【実施例】
【0158】
本発明の態様は、本発明の範囲を限定しない以下の実施例から理解することができる。
【0159】
6.1.実施例1:(2S,3R,4R,5S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0160】
【化27】
【0161】
表題の化合物を数段階で調製した。
【0162】
A.[(3aS,5S,6R,6aS)−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−フロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル]−メタノールの調製。この化合物は、当該技術分野で既知の手順を用いて合成した。例えば、Nucleosides Nucleotides, 20:649-652(2001)及びその中の参考文献
を参照されたい。
【0163】
B.(3aS,5R,6R,6aS)−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−フロ[2,3−d][1,3]ジオキソール
−5−カルボアルデヒドの調製。塩化オキサリル(0.76ml、8.7mmol)のCH
2Cl
2(55ml)溶液にN
2下、−78℃でDMSO(0.84ml、11.8mmol)のCH
2Cl
2(5ml)溶液を滴下した。15分後、工程Aからのアルコール(2.40g、7.9mmol)/CH
2Cl
2(20ml)を滴下した。15分後、NEt
3をゆっくりと添加した。反応物を105分かけて室温にゆっくりと温め、次にH
2Oで反応を停止し、Et
2Oで希釈して、H
2O、NaHCO
3飽和水溶液、及びブラインで洗浄した。合わせた有機相をEt
2Oで逆抽出して、これを同じ順番で洗浄した。合わせた有機相をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して(3aS,5R,6R,6aS)−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−フロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−カルボアルデヒド(2.4g、NMRによる純度(clean):約64%)を得た。生成物をさらに精製する
ことなく続行した。
【0164】
C.4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−エトキシ−ベンジル)−ベンゼンの調製。この化合物は、2003年12月23日付で出願されたDeshpande et al.に対する米国特許出願第10/745,075号明細書に記載のように調製した。
【0165】
D.(S)−[(3aS,5S,6R,6aS)−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−フロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル]−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−メタノールの調製。工程Cからの4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−エトキシ−ベンジル)−ベンゼン(3.6g、11.1mmol)のTHF(60ml)溶液にN
2下、−78℃でBuLi(ヘキサン中2.5M、4.4ml、11.1mmol)を滴下した。30分後、工程Bからのアルデヒド(2.4g、純度:64%、5.1mmol)のTHF(20ml)溶液を滴下し、反応物を−78℃で30分間攪拌し、室温に温め、60分間攪拌し、NH
4Cl飽和水溶液で反応を停止し、Et
2Oで希釈して、H
2O及びブラインで洗浄した。合わせた洗液分(aqueous washes)をEt
2Oで逆抽出し、これを同じ順番で洗浄した。合わせた有機抽出液をMgSO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(120gのSiO
2、0%〜20%EtOAc:ヘキサン、75分、85ml/分)により精製して、純粋な(S)−[(3aS,5S,6R,6aS)−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−フロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル]−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−メタノール(0.84g、1.5mmol、30%)に加えてC5エピマー(0.83g)、及び幾らかの混合画分(0.51g)を得た。
【0166】
【化28】
【0167】
E.(2S,3R,4R,5S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの調製。0.35M HClのMeOH溶液を、AcCl(0.25ml、3.5mmol)をMeOH(10ml)に添加し、15分間攪拌することにより調製した。この溶液で、工程Dからのアルコール(0.84g、1.5mmol)を、室温で16時間及び80℃で2
時間、密封バイアル内で処理した。反応物を室温に冷却し、塩基性になるまでK
2CO
3で反応を停止し、CH
2Cl
2で希釈し、濾過して、真空下で濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(40gのSiO
2、0%〜10%MeOH:CH
2Cl
2、60分、35ml/分)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2S,3R,4R,5S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(0.46g、1.1mmol、75%)を白色固体として得た。NMRにより、αアノマーとβアノマーとの比が1.2:1であることが明らかになった。
【0168】
【化29】
【0169】
6.2.実施例2:(3S,4R,5R,6S)−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−2,3,4,5−テトラオールの合成
【0170】
【化30】
【0171】
実施例1、工程Dからのアルコール(51mg、0.093mmol)を、AcOH:H
2O(1:1)(1ml)で、80℃で18時間、密封バイアル内で処理した。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈してフラスコに移し、真空下で濃縮した。残渣をCH
2Cl
2中に溶解し、NaHCO
3及びMgSO
4で30分間処理し、濾過して、真空下で濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(4gのSiO
2、0%〜12%MeOH:CH
2Cl
2、30分、10ml/分)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(3S,4R,5R,6S)−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−2,3,4,5−テトラオール(31mg、0.079mmol、85%)を白色固体として得た。NMRにより、αアノマーとβアノマーとの比が1:1であることが明らかになった。
【0172】
【化31】
【0173】
6.3.実施例3:(2S,3R,4R,5S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0174】
【化32】
【0175】
0.35M HClのEtOH溶液を、AcCl(0.025ml、0.35mmol)をEtOH(1ml)に添加し、15分間攪拌することにより調製した。この溶液で、実施例1、工程Dからのアルコール(61mg、0.11mmol)を、80℃で2時間、密封バイアル内で処理した。反応物を室温に冷却し、塩基性になるまで濃NH
4OHで反応停止し、NaHCO
3で30分間処理し、CH
2Cl
2で希釈し、濾過して、真空下で濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(4gのSiO
2、0%〜10%MeOH:CH
2Cl
2、40分、10ml/分)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2S,3R,4R,5S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(40mg、0.095mmol、85%)を白色固体として得た。NMRにより、αアノマーとβアノマーとの比が1.75:1であることが明らかになった。
【0176】
【化33】
【0177】
6.4.実施例4:(2S,3R,4R,5S,6S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−イソプロポキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール、及び(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−イソプロポキシ−テトラヒドロ−ピラン
−3,4,5−トリオールの合成
【0178】
【化34】
【0179】
0.35M HClのi−PrOH溶液を、AcCl(0.025ml、0.35mmol)をi−PrOH(1ml)に添加し、15分間攪拌することにより調製した。この溶液で、実施例1、工程Dからのアルコール(68mg、0.12mmol)を、80℃で2時間、密封バイアル内で処理した。反応物を室温に冷却し、塩基性になるまで濃NH
4OHで反応停止し、NaHCO
3で30分間処理し、CH
2Cl
2で希釈し、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(4gのSiO
2、0%〜10%MeOH:CH
2Cl
2、40分、10ml/分)により精製し、50mgの物質を得て、これをprep HPLC(19×50mmのC18カラム、20%〜70%MeCN:H
2O(10mM NH
4OAc)、14分、30ml/分)によりさらに精製して、(2S,3R,4R,5S,6S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−イソプロポキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(βアノマー、7mg、0.016mmol)及び(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−イソプロポキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(αアノマー、25mg、0.057mmol)を得た。
(2S,3R,4R,5S,6S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−イソプロポキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール:
【0180】
【化35】
【0181】
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−イソプロポキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール:
【0182】
【化36】
【0183】
6.5.実施例5:(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール及び(2S,3R,4R,5S,6S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0184】
【化37】
【0185】
実施例1、工程Eからの化合物の試料(80mg)を、4mlの30%エタノール/ヘキサン中に溶解し、400μlずつChiralPak AD−Hカラム(20×250mm、5.5ml/分、溶出液(定組成溶離)として31.55%エタノール/ヘキサン、周囲温度、30分ラン)に注入して、2つの異性体を互いに分離した。第1の異性体(r.t.:23分)はα異性体(6R、20mg)として同定され、第2の異性体(r.t.:26分、21mg)はβ異性体(6S)として同定された。
【0186】
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール:
【0187】
【化38】
【0188】
(2S,3R,4R,5S,6S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール:
【0189】
【化39】
【0190】
(2S,3R,4R,5S,6S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールはまた、以下の手順を用いて選択的に合成した:
A.酢酸(3S,4R,5S,6S)−2,4,5−トリアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステルの調製。実施例1、工程Dからのアルコール(6.80g、12.4mmol)を、AcOH/H
2O(3:2)(62ml)で100℃で22時間処理した。反応物を真空下で濃縮し、トルエンで3回回転蒸発して(rotovapped)、高真空下に置いた。残渣を無水酢酸(9.4ml、99.2mmol)/ピリジン(25ml)で16時間処理した。反応物をH
2Oで反応停止し、1時間攪拌し、Et
2Oで希釈して、1M NaHSO
4水溶液、H
2O、NaHCO
3飽和水溶液、及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(120gのSiO
2、0%〜50%EtOAc/ヘキサン)で精製して、酢酸(3S,4R,5S,6S)−2,4,5−トリアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステル(6.10g、10.9mmol、87%)を得た。
【0191】
【化40】
【0192】
B.酢酸(2S,3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−2−ブロモ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステルの調製。工程Aのテトラアセテート(8.08g、14.4mmol)を、33%HBr/AcOH(30ml)で1時間処理した。反応物をCH
2Cl
2(60ml)で希釈し、30分間攪拌し、さらにDCMで希釈し、氷冷H
2Oで3回及びNaHCO
3飽和水溶液で(逆抽出により)洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、酢酸(2S,3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−2−ブロモ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステルを得た。
【0193】
【化41】
【0194】
C.酢酸(2S,3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステルの調製。工程Bからの粗臭化物(8.4g、14.4mmol)及びZnO(1.2g、14.4mmol)を、MeOH(144ml)中に溶解し、70℃で1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、セライトを通してEtOAcで濾過して、真空下で濃縮した。残渣を2回に分けてMeOHから再結晶させて、酢酸(2S,3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステル(5.98g、11.2mmol、78%)を、純粋なβ−アノマーとして得た。
【0195】
【化42】
【0196】
D.(2S,3R,4R,5S,6S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの調製。工程Cからの再結晶トリアセテート(5.98g、11.2mmol)を、K
2CO
3(7.7g、56mmol)/MeOH(112ml)で1時間、激しく攪拌しながら処理した。反応物をセライトを通して濾過し、真空下で濃縮した。残渣をDCM中に溶解し、H
2O及びブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣を5%MeOH:CH
2Cl
2を用いてシリカゲルプラグに通し、真空下で濃縮し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2S,3R,4R,5S,6S)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(4.37g、10.7mmol、96%)を、白色固体として得た。
【0197】
【化43】
【0198】
6.6.実施例6:N−{(2S,3S,4R,5R,6S)−6−[4−クロロ−3−
(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−N−プロピル−アセトアミドの合成
【0199】
【化44】
【0200】
実施例5、工程Bからの臭化物(58mg、0.1mmol)を、プロピルアミン(0.1ml)/CH
2Cl
2(0.5ml)で、40℃で1.5時間処理した。反応物にN
2を吹きつけ、次に2回吹きつけてCH
2Cl
2を除去した。残渣を無水酢酸(78μl、0.82mmol)/ピリジン(1ml)で、一晩処理した。反応物をMeOHで反応停止し、30分間攪拌し、Et
2Oで希釈し、1M NaHSO
4水溶液、H
2O、NaHCO
3飽和水溶液、及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。中間生成物をK
2CO
3(14mg、0.10mmol)/MeOH(1ml)で1.5時間処理した。反応物を濾過し、真空下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、0%〜10%MeOH:CH
2Cl
2)により精製して、純度が90%の物質を得た。生成物をHPLC(19×50mmのC18カラム、20%〜70%MeCN:H
2O(10mM NH
4OAc)、14分、30ml/分)によりさらに精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、N−{(2S,3S,4R,5R,6S)−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−N−プロピル−アセトアミド(3mg、0.0063mmol、15%)を、2:1比の回転異性体として得た。
【0201】
【化45】
【0202】
6.7.実施例7:(2R,3S,4S,5S)−5−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタナールオキシムの合成
【0203】
【化46】
【0204】
実施例2からの化合物(50mg、0.13mmol)及び塩酸ヒドロキシルアミン(26mg、0.38mmol)を、ピリジン(0.65ml)中に溶解して、3時間攪拌した。反応物をEtOAcで希釈し、1M NaHSO
4水溶液、H
2O、NaHCO
3飽和水溶液、及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をH
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2R,3S,4S,5S)−5−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロキシ−ペンタナールオキシム(46mg、0.11mmol、88%)を、オキシム異性体の5:1混合物として得た。
【0205】
【化47】
【0206】
6.8.実施例8:(3S,4R,5R,6S)−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−テトラヒドロ−ピラン−2−オンオキシムの合成
【0207】
【化48】
【0208】
A.酢酸(3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステルの調製。実施例5、工程Aからのテトラアセテート(200mg、0.36mmol)を、ベンジルアミン(39μl、0.36mmol)/DMF(1.8ml)で2時間処理した。反応物をEt
2Oで希釈し、1M NaHSO
4水溶液、H
2O、NaHCO
3飽和水溶液、及びブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、0%〜50%EtOAc:ヘキサン)により精製して、酢酸(3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステル(142mg、0.27mmol、77%)を、3:1比のアノマーとして得た。
【0209】
【化49】
【0210】
B.酢酸(3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−[(Z)−ヒドロキシイミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステルの調製。工程Aからの化合物(142mg、0.27mmol)及び塩酸ヒドロキシルアミン(57mg、0.82mmol)を、ピリジン(1.4ml)中に溶解した。反応物を6時間攪拌し、EtOAcで希釈し、1M NaHSO
4水溶液、H
2O、NaHCO
3飽和水溶液、及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をCH
2Cl
2中に溶解し、−78℃に冷却して、DBU(49μL、0.33mmol)、続いてN−クロロスクシンイミド(44mg、0.33mmol)で処理した。反応物を20分間−78℃で攪拌し、次に15分かけて室温に温めた。反応物をEtOAcで希釈し、H
2O及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、0%〜50%EtOAc:ヘキサン)により精製して、酢酸(3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−[(Z)−ヒドロキシイミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステル(97mg、0.18mmol、67%)を得た。
【0211】
【化50】
【0212】
C.(3S,4R,5R,6S)−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−テトラヒドロ−ピラン−2−オンオキシムの調製。工程Bからの化合物(97mg、0.18mmol)を、7.0M NH
3/MeOH(1.8ml)で1時間処理した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、0%〜12%MeOH:CH
2Cl
2)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(3S,4R,5R,6S)−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−テトラヒドロ−ピラン−2−オンオキシム(57mg、0.14mmol、77%)を、白色固体として得た。
【0213】
【化51】
【0214】
6.9.実施例9:(2S,3R,4R,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−5−フルオロ−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4−ジオールの合成
【0215】
【化52】
【0216】
A.(2S,3R,4S)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイルジアセテートの調製。フラスコに実施例5、工程Aからのテトラアセテート(282mg、0.5mmol)を充填し、1.25mlのHBr(HOAc中33%)を添加した。反応物を1時間攪拌し、50mlのジクロロメタンで希釈して、氷水に注ぎ込むことにより反応停止した。有機層を分離し、NaHCO
3飽和水溶液及びブラインで洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、溶媒を真空で濃縮した。粗残渣を0.5mlのジクロロメタンに溶解し、硫酸銅(II)(20mg、0.125mmol)、Zn粉末(82mg、1.25mmol)、及び酢酸ナトリウム(984mg、12mmol)の酢酸/水(3:2(v:v))(2.5ml)中懸濁液に添加した。この混合物を室温で4時間攪拌した後、反応物に20mgの硫酸銅(II)及び82mgのZn粉末を再充填し、さらに18時間攪拌した。混合物を水で反応停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空で除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより(2S,3R,4S)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイルジアセテート(32mg、収率:16%)を得た。
【0217】
【化53】
【0218】
B.(2S,3R,4R,5R,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル)−5−フルオロ−6−メトキシ−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオールの調製。Selectfluor(商標)(45mg、0.128mmol)を工程Aからの化合物(38mg、0.0853mmol)のアセトニトリル:メタノ
ール(1:1(v:v))(0.4mL)溶液に添加した。反応物を周囲温度で攪拌し、LCMSにより反応の完了をモニターした。反応物を2mlのNH
4Cl飽和水溶液で反応停止し、ジエチルエーテル(2×5mL)で抽出した。有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%〜10%酢酸エチル/ヘキサン)によりフッ素化生成物を得た。次に、炭酸カリウム(5mg)を、この単離生成物のメタノール(0.5mL)溶液に添加した。反応物を周囲温度で2時間攪拌した後、2mLの水で反応停止して、酢酸エチル(2×4mL)で抽出した。有機層をシリカパッドに通して濾過し、濃縮して、6.3mgの(2S,3R,4R,5R,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル)−5−フルオロ−6−メトキシ−テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオールを透明なオイルとして得た。
【0219】
【化54】
【0220】
6.10.実施例10:(2S,3R,4R,5S)−2−[4−クロロ−3−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0221】
【化55】
【0222】
A.[4−(5−ブロモ−2−クロロ−ベンジル)−フェノキシ]−tert−ブチル−ジメチル−シランの調製。この化合物は、2006年11月9日付で公開されたHimmelsbach et al.に対する米国特許出願公開第2006/0251728号明細書に記載のように調製した。
【0223】
B.(S)−{3−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−4−クロロ−フェニル}−[(3aS,5S,6R,6aS)−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−フロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル]−メタノール。工程Aからの化合物(0.85g、2.07mmol)のジエチルエーテル(4.14ml)溶液を、不活性雰囲気下で−78℃に冷却した。これに2.66mlのtert−ブチルリチウム(ヘキサン中1.55M、4.14mmol)を、5分かけてシリンジで添加した。反応物を−78℃で30分間攪拌した。実施例1、工程Bからの化合物(0.5g、1.65mmol)のジエチルエーテル(1.65ml)溶液を添加した。この反応混合物を−78℃で30分間、続いて0℃で1.5時間攪拌した。粗反応物を、過剰ジエチルエーテルでシリカゲルパッ
ドに通して濾過し、これを続いて真空で除去した。得られた生成物は、新たに生じた第2級アルコールでのジアステレオマー比が約1.2:1である。ジアステレオマーは、シリカゲルクロマトグラフィー(4%〜8%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により容易に分離された。収率:40%(所望のジアステレオマー)、58%(所望でないジアステレオマー)。
【0224】
【化56】
【0225】
C.(2S,3R,4R,5S)−2−[4−クロロ−3−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの調製。塩化アセチル(0.17ml)を7mlのメタノールに添加し、室温で15分間攪拌した。この溶液を工程Bからの化合物0.446gを充填したバイアルに移し、これを次に密封し、80℃で1時間加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、50mlの重炭酸ナトリウム飽和水溶液で反応停止した。この水層を酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、溶媒を真空で除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜20%メタノール/ジクロロメタン勾配)により精製して、αアノマー:βアノマー比が約1:1の混合物を得た。収率:65%。
【0226】
【化57】
【0227】
6.11.実施例11:(2S,3R,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0228】
【化58】
【0229】
トルエン−4−スルホン酸(S)−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)エステル(31mg、0.126mmol)を、実施例10、工程Cからの化合物(16mg、0.0
42mmol)及び炭酸セシウム(46mg、0.126mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.22ml)中懸濁液に添加した。反応容器を密封し、80℃で15時間加熱した。室温への冷却時に、粗反応物を2mlブラインで反応停止し、酢酸エチル(3×2ml)で抽出した。合わせた有機抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、真空で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0%〜10%メタノール/ジクロロメタン勾配)により、(2S,3R,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールが透明な粘性オイルとして生じ、これをジクロロメタン中で濃縮すると、白色固体(10mg、収率:55%)が得られた。
【0230】
【化59】
【0231】
6.12.実施例12:(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−フェニル]−ピペリジン−3,4,5−トリオールの合成
【0232】
【化60】
【0233】
A.((3aS,5S,6R,6aS)−5−{アジド−[(S)−4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−メチル}−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−フロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−イルオキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シランの調製。実施例1、工程DからのアルコールのC5エピマー(682mg、1.24mmol)及びPPh
3(489mg、1.87mmol)のTHF(6.2ml)溶液に、DIAD(366μl、1.87mmol)、続いてジフェニルホスホリルアジド(DPPA、323μl、1.49mmol)を添加した。反応物を1.5時間攪拌し、NH
4Cl飽和水溶液で反応停止し、Et
2Oで希釈し、H
2O及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40gのSiO
2、0%〜8%EtOAc:ヘキサン)により精製して、((3aS、5S,6R、6aS)−5−{アジド−[(S)−4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−メチル}−2、2−ジメチル−テトラヒドロ−フロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−イルオキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(636mg、1.11mmol、89%)を、黄色オイルとして得た。
【0234】
【化61】
【0235】
B.(2R,3S,4S,5S)−5−{アジド−[(S)−4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−メチル}−テトラヒドロ−フラン−2,3,4−トリオールの調製。塩化アセチル(0.175ml、2.45mmol)をMeOH(7ml)に添加した。溶液を15分間攪拌し、次に工程Aからのアジド(392mg、0.68mmol)に添加した。反応物を16時間攪拌し、次に真空下で濃縮し、MeOHで2回回転蒸発して、高真空に置いて白色固体を得た。固体をAcOH:H
2O(1:1)(7ml)で、100℃で2.5時間処理した。反応物を真空下で濃縮し、トルエンで2回回転蒸発し、高真空に置いた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40gのSiO
2、0%〜6%MeOH:CH
2Cl
2)により精製して、(2R,3S,4S,5S)−5−{アジド−[(S)−4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−メチル}−テトラヒドロ−フラン−2,3,4−トリオール(223mg、0.53mmol、78%)を、アノマーの混合物として得た。
【0236】
【化62】
【0237】
C.(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−ピペリジン−3,4,5−トリオールの調製。工程Bからの化合物(216mg、0.52mmol)を、MeOH(5ml)及びAcOH(0.25ml)中、PtO
2(6mg、0.026mmol)上で、大気圧H
2下で6時間水素化した。反応物を濾過し、真空下で濃縮し、EtOAcで希釈して、10%K
2CO
3水溶液及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。物質の一部(約55mg)をprep HPLC(Sunfire C18 30×100mmカラム、20%〜70%MeCN:H
2O(10mM NH
4OAc)、15分、45ml/分)により精製し、凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−ピペリジン−3,4,5−トリオール(27mg、0.071mmol)を、白色固体として得た。
【0238】
【化63】
【0239】
6.13.実施例13:(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エタンスルフィニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール及び(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エタンスルホニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0240】
【化64】
【0241】
A.(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エチルスルファニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの調製。実施例5、工程Bからの臭化物(291mg、0.50mmol)のEtOH(5ml)溶液に、NaSEt(84mg、1.0mmol)を0℃で添加した。反応物を30分間攪拌し、次にEtOAcで希釈し、希NaOH水溶液及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40gのSiO
2、0%〜7%MeOH:CH
2Cl
2)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エチルスルファニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(126mg、0.29mmol、58%)を、白色粉末として得た。
【0242】
【化65】
【0243】
B.(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エタンスルフィニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール及び(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エタンスルホニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの調製。工程Aからの化合物(10mg、0.023mmol)のAcOH(0.5ml)溶液に、H
2O
2(35重量%H
2O溶液、3mg、0.092mmo
l、9μl)を添加した。混合物を周囲温度で2時間攪拌した後、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%MeOH/CH
2Cl
2)により混合物を精製して、(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エタンスルフィニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(硫黄でのジアステレオマーの混合物)(2mg、19%)、及び(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エタンスルホニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(5mg、46%)を、共に白色固体として得た。
【0244】
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エタンスルフィニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール:
【0245】
【化66】
【0246】
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−エタンスルホニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール:
【0247】
【化67】
【0248】
6.14.実施例14:酢酸(2R,3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−メチルスルファニル−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステルの合成
【0249】
【化68】
【0250】
A.(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベン
ジル)−フェニル]−6−メチルスルファニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの調製。実施例5、工程Bからの臭化物(347mg、0.60mmol)のEtOH(6ml)溶液に、NaSMe(70mg、0.72mmol)を0℃で添加した。反応物を30分間攪拌し、次にEtOAcで希釈し、希NaOH水溶液及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40gのSiO
2、0%〜7%MeOH:CH
2Cl
2)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メチルスルファニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(212mg、0.43mmol、72%)を、白色粉末として得た。
【0251】
【化69】
【0252】
B.酢酸(2R,3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−メチルスルファニル−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステルの調製。工程Aからのトリオール(45mg、0.11mmol)を、無水酢酸(60μl、0.64mmol)/ピリジン(0.5ml)で16時間処理した。反応物をEt
2Oで希釈し、1M NaHSO
4水溶液、H
2O、NaHCO
3飽和水溶液、及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(4gのSiO
2、0%〜25%EtOAc/ヘキサン)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、酢酸(2R,3S,4R,5S,6S)−4,5−ジアセトキシ−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−2−メチルスルファニル−テトラヒドロ−ピラン−3−イルエステル(46mg、0.087mmol、79%)を、白色固体として得た。
【0253】
【化70】
【0254】
6.15.実施例15:(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メタンスルホニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0255】
【化71】
【0256】
実施例14、工程Aからの化合物(41mg、0.097mmol)のAcOH(0.5ml)溶液に、H
2O
2(35重量%H
2O溶液、20mg、0.58mmol、57μl)を添加した。混合物を周囲温度で18時間攪拌した後、真空下で濃縮した。シリカ
ゲルクロマトグラフィー(5%MeOH/CH
2Cl
2)により混合物を精製して、(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−メタンスルホニル−テトラヒドロ−ピラン−3,4,5−トリオール(20mg、45%)を、白色固体として得た。
【0257】
【化72】
【0258】
6.16.実施例16:1−{(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−1−イル}−エタノンの合成
【0259】
【化73】
【0260】
1−{(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−1−イル}−エタノンの調製。実施例12、工程Cからの粗化合物(38mg、0.1mmol)のMeOH(1mL)溶液に、無水酢酸(19μL、0.2mmol)を添加した。反応物を4時間攪拌し、さらに無水酢酸(10μL、0.1mmol)を添加して、一晩連続して攪拌した。反応物をEtOAcで希釈し、NaHCO
3飽和水溶液及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、0%〜8%MeOH:CH
2Cl
2)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、1−{(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−1−イル}−エタノン(14mg、0.033mmol、2段階で33%)を、白色固体として得た。
【0261】
【化74】
【0262】
6.17.実施例17:(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステルの合成
【0263】
【化75】
【0264】
実施例12、工程Cの粗化合物(38mg、0.1mmol)及びNaHCO
3(42mg、0.5mmol)のEtOAc:EtOH:H
2O(1:1:1)(1.5mL)溶液に、クロロギ酸メチル(23μL、0.3mmol)を0℃で添加した。反応物を1時間攪拌し、次にEtOAcで希釈し、H
2O及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(4gのSiO
2、0%〜10%MeOH:CH
2Cl
2)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル(12mg、0.026mmol、2段階で26%)を、白色固体として得た。
【0265】
【化76】
【0266】
6.18.実施例18:(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸アリルアミドの合成
【0267】
【化77】
【0268】
実施例12、工程Cからの粗化合物(38mg、0.1mmol)のEtOH:EtOAc(1:1)(1mL)溶液に、アリルイソシアナート(18μL、0.2mmol)を添加した。反応物を1時間攪拌し、次に真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(4gのSiO
2、0%〜10%MeOH:CH
2Cl
2)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸アリルアミド(14mg、0.030mmol、2段階で30%)を、白色固体として得た。
【0269】
【化78】
【0270】
6.19.実施例19:(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−1−メチル−ピペリジン−3,4,5−トリオールの合成
【0271】
【化79】
【0272】
実施例12、工程Cからの化合物(50mg、0.13mmol)及びK
2CO
3(55mg、0.40mmol)のDMF(0.65mL)溶液に、ヨウ化メチル(10μL、0.16mmol)を添加した。反応物を3時間攪拌し、次にEtOAcで希釈し、H
2O及びブラインで(逆抽出により)洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、2%〜12%MeOH:CH
2Cl
2)により精製し、H
2O中に懸濁し、凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−1−メチル−ピペリジン−3,4,5−トリオール(16mg、0.040mmol、31%)を、白色固体として得た。
【0273】
【化80】
【0274】
6.20.実施例20:(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピペリジン−3,4,5−トリオールの合成
【0275】
【化81】
【0276】
A.(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(ベンジルオキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピロン−2−オンの調製。テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノース(2.07g、3.8mmol)をDMSO(10.1mL)中に溶解した。この混合物に無水酢酸(7.0mL)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応物に氷を添加し、1時間攪拌した。混合物をエーテル(3×20mL)で抽出した。抽出液を水(2×10mL)、重炭酸ナトリウム水溶液(2×10mL)、ブラインで洗浄し、乾燥させて(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮した。0%〜25%酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、1.712gの(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(ベンジルオキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピロン−2−オン(83%)を得た。
【0277】
B.(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(ベンジルオキシメチル)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オールの調製。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5N)(1.263mL、3.16mmol)を、実施例1、工程Cからの化合物(1.028g、3.16mmol)の無水THF(15mL)溶液に−78℃で滴下した。−78℃で30分間攪拌した後、工程Aからの化合物(1.7g、3.16mmol)の無水THF(10mL)溶液を滴下し、室温に温めながら1時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液(10mL)を反応混合物に添加し、真空下でTHFを除去して、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させて(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮した。粗混合物を0%〜20%酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、712mgの(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−(ベンジルオキシメチル)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オール(29%)を得た。M+H
2O=802.1
【0278】
C.(2R,3R,4S)−2,3,4,6−テトラキス(ベンジルオキシ)−1−(4
−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)ヘキサン−1,5−ジオンの調製。Dess−Martin試薬(500mg、過剰)のCH
2Cl
2(10mL)攪拌溶液に、工程Bからの化合物(500mg、0.6mmol))の無水ジクロロメタン(10mL)溶液を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を1N水酸化ナトリウム(3mL)で反応停止し、ジクロロメタン(2×10mL)で抽出し、合わせた有機画分をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、487mgの粗生成物を得た(M+H
2O=800.1)。
【0279】
D.(3R,4R,5S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−2−(ベンジルオキシメチル)−6−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)ピペリジンの調製。工程Cからの化合物(400mg、0.5mmol)、7NアンモニアのMeOH(1.0mL)溶液、及び新たに活性化した4Åのモレキュラーシーブ(250mg)/ジクロロメタン(20mL)を一晩還流させた。反応混合物を室温に冷却し、次にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(160mg、2.55mmol)を添加して、さらに2時間還流させた。反応混合物を濾過し、ジクロロメタン(20mL)で希釈し、水、ブラインで洗浄し、乾燥させて(硫酸ナトリウム)、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%酢酸アンモニウム含有50%〜100%アセトニトリル/水勾配)により、(3R,4R,5S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−2−(ベンジルオキシメチル)−6−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)ピペリジン(136mg、34%)を得た。
【0280】
【化82】
【0281】
E.(3R,4R,5S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−2−(ベンジルオキシメチル)−6−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル−1−メチルピペリジンの調製。工程Dからの化合物(50mg、0.065mmol)を、アセトニトリル(1mL)中に溶解し、炭酸カリウム(18mg、0.13mmol)で30分間処理した。この混合物にヨードメタン(20μL、0.32mmol)を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水、ブラインで洗浄し、乾燥させて(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%酢酸アンモニウム含有50%〜100%アセトニトリル/水勾配)により、(3R,4R,5S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−2−(ベンジルオキシメチル)−6−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−1−メチルピペリジン(29mg、56%)を得た。MH+ 782.1。
【0282】
F.(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピペリジン−3,4,5−トリオールの調製。工程Eからの化合物(50mg)のメタノール/酢酸(25μL)溶液を、H
2雰囲気下で4時間、5%ウェットPd−C(10mg)で処理した。反応混合物をセライトパ
ッドに通して濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%酢酸アンモニウム含有10%〜100%アセトニトリル/水勾配)により、(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピペリジン−3,4,5−トリオール(6mg、70%)を得た。
【0283】
【化83】
【0284】
6.21.実施例21:(2S,3R,4R,5S,6S)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−メトキシテトラヒドロ−2H−チオピラン−3,4,5−トリオールの合成
【0285】
【化84】
【0286】
A.(S−(1S)−((3aS,6S,6aS)−6−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)メチルベンゾチオエートの調製。アゾジカルボン酸ジエチル(150μL、0.914mmol)を、トリフェニルホスフィン(240mg、0.914mmol)のTHF(1.0mL)溶液に室温で添加した。1時間後、実施例1、工程DからのC5エピマー(167mg、0.305mmol)を、0.5mLのTHFにシリンジで添加し、続いてチオ安息香酸(110μL、0.914mmol)をシリンジで添加した。この橙色溶液を室温で22時間攪拌した。溶媒を真空で除去した後、フラッシュクロマトグラフィー(0%〜10%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により残渣を精製して、表題の化合物を淡黄色オイル(104mg、収率:50%)として得た。MS(ES+)[M+NH
4]
+=566。
【0287】
B.(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−メトキシテトラヒドロ−2H−チオピラン−3,4,5−トリオールの調製。ナトリウムメトキシド(4.3Mメタノール溶液、0.3mL)を、工程Aからの化合物(104mg、0.152mmol)のメタノール(6mL)溶液に添加した。30分後、反応物を20mLの酢酸エチルで希釈し、水及びブライン(各20mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、溶媒を真空で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)により素早く精製し、そのまま続けて生成物のジスルフィド形成の予防を行なった。
【0288】
塩化アセチルを1mLのメタノールに1滴添加し、室温で15分間攪拌した。この酸性溶液を上記からの遊離チオールに添加し、80℃で42時間加熱した。反応物を室温に冷却し、溶媒を真空で除去した。粗残渣をprep HPLC(30×250mm C18
カラム、5%〜75%アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム)、15分、45mL/分)により精製し、表題の化合物を得た(αアノマー、t=13.82分、8.7
mg、2段階で13%の収率)。
【0289】
【化85】
【0290】
6.22.実施例22:(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−ピペリジン−3,4,5−トリオールの合成
【0291】
【化86】
【0292】
A.(2R,3R,4S,5R,6S)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−2−アリルオキシメチル−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピランの調製。α−D−メチルグルコシド(3g、15.45mmol)のDMF(50mL)溶液に、NaH(鉱油中60%ディスパージョン、3.34g、0.14mol)を添加した。この添加中、濃厚懸濁液が生じるが、さらなる量のDMF(15mL)を添加して元の溶液に戻した。室温で30分間攪拌した後、混合物を0℃に冷却し、臭化アリル(17g、0.14mol、12mL)をゆっくりと添加した。次に、混合物を室温に温め、18時間攪拌した。MeOHを淡褐色混合物に慎重に添加して、過剰NaHを分解し、次に混合物を濃縮した。残渣をCH
2Cl
2で希釈し、H
2Oで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して黄色オイルを得た。シリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(2R,3R,4S,5R,6S)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−2−アリルオキシメチル−6−メトキシ−テトラヒドロ−ピラン(4.06g、11.47mmol、74%)を、無色オイルとして得た。TLC:R
f=0.20、20%EtOAc/ヘキサン。
【0293】
B.(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−6−アリルオキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−2−オールの調製。工程Aからの化合物(10g、0.028mol)のAcOH(400mL)溶液を90℃に温めた。TfOH(2N H
2O溶液、16.69g、0.112mol、56mL)を添加し、混合物を90℃で75分間攪拌した。溶液を冷却し、CH
2Cl
2で希釈し、H
2O(×3)、NaHCO
3飽和水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して黄色固体を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(20%〜40%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(3R,4S,5R,6S)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−6−アリルオキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−2−オールを、白色固体であるアノマーの混合物(5.85g、17.2mmol、61%)として得た。TLC:R
f=0.40、40%EtOAc
/ヘキサン。
【0294】
C.(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−6−アリルオキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−2−オンの調製。塩化オキサリル(2.75g、21.7mmol、1.89mL)をCH
2Cl
2(90mL)中に溶解し、混合物を−78℃に冷却した。DMSO(3.39g、43.4mmol、3.08mL)を、CH
2Cl
2(60mL)溶液として添加した。混合物を−78℃で15分間攪拌し、次に工程Bからの化合物(6.70g、19.7mmol)をCH
2Cl
2(150mL)溶液として添加した。反応混合物を−78℃でさらに15分間攪拌し、Et
3N(9.97g、98.5mmol、13.7mL)を添加した。混合物を−78℃でさらに5分間攪拌し、次に30分かけて室温に温めた。反応物をH
2Oで反応停止し、有機層を分離して、H
2Oで2回洗浄し、乾燥させ、濃縮して、淡黄色オイルを得た。シリカゲルクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−6−アリルオキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−2−オン(2.49g、7.37mmol、37%)を、無色オイルとして得た。TLC:R
f=0.40、20%EtOAc/ヘキサン。
【0295】
D.(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−6−アリルオキシメチル−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−2−オールの調製。実施例1、工程Cからの化合物(2.37g、7.31mmol)をTHF(25mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。n−BuLi(2.5Nヘキサン溶液、0.47g、7.31mmol、2.92mL)を滴下し、溶液を15分間攪拌した。工程Cからの化合物(2.47g、7.31mmol)をTHF(25mL)溶液として添加し、反応混合物を−78℃でさらに15分間攪拌した後、30分かけて室温に温めた。反応物をNH
4Cl飽和水溶液で反応停止し、有機層を分離した。水層をEt
2Oで逆抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、濃縮して黄色オイルを得た。シリカゲルクロマトグラフィー(10%〜20%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−6−アリルオキシメチル−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−テトラヒドロ−ピラン−2−オール(0.95g、1.63mmol、22%)を、無色オイルとして得た。MS(ES+)[M+NH
4]
+=602。
【0296】
E.(2R,3R,4S)−2,3,4,6−テトラキス−アリルオキシ−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−ヘキサン−1,5−ジオンの調製。工程Dからの化合物(0.93g、1.59mmol)のCH
2Cl
2(25mL)溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(0.68g、1.59mmol)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌し、次に2回目のDess−Martinペルヨージナン(1当量)を添加した。攪拌をさらに1時間続け、次に反応物を1N NaOH(約4mL)で反応停止した。H
2Oを添加し、有機層を分離した。水層をCH
2Cl
2で逆抽出し、乾燥させ、濃縮して、黄色ろう状固体を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(15%〜20%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(2R,3R,4S)−2,3,4,6−テトラキス−アリルオキシ−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−ヘキサン−1,5−ジオン(0.60g、1.03mmol、65%)を、白色固体として得た。MS(ES+)[M+NH
4]
+=600。
【0297】
F.(2R,3R,4R,5S,6S)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−2−アリルオキシメチル−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−ピペリジンの調製。工程Eからの化合物(0.60g、1.03mmol)のMeOH(12mL)溶液に、4ÅのMS、続いてギ酸アンモニウム(0.13g、2.06mmol)を添加した。次に、NaBH
3CN(0.14g、2.3mmol)を一度に添加し、
混合物を室温で1時間30分攪拌した。反応混合物を次に濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%〜20%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(2R,3R,4R,5S,6S)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−2−アリルオキシメチル−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−ピペリジン(155mg、0.27mmol、27%)を得た。MS(ES+)[M+H]
+=568。
【0298】
G.(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリス−[((E)−プロペニル)オキシ]−6−[((E)−プロペニル)オキシメチル]−ピペリジンの調製。Ir(COD)[PCH
3Ph
2]PF
6(8mg、30mol%)のTHF(0.3mL)溶液を、H
2雰囲気下で、色が赤色から淡黄色に変化するまで(約5分)攪拌した。次に工程Fからの化合物(19mg、0.033mol)のTHF(0.5mL)溶液を添加し、混合物を室温で45分間攪拌し、次に濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−3,4,5−トリス−[((E)−プロペニル)オキシ]−6−[((E)−プロペニル)オキシメチル]−ピペリジン(15mg、0.026mmol、80%)を、無色オイルとして得た。MS(ES+)[M+H]
+=568。
【0299】
H.(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−ピペリジン−3,4,5−トリオールの調製。工程Gからの化合物(15mg、0.026mmol)をTHF/AcOH/1N HCl(0.2ml:0.3ml:0.15ml)溶液中に溶解し、70℃で30分間加熱した。混合物を濃縮して、淡黄色オイルを得た。分取HPLC(sunfire C18、30×100mm、5μm、10%〜100%B、15分以上)により精製することで、(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−ピペリジン−3,4,5−トリオール(5mg、0.012mmol、46%)を、白色固体として得た。MS(ES+)[M+H]
+=408。
【0300】
【化87】
【0301】
6.23.実施例23:(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピペリジン−3,4,5−トリオールの合成
【0302】
【化88】
【0303】
A.(2R,3R,4R,5S,6S)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−2−アリルオキシメチル−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−1−メチル−ピペリジンの調製。実施例22、工程Fからの化合物(135mg、0.24mmol)のMeCN溶液に、K
2CO
3(164mg、1.19mmol)を添加した。混合物を30分間攪拌し、次にMeI(676mg、4.76mmol)を添加した。室温で8時間攪拌を続け、次に混合物を濾過して、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(2R,3R,4R,5S,6S)−3,4,5−トリス−アリルオキシ−2−アリルオキシメチル−6−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−1−メチル−ピペリジン(90mg、0.15mmol、65%)を、無色オイルとして得た。MS(ES+)[M+H]
+=582。
【0304】
B.(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−1−メチル−3,4,5−トリス−[((E)−プロペニル)オキシ]−6−[((E)−プロペニル)オキシメチル]−ピペリジンの調製。THF(1ml)中のIr(COD)[PCH
3Ph
2]PF
6(27mg、30mol%)を、H
2雰囲気下で、色が赤色から淡黄色に変化するまで(約5分)攪拌した。次に工程Aからの化合物(62mg、0.11mol)のTHF(1.5ml)溶液を添加し、混合物を室温で45分間攪拌し、次に濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製することで、(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−1−メチル−3,4,5−トリス−[((E)−プロペニル)オキシ]−6−[((E)−プロペニル)オキシメチル]−ピペリジン(62mg、0.11mmol、100%)を、無色オイルとして得た。MS(ES+)[M+H]
+=582。
【0305】
C.(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピペリジン−3,4,5−トリオールの調製。工程Bからの化合物(54mg、0.093mmol)を、THF/AcOH/1N HCl(0.5ml:0.6ml:0.30ml)溶液中に溶解し、70℃で30分間加熱した。混合物を濃縮して淡黄色オイルを得た。分取HPLC(sunfire C18、30×100mm、5μm、10%〜100%B、15分以上)により精製することで、(2S,3S,4R,5R,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−ベンジル)−フェニル]−6−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピペリジン−3,4,5−トリオール(22mg、0.052mmol、56%)を、白色固体として得た。MS(ES+)[M+H]
+=422。
【0306】
【化89】
【0307】
6.24.さらなる化合物
本明細書中に記載された手順及び当該技術分野で既知の方法を用いて、下記の表1に列挙したさらなる化合物を調製した。強力なSGLT2阻害剤には星印を付けた。
【0308】
【表1-1】
【0309】
【表1-2】
【0310】
【表1-3】
【0311】
【表1-4】
【0312】
【表1-5】
【0313】
【表1-6】
【0314】
6.25.in vitroヒトSGLT2阻害アッセイ
ヒトナトリウム/グルコース共輸送体2型(SGLT2、アクセッション番号:P31639、GI:400337)を、哺乳類発現用pIRESpuro2ベクターにクローニングした(構築物:HA−SGLT2−pIRESpuro2)。
【0315】
HEK293細胞をヒトHA−SGLT2−pIRESpuro2ベクターでトランスフェクトし、バルク安定細胞株を0.5μg/mlのピューロマイシンの存在下で選択した。ヒトHA−SGLT2細胞を10%FBS、1%GPS、及び0.5μg/mlのピューロマイシンを含有するDMEM培地中で維持した。
【0316】
ヒトHA−SGLT2を発現するHEK293細胞を、10%FBS、1%GPS、及び0.5μg/mlのピューロマイシンを含有するDMEM培地中、384ウェルプレートに播種し(30000細胞/ウェル)、次に37℃、5%CO
2で一晩インキュベートした。細胞を次に、取り込みバッファー(140mM NaCl、2mM KCl、1mM CaCl
2、1mM MgCl
2、10mM HEPES、5mMトリス、1mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)、pH7.3)で洗浄した。試験化合物を含む、又は含まない取り込みバッファー20μLを細胞に添加した。次に、
14C−AMG(100nCi)を含有する取り込みバッファー20μLを細胞に添加した。細胞プレートを37℃、5%CO
2で1時間〜2時間インキュベートした。細胞を取り込みバッファーで洗浄した後、シンチレーション液を添加し(40μL/ウェル)、シンチレーションコールター(TopCoulter NXT;Packard Instruments)を使用して放射能を計数
することにより、
14C−AMG取り込み量を測定した。
【0317】
6.26.in vitroヒトSGLT1阻害アッセイ
ヒトナトリウム/グルコース共輸送体1型(SGLT1、アクセッション番号:NP_000334、GI:4507031)を、哺乳類発現用pIRESpuro2ベクターにクローニングした(構築物:HA−SGLT1−pIRESpuro2)。
【0318】
HEK293細胞をヒトHA−SGLT1−pIRESpuro2ベクターでトランスフェクトし、バルク安定細胞株を0.5μg/mlのピューロマイシンの存在下で選択した。ヒトHA−SGLT1細胞を10%FBS、1%GPS、及び0.5μg/mlのピューロマイシンを含有するDMEM培地中で維持した。
【0319】
ヒトHA−SGLT1を発現するHEK293細胞を、10%FBS、1%GPS、及び0.5μg/mlのピューロマイシンを含有するDMEM培地中、384ウェルプレートに播種し(30000細胞/ウェル)、次に37℃、5%CO
2で一晩インキュベートした。細胞を次に、取り込みバッファー(140mM NaCl、2mM KCl、1mM CaCl
2、1mM MgCl
2、10mM HEPES、5mMトリス、1mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)、pH7.3)で洗浄した。試験化合物を含む、又は含まない取り込みバッファー20μLを細胞に添加した。次に、
14C−AMG(100nCi)を含有する取り込みバッファー20μLも細胞に添加した。細胞プレートを37℃、5%CO
2で1時間〜2時間インキュベートした。細胞を取り込みバッファーで洗浄した後、シンチレーション液を添加し(40μL/ウェル)、シンチレーションコールター(TopCoulter NXT;Packard Instruments)を使用して放射能を計数
することにより、
14C−AMG取り込み量を測定した。
【0320】
6.27.IC
50値の算出
所与の標的に関する化合物のIC
50値は、レーベンバーグ・マルカート法(Levenburg Marquardt algorithm)を用いて、関連データを等式:
y=A+((B−A)/(1+((C/x)^D)))
(式中、Aはyの最小値であり、Bはyの最大値であり、CはIC
50値であり、Dは傾きである)に当てはめることにより求められる。IC
50値の算出は、Microsoft Excel用XLFit4ソフトウェア(ID Business Solutions Inc., Bridgewater, NJ 08807)(上記等式はこのソフトウェアのモデル205である)を使用して実行さ
れる。
【0321】
6.28.化合物のin vivoでの効果
本発明の化合物の薬理効果は、45%高脂肪食餌を絶ち、Nalgeneの代謝ケージに個々
に収容した、薬物処理した6匹のc57アルビノ雄マウス、ビヒクル処理した6匹のc57アルビノ雄マウスを用いて求めた。マウスには飲料水及び高脂肪食ペースト(2部の食餌に対して1部の水)を不断給餌で(ad libitum)与えた。
【0322】
化合物は2つの方法で送達された。第1の方法では、1日目に薬物又はビヒクルを5ml/kgの投与量でマウスに強制投与した。その後24時間、全尿量を代謝ケージのプラスチック製採尿器に採取した。マウスの体重、摂水量、摂餌量(ペースト中の水の蒸発を考慮する)、及び尿量を毎日測定した。尿を毎日採取して、遠心分離し、Cobas自動分析装置を用いてグルコース濃度に関して評価した。1日当たりに排泄されたグルコース量(mg)の最終結果を、総尿量及び尿グルコース濃度から算出した。
【0323】
第2の方法では、化合物は食餌中で送達された。これは基準体重及び基準摂餌量を考慮して、試験化合物を高脂肪食ペーストに適切な濃度で混合することにより行なわれた。薬物を含有するペーストを同様に毎日過度に与えた。1日当たりに送達された化合物の量を、動物の体重及び摂餌量を算出することで確認した。
【0324】
図1は本発明の4つの化合物(A、B、C、及びD)を、1回に30mg/kg経口投与した場合の、投与後24時間に排泄されたグルコースの量に対する効果を示している。比較としては、対照動物は24時間で約1mgのグルコースを排泄した。
【0325】
上記に引用される全ての刊行物(例えば、特許及び特許出願)は、その全体が参照により本明細書中に援用される。