(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701749
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】免疫磁気濃縮された希少細胞の改良されたイメージング
(51)【国際特許分類】
G01N 33/574 20060101AFI20150326BHJP
G01N 33/543 20060101ALI20150326BHJP
G01N 33/533 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
G01N33/574 D
G01N33/543 541A
G01N33/533
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-510646(P2011-510646)
(86)(22)【出願日】2009年5月19日
(65)【公表番号】特表2011-521262(P2011-521262A)
(43)【公表日】2011年7月21日
(86)【国際出願番号】US2009044510
(87)【国際公開番号】WO2009143149
(87)【国際公開日】20091126
【審査請求日】2012年4月27日
(31)【優先権主張番号】61/054,219
(32)【優先日】2008年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505060347
【氏名又は名称】ジャンセン ダイアグノスティックス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ショルテンス・ティコ・エム
(72)【発明者】
【氏名】シュリューデル・フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】グレーベ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ティベ・アルヤン
(72)【発明者】
【氏名】タースタッペン・レオン・ダブリュ・エム・エム
【審査官】
海野 佳子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/133465(WO,A1)
【文献】
特表2002−531811(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0257847(US,A1)
【文献】
特表2007−502419(JP,A)
【文献】
特開平02−118451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48−33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体媒質中に浮遊する希少細胞を光学的に分析する改良された方法であって、
a.癌を有することが疑われる患者からの血液サンプルを、上皮細胞の表面上のEpCAM抗原に特異的な抗体と結合した磁性流体粒子と混合することと、
b.結合した磁性流体から未結合磁性流体を除去することと、
c.前記未結合磁性流体が除去された前記血液サンプルを観察チャンバに移動することと、
d.前記観察チャンバ内で時間遅延積分を用いて前記血液サンプル中の磁気応答成分を観察することと、
を含み、
前記成分が、前記チャンバの光学的に透明な面の内側表面上の画像観察表面および整列表面を有するV形溝を含む、予備成型された整列構造内にて均一に分布されており、
前記整列表面は、前記V形溝の傾斜表面であり、前記溝の頂部に前記観察表面が設けられていて、前記画像観察表面を介して前記磁気応答成分が観察される、方法。
【請求項2】
前記整列構造が、前記傾斜表面を前記観察表面に連結する対向表面をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像観察表面が80μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記未結合磁性流体の除去が、
a.磁性流体粒子を有する前記血液サンプルを、円錐管内にて900rpmで回転させることと、
b.前記サンプルを前記円錐管の底から吸引することと、
c.工程(a)及び(b)を5回繰り返すことと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記観察が、CTCとしての結合上皮細胞を確認することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記確認が、
a.核にDAPIで陽性の第1標識を行うことと、
b.細胞骨格にサイトケラチン−PEで陽性の第2標識を行うことと、
c.白血球にCD45−APCで陽性の第3標識を行うことと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
捕捉したCTCの明視野検査を行うことを更に含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、同時係属中の米国特許仮出願第61/054,219号(2008年5月19日)に対して優先権及び利益を主張し、この出願は全体が参考として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、微細な生物試料の定性分析及び定量分析を行うための改良された装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、結合剤を有する磁気応答粒子と免疫特異的又は非特異的に結合して、流体媒質中で磁気標識種を生成しやすい微細な生物試料又は物質を単離、収集、固定化及び/又は分析するための装置及び方法に関する。本明細書で使用されるとき、「磁気標識試料」等の用語は、そのような磁気標識を受けやすい、研究上の関心対象であるそのような生物試料又は物質を指すものとする。
【0003】
米国特許第5,985,153号には、収集チャンバ内に存在する磁気標識標的試料を外部磁気勾配によりチャンバの1つの表面に引き付け、内部磁気勾配によりそれらの試料をその表面上に精密に
整列する装置及び方法が記載されている。磁気標識生物試料の収集表面への移動は、垂直磁気勾配を印可して、磁気標識生物試料を収集表面に移動させることにより行われる。収集表面には、例えば複数の強磁性ライン等の強磁性捕捉構造が設けられ、該構造は、サンプルチャンバの光学的に透明な(観察)面上に支持されている。
【0004】
磁気標識生物試料が外部から印可された磁気勾配により表面に十分近接して引かれると、試料は強磁性収集構造により生成された強力な局部勾配の影響下に置かれ、横方向にて隣接する位置に固定化される。この局部勾配は、生物試料が表面に衝突した後に、生物試料を透明な表面に保持し得る接着力を上回ることが好ましい。あるいは、この表面の接着性は、水平方向の磁気力が磁気標識生物試料を強磁性構造に向かって移動させるように十分弱い必要がある。表面の滑らかさ、及び疎水性又は親水性の性質は、収集表面用に選択される材料、又は滑りやすい表面を得るためのこの表面の処理に影響を与え得る因子である。
【0005】
米国特許第10/733829号及び同第6,790,366号には、上述した外部から印可される勾配の原理を組み込み、更に透明収集壁上に高い内部勾配を有する磁気捕捉構造を組み込んだ流体サンプル中の生物学的物質を分離、固定化及び定量するための方法及び装置が記載されている。捕捉構造は、自動計数技術を用いた定量分析のために、捕捉した生物学的物質の均一な
整列を促す。
【0006】
米国特許第11/447562号には、自動光学分析用に標識試料を整
列させる、チャンバの光学的に透明な(観察)面の流体側上の小V形の溝が記載されている。チャンバの光学的に透明な(観察)面の流体側上の小V形の溝と、磁気標識試料の最適な希釈とにより、自動光学分析用の整
列表面が提供される。磁気標識試料及び未結合磁気粒子は、外部から印可された磁気勾配の影響下、チャンバの観察面の内側表面に向かって移動する。磁気標識試料及び未結合磁気粒子が表面に接近する際、それらはV形溝の傾斜と接触し、該傾斜は磁気標識試料及び未結合磁気粒子を溝の頂部に強制的に移動させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
米国特許第11/344757号には、検出可能に標識された希少標的細胞の自動収集及び画像分析のためのデバイス及び方法が記載されている。それらの磁気標識希少細胞はCellTracksプラットホーム内で時間遅延積分イメージング(Time Delay Integration Imaging)(TDI)に供される。しかしながら、癌患者の血液中の循環腫瘍細胞(CTC)を評価して疾患活動性と相関付ける際、免疫磁気分離により残留された未結合磁気粒子が画像を歪め、CTCとして捕捉した標的の確認を妨げる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、CellTracksプラットホーム内でのTDIを用いた標識希少細胞の分析において、未結合磁気粒子の完全な除去を可能にする小溝設計を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】滑らかな整列表面
(すなわち、整合表面)及びイメージング表面を有する、走査型電子顕微鏡を使用したPDMSインプリントの写真。
【
図3】厚さ1.0mmの典型的なガラス顕微鏡スライドと比較した、厚さ1.3mmのPDMSスラブ及び厚さ0.5mmのPMMAスラブの透過スペクトル。
【
図4】過剰な未結合磁気粒子の画像上の強度における影響を示す図。EpCAM磁性流体レベルの上昇は画像強度の低下を招き、強度評価におけるばらつきが増大する。
【
図5】40μg/mlの磁性流体の存在及び不在下での全強度における差異を示す図。磁性流体が存在する場合、分布が悪化する。
【
図6】整列されたSKBR−3細胞を示す、明視野、DAPI及びPE画像の組み合わせ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
癌患者の血液中の循環腫瘍細胞(CTC)は、疾患活動性と相関することが公知である。CellTracksプラットホームは、疑わしい標的細胞を計数し、疾患活動性と相関付ける磁気濃縮及び画像分析を提供する。細胞、細胞片及び細胞成分等の標的を容器の収集表面と接触させて収集し、その後の強磁性収集構造に隣接させる整
列を行わない。これらの細胞は、白血球細胞、上皮起源の細胞、内皮細胞、真菌細胞及び細菌細胞を含む。収集表面は、外部磁石により生成される磁場勾配に直交して配向されている。得られる像は、チャンバ上の光学的に透明な面上に実質的に均質に分布するように収集された磁気ナノ粒子及び磁気標識生物試料を含む一方、選択されない実体は、流体媒質中にて下方に残留する。
【0011】
CTCを迅速に検出し特徴付けるために、希少細胞分析においてCellTracksプラットホーム内に組み込んだ時間遅延積分(米国特許第11/344757号)を用いる。標的希少細胞(CTC)の免疫磁気分離法は、EpCAMの陽性の選択により達成される。EpCAMに特異的であり、かつ磁気ナノ粒子に共有結合したモノクローナル抗体により、上皮細胞接着分子(EpCAM)に関する抗原を発現している循環細胞が選択される。この複合体が磁場に暴露された際に、残りの血液成分から分離される。
【0012】
その後、捕捉された標的は、細胞内構成成分の一連の蛍光標識を介して分析される。蛍光染料DAPIを使用して、CTCと、非特異的に選択された白血球との核を標識し、CTCの細胞骨格はサイトケラチン−PEで標識され、白血球はCD45−APCで標識される。標識細胞は、分析表面に沿って整
列するよう磁気的に操作される。しかしながら、このシステムでは、免疫磁気分離により残留された未結合磁気粒子が画像の歪みを生じ、CTCの存在を確認する能力を低減させるであろう。
【0013】
空間的にパターン化された標的試料の収集を提供して、微細な生物サンプルの定性及び定量分析を行うために、本発明は、イメージングチャンバの内側表面上に予備成型された構造を形成し及び使用することに関する。一般に、予備成型された溝は、イメージングチャンバの観察表面の内側部分内に予備成型された長いV形の溝である。これらの構造は、以前報告されたNiラインと同様の又はそれ以上に良好な細胞の整
列を提供する。また、それらの構造は、細胞全体をイメージングするのに光学的に適した、高度に透明な材料から形成される。
【0014】
図1は、本発明の溝を用いた細胞整
列の原理を示す。チャンバ内で磁気的に誘導される細胞の移動は、磁気勾配の存在により生じる。ここで、磁気標識細胞は構造の傾斜表面(整
列表面)と衝突して溝の頂部(指示したイメージング表面)内に滑落するか、又はイメージング表面の頂部に直接当たるであろう。いずれの状況においても、細胞は溝内に整
列し、続くイメージングを可能にする。
【0015】
溝の傾斜表面に沿った移動を十分にするために、表面は平坦であり、細胞の壁への付着が防止されなければならない。滑らかで精密な構造を達成するために、公知のウェハエッチング技術が用いられる。しかしながら、費用及び光学的要件により、シリコンウェハは適切ではなく、ポリジメチルシロキサン(PDMS)レプリカ成型がこれらの要件を満たす構成を提供する。本発明において、この基準を満たすであろう構成も考慮される。シリコンウェハ上にエッチングされた構造は、最終的な構造の逆であり、シリコン鋳型上に注がれた際、正確な形状を有するPDMS鋳物が提供される。硬化後、この形状はイメージングチャンバのガラス表面を代替できる寸法に切断される。
【0016】
エッチングは、チャンバの製造に使用できる光学的に透明な任意の材料に関して達成することができる。例として、精密加工の容易さ、微細な細部、及び容易に再現可能であることから、エッチングにシリコンウェハを使用してもよい。本発明では、同様の特性を有し、当技術分野で公知の任意の材料が考えられる。構造のエッチングには、2つの通常のエッチング技術を用いる。最初に、溝のエッチングに必要なエッチマスクを形成する。このマスクは、BHF(緩衝フッ化水素酸)エッチングを用いて形成される。BHFエッチングが完了した後、溝がエッチングされるべきでないシリコンウェハ上の場所に、SiO
2の薄い層が残留する。溝のエッチングには、異方性エッチングも用いられる。ここでは、エッチャントとしてKOHが使用される。このプロセスを適切に配向されたウェハに適用する場合、シリコンウェハの結晶面により制限されたV溝がエッチングされる。したがって、高度に再現可能な、一定のエッチ角度が生成される。角度は、
図1に示す一実施形態では、70.5度であるウェハの配向に依存する。他の技術は、深い反応性イオンエッチング(DRIE)である。この技術を用いることにより、高いアスペクト比(構造の長さと幅との比)を有する構造をエッチングすることができる。DRIEはエッチング工程と堆積工程との間を周期的に交代して、帆立貝状の側壁を形成する。
【0017】
PDMS成型により、加工ウェハ上に陽性のインプリントを得る。PDMS、即ちポリジメチルシロキサン(Dow Corning(Sylgard 184,Dow Corning,Midland,MI,USA)は、Si(ケイ素)とO(酸素)との間にシロキサン結合を含むポリマーである。このポリマー分子は一緒に結合して、約50〜100の平均数を有する、より長いポリマーを形成する。
【0018】
最終的なPDMSは、架橋剤を添加して得られる。架橋剤はポリマーと接続して、ポリマーの長いネットワークを形成し、透明な、弾性を有する、化学的に不活性かつ熱的に安定な材料を生じる。重合後、PDMSは、接着する物質が殆ど存在しない、吸湿性でない透明な可撓性物質を形成し、かくしてPDMSが接着する物質は殆ど存在しない事実により、側部に対する細胞のいずれの付着も防止される。更に、PDMSは熱的に安定であり、約300〜900nm透明である。これらの特性は全て、蛍光イメージングシステムにおけるその用途及び可視光の透過において重要である。形成後、溝をチャンバの観察面の寸法に切断する。
【0019】
最小限の細胞損失で殆どの過剰な磁気粒子を除去するために、
図1に示す観察面用の細胞整
列構造を開発した。
図1に、細胞整
列構造の概観を提供する。
図1に示すPDMSミクロ構造は、所定の領域内で細胞を整
列させ、イメージング時間を短縮するよう開発された。この構造は、幅80μm、長さ30mmの6つのチャネルを含む30×2.7mm
2のPDMSチップから構成されている。これらのPDMSチップは、ウェハ鋳型からインプリントされる。本発明者らは、PDMSをその卓越した透過特性、再現能力、及び使用の容易さにより選択した。この形態は、サンプルのイメージング時間を32分間から12分間へと短縮する。
【0020】
図2は、本発明で使用される構造を有するPDMSインプリントの走査型電子顕微鏡写真を示す。この写真は、観察表面上の滑らかな整
列表面及びイメージング表面を示す。
【0021】
図3は、本発明で使用されるPDMSの厚さの透過スペクトルを、典型的なガラス顕微鏡スライドと比較する。厚さ0.5mmを有するPMMAは、波長400nm〜800nmにおいてガラス顕微鏡スライドの透過率を追跡する。
【0022】
最大のCTC回収を確実にするために、過剰な結合磁気粒子(EpCAM−磁性流体)が使用される。しかしながら、イメージング中、過剰な磁性流体はイメージング表面上に細長い凝集体を形成し、これは細胞の定量及び定性イメージングに影響を与える。
図4は、イメージングにおける過剰な未結合磁気粒子の影響を示す。総核強度は、磁性流体の濃度が2μg/ml(円形)を越えると急に落下する一方、CVは、患者サンプル中に通常見出される濃度、例えば40μg/ml(三角形)等において40%に上昇する。
【0023】
過剰な未結合磁気粒子のイメージングに対する影響と、除去方法の結果とを
図5に示す。SKBR−3細胞は、磁性流体濃度40μg/ml及び0μg/mlにより画像化された。総強度の分布は、過剰な磁性流体を有するサンプルにおいて有意に悪化している。
【0024】
本発明はこの問題を回避し、円錐管内でサンプルを900rpmで回転させる方法を提供する。これは全細胞を管内で外方向に強制的に移動させる。磁性流体粒子は遙かに小さく(直径175nm以下)、サンプル中にランダムに分布したまま残留する。数分後、回転管の底から60%のサンプルを自動的に吸引する。このプロセスを5回繰り返し、SKBR−3細胞は、本発明のPDMS構造により観察表面に沿って整
列した。
図6は、観察表面に沿って整
列した、捕捉されたSKBR−3細胞の明視野、DAPI及びPE画像の組み合わせを示す。
【0025】
本発明の方法を用いて95%〜97%の過剰な磁性流体を除去して、患者サンプル中の最終濃度を2μg/ml未満まで低下させることができる。それにより、十分な過剰な磁性流体が除去されて、定量測定が最適化され、画質がかなり改善される。また、CTCの回収は95%〜99%と評価された(ranted)。したがって、本発明の方法による磁性流体除去は、最適な定量測定のために、過剰な磁性流体の十分な除去を提供する。画質が改善され、個々のCTCの更なる形態学的データを得るための明視野イメージングが可能となる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態の特定のものは、上記の記述で具体的に例示されているが、本発明がこれらの実施形態に限定されることを意図するものではない。本発明の本質から逸脱することなく、さまざまな修正をこれに行うことが可能であり、この改良の全範囲が、下記の請求項に明確に記述されている。
【0027】
〔実施の態様〕
(1) 流体媒質中に浮遊する希少細胞を光学的に分析する改良された方法であって、
a.癌を有することが疑われる患者から血液サンプルを獲得することと、
b.前記血液サンプルを、上皮細胞の表面上のEpCAM抗原に特異的な抗体と結合した磁性流体粒子と混合することと、
c.結合した磁性流体から未結合磁性流体を除去することと、
d.観察チャンバ内で時間遅延積分を用いて前記血液サンプル中の磁気応答成分を観察することと、を含み、
前記成分が、前記チャンバの光学的に透明な面の内側表面上の観察表面に沿って、予備成型された整
列構造内にて均一に分布されている、方法。
(2) 前記整
列構造が壕形状の溝(foxhole-shaped grooves)である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記整
列構造が、画像観察表面及び整
列表面を有する溝を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記画像観察表面が80μmである、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記未結合磁性流体の除去が、
a.磁性流体粒子を有する前記血液サンプルを、円錐管内にて900rpmで回転させることと、
b.前記サンプルを前記円錐管の底から吸引することと、
c.工程(a)及び(b)を5回繰り返すことと、
を含む、実施態様1に記載の方法。
(6) 前記観察が、CTCとしての結合上皮細胞を確認することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記確認が、
a.核にDAPIで陽性の第1標識を行うことと、
b.細胞骨格にサイトケラチン−PEで陽性の第2標識を行うことと、
c.白血球にCD45−APCで陽性の第3標識を行うことと、
を含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 捕捉したCTCの明視野検査を行うことを更に含む、実施態様7に記載の方法。