特許第5701871号(P5701871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5701871注射デバイス用の駆動機構及びそのような駆動機構を有する注射デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701871
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】注射デバイス用の駆動機構及びそのような駆動機構を有する注射デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20150326BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   A61M5/315
   A61M5/24
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-520023(P2012-520023)
(86)(22)【出願日】2010年7月14日
(65)【公表番号】特表2012-532721(P2012-532721A)
(43)【公表日】2012年12月20日
(86)【国際出願番号】EP2010060127
(87)【国際公開番号】WO2011006925
(87)【国際公開日】20110120
【審査請求日】2013年7月9日
(31)【優先権主張番号】09009214.9
(32)【優先日】2009年7月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジョーンズ
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−245852(JP,A)
【文献】 特表昭58−500102(JP,A)
【文献】 特表2007−511252(JP,A)
【文献】 特表2003−533288(JP,A)
【文献】 特開平06−007440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
A61M 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストン(26)が、薬剤を含む薬剤カートリッジ(12)に対して第一の軸方向に連続して移動して、薬剤カートリッジ(12)の第一の端部(14)を密閉する栓(18)を薬剤カートリッジ(12)内に、選択的に駆動して、薬剤を薬剤カートリッジ(12)の第二の端部(15)に位置する送達部材(16)を通して放出する、注射デバイス用駆動機構(10)で、
基礎部材(20);
基礎部材(20)に対して固定された第一の駆動部材(22);
第一の駆動部材(22)に対して軸方向にそして回転可能に可動の第二の駆動部材(24)、及び第一の駆動部材(22)及び第二の駆動部材(24)に対して軸方向に可動のピストン部材(26);
を含んでなる、注射デバイス用駆動機構(10)であって:
第一の駆動部材(22)及びピストン部材(26)に対して回転の第一の方向への第二の駆動部材(24)の回転が、第二の駆動部材(24)を、第一の駆動部材(22)に対して第一の軸方向に移動させ、そしてピストン部材(26)を、第一の駆動部材(22)及び第二の駆動部材(24)の両者に対して第一の軸方向に移動させるように、第二の駆動部材(24)が、第一の駆動部材(22)とピストン部材(26)の間で駆動連結されることを特徴とする、上記駆動機構(10)。
【請求項2】
第二の駆動部材(24)が、第一の駆動部材(22)及びピストン部材(26)とねじ係合にある、請求項1に記載の駆動機構(10)。
【請求項3】
第二の駆動部材(24)が、略環状のスリーブ部材であって、第一の駆動部材(22)上の対応するねじ山と係合する第一の雌ねじと、ピストン部材(26)上の対応するねじ山(46)と係合する第二の雌ねじとを有するスリーブ部材を含んでなる、請求項2に記載の駆動機構(10)。
【請求項4】
第一の駆動部材(22)が、第二の駆動部材(24)の対応する第一の雌ねじと係合する外側表面の周囲に形成されたねじ山を有する、第一の軸方向に伸びる細長い差し込み部分(36、36′)を含んでなり、そしてピストン部材(26)が、ピストンヘッド(54)、及び第二の駆動部材(24)の対応する第二の雌ねじと係合する外側表面の周囲に形成されたねじ山を有する軸方向に伸びるピストンロッド(48)を含んでなる、請求項3に記載の駆動機構(10)。
【請求項5】
第一の駆動部材(22)及びピストン部材(26)がそれぞれ、軸方向に伸びる孔(62、64)を有し、前記機構が、第一の駆動部材(22)の孔(62)と摺動係合するように適合された第一の部分(58)、及びピストン部材(26)の孔(64)と摺動係合するように適合された第二の部分(60)を有する支持部材(56)を更に含んでなり、配置は、支持部材(56)が第一の駆動部材(22)に対して、ピストン部材(26)の回転を阻止する状態にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動機構(10)。
【請求項6】
配置が、駆動機構(10)が完全に後退したとき、第一の駆動部材(22)の差し込み部分(36)が、実質的に、完全に、第二の駆動部材(24)内に受け入れられ、そしてピストンロッド(48)が、実質的に、完全に、第一の駆動部材(22)の孔(62)内に受け入れられるように適合される、請求項4に従属する場合の請求項5に記載の駆動機構(10)。
【請求項7】
第一の駆動部材(22)が、基礎部材(20)と一体部材として形成される、請求項1〜6に記載の駆動機構(10′)。
【請求項8】
少なくとも回転の第一の方向に第二の駆動部材(24)を選択的に回転させるための駆動手段(30)を更に含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の駆動機構(10)。
【請求項9】
第二の駆動部材(24)を選択的に回転させるための駆動手段(30)が、少なくとも回転の第一の方向に第二の駆動部材(24)を駆動させるよう配置された電気モータ(66、66′)を含む、請求項8に記載の駆動機構(10)。
【請求項10】
複数の細長いスプラインが、第二の駆動部材(24)の表面上に備えられ、そして、電気モータ(66、66′)が、スプライン(50)を通して第二の駆動部材(24)を駆動するように適合される、請求項9に記載の駆動機構(10)。
【請求項11】
電気モータ(66、66′)が、一つ又はそれ以上のギアを通して第二の駆動部材(24)を駆動する、請求項9又は請求項10に記載の駆動機構(10)。
【請求項12】
電気モータ(66、66′)が第二の駆動部材(24)を、スプライン(50)と係合するウォーム歯車により駆動する、請求項10に従属する場合の請求項11に記載の駆動機構(10)。
【請求項13】
電気モータ(66′)が第二の駆動部材(24)を、スプライン(50)と係合する平歯車により駆動する、請求項10に従属する場合の請求項11に記載の駆動機構(10)。
【請求項14】
使用時の薬剤の送達を調整するように、駆動機構(10)の操作を制御するための電子制御デバイスを、更に含んでなる、請求項〜13のいずれか1項に記載の駆動機構(10)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の駆動機構(10)を含んでなる、注射デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射デバイス用の駆動機構及びそのような駆動機構を有する注射デバイスに関する。
【0002】
特に、本発明は、薬剤の調整された量を投与するためのポータブル型注射デバイス用の駆動機構の改良に関する。本発明は、また、改良された駆動機構を導入した注射デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
注射デバイスは、患者による薬剤の自己投与用として知られている。例えば、糖尿病を病む人は、インスリンの定期的な注射を必要とし、他の人は成長ホルモンの定期的な注射を必要とするかもしれない。注射デバイスは、患者に用量を選択し、その用量を投与することを可能にする。使用者がボタンを押すことのみを必要とし、そうすれば注射デバイスが薬剤の選択用量を投与するようなこのプロセスを自動化することは知られている。これは、患者に投与すべき量を調整し、一方で注射デバイスから薬剤を手動で放出する仕事を取り除く。
【0004】
これは、高齢者、虚弱者、視力困難を病んでいる人、及び機能を損傷する問題に関連する糖尿病を病んでいる人にとって特に問題である。
【0005】
薬剤は、通常は、注射デバイス内に位置するカートリッジ内に含まれる。 カートリッジは、注射デバイス用の薬剤を放出するため、カートリッジの第二の端部に向かって駆動する一端部に、栓又はピストンを有する。注射デバイスが、ジャケットポケットの内に、又はハンドバッグ内に困難を伴わずに適合するために十分に小さくすべきであることが課題である。同時に、注射デバイスは、使用されるピストンなどが、カートリッジを駆動し、及びカートリッジの代替を可能とするために、カートリッジから完全に後退させることができるようなサイズである必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、注射デバイス用の駆動機構、及びこれらの矛盾する要求事項を達成する駆動機構を有する注射デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様によると、薬剤カートリッジの第二の端部に位置する送達部材を通して薬剤を放出するために、薬剤カートリッジの第一の端部を密閉する栓を、選択的に、薬剤カートリッジ内に駆動させるため、薬剤を含む薬剤カートリッジに対して第一の軸方向に、ピストンを連続して動かせる注射デバイス用の駆動機構、基礎部材を含む駆動機構、基礎部材に対して固定された第一の駆動部材、第一の駆動部材に対して軸方向に、回転可能で、可動の第二の駆動部材、及び第一及び第二の駆動部材に対して軸方向に可動のピストン部材が提供され、第二の駆動部材は、第一の駆動部材に対する回転の第一の方向における第二の駆動部材、及びピストン部材の回転が、第二の駆動部材を、第一の駆動部材に対して第一の軸方向に動かし、そしてピストン部材を、第一及び第二の駆動部材の両者に対して第一の軸方向に動かせるように、第一の駆動部材とピストン部材の間で駆動しながら(drivingly)連結されることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、第二の駆動部材は、第一の駆動部材及びピストン部材とスクリュねじ山係合にある。より好ましくは、第二の駆動部材は、略、環状のスリーブ部材、第一の駆動部材上で対応するねじ山と係合するための、第一の雌ねじを有するスリーブ部材、及びピストン部材上で対応するねじ山と係合するための第二の雌ねじを含む。都合よく、第一の駆動部材は、第二の駆動部材の対応する第一の雌ねじと係合する外側表面の周囲に形成されるねじ山を有する第一の軸方向に伸びる細長い差し込み部分を含み、そして、ピストン部材は、ピストンヘッド、及び第二の駆動部材の対応する第二の雌ねじと係合するための外側表面の周囲に形成されたねじ山を有する軸方向に伸びるピストンロッドを含む。
【0009】
特に好ましい実施態様において、第一の駆動部材及びピストン部材は、それぞれ、軸方向に伸びる孔、更に、ピストン部材の孔と摺動係合するように適合された第一の駆動部材及び第二の部分の孔と摺動係合するように適合された第一の部分を有する支持部材を含む機構、支持部材がピストン部材を第一の駆動部材に対して回転することを阻止する配置を有する。より好ましくは、構成(arrangement)は、駆動機構が完全に後退したとき、第一の駆動部材の差し込み部分は、実質的に、完全に、第二の駆動部材に受け入れられ、そしてピストンロッドは、実質的に、完全に、第一の駆動部材の内側の孔内に受け入れられるように適合される。
【0010】
好ましくは、第一の駆動部材は、基礎部材との一体化した部材として形成できる。
【0011】
好ましくは、駆動機構は、更に、少なくとも回転の第一の方向において、第二の駆動部材を選択的に回転するための駆動手段を含む。
【0012】
より好ましくは、第二の駆動手段を選択的に回転するための駆動手段は、回転の少なくとも第一の方向において、第二の駆動部材を駆動するよう配置された電気モータを含む。
【0013】
複数の細長いスプラインは、第二の駆動部材の表面上に提供されてもよく、そして電気モータは、スプラインを通じて第二の駆動部材を駆動するように適合されてもよい。
【0014】
好ましくは、電気モータは、一つ又はそれ以上のギアを通じて第二の駆動部材を駆動する。一つの好ましい実施態様において、電気モータは、スプラインと係合するウォーム歯車を用いて、第二の駆動部材を駆動する。あるいは、電気モータはスプラインと係合する平歯車(spur gear)を用いて、第二の駆動部材を駆動する
【0015】
好ましくは、駆動機構は、更に、使用時に薬剤の送達を規制するために、駆動機構の操作を調整するための電子調整デバイスを含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第二の態様に従って、本発明の第一の態様に一致する駆動機構を含む注射デバイスが提供される。
【0017】
本発明は、添付の図面を参照し、実例のみを用いて、説明される:
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第一実施態様に基づく駆動機構及び薬剤カートリッジを含む注射デバイスの部分の概略の平面図を示し、ここで、駆動機構は完全に後退し、そして、薬剤カートリッジは満杯である。
図2図1の注射デバイスの平面図であり、駆動機構は完全に伸び、そして薬剤カートリッジは空であることを示している。
【0019】
類似の参照番号は、注射デバイスの同一部分を参照するために使用される。初めに図1及び2を参照して、本発明の第一の実施態様に一致した、一般に10で示す駆動機構、薬剤カートリッジ12を含む注射デバイスの部分を見ることができる。
【0020】
明確にするために、薬剤カートリッジは、駆動機構の詳細がカートリッジ内で見ることができるように、全ての図面において透明であるように示される。実際には薬剤カートリッジは使用中、透明である必要はないことが当然である。
【0021】
図示されていないが、当業者は、注射デバイスは、主ハウジング、及び主ハウジングの第一の端部に固定できる中空ニードル形状の送達部材を含むニードルユニットを含むことは理解するであろう。第一の端部14及び第二の端部15を有する薬剤カートリッジ12は、主ハウジング内に貯蔵できる。ニードルユニットが所定の位置にあるとき、ニードルユニットは、薬剤カートリッジ12の第二の端部15で、可撓性膜16を穿孔する。移動可能な栓18は、カートリッジが図1で示す通り満杯であるとき、薬剤カートリッジ12の第一の端部に位置する。カバー(また、図示されていないが)は、ニードルユニットの損傷、及びニードルによる不注意の突き刺しから使用者を守るため、主ハウジングの第一の端部上に提供される。カバーは、また、注射デバイスのための個別の外観を提供する。
【0022】
駆動機構は、基礎部材20、第一の駆動部材22、第二の駆動部材24、ピストン部材26、調整デバイス(図2において、28で概略を示す)、及び一般的に30で示す駆動手段を含む。基礎部材20は、注射デバイスの主ハウジングの部分を形成することができ、そして、平面部分32、第一の駆動端部22の一端を支えるため平面部分32から突き出る取付けタブ34、及び第二の駆動部材24を摺動しながら支える環状ガイド35を有する。
【0023】
第一の駆動部材22は、第一の駆動部材が基礎部材に対して軸方向に、及び回転方向に、両方固定されるように、基礎部材の取付けタブ34に取付けることができる一端で取付け部分33を有する。第一の駆動部材は、また、薬剤カートリッジに向かって取付け部分33から軸方向に伸びる差し込み部分36を有する。スクリュねじ山38は、差し込み部分36のほぼその長さ全体に亘って外側表面上に形成される。
【0024】
第二の駆動部材24は、略環状形状であり、そしてその長さ全体に亘って伸びる第一の孔部分40を有する。第一の内部スクリュねじ山(図示されていないが)は、第一の駆動部材22の差し込み部分36の外側表面上で、ねじ山38と係合する第一の孔部分の表面上に形成される。構成は、第二の駆動部材24の回転が、ねじ山38に沿って薬剤カートリッジ12の第二の端部15に向かう第一の駆動部材に対して軸方向に前進する第二の駆動部材をもたらすようになされる。
【0025】
薬剤カートリッジ12に最も近接した第二の駆動部材24の端部は、第一の孔部分40より小さい直径の第二の孔部分44を形成する壁42により、部分的に遮断される。第二の雌ねじ(また、図示されていないが)は、ピストン部材26のピストンロッド48上に形成される対応するねじ山46と係合するように第二の孔部分44の表面上に形成される。ピストンロッド48上のスクリュねじ山46、及び第二の駆動部材の第二の孔部分44における第二の雌ねじは、ピストン部材に対する第二の駆動部材の回転が、ピストン部材26を、第二の駆動部材24に対して薬剤カートリッジの第二の端部15に向かって軸方向に前進させるように配置される。
【0026】
なお、第一の駆動部材22の差し込み部分36上のねじ山38及びピストンロッド48上のねじ山46は反対側にある。
【0027】
第二の駆動部材24の外側表面は、第二の駆動部材24を支え、そして軸方向におけるその運動を誘導するよう作用する基礎部材の環状ガイド35の内側に摺動しながら受け入れられる。複数の軸方向のスプラインは、以下詳細に説明するように、第二の駆動部材を回転させるために、駆動部材30の部分を形成するウォーム歯車と係合するよう第二の駆動部材の外側表面上に提供される。
【0028】
ピストン部材26は、栓18と接触するために薬剤カートリッジ12内に受け入れることができるピストンヘッド54を含む。ピストンロッド48は、第一の駆動部材22に向かってピストンヘッド54から軸方向に伸び、そして、上記で説明した通り、第二の駆動部材24の第二の孔部分44とスクリュねじ込み係合になる。
【0029】
細長い支持部材56は第一の駆動部材、及びピストン部材と相互連結され、そして、第一の相対的短い部分58及び第二の相対的長い部分60を有する。第一の部分58は、第一の駆動部材22の差し込み部分36に形成された孔62内に、摺動しながら受け入れられるような寸法になっている。支持部材56の第二の部分60は、ピストン部材48において形成された孔64内に、摺動しながら受け入れられるような寸法になっている。支持部材の第一の部分58のプロファイル及び第一の駆動部材における孔62は、支持部材56が第一の駆動部材22に対して回転できなくなるように選択される。同様に、支持部材56の第二の部分60の外側のプロファイル及びピストンロッドにおける孔64は、ピストン部材26が支持部材56に対して回転できなくなるように選択される。このように、支持部材56は、第二の駆動部材24が回転するとき、ピストン部材26が第一の駆動部材に対して回転することを阻止する内部キーとして作用する。
【0030】
第一の駆動部材における孔62、及びピストンロッド48は、駆動機構が完全に後退したとき、ピストンロッド48が、孔62内で受け入れられるようなサイズである。第二の駆動部材24の回転は、駆動手段30により実施される。駆動手段30は、電気モータ66、一般に68で提示されるギアトレーン(図では示されていないが)、及びモータ66に動力を提供するバッテリ形状の動力源、及びケーブルによる調整デバイス(図示されていないが)を含む。
【0031】
電気モータ66は、第二の駆動部材24に隣接し、そして、第二の駆動部材24の回転軸に、略直角に配置されたその出力シャフトの軸を有する基礎部材20に搭載される。駆動は、電気モータ66から、電気モータ66の出力シャフトに取り付けられた第一の相対的に小さいギアホィール、第一のギアホィールを備えたメッシュにおける第二の相対的に大きいギアホィール、及び第二のギアホィールと回転するために搭載されたウォーム歯車を含むギアトレーン68により第二の駆動部材に伝達される。ウォーム歯車は、電気モータ66の出力シャフトの回転軸に、略平行である軸周りの回転に対して、基礎部材20の環状ガイド35から突出する一対のフランジにより支えられる。この端部に対して、ウォーム歯車は、いずれかの端部で差し込み部分を有し、それぞれの差し込み部分は、個別の一つのフランジの孔に受け入れられる。ウォーム歯車は、環状ガイド35の壁の開口部を通して第二の駆動部材24上のスプラインと係合する。
【0032】
第二のギアホィールの部分は、ウォーム歯車を第二の駆動部材24に隣接して位置できるように、環状ガイド35の基礎部に提供される凹部に適用される。第二の駆動部材24は、ギアトレーンにおいて最終ギアを効率的に形成することが分かるであろう。
【0033】
第一の方向におけるモータ66のタイル出力シャフトの回転は、第一のギアホィール、第二のギアホィール、ウォーム歯車及びスプラインを経由して伝達され、第二の駆動部材24を、第一の駆動部材22に対して回転させることになることは理解できるであろう。第二の駆動部材24の回転は、第二の駆動部材24を、第一の駆動部材22の差し込み部分36上のねじ山38に沿って薬剤カートリッジの第二の端部15に向かって軸方向に、又は直線的に前進させる結果になり、そして、同時に、ピストン部材26を、第二の駆動部材24及び第一の駆動部材22の両者に対して薬剤カートリッジの第二の端部15に向かって、軸方向に前進させる。
【0034】
ピストン部材26が、薬剤カートリッジの第二の端部15に向かって軸方向に前進するにつれて、ピストンヘッド54が、薬剤を放出するために薬剤カートリッジの第二の端部に向かって栓を動かすように栓18と接触する。電気モータ66の適切な調整により、ピストン部材26は、事前に決定された量により、調整された方法で薬剤の事前に決定された用量を放出するために、薬剤カートリッジの第二の端部15に向かって前進させることができる。
【0035】
第一と反対の第二方向におけるモータ66の出力シャフトの回転が、反対位置において第一の駆動部材22に対して第二の駆動部材24を回転させることになる。これは、ピストン部材26及び第二の駆動部材24を薬剤カートリッジの第二の端部15から離れて軸方向に動かし、その結果、駆動機構を後退させる。電気モータの操作、それによる、第二の駆動部材24及びピストン部材26の運動は、調整デバイス28により調整される。デバイス28は、マイクロプロセッサ(図示されていないが)、及びそれを通して情報が使用者に提示できるディスプレイを有するユーザーインターフェース、及び使用者が指示事項、例えば、薬剤(また、図示されていないが)の必要用量の設定を入力することができる入力手段を含んでもよい。
【0036】
注射デバイスの操作が、ここで説明される。
【0037】
図1において、注射デバイスは所定位置で薬剤カートリッジ12と共に示される。薬剤カートリッジ12は、栓18がカートリッジの第一の端部14に近接して位置し、そして、駆動手段は完全に後退するので満杯である。この位置において、第一の駆動部材の差し込み部分36は、ほとんど完全に、第二の駆動部材24の内側に受け入れられ、そして、ピストンロッド48は、ほとんど完全に、第一の駆動部材の孔62の内側に受け入れられ、そして支持部材56は、第一の駆動部材の孔62、64及びピストンロッド48内に、それぞれ収容される。
【0038】
使用者が薬剤の用量を投与しようとするとき、必要とされる注射デバイスを準備し、そして ユーザディスプレイ上に、例えば、カートリッジ内に利用可能な薬剤の量などの種々の情報を提示する調整デバイスを起動させる。その後、使用者は、薬剤の必要用量を設定するための入力手段を使用できる。事前設定したアルゴリズムに従って、調整デバイスは時間の長さを決定し、モータ66は、必要用量を送達する量により、ピストン部材をカートリッジの第二の端部15に向かって軸方向に動かすために第一の方向において操作する必要がある。使用者が投与すべき用量に対して準備ができていることを指示したとき、調整デバイスは、必要な時間量の間モータを駆動させることにより送達を生じさせる。
【0039】
上記の順序は、薬剤カートリッジが空になるまで、又は事前決定された最小用量を送達するに不十分な薬剤を有することにまで、使用者に対して薬剤を投与するために何回も繰り返すことができる。この段階において、駆動機構は、図2で示す通り、最大投与位置において、完全に伸びる。駆動機構10を再設定し、そしてタイル薬剤カートリッジの代替を可能にするために、図1に示す通り、駆動機構が、完全に、後退するまで、ピストン部材26及び第二の駆動部材24を、薬剤カートリッジ12の第二の端部15から離れた方向において軸方向に動かすように、電気モータ66は逆方向に操作する。これは、使用者から、又はそれが、薬剤カートリッジ12が空であり、又は事前設定された最小用量を送達するに不十分な薬剤を有することを検出するとき、自動的に、調整デバイスによる入力の応答として実施できる。空の薬剤カートリッジ12は、その後、除去し、そして新しいカートリッジに代替することができる。
【0040】
本発明に合致した駆動機構10の更なる実施態様は、図1及び2を参照して、ここに説明される。同一の参照番号は、駆動機構10において、同一の機能を有する部分を命名するために使用される。
【0041】
主な差異は:
第一の駆動部材22の差し込み部分36は、基礎部材20の一体部材として形成され;
環状ガイド35は、また、第一の駆動部材の差し込み部分36との一体部分として形成され;
代替駆動手段30は、第二の駆動部材を回転させるために使用する;
ことである。
【0042】
駆動機構10において、第一の駆動部材の差し込み部分36は、基礎部材20上の取付けタブ34と一体となって形成される。また、タブ34と一体となって形成され、そして差し込み部分36を取り巻くのは、環状ガイド35である。環状ガイド35は、第二の駆動部材24は、第二の駆動部材24が環状ガイド35と差し込み部分36の間で形成されるギャップに摺動しながら受け入れられるように、差し込み部分36から離れている。
【0043】
駆動手段30は、モータの出力シャフトの回転軸が、実質的に、第二の駆動部材24の回転軸に平行であるように、基礎部材20に取り付けられた電気モータ66を含む。駆動は、電気モータから平歯車シリーズを経由して第二の駆動部材24へ伝達される。
【0044】
平歯車シリーズの大半は、第二の駆動軸24の回転軸に、実質的に、平行に心合わせした回転軸を有するが、なお、シリーズの最終平歯車90の回転軸は、第二の駆動部材24の回転軸に対してある角度をなして配置される。最終平歯車は、また、環状ガイド35の一端から突出したフランジ内の孔において回転可能に支持される栓を有する。
【0045】
上記で議論した差異は別にして、駆動機構10は構築され、そして、図1〜2に関連して上記で説明したガイド機構10と同様の手法で操作される。
【0046】
本発明の駆動構成は、完全に後退したとき、非常にコンパクトであるが、しかし、最大投与位置まで栓18を動かすために伸ばすことが可能であることは理解できるであろう。更にその上、好ましい実施態様に従って、内部キー又は支持部材56は、ピストン部材26を回転から阻止するために使用できる。
【0047】
この構成は、追加の外部スリーブが、ピストン部材、又は他の部材の回転を阻止するために使用される注射デバイス用の公知のテレスコピックな、ねじ山付き駆動機構で使用されているものより簡単である。
【0048】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0049】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0050】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0051】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0052】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0053】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0054】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0055】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0056】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0057】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
図1
図2