(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ピストン部材を案内し、駆動するように構成されるスラストベアリングアセンブリ(12、20)で、ピストン部材が第一の軸方向に駆動されるとき、送達デバイスの媒体を投与するように構成されるリードスクリュー(6)を有するピストン部材を含んでなる、該スラストベアリングアセンブリ(12、20)であって、
・リードスクリュー(6)を案内するように構成される通路(28)を含んでなるスラストベアリング手段(20);及び
・リードスクリュー(6)を駆動し、そしてスラストベアリング手段(20)の中に嵌入、又はその上に外嵌し、一方スラストベアリング(20)に対して回転可能であるように構成される回転駆動手段(12);
を含んでなり、ここで、
スラストベアリング手段(20)は、リードスクリュー(6)を第一の軸方向に駆動しているとき、回転駆動手段(12)の軸方向の運動を制限するスラスト面(24)を含んでなり、
回転駆動手段(12)は、回転駆動手段(12)の回転運動をリードスクリュー(6)の回転運動に結合させるように適合され、
通路(28)の内面及びリードスクリュー(6)の外面は、リードスクリュー(6)が回転駆動手段(12)により駆動されるとき、リードスクリュー(6)の回転がリードスクリュー(6)の軸方向の運動を調整することを可能にするように設計され、そして
リードスクリュー(6)を、それの軸方向の位置に依存して、回転しながら調整するための、スラストベアリング手段(20)から提供されるガイドウエイ(30)が、ガイドウエイ(30)が捻じれた経路に沿ってリードスクリュー(6)に固定されるように形成される、
上記スラストベアリングアセンブリ(12、20)。
スラストベアリング手段は、一体化されるとき、送達デバイスの軸方向に沿って伸びるベアリング表面を含んでなり、そして回転駆動手段は、スラストベアリング手段のベアリング表面に対して、対応するベアリング表面を含んでなる、請求項1又は2に記載のスラストベアリングアセンブリ(12、20)。
スラストベアリングアセンブリ(12、20)は、回転駆動手段とスラストベアリング手段のスラスト面の間に位置し、回転駆動手段の回転ベアリングを提供する環状ベアリングレースを更に含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスラストベアリングアセンブリ(12、20)。
通路(28)の内面及びリードスクリュー(6)の外面は、リードスクリュー(6)が完全に後退した位置から、回転駆動手段(12)により完全に伸びた位置に動くとき、リードスクリュー(6)の回転を、リードスクリュー(6)の最大二フル回転を可能にするように設計される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のスラストベアリングアセンブリ(12、20)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
薬物送達デバイスのためのより簡単で、そしてコンパクトな配置に対する必要性は存在し、ここで配置は上記問題点を取り除き、又は少なくとも低下させ、そして、特に、そのような上記で説明した先行技術で記載された形状のキャビティなしで薬物送達デバイスにおいて使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ピストン部材が第一の軸方向に駆動されるとき、送達デバイスの媒体を投与するためにリードスクリューを有するピストン部材を案内し、駆動するためのスラストベアリングアセンブリを提供する。スラストベアリングアセンブリは、送達デバイスに一体化するためのスラストベアリング手段、リードスクリューを案内するための通路(passageway)、及びリードスクリューを駆動し、そしてスラストベアリング手段内に、又はその上に適合し、一方スラストベアリングに対して回転可能である回転駆動手段を含む。更に、スラストベアリング手段は、第一の軸方向においてリードスクリューを駆動するとき、回転駆動手段の軸方向の運動を制限するスラスト面を含む。
【0009】
更にその上、本発明によると、上記で記載した通り、本発明に記載のスラストベアリング及びリードスクリューを含むドライブトレーンが提供され、それは、リードスクリューが第一の軸方向に駆動するとき、送達デバイスの媒体の投与のためにスラストベアリングアセンブリにより、案内され、駆動される。
【0010】
また、上記で記載したドライブトレーン及び主ハウジングを含む薬物送達デバイスが提供される。
【0011】
その上、薬物送達デバイスにおける本発明に記載のスラストベアリングアセンブリの使用が提供される。
【0012】
更に、本発明に記載のスラストベアリングアセンブリを含む薬物送達デバイスを組立てる方法が提供される。
【0013】
更に、本発明は、注射デバイスにより媒体を注射する方法を提供し、ここで、回転駆動手段がその中に、又はその上にフィットするスラストベアリングに対して、回転駆動手段は回転し、それにより、注射デバイスのリードスクリューを、第一の軸方向に駆動し、そして、送達デバイスの媒体を投与し、ここで、スラストベアリング手段のスラスト面が回転駆動手段の軸方向の運動を制限し、第一の軸方向におけるリードスクリューを駆動することになる。
【0014】
本発明の好ましい実施態様は従属項で記載される。
【0015】
ピストン手段を動かすことにより、媒体が放出される媒体送達デバイスにおいて、反対方向の力を取るスラストベアリングを提供し、その結果、排出方向にピストンを動かすだけでなく、ピストンロッドを圧迫させるピストン手段を案内し、駆動する機能を完遂する、簡単で、コンパクトなモジュールを提供できることが、本発明の利点である。
【0016】
その簡単でコンパクトな形状のため、本発明に記載のスラストベアリングアセンブリは、薬物送達デバイスと関連した特別の構成又は環境のために発生するかもしれない特別の必要条件に容易に適合できる。
【0017】
例えば、先行技術と比較して、本発明によると、薬物送達デバイスハウジングにおいて、上記で記載した通り、ハウジングの凹部にナットを置くとき、許容差を維持することは必要ではない。その一方、本発明に記載のスラストベアリングデバイス及び回転駆動手段は、ピストン手段の運動挙動を調節するとき、例えば以下に詳細に説明するスパイラルコーティングを有するスラストベアリングアセンブリを提供するとき、より可撓性を与える。
【0018】
本発明の一つの態様によると、回転駆動手段は、リードスクリューの回転運動を有する回転駆動手段の回転運動を連結するように適合できる。リードスクリューを駆動するための回転駆動手段は、リードスクリューのネジ山に係合するように適合されたリードスクリューナットとして形成できる。
【0019】
本発明の別の態様によると、スラストベアリング手段は、その中に一体化されたとき、送達デバイスの軸方向に沿って伸びるベアリング表面を含むことができ、そして、回転駆動手段は、スラストベアリング手段のベアリング表面に対して対応するベアリング表面を含むことができる。
【0020】
さらに別の態様によると、スラストベアリング手段のベアリング表面は、回転駆動手段の軸方向の運動を制限するためのスラスト面を含む軸方向のカラーで終結できる。
【0021】
スラストベアリングアセンブリは、また、回転駆動手段のための回転ベアリングを提供するために、回転駆動手段とスラストベアリング手段のスラスト面の間に位置する環状ベアリングレースを含むことができる。
【0022】
本発明の一つの典型的な実施態様によると、通路はリードスクリューの回転を阻止するように設計できる。
【0023】
この実施態様において、通路の内面及びリードスクリューの外面は、通路の内面がリードスクリューの回転を阻止するよう設計するように、スラストベアリングアセンブリは構成できる。
【0024】
更にその上、通路の内面及びリードスクリューの外面の両者は、リードスクリューの回転を阻止するため、互いに位置する少なくとも一つの平坦表面を含む。
【0025】
本発明の別の実施態様によると、通路は、リードスクリューの回転を可能とするよう設計され、ここで、防止手段は、スラストベアリング手段に対するリードスクリューの回転運動を制限するために提供される。
【0026】
そのような実施態様において、防止手段がリードスクリュー及びハウジング手段と連結するように構成できる。リードスクリューが完全に後退した位置から、完全に伸びた位置へ動いたとき、防止手段は、スラストベアリング手段に対するリードスクリューの回転運動をリードスクリューの最大一フル回転を可能にするように設計できる。
【0027】
本発明のこの実施態様の一態様によると、通路の内面は、リードスクリューの回転を、同物の軸方向の位置に依存して、回転しながら調整するためにリードスクリューに固定されたスパイラルコーティングを含む。
【0028】
本発明の実例によると、回転駆動手段がスラストベアリングの外側を進行することができ、それがスラストベアリングの直径の低下、及びそれが装着されているデバイス長さ及び直径の低下を可能とする。スラストベアリングの直径の低下は、動力消費量の観点よりデバイスの効率を改良し、そして、これが、デバイスがバッテリにより動力を受けるところでは、特に、重要である。スラストベアリングが相対的に高価な素材で作られるが、また、部材数が低下し、そして、組立の容易さが改善するので、素材のコスト節約が存在する利点がある。
【0029】
本発明の実例によると、ピストン部材が第一の軸方向において駆動されるとき、送達デバイスの媒体を投与するためにリードスクリューを有するピストン部材を案内し、及び駆動するためのスラストベアリングアセンブリが提供され、スラストベアリングアセンブリは:
・送達デバイスに一体化され、そしてリードスクリューを案内するための通路を含むスラストベアリング手段;
・リードスクリューを駆動し、そしてスラストベアリング手段に嵌入、又はその上に外嵌し、一方スラストベアリングに対して回転可能である回転駆動手段;
を含み、ここで、スラストベアリング手段は、第一の軸方向にリードスクリューを駆動するとき、回転駆動手段の軸方向の運動を制限するスラスト面を含む。
【0030】
本発明の例によると、回転駆動手段は、回転駆動手段の回転運動をリードスクリューの回転運動と連結するように適合される。リードスクリューを駆動するための回転駆動手段は、リードスクリューのネジ山と係合するように適合されたリードスクリューナットとして形成できる。
【0031】
本発明の例によると、スラストベアリング手段は、その中に一体化されたとき、送達デバイスの軸方向に沿って伸びるベアリング表面を含む。また、回転駆動手段は、スラストベアリング手段のベアリング表面に対して対応するベアリング表面を含むことができる。
【0032】
本発明の例によると、スラストベアリング手段のベアリング表面は、回転駆動手段の軸方向の運動を制限するためのスラスト面を含む軸方向のカラーで終結する。
【0033】
本発明の例によると、スラストベアリングアセンブリは、更に、回転駆動手段用の回転ベアリングを提供するために、回転駆動手段とスラストベアリング手段のスラスト面の間に位置する環状ベアリングレースを含む。
【0034】
一般的に、本発明によると、ピストン手段は、ピストンロッドであってもよい。 更に、ピストン手段は、ピストンロッド、及びピストンロッドと一緒に一部材として形成されるピストンを含む。特に、ピストン手段は、ピストンロッドを形成する縦部分及びピストンを形成する脚部分を含むL形状手段として形成できる。
【0035】
本発明の実例によると、通路の内面、及びリードスクリューの外面は、通路の内面がリードスクリューの回転を阻止するように設計される。この点に関しては、通路の内面、及びリードスクリューの外面の両者は、リードスクリューの回転を阻止するために、互いに位置する少なくとも一つの平坦表面を含む。
【0036】
本発明の更なる例によると、通路の内面、及びリードスクリューの外面は、リードスクリューの回転が、それが回転駆動手段で駆動するとき、リードスクリューの軸方向の運動を調節することを可能にするよう設計される。この点に関して、通路の内面、及びリードスクリューの外面は、リードスクリューが完全に後退した位置から、回転駆動手段により完全に伸びた位置へ動くとき、リードスクリューの回転が、リードスクリューの最大二フル回転を可能にするように設計できる。更に、通路の内面は、同物の軸方向の位置に依存して、回転しながら調整するためのリードスクリューに固定されたスパイラルコーティングを含むことができる。
【0037】
本発明のこれらの実施態様において、一般に、本発明のスラストベアリング及びはめ込み式の駆動機構の特徴は組み合わせることができる。
【0038】
本発明の別の態様によると、本発明の実施態様に基づくスラストベアリングアセンブリを含むドライブトレーンが提供され、ここで、そのリードスクリューは、リードスクリューが第一の軸方向において駆動されるとき、送達デバイスの媒体を投与するためにスラストベアリングアセンブリにより案内され、駆動される。
【0039】
本発明の別の態様によると、薬物送達デバイスにおける本発明の実施態様に基づくスラストベアリングアセンブリの使用が提供される。
【0040】
本発明の別の態様によると、本発明の実施態様に基づくスラストベアリングアセンブリを含む薬物送達デバイスを組立てる方法が提供される。
【0041】
本発明の別の態様によると、注射デバイスによる媒体を注射する方法が提供され、ここで、回転駆動手段が、その中に、又はその上に適合するスラストベアリングに対して回転し、それにより、注射デバイスのピストン部材を、第一の軸方向に駆動し、そして、送達デバイスの媒体を投与し、ここで、スラストベアリング手段のスラスト面が回転駆動手段の軸方向の運動を制限し、第一の軸方向におけるピストン部材の駆動をもたらし、又は回転のみがピストン部材の軸方向の運動を調節することを可能にし、第一の軸方向においてピストン部材を駆動させることになる。
【0042】
本発明は、今、添付の図面を参照して、例のみで説明する:
【発明を実施するための形態】
【0044】
次の詳細な説明において、図と関連して説明する実施態様と共通して機能的に同等の部材は、同一参照番号を付け、ここで、そのような同一部材を繰り返し説明することはできるだけ避けられる。
【0045】
図1を参照して、スラストベアリング22及び回転駆動手段12を含む、本発明の実施態様に基づくスラストベアリングアセンブリを示す。回転駆動手段は、リードスクリュー6を含むピストン手段と連結する。
【0046】
リードスクリュー6は、
図2〜4で最も明確に示す通り、ピストン8を駆動させるためのものである。
図1において、ピストン手段は、リードスクリュー6を形成する縦部分、及びピストンを形成する脚部分を含むL形状手段として形成される。しかし、あるいは、ピストン手段は、
図6〜9で示す対称的に置かれた脚部分を含むことができる。
【0047】
図1で示す実施態様において、回転駆動は、リードスクリューナット12として構成される。しかし、回転駆動手段の形体は、そのような形体に限定されない。例えば、更なる実施態様において、回転駆動手段は摩擦結合により、リードスクリュー6と連結できる。
【0048】
スラストベアリング22は、リードスクリュー6を案内するための通路29を形成する内部壁表面28を含む。
図1で示す実施態様において、リードスクリュー6は、非円形の断面を有し、ここで、スラストベアリング20の通路29はリードスクリュー6に固定され、そしてここで、リードスクリューナット12として構成される回転駆動手段12は、リードスクリュー6とネジ山付き係合される。通路29は、例えば、
図4で示す通り、ネジ山付きリードスクリュー6用のガイドウエイ30を形成する平坦内面として形成できる。そのような構成において、ガイドウエイ30は、リードスクリュー6とガイドウエイ30の間の相対的回転を阻止するため、リードスクリュー6の断面形状が決められる。しかし、更なる実施態様において、スラストベアリング手段20は、リードスクリュー6とネジ山付き係合ができ、ここで、回転駆動手段12はリードスクリュー6とネジ山付き係合せず、固定されている。
【0049】
また、
図1で示す通り、スラストベアリング手段20は、リードスクリューナット12を支え、そしてリードスクリューナット12用のベアリング表面を提供するベアリング表面26を含む。スラストベアリング手段が
図2〜5で示す通り、薬物送達デバイス10の軸方向に沿って薬物送達デバイス10に一体化されるとき、ベアリング表面26は伸びる。それに応じて、リードスクリューナット12は、スラストベアリング手段のベアリング表面26に対して、対応するベアリング表面を含む。
【0050】
図1に示す実施態様において、回転駆動手段12は、回転駆動手段12の内側ブッシュベアリングとして構成されるスラストベアリング手段20上に適合するよう構成されるが、ここで、ベアリング表面26は、スラストベアリング手段の外壁表面26として構成され、本発明に記載のスラストベアリング手段は、そのような構成に限定されない。あるいは、スラストベアリングは、外殻として構成することができ、ここで、回転駆動手段は、スラストベアリングである外殻内に適合される。
【0051】
リードスクリューナット12を支持するスラストベアリング20は、本質的に、ラジアルカラー24で終結する円筒部分23を含む。環状ベアリングレース32は、リードスクリューナット12用のスラストベアリング表面を提供するため、スラストベアリング20のカラー24上に位置する。別の実施態様によると、回転駆動手段は、その間に置かれる環状ベアリングレースなしで、スラストベアリング手段20のラジアルカラー24に直接接合する。しかし、環状ベアリングレース32は、スラストベアリングアセンブリが操作状態にあるとき、及び回転駆動手段が、スラストベアリング手段20上で回転するとき、回転駆動手段12に対して、摺動するためのより良好な特性を提供できる。
【0052】
ピストン手段又はリードスクリュー6がリードスクリューナット12により如何にして駆動されるかを示す実例としては、
図3〜5において最も明快に理解でき、それは薬物送達デバイス10に組み込まれた本発明に記載のスラストベアリングアセンブリを示す。
図3〜5で示す例によると、薬物送達デバイス10は、その中に、代替可能な薬物カートリッジ4、薬物を放出させるために使用する薬物カートリッジ4内でピストン8を駆動するためのリードスクリュー6形状のピストン手段、及びピストン手段を駆動させるためのリードスクリューナット12の形状の駆動手段を含む多数の部材が位置する主ハウジング2を含む。動力源(図示されていないが)も、また、駆動手段に動力を与えるために提供できる。薬物送達デバイス10は、また、操作、及び/又は、薬物送達デバイスの使用に関連するある情報が、使用者に連絡できるディスプレを含んでもよい。
【0053】
中央制御ユニット、又はマイクロプロセッサ(図示されていないが)もまた、薬物送達デバイス10の操作を制御するために、及びディスプレ上に出現する情報の特質を決めるために提供できる。
【0054】
モータ(図示されていないが)は、リードスクリュー6を駆動するために、リードスクリューナット12、及び更に、駆動エレメント(図示されていないが)を含むドライブトレーンを経由して連結される。リードスクリュー6は、リードスクリューの軸方向に伸びる反対側の平坦な側面に配置されているけれど、一般的には円形部分を有する。リードスクリュー6の残りの側面は、スクリューネジ山18を運ぶ。
【0055】
スラストベアリング20は、リードスクリューナット12を支え、そしてラジアルカラー24で終結する実質的に円筒形部分23を含む。ベアリング20は、リードスクリューナット12のためのベアリング表面を提供する外壁表面26を含み、そして反対側の平坦内部壁表面28は、ネジ山付きリードスクリュー6用のガイドウエイ30を形成する。
【0056】
図示された例によると、ガイドウエイ30は、リードスクリュー6とガイドウエイ30の間の相対的回転を阻止するためリードスクリュー6の断面形状が決められ、ここでリードスクリューナット12は、リードスクリュー6に対して回転することが許される。ドライブトレーンにおいて他のエレメントにより駆動されるとき、リードスクリュー12のドライブトレーンにおける回転により、ガイドウエイ30に基づく回転が不可能なリードスクリュー6は、それを通して作られる。リードスクリューナット12の回転方向を制御するこの方法において、リードスクリュー6は、薬物を放出するために代替可能薬物カートリッジ4内で前進するか、又は代替可能薬物カートリッジ4のその後の挿入を支援するために後退してもよい。
【0057】
図6及び7を参照して、本発明に記載のスラストベアリングアセンブリの第一の実施態様が詳細に示される。
図6及び7からわかる通り、回転駆動手段で駆動するリードスクリュー6は、非円形断面を有し、そして外部ネジ山40を含み、それはスラストベアリング手段20の内壁上に提供される内部ネジ山41とネジ山付き係合にある。従って、この第一の実施態様に基づき、リードスクリュー6はスラストベアリング20とネジ山付き係合にある。回転駆動手段12の内壁が、リードスクリュー6の断面に対応した非円形断面を形成するので、回転駆動手段は、リードスクリュー6に固定される。従って、リードスクリュー6は、回転駆動手段12に対して回転することが可能ではない。更に、スラストベアリング手段20及びリードスクリュー6が、互いにネジ山係合にあるので、リードスクリュー6は、薬物送達デバイスに組み込まれたスラストベアリング手段が操作されるとき、軸方向に駆動できる。そのような機能を提供するために、スラストベアリング手段は、薬物送達デバイスに回転可能ではなく、固定されている。この理由のために、スラストベアリング20は、薬物送達デバイスのハウジング2内でのスラストベアリング手段20の非回転固定化のためのクリップ手段42を含む。
図6及び7で示すスラストベアリングの内壁28が、リードスクリュー6が回転駆動手段12により駆動するとき、軸方向でリードスクリュー6を案内する通路として機能することを留意する必要がある。
【0058】
更に、回転駆動手段は、回転駆動手段12を回転し、リードスクリュー6を駆動することにより、回転駆動手段を回転させるためドライブトレーンの部分と連結する外部ギア付きリング43を含む。回転駆動手段12の回転は、回転駆動手段12のギア付きリング43と連結するモータ(図示されていないが)により達成できる。あるいは、回転駆動手段12の回転は、手動で、例えば、外部ハウジングが、使用者により手動で回転可能である薬物送達デバイスの外部ハウジングの部分と連結したとき、達成できる。この点に関して、本発明に記載の回転駆動手段は、ギア付きリングを経由して駆動する回転駆動手段に限定しないことに留意する必要がある。例えば、回転駆動手段は、薬物送達デバイスのハウジングの回転可能ハウジング部分と直接連結できる。別の選択肢として、回転駆動手段12は、外部摩擦結合部分を含むことができる。
【0059】
図8及び9を参照して、スラストベアリングアセンブリの第二の実施態様は、より詳細に示される。リードスクリュー6は、回転駆動手段12とネジ山付き係合にある。更に、スラストベアリング20の内壁は、リードスクリュー6がガイドウエイ30に固定されるようにガイドウエイ30として構成される。
図8及び9から判明する通り、第二の実施態様に記載のスラストベアリングデバイスは、
図6及び7で示す第一の実施態様と比較して、スパイラルの形状を有するリードスクリュー6を駆動するように適合される。従って、スラストベアリング手段20から提供されるガイドウエイ30は、ガイドウエイ30が捻じれた経路に沿ってリードスクリュー6に固定されるように形成される。本発明の一の実施態様によると、スラストベアリング20は、スパイラルリードスクリュー6を案内する捻じれたガイドウエイ経路30を形成するスパイラルコーティングを含むことができる。第二の実施態様によると、回転駆動手段12が回転するとき、リードスクリュー6は、ガイドウエイ30に沿って案内される軸方向に作られる。リードスクリュー6及び捻じれたガイドウエイ30のスパイラル形状のため、リードスクリュー6が軸方向に作られるとき、リードスクリュー6は、その縦軸に沿って回転運動を実施する。従って、第二の実施態様によると、リードスクリュー6は、同物の軸位置に依存して回転しながら調節できる。
【0060】
本発明に記載のスラストベアリングは、薬物送達デバイス用のスラストベアリングに関連して具体的に説明したが、それは、また、より一般的な応用、特に、リードスクリューに対して小さいサイズ、そして改良された手引きなどの特性が著しい分野に応用されることは理解されるであろう。
【0061】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチ性の治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0062】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0063】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0064】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2配列のペプチドを意味する。
【0065】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0066】
又は以下の配列のエキセンジン−4案内体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,
Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0067】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0068】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0069】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na
+、又は、K
+、又は、Ca
2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0070】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。