーボードにおいて一つの子音キーがタッチされて入力されると、上記入力された子音キーと組合せ可能な文字キーを含むポップアップウィンドウを拡大して表示することにある。
【0013】
以下、本明細書では、全ての子音キーが含まれたタッチキーボードの初期画面を‘基本キーセット’と定義し、この基本キーセットを介して入力された子音キーと組合せ可能な文字キーが含まれたポップアップウィンドウを‘拡張キーセット’と定義する。
本明細書では、子音や母音のキーが含まれたタッチキーボードの具体的な例について言及するが、各キーの使用頻度や目的に応じて、タッチキーボード上に配列されるキーの個数は、増加または減少されてもよく、他のキー配列が使用されてもよい。なお、ここでは、中国語及び英語を入力する方法について説明するが、本発明の実施形態は、母音と子音とを有する文字であれば、いずれの言語にも適用されることができる。
【0014】
図2A及び
図2Bは、本発明の実施形態による中国語の入力のための基本キーセットの例を示す図である。
本発明の実施形態による中国語の入力のための基本キーセットは、
図2Aに示すように、6*4配列で、母音(a、e、i、o、u)を除いた子音をアルファベット順に各キーに配置してB、C、D、F、G、H、J、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、W、X、Y、Zのように構成されるか、または、
図2Bに示すように、上記子音をQWERTYキーボード配列で各キーに配置してQ、W、R、T、Y、U、I、O、P、A、S、D、F、G、H、J、K、L、Z、X、C、V、B、N、Mのように構成される。上記基本キーセットは、上記子音の他に中国語のピン音の構成のために、初期入力可能な文字であるErキーをさらに含む。また、上記基本キーセットは、上記子音と上記Erキーの他に、スペースバーの役割をするキー、バックスペースの役割をするキー及び母音の直接入力のための‘aueio’キーをさらに含むことができる。
【0015】
なお、
図2A及び
図2Bに示す基本キーセットにおいて、C、S、Zキーは、それぞれ、CまたはCh、SまたはSh、ZまたはZhの入力に使用され、これらのC、S、Zキーがポインターでタッチされるか、該当するキー領域内で短くドラッグされると、CまたはCh、SまたはSh、ZまたはZhがそれぞれタッチスクリーンに表示される。
一方、上記基本キーセットが中国語及び英語以外の他の言語に適用される場合には、
図2A及び
図2Bに示すタッチキーボードにおいて、C、S、Zキーに下付き文字で表示されたh、Eキーに下付き文字で表示されたrが省略されることができる。
【0016】
図2Aまたは
図2Bの基本キーセットにおいて、一つの子音キーが入力されると、この入力された子音キー上または、ディスプレイ領域に拡張キーセットが表示され、以下、一例として上記拡張キーセットがタッチキーボード領域に表示される場合について説明する。
図2Aまたは
図2Bの基本キーセットに使用可能な拡張キーセットの例を、
図3Aから
図3Dに示す。
図3Aから
図3Dは、本発明の実施形態による中国語の入力のための拡張キーセットの例を示す図である。ここで、拡張キーセットの各キーは、ポインティングに不便さを招かない程度の大きさを有し、拡張キーセットの領域は、基本キーセットにおける他の子音のポインティングに不便さを招かない程度の大きさを有すればよい。
【0017】
図3Aの拡張キーセットでは、基本キーセットから入力されたキー(例えば、M)が中央に配置され、この入力されたキーと組合せ可能な母音キーであるa、e、i、o、uキーと中国語においてよく語尾にくるn及びgのキーとが、入力されたキーの周囲に配置される。
図3Bの拡張キーセットでは、基本キーセットから入力されたキー(例えば、M)が配置され、この入力されたキーと組合せ可能な母音キーであるa、e、i、o、uキーが、この入力されたキーの周囲に配置される。
図3Cの拡張キーセットでは、入力されたキーと組合せ可能な母音キーであるa、e、i、o、uキーが配置される。
図3Dの拡張キーセットでは、入力されたキーと組合せ可能な母音キーであるa、e、i、o、u、yキーが配置される。
【0018】
なお、図示していないが、本発明の拡張キーセットは、中国語において語尾によく来るnキー及びgキーが動的に状況に応じてさらに配置されてもよく、入力されたキーと組合せ可能なファンクションキー(例えば、スペースキー、バックキー(←))をさらに含んでもよい。
【0019】
また、
図3Aから
図3Dに示す拡張キーセットにおいて、uキーは、u及び
【数1】
の入力に使用され、uキーが該当するキー領域内で、ポインターでタッチされるか、または短くドラッグされると、そのタッチスクリーンにuまたは
【数2】
で表示される。また、eキーが該当するキー領域内で、ポインターでタッチされるか、該当するキー領域内で短くドラッグされると、タッチスクリーンにeまたはerで表示される。
なお、拡張キーセットから母音キーのa、e、i、o、uキーのうち一つのキーが入力される場合には、入力された母音キーは、語尾によく使われるnキーに変更され、この変更されたnキーが入力される場合には、このnキーは、語尾によく使われるgキーに変更される。上記変更されたキーを含む変更された拡張キーセットは、所定の時間が経過すると初期拡張キーセットに復帰される。
【0020】
図4A及び
図4Bは、本発明の実施形態による基本キーセットと拡張キーセットとを用いるタッチキーボードを示す図である。
図4Aに示すように、6*4配列を用いる基本キーセットを介してMキーが入力された場合に、この入力されたMキーが中央に配置され、この入力されたMキーと組合せ可能な母音キー(例えば、中国語の母音であるa、e、i、o、u、y)と、よく使われる文字のキー(例えば、中国語において語尾によく使われるnキー、gキー)とが、入力されたMキーの周囲に配置されてなる拡張キーセットが、上記基本キーセット上で入力されたMキーにオーバーラップするようにして表示される。
図4Bに示すように、QWERTYキーボード配列を用いる基本キーセットを介してMキーが入力された場合に、この入力されたMキーが配置され、この入力されたMキーと組合せ可能な母音キー(例えば、中国語の母音であるa、e、i、o、u)が上記入力されたMキーの周辺に配置されてなる拡張キーセットが、基本キーセットで上記入力されたMキーにオーバーラップするようにして表示される。
【0021】
図5乃至
図7は、本発明の実施形態によるタッチキーボードを介して文字を入力する方式を示す図である。
図5を参照すると、ユーザーが6*4配列で配列された基本キーセットを有するタッチキーボードを介して“NiHao”を入力する場合について説明する。まず、ユーザーが、
図5の(A)に示すように、タッチキーボードに表示された基本キーセットにおいて“NiHao”の最初の文字である子音Nを入力するためにNキー501をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないと、子音Nがディスプレイ部500に表示され、
図5の(B)のように、タッチキーボードには、Nキー501に対する拡張キーセット502が表示される。そして、
図5の(B)に示すように、ユーザーが拡張キーセット502に含まれたキーの中、iキー503をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないか、または、Nキー501からiキー503までドラッグアンドドロップ(Drag and Drop)を行うと、ディスプレイ部500にNiが表示される。
【0022】
ユーザーが次の文字である子音Hを入力するために、
図5の(C)に示すように、タッチキーボードに表示された基本キーセットにおいて、Hキー504をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないか、または、iキー503からHキー504までドラッグアンドドロップを行うと、Hがディスプレイ部500に表示され、
図5の(D)に示すように、Hキー504に対する拡張キーセット505がタッチキーボードに表示される。この際、Niは、中国語のピン音に該当するので、Niの変わりに、それに該当する漢字とHとがディスプレイ部500に表示されることができる。そして、タッチキーボードにおいて、Nキー501に対する拡張キーセット502は、他の子音(すなわち、子音H)がディスプレイ部に表示される際に除去されてもよく、上記子音(すなわち、N)がディスプレイ部から削除される際に除去されてもよい。次いで、
図5の(D)に示すように、ユーザーがaを入力するために、拡張キーセット505に含まれたキーのうち、aキー506をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないか、または、Hキー504からaキー506までドラッグアンドドロップを行うと、Haがディスプレイ部に表示される。この際、Niの変わりに、それに該当する漢字とHaとがディスプレイ部500に表示されることができる。
最後に、ユーザーが次の文字である母音oを入力するために、
図5の(E)に示すように、拡張キーセット507において、oキー508をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないか、または、aキー506からoキー508までドラッグアンドドロップを行うと、ディスプレイ部500にHaoが表示される。この際、特定のキーがタッチされると、上記Haoが中国語のピン音に該当するので、Niの変わりに、それに該当する漢字と、Haoの変わりに、それに該当する漢字とが、ディスプレイ部500に表示されることができる。
【0023】
図6を参照すると、ユーザーが6*4配列で配列された基本キーセットを有するタッチキーボードを介して“Shuang”を入力する場合について説明する。まず、
図6の(A)に示すように、タッチキーボードに表示された基本キーセットにおいて、ユーザーが“Shuang”の最初の文字である子音Sと子音hを同時に入力するために、Sキー601をポインターでタッチした後に、上記ポインターを所定の時間の間離さずに特定の領域(すなわち、Sキーの領域内)で短くドラッグすると、Shがディスプレイ部に表示され、
図6の(B)に示すように、タッチキーボードには、Sキー601に対する拡張キーセット602が表示される。次いで、
図6の(B)に示すように、ユーザーが拡張キーセット602に含まれたキーのうち、uキー603をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないか、または、Sキー601からuキー603までドラッグアンドドロップを行うと、Shuがディスプレイ部に表示される。この際、拡張キーセット1202は、‘u’キー1203の代わりに、‘n’キーを含む拡張キーセット1204に変更される。
その後、ユーザーが次の文字である母音aを入力するために、
図6の(C)に示すように、拡張キーセット604においてaキー605をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないか、または、uキー603からaキー605までドラッグアンドドロップを行うと、ディスプレイ部にShuaが表示され、
図6の(D)に示すように、変更された拡張キーセット606が表示される。変更された拡張キーセット1206は、拡張キーセット1202の‘a’キー1205が‘n’キー1207に変換されたことを意味する。ユーザーが拡張キーセット606において、nキー607をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないと、ディスプレイ部にShuanが表示され、
図6の(E)に示すように、変更された拡張キーセット608が表示される。変更された拡張キーセット1208は、拡張キーセット1206の‘n’キー1207が‘g’キー1209に変換されたことを意味する。ユーザーが拡張キーセット608においてgキー609をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないと、ディスプレイ部にShunagまたはこれに該当する漢字が表示される。
【0024】
図7を参照すると、ユーザーが6*4配列で配列された基本キーセットを有するタッチキーボードを介して中国語の
【数3】
を入力する場合について説明する。
図7の(A)に示すように、タッチキーボードに表示された基本キーセットにおいて、ユーザーが
【数4】
の最初の文字である子音Sを入力するためにSキー701をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないと、子音Sがディスプレイ部に表示され、
図7の(B)のように、タッチキーボードにSキー701に対する拡張キーセット702が表示される。続いて、拡張キーセット702において、ユーザーが次の文字である母音uを入力するためにuキー703をポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないか、または、Sキー701からuキー703まで
図7に示す矢印のように、短くドラッグアンドドロップを行うと、ディスプレイ部に
【数5】
またはこれに該当する漢字が表示される。
【0025】
図8は、本発明の実施形態によるタッチキーボードを用いる文字入力装置を示すブロック図である。
図8を参照すると、本発明の実施形態による文字入力装置は、タッチキーボード(図示せず)及びディスプレイ部(図示せず)を含むタッチスクリーン810と、入力感知部830と、制御部850と、を備える。
【0026】
タッチスクリーン810は、制御部850の制御により、タッチキーボードを基本キーセットあるいは基本キーセットと拡張キーセットとの組み合せで表示し、上記表示されたタッチキーボードを介して入力されたキーに該当する文字を、ディスプレイ部に表示する。
入力感知部830は、ユーザーが、タッチスクリーン810に表示されたタッチキーボードの特定キーをポインターでタッチするか、タッチしてから所定の時間の間ポインターを離さないか、または、ポインターのドラッグアンドドロップを行うか、または、ポインターを所定の時間の間離さずに特定の領域でドラッグすると、この特定キーの入力を感知し、上記入力されたキーを制御部850に送る。
制御部850は、送られてきたキーに対応する文字またはその組合せがタッチスクリーン810のタッチキーボード及び/またはディスプレイ領域に表示されるように制御し、基本キーセットまたは基本キーセットと拡張キーセットとの組合せがタッチスクリーン810のディスプレイ部に表示されるように制御する。すなわち、制御部850は、まず、基本キーセットを表示し、基本キーセットで入力されたキーに該当する文字が子音である場合には、基本キーセット上に拡張キーセットが表示されるようにタッチスクリーン810を制御する。ここで、上記組み合わせを上記タッチキーボードに表示することは、以前に入力された文字との組み合せ状態を表示するためである。
【0027】
以下、
図9に基づき、制御部850によって遂行される文字入力方法について説明する。
図9は、本発明の実施形態によるタッチキーボードを用いる文字入力方法を示すフローチャートである。
図9を参照すると、ステップ901で、制御部850は、基本キーセットまたは基本キーセットと拡張キーセットとの組み合わせが表示されるようにタッチスクリーン810を制御し、ユーザーのキー入力を待機する。
ステップ903で、制御部850は、タッチスクリーン810に表示された特定キーの入力が入力感知部830で感知されると、その感知の結果を受信し、基本キーセットまたは拡張キーセットを介したキー入力を確認する。ここで、上記感知の結果には、特定キーがポインターでタッチされたか、タッチされてから所定の時間の間ポインターを離さなかったか、ポインターのドラッグアンドドロップを行ったか、ポインターを所定の時間の間離さずに特定の領域でドラッグしたかなどが含まれる。
【0028】
ステップ905で、制御部850は、入力されたキーが文字であるかを判断し、文字である場合には、ステップ909に進む。一方、文字でない場合には、ステップ907に進み、入力されたキーに該当する動作を行う。
ステップ909で、制御部850は、入力されたキーに該当する文字と以前に入力されたキーに該当する文字との組合せが可能であるか否かを確認し、かかる組合せが可能な場合には、上記入力されたキーに該当する文字と上記以前に入力されたキーに該当する文字とを組み合せ、上記組み合せられた文字をタッチスクリーン810に表示する文字として決定し、組み合せが不可能な場合、すなわち、上記以前に入力されたキーが存在しない場合には、入力されたキーに該当する文字をタッチスクリーン810に表示する文字として決定する。
【0029】
例えば、中国語の入力では、制御部850は、上記入力されたキーに該当する文字と上記以前に入力されたキーに該当する文字とを組み合わせ、組み合せられた結果が中国語のピン音に該当するかを確認した後に、該当する漢字があると、該当する漢字をタッチスクリーン810に表示する文字として決定することができる。また、中国語の入力では、制御部850は、ユーザーが、C、S、Zにタッチされたポインターを特定の領域内(すなわち、Cキー、Sキー、Zキーの各領域内)で短くドラッグしたという感知結果を受信すると、上記入力されたキーに該当する文字にhを組み合わせ、組み合せられた文字Ch、Sh、Zhをタッチスクリーン810に表示する文字として決定する。また、制御部850は、上記感知結果として、ユーザーが拡張キーセットのuキーにタッチされたポインターを特定の領域内(すなわち、Uキーの領域内)でドラッグしたという結果を受けると、文字
【数6】
を、表示する文字として決定する。
【0030】
ステップ911で、制御部850は、確認された文字がタッチスクリーン810に表示されるように制御する。
ステップ913で、制御部850は、上記入力されたキーに該当する文字が基本キーセットで入力されたかを判断し、基本キーセットで入力された場合には、入力されたキーに対する拡張キーセットを表示するために、ステップ915に進み、基本キーセットで入力されなかった場合(すなわち、拡張キーセットで入力された場合)には、すでに表示されている拡張キーセットを変更するか否かを判断するために、ステップ917に進む。
【0031】
ステップ915で、制御部850は、上記入力されたキーに対する拡張キーセットが上記入力されたキーにオーバーラップして表示されるようにタッチスクリーン810を制御した後に、ステップ901に戻ってユーザーのキー入力を待機する。この際、制御部850は、ステップ915で、上記以前に入力されたキーに対する拡張キーセットがタッチキーボード上に存在すると、上記以前に入力されたキーに対する拡張キーセットを除去し、現在入力されたキーに対する拡張キーセットのみを含むタッチキーボードが表示されるようにタッチスクリーン810を制御する。
一方、ステップ913において拡張キーセットで入力された場合と判断されると、ステップ917で、制御部850は、拡張キーセットを変更するか否かを判断し、拡張キーセットを変更すべき場合には、ステップ919に進行して拡張キーセットを変更し、拡張キーセットを変更する必要がない場合には、ステップ901に戻って、ユーザーのキー入力を待機する。
【0032】
以上では、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく様々な変形が可能である。例えば、本発明は、中国語に限定されず、子音と母音とを有する他の言語にも大きな変形なしに容易に適用可能である。したがって、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【符号の説明】
【0033】
810 タッチスクリーン
830 入力感知部
850 制御部