(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体がボタン選択器を更に含み、前記ボタン選択器が前記制御モジュールの前記ボタン選択論理と連絡し、前記ボタン選択器は前記ユーザーのボタン選択入力を受信して前記ボタン選択論理に送信するように動作可能である、請求項1に記載の生検装置。
前記本体が、前記制御モジュールと連絡する少なくとも1つの視覚的インジケータを更に含み、前記視覚的インジケータは、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうちどちらのトリガーボタンが有効化するために選択されたかを視覚的に示すように構成される、請求項1に記載の生検装置。
前記少なくとも1つの視覚的インジケータが、複数のLEDを含み、前記複数のLEDの各LEDが、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち対応するトリガーボタンと関連している、請求項4に記載の生検装置。
前記本体は、左側部及び右側部を含み、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち第1のトリガーボタンは、前記本体の前記左側部に配置され、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち第2のトリガーボタンは、前記本体の前記右側部に配置される、請求項1に記載の生検装置。
前記制御モジュールは、ユーザーが前記有効化されたトリガーボタンを軽くたたくことに反応して、前記カッター作動機構を起動するように構成される、請求項1に記載の生検装置。
前記本体が、複数のボタンカバーを更に含み、各ボタンカバーが、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち対応するトリガーボタンと関連し、各ボタンカバーが、その対応するトリガーボタンを選択的に被覆又は露出するように動作可能であり、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち被覆されたトリガーボタンが無効化され、一方で前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち露出されたトリガーボタンが有効化される、請求項15に記載の生検装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきものではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態及び利点は、以下の記載から当業者には明らかとなる。以下の記載は、一例として本発明を実施するうえで考えられる最良の形態の1つである。認識されるように、本発明には、いずれも本発明から逸脱しない他の様々な明らかな態様が可能である。したがって、図面及び記載は、例示的な性質のものであり、非限定的なものとして見なされるべきである。
【0008】
概論
(特に)
図1〜3に示されるように、例示的な生検装置(10)は、針(20)と、本体(30)と、組織サンプルホルダー(40)とを有する。特に、針(20)は本体(30)の遠位部分から遠位方向に延び、組織サンプルホルダー(40)は本体(30)の近位部分から近位方向に延びている。本体(30)は、ユーザーが片手で生検装置(10)を操作できるような大きさ及び構成となっている。特に、また後に詳述するように、ユーザーは本体(30)を片手で握り、針(20)を患者の乳房に挿入し、1つ又は複数の組織サンプルを患者の乳房内から採取するが、これを全て片手のみで行うことができる。あるいは、ユーザーは、本体(30)を2つ以上の手及び/又は任意の所望の補助具によって握ってもよい。特定の状況では、ユーザーは針(20)を患者の乳房に1回挿入するだけで複数の組織サンプルを捕捉することができる。こうした組織サンプルは、後に詳述するように組織サンプルホルダー(40)に空圧によって貯留された後、組織サンプルホルダー(40)から分析用に回収することができる。
【0009】
本実施例の本体(30)は、プローブ(12)及びホルスター(14)を有する。
図2〜3に示され、また後に詳述するように、プローブ(12)はホルスター(14)から分離することができる。特に、プローブ(12)及びホルスター(14)は、バヨネットマウント(図示せず)又は他の任意の好適な構造若しくは機構を用いて取り外し可能に連結することができる。本明細書における「ホルスター」という用語の使用は、プローブ(12)のいずれかの部分がホルスター(14)のいずれかの部分内に挿入される必要があるものとして理解されるべきではない。実際、生検装置(10)の特定の変形例では、プローブ(12)はホルスター(14)上に単に載置されるだけである。他の特定の変形例では、ホルスター(14)の一部をプローブ(12)内に挿入することができる。更に、特定の生検装置(10)では、プローブ(12)及びホルスター(14)を2つの要素が分離できないように単体又は一体構造とすることができる。単に例として、プローブ(12)及びホルスター(14)が別々の要素として提供されるような形態では、プローブ(12)を使い捨ての要素として提供する一方でホルスター(14)を再使用可能な要素として提供してもよい。いくつかの形態においては、ホルスター(14)は、プローブ(12)がそれと連結されたときに、「起動」又は駆動される。いくつかの他の形態においては、ホルスター(14)は、ホルスター(14)が充電基部(図示されない)から取り外されたときに、「起動」又は駆動される。プローブ(12)とホルスター(14)との間の更に他の好適な構成及び機能関係、並びにホルスター(14)が起動され得る様々な方法は、本明細書における教示を考慮すれば、当業者にとって明らかとなる。
【0010】
本明細書に記載される実施例は、患者の乳房からの生検試料の取得に関連したものであるが、生検装置(10)は、他の様々な処置において他の様々な目的で、また、患者の身体の他の様々な部分において使用することが可能であることが理解されるべきである。
【0011】
針の具体例
(特に)
図5に示されるように、本実施例の針(20)は、組織穿孔先端部(22)、側面開口部(24)、第1の管腔(26)及び第2の管腔(28)を有するカニューレ(21)を含む。組織穿孔先端部(22)は、大きな力を要することなく、また、先端部(22)の挿入に先立って組織に開口部を予め形成する必要なく、組織を穿孔及び貫通するように構成されている。カッター(50)は第1の管腔(26)内に配置され、後に詳述するように、第1の管腔(26)内で回転及び並進するように動作可能である。側面開口部(24)は、先端部(22)の近位に位置し、第1の管腔(26)と流体連通しており、やはり後に詳述するように、針(20)が乳房内に挿入されカッター(50)が引き込まれた際に、組織を受容するように構成されている。複数の開口部(27)により、第1の管腔(26)と第2の管腔(28)とは流体連通している。本実施例の針(20)は、
図6〜7に示されるようなハブ(200)を更に含む。ハブ(200)は、針(20)の周囲にオーバーモールドされるか、あるいは別様に針(20)に固定されたプラスチックで形成されてもよく、ハブ(200)は針(20)に一体的に固定される。あるいは、ハブ(200)は、任意の好適な方法によって他の任意の好適な材料で形成してもよく、針(20)と他の任意の好適な関係を有してもよい。
【0012】
本実施例のハブ(200)は、スリーブ部分(204)を含み、これは本体(30)のプローブ部分(12)へと一体的に延びる。
図6〜7に示されるように、スリーブ部分(204)は、針(20)の第2の管腔(28)と流体連通している中空内部(206)を画定する。スリーブ部分(204)は更に、複数の開口部(208)を画定している。複数の開口部(208)は、スリーブ部分(204)の共通の長手方向位置で外周に沿って径方向に間隔をおいて設けられ、中空内部(206)と流体連通している。開口部(208)は周囲空気に暴露されており、本実施例では開口部(208)が通気口を提供する。後に詳述するように、開口部(208)は、本実施例の針(20)の第2の管腔(28)と選択的に流体移動可能に連結されている(fluidly coupled)。1対のOリング(210)がシャトル弁スライダー(152)の周囲に配置され、後に詳述するように、第2の管腔(28)が通気されるべきではないときに、スライダー(152)の長手方向の位置に応じて、第2の管腔(28)が開口部(208)に対して実質的に封止される。スリーブ(204)の近位端において、カッター(50)とスリーブ(204)との境界面に、封止部(212)がまた設けられている。
【0013】
本明細書に記載される他の要素と同様、針(20)は、様々な方法で変更、改変、置換、又は補完されることが可能であり、更に針(20)は、様々な代替的特徴、要素、構成、及び機能を有し得る点が理解されるべきである。単に一例として、いくつかの形態では針(20)は単純に第2の管腔(28)を有さなくともよく、それによって第1の管腔(26)が針(20)によって画定される唯一の管腔となる。単に別の例示的代替例として、生検装置(10)は、例えば組織の貫通を助けるために、針(20)が本体(30)に対して遠位方向に発射され得るように構成することができる。こうした発射は、1つ又は2つ以上のアクチュエータ(例、ソレノイド、空圧シリンダー/ピストンなど)、1つ又は2つ以上のバネ、又は他の任意の好適な方法によって提供され得る。針(20)の他の好適な代替的形態、特徴、要素、構成、及び機能は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。同様に、針(20)の変形例に基づいて行うことが可能な生検装置(10)の他の要素に対する他の好適な改変(例えば、第2の管腔(28)が針(20)から省略されている形態において弁機構(150)を改変又は省略するなど)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0014】
本体の具体例
上記に述べたように、本実施例の本体(30)は、プローブ部分(12)及びホルスター部分(14)を含む。
図3〜4に示されるように、モーター(36)、真空ポンプ(38)、電池(320)及び制御モジュール(330)は、ホルスター部分(14)内に提供される。以下でより詳細に記載されるように、電池(320)は、制御モジュール(330)を介してモーター(36)と、及び1つ又は2つ以上のトリガーボタン(300、302、304)と連結され得る。
【0015】
図3〜4に示されるように、本実施例のモーター(36)は、真空ポンプ(38)及びカッター作動機構(60)に機械的に連通している。特に、モーター(36)は、モーター(36)が作動する際に、真空ポンプ(38)及びカッター作動機構(60)を同時に起動するように動作可能である。あるいは、真空ポンプ(38)及びカッター回転機構(60)は他の任意の好適な方法で起動させてもよい。単に一例として、真空ポンプ(38)及び/又はカッター回転機構(60)は、手動で、及び/又は別のモーターにより、及び/又は他の任意の好適な方法により、起動させることができる。本実施例のモーター(36)は、従来の直流モーターを含む。しかしながら、代わりに、モーター(36)は、空圧モーター(例、インペラ式など)、空圧リニアアクチュエータ、電気機械リニアアクチュエータ、又は他の様々な種類の運動誘導装置を含んでもよい点が理解されるべきである。他の種類の運動誘導装置を生検装置(10)に組み込むことができる様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0016】
図3〜4に示されるように、駆動軸(62)がモーター(36)から延び、モーター(36)によって回転駆動される。1対のベアリング(70)、及び駆動ギア(72)が駆動軸(62)の周囲に配置されている。ベアリング(70)が駆動軸(62)を支持する一方で、駆動ギア(72)が駆動軸(62)と一体的に回転する。駆動ギア(72)は、第2の軸(64)に一体的に固定された第2のギア(74)と噛合する。第2の軸(64)は、付属するベアリング(70)、及び第3のギア(76)を更に有している。
【0017】
本実施例の真空ポンプ(38)は、従来的な隔膜ポンプを含み、これは第2の軸(64)によって駆動され、これはひいては上記のようにモーター(36)によって回転駆動される。本実施例の真空ポンプ(38)は、モーター(36)がどちらの方向に回転するかに関わらず同じように動作する。無論、他の任意の好適な種類の真空ポンプが使用され得る。後に詳述するように、本実施例の真空ポンプ(38)は、真空ポンプ(38)が起動された際に、組織サンプルホルダー(40)内に真空を発生させるように動作可能である。
【0018】
本明細書に記載される他の要素と同様、本体(30)は、様々な方法で変更、改変、置換、又は補完することが可能であり、更に本体(30)は、様々な代替的特徴、要素、構成、及び機能を有し得る点が理解されるべきである。本体(30)の好適な代替的形態、特徴、要素、構成、及び機能は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0019】
弁機構の具体例
図4及び6〜7に示されるように、本実施例では生検装置(10)はまた弁機構(150)を含む。本実施例の弁機構(150)は、シャトル弁スライダー(152)、Oリング(210)、及び針ハブ(200)のスリーブ(204)を含む。シャトル弁スライダー(152)は、カッター(50)の周囲に同軸的に、スリーブ(250)の遠位端と停止部材(55)の近位端との間で長手方向に配置され、スリーブ(204)に対して及びカッター(50)に対して並進するように構成される。Oリング(210)は、シャトル弁スライダー(152)の外部をスリーブ(204)の内部側壁に対して封止するように構成される。間隙は、カッター(50)の外径とシャトル弁スライダー(152)の内径との間に、長手方向の流体連通(例えば、大気など)を提供する。切り欠き(153)は、スリーブ(250)の平滑部分(254)の遠位端がシャトル弁スライダー(152)の近位端と係合した際にも、シャトル弁スライダー(152)の内部に流体連通を提供するように構成されている。
【0020】
後に詳述するように、カッター(50)が本体(30)に対して回転及び並進するように構成されているのに対して、スリーブ(204)は本体(30)に対して実質的に静止状態に留まる。スリーブ(250)及び停止部材(55)は、カッター(50)と一体的に並進する。加えて、停止部材(55)は、シャトル弁スライダー(152)を近位方向に押してもよく、一方でスリーブ(250)は、シャトル弁スライダー(152)を遠位方向に押してもよい。このため、シャトル弁スライダー(152)は、本体(30)に対するカッター(50)の並進運動に従ってスリーブ(250)内で並進することが可能である。しかしながら、スリーブ(250)の遠位端と停止部材(55)の近位端との間の距離がシャトル弁スライダー(152)の長さよりも大きいため、本実施例においてカッター(50)が並進する際に、シャトル弁スライダー(152)とカッター(50)との間である程度の「失われる運動」が生ずる。シャトル弁スライダー(152)のこのような動作の例は、2009年6月12日に出願された非暫定的米国特許第12/483,305号、表題「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」に記載され、その開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
本実施例において、カッター(50)が最遠位位置にあるとき、カッター(50)が最遠位位置と最近位位置との間で移行しているとき(
図5〜7参照)、及びカッター(50)の最近位位置から最遠位位置への移行の後の方の段階において、シャトル弁スライダー(152)が開口部(208)の遠位に留まり、それによって第2の管腔(28)を通気する。しかしながら、カッター(50)が近位位置に移動するとき、停止部材(55)はシャトル弁スライダー(152)を近位方向に押し、開口部(208)はOリング(210)の間で長手方向に配置され、したがって、スリーブ(250)の遠位端がシャトル弁スライダー(152)の近位端と係合し、シャトル弁スライダー(152)を、最近位のOリング(210)が開口部(208)の遠位に移動される点へと遠位方向に押し始めるまで、第2の管腔(28)を実質的に封止する。第2の管腔(28)はしたがって、再び上記のように通気される。したがって、本実施例の弁機構(150)は、カッター(50)が近位位置にあるとき、及びカッター(50)が前進の初期段階にあるときには、大気に対して第2の管腔(28)を実質的に封止する一方で、カッター(50)が他の位置にあるときには第2の管腔(28)を大気に通気する。
【0022】
本明細書に記載される他の要素と同様、弁機構(150)は、様々な方法で変更、改変、置換、又は補完されることが可能であり、更に弁機構(150)は、様々な代替的特徴、要素、構成、及び機能を有し得る点は理解されるべきである。弁機構(150)の好適な代替的特徴、形状、要素、構成、及び機能は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0023】
組織サンプルホルダーの具体例
図1〜4に示されるように、本実施例の組織サンプルホルダー(40)は、キャップ(42)、外側カップ(44)、及びフィルタートレイ(46)を有する。本実施例では、カップ(44)は、プローブ(12)に固定されている。このような係合は、任意の好適な方法によって提供され得る。本実施例の外側カップ(44)はほぼ透明であり、ユーザーがフィルタートレイ(46)上の組織サンプルを見ることが可能であるが、外側キャップ(44)は必要に応じて他の任意の好適な性質を有してもよい。
【0024】
外側カップ(44)は、本実施例ではカッター管腔(52)及び真空ポンプ(38)と流体連通している。特に、外側カップ(44)は第1のポート(45)を通じてカッター管腔(52)と流体連通し、第2のポート(47)を通じて真空ポンプ(38)と流体連通している。導管(図示されない)は、真空ポンプ(38)のポート(41)を外側カップ(44)の第2のポート(47)と連結する。本実施例では、第2のポート(47)は、外側カップ(44)によって画定される内部空間と流体連通している疎水性フィルター(48)に更に連結されている。疎水性フィルター(48)を有することに加えて、又はそれに代えて、高吸収性材料を組織サンプルホルダー(40)内に設けて液体を吸収させてもよい。あるいは、液体は他の任意の方法で処置してもよい。本実施例において、これにより真空ポンプ(38)を使用してカッター管腔(52)内に真空を発生させ、この真空を導管(39)、ポート(41、45、47)、及び外側カップ(44)の内部を通して供給することができる。
【0025】
本実施例のフィルタートレイ(46)は、かご状の形態を有し、内部を通して複数の開口部(47)が形成されている。開口部(47)は、流体の通過を可能とする一方で組織サンプルの通過を防止するような大きさ及び構成となっている。したがって、フィルタートレイ(46)は、後に詳述するようにカッター(50)を通って近位方向に供給される組織サンプルを受容するように構成されている。フィルタートレイ(46)は、様々な代替的形態を取り得る点が理解されるべきである。
【0026】
本実施例では、キャップ(42)は、外側カップ(44)に取り外し可能に連結されている。Oリング(53)は、キャップ(42)が外側カップ(44)と係合する際に、封止をもたらす。これにより、キャップ(42)が外側カップ(44)に固定された際に、外側カップ(44)内部に真空が維持され得る。操作時には、ユーザーは、キャップ(42)を外すことにより、生検処置においてフィルタートレイ(46)上に集められた組織サンプルにアクセスすることができる。
【0027】
本実施例の組織サンプルホルダー(40)は、少なくとも10の組織サンプルを保持するように構成されている。あるいは、組織サンプルホルダー(40)は、他の任意の好適な数の組織サンプルを保持するように構成することもできる。本明細書に記載される他の要素と同様、組織サンプルホルダー(40)は、様々な方法で変更、改変、置換、又は補完されることが可能であり、更に組織サンプルホルダー(40)は、様々な代替的特徴、要素、構成、及び機能を有し得る点が理解されるべきである。例えば、組織サンプルホルダー(40)は、カッター管腔(52)に選択的に割り出すことができる複数の個別の組織サンプルコンパートメントを有するように構成することもできる。このような割り出し動作は、自動又は手動で行うことができる。単に例として、組織サンプルホルダー(40)は、2008年8月14日に公開された米国特許出願公開第2008/0195066号、表題「Revolving Tissue Sample Holder for Biopsy Device」(この開示は参照により本明細書に組み込まれる)、2008年12月18日に出願された非暫定的特許出願第12/337,997号、表題「Tissue Biopsy Device with Rotatably Linked Thumbwheel and Tissue Sample Holder」、2008年12月18日に出願された同第12/337,911号、表題「Biopsy Device with Discrete Tissue Chambers」、(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、又は2008年12月18日に出願された同第12/337,874号、表題「Mechanical Tissue Sample Holder Indexing Device」(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の教示に従って構成され、かつ動作可能であり得る。組織サンプルホルダー(40)の他の好適な代替的特徴、形状、要素、構成、及び機能は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。あるいは、所望により、組織サンプルホルダー(40)を単純に省略することもできる。
【0028】
カッターの具体例
図5に示されるように、本実施例のカッター(50)は実質的に中空であり、それによってカッター(50)はカッター管腔(52)を画定している。カッター(50)は実質的に鋭利な遠位縁部(51)も有するため、カッター(50)は、針(20)の側面開口部(24)を通って突出した組織から生検サンプルを切断するように動作可能である。あるいは、カッター(50)の遠位端は他の任意の好適な形態を有してもよい。
図3〜4に示されるように、カッター(50)の近位部分は組織サンプルホルダー(40)内に延びている。これにより、真空ポンプ(38)によって組織サンプルホルダー(40)内に作り出される真空がカッター管腔(52)に供給される。カッター(50)と外側カップ(44)との境界面には、封止部(54)が設けられている。封止部(54)は、カッター(50)と取り付け部(42)との境界面を実質的に封止するように構成される。更に、カッター(50)は、カッター(50)が最遠位位置にある場合においても組織サンプルホルダー(40)の内部と密封流体連通状態に保たれるように構成されている。無論、カッター(50)は、他の任意の好適な特徴又は構成を有してもよい。同様に、カッター(50)は、組織サンプルホルダー(40)と他の任意の好適な代替的な関係を有してもよい。
【0029】
本明細書に記載される他の要素と同様、カッター(50)は、様々な方法で変更、改変、置換、又は補完されることが可能であり、更にカッター(50)は、様々な代替的特徴、要素、構成、及び機能を有し得る点が理解されるべきである。カッター(50)の好適な代替的形態、特徴、要素、構成、及び機能は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0030】
カッター作動機構の具体例
図3〜7に示されるように、本実施例のカッター作動機構(60)は、モーター(36)、軸(62、64)及びギア(72、74、76)を含む。本実施例ではモーター(36)が作動することによりギア(82、84)が回転することが理解されるべきである。
図3及び6に示されるように、本実施例では、モーター(36)、軸(62、64、68、69)、ギア(72、74、76、78、80、82、84)、及びベアリング(70)は、いずれもホルスター(14)内に収容されている。
図2に示されるように、本実施例では、ギア(82、84)は、ホルスター(14)のカバープレート(18)に形成された開口部から部分的に露出している。
【0031】
本実施例のカッター作動機構(60)は、六角ナット(100)及びウォームナット(120)を更に含む。六角ナット(100)は、一体型ギア(86)を含む。ウォームナット(120)はまた、一体型ギア(88)を含む。ギア(86)は、プローブ(12)とホルスター(14)とが互いに連結された際に、ギア(82)と噛合するように構成されており、ギア(88)は、プローブ(12)とホルスター(14)とが互いに連結された際に、ギア(84)と噛合するように構成されている。特に、また
図2に示されるように、本実施例では、ギア(86、88)は、プローブ(12)のカバープレート(16)に形成された開口部によって部分的に露出している。したがって、本実施例では、モーター(36)は、プローブ(12)とホルスター(14)とが互いに連結された際に、ギア(86、88)を回転駆動するように動作可能である。後に詳述するように、本実施例では、ギア(86、88)のこうした回転によりカッター(50)が回転及び並進する。
【0032】
スリーブ(250)がカッター(50)に一体的に固定されている。
図6〜7で最もよく分かるように、スリーブ(250)は、六角部分(252)、平滑部分(254)、及び六角部分(252)を平滑部分(254)から分離するフランジ(256)を有している。六角ナット(100)は、スリーブ(250)の六角部分(252)上に摺動自在に配置される。スリーブ(250)と六角ナット(100)との間の係合は、六角ナット(100)の回転が、スリーブ(250)の対応する回転を提供し、更に六角ナット(100)がスリーブ(250)に対して長手方向に摺動し得るようなものである。スリーブ(250)及び六角ナット(100)は、他の様々な形態(例えば、六角の構成の代わりに相補的なキーとキー溝など)及び関係を有し得ることもまた理解されるべきである。
【0033】
上記のように、六角ナット(100)のギア(86)は、ギア(82)と噛合い、それによってギア(82)の回転が六角ナット(100)の回転を生じるように構成される。上記に述べたように、このような六角ナット(100)の回転が対応するカッター(50)の回転を生じる。したがって、モーター(36)の起動に応じてカッター作動機構(60)がカッター(50)を回転させ、モーター(36)の回転が軸(62、64、68、69)、ギア(72、74、76、78、80、82、84、86)、六角ナット(100)、及びスリーブ(250)を介してカッター(50)に伝達されることが理解されるであろう。無論、他の任意の好適な構造、要素、構成、又は技術を使用してカッター(50)を回転させることも可能である。
【0034】
本実施例のカッター作動機構(60)は、主ネジ(122)を更に含む。主ネジ(122)はスリーブ(250)の六角部分(252)の周囲に配置され、スリーブ(250)と一体的に回転するように構成されている。主ネジ(122)は、スリーブ(250)の平坦な面を補完するように構成された6つの平坦な面を備える六角形の開口部を画定し、カッター(50)及びスリーブ(250)の回転が、主ネジ(122)の対応する回転を提供する。主ネジ(122)は、クリップ(124)によってスリーブ(250)の六角部分(252)に更に固定され、ワッシャ(126)がクリップ(124)と主ネジ(122)との間に配置される。第1のコイルバネ(128)が、主ネジ(122)の近位端とワッシャ(126)との間に配置される。第2のコイルバネ(130)が、主ネジ(122)の遠位端とスリーブ(250)のフランジ(256)との間に配置される。フランジ(256)とワッシャ(126)との間の間隔が、フランジ(256)とワッシャ(126)との間のスリーブ(250)の長さの一部に沿って主ネジ(122)の動きのいくらかの自由度を可能とする一方で、バネ(128、130)は、主ネジ(122)をフランジ(256)とワッシャ(126)との間の実質的な中心となるように付勢する。任意の好適な種類の弾性部材をコイルバネ(128、130)に加えて、又はその代わりに使用することも可能である点が理解されるべきである。
【0035】
主ネジ(122)は、ウォームナット(120)の雌ネジ山(134)と係合する雄ネジ山(132)を有している。したがって、主ネジ(122)は、ネジ山(132、134)が係合している場合に主ネジ(122)がウォームナット(120)に対して回転すると、ウォームナット(120)に対して並進する。しかしながら、ウォームナット(120)の内部長はまた、雌ネジ山(134)の遠位及び近位に平滑部分(136)を有している。そのため、ネジ山(132)が平滑部分(136)にある場合(例えばネジ山(132、134)が係合していない場合)に主ネジ(122)がウォームナット(120)に対して回転すると、主ネジ(122)はウォームナット(120)に対して並進しないことがある。本実施例では、ウォームナット(120)はブッシング(138)によって更に支持されている。主ネジ(122)とフランジ(256)及びワッシャ(126)との係合により、並びにスリーブ(250)とカッター(250)との係合により、本実施例ではウォームナット(120)に対して主ネジ(122)が並進するとまた、本体(30)に対してカッター(50)が並進することが理解されるべきである。スリーブ(250)、主ネジ(122)、及びウォームナット(120)は、他の様々な構成及び関係を有し得る点も理解されるべきである。同様に、他の様々な構造及び要素をスリーブ(250)及び/又はウォームナット(120)に加えて又はこれに代えて使用することも可能である。
【0036】
上記に述べたように、ホルスター(14)のギア(82、84)は、モーター(36)が起動される際に、同時に回転する。更に上記に述べたように、プローブ(12)がホルスター(14)と連結される際に、ギア(82、84)がプローブ(12)のギア(86、88)と噛合することにより、起動したモーター(36)はギア(86、88)を同時に回転させる。これにより、起動したモーター(36)が六角ナット(100)とウォームナット(120)とを同時に回転させることになる。したがって、モーター(36)が起動されると、スリーブ(250)、カッター(50)、主ネジ(122)、及びウォームナット(120)が全て同時に回転することが理解されるべきである。また、ギア(82、84)は異なるピッチ直径を有することに留意する。ギア(86、88)もまた異なるピッチ直径を有する。したがって、1つの回転速度で回転するモーター(36)を使用した場合でも、六角ナット(100)及びウォームナット(120)は同じ方向に異なる回転速度で同時に回転する。主ネジ(122)の回転が六角ナット(100)の回転によってもたらされることから、主ネジ(122)及びウォームナット(120)もまた、同じ方向に異なる回転速度で同時に回転する。主ネジ(122)及びウォームナット(120)は同時に同じ方向に回転するが、主ネジ(122)とウォームナット(120)との間の回転速度の差によって、ウォームナット(120)に対して主ネジ(122)が回転するという最終的な結果がもたらされ、こうした相対回転によって、カッター(50)はカッター(50)が回転する際に並進する。単に一例として、約8,000rpmの出力速度を提供するモーター(36)を使用した場合には、上記に述べた構成によって速度約1,000rpmのカッター(50)の回転、及び速度約850rpmのウォームナット(120)の回転がもたらされ、これによりウォームナット(120)に対するカッター(50)の正味の回転は約150rpmとなる。無論、他の任意の好適な差動を提供することもできる。
【0037】
本実施例では、モーター(36)がカッター(50)を反時計回り(組織サンプルホルダー(40)から針(20)に向かって見た場合)に回転させるように起動されると、カッター(50)が近位方向に引き込まれるが、モーター(36)がカッター(50)を時計回り(組織サンプルホルダー(40)から針(20)に向かって見た場合)に回転させるように起動されると、カッター(50)は遠位方向に前進させられる。したがって、モーター(36)の回転方向を逆転させることによって、カッター(50)の遠位方向の並進と近位方向の並進との間の移行を行うことができる。あるいは、カッター(50)は、カッター(50)が引き込まれる間に時計回りに、及びカッター(50)が前進させられる間に反時計回りに回転させられ得る。更に、カッター作動機構(60)を自己逆転するように構成することによって、モーター(36)の回転方向を逆転させることなくカッター(50)を遠位方向及び近位方向に並進させることもできる。
【0038】
カッター作動機構(100)の更なる代表的な詳細は、2009年6月12日に出願された、米国特許出願第12/483,305号、表題「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」に開示され、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。無論、他の任意の好適な構造、要素、構成、又は技術を使用してカッター(50)を並進及び/又は回転させることも可能である。したがって、本明細書に記載される他の要素と同様、カッター作動機構(60)は、様々な方法で変更、改変、置換、又は補完されることが可能であり、更にカッター作動機構(60)は、様々な代替的特徴、要素、構成、及び機能を有し得る点が理解されるべきである。単に一例として、生検装置(10)は、カッター(50)が並進しないように(例えば、カッター(50)が単に回転するように、など)、又はカッター(50)が回転しないように(例えば、カッター(50)が単に並進するように、など)構成することが可能である。カッター作動機構(60)の他の好適な代替的形態、特徴、要素、構成、及び機能は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0039】
空圧動作の具体例
上記のように、真空ポンプ(38)は、モーター(36)が作動すると直ちにカッター管腔(52)内に真空を形成し始め、こうした真空は、カッター(50)が引き込まれた位置へと近位方向に動き始める際に、生成され続けるか又は維持され得る。この段階では、第2の管腔(28)は大気に通気されている。針(20)の側面開口部(24)が
図5に示されるように「部分的に開放」するようにカッター(50)が引き込まれた位置へと移動するにしたがって、カッター管腔(52)内の真空が第1の管腔(26)を通って更に供給され、これにより組織が側面開口部(24)内に引き込まれる。この段階では、第2の管腔(28)は依然として、大気に通気されている。本実施例では、第2の管腔(28)は、カッター(50)が
図5に示される位置の近位の長手方向の位置に到達した時点で、かつ、カッター(50)が完全に引き込まれた位置に到達する前に、実質的に封止される。
【0040】
針(20)の側面開口部(24)が「開放」するようにカッター(50)が完全に引き込まれた位置に到達すると、カッター管腔(52)内の真空は引き続き第1の管腔(26)を通して更に供給され得、これにより組織が引き続き側面開口部(24)内に引き込まれ得る。無論、いくらかの量の組織は真空の補助なしで側面開口部(24)内に自然と脱出し得るため、組織を側面開口部(24)内に引き込むうえで真空が必要とされない場合もある。この段階では、第2の管腔(28)は、大気に対して実質的に封止されている。特に、停止部材(55)がシャトル弁スライダー(152)を近位位置に押し込んでいるため、Oリング(210)が開口部(208)を「またいで」、スリーブ部分(204)の内部側壁に対して封止することによって、大気がスリーブ部分(204)の中空内部(206)を通って開口部(208)から第2の管腔(28)に供給されることを防止する。
【0041】
モーター(36)が逆転され、カッター(50)が前進して側面開口部(24)を通って突出した組織を切断する際、真空ポンプ(38)がカッター管腔(52)内に引き続き真空を発生させ、やがて第2の管腔(28)が大気に通気され得る。しかしながら、カッター(50)が最近位位置から最遠位位置まで前進する初期の段階では、カッター(50)とシャトル弁スライダー(152)との間の「失われる運動」のため、スリーブ(250)の遠位端がシャトル弁スライダー(152)の近位端に係合する充分な距離だけカッター(50)が前進するまで、シャトル弁スライダー(152)は近位位置に留まる(それによって、第2の管腔(28)を封止する)。スリーブ(250)の遠位端がシャトル弁スライダー(152)の近位端と係合し、かつカッター(50)が引き続き遠位方向に充分に移動すると、スリーブ(250)の遠位端がやがてシャトル弁スライダー(152)を遠位方向に押し、これにより最近位のOリング(210)が開口部(208)の遠位にやがて移動する(それによって、第2の管腔(28)を通気する)。カッター(50)が再び、最終的に最遠位位置に到達すると、カッター(50)は、側面開口部(24)を通じて突出する組織を完全に切断することができ、第2の管腔(28)が通気される。
【0042】
切断された組織サンプルがカッター管腔(52)内にあり、真空ポンプ(38)が切断された組織サンプルの近位面において真空を引き、切断された組織サンプルの遠位面において通気(開口部(208)、第2の管腔(28)、及び開口部(27)を介して)された状態では、切断された組織サンプルに作用する圧力差により、切断された組織サンプルはカッター管腔(52)を通り、組織サンプルホルダー(40)内へと近位方向に引き込まれる。これにより、切断された組織サンプルは、組織サンプルホルダー(40)のフィルタートレイ(46)上に貯留される。
【0043】
空圧動作の更なる代表的な詳細は、2009年6月12日に出願された、非暫定的米国特許出願第12/483,305号、表題「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」(この開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示される。無論、他の任意の好適な構造、要素、構成又は技術を使用して、第2の管腔(28)を選択的に封止及び/又は通気することも可能である。更に、生検装置(10)の特定の変形例では、真空、生理食塩水、加圧空気、大気、及び/又は他の任意の媒体を生検装置(10)の動作の任意の好適な段階において第2の管腔(28)に供給することが可能である(例えば、カッター(50)を引き込む間及び/又はその際、及び/又はカッター(50)の前進の間に第2の管腔(28)に真空を適用するか、又は通気する、カッター(50)を前進させる間に第2の管腔を封止するなど)。切断された組織サンプルを、組織サンプルホルダー(40)に達するようにカッター管腔(52)を通して近位方向に供給するための他の好適な代替的構造、要素、構成、及び技術は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0044】
ボタン起動
図1〜8に示されるように、生検装置(10)は、生検装置(10)動作を制御するために使用され得る複数のボタン(300、302、304)を有する。例えば、ボタン(302、304)のいずれかが、トリガーボタンとして使用され得る。すなわち、操作者は、トリガーボタン(302、304)の選択された1つを起動して、切断ストローク(例えば、モーター(36)などの起動による)を開始してもよい。トリガーボタン(302)はしたがって、トリガーボタン(304)と同じ機能を提供し得る。以下でより詳細に記載されるように、生検装置(10)は、切断ストロークを開始するためにトリガーボタン(302、304)のいずれかが使用され得るか、又は切断ストロークを開始するために一方の特定のトリガーボタン(302、304)が選択されなくてはならない一方で、選択されないトリガーボタン(302、304)が無効にされるように、構成されてもよい。用語「トリガーボタン」は、様々な種類の構造及び装置を包含することを意図され、標準的な電気機械的ボタンのみに限定されないことに留意されたい。単に例として、トリガーボタン(302、304)としては、空圧ボタン、容量性ボタン、誘導性ボタンなどが挙げられる。切断ストロークを開始するために使用され得る、更なる他の好適な構成要素は、本明細書における教示を考慮することで当業者にとって明らかである。
【0045】
図8に示されるように、トリガーボタン(302、304)は、制御モジュール(330)と連絡しており、これは電池(320)及びモーター(36)と連絡している。電池(320)はまた、モーター(36)と連絡している。制御モジュール(330)は、電池(320)とモーター(36)との間の回路を選択的に閉じるように構成され、それによってモーター(36)は、操作者のトリガーボタン(302、304)による入力によって、選択的に駆動され得る。制御モジュール(330)はまた、制御モジュール(330)がモーター(36)の回転方向を選択的に逆転する(例えば、カッター(50)の近位と遠位との間の移行など)ように動作可能であるように、制御論理を含み得る。本明細書において使用するとき、用語「制御モジュール」は、必ずしも、制御モジュール(330)の全ての構成要素が、単一の内蔵型ユニットに組み込まれることを必要とするものとして理解されるべきではない。実際には、制御モジュール(330)は生検装置(10)内の様々な位置に配置されるいくつかの構成要素を実際に含んでもよく、このような別個の構成要素は互いにある程度連絡している。本明細書の教示を考慮すれば当業者にとって明らかであるように、制御モジュール(330)の好適な構成要素は、1つ又は2つ以上のプロセッサ及び関連する回路などを含み得る。
【0046】
いくつかの形態においては、切断ストロークを開始して完了するために、操作者はトリガーボタン(302、304)のうち一方を軽くたたく(tap)か又はボタン(302、304)のうち一方を所定の期間にわたって押し下げるだけでよい。他のいくつかの形態においては、操作者は切断ストローク全体にわたって、トリガーボタン(302、304)のうち一方を押し下げる必要がある。いくつかの形態において、選択されるトリガーボタン(302、304)が切断ストロークの途中で解放されると、切断ストロークは選択されたトリガーボタン(302、304)が再び起動されるまで停止し得る。
【0047】
図1及び
図8に示されるように、一方のトリガーボタン(302)が本体(30)の左側にあり、他方のトリガーボタン(304)は、本体(30)の反対側にある。当業者は、生検装置(10)の任意の所与の操作者が、トリガーボタン(302、304)の位置のために、一方のトリガーボタン(302)を他方のトリガーボタン(304)よりも好む場合があることを認識する。単に例として、このような好みは少なくとも部分的に、操作者が右利きであるか又は左利きであるか、操作者が好む生検装置(10)の把持方法などにより、決定され得る。2つのトリガーボタン(302、304)を有することにより、操作者は操作者の好みによって、生検装置(10)の操作のために一方の特定のトリガーボタン(302、304)を選択することが可能である。いくつかの形態において、トリガーボタン(302、304)及び制御モジュール(330)は、操作者が、生検方法の間にいつでもトリガーボタン(302、304)のいずれか又は両方を使用し得るように構成される。換言すれば、トリガーボタン(302、304)の双方は「アクティブ」であるものと見なされ、したがって、いつでも、瞬間的に動作可能/使用可能である。操作者はしたがって、一方のトリガーボタン(302、304)の使用から他方のトリガーボタン(302、304)へと切り替えるために、何も追加的に必要とせずに、一方のトリガーボタン(302、304)の使用から他方のトリガーボタン(302、304)に切り替えることができる。
【0048】
しかしながら、他のいくつかの形態において、トリガーボタン(302、304)及び制御モジュール(330)は、一方のトリガーボタンのみ(302、304)が所与の時間において使用可能であるように構成され得る。例えば、トリガーボタン(302、304)及び制御モジュール(330)は、起動/有効化のために、ユーザーが1つの特定のトリガーボタン(302、304)を選択しなくてはならないように構成され得、一度そのような選択が行われると、他のトリガーボタン(302、304)は、残りの生検方法において非作動化/無効化される。このような非作動化/無効化は、選択されていないトリガーボタン(302、304)の意図しない起動による、生検装置(10)の意図しない起動を防ぎ得る。
【0049】
一方の特定のトリガーボタン(302、304)が起動/有効化され得る一方で他方のトリガーボタン(302、304)が非作動化/無効化されるための、様々な方法が存在することが理解されるべきである。例えば、特定のトリガーボタン(302、304)の起動/有効化及び他方のトリガーボタン(302、304)の非作動化/無効化が電気的に提供されてもよい。単に例として、特定のトリガーボタン(302、304)の起動/有効化は、操作者が最初に特定のトリガーボタン(302、304)を起動すると直ちに提供され得る。いくつかのそのような形態において、制御モジュール(330)はどちらの特定のトリガーボタン(302、304)が最初に起動されたかを感知するように構成された論理を含むことがあり、これがその特定のトリガーボタン(302、304)を起動/有効化トリガーボタン(302、304)として指定する。制御モジュール(330)のこのような論理はまた、他方のトリガーボタン(302、304)を、非作動化/無効トリガーボタン(302、304)として指定するか又は扱い得る。換言すると、第1のトリガーボタン(302、304)が起動されると直ちに、制御モジュール(330)は、生検装置(10)がこの第1のトリガーボタン(302、304)によって制御されることを可能にする一方で、生検装置(10)が他方のトリガーボタン(302、304)によって制御されることを防ぎ得る。
【0050】
別の単なる例示的実施例として、電気的起動/有効化及び非作動化/無効化が、操作者が選択されたトリガーボタン(302、304)を特定の方法で起動することに反応して、制御モジュール(330)の論理により提供され得る。例えば、制御モジュール(330)は、特定のトリガーボタン(302、304)が「ダブルクリック」されたときに、これを感知する論理でプログラムされてもよい。すなわち、生検装置(10)は、操作者が選択したトリガーボタン(302、304)を、これを「ダブルクリック」することによって有効化し得るように構成され得る。一度、第1のトリガーボタン(302、304)がダブルクリックされると、制御モジュール(330)内の論理が他のトリガーボタン(302、304)を非作動化/無効トリガーボタン(302、304)として指定するか又は扱ってもよく、よって生検装置(10)は、非作動化/無効トリガーボタン(302、304)によって制御され得ない。あるいは、制御モジュール(330)は、特定のトリガーボタン(302、304)が他のいくつかの既定のパターン又は回数(例えば、一定時間内に3回、3秒の持続時間に1回など)で作動されたときに、これを感知する論理をプログラムされてもよく、かつこのような操作者入力に反応して起動/有効化トリガーボタン(302、304)を指定してもよい。
【0051】
更に別の単なる例示的実施例において、電気的な起動/有効化、及び非作動化/無効化は、操作者が選択ボタン又はスイッチを起動することに反応して提供されてもよい。例えば本実施例において、生検装置(10)を作動させ(turn on)、どちらのトリガーボタン(302、304)を起動/有効化するか選択するために、ボタン(300)が使用されてもよい。いくつかのこのような形態において、ボタン(300)は、ボタン(300)が一定時間にわたって作動される際(例えば、3秒など)に、生検装置(10)を作動又は停止するように動作可能である。必要とされる作動持続時間は、生検装置(10)の作動と、生検装置(10)の停止とで異なっていてもよい。例えば、生検装置(10)は、ボタン(300)が単に軽くたたかれたときに作動されてもよく、一方でボタン(300)は、生検装置(10)を停止するためにボタン少なくとも3秒間押し下げられなくてはならない。一度、生検装置(10)が作動されると、操作者が、起動/有効化のために特定のトリガーボタン(302、304)を選択するためにボタン(300)を軽くたたいてもよい。
【0052】
起動/有効化のために特定のトリガーボタン(302、304)を選択するためにボタン(300)が使用され得るいくつかの形態においては、各トリガーボタン(302、304)が、トリガーボタン(302、304)が起動/有効化されるかどうかを示す、関連したLED(306、308)を有してもよく、ボタン(300)を軽くたたくと、トリガーボタン(302、304)及びこれらの関連するLED(306、308)がトグル式に切り換わり得る。換言すれば、ボタン(300)は、どちらのトリガーボタン(302、304)が起動/有効化されるか、及びどちらのトリガーボタン(302、304)が非作動化/無効化されるかを選択するために制御モジュール(300)をプログラムするために使用されてもよく、制御モジュール(300)はまた、操作者に視覚的フィードバックを提供するために、起動/有効化トリガーボタン(302、304)と関連するLED(306、308)を照明するように構成された論理を有し得る。このようなLED(306、308)が使用される限りにおいて、LEDは、これらの関連するトリガーボタン(302、304)に隣接する本体(30)の内外が挙げられるがこれらに限定されない、任意の好適な位置に配置され得る。これに加えて、又は代わりに、起動/有効化トリガーボタン(302、304)それ自体が照明されてもよい。
【0053】
どちらの特定のトリガーボタン(302、304)が起動/有効化されているかを(例えば、LED(306、308)により、及び/又は起動された及び/若しくは有効化されたトリガーボタン(302、304)の照明により、など)示すために視覚的フィードバックが提供されるいくつかの形態において、視覚的フィードバックはまた、起動のためにトリガーボタン(302、304)が選択される必要があることを示すために提供され得る。例えば、生検装置(10)が作動されると直ちに、LED(306、308)又はトリガーボタン(302、304)の両方が点滅し、操作者に、操作者が起動/有効化のために一方の特定のトリガーボタン(302、304)を選択しなくてはならないことを示す。操作者が、起動/有効化のために好ましいトリガーボタン(302、304)を選択すると直ちに、LED(306、308)又はトリガーボタン(302、304)は点滅を停止してもよく、選択されたLED(306、308)又はトリガーボタン(302、304)が発光してもよく、選択されないLED(306、308)又はトリガーボタン(302、304)は消えてもよい。勿論、起動/有効化のためにどちらのボタン(302、304)が選択されたかを示すために、様々な他の種類の視覚的表示が提供され得る。このような視覚的表示が提供され得る他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮して、当業者には明らかとなる。同様に、トリガーボタン(302、304)の電気的起動/有効化及び非作動化/無効化が提供され得る他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなる。
【0054】
トリガーボタン(302、304)の電気的起動/有効化及び非作動化/無効化が提供される形態において、操作者の好ましいトリガーボタン(302、304)の選択が、本体(30)内の不揮発性メモリ内に記憶され得る。換言すると、操作者が生検装置(10)を停止して、後に生検装置(10)を再び作動させると、このようなメモリが操作者のトリガーボタン(302、304)の好みを呼び出してもよく、その結果、操作者は、好ましいトリガーボタン(302、304)を再指定する必要がない。あるいは、好ましいトリガーボタン(302、304)の操作者の選択は、本体(30)内の揮発性メモリ内に記憶されてもよく、よって操作者は、生検装置(10)が停止され、その後再び作動された後に、好ましいトリガーボタン(302、304)を再指定しなくてはならない。更に別の単なる例示的変形例として、制御モジュール(330)は、生検装置(10)が切断ストローク間に停止/作動されていなくても、各切断ストロークが開始される前に、好ましいトリガーボタン(302、304)を操作者が指定しなくてはならないように構成され得る。
【0055】
更に別の単なる例示的な実施例が
図9に例示され、ここでは特定のトリガーボタン(302、304)の起動/有効化及び他のトリガーボタン(302、304)の非作動化/無効化が機械的に提供され得る。特に、
図9は、摺動カバー(350)を示し、これはトリガーボタン(302)に隣接するように配置され、レール(352)に沿って摺動可能である。レール(352)は本実施例において、本体(300)と一体である。トリガーボタン(304)もまた、摺動カバー(350)を有し得ることが理解されるべきである。
図9においてカバー(350)は、トリガーボタン(302)を露出した状態で示され、これによってトリガーボタン(302)が起動されることを可能にしている。この実施例において、カバー(350)は、トリガーボタン(304)の上で摺動してもよく、それによってトリガーボタン(302)の作動が可能になる一方で、トリガーボタン(304)の作動が防止される。操作者はしたがって、操作者の好みによって、単にカバー(350)を摺動してトリガーボタン(302、304)を選択的に露出又は被覆することによって、どちらのトリガーボタン(302、304)が有効化されるべきであるか、どちらのトリガーボタン(302、304)が無効化されるべきであるかを選択してもよい。トリガーボタン(302、304)の選択的な露出/被覆を提供するものとして摺動カバー(350)が示されるが、トリガーボタン(302、304)の選択的な露出/被覆を提供するために、様々な他の構造が使用され得ることが理解されるべきである(例えば、枢動カバー、旋回カバー、スナップオンカバーなど)。トリガーボタン(302、304)が機械的に選択的に被覆又は露出され得る更に他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかとなる。
【0056】
ボタン(300)は、生検装置(10)を作動及び停止するため、及び/又はどちらのトリガーボタン(302、304)が起動されるかの選択を提供するために使用可能であるものとして上記されたが、ボタン(300)はまた、更に別のトリガーボタン(300、302、304)として使用され得ることが理解されるべきである。例えば、ボタン(300)は、上記の他の機能を有するボタン(300)に加えて、又はその代替として、トリガーボタン(302、304)と同様に、別の利用可能なトリガーボタンとして提供され得る。ボタン(300)はしたがって、本体(30)の側部のトリガーボタン(302、304)位置よりも、本体(30)の頂部のボタン(300)位置を好む操作者によって選択され得る。このような形態において、ボタン(300)が好ましいトリガーボタンとして選択されるときは、ボタン(300)の起動が切断ストロークなどを開始し得る。同様に、2つのトリガーボタン(302、304)及び3つのトリガーボタン(300、302、304)が上記されたが、任意の好適な数のトリガーボタン(302、304)が提供され、選択するために利用可能であり得ることが理解されるべきである。このような追加的なトリガーボタン(302、304)は、本体(30)上(例えば、プローブ(12)上又はホルスター(14)上)、電気ケーブルを介して遠隔で(例えば、フットスイッチの使用及び/又は真空制御モジュールの使用など)、ワイヤレス起動を介して遠隔で(例えば、フットスイッチの使用及び/又は真空制御モジュールの使用など)、又は他の場所など、任意の好適な位置に提供され得る。
【0057】
いくつかの形態において、起動/有効化のために特定のトリガーボタン(302、304)を選択するために、いくつかの他のスイッチが使用される。例えば、生検装置(10)は、どちらのトリガーボタン(302、304)が起動/有効化されるかの選択を提供するために、スライダースイッチ又はトグルスイッチを含み得る。上記のように制御モジュール(330)は、生検装置(10)が選択されていないトリガーボタン(302、304)の起動に単純に反応しないように、選択されていないいずれかのトリガーボタン(302、304)を非作動化/無効化するように構成された論理を含んでもよい。トリガーボタン(302、304)の選択(電気的、機械的、両方ないしは別の方法)が提供され得る更に他の方法が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなる。
【0058】
本明細書において記載される、選択的に有効化されるボタン(302、304)の概念は、様々な他の装置に適用され得ることが理解されるべきである。単に例として、本明細書において記載される選択的に有効化されるボタン(302、304)の概念は、本明細書において引用されるあらゆる特許、特許公報、又は特許出願において開示されるあらゆる生検装置に適用され得る。本明細書において記載される選択的に有効化されるボタン(302、304)の概念がこのような生検装置に適用され得る様々な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者にとって明らかとなる。更に、本明細書において記載される選択的に有効化されるボタン(302、304)の概念は、生検装置であっても他の種類の装置であっても、実質的にあらゆる種類の装置に適用され得る。したがって、本明細書において記載される選択的に有効化されるボタン(302、304)の概念は、確かに本明細書において記載される特定の生検装置(10)に限定されないことが想到される。
【0059】
操作方法の具体例
生検装置(10)の単に例示的な使用においては、ユーザーは最初に組織穿孔先端部(22)を患者の乳房に挿入する。こうした挿入時には、カッター(50)を最遠位位置まで前進させることにより、針(20)の側面開口部(24)が閉鎖される。やはり本明細書に記載したように、こうした挿入は、視覚的ガイダンス、定位ガイダンス、超音波ガイダンス、MRIガイダンス、PEMガイダンス、BSGIガイダンス、触診ガイダンス、他の何らかの種類のガイダンスなどの下で行うことができる。針(20)を患者の乳房内に十分に挿入し、ユーザーは、例えば、選択されたトリガーボタン(302、304)をダブルクリックすること、カバー(350)を摺動して選択されたトリガーボタン(302、304)を露出すること等によって、どちらの特定のトリガーボタン(302、304)を使用するか選択することができる。選択されたトリガーボタン(302、304)を起動することによって、ユーザーはその後、モーター(36)を起動してもよく、これはひいては、真空ポンプ(38)及びカッター作動機構(100)を起動し得る。こうした真空ポンプ(38)の起動によって、上記に述べたように組織サンプルホルダー(40)及びカッター管腔(52)内に真空を発生させることができる。カッター作動機構(60)のこうした作動により、
図5〜7に示されるようにカッター(50)は反時計周りに回転し、かつ近位方向に並進することができる。カッター(50)が引き込まれ始め、更にカッター(50)が引き込まれた位置に到達すると、真空ポンプ(38)からの真空(組織サンプルホルダー(40)及びカッター管腔(52)を通して供給される)によって針(20)の側面開口部(24)内に組織が引き込まれ得る。この間、第2の管腔(28)は弁機構(150)によって通気される。
【0060】
カッター(50)が最近位位置に到達すると、真空は依然として真空管腔(52)及び第1の管腔(26)を通して供給され、組織を針(20)の側面開口部(24)内に引き込む。この時点で第2の管腔(28)は弁アセンブリ(150)によって実質的に封止される。更に、カッター(50)が引き続き反時計回りに回転している状態で、フリーホイール状態の主ネジ(122)がバネ(128)によって更に遠位方向に付勢される。この段階では側面開口部(24)は完全に開放されており、組織が開口部内に脱出する。
【0061】
次いでモーター(36)の回転方向を逆転させると、カッター(50)は再び最遠位位置に達するまで遠位方向に前進し始める。カッター(50)が遠位に前進する際、真空は依然として真空管腔(52)を通して供給されており、カッター(50)の鋭利な遠位縁部(51)が組織の切断を開始する際に、組織を所定位置に保持する補助となる。第2の管腔(28)はこの時点では最初は弁アセンブリ(150)によって実質的に封止されているが、やがて通気される。この後、カッター(50)は最遠位位置に到達し、これにより側面開口部(24)を「閉鎖」し、それによってカッター(50)の鋭利な遠位縁部(51)が組織を完全に切断する。この時点では真空は依然としてカッター管腔(52)を通して供給されており、弁アセンブリ(150)が第2の管腔(28)を通気する。上記に述べたように、真空と通気とのこの組み合わせにより、切断された組織サンプルがカッター管腔(52)を通して組織サンプルホルダー(40)内へと近位方向に供給される。モーター(36)が切断ストロークの終わりに引き続き動作していることにより、真空ポンプ(38)を引き続き駆動して組織サンプルホルダー(40)内に真空を維持する。更に、バネ(130)が主ネジ(122)をネジ山(132)と係合させるように近位方向に付勢すると同時に、カッター(50)が最遠位位置で引き続き回転することを可能とする。これにより1回の切断ストロークが完了し、必要な回数だけ開始して更なる組織サンプルを取得することができる。
【0062】
上記に述べたように、複数回の切断ストロークを行うことにより、ユーザーが患者の乳房から針(20)を引き抜く必要なく複数の組織サンプルを取得することができる。ユーザーは、複数のサンプルを取得するための切断ストロークの間に生検装置(10)全体を回転させることによって、針(20)により画定される軸の周囲の側面開口部(24)の向きを調節することができる。あるいは、生検装置(10)は、針(20)が本体(30)に対して回転可能であるように構成することも可能であり、これにより針(20)をサムホイール又は他の機構によって回転させることができる。必要な数の組織サンプルが得られた時点で、ユーザーは患者の乳房から針(20)を引き抜くことができる。この後、ユーザーはカップ(44)からキャップ(42)を外し、組織サンプルをフィルタートレイ(46)から取り出すことができる。
【0063】
処置の終わりに、ユーザーはプローブ(12)をホルスター(14)から分離することができる。この後、ホルスター(14)を後の使用のために洗浄及び/又は滅菌することができる。プローブ(12)は廃棄することができる。あるいは、上記に述べたように、生検装置(10)は代わりに、プローブ(12)がホルスター(14)から分離できないように一体構造として形成することも可能である。
【0064】
任意の様々な操作を切断ストロークの最後に行うことができる点が理解されるべきである。例えば、生検装置(10)は、切断ストロークが完了したことをユーザーに知らせる様々な形態のフィードバックを提供することができる。単に例として、生検装置(10)は、電子的なビープ音若しくは他の可聴表示、機械的な可聴表示(例、大きなクリック音)、視覚的表示(例、照射又は点滅する光)、又は他の何らかの種類の可聴及び/若しくは視覚的表示を提供することができる。あるいは、また特にカップ(44)が透明な形態では、組織サンプルがフィルタートレイ(46)上に貯留しているところがユーザーに見えるまで単純にサンプルホルダー(40)を見ていることによって、ユーザーは切断ストロークが完了したことを知ることもできる。あるいは、制御モジュール(330)は、ユーザーがトリガーボタン(302、304)を押し下げ続けても、切断ストロークが完了すると直ちにモーター(36)を自動的に非作動化し得る。この後、ユーザーはトリガーボタン(302、304)を放し、その後、再び押すことによって別の切断ストロークを開始することができる。更なる別の単に例示的な例として、また上記に述べたように、制御モジュール(330)は、使用者がトリガーボタン(302、304)を短く押すか軽くたたくことに応じて切断ストロークを開始し、切断ストロークが完了した時点で直ちにモーター(36)を自動的に非作動化することもできる。この後、使用者は、トリガーボタン(302、304)を再び短く押すか軽くたたくことによって別の切断ストロークを開始することができる。切断ストロークの終わりに生検装置(10)が動作する、及び/又は、次の切断ストロークを開始するための更なる他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0065】
制御モジュール(330)は、カッター(50)が最近位位置に到達すると直ちにモーター(36)の回転方向を自動的に逆転させるように構成された回路を含み得ることもまた理解されるべきである。例えば、1つ又は2つ以上のセンサー(例えばホール効果センサーなど)によりカッター(50)の長手方向の位置を追跡又は別様に感知することができる。これに加えて、あるいはこれに代えて、1つ又は2つ以上のセンサー(例えばエンコーダーホイールを備えたエンコーダーなど)により、カッター(50)の回転数を追跡ないしは別の方法で感知し、制御モジュール(330)によってカッター(50)の長手方向の位置をカッター(50)の回転数の関数として認識することも可能である。更なる別の代替例として、モーターの逆転を本質的に手動としてもよい(例えば、生検装置(10)が「順方向」ボタンと「逆方向」ボタンとを有するなど)。モーター(38)の回転方向を手動又は自動で逆転させることが可能な更なる他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。制御モジュール(330)がモーター(36)を、それぞれのカッター(50)ストロークの終わりに少なくとも一時的(例えば数秒など)に継続して動作させ(例えば、カッター(50)が最遠位位置及び/又は最近位位置に留まる一方で)、例えば、真空ポンプ(38)を継続的に動作させることができることも理解されるべきである。
【0066】
切断ストロークの終わりを知らせる電子的な可聴及び/又は視覚的表示が提供される生検装置(10)の形態、並びに制御モジュール(330)がモーター(36)を自動的に停止させるかクラッチを外すか他の何らかの種類の自動的応答を提供するような生検装置(10)の形態では、切断ストロークの終わりを感知することができる様々な方法がある。例えば、カッター(50)の一部が磁石を含み、ホール効果センサーを本体(30)内に配置することによって、カッター(50)が切断ストロークの終わりに最遠位位置に到達する際に、磁石の存在を感知することができる。別の単に例示的な例としては、エンコーダーホイールをカッター(50)又はカッター回転機構(60)の回転要素と連結することによって、カッター(50)の長手方向の位置を回転数に基づいて求めることができる。切断ストロークの終わりが感知され得る(例えば、電子的、機械的、電気機械的、手動などの)他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。
【0067】
勿論、生検装置(10)の使用の上記の実施例は単に例示的なものである。生検装置(10)を使用できる他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる。生検装置(10)の少なくとも一部が、2009年6月12日に出願された、米国特許非暫定的特許出願第12/483,305号、表題「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に従って構成され、及び/又は使用可能であり得ることも理解されるべきである。追加的な単なる例示的な代替として、生検装置(10)の少なくとも一部が、本明細書において引用される特許、特許公報、又は特許出願に従って構成される及び/又は使用可能であり得る。
【0068】
本明細書に組み込まれるといわれる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、あくまで組み込まれる文献が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれるものであることが認識されるべきである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込まれるといわれるが本明細書に記載した既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾する、任意の資料又はその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込むものとする。
【0069】
本発明の実施形態は、従来の内視鏡及び開腹外科用器具における用途、並びにロボット支援手術における用途を有する。
【0070】
本明細書に開示される装置の実施形態は、1回の使用後に処分されるような設計としてもよく、あるいは複数回使用できるような設計としてもよい。実施形態は、一方又は両方の場合において、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解工程、その後の特定の部品の洗浄又は交換工程、並びにその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含みうる。具体的には、装置の各実施形態は分解可能であってもよく、装置の任意の数の特定の部材又は部品を任意の組み合わせで選択的に交換するか、取り外すことができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換に際しては、装置の各実施形態は、再調整用の施設において、あるいは外科手術の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組み立てすることができる。装置の再調整では、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できる点は当業者には理解されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0071】
単に一例として、本明細書で記載された各実施形態は手術に先立って処理することができる。最初に新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌してもよい。滅菌法の1つでは、この器具をプラスチック又はTYVEKバッグ等の閉鎖かつ密閉された容器に入れる。次いで、容器及び器具は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、器具の表面及び容器内部の細菌を死滅させ得る。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで器具を滅菌状態に保つことができる。装置はこれらに限定されるものではないがβ線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含む当該技術分野では周知の他の任意の方法を用いて滅菌することもできる。
【0072】
以上、本発明の様々な実施形態について図示及び説明してきたが、本願で記載された方法及びシステムは当業者による好適な変更によって本発明の範囲を逸脱することなく更に適合させることが可能である。このような可能な改変の内の幾つかについて記載したが、他のものも当業者にとっては明白である。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的であって必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0073】
〔実施の態様〕
(1) (a)横方向開口部を有する針と、
(b)カッターであって、前記カッターは、前記横方向開口部内に突出する組織を切断するために、前記針に対して可動である、カッターと、
(c)本体であって、前記針が前記本体から遠位方向に延び、前記本体は、
(i)カッター作動機構であって、前記カッター作動機構は、前記横方向開口部内に突出する組織を切断するために、前記針に対して前記カッターを動かすように動作可能である、カッター作動機構、
(ii)少なくとも2つのトリガーボタン、並びに
(iii)前記カッター作動機構及び前記少なくとも2つのトリガーボタンと連絡する制御モジュールであって、
前記制御モジュールは、ユーザーのボタン選択入力を受信するように構成されたボタン選択論理を含み、
前記ボタン選択論理は更に、前記ユーザーのボタン選択入力に従い、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち1つの選択されたトリガーボタンを有効化し、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち選択されないトリガーボタンを無効化するように構成され、
前記有効化されたトリガーボタンは、前記カッター作動機構を起動するように動作可能であり、
前記無効化されたトリガーボタンは、前記カッター作動機構を起動するように動作可能でない、制御モジュール、
を含む、本体と、
を含む、生検装置。
(2) 前記ボタン選択論理は、前記ユーザーが前記少なくとも2つのトリガーボタンのうちどちらのトリガーボタンを最初に起動するのかによって表される、前記ユーザーのボタン選択入力を受信するように構成される、実施態様1に記載の生検装置。
(3) 前記ボタン選択論理は、前記ユーザーが前記少なくとも2つのトリガーボタンのうちどちらのトリガーボタンをダブルクリックするのかによって表される、前記ユーザーのボタン選択入力を受信するように構成される、実施態様1に記載の生検装置。
(4) 前記ボタン選択論理は、前記ユーザーが、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうちどちらのトリガーボタンを所定の期間にわたって押し下げるのかによって表される、前記ユーザーのボタン選択入力を認識するように構成される、実施態様1に記載の生検装置。
(5) 前記本体がボタン選択器を更に含み、前記ボタン選択器が前記制御モジュールの前記ボタン選択論理と連絡し、前記ボタン選択器は前記ユーザーのボタン選択入力を受信して前記ボタン選択論理に送信するように動作可能である、実施態様1に記載の生検装置。
【0074】
(6) 前記ボタン選択器が、前記少なくとも2つのトリガーボタンと別個であるボタンを含む、実施態様4に記載の生検装置。
(7) 前記本体が、前記制御モジュールと連絡する少なくとも1つの視覚的インジケータを更に含み、前記視覚的インジケータは、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうちどちらのトリガーボタンが有効化するために選択されたかを視覚的に示すように構成される、実施態様1に記載の生検装置。
(8) 前記少なくとも1つの視覚的インジケータが、複数のLEDを含み、前記複数のLEDの各LEDが、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち対応するトリガーボタンと関連している、実施態様7に記載の生検装置。
(9) 前記本体は、左側部及び右側部を含み、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち第1のトリガーボタンは、前記本体の前記左側部に配置され、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち第2のトリガーボタンは、前記本体の前記右側部に配置される、実施態様1に記載の生検装置。
(10) 前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち第3のトリガーボタンが、前記第1のトリガーボタンと前記第2のトリガーボタンとの間に配置される、実施態様9に記載の生検装置。
【0075】
(11) 前記制御モジュールは、ユーザーが前記有効化されたトリガーボタンを軽くたたくことに反応して、前記カッター作動機構を起動するように構成される、実施態様1に記載の生検装置。
(12) 前記カッター作動機構がモーターを含む、実施態様1に記載の生検装置。
(13) 前記モーターが前記本体内に配置される、実施態様12に記載の生検装置。
(14) 前記制御モジュールと連絡する電池を更に含み、前記電池は前記カッター作動機構に電力を提供するように構成される、実施態様1に記載の生検装置。
(15) 前記電池が前記本体内に配置される、実施態様14に記載の生検装置。
【0076】
(16) 前記カッター作動機構が、前記針に対して前記カッターを回転させるように動作可能である、実施態様1に記載の生検装置。
(17) 前記カッター作動機構は、前記針に対して前記カッターを並進させるように動作可能である、実施態様16に記載の生検装置。
(18) (a)横方向開口部を有する針と、
(b)カッターであって、前記カッターは、前記横方向開口部内に突出する組織を切断するために、前記針に対して可動である、カッターと、
(c)本体であって、前記針が前記本体から遠位方向に延び、前記本体は、
(i)カッター作動機構であって、前記カッター作動機構は、前記横方向開口部内に突出する組織を切断するために、前記針に対して前記カッターを動かすように動作可能である、カッター作動機構、
(ii)少なくとも2つのトリガーボタン、並びに
(iii)前記カッター作動機構及び前記少なくとも2つのトリガーボタンと連絡する制御モジュール、を含む、
本体と、
を含む、生検装置であって、
前記生検装置は、前記少なくとも2つのトリガーボタンが選択的に有効化及び無効化されるように構成され、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち選択的に有効化されたトリガーボタンが、前記カッター作動機構を起動するように動作可能であり、かつ前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち選択的に無効化されたトリガーボタンが、前記カッター作動機構を起動するように動作可能ではない、生検装置。
(19) 前記本体が、複数のボタンカバーを更に含み、各ボタンカバーが、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち対応するトリガーボタンと関連し、各ボタンカバーが、その対応するトリガーボタンを選択的に被覆又は露出するように動作可能であり、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち被覆されたトリガーボタンが無効化され、一方で前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち露出されたトリガーボタンが有効化される、実施態様18に記載の生検装置。
(20) (a)横方向開口部を有する針と、
(b)カッターであって、前記カッターは、前記横方向開口部内に突出する組織を切断するために、前記針に対して可動である、カッターと、
(c)本体であって、前記針が前記本体から遠位方向に延び、前記本体は、
(i)カッター作動機構であって、前記カッター作動機構は、前記横方向開口部内に突出する組織を切断するために、前記針に対して前記カッターを動かすように動作可能である、カッター作動機構、
(ii)少なくとも2つのトリガーボタン、
(iii)少なくとも2つのトリガーボタンカバーであって、各トリガーボタンカバーは、前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち対応するトリガーボタンと関連し、
各トリガーボタンカバーは、その対応するトリガーボタンを選択的に被覆又は露出するように動作可能である、トリガーボタンカバー、並びに
(iv)前記カッター作動機構及び前記少なくとも2つのトリガーボタンと連絡する制御モジュールであって、
前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち選択的に露出されたトリガーボタンが、前記カッター作動機構を起動するように動作可能であり、
前記少なくとも2つのトリガーボタンのうち選択的に被覆されたトリガーボタンが、前記カッター作動機構を起動するように動作可能ではない、制御モジュール、
を含む、本体と、
を含む、生検装置。