特許第5701866号(P5701866)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000002
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000003
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000004
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000005
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000006
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000007
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000008
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000009
  • 特許5701866-使用者選択による薬用モジュール 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701866
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】使用者選択による薬用モジュール
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20150326BHJP
   A61M 5/28 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   A61M5/32 502
   A61M5/28 520
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-513584(P2012-513584)
(86)(22)【出願日】2010年6月1日
(65)【公表番号】特表2012-528638(P2012-528638A)
(43)【公表日】2012年11月15日
(86)【国際出願番号】EP2010057579
(87)【国際公開番号】WO2010139671
(87)【国際公開日】20101209
【審査請求日】2013年5月24日
(31)【優先権主張番号】61/183,459
(32)【優先日】2009年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】09009661.1
(32)【優先日】2009年7月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・アレキサンダー・デービス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ウィンペニー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・トマス・デ・ソースマレズ・リンテル
(72)【発明者】
【氏名】マルコム・スタンリー・ボイド
(72)【発明者】
【氏名】ナス・レカヤ
(72)【発明者】
【氏名】シモン・ルイス・ビルトン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・デイヴィッド・クロス
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−500150(JP,A)
【文献】 米国特許第03682174(US,A)
【文献】 特表平01−500803(JP,A)
【文献】 特表2002−542903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスに取り付け可能な薬用モジュールであって:
a.近位端及び遠位端を有するハウジング(10)であって、ここで、近位端は薬物送達デバイス(7)に取り付けるように構成されたコネクタを有する、該ハウジング(10);
b.薬剤を含んでなるハウジング(10)内のカプセル形状のリザーバ(31);
c.注射部位に投与中、軸方向に移動するように構成され、そして偶発的な針突き刺しのリスクを低下させ得る針ガードとして機能するように配置されたガード(42)
d.移動可能なセレクタ(40)、及び
e.カプセルの近位端と遠位端に位置する中膜を孔開けするように構成されてなる、ハウジング(10)の近位端に装着される近位の針カニューレ(5)及びセレクタ(40)に装着される遠位の針カニューレ(3);
を含んでなり、
ここで、セレクタ(40)は2つ又はそれ以上の所定の位置に移動できるように、セレクタ(40)がガード(42)に機能的に連結され、セレクタ(40)の位置は、
a.ガード(42)が軸方向に移動することを阻止され、そしてリザーバ(31)中の薬剤を投与することができない第一の位置;及び
b.ガード(42)は、軸方向に自由に動き、そしてリザーバ(31)中の薬剤を投与することができる第二の位置;
を含み、そしてハウジング(10)の近位端部分及びセレクタ(40)の部分が、カプセル(31)を保持するためのキャビティ(43)を画成し、そしてセレクタ(40)の第一の位置から第二の位置への移動はキャビティ体積を減少させ、その結果カプセル(31)はその近位と遠位の部分において近位の針カニューレ(5)と遠位の針カニューレ(3)で貫通される、
薬用モジュール。
【請求項2】
セレクタ(40)が、セレクタ(40)の移動を可能にする使用者に利用可能である1つ又はそれ以上の触覚機構を有する、請求項1に記載の薬用モジュール。
【請求項3】
セレクタ(40)が、リザーバ(31)に機能的に連結される、請求項1又は2に記載の薬用モジュール。
【請求項4】
セレクタ(40)位置が:
c.ガード(42)は軸方向に自由に動き、そしてリザーバ(31)中の薬剤を投与することができない第三の位置を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬用モジュール。
【請求項5】
ガード(42)は、リザーバ(31)からの薬剤を投与した後、軸方向に移動することを阻止される、請求項1〜のいずれか1項に記載の薬用モジュール。
【請求項6】
ガード(42)が軸方向に移動するとき、モジュール(4)の静止部分を係合するように構成された移動ロックを更に含んでなる、請求項に記載の薬用モジュール。
【請求項7】
キャビティ(43)の近位端及び遠位端は、第一及び第二の針カニューレと流体連通にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬用モジュール。
【請求項8】
セレクタ(40)が第一又は第三の位置にあるとき、流体経路がカプセル(31)をバイパスするキャビティ(43)内に画成される、請求項に記載の薬用モジュール。
【請求項9】
セレクタ(40)が第二の位置にあるとき、カプセル(31)が、第一及び第二の針カニューレと流体連通にある、請求項7又は8に記載の薬用モジュール。
【請求項10】
セレクタ(40)が第一又は第三の位置にあるとき、カプセル(31)が、第一又は第二の針カニューレと流体連通にない、請求項7〜9のいずれか1項に記載の薬用モジュール。
【請求項11】
リザーバ(31)が薬剤の単回投与量を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の薬用モジュール。
【請求項12】
単回投与インタフェースを通して機能的に、2つ又はそれ以上の薬剤を送達するために薬物送達システムであって:
a.ハウジング(10);
b.少なくとも1つの薬剤を含有する第一の薬剤の主リザーバ(11);
c.第一の薬剤の主リザーバ(11)に機能的に連結される用量ボタン(13);
d.請求項1〜11のいずれか1項に記載の薬用モジュール(4);
を含み、
ここで、リザーバ(31)の薬剤は第二の薬剤であり、用量ボタン(13)の単一作動が、該薬用モジュールの主リザーバ(11)からの第一の薬剤、及びリザーバ(31)からの第二の薬剤(2)を、セレクタ(40)が第二の位置にセットされるとき、薬剤投与インターフェースを通して放出させる、上記システム。
【請求項13】
主リザーバ(11)が液体の第一の薬剤を含む、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
用量ボタン(13)の単一作動は、第二の薬剤の非使用者設定可能用量を放出させる、請求項12又は13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一態様によると、本開示は、医療用デバイス、及び単回投与量設定機構及び単回投与インターフェースのみを有するデバイスを使用する分離リザーバから少なくとも2つの薬剤を送達する方法に関する。使用者により開始される単一送達方法は、第二の薬剤の非使用者設定可能な用量、及び第一の薬剤の変動可能に設定された用量を患者に送達される。薬剤は、それぞれを独立して(単一薬剤化合物)、又は事前混合した(共処方された多重薬剤化合物)薬剤をそれぞれ含む2つ又はそれ以上のリザーバ、容器、包装物で利用可能であり得る。具体的な態様によると、本開示は、使用者が第二の薬剤を投与するか、又は第二の薬剤をバイパスして、第一の薬剤をのみを投与するかを選択しなければならない薬用モジュールに関する。本発明は、特に、治療応答が、治療構成の制御及び規定を通して特定の対象患者グループに対して最適化できるところでは有利である。
【背景技術】
【0002】
ある疾病状態は、1つ又はそれ以上の異なった薬物を用いる処置を必要とする。ある薬剤化合物は、最適治療用量を送達するために、互いに特定な関係において送達される必要がある。この発明は、特に、組合せ治療が望ましいが、しかし、それらに限定されるわけではないが、安定性、複合化した治療実績、及び毒性学のなどの理由のために単一処方においては可能ではないところでは利点がある。
【0003】
例えば、ある場合において、長期間作用型インスリンで、及びプログルカゴン遺伝子の転写産物から誘導されるグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)で糖尿病を処置することが有益であるかもしれない。GLP−1は体内で見いだされ、そして消化管ホルモンのような腸管L−細胞により分泌される。GLP−1は、それ(及びその類似体)を、糖尿病の可能性のある処置として、徹底的な調査の主題となる数種の生理学的特性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2つ又はそれ以上の活性薬剤、又は「作用薬(agents)」を同時に送達するとき、多くの潜在的な問題点が存在する。2つの活性作用薬は、処方の長期間寿命の保存中、互いに相互作用するかもしれない。従って、活性成分を分離して保存し、そして、それらを送達の観点のみで、例えば、注射、針なし注射、ポンプ、又は吸入を組み合わせることは有利なことである。しかし、2つの作用薬を組み合わせる方法は、信頼性を持って、繰り返し、そして安全に実施するために使用者にとって簡単で、便利であることは必要である。
【0005】
更なる問題は、組合せ治療を構成する各々の活性薬剤の定量性、及び/又は、割合は、各々の使用者にとって、又は治療の異なった段階で変化することが必要となるかもしれないことである。例えば、1つ又はそれ以上の活性薬剤は、「維持」用量まで患者に徐々に導入するために滴定期間が必要となるかもしれない。更なる例は、一つの活性作用薬が調整できない固定用量を必要とする場合、一方、他の例は、患者の症状又は肉体的条件に対応して変化することである。この問題はこれらの事前混合された処方は、医療専門家又は使用者により変更できない活性成分の固定比率を有するものなので、多重活性作用薬の事前に混合された処方は適切でないかもしれないことを意味する。
【0006】
更なる問題は、多薬剤化合物の治療が必要となるところで発生する。何故ならば、その一薬剤送達システムをより多く用いることに、又は要求される用量の組合せの必要で正確な計算を行うことに、多くの使用者が対処できないことである。これは、器用さ又は計算上に困難性を有する使用者にとって、特に、真実である。ある環境において、薬物投与の前、デバイス、及び/又は、針カニューレのプライミング方法を実施することは、また、必要である。同様に、ある状況において、一薬剤化合物をバイパスし、そして、分離リザーバから単一薬物のみを投与することは必要であるかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、単一注射における2つ又はそれ以上の薬剤の送達用のデバイス及び方法、又は使用者にとって実施することが簡単な送達工程を提供するための強い必要性が存在する。一具体的な態様によると、本発明は 単一送達方法中、組み合わせのみ、及び/又は、その後、患者に送達する2つ又はそれ以上の活性薬物作用薬の分離された貯蔵容器を提供することにより上記の問題点を解決する。一薬剤の用量を設定することは、自動的に、第二の薬剤の用量(即ち、非使用者設定可能)を固定し、又は決定することになる。本発明は、また、一つ又は両方の薬剤の量を変化させる機会を与えることができる。例えば、一流体の量は、注射デバイスの性質を変化させることにより変更可能である(例えば、使用者に変更可能な用量をダイアル設定し、又はデバイスの「固定」用量を変更する)。第二の流体の量は、第二の活性作用薬の異なった体積、及び/又は、濃度を含む各々の変異体を有する包装体を含む様々な二次薬剤を製造することにより変更可能である。使用者又は医療専門家は、その結果、特別な治療計画に対する、最も適切な二次包装体若しくはシリーズ、又は異なった包装体のシリーズの組合せを選択するであろう。
【0008】
本発明は、また、2つのリザーバからの薬物が一緒に投与されるか否か、又は、非受け入れ可能な(即ち、注射することができない)プライミング用量として、又は唯一つの薬剤、又は一薬剤のみ受入れ可能な/注射用の用量としての一薬剤のみの送達を提供するために、モジュール中の二次薬剤がバイパスされるか否かを使用者に選択させることを可能にする薬用モジュールを提供し得る。
【0009】
これら及びその他の利点は、発明の次により詳細に示す記載から明らかになるであろう。
【0010】
本発明により解決されるべき一般的な問題は、薬剤の投与が改良された薬用モジュール及び薬物送達デバイスを提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一態様によると、本開示は、単一薬物送達システム内で、多薬物化合物の複雑な組合せを可能にする。本発明は、使用者に1つの単回投与量設定機構及び単回投与インターフェースを通して、多薬物化合物を設定し、投与することを可能にする。この単回投与量設定器は、個別の薬物化合物の事前に規定された組合せが、一薬剤の単回投与量が、単回投与量インターフェースを通して設定され、投与されるとき、送達されるようにデバイスの機構を制御し得る。
【0012】
用語、薬物投与インターフェースは、本開示の文脈において、好ましくは、2つ又はそれ以上の薬剤を、薬物送達システムへ排出し、そして患者に投与することを可能にするいかなるタイプの排出口でもよい。好ましい実施態様において、単一薬物投与インターフェースは中空の針カニューレを含む。
【0013】
例えば、個々の薬剤化合物間の治療上の関係を規定することにより、本発明の送達デバイスは、患者/使用者が、多入力に関連する固有のリスク無しで、多薬剤化合物デバイスから最適の治療組合せ用量を受け入れることを確実にするのに役立つであろう。ここで、使用者がデバイスを使用する度に、正しい用量組合せを、計算し、設定しなければならない。個々の薬剤の組合せは、好ましくは、少なくとも2つの異なった薬物作用薬を含み、ここで、各薬剤は、少なくとも1つの薬物作用薬を含む。薬剤は流体であってもよく、本明細書で規定する通り、液体又は気体、又は流動できる粉末であってもよく、そしてその形体を変化させようとする力が作用したとき、定常速度で、形体を変化させる粉末であってもよい。あるいは、薬剤の1つが、運ばれ、可溶化され、さもなくば別の流体薬剤で分散される固体であってもよい。
【0014】
この発明は、一具体的態様によると、器用さ、又は計算の困難性を有する使用者に特に有利であるかもしれないので、単一入力、及び関連する事前に規定された治療上のプロファイルは、使用者達の処方された用量を、使用者達がデバイスを使用する度に計算する必要性を取り除くことになり、単一入力は、かなり容易に、組合せ化合物の設定と投与を可能にする。
【0015】
好ましい実施態様において、多重用量内に含まれるインスリンなどの、マスターの又は主薬物化合物は、使用者の選択可能なデバイスは、単一用途で、使用者が代替可能な、二次薬剤の単回投与量及び単回投与インターフェースを含むモジュールと一緒に使用できる。二次薬剤は、GLP−1、又はインスリンとGLP−1を含む処方を含んでもよい。主デバイスに連結した場合、二次化合物は主化合物の投与のため、起動され/送達される。幾つかの実施態様に基づき、本発明は、具体的に、2つの可能性のある薬物の組合せとしては、インスリン、インスリン類似体、又はインスリン誘導体、及びGLP−1又はGLP−1類似体を記載するが、鎮痛剤、ホルモン、β−アゴニスト、又はコルチコステロイド、若しくは上記薬物の組合せなどの、他の薬剤又は薬剤の組合せも本発明と共に使用できよう。
【0016】
本発明の目的のために、用語「インスリン」は、インスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体、又はヒトインスリン若しくはヒトインスリン類似体若しくは誘導体を含むそれらの混合物を意味するものとする。インスリン類似体の実例は、制限なしで、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、又はDes(B30)ヒトインスリンである。ヒトインスリン誘導体の実例は、制限なしで、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0017】
本明細書で用いる、用語「GLP−1」は、GLP−1、GLP−1類似体、又はエキセナチド(エキセンジン−4(1−39)ペプチド配列:H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2);エキセンジン−3、リラグルチド、又はAVE0010(H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Ser−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−NH2)を、制限なしで、含むその混合物を意味するものとする。
【0018】
β−アゴニストの実例としては、制限なしで、サルブタモール、レボサルブタモール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、メシル酸ビトルテロール、サルメテロール、ホルモテロール、バムブテロール、クレンブテロール、インダカテロールがある。
【0019】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0020】
一実施態様において、本発明は、薬物送達デバイスに取り付け可能な薬用モジュール、例えば、単回又は多重用量薬物送達デバイスに関する。好ましくは、薬用モジュールは液体薬剤を含む。薬用モジュールはGLP−1を含んでもよい。薬用モジュールは、近位端及び遠位端を有するハウジングを含み、ここで、近位端は、薬物送達デバイスに取り付けるように構成されたコネクタを有する。薬物送達デバイスは、第一の薬剤の少なくとも一用量を含む主リザーバを収納できる。主リザーバは、第一の薬剤の多重用量を含んでもよい。薬用モジュールは、薬剤の少なくとも一用量を含む、以下に、また、第二リザーバと呼ばれているリザーバを含む。リザーバは、二次薬剤の単回投与量のみ含んでもよい。
【0021】
本発明の一実施態様において、近位端、遠位端及び外部表面を有するハウジングを含む薬物送達デバイスに取り付け可能な薬用モジュールが提供され、ここで、近位端は、薬物送達デバイスに取り付け可能に構成されたコネクタを有する。第一の針は、近位端において、薬用モジュール内で固定できる。第二の針は、遠位端において薬用モジュール内で固定でき、又は、具体的な実施態様によると、移動可能な針ハブ内に固定できる。薬物を含むハウジング内にリザーバがある。リザーバは、連結本体内の凹部で画成されてもよい。あるいは、リザーバは、カプセル、即ち、第二の薬剤の内蔵型シールリザーバで画成されてもよい。リザーバは、第一及び第二の針と流体連通するように構成される。好ましくは、リザーバは、薬物の単回投与量を含む。モジュールは、また、ガードを含む。ガードは、偶発的な針突き刺しリスク、並びに、針恐怖症を病む使用者の心配を低下させることができる針ガードとして機能するかもしれない。ガードは、好ましくは、注射部位に対して押されたとき、例えば、注射部位への投与中に、遠位及び近位方向で軸方向に移動するように構成される。好ましくは、モジュールが患者から取り除かれ、又は引き抜かれたとき、ガードは、その元の出発位置へ戻る。好ましい構成において、ガードは、更なる軸方向の移動を固定される。具体的な実施態様によると、ガードはハウジングに対して、機能的に連結される。
【0022】
軸方向への移動の後、ガードのロッキングは、当業者に公知の多くの方法で実施できるが、しかし、好ましい方法は、モジュール内に含まれる移動ロック又は摺動ロックの使用を含む。この移動ロックは、ガードは近位方向で軸方向に移動するとき、それが移動ロックと係合し(持ち上げ)、そしてその後、ガードが方向を逆転するとき(遠位方向に移動)、それが移動ロックをもたらすように構成される。ガードがその逆転移動を完了した時点で、移動ロックは、薬用モジュールの非移動部分に固定し、又はロックするようになり、一方ガードに係合した状態で残留している。これは、ガードをいずれかの方向における更なる軸方向への移動を阻止するものである。
【0023】
薬用モジュールは、また、モジュールの操作状態を調整するのに好適なセレクタを含んでもよい。本開示の第一の態様によると、モジュールの操作状態は、ガードの状態に依存する。第二の状態においてはガードがロックされるが、第一の状態においては、ガードは軸方向に移動可能であり得る。ガードの状態を調整するために、 セレクタはガードに機能的に連結する。本開示の第二の態様によると、モジュールの操作状態はリザーバの状態に依存する。第一の状態おいて、リザーバは分離してもよく、そしてリザーバ中の薬物は、投与することができない、例えば、リザーバは、薬物投与インターフェース、例えば、針カニューレと流体連通状態ではないかもしれないが、一方、第二の状態において、リザーバは、針カニューレなどの投与インターフェースと流体連通状態にあり、そして、その中の薬物は、投与することが可能である。リザーバの状態を調整するために、セレクタは、リザーバに機能的に連結する。具体的な実施態様によると、モジュールの状態は、ガードの状態及びリザーバの状態の両方に依存する。この場合、セレクタは、リザーバ並びにガードに機能的に連結する。それ故、モジュールは、使用者がセレクタを、好ましくは、回転により移動させ、その結果、好ましい実施態様においては内蔵型のカプセルであるリザーバ中の薬剤を、主薬剤と一緒に投与されることを可能にし、又は主薬剤をリザーバからバイパスすること、又は送達デバイスのプライミング機能を実施することを可能にするような方法で、ガードに機能的に連結するセレクタを含んでもよい。好ましくは、セレクタは、持ち上げられた表面、又は外側に突出する突起部、又は、2つ、3つ若しくはそれより多くの可能性のある設定の内の1つに、容易に、そして都合よく使用者にセレクタを移動させるよう設計された触覚機構のようなその他の機構を有する。セレクタは、また、セレクタの位置又は設定を示す表示器を有する。好ましくは、表示器は、ピップ、ノブ、ボタン、又はハウジングの外部表面を通して突出し、そしてセレクタの位置を使用者に視覚的に示すようなものであってもよい。それは、また、例えば、色又はシンボルを示す視覚的表示器、又は触覚的、聴覚的表示器であってもよい。
【0024】
好ましくは、セレクタは2つ又は3つの位置を有することができる。以下の説明は3つの位置のセレクタに対してである。第一の設定は、ガードがロックされ、そしてそれにより軸方向の移動が阻止され、そして、モジュール中のリザーバは分離され、例えば、分離リザーバに含まれる主薬剤は、例えば、モジュール中のリザーバの周囲の、又はその中を通した、又は独立の、迂回路を用いて取り付けられた送達デバイスをプライミングするために使用できるため、針カニューレと流体連通状態にはならない。セレクタの第二の位置又は設定は、ガードを軸方向に、例えば、モジュールの適用/押し付け中、注射部位に移動させる(用量ボタンが実際に起動されるか否かを問わず)ことを可能にする。この第二の位置の選択は、モジュールリザーバ中の薬剤を、中空の針カニューレのような用量投与インターフェースと流体係合の状態にする。針カニューレは、ハウジングの近位端に装着し得る。第三の位置は、また、針ガードを軸方向に移動させることを可能とするが、しかしリザーバ中の薬物を投与することを可能にはできない。この可能な第三の位置において、付着した薬物送達デバイスに位置する主リザーバからの薬剤は、モジュールリザーバをバイパスし、そして用量投与インターフェースを通して直接投与されるであろう。モジュールリザーバは液体薬剤を含んでもよい。
【0025】
本発明の薬用モジュールの別の好ましい構成において、セレクタはモジュールリザーバに機能的に連結され、それは既に述べた通り、好ましくは、内蔵型の、シールされ、そして殺菌された第二の薬剤の単回投与量を含むカプセルである。この第二の薬剤は、薬用モジュールが取り付けられるように設計される薬物送達デバイスにおける第一又は主薬剤と同一か、又は異なっていてもよい。好ましくは、セレクタが、使用者により、所定の位置(例えば、第一の位置)へ移動させられたとき、キャビティの体積減少により、用量送達中、カプセルから薬剤を放出することが可能となる導管により、カプセルをその上部及び底部で孔開けが起こるように、セレクタがカプセルを保持するキャビティの部分を画成する。好ましくは、導管は、カプセルの上部及び下部に位置する中膜を孔開けするように構成された薬用モジュールに確実に取り付けられた中空の針カニューレである。カプセルを孔開けする前に、導管は、カプセルをバイパスする流体流路を画成するために、上部及び底部とのみ流体連通状態にある。この流体流路、又はチャンネルは、送達デバイスのプライミング機能において、及び主薬剤のみの送達において使用される。このバイパスは、薬用モジュール内のリザーバ内で含まれる薬物と相互作用することなく、投与インターフェースに、主薬剤が流れるように設計された多数の手段により達成できよう。
【0026】
本発明は、また、2つ又はそれ以上の薬剤を単回投与インターフェースを通して送達するための薬物送達システムに関する。薬物送達システムは、少なくとも1つの薬物作用物、及び薬剤の主リザーバに機能的に連結した用量ボタンを含む薬剤の主リザーバを含む。主リザーバはインスリンを含んでもよい。薬物送達システムはハウジングを含んでもよい。システムは、また、主リザーバ及び薬用モジュールとの流体連通用に構成された単回投与インターフェースを有する。薬用モジュールは、主リザーバとの流体連通用に構成され、そして、近位端及び遠位端を含み、ここで、近位端は薬物送達デバイスのハウジングに取り付けるように構成されたコネクタを有する。好ましくは、モジュールは、第二の薬剤を含むシールされた第二リザーバを有する。好ましくは、第二リザーバは、第二の薬剤の単回投与量を含む。モジュールは、更に、モジュールが注射部位に適用されたとき、軸方向に移動するように構成されたガード、及びモジュールの操作状態を調整するためのセレクタを含む。好ましくは、セレクタは、主リザーバと機能的に連結する。セレクタは2つ又はそれ以上の所定の位置において設定可能である。用量ボタンの単一作動により、主リザーバからの薬剤及び第二リザーバからの第二の薬剤は、セレクタが所定の位置の1つにセットされたとき、投与インターフェースを通して放出することができる。あるいは、使用者により設定されたセレクタの位置に依存して、主薬剤のみ投与することができ(又は、システムをプライミングするために使用でき)、それ故、第二リザーバをバイパスする。システムは、更に、主リザーバに機能的に連結され、そしてハウジング内に含まれてもよい単回投与量の設定器を通して機能的であり得る。用量設定器により、主リザーバの薬剤の用量は設定でき、その後、用量ボタンの起動により投与できる。好ましくは、用量設定器は第二リザーバに機能的に連結される。更なる用量設定器が、この実施態様において利用できないので、第二の薬剤に関しては、非使用者設定可能用量が、用量ボタンの起動により投与される。
【0027】
発明の更なる態様は、一薬物の固定用量、及び出発位置、第二の位置、及び第三の位置、あるいは、出発位置がプライミングのみであり、第二の位置が組合せ送達である出発位置及び第二の位置のみに置くことができるセレクタを有する送達デバイスに薬用モジュールを取り付ける第一の工程を含む分離リザーバからの主薬剤の変更可能用量を投与する方法に関し、出発位置又は第一の位置におけるセレクタにより、使用者は主薬剤のみを用いて、そして第二の薬剤をバイパスして、用量送達デバイスをプライミングすることができる。プライミングの後、使用者は、セレクタの第二又は第三の位置を選択する。使用者は第一の薬剤の用量をまだ設定していなければ、使用者が、その後、単回投与量設定器を用いて、薬物送達デバイスの主リザーバ内に含まれている第一の薬剤の用量を設定する。セレクタが第二の位置に設置される場合、その後、使用者が用量ボタンを起動すると、主リザーバからの第一の薬剤の設定用量が遠位方向に移動し、そして同時に、単回投与インターフェース、好ましくは、中空注射針を通して、薬用モジュール内に含まれる第二リザーバからの第二の薬剤の非使用者設定用量(例えば、単回投与量)を本質的に全て強制設定する。第二リザーバは、シールされたカプセルであってもよい。送達方法の完了時に、本質的に全ての第二の薬剤が放出され、並びに、単回投与インターフェースを通して第一の薬剤の選択された用量が放出される。「本質的に全て」は、第二の薬剤の少なくとも約80%は、薬物送達デバイスから放出され、好ましくは、少なくとも約90%が放出されることを意味する。他方では、セレクタは、第三の位置にある場合、その後、第一の薬剤が薬用モジュール内の第二リザーバの周囲のバイパスチャンネル内に押し込まれ、そして第一の薬剤のみが投与される。目的をバイパスするために、流体経路は、セレクタが第一又は第三の位置にあるとき、カプセルをバイパスするキャビティ内に画成できる。いずれの状況においても、針ガードが上述のロッキング機構を通して第二の送達又は挿入を阻止することは好ましい。
【0028】
不連続のユニット又は混合ユニットとしての化合物の組合せは、一体針を経由して本体に送達される。これは、使用者の観点から、標準針を使用する現在利用できる注射デバイスに非常に緊密に合致する方法で実施できる薬物注射システムの組合せを提供することになる。
【0029】
本発明の薬用モジュールは、適切な互換性のあるインターフェースを有するいかなる薬物送達デバイスにも使用するよう設計することができる。しかし、非適合デバイスに対して、非適切な薬用モジュールの取り付けを阻止する専用の、又はコード化された機構の採用を通して、一専用主薬物送達デバイス(又は、デバイスのグループ)に対してその使用を限定するような方法でモジュールを設計することは好ましいかもしれない。ある状況においては、薬用モジュールは、一薬物送達デバイスに限定されるが、一方、また、標準薬物投与インターフェースのデバイスへの取り付けが可能となることを確実にすることは有益であるかもしれない。これは使用者に、モジュールが取り付けられるとき、組合せ治療を送達することを可能にするであろうが、しかし、また、主化合物の用量分割又はつぎ足し、それに限定されないが、のような状況において、標準的な薬物投与インタフェ−スを通して独立に主化合物の送達を可能にするであろう。
【0030】
薬物送達デバイスは、好ましくは、少なくとも1つの薬物作用薬、用量設定器、用量ボタン、及び送達機構を含む薬剤の主リザーバを含む。用量ボタンは、主リザーバに機能的に連結する。用量設定器は、主リザーバに機能的に連結する。送達機構は、回転可能ピストンロッド、好ましくは、2つの明確なネジ山を有する回転可能ピストンロッドを活用するいかなるタイプであってもよい。好ましい実施態様において、用量ボタンは、第一の薬剤の主リザーバにおいてピストンと係合するスピンドルに機能的に連結される。更なる実施態様において、スピンドルは、2つの明確なネジ山を有する回転可能なピストンロッドである。
【0031】
本発明の特別の利点は、薬用モジュールが、必要なとき、特に、滴定期間が特定薬物に対して必要であるところでは、用量レジームを調整することが可能となることである。薬用モジュールは、滴定を支援するために、特定の順番で、提供された薬用モジュールを使用することを患者に指示するような機構の美観設計、又はグラフ、番号付けなどの、それらに限定されないが、明確な差別化機構を有する多数の滴定レベルで提供される。あるいは、処方医師は、患者に、多数の「レベル1」滴定の薬用モジュールを提供し、そしてその後、これらが完了したとき、医師は次のレベルを処方するであろう。この滴定プログラムの重要な利点は、主デバイスが常に一定であることである。
【0032】
本発明の好ましい実施態様において、主薬物送達デバイスは、1回以上使用され、従って、多重使用であるが、薬物送達デバイスは、また、単一使用の使い捨てデバイスであってもよい。そのようなデバイスは主薬物化合物の代替可能なリザーバを有してもよく、有さなくてもよいが、しかし本発明は、両シナリオに対して同様に適用可能である。既に標準的な薬物送達デバイスを用いて患者に対して1回限りの追加の薬物適用として処方できる種々の条件に対する一連の異なった薬用モジュールを有することは可能である。患者が依然使用された薬用モジュールを再使用しようと試みるならば、本発明は、薬物の投与後、起動させるロッキング針ガード、又は患者にこの状況を警告する挿入を含む。使用者に警告する他の手段は、以下のいくつか(又は全て)を含んでもよい:
1.モジュールが使用され、取り外されたとき、薬用モジュールの主薬物送達デバイスへの再取り付けの物理的阻止;
2.薬物投与インターフェースを通した、それを使用したときの、後続液体流の物理的/水圧的阻止;
3.主薬物送達デバイスの用量設定器、及び/又は、用量ボタンの物理的ロッキング;
4.可視的警告(例えば、挿入、及び/又は流体流が発生したとき、モジュール上での表示窓内での色での変化、及び/又は、警告文/表示手段);
5.触覚的フィードバック(次に使用するモジュールハブの外部表面上での触覚機構の有無)。
【0033】
この実施態様の更なる機構は、両薬剤が1つの注射針と1つの注射工程を経由して送達される。これは、2つの分別した注射の投与と比較して、使用者工程の減少の観点より、使用者にとって都合のよい利点を提供する。この便利性の利点は、特に、注射が不愉快なものとみなす使用者、又は計算上又は機敏さに問題のある使用者にとって、また、処方治療の改良した順守をもたらす。
【0034】
本発明は、また、分離した主包装体に保存されている2つの薬物の送達方法を対象とする。薬剤が両者共液体であるかもしれない、あるいは、薬剤の1つ又はそれ以上が粉末、懸濁液、又はスラリであってもよい。一実施態様において、薬用モジュールは、それが薬用モジュールを通して注射されるとき、主薬剤中に溶解した、又は同伴した粉末薬剤で充填できよう。
【0035】
本発明の様々な態様のこれらの、並びに、その他の利点は、添付の図面を適切に参照して、次の詳細な記載を読むことにより、当業者には明白になるであろう。
【0036】
本発明の範囲は請求項の内容で規定される。本発明は、具体的な実施態様に限定されず、異なった実施態様の要素のいかなる組合せも含む。更にその上、発明は、請求項のいかなる組合せも、及び請求項で開示された特徴のいかなる組合せも含む。
【0037】
典型的な実施態様は、図面を参照して本明細書に記載される:
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明で使用できる可能性のある一薬物送達デバイスを説明する。
図2】薬用モジュールが薬物送達デバイスに取り付けられた使用者が設定可能なセレクタ機構を有する本発明の薬用モジュールの実施態様を説明する。
図3】バイパス構成において方向付けされた図2で示された薬用モジュールの実施態様の断面図を説明する。
図4】プライミング中、又は針ガードが軸方向に移動することができ、主薬剤のみ投与される場合の主薬剤の流路を説明する。
図5A】薬用モジュールリザーバが係合され、ガードが開放される第二の位置にセレクタが設置されるときの発明の一実施態様の断面図を説明する。
図5B】セレクタが、係合された薬用モジュールリザーバを備えた第二の位置に配置され、そこでガードが軸方向に移動して移動ロック及び固定ロックを係合するときの発明の一実施態様の断面図を説明する。
図5C】セレクタが、係合された薬用モジュールリザーバを備えた第二の位置に配置され、そこでガードが軸方向に反転移動し、そして、更なる軸方向の移動を固定するときの発明の一実施態様の断面図を説明する。
図6】環状流路分配器を有する本発明のカプセルの分解した実施態様を説明する。
図7】ベロー式支持構造及びバイパス羽根を備えたカプセルを説明する。
【0039】
好ましい実施態様によると、本開示の設備は、二次薬物化合物(薬剤)の固定の所定の用量、及び単一出量又は薬物投与インターフェースを通して主薬物化合物、又は第一の薬物化合物の変更可能な用量を投与する。使用者による主薬剤用量の設定は、好ましくは、一体型流路分配器を有するカプセル内に含まれる単回投与量である第二の薬剤の固定用量を自動的に決定する。好ましい実施態様において、薬物投与インターフェースは、針カニューレ(中空針)である。図1は本発明の薬用モジュール4(図2〜3参照)が遠位端32の連結手段9に取り付けることができる薬物送達デバイス7の一実例を示す。各薬用モジュールは、好ましくは、内蔵型であり、そして、デバイス7の遠位端32で、取り付け手段9と両立する取り付け手段8を有する、シールし、殺菌した使い捨てモジュールとして提供される。図示されていないが、薬用モジュールは、製造業者により、保護及び殺菌容器内に含まれて提供され、ここで、使用者は、シール又は容器それ自身を引き剥がし、又は裂き開いて、殺菌された薬用モジュールに接近できるようになる。いくつかの実例において、薬用モジュールのそれぞれの端部で、2つ又はそれ以上のシールを提供することは望ましいかもしれない。
【0040】
ネジ山、スナップロック、スナップフィット、ルアーロック、バイオネット、スナップリング、キースロット及びそのような連結手段の組合せなどの恒久的な、及び除去可能なあらゆるタイプの連結手段を含むいかなる公知の取り付け手段8も、選択された薬物送達デバイスに対して、薬用モジュールを取り付けるために使用できる。図2〜5は薬物送達デバイス7の遠位端32の連結手段9の実例としてのリブ又は可能性のあるネジ山と係合するスナップフィットとしての取り付け手段8を示す。図2〜5で示す実施態様は、カプセル31内に完全に含まれる単回投与量として、第二の薬剤2の利点を有し、それ故、第二の薬剤、及び薬用モジュール4の構造で使用される素材間の、具体的には、ハウジング10、又はモジュールの構造で使用されるその他のいずれかの部品間の非適合性のリスクを最小化する。
【0041】
再循環、及び/又は、投与操作の終了時にカプセル31内に残留するかもしれない停滞部により発生する第二の薬剤の残留体積を最小化するために、カプセル31のバイアル22部分内に含まれるフロー分配器23を有することは好ましい(図6参照)。バイアル、第二の薬剤及びフロー分配器は、上部及び底部中膜6a及び6bでシールすることができ、それはフェルール20a、20bを用いてカプセルは固定されるが、しかし、いかなるタイプのシールも使用できよう。好ましくは、フェルールはクリンプ形成できる素材で、最も好ましくは、アルミニウムのような金属から作られることである。好ましくは、フロー分配器23のデザインは、第二の薬剤の少なくとも約80%が針3の遠位端を通してカプセル31から放出されることを確実にすることである。最も好ましくは少なくとも約90%が放出されるべきである。第一の薬剤1のカプセル31を通して第一リザーバ11からの理想的な移動は、2つの薬物の本質的な混合なしで、第二の薬剤2を代替することである。
【0042】
薬用モジュール4の多用途薬物送達デバイス7への取り付けは、多用途デバイス7のカートリッジ11の遠位端をシールする中膜(図示されていないが)を貫通するためにモジュール4の近位端に位置する針5と係合させることになる。針の係合がカートリッジの中膜を通して起こるので、流体連通は、第一の薬剤1及び針5の間で作成される。この時点で、システムをプライミングすることができ、又は多用途デバイス7の用量は、用量設定器12(図1参照)を用いて、通常の方法で設定する(例えば、ユニットの適切な数をダイアル設定して、又は、単回投与量のみ可能な場合、デバイスをコック(栓)する)。セレクタ40が第二の位置に設定される場合、第一及び第二の薬剤の両者の投与は、その後、デバイス7上の用量ボタン13の起動を経て、皮下注射することにより達成される。発明に基づく用量ボタンは、デバイスの遠位端32に向かって移動するために用量設定器で設定される第一の薬剤の用量をもたらすいかなる起動機構であってもよい。好ましい実施態様において、用量ボタンは、第一の薬剤の主リザーバにおけるピストンを係合するスピンドルに機能的に連結される。更なる実施態様において、スピンドルは、回転可能なピストンであり、好ましくは、2つの明確なネジ山を含む。
【0043】
本発明の一実施態様において、薬用モジュール4は図2〜5で示される。これらの実施態様において、薬用モジュール4は、分離した第二のリザーバ、又は第二の薬剤2の固定単回投与量を含むカプセル31を含む。ある場合では、この第二の薬剤は薬物送達デバイス7における主薬剤化合物と同一又は異なっていてもよい2つ又はそれ以上の薬剤の混合物であってもよい。好ましくは、カプセルは、薬用モジュール内に恒久的に固定され、含まれ、そして第二の薬剤の、固定され、所定の用量を投与するよう設計されるが、しかし、ある場合には、モジュールをカプセルが、空のとき、除去され、そして新しいカプセルで代替できるように設計することは好ましいかもしれない。
【0044】
図2〜5で示す実施態様において、カプセル31は、第二の薬剤2用の、密閉してシールされ、殺菌されたリザーバを提供する孔開け可能な膜又は中膜6a、6bでシールされた端部を有する。主針又は係合針5は、モジュールのハウジング10に固定することができ、そしてセレクタ40が以下に記載する通り、所定の位置へ移動するとき、カプセル31に係合するように構成することができる。出力針3は、好ましくは、セレクタ40に装着され、そして、初期は、カプセル31の下部表面上に突出する。セレクタが所定の設定位置に移動するので、キャビティ43の体積が低下するとき、針3の近位端は下部膜6bを孔開けする。
【0045】
使用中、図1で示す薬用モジュールの多用途薬物送達デバイスへの取り付けにおいて、主針5は、デバイス7に含まれるカートリッジ11の中膜を貫通する。好ましくは、セレクタは、ハウジング10内に位置する管状部品であり、そして、カプセル31を保持する内部キャビティ43を部分的に画成する。針3は、セレクタ40の遠位端44部分に装着することができる。キャビティ43の上部はハウジング10の近位端部分で画成される。図3は、セレクタが第一、出発、又は中立位置において位置する送達デバイスに取り付ける薬用モジュールの切欠き図を示す。この中立位置において、キャビティ43は、最も大きい体積にあり、そして、針3及び5は、カプセル31内に含まれる薬剤2と流体連通していない。図7はカプセル支持機構50の1つの可能性のあるデザインを示す。これらのカプセル支持体は孔51を有するベロータイプの構造であってもよい。ベロー構造はキャビティ内に浮遊し、必要になるまで針3及び5による貫通を避けるカプセルを保持する。この非崩壊、又は浮遊状態において、第一の薬剤は、孔51を通して、バイアル22の周囲に、孔51に逆戻りし、針3の外に流動することができる。キャビティの体積が減少するとき、ベロー50が崩壊し、針が中膜を孔開けする必要を無くする。あるいは、カプセル支持体は、ハウジング10、セレクタ40、又はフェルール20a/20bの一部となり得る。バイアル22の周囲の、又はバイパスする流路は、カプセルに1つ又はそれ以上の羽根又はチャンネル52をバイアルの外側の下部に持つように構成することにより完成される。あるいは、ハウジング又はキャビティの内部壁は、それらに導入されたこれらの羽根又は流体チャンネルを有し、その後、バイアの外部壁は滑らかになる。
【0046】
しかし、送達デバイス7に装着されるモジュールの結果として、針5はカートリッジ11における主薬剤1と流体連通にある。針ガード42は、セレクタが第一又は出発位置にあるとき、軸方向の移動を阻止するためにロックされる。2つの位置セレクタが使用されるとき、その後、出発位置におけるガードはロックされないであろう。希望すれば、使用者は薬物送達デバイス7上の用量設定器12及び用量ボタン13を用いて、主薬剤1の少用量を設定することにより、図4で示すプライミング工程又は方法を実施することができる。方向矢印46は、カプセル31の周囲を、又はカプセル31をバイパスしてカートリッジ11から流動し、そして針3から排出する主薬剤1の小用量の流れを示す。使用者がセレクタを第三の位置3に設定し、薬剤1の処方用量を設定し、そして、その用量を注射し/投与する場合、主薬剤1のこの同様の流動経路は発生するであろう。
【0047】
既に述べた通り、セレクタ40が、中立又は出発位置にあるとき、針ガード42がロックされ、その結果、針3は注射部位に接近不可能であり、そして使用者は、薬剤1、又は薬剤1及び2のいずれの用量も送達できない。セレクタが第三の位置へ移動する場合(表示器41が位置3を示す図2参照)、ガード42が解放状態になり、そして軸の近位方向に自由に走行し、その結果、針3を曝露し、使用者にカプセル31中の薬剤1の用量を投与することを可能とするが、しかし薬剤2は投与できない。これは、セレクタを位置1から位置3へ移動させることが、キャビティ43の体積を変化させず、従って、カプセルを、針3及び5と流動係合することにはならない。換言すれば、カプセルの配置は、セレクタが位置1又は位置3にあるときと同様である。位置3において、使用者は図4で示す通り、薬剤1を備えたシステムをプライミングすることができ、そして、使用者が、薬物送達サイト上にガードを置き、そして、針3の遠位端を曝露するためにそれを近位方向で軸方向にガードを移動させるために押すことにより薬剤1の用量を送達することができる。キャビティ43は、薬剤1がカプセルの周囲を流れ、又はバイパスし、そして針3を通して直接排出することが可能であるようにカプセル31の周囲の流動チャンネルを画成するに十分大きいので、プライミングは可能である。あるケースにおいて、セレクタ内において、使用者が選択位置を選択しないことを阻止するロッキング機構を含むことは有利なことであるかもしれない。このロックアウト機構は、非可逆的戻り止め又はスナップロックを含む様々な方法で実施することができる。
【0048】
ガード又は安全シールド42は、偶発的な針突き刺しを防ぎ、及び/又は、針恐怖症を病む使用者が経験する心配を低下させるようないかなるデザインであってもよい。安全シールドの正確なデザインは、本発明には重要ではないが、しかし、以下に記載する通り、好ましいデザインは、セレクタが第二又は第三の位置にいるかどうかにかかわらず使用者に(又は、針3の使用)単回投与量の送達のみ阻止するものである。好ましくは、針ガードは、セレクタが出発位置又は位置1にあるとき、軸方向の移動が固定される。
【0049】
用量の送達中、セレクタが位置2又は3にあるとき、ガード42はハウジング10に対して近位的に移動し、又は摺動する。ガード42の近位的移動がモジュールハウジング内の弾性的な、又は付勢的な部材を起動し、又は負荷する。それは、好ましくは、圧縮スプリング48、又は1つもしくはそれ以上の柔軟性アームであり得る。ガードがその近位走行において起動点に到達すると、それが摺動ロック47を係合し、又は持ち上げる。起動点は、走行路に沿ったいかなる点であってもよく、好ましくは、走行時の終点である。安全性の理由のため、走行時の初期の移動点もしくは起動点は、ロッキングシステムが、針の先端が患者に突き通すや否や、起動することを確実にするためには有利なことであるかもしれない。用量送達の完了時に、及び患者の注射部位からモジュールを引き抜くとき、ガード42は、弾性部材(例えば、スプリング48)の力又は逆作用により、その軸方向の遠位的な経路移動を逆転するであろう。ガードが遠位的に移動するので、ロックが薬用モジュール4の非移動部分を係合するまで、それは移動又は摺動ロック47を運ぶであろう。図5Cで示す通りそのように係合したとき、ガードはその後、針3の再使用を阻止するため軸方向に移動することを阻止し、そして、偶発的な針突き刺しを防ぐため針を覆う。移動ロックの具体的なデザインは図2〜5で図示されるけれど、ロックのいかなるタイプも、移動するかしないかにかかわらず、本発明に有効であり、例えば、摺動O−リング、又は静止柔軟性フィンガ、又は「後退可能ボールペン」タイプの機構、又は溝に続くピンは、ガードが針を覆っている位置でロックされ、そして、用量送達ツールとして薬用モジュールを更に使用すること阻止する限り使用できよう。
【0050】
図5A〜5Cは、セレクタ40が位置2に配置されるときの薬用モジュールを図示する。この位置において、セレクタは近位方向で軸方向に移動し、そしてキャビティ43の体積を減少する。キャビティ43の体積は減少すると、カプセル31は、同様に、軸方向で近位方向に移動し、中膜6a及び6bの針5及び3とのそれぞれの係合を強制され、その結果、薬剤1、針5、薬剤2、及び針3の間の流体係合が形成される。キャビティ43の体積は減少すると、カプセル31は軸方向で近位方向に移動し、近位中膜6aの針5との係合を強制し、その結果、薬剤1と針5の間の流体係合を形成する。更にその上、キャビティ43の体積は減少すると、針3の遠位中膜6bとの係合が強制され、その結果、薬剤2と針3の間で流体係合が形成される。結果として、薬剤1、針5、薬剤2及び針3の間の流体係合が形成される。カプセル31並びに針3及び5のこの初期係合が図5Aに図示される。この時点で、セレクタが設定した位置2において、ガードは解放され、そして、用量送達のため、針3を曝露するために近位的に移動できる。しかし、針3及び5は、薬剤2と流体係合にあるので、システムは、薬剤2の偶発的な損失又は浪費なしで、プライミングすることができる。更に、セレクタが第二の位置へ移動するとき、キャビティ43の体積は減少したので、プライミングのために使用される流体のバイパスチャンネルは失われ、又は、最早、使用不可能である。図5B及び5Cは、セレクタが第二の位置にあるとき、モジュールの用量送達位置(送達中/針ガード移動中、及びその後)を図示する。図5Cは、ロッキング部材47がガードにおいてネジ溝49を係合することにより、第一の位置(図5B参照)から持ち上げられ、そしてそれがセレクタ40の遠位端44でロックする第二の位置(図5C参照)に持ってくることを図示する。ガードの移動及びロッキングは、セレクタが第二又は第三の位置にあるときと同様である。
【0051】
本発明の上記の実施態様のいずれにおいても、第二の薬剤は粉末固体状態、第二リザーバ又はカプセル内に含まれる、又は薬物送達インターフェースの内表面にコートされるいかなる流動状態であってもよい。特に、第二のリザーバは液体薬物を含んでもよい。薬物の固体形体の大きい濃度は、低い濃度を有する液体より小さい体積を占める優位性がある。これは、順に、薬用モジュールの欠量を低下させる。更なる利点は、固体形体の第二の薬剤は、液体形体の薬物より、潜在的により直接的にシールできることである。デバイスは、投与中、第一の薬剤により溶解された第二の薬剤を有する好ましい実施態様と同様の方法で使用されるであろう。
【0052】
上記の実施態様のいずれにおいても、システムは、初めに針ガードがロックされ、そして、バイパスが係合される2つの位置のみを有するので、第三の位置は除去できるであろう。この初期状態において、使用者は、デバイスをプライミングすることを催促されるが、しかし、主リザーバから投与される流体を注射することはできない。第二の位置は、カプセルが係合され、そして針ガードが開放される位置である。使用者は組合せ用量を受け入れ、そして、針ガードは、注射部位から取り外された後、ロックする。使用者に「主薬剤のみ」選択することを提案するのは望ましいことではないが、送達するための組合せの用量を選択することを催促するところで使用される好ましい実施態様の基本版である。
【0053】
薬物の投与中、薬用モジュール内のカプセルに含まれる第二の薬剤の主薬剤への拡散を最小化させるため、フロー分配器がカプセル内に含まれる。このフロー分配器は、また、システムからの第二の薬剤の効率的な排出を確実にし、そして、残留体積を大きく最小化させる。フロー分配器の1つの可能性のある実施態様は、環状ピンとして図6に図示する。環状ピン23はバイアル22内に位置し、そして第二の薬剤が、形状と2つ又はそれ以上の支持リブ24の位置で画成されるフローチャンネルに充填されるような構成になっている。フロー分配器(環状ピン)は、主薬剤及び第二の薬剤と両立するいかなる素材からでも構築できる。長期間貯蔵中、薬物と両立し得るいかなる素材も等しく適用可能ではあるが、好ましい素材は、 多重用量薬物カートリッジにおいて見出される中膜又はピストン(栓)を製造するために一般的に使用されるものであろう。フローチャンネルの形状は、寸法及び支持リブ24の数を変更することにより薬物のプラグ流に対して最適化できるであろう。フロー分配器とバイアルの壁の間に形成される環の断面積は、相対的に小さく保つべきである。第二の薬剤を貯蔵するのに利用できる体積は、カプセルの内部体積−フロー分配器の体積に等しいであろう。従って、フロー分配器の体積が、カプセルの内部体積よりわずかに小さい場合、第二の薬剤が占める小さい体積は残る。それ故、カプセル及びフロー分配器のスケールは、小体積の薬物を貯蔵中、大きくすることができる。この更なる利点は、薬物のため利用できる体積は、フロー分配器とそのハウジング間の体積の差異で規定されるので、外部カプセルの幾何学的形状は、薬物の体積で決定付けられないことである。小体積の第二の薬剤(例えば、50μL)の結果より、カプセルは、取扱い、輸送、製造、充填、及び組立に対して受け入れ可能なサイズであり得る。
【0054】
上記実施態様の薬用モジュール間の連結又は取り付けは、コネクタ、停止部、スプライン、リブ、ネジ溝、及び特定の薬用モジュールが薬物送達デバイスに適合するためのみに取り付け可能であることを確実にするデザイン機構などの追加の機構(図示されていないが)を含んでもよい。そのような追加の機構は、非適切な薬用モジュールを非適合の注射デバイスへ取り付けることを阻止するであろう。
【0055】
薬用モジュールの形状は、円筒形本体であってもよく、又は流体リザーバを画成するために、又は第二の薬剤の個別の内蔵型リザーバを含むために、及び1つ又はそれ以上の針カニューレを取り付けるために、好適な他のいかなる幾何学的形状であってもよい。第二リザーバはガラスから、又は他の薬剤接触に好適な素材から製造できる。一体化した注射針は、皮下注射、又は筋肉内注射に好適な針カニューレであり得る。
【0056】
好ましくは、薬用モジュールは、自立型で、及び無菌性を保持するためにシールされた分離デバイスとして薬物送達デバイスの製造業者より提供される。モジュールの殺菌シールは、好ましくは、薬用モジュールが使用者により薬物送達デバイスに前進し、又は装着されるとき、例えば、切断により、引き剥がしにより、ピーリングにより、自動的に解放されるよう設計される。注射デバイスの末端にある角度の付いた表面などの機構、又はモジュール内側の機構はシールのこの開放を支持できる。
【0057】
本発明の薬用モジュールは、多重使用注射デバイス、好ましくは、図1に図示するものと類似のペン型多重用量注射デバイスと連携して操作するように設計すべきである。注射デバイスは、再使用可能な、又は使い捨てのデバイスであってもよい。使い捨てデバイスにより、製造業者から得られた、薬物を事前負荷した注射デバイスを意味し、それは、主薬剤が放出された後、新しい薬物を再負荷することができない。デバイスは、固定用量の、又は設定可能な用量の、及び好ましくは、多重用量のデバイスであってもよいが、しかし、ある場合において、単回投与量の使い捨てデバイスを使用することは有利であるかもしれない。
【0058】
一般的な注射デバイスはカートリッジ又はその他の薬物リザーバを含む。このカートリッジは、一般的には円筒形状であり、そして、通常はガラスで作られている。カートリッジは、ゴム栓で一端を、そしてゴム中膜で多端をシールされている。注射デバイスは、多重注射を送達するよう設計される。送達機構は、一般的に、使用者の人力で動力を供給されるが、しかし、注射機構は、また、スプリング、圧縮ガス又は電気エネルギなどの他の手段で動力を受けられる。好ましい実施態様において、送達機構は、リザーバ内のピストンと係合するスピンドルを含む。更なる実施態様において、スピンドルは、2つの明確なネジ山を含む回転可能なピストンロッドである。
【0059】
薬用モジュールが薬物の単回投与量を含むある種の実施態様において、モジュールは、リザーバ中の単回投与量を患者に投与するため、モジュールは薬物送達デバイスに装着しなければならない。換言すれば、薬用モジュールは、自立型の注射デバイスとして使用できない。これは、モジュールが用量送達機構を含まず、その変わり、それが装着されなければならない薬物送達デバイス内に含まれる用量送達機構に依存するからである。
【0060】
本発明の典型的な実施態様が説明された。しかし、当業者は、変化と修正は請求項で規定される本発明の真の範囲と精神から離れることなくこれらの実施態様に対して実施でき得ることは理解するであろう。
【0061】
参照リスト:
1:第一の薬剤、主薬剤、薬剤;
2:第二の薬剤、二次薬剤、薬剤;
3:針、出力針;
4:薬用モジュール;
5:針、係合針、主針;
6a、6b:中膜;
7:薬物送達デバイス、デバイス;
8:取り付け手段;
9:ネジ山、連結手段;
10:ハウジング;
11:カートリッジ、主リザーバ;
12:用量設定器;
13:用量ボタン;
20a、20b:フェルール;
22:バイアル;
23:環状ピン、フロー分配器;
24:リブ;
31:カプセル、リザーバ、第二リザーバ;
32:遠位端;
40:セレクタ;
41:表示器;
42:ガード、針ガード、安全シールド;
43:キャビティ;
44:遠位端;
46:方向矢印;
47:摺動ロック;
48:圧縮スプリング;
49:ネジ溝;
50:ベロー、支持機構;
51:孔;
52:チャンネル、羽根(vane);
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7