特許第5701891号(P5701891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701891
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20150326BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   A61B17/39
   A61B17/32 330
   A61B17/39 320
【請求項の数】19
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2012-533313(P2012-533313)
(86)(22)【出願日】2010年10月7日
(65)【公表番号】特表2013-507191(P2013-507191A)
(43)【公表日】2013年3月4日
(86)【国際出願番号】US2010051794
(87)【国際公開番号】WO2011044343
(87)【国際公開日】20110414
【審査請求日】2013年9月26日
(31)【優先権主張番号】12/576,789
(32)【優先日】2009年10月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/576,808
(32)【優先日】2009年10月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/576,831
(32)【優先日】2009年10月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/576,776
(32)【優先日】2009年10月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/576,756
(32)【優先日】2009年10月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ツリーズ・グレゴリー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ブードロー・チャド・ピー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイコ・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フェルダー・ケビン
(72)【発明者】
【氏名】バトロス・ジョナサン・ティ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダノ・ジェイムズ・アール
(72)【発明者】
【氏名】マクファーランド・テリー・エイ
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−229050(JP,A)
【文献】 米国特許第05817093(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00−18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具において、
ハンドルであって、
非作動位置と作動位置との間で可動なトリガーと、
トグルクランプを含む第1の駆動システムと、
第2の駆動システムであって、
ラックと、
前記ラックと操作可能に係合されたピニオンギアと、
前記ラックと選択的に係合可能なラックロックを含むヨークと、を含む第2の駆動システムと、を含み、前記トリガーが、前記トリガーが前記非作動位置と前記作動位置との間で移動される際、第1の動作範囲と第2の動作範囲との間で可動であり、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記第1の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記トグルクランプを作動させるよう構成され、また前記トリガーが、前記第2の動作範囲の間、前記第2の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記ラックを作動させるよう構成されている、ハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間を可動であるナイフバーを含み、前記トグルクランプ及び前記ラックが前記ナイフバーと操作可能に係合可能であり、前記トグルクランプが、前記ナイフバーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するよう構成され、前記ラックが、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動するよう構成されている、シャフトと、
前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
遠位端と、
第1のつかみ具と、
第2のつかみ具と、を含み、前記第1のつかみ具が前記第2のつかみ具に対して開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、前記ナイフバーが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動される際、前記ナイフバーが、前記第1のつかみ具を前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動するよう構成され、また、前記ナイフバーが前記第2の位置と前記第3の位置との間を移動される際、前記ナイフバーが、前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって移動するよう構成されている、エンドエフェクタと、を備える外科用器具。
【請求項2】
前記ハンドルがハンドル本体を含み、前記トリガーが前記ハンドル本体に枢動可能に取り付けられ、前記トグルクランプが、
第1の末端部及び第2の末端部を含む第1のリンクと、
第1のピボットであって、前記第1のリンクの前記第1の末端部が前記第1のピボットにおいて前記ハンドル本体に枢動可能に取り付けられる、第1のピボットと、
第1の末端部及び第2の末端部を含む第2のリンクと、
第2のピボットであって、前記第2のリンクの前記第1の末端部が前記第2のピボットにおいて前記ヨークに枢動可能に取り付けられる、第2のピボットと、を含み、前記第1のリンクの前記第2の末端部が、前記第2のリンクの前記第2の末端部に回転可能に結合され、前記トリガーが、前記第1のリンク及び前記第2のリンクの少なくとも一方に係合して前記第1のリンク及び前記第2のリンクを第1の構成と第2の構成との間で移動し、前記ナイフバーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するよう構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記第1のリンク及び前記第2のリンクが前記第1の構成から前記第2の構成に移動される際、前記第2のリンクが、前記ヨークを前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって駆動するよう構成され、前記ラックが、前記ラックロックによって前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって駆動されて、前記ナイフバーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記ラックロックが前記ラックと操作可能に係合された際、前記ラックロックが、前記ナイフバーが前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動されることを防止するよう構成され、前記ラックが、前記ラックロックが前記ラックから係合解除された際、前記ヨークに対して可動であり、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動させることができる、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記第1のリンクの前記第2の末端部が、中間ピボットにおいて前記第2のリンクの前記第2の末端部に回転可能に結合されており、前記第1のピボット及び前記第2のピボットが、前記第1のピボットと前記第2のピボットとの間に軸線を画定し、前記中間ピボットが、前記第1のピボット及び前記中間ピボットを含む第1の線と、前記第2のピボット及び前記中間ピボットを含む第2の線との間に画定される頂点を含み、第1の頂角は前記トグルクランプが前記第1の構成にある際に画定され、第2の頂角は前記トグルクランプが前記第2の構成の構成にある際に画定され、前記第1の頂角は前記第2の頂角よりも小さい、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記第2の頂角が180度よりも僅かに小さい、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記第1のリンクが駆動表面を含み、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記駆動表面と係合し、前記第1のリンク及び前記第2のリンクを前記第1の構成と前記第2の構成との間で移動するよう構成されたカムを含み、前記カムが、前記第2の動作範囲の間、前記駆動表面と係合されない、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記カムが前記第1の動作範囲の最後において前記駆動表面と係合解除される、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記ハンドル本体に枢動可能に取り付けられたトリガーギアを更に備え、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記トリガーギアを移動して前記ピニオンギアと操作可能に係合させるよう構成され、前記トリガーが、前記第2の動作範囲の間、前記トリガーギア及び前記ピニオンギアを駆動して前記ラックを前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって移動し、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動するよう構成されている、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記トリガーギアが、前記第1の動作範囲の最後まで、前記ピニオンギアと操作可能に係合されない、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記ピニオンギアと操作可能に係合された複合ギアを更に備え、前記トリガーが、前記複合ギアと操作可能に係合して前記ピニオンギアを駆動するよう構成され、前記複合ギアが、前記ピニオンギアが前記トリガーギアよりも速く回転するように構成されている、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記ピニオンギア及び前記複合ギアの少なくとも一方と操作可能に係合された戻りばねを更に備え、前記戻りばねが、前記トリガーギアが前記複合ギアとの操作可能な係合から外れ、また前記ラックが前記第3の位置から前記第2の位置に移動されるように、前記複合ギアを逆方向に回転させるよう構成されている、請求項11に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記ラックロックが、前記ラックロックが前記ラックと操作可能に係合された際、前記ナイフバーが前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動することを防止するよう構成され、前記ラックが、前記ラックロックが前記ラックから係合解除された際、前記ヨークに対して可動であり、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動させることができ、外科用器具が、前記ナイフバーが前記第3の位置から前記第2の位置に戻った際、前記ラックロックを前記ラックと再び係合させるよう構成されているロックばねを更に備える、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記トリガーの前記カムが、前記トリガーギアが前記複合ギアから操作可能に係合解除された際、前記第1のリンクの前記駆動表面と再び係合するよう構成されている、請求項13に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記外科用器具が、前記複合ギアと操作可能に係合できる反転プレートを更に備え、前記複合ギア及び前記戻りばねが、前記反転プレートを駆動するよう構成され、前記反転プレートが、前記トリガーが前記第1のリンク及び前記第2のリンクを前記第2の構成から前記第1の構成に移動するように、前記トリガーを駆動するよう構成されている、請求項14に記載の外科用器具。
【請求項16】
前記第1のリンク及び前記第2のリンクの前記第2の構成から前記第1の構成への前記移動が、前記ヨーク、前記ラックロック、及び前記ラックを前記エンドエフェクタの前記遠位端から離れるよう移動し、前記ナイフバーを前記第2の位置から前記第1の位置へ移動するよう構成されている、請求項15に記載の外科用器具。
【請求項17】
前記シャフトと前記ヨークとの中間に配置されたヨークばねを更に備え、前記ヨークばねが、前記ヨークが前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって前進された際、前記ヨークと前記シャフトとの間で圧縮され、位置エネルギーを貯蔵するよう構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記第1のつかみ具及び前記第2のつかみ具の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具と前記第2のつかみ具との間にクランプされた組織にエネルギーを供給するよう構成されている電極を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項19】
組織にエネルギーを供給するよう構成されている外科用器具において、
非作動位置と作動位置との間で可動なトリガーと、
トグルクランプを含む第1の駆動システムと、
ラック・ピニオンシステムを含む第2の駆動システムであって、前記トリガーが前記非作動位置と前記作動位置との間で移動される際、前記トリガーが、第1の動作範囲と第2の動作範囲との間で可動であり、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記第1の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記トグルクランプを作動させるよう構成され、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記第2の駆動システムから操作可能に係合解除されており、前記トリガーが、前記第2の動作範囲の間、前記第2の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記ラックを作動させるよう構成され、前記トリガーが、前記第2の動作範囲の間、前記第1の駆動システムから操作可能に係合解除されている、第2の駆動システムと、
ャフトであって、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間で可動である発射部材を含み、前記トグルクランプ及び前記ラックが前記発射部材と操作可能に係合可能であり、前記トグルクランプが前記発射部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するよう構成され、前記ラックが前記発射部材を前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動するよう構成されている、シャフトと、
前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
遠位端と、
第1のつかみ具と、
第2のつかみ具と、を含み、前記第1のつかみ具が前記第2のつかみ具に対して開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、前記発射部材が、前記発射部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動される際、前記第1のつかみ具を前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動するよう構成され、また前記発射部材が、前記発射部材が前記第2の位置と前記第3の位置との間を移動される際、前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって移動するよう構成されている、エンドエフェクタと、を備える外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具と、その外科用器具の使用のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な環境において、外科用器具は、組織にエネルギーを適用して、組織を処置及び/又は破壊するよう構成され得る。所定の環境では、外科用器具は、電流が電極を介して組織内に流れることができるように、組織に接して及び/又は組織に対して配置され得る1つ以上の電極を備えることができる。外科用器具は、更に電気入力、電極と電気的に結合された給電導体、及び/又は帰路導体を備えることができ、これらは例えば電流が電気入力から給電導体を通り、電極及び組織を通って流れた後、帰路導体を通って電気出力に流れるように構成されていてもよい。様々な環境において、電流は電極内に熱を生成する場合があり、この熱は、組織内に1つ以上の止血シールを形成することができる。そのような実施形態は、例えば、血管を封止するのに特に有用であり得る。外科用器具は、更に切断部材を備えることができ、前記切断部材は、組織及び電極に対して移動して組織を切除することができる。
【0003】
上述の議論は、当時の本発明の分野における関連技術の様々な態様を説明することのみを意図したものであり、特許請求の範囲を否定するものとみなされるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの形態において、外科用器具は、電極及び切断部材を含むエンドエフェクタを備えることができる。外科用器具は、更に細長いシャフトを備えることができ、前記細長いシャフトは近位端及び遠位端を含み、前記エンドエフェクタが前記細長いシャフトの前記遠位端に結合され、前記細長いシャフトは更に、前記電極と電気的に結合された導体を含む。外科用器具は更に、前記切断部材と操作可能に結合された駆動シャフトを備えることができる。外科用器具は更に、前記前記細長いシャフトの近位端に結合されたハンドルを備えることができ、前記ハンドルは、ロック位置と非ロック位置との間で可動なロックを含み、前記ロックは、前記駆動シャフトと係合して、前記ロックが前記ロック位置にある際、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進することを防止し、前記ロックが前記非ロック位置にある際、前記駆動シャフトから係合解除されて、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって可動にする。ハンドルは更に、電気入力と、非作動位置と作動位置との間で可動なスイッチとを含むことができ、前記電気入力は、前記スイッチが前記非作動位置にある際、前記導体から電気的に切り離され、前記スイッチは、前記スイッチが前記作動位置にある際、前記電気入力と前記導体とを電気的に結合するよう構成され、前記スイッチと前記ロックとは、前記非作動位置から前記作動位置への前記スイッチの移動が、前記ロックを前記ロック位置から前記非ロック位置へ移動するように、操作可能に結合されている。
【0005】
少なくとも1つの形態において、外科用器具は、電極及び切断部材を含むエンドエフェクタと、近位端及び遠位端を含む細長いシャフトとを備えることができ、前記エンドエフェクタは前記細長いシャフトの前記遠位端に結合され、前記細長いシャフトは更に、前記電極と電気的に結合された導体を含む。外科用器具は更に、前記切断部材と操作可能に結合された駆動シャフトを備えることができる。外科用器具は更に、前記前記細長いシャフトの近位端に結合されたハンドルを備えることができ、前記ハンドルは、ロック位置と非ロック位置との間で可動なロックを含み、前記ロックは、前記ロックが前記ロック位置にある際、前記駆動シャフトと係合して、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進されることを防止し、前記ロックが前記非ロック位置にある際、前記ロックが前記駆動シャフトから係合解除されて、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって移動されることを可能にする。ハンドルは更に、電気入力及びスイッチを含むことができ、前記スイッチは、前記スイッチに対する第1の力の適用により非作動位置と作動位置との間で可動であり、前記電気入力は、前記スイッチが前記非作動位置にある際、前記導体から電気的に切り離され、前記スイッチは、前記スイッチが前記作動位置にある際、前記スイッチが前記電気入力と前記導体とを電気的に結合するよう構成され、前記スイッチと前記ロックとは、前記スイッチに適用された第2の力が前記ロックを前記ロック位置から前記非ロック位置へ移動するように、操作可能に結合され、前記第2の力は、前記第1の力よりも大きい。
【0006】
少なくとも1つの形態において、外科用器具は、電極及び切断部材を含むエンドエフェクタと、近位端及び遠位端を含む細長いシャフトと、を備えることができ、前記エンドエフェクタは前記細長いシャフトの前記遠位端に結合され、前記細長いシャフトは更に、前記電極と電気的に結合された導体と、前記切断部材と操作可能に結合された駆動シャフトと、を含む。外科用器具は更に、前記前記細長いシャフトの近位端に結合されたハンドルを備えることができ、前記ハンドルは、ロック位置と非ロック位置との間で可動なロックを含み、前記ロックは、前記ロックが前記ロック位置にある際、前記駆動シャフトと係合して、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進されることを防止し、前記ロックが前記非ロック位置にある際、前記駆動シャフトから係合解除されて、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって移動されることを可能にする。ハンドルは更に、電気入力及びスイッチを含むことができ、前記スイッチは、非作動位置と作動位置と第3の位置との間で可動であり、前記電気入力は、前記スイッチが前記非作動位置にある際、前記導体から電気的に切り離され、前記スイッチは、前記スイッチが前記作動位置にある際、前記電気入力と前記導体とを電気的に結合するよう構成され、前記スイッチと前記ロックとは、前記作動位置から前記第3の位置への前記スイッチの移動が、前記ロックを前記ロック位置から前記非ロック位置へ移動するように、操作可能に結合されている。
【0007】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するための外科用器具は、トリガー及び電気入力を含むハンドルと、前記ハンドルから延びるシャフトと、を備えることができ、前記シャフトは導体を含み、前記トリガーは、選択的に作動して前記電気入力と前記導体とを電気的に結合することができる。外科用器具は、更に、第1のつかみ具部材及び第2のつかみ具部材を含むエンドエフェクタを備えることができ、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプすることができる。エンドエフェクタは、更に、前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際に熱を生成するよう構成されている電極と、前記電極内の少なくとも1つの水蒸気路であって、組織が電極により加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている少なくとも1つの水蒸気路と、を含むことができる。
【0008】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するための外科用器具は、トリガー及び電気入力を含むハンドルと、前記ハンドルから延びるシャフトと、を備えることができ、前記シャフトは導体を含み、前記トリガーは、選択的に作動して前記電気入力と前記導体とを電気的に結合することができる。外科用器具は、更に、第1のつかみ具部材及び第2のつかみ具部材を含むエンドエフェクタを備えることができ、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプすることができる。エンドエフェクタは、更に、前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際に熱を生成するよう構成されている電極と、前記帰路導体と電気的に結合された帰路電極と、前記帰路電極内の少なくとも1つの水蒸気路であって、組織が電極により加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている少なくとも1つの水蒸気路と、を含むことができる。
【0009】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するための外科用器具は、トリガー及び電気入力を含むハンドルと、前記ハンドルから延びるシャフトと、を備えることができ、前記シャフトは導体を含み、前記トリガーは、選択的に作動して前記電気入力と前記導体とを電気的に結合することができる。外科用器具は、更に、第1のつかみ具部材及び第2のつかみ具部材を含むエンドエフェクタを備えることができ、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプすることができる。エンドエフェクタは、更に、前記導体と電気的に結合された電極であって、電極エネルギーが前記電極に供給された際に熱を生成するよう構成されている電極と、組織が電極により加熱された際に生成された水蒸気を誘導するための水蒸気誘導手段と、を含むことができる。
【0010】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するための外科用器具は、トリガー及び電気入力を含むハンドルと、前記ハンドルから延びるシャフトとを備えることができ、前記シャフトは導体を含み、前記トリガーは、選択的に作動して前記電気入力と前記導体とを電気的に結合することができる。外科用器具は、更に、第1のつかみ具部材及び第2のつかみ具部材を含むエンドエフェクタを備えることができ、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプすることができる。エンドエフェクタは更に、前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際に熱を生成するよう構成されている電極と、複数の歯を含む組織把持部分であって、非導電性材料で構成される、組織把持部分と、を含むことができる。
【0011】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するための外科用器具は、トリガー及び電気入力を含むハンドルと、前記ハンドルから延びるシャフトとを備えることができ、前記シャフトは導体を含み、前記トリガーは、選択的に作動して前記電気入力と前記導体と、を電気的に結合することができる。外科用器具は、更に、第1のつかみ具部材及び第2のつかみ具部材を含むエンドエフェクタを備えることができ、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプすることができる。エンドエフェクタは、更に、前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際に熱を生成するよう構成されている電極と、前記電極に隣接して配置され、かつ前記電極から離れて延びる非導電性の歯のアレイと、を含むことができる。
【0012】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するための外科用器具は、トリガー及び電気入力を含むハンドルと、前記ハンドルから延びるシャフトとを備えることができ、前記シャフトは導体を含み、前記トリガーは、選択的に作動して前記電気入力と前記導体とを電気的に結合することができる。外科用器具は更に、第1のつかみ具部材を備えることができ、前記第1のつかみ具部材は、前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際に熱を生成するよう構成され、かつ上面を含む、電極と、前記電極に隣接して配置された絶縁体であって、前記電極の前記上面に対して第1の位置と第2の位置との間で可動である上面を含み、前記絶縁体の前記上面が、前記絶縁体が前記第2の位置にあるときよりも前記第1の位置にあるときに、前記電極の前記上面により接近している、絶縁体と、を含む。外科用器具は更に、第2のつかみ具部材を備えることができ、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプすることができる。
【0013】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するための外科用器具は、トリガー及び電気入力を含むハンドルと、前記ハンドルから延びるシャフトと、を備えることができ、前記シャフトは導体を含み、前記トリガーは、選択的に作動して前記電気入力と前記導体とを電気的に結合することができる。外科用器具は更に、第1のつかみ具部材を備えることができ、前記第1のつかみ具部材は、前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際に熱を生成するよう構成され、かつ上面を含む、電極と、前記電極に隣接して配置された絶縁体であって、前記組織接触表面に対して第1の高さと第2の高さとの間で可動であり、前記絶縁体が前記第2の高さにあるときよりも前記第1の高さにあるときに、前記組織接触表面により接近して配置される、絶縁体と、を含むことができる。外科用器具は更に、第2のつかみ具部材を備えることができ、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプすることができる。
【0014】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するための外科用器具は、トリガー及び電気入力を含むハンドルと、前記ハンドルから延びるシャフトとを備えることができ、前記シャフトは導体を含み、前記トリガーは、選択的に作動して前記電気入力と前記導体とを電気的に結合することができる。外科用器具は更に、第1のつかみ具部材を備えることができ、前記第1のつかみ具部材は、前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際に熱を生成するよう構成され、かつ上面を含む、電極と、前記電極に隣接して配置され、かつ上面を含む絶縁体であって、前記電極の上面が、前記絶縁体の前記上面に対して第1の位置と第2の位置との間で可動であり、前記電極の上面が、前記電極が前記第2の位置にあるときよりも前記第1の位置にあるときに、前記絶縁体の前記上面により接近している、絶縁体と、を含む。外科用器具は更に、第2のつかみ具部材を備えることができ、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプすることができる。
【0015】
少なくとも1つの形態において、外科用器具はハンドルを備えることができ、前記ハンドルは、非作動位置と作動位置との間で可動なトリガーと、トグルクランプを含む第1の駆動システムと、第2の駆動システムとを含む。第2の駆動システムは、ラックと、前記ラックと操作可能に係合されたピニオンと、前記ラックと選択的に係合可能なラックロックを含むヨークと、を含み、前記トリガーは、前記トリガーが前記非作動位置と前記作動位置との間で移動される際、第1の動作範囲と第2の動作範囲との間で可動であり、前記トリガーは、前記第1の動作範囲の間、前記第1の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記トグルクランプを作動させるよう構成され、また前記トリガーは、前記第2の動作範囲の間、前記第2の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記ラックを作動させるよう構成されている。外科用器具は更に、前記ハンドルから延びるシャフトを備えることができ、前記シャフトは、第1の位置と第2の位置と、第3の位置との間で可動なナイフバーを含み、前記トグルクランプ及び前記ラックが前記ナイフバーと操作可能に係合可能であり、前記トグルクランプが、前記ナイフバーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するよう構成され、前記ラックが、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動するよう構成されている。外科用器具は更に、前記シャフトから延びるエンドエフェクタを備えることができ、前記エンドエフェクタは遠位端と、第1のつかみ具と、第2のつかみ具とを含み、前記第1のつかみ具は前記第2のつかみ具に対して開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、前記ナイフバーは、前記ナイフバーが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動される際、前記第1のつかみ具を前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動するよう構成され、前記ナイフバーが前記第2の位置と前記第3の位置との間を移動される際、前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって移動するよう構成されている。
【0016】
少なくとも1つの形態において、組織にエネルギーを供給するよう構成されている外科用器具は、非作動位置と作動位置との間で可動なトリガーと、トグルクランプを含む第1の駆動システムと、ラック・ピニオンシステムを含む第2の駆動システムとを備えることができ、前記トリガーは、前記トリガーが前記非作動位置と前記作動位置との間で移動される際、第1の動作範囲と第2の動作範囲との間で可動であり、前記トリガーは、前記第1の動作範囲の間、前記第1の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記トグルクランプを作動させるよう構成され、また前記トリガーは、前記第1の動作範囲の間、前記第2の駆動システムから操作可能に係合解除されており、また前記トリガーは、前記第2の動作範囲の間、前記第2の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記ラックを作動させるよう構成され、また前記トリガーは、前記第2の動作範囲の間、前記第1の駆動システムから操作可能に係合解除されている。外科用器具は更に、前記ハンドルから延びるシャフトを備えることができ、前記シャフトは、第1の位置と第2の位置と、第3の位置との間で可動である発射部材(firing member)を含み、前記トグルクランプ及び前記ラックが前記発射部材と操作可能に係合可能であり、前記トグルクランプが前記発射部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するよう構成され、前記ラックが前記発射部材を前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動するよう構成されている。外科用器具は更に、前記シャフトから延びるエンドエフェクタを備えることができ、前記エンドエフェクタは遠位端と、第1のつかみ具と、第2のつかみ具とを含み、前記第1のつかみ具は前記第2のつかみ具に対して開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、前記発射部材は、前記発射部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動される際、前記第1のつかみ具を前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動するよう構成され、前記発射部材は、前記発射部材が前記第2の位置と前記第3の位置との間を移動される際、前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって移動するよう構成されている。
【0017】
前述した考察は、特許請求の範囲を否定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に記載される実施形態の様々な特徴が、特許請求の範囲で詳細に示される。ただし、機構及び作動方法の両方に関する様々な実施形態は、それらの利点と共に、以下の添付図面を伴う以下の説明により理解することができる。
図1】いくつかの構成要素を除去して示される、少なくとも1つの実施形態による、外科用器具のハンドルの断面図。
図2】様々な構成要素が除去されている、非作動構成にある図1のハンドルを示す図。
図3】開放構成にて示され、ナイフバーの遠位端が解放位置にある、図1の外科用器具のエンドエフェクタの立面図。
図4】部分的に作動された構成にある、図2のハンドルのトリガー及び第1の駆動システムを示す図。
図5】部分的に閉鎖された構成で示され、図3のナイフバーが部分的に前進された位置にある、図3のエンドエフェクタの立面図。
図6】完全に作動された構成にある、図4の第1の駆動システムのトグルクランプを示す図。
図7】完全に閉鎖された構成で示され、ナイフバーが部分的に前進された位置にある、図3のエンドエフェクタの立面図。
図8図1の外科用器具のシャフトと、図4の第1の駆動システムのヨークとの中間に配置されたヨークばねの詳細図。
図9】非作動かつロックされた構成にて示されている、図2のハンドルの第2の駆動システムをロック及びロック解除するためのロックシステムを示す図。図9は、非作動構成にある、図4の第1の駆動システムの一部分を更に示す図。
図10】作動構成にあるが、ロックされた構成にある図9のロックシステムと、非作動構成にある図4の第1の駆動システムとを示す図。
図11】作動かつロック解除された構成にある図9のロックシステムと、作動構成にある図4の第1の駆動システムとを示す図。
図12】非作動かつロックされた構成にある図9のロックシステムと、作動構成にある図4の第1の駆動システムとを示す図。
図13】作動かつロック解除された構成にある図9のロックシステムと、作動構成にある図4の第1の駆動システムとを示す図。
図14】ロックされた構成に戻った図9のロックシステムを示す図。
図15】完全に作動された構成にある第1の駆動システムのトグルクランプと、第2の駆動システムと操作可能に係合された図4のトリガーとを示す図。
図16】第2の駆動システムの複合ギアシステムと操作可能に係合された図4のトリガーのトリガーギア部分を示す図。
図17】完全閉鎖位置にある図3のエンドエフェクタと、部分的に前進された位置にある図3のナイフバーとを示す図。
図18】完全作動位置にある図4のトリガーと、完全に前進された位置にある図15の第2の駆動システムのラックとを示す図。
図19】完全閉鎖位置にある図3のエンドエフェクタと、エンドエフェクタの遠位端の近位方向の、完全に前進された位置にある図3のナイフバーとを示す図。
図20図19のエンドエフェクタの遠位端の詳細図。
図21図16のトリガーギアと操作可能に係合された、図2のハンドルのリターンプレートを示す図。図21はまた、部分的に後退され又は部分的に戻された位置にある、図4のトリガー及び図18のラックを示す図。
図22】更に部分的に後退され又は更に部分的に戻された位置にある、図4のトリガー及び図18のラックを示す図。
図23】トグルクランプがその完全に作動された構成から部分的に作動された構成に移動されている、図6のトグルクランプと係合された図4のトリガーを示す図。図23はまた、更に部分的に後退され又は更に部分的に戻された位置にある図18のラックと、図18のラックと再び係合された図9のロックシステムと、を示す図。
図24】更に部分的に作動された構成にある図6のトグルクランプと、更に部分的に後退され又は更に部分的に戻された位置にある図18のラックとを示す図。
図25】部分的に開放された位置にある図3のエンドエフェクタと、部分的に後退された位置にある図3のナイフバーとを示す図。
図26】非作動構成にある図6のトグルクランプを示す図。
図27】完全に開放された位置にある図3のエンドエフェクタと、完全に後退された位置にある図3のナイフバーとを示す図。
図28】非作動構成にある図6のトグルクランプと、完全に後退された位置にある図18のラックとを示す図。
図29】様々な構成要素を除去して示される、非作動構成にある外科用器具の代替的実施形態のハンドルの斜視図。
図30】第2の駆動システムのギアと操作可能な係合に至るトリガーを示す、部分的作動位置にある図29のハンドルの別の斜視図。
図31】第2の駆動システムのラックの代替的実施形態を有する、非作動構成にあるがロックされた構成にある、図9のロックシステムの斜視図。
図32図31の非作動構成にあるがロックされた構成にある、図9のロックシステムの立面図である。図32は、非作動構成にあるロックシステムのボタンスイッチを更に示す図。
図33】作動位置にある、図32のボタンスイッチを示す図。
図34】作動位置にある図32のボタンスイッチと、作動位置にあるロックシステムのリンクと、非ロック位置にあるロックシステムのロックと、を示す図。
図34A図34のロックと、ロックをラックとの係合に付勢するロックばねと、の詳細図。
図35】作動された、ロック解除構成にある図9のロックシステムと、非前進位置にある図31のラックと、を示す図。
図36】作動された、ロック解除構成にある図9のロックシステムと、非前進位置にある図18のラックと、を示す図。
図37】少なくとも1つの実施形態によるエンドエフェクタのつかみ具を示す図。
図38】少なくとも1つの実施形態による水蒸気制御路を含むエンドエフェクタのつかみ具を示す図。
図38A】エンドエフェクタの電極内を延びる水蒸気制御路を示す、図38のつかみ具の断面図。図38Aは、エンドエフェクタの様々な構成要素が除去されている図。
図38B】給電電極内の水蒸気制御路と、帰路電極と、給電電極と帰路電極との中間に配置された絶縁体と、エンドエフェクタ内で可動な切断部材と、を示す、エンドエフェクタの代替的実施形態のつかみ具の断面図。
図39】可動電極を含む、エンドエフェクタのつかみ具を示す図。
図40】電極に対して可動な第1の絶縁体及び第2の絶縁体を含む、エンドエフェクタのつかみ具を示す図。
図41】トリガーアセンブリを介して伝達され得る力を制限するためのメカニズムを更に含む、外科用器具の代替的実施形態のトリガーアセンブリを示す図。図41は、更に、トリガーアセンブリの第2の部分に関して移動されたトリガーアセンブリの第1の部分(想像線で示す)を示す。
図42】トリガーアセンブリの第1の部分の立面図。
図43】トリガーアセンブリの第2の部分の立面図。
図44】トリガーアセンブリを介して伝達され得る力を制限するためのメカニズムを更に含む、外科用器具の代替的実施形態のトリガーアセンブリを示す図。図44は、更に、トリガーアセンブリの第2の部分に関して移動されたトリガーアセンブリの第1の部分(想像線で示す)を示す図。
図45】本発明の少なくとも1つの代替的実施形態によるエネルギートリガーアセンブリの略図。
図46】本発明の少なくとも1つの代替的実施形態による別のエネルギートリガーアセンブリの略図。
【0019】
対応する参照文字は、幾つかの図を通じて対応部分を示す。本明細書において説明される例示は、本発明の様々な実施形態を一形態にて例示し、このような例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
様々な実施形態は、組織を処置するための機器、システム及び方法に関する。多数の特定の詳細は、明細書に記載され、かつ添付の図面に示される実施形態の構造、機能、製造、及び使用全体を完全に理解するために提供されている。しかしながら、実施形態はそのような具体的詳細なくして実施され得ることが、当業者には理解される。他の例においては、周知の作動、構成要素、及び要素は、明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため詳細に記載されていない。当業者は、本明細書に記載及び図示される実施形態は非限定例であることを理解でき、それ故本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は典型であってもよく、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではなく、実施形態の範囲は添付の特許請求の範囲でのみ規定されることを理解できる。
【0021】
本明細書全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「実施形態」等の参照は、その実施形態との関連において記述されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して複数の場所に出現する「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、又は「実施形態では」等のフレーズは、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の実施形態において、任意の好適なやり方で組み合わせることができる。故に、一実施形態に関して図示又は記載される特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の別の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わせることができる。
【0022】
用語「近位」及び「遠位」は、明細書全体において、患者の処置に使用される器具の一末端部を操作する臨床医を基準にして使用できることが理解できる。用語「近位」は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、用語「遠位」は、臨床医から最も遠い所に位置した部分を指す。簡潔にするため、また明確にするために、「垂直」、「水平」、「上」、「下」等、空間に関する用語は、本明細書において、図示した実施形態を基準にして使用できることが更に理解できる。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用でき、これらの用語は限定的及び絶対的であることを意図したものではない。
【0023】
以下の同一所有者の米国通常特許出願(non-provisional United States patent application)の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書と同日に出願されたSURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ENERGY TRIGGER LOCKOUT、代理人整理番号END6675USNP1/090329、
本明細書と同日に出願されたSURGICAL INSTRUMENT FOR TRANSMITTING ENERGY TO TISSUE COMPRISING STEAM CONTROL PATHS、代理人整理番号END6675USNP4/090333、
本明細書と同日に出願されたSURGICAL INSTRUMENT FOR TRANSMITTING ENERGY TO TISSUE COMPRISING NON−CODNDUCTIVE GRASPING PORTIONS、代理人整理番号END6675USNP2/090331、
本明細書と同日に出願されたSURGICAL INSTRUMENT FOR TRANSMITTING ENERGY TO TISSUE COMPRISING A MOVABLE ELECTRODE OR INSULATOR、代理人整理番号END6675USNP3/090332。
【0024】
以下の米国通常特許(non-provisional United States patent)の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
ELECTROSURGICAL INSTRUMENTと題名された米国特許第7,381,209号、
ELECTROSURGICAL INSTRUMENT AND METHOD OF USEと題名された米国特許第7,354,440号、
ELECTROSURGICAL INSTRUMENT AND METHOD OF USEと題名された米国特許第7,311,709号、
POLYMER COMPOSITIONS EXHIBITING A PTC PROPERTY AND METHODS OF FABRICATIONと題名された米国特許第7,309,849号、
SURGICAL SEALING SURFACES AND METHODS OF USEと題名された米国特許第7,220,951号、
ELECTROSURGICAL INSTRUMENTと題名された米国特許第7,189,233号、
ELECTROSURGICAL JAW STRUCTURE FOR CONTROLLED ENERGY DELIVERYと題名された米国特許第7,186,253号、
ELECTROSURGICAL PROBE AND METHOD OF USEと題名された米国特許第7,169,146号、
ELECTROSURGICAL WORKING END FOR CONTROLLED ENERGY DELIVERYと題名された米国特許第7,125,409号、及び
ELECTROSURGICAL INSTRUMENT AND METHOD OF USEと題名された米国特許第7,112,201号。
【0025】
外科用器具は、例えば電気エネルギー及び/又は熱エネルギー等のエネルギーを、患者の組織に供給するよう構成されていてもよい。様々な実施形態において、図1を参照すると、例えば外科用器具100のような外科用器具は、ハンドル102、シャフト104及びエンドエフェクタ106(図3)を備えることができる。以下により詳細に記載するように、ハンドル102は、1つ以上のスイッチ又はトリガーを含むことができ、該スイッチ又はトリガーは、例えばエンドエフェクタ106に電気エネルギーを供給し、及び/又はエンドエフェクタ106内のナイフ若しくは切断部材を前進させて、エンドエフェクタ106内に配置された組織を切除するよう構成されていてもよい。
【0026】
様々な実施形態において、図1を参照すると、ハンドル102は、例えば入力又は端子110等の1つ以上の電気入力を含むことができ、前記電気入力は、例えば電圧源等の電源と操作可能に結合されていてもよい。様々な実施形態において、そのような電源は外科用器具100に電流を提供することができ、電流の、例えば、大きさ、持続時間、波形及び/又は周波数は、十分に制御又は調節されて、所望の量のエネルギーを外科用器具100に提供することができる。そのような電源は当技術分野にて既知であり、それに関するより詳細な記載は必要としない。様々な実施形態において、ハンドル102はハンドル本体112を含むことができ、前記ハンドル本体112は、以下により詳細に記載するように、例えば、トリガーシステム120等のスイッチ又はトリガーを操作可能に支持するよう構成されていてもよく、前記スイッチ又はトリガーは、入力110に供給された電流がエンドエフェクタ106に伝達され得るように、電気入力110を、シャフト104内の導体と電気的に結合させるよう構成されていてもよい。様々な実施形態において、図1を参照すると、ハンドル本体112は、一緒に組み立てられてハンドル本体112を形成する2つの部分を含むことができる。読者が注目するように、図1には一方の部分又は半体(halves)のみが示されているが、他方の部分又は半体は図1に示した半体の鏡像であり、又は図1に示した半体と少なくとも実質的に同様であってもよい。様々な実施形態において、ハンドル本体112の半体同士は互いにスナップ嵌め、プレス嵌め、接着及び/又は固定されてもよい。
【0027】
様々な実施形態において、上記に加えて、シャフト104内の電気導体は、例えば、絶縁ワイヤ等のワイヤを含むことができ、前記ワイヤは、トリガーシステム120と、エンドエフェクタ106内の電極130(図3)との間を延びることができる。所定の実施形態において、再び図1を参照すると、ハンドル102は更に給電ワイヤ114を含むことができ、該給電ワイヤ114は、外側ハウジング内に入れられた給電導体(図示せず)、又はシャフト104のスパイン105(図8)と電気的に結合されていてもよい。少なくとも1つの実施形態において、給電導体は、例えば、銅で構成される導電性インサートを含むことができ、該導電性インサートは、スパイン105の例えば絶縁体プラスチックジャケット又はシース内に少なくとも部分的に配置される。所定の環境において、プラスチックジャケットは、射出成形プロセス中、導電性インサート上に成形されてもよい。様々な実施形態において、再び図1を参照すると、ハンドル102はスリップリング116を含むことができ、前記スリップリング116は、ワイヤ114をシャフト104内の給電導体と電気的に結合させるよう構成されてもよい。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、スリップリング116は、ハンドル本体102に取り付けられた例えば円形又は少なくとも半円形の接点を含むことができ、前記接点は、シャフト104に取り付けられた対応する円形、又は少なくとも半円形の接点と接触した状態のままであり得る。そのような対応する接点は、シャフト104とハンドル102との間の相対的な回転移動を可能にすることができるが、尚、ワイヤ114とシャフト104内の給電導体との間に電気路を提供する。
【0028】
様々な実施形態において、シャフト104は、更に別のスリップリングコネクタを含むことができ、前記スリップリングコネクタは、上記と同様に、シャフト104の給電導体と電極130の給電接点132(図3)との間の電気接点を維持することができる。以下により詳細に記載するように、電流は電気入力110から給電ワイヤ114を通り、シャフト104内の電気導体を通って電極130内に流れることができ、それにより電流は、電極130から、エンドエフェクタ106内に捕捉された組織内に流れることができる。様々な実施形態において、下記にもより詳細に記載するように、エンドエフェクタは、更に1つ以上の帰路電極及び/又は導体を含むことができ、前記帰路電極及び/又は導体は、電流のための帰路、又は回路を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、上記と同様に、帰路はスリップリング接点を含むことができ、前記スリップリング接点は、例えばエンドエフェクタ106内の帰路電極と、シャフト104内に埋め込まれた帰路導体とに操作可能に結合されている。また上記と同様に、ハンドル102は、更に例えばスリップリング117を含むことができ、前記スリップリング117は、シャフト104内の帰路導体と帰路ワイヤ115との電気接点を維持することができる。そのような実施形態の少なくとも1つにおいて、帰路ワイヤ115は、スリップリング117と電気出力、又は端子との間に延びることができ、該電気出力、又は端子は、様々な実施形態において、電気入力、又は端子110と隣接して配置されてもよい。
【0029】
上記に加えて、図37を参照すると、エンドエフェクタ306は、エンドエフェクタ306の近位端とエンドエフェクタ306の遠位端307との間に延び得る電極330を含むことができる。そのような実施形態の少なくとも1つにおいて、電極330は、つかみ具部材334の第1の側に沿って延びる第1の側方部分331と、つかみ具部材334の第2の側に沿って延びる第2の側方部分333と、第1の側方部分331と第2の側方部分333とを接続する、横断方向の中間部分335と、を含むことができる。様々な実施形態において、上記に加えて、第1のつかみ具部材は更に帰路電極を含むことができ、及び/又はエンドエフェクタは更に、帰路電極を有する第2のつかみ具部材を含んでもよく、前記第2のつかみ具部材は第1のつかみ具部材の反対側に配置されていてもよい。いずれにしても、再び図1を参照すると、トリガーシステム120はボタン122を含むことができ、前記ボタン122は、選択的に作動されて電気入力110を給電ワイヤ114と電気的に結合させることができ、及び/又は選択的に作動されて帰路ワイヤ115をハンドル102の電気出力と電気的に結合させることができる。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、ボタン122は、電流が電極130に流れることができない非押圧、又は非作動位置と、電流が電極130に流れることができる押圧、又は作動位置との間で可動であってもよい。ボタン122、及び/又は任意の類似したボタンは、スイッチ123、及び/又は任意の他の好適なスイッチを作動させるのに使用することができるが、トグル、レバー及び/又は任意の好適な作動装置等の他のエネルギー作動メカニズムを、上記に加えて、又は上記の代わりに使用することができる。
【0030】
電極に電流が供給された際、再び図37を参照すると、電流は、例えば電極330と接して及び/又は電極330を包囲して配置されている組織を通過することができる。様々な環境において、電極330を通して流れる電流は、電極及び周囲組織内に熱を生成することができる。所定の環境において、熱は組織内のコラーゲンを変性させることができ、エンドエフェクタのつかみ具が提供する締め付け圧力との協働により、変性コラーゲンが、例えば組織内で、シールを形成し得る。少なくとも1つの環境において、電極330の第1の側331は、組織内で第1のシールを形成するよう構成されていてもよく、電極330の第2の側333は、組織内で第2のシールを形成するよう構成されてもよい。複数の電極、及び/又は複数の電極部分が組織内で任意の好適な数のシールを形成することができる別の実施形態が想像される。様々な実施形態において、以下により詳細に記載するように、エンドエフェクタのつかみ具部材の1つ以上は把持部分を含むことができ、該把持部分は、手術部位内で組織を扱い、並びに/又は組織をエンドエフェクタ内に配置及び保持するよう使用されてもよい。
【0031】
少なくとも1つの実施形態において、図37を参照すると、第1のつかみ具部材334は、例えば把持部分337等の、少なくとも1つの把持部材を含むことができ、前記把持部材は、例えばプラスチック及び/又はセラミック等の非導電性材料又は絶縁材料で構成されてもよい。使用時、把持部分337は、電流及び/又は熱を組織に誘導することなく、又は少なくとも有意に誘導することなく、エンドエフェクタ内の組織を保持することができる。その結果、様々な実施形態において、処置した組織が把持部分337に接着し、又は固着した状態となる可能性が低減又は排除され得る。様々な実施形態において、各把持部分337は、例えば歯339のアレイ又は列を含むことができ、少なくとも1つの実施形態では、第1の把持部分は、歯339の第1のアレイ又は列を含むことができ、第2の把持部分は、歯339の第2のアレイ又は列を含むことができる。そのような実施形態の少なくとも1つでは、歯339の第1の列は、電極330の第1の側方部分331に隣接して配置され、歯339の第2の列は、電極330の第2の側方部分333に隣接して配置されてもよい。
【0032】
上記に加えて、様々な環境において、把持部分337は、例えば、非導電性プラスチック、ガラス及び/又はセラミックで構成されてもよく、少なくとも1つの実施形態では、把持部分337は射出成形プロセスにより形成されてもよい。所定の実施形態において、例えばテフロン等の少なくとも1種の潤滑添加剤を混合し、又はプラスチック内に埋め込んでもよい。様々な環境において、1種以上の潤滑剤は、例えばエンドエフェクタ306内に捕捉された組織が歯339に固着又は接着するのを防止し又は少なくとも抑制することができる。上記に加えて又は上記の代わりに、所定の実施形態では、例えば、テフロン等の少なくとも1種の潤滑剤を把持部分337上に被覆してもよい。所定の実施形態では、把持部分337は、例えば、非導電性材料で被覆され得る又は少なくとも部分的に被覆されてもよい導電性材料で構成され得る。
【0033】
組織を通って流れる電流、及び/又は外科用器具のエンドエフェクタの1つ以上の電極により生じる熱によって、組織内の水及び/又は他の流体が蒸発し得る。所定の環境では、例えば、水蒸気等の加熱された蒸気がエンドエフェクタから外部に、エンドエフェクタを包囲する手術部位内へ、流れる場合がある。様々な環境において、加熱された蒸気は、周囲組織を損傷する場合がある。様々な実施形態において、以下図38を参照すると、例えば、第1のつかみ具434等の、エンドエフェクタ406のつかみ具の少なくとも一方は、少なくとも1つの水蒸気制御路、通路又はコンジットを含んで、電流及び/又は熱により形成された水蒸気及び/又は他の蒸気を手術部位から外部へ運ぶことができる。所定の実施形態において、例えば電極430等の電極は、電極本体と、電極本体内の少なくとも1つの水蒸気制御路と、を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、図38Aを参照すると、水蒸気制御路は、1つ以上の通路439を含むことができ、該通路439は、例えば、電極430の第1の側方部分431及び第2の側方部分433内を長手方向に延びてもよい。水蒸気制御路は、更に1つ以上の通路、又は孔437を含むことができ、該通路、又は孔437は、処置されている組織から、水蒸気が孔437を通って通路439内に流れることができるように、電極430の外表面と通路439との間に延びてもよい。少なくとも1つの実施形態において、第1の側方部分431内を延びる通路439と、第2の側方部分433内を延びる通路439とは、電極430の中間部分435内の通路を介して流体が流れるように連通してもよい。様々な実施形態において、例えば、外科用器具100のシャフト104等の、外科用器具のシャフトは、1つ以上の通路又はコンジットを内部に含むことができ、該通路又はコンジットは、加熱蒸気がエンドエフェクタから外部へ、また患者外部へ運ばれることができるように、例えば通路439と流体が流れるように連通してもよい。そのような実施形態の少なくとも1つでは、例えば、ハンドル102等の外科用器具のハンドルは、例えば、加熱蒸気が患者周囲の大気中に排出されるように構成されている少なくとも1つの出口を含んでもよい。
【0034】
様々な実施形態において、以下図38Bを参照すると、エンドエフェクタ406’のつかみ具434’は、上記と同様に、給電電極430を含むことができ、該給電電極430は、第1の部分431及び第2の部分433と、内部を延びる通路437、439を含む水蒸気制御路とを含む。エンドエフェクタ406’は更に、少なくとも1つの帰路電極436と、給電電極430の一部分と帰路電極436の一部分との中間部分に配置された1つ以上の非導電性の絶縁体438と、を含むことができる。様々な実施形態において、帰路電極及び/又は絶縁体は、1つ以上の水蒸気制御路を含んで、処置されている組織から水蒸気を外部に運ぶことができる。例えば、帰路電極は、内部に1つ以上のチャネル432を含むことができ、該チャネル432は、組織と、帰路電極436の外表面との中間の空間内にて水蒸気を運ぶよう構成されていてもよい。また、例えば絶縁体438は、内部を延びる1つ以上の通路439’を含むことができる。通路437、439及び439’は、丸形の、又は少なくとも実質的に丸形の細長い構成を含むよう示されているが、給電電極、帰路電極、及び/又は絶縁体の中に延びる通路は、例えば正方形及び/又は長方形構成等の、任意の好適な構成を含むことができる。更に、チャネル432は実質的に直角の側壁を有するよう示されているが、チャネルの側壁は、例えば、弓形及び/又は半円形構成等の、任意の好適な構成を含むことができる。いずれにしても、給電電極、帰路電極及び/又は絶縁体の任意の1つは、任意の好適な数の外側チャネル及び/又は内部通路を含んで、加熱蒸気をエンドエフェクタ内の組織から外部へ運ぶことができる。所定の実施形態において、再び図38Bを参照すると、切断部材440は、内部を延びる1つ以上の水蒸気路439’’を含むことができる。
【0035】
上述したように、電気エネルギー、又は電流は、例えばエンドエフェクタ106の電極130等の、エンドエフェクタの電極に供給されて、エンドエフェクタ106内に捕捉された組織を処置、加熱、及び/又は封止することができる。また上述したように、組織は、ナイフ又は切断部材により切除され得る。しかしながら、様々な環境において、電極130に電流を供給する前に、及び/又は組織に熱を適用する前に、組織を切除することは望ましくない場合がある。本明細書に記載する様々な実施形態では、外科用器具100は、例えば、トリガーシステム120等のトリガーシステムを備えることができ、該トリガーシステムは、電流が電極130に供給される前に、外科用器具100の切断部材140(図3)がエンドエフェクタ106の遠位端107に向かって前進することを防止するよう構成されていてもよい。所定の実施形態において、切断部材140は、電流が電極130に供給されるのと同時に前進されてもよい。所定の別の実施形態において、電流は、切断部材140が前進されて組織を切除する前に、電極130に供給されてもよい。
【0036】
様々な実施形態において、以下図31〜36を参照すると、トリガーシステム120は、第1のリンク124に取り付けられたエネルギー作動ボタン122と、第1のリンク124と操作可能に結合された第2のリンク126と、第2のリンク126によってロック位置と非ロック位置との間で移動され得る枢動可能なロック150と、を含むことができる。ボタン122は、非作動、又は非押圧位置(図32)と、作動位置、又は押圧位置(図33)との間で可動であり、それにより給電ワイヤ114の第1の部分114aと、給電ワイヤ114の第2の部分114bとを電気的に接続し又は結合することができる。より詳細には、トリガーシステム120は、更に、第1のリンク124に取り付けられたスイッチ123を含むことができ、該スイッチ123は、電流が電気入力110から第1の給電ワイヤ部分114aを通って第2の給電ワイヤ部分114b及びスリップリング116内に流れることができるように、ボタン122が押圧された際に、オンにされるか、又は閉鎖されてもよい。次いで、上述したように、電流は帰路ワイヤ117を通って電極130に流れた後、電気出力を通って流れて、電気回路を完成させることができる。様々な実施形態において、スイッチ123は内部に配置された、例えば、線形コイルばね等のばねを含むことができ、該ばねは、ボタン122がその非作動位置から作動位置へ移動される際に圧縮されてもよい。そのような実施形態の少なくとも1つにおいて、コイルばねは、ボタン122と、スイッチ123及び/又は第1のリンク124のハウジングと、の中間に配置されてもよい。いずれにしても、所定の実施形態では、所定の距離を移動してスイッチ123を作動させるために、ばねと、加えてボタン122とを圧縮するのに必要な力が要求される。
【0037】
上記に加えて、様々な実施形態では、スイッチ123を作動させるようボタン122に適用される力は、第1のリンク124を移動させ得る。より詳細には、ボタン122に適用される力は、コイルばねを介してスイッチ123に伝達されてもよく、次いで力は第1のリンク124に移動されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、再び図32を参照すると、第1のリンク124は第1の末端部125を含むことができ、前記第1の末端部125は、ハンドル本体112から第1の末端部125内の開口を通して延びるピボット又はピン118を介してハンドル本体112に枢動可能に取り付けられている。第1のリンク124が力により移動された際、第1のリンク124は、ピン118により画定された軸線を中心として、矢印A(図32)に示す方向に回転又は枢動することができる。様々な実施形態では、第1のリンク124は更に、第1のリンク124から延びる駆動部材127を含むことができ、該駆動部材127は、第2のリンク126を移動するよう構成されていてもよい。少なくとも1つの実施形態において、第2のリンク126は、第1の末端部129を含むことができ、該第1の末端部129は、ハンドル本体112から第1の末端部129内の開口を通して延びるピボット又はピン119を介してハンドル本体112に枢動可能に取り付けられている。駆動部材127は、第2のリンク126内のスロット128内に延びてもよく、それにより第1のリンク124がピボット118を中心として方向Aに回転する際、第2のリンク126は、ピボット119を中心として矢印B(図32)に示す方向に回転することができる。より詳細には、スロット128内に延びる駆動部材127は、第1のリンク124と第2のリンク126との間の移動を伝達するように、スロット128の側壁と係合してもよい。上記に加えて、様々な実施形態において、第2のリンク126は、更に第2の末端部151を含むことができ、該第2の末端部151は、ラック150と係合し、ラックロック150を非作動の、ロック位置(図33)と、作動された、非ロック位置(図34)との間で回転させるよう構成されていてもよい。より詳細には、第2のリンク126が方向Bに回転した際、ラックロック150は、ヨーク154上のピボット152により画定される軸線を中心として矢印C(図32)に示す方向に回転してもよい。ラックロック150が方向Cに十分回転した際、以下に更により詳細に記載するように、ラックロック150から延びる歯155が、ラック160内のノッチ162aから十分除去され得るため、ラック160はロック150に対して移動することができる。
【0038】
上述したように、スイッチ123を作動させるためにボタン122に適用される力は、第1のリンク124をピボット118を中心として回転させ、第2のリンク126をピボット119を中心として回転させ、ラックロック150をロック位置と非ロック位置との間で回転させることができる。少なくとも1つの実施形態において、そのような力は、スイッチ123を作動させ、同時に又は少なくとも実質的に同時に、ラック150をロック解除するのに十分であり得る。そのような実施形態において、エネルギーは、ラック160がロック解除されるのと同時に、電極130に供給されることができ、以下により詳細に記載するように、ナイフバー140をエンドエフェクタ106内で遠位方向に前進させることができる。その結果、様々な環境において、トリガーシステム120は、エンドエフェクタ内に配置された組織が、少なくとも部分的に処置及び/又は封止される前に切除されないことを確実にし得る。様々な別の実施形態において、再び図32を参照すると、トリガーシステム120は更に、例えば第1のリンク124と操作可能に係合されたトリガーばね121を含むことができ、該トリガーばね121は、第1のリンク124が矢印Aに示す方向に移動するのに抵抗するよう構成されていてもよい。少なくとも1つの実施形態において、スイッチ123を作動させるためにボタン122に適用される力は、ラックロック150をその非ロック位置に移動するのに十分な距離であり、第1のリンク124及び第2のリンク126を回転させるのに不十分であり得る。そのような実施形態では、ラックロック150によってラック160が定位置にロックされたままであり得る間、スイッチ123が作動して、電極130に電流を供給し得る。より詳細には、上記に加えて、ラックロック150の歯155は、ロックばね156により第1のノッチ162a内に付勢されたままであり得、それによりラック160は、ラックロック150に対して移動し又は少なくとも実質的に移動することが防止される。様々な別の実施形態では、上記に加えて、ラックロックは、ラックロックが例えばラック160等のラックとロックされている第1の位置と、ラックロックがラックからロック解除されている第2の位置との間で摺動されてもよい。そのような実施形態の少なくとも1つでは、ラックロックは直線に沿って移動してもよい。
【0039】
トリガーばね121の付勢力を克服するために、上記に加えて、より大きい、即ち第2の力を、ボタン122及び/又は第1のリンク124に適用する必要があり得る。より詳細には、ボタン122を押圧してスイッチ123を作動させる力、即ち第1の力が、ラックロック150をロック解除するのに不十分な場合、例えば第2の、より大きい力がボタン122に適用されて、ばね121を十分圧縮し、第1のリンク124及び第2のリンク126を十分回転させ、ラックロック150を非ロック位置に回転させてもよい。そのような環境では、臨床医は、ボタン122に軽い力を適用して電気エネルギーシステムを作動させてもよく、またボタン122により重い力を適用してラック160をロック解除してもよい。様々な実施形態では、図1を参照すると、トリガーばね121は、第1のリンク124とハンドル本体112との中間に配置されてもよく、それにより第1のリンク124が矢印Aに示す方向に回転するにつれて圧縮される。トリガーばね121の長さ及び/又は剛性は、トリガーばね121が十分圧縮されてラック160をロック解除する前に、スイッチ123内のコイルばねが十分圧縮されて電極130に電気エネルギーを供給するように選択されてもよい。そのような実施形態では、その結果、例えばエンドエフェクタ106内に配置された組織の処置又は封止を、ラック160及び切断部材140が前進され得る前に開始することができる。所定の環境において、第1の力と第2の力との間の差は、外科用器具100を使用する外科医又は他の臨床医が、外科用器具が、エネルギーが組織に適用されかつ切断部材がエンドエフェクタ内で前進されていない第1の操作状態にあるか、エネルギーが組織に適用されかつ切断部材が組織を切除するためにエンドエフェクタ内で前進されている第2の操作状態にあるか、の触覚フィードバックを提供され得るよう十分大きくてもよい。例えば、スイッチばね及びトリガーばね121は、ボタン122を押圧してスイッチ123を作動させるためには、ラックロック150のロック解除に必要な有意に、より大きい力と比較して、有意に、より小さい力が必要であるよう選択されてもよい。ラック160がロック解除されるのと同時に、又は少なくとも実質的に同時に、電気エネルギーが電極130に供給されることが所望され得る様々な代替的実施形態では、スイッチ123内のばねの剛性と、トリガーばね121の剛性とは、ボタン122の作動に十分な力がロック150をロック解除構成に回転させるのにも十分であり得るよう選択されてもよい。そのような実施形態の少なくとも1つでは、ボタン122の作動に必要な力は、ラック160のロック解除に必要な力と同一、又は少なくとも実質的に同一であってもよい。
【0040】
様々な環境において、外科医はボタン122を解放してもよく、それによりスイッチ123のばねは、ボタン122を非作動位置に戻し、給電ワイヤ114の第1の部分114aと第2の部分114bとを操作可能に分離することができる。そのような環境では、電流はもはや電極130に流れない可能性があり、その結果、電極130及びエンドエフェクタ内の組織は、冷却を開始し得る。上記に加えて、トリガーばね121は、第1のリンク124及び/又は第2のリンク126をそれらの非作動位置に戻してもよく、ロックばね156は、ラックロック150を非ロック位置に戻してもよい。より詳細には、以下図36を参照すると、ボタン122が解放され、かつラック160が前進されていないか又は開始位置に戻っている場合、ロックばね156はロック歯155をノッチ162a内に再配置し、ラック160を定位置に再ロックし得る。様々な別の環境では、ラック160は十分前進している場合があり、そのためラック歯155はノッチ162a内に再び嵌まることができず、その結果、ロックばね156は、歯155を非ロック位置においてラック160の上面161に接して配置し得る。そのような環境では、ラック160及び切断部材140は、電流が電極130に流れていない状態で、組織内に前進し得る。様々な別の実施形態において、以下図35を参照すると、ラック160’は例えば複数のノッチ162a〜162eを含むことができ、前記ノッチ162a〜162eは、ボタン122が解放された後、ラック160’及び切断部材140が既に前進されている場合でも、ロックばね156がロック150をロックされた構成に戻すことを可能にする。より詳細には、ラック160が前進されている距離に応じて、ロックばね156は、例えばロック歯155をノッチ162b〜162eの任意の1つ内に配置することができる。ラック160’が前進するときにロック150がラック160’と再係合することを防止するために、そのような実施形態の少なくとも1つでは、外科医は、ボタン122が押圧された状態を保持し、第1のリンク124及び第2のリンク126が十分回転され、ロック150を非ロック位置に保持し得る。そのような環境では、ボタン122が絶えず押圧されているため、ラック160及び切断部材140が完全に又は少なくとも実質的に完全に前進されている間、電極130に電気エネルギーを供給することができる。
【0041】
上述したように、ロックばね156は、ロック150を付勢して、ラック160と係合させるよう構成されていてもよい。様々な実施形態において、以下図34Aを参照すると、ロックばね156はねじりばねを含むことができ、該ねじりばねは、ピボットピン152の周囲に配置されているコイル156a、コイル156aから延び、ヨーク154に取り付けられている第1の末端部、及び第2の末端部156bを含む。少なくとも1つの実施形態において、第2の末端部156bはトルクアームを含むことができ、該トルクアームは、ロック150が上述したようにピボットピン152を中心として回転した際、第2の末端部156bがばねコイル156aをトルクし又は圧縮してもよい。そのような環境では、ばね156はその内部に位置エネルギーを貯蔵することができ、該エネルギーは、解放された際、ロック150をその非ロック位置からロック位置へ移動するよう作用することができる。様々な実施形態において、第2の末端部156bはフック又は連結部分156cを含むことができ、該フック又は連結部分156cは、第2の末端部156bがロック150を移動するように、第2の末端部156bをロック150に取り付けることができる。
【0042】
様々な実施形態において、再び図32〜34を参照すると、ボタン122を非作動位置から作動位置へ移動する距離は、ロック150をロック位置と非ロック位置との間で移動するのに十分なだけリンク124を回転させる距離よりも短くてもよい。別の言い方をすれば、様々な実施形態において、ボタン122の作動は、第1のリンク124及び第2のリンク126を回転させ得るが、ロック150をそのロック解除構成に移動するのに十分な距離だけ、第1のリンク124及び第2のリンク126を回転させるのには不十分であり得る。その結果、そのような実施形態の少なくとも1つでは、ボタン122が押圧されて電気エネルギーが電極130に供給され得る一方、例えばラック160は、ラックロック150により定位置にてロックされたままであり得る。そのような環境では、切断部材140がエンドエフェクタ106内で組織を通して前進される前に、組織が封止又は部分的に封止され得る。様々な環境において、ボタン122及び第1のリンク124は追加の距離を移動して、ラック160及び切断部材140が組織内へ及び/又は組織を通して前進できるように、ロック150を十分回転させてロック解除の構成とすることができる。別の言い方をすれば、様々な実施形態において、ボタン122は、第1の距離を移動して電極130に電流を供給することができるが、第1の距離よりも長い合計距離を移動して、ラックロック150をロック解除することができる。様々な実施形態において、ボタン122が移動される第1の距離と合計距離との間の差は、大きさが十分な操作のウィンドウ(window)を提供して、外科医が、ラックロック150のロック解除をしない間、ボタン122を一定の範囲の距離以内で移動できるよう十分であり得る。ラック160がロック解除されるのと同時に又は少なくとも実質的に同時に、電極130に電気エネルギーを供給することが所望され得る様々な代替的実施形態では、ボタン122を作動させるのに必要な距離は、ロック150をそのロック構成とロック解除構成との間で移動するのに必要な距離と同一、又は少なくとも実質的に同一であり得る。
【0043】
ラックロック150が、上述したようにラック160から係合解除された後、ラック160及び切断部材140は、エンドエフェクタ106の遠位端107(図3)に向かって前進し得る。様々な実施形態において、以下により詳細に記載するように、切断部材140の前進は、1つには、つかみ具108をつかみ具109に向かって移動し、2つには、つかみ具108とつかみ具109との間に捕捉された組織を切開し得る。図1を参照すると、ハンドル102は更にトリガー170を含むことができ、該トリガー170は、図1に示す非作動位置と、図18に示す作動位置との間で移動することができる。トリガー170のその作動位置と非作動位置との間の移動は、トリガー170の1ストロークを画定することができるが、そのようなストロークは、2つの異なる動作範囲を含むことができる。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、ストロークは、第1の駆動システムを駆動する第1の動作範囲と、第2の駆動システムを駆動する第2の動作範囲とを含むことができる。様々な実施形態において、トリガー170は、第1の駆動システムと協働して、トリガー170の第1の動作範囲の間に、ラック160及び切断部材140を第1の位置(図3)と第2の位置(図7)との間で前進させることができ、またトリガー170は、第2の駆動システムと協働して、トリガー170の第2の動作範囲の間に、ラック160及び切断部材140を第2の位置(図7)と第3の位置(図19)との間で前進させることができる。切断部材140がその第1の位置(図3)とその第2の位置(図7)との間で移動される際、以下により詳細に記載するように、切断部材140は第2のつかみ具108を第1のつかみ具109に向かって移動して、それらの間に配置された組織をクランプすることができる。切断部材140がその第2の位置(図7)とその第3の位置(図19)との間で移動される際、以下に更により詳細に記載するように、切断部材140は遠位端107に向かって前進されて、つかみ具108とつかみ具109との間にクランプされた組織を切開することができる。
【0044】
様々な実施形態において、以下図2を参照すると、第1の駆動システムはトグルクランプ180を含むことができ、該トグルクランプ180は、切断部材140の第1の位置(図3)に関連した第1の構成(図2)と、切断部材140の第2の位置(図7)に関連した第2の構成(図6)との間で移動することができる。再び図2を参照すると、トグルクランプ180は、第1のリンク182及び第2のリンク184を含むことができる。第1のリンク182は第1の末端部を含むことができ、該第1の末端部は、例えばピボットピンを介して、第1のピボット181においてハンドル本体112に枢動可能に取り付けられ、加えて、第2のリンク184は第1の末端部含むことができ、該第1の末端部は、同様に例えばピボットピンを介して、第2のピボット183においてヨーク154に枢動可能に取り付けられている。上記に加えて、第1のリンク182及び第2のリンク184は、それぞれ、例えば中間ピボットピン185を介して互いに枢動可能に取り付けられた第2の末端部を含むことができる。所定の実施形態において、中間ピボットピン185は、第1のピボット181と中間ピボット185との中心を通して延びる第1の線、又は軸線186と、第2のピボット183と中間ピボット185との中心を通して延びる第2の線、又は軸線187との間に頂角を含むことができる。様々な実施形態において、第1の線186及び第2の線187は、それらの間に頂角αを画定することができる。頂角αの反対は、第1のピボット181の中心と、第2のピボット183の中心との間に画定された線、又は軸線188である。様々な実施形態において、トグルクランプ180がその第1の構成にある際、頂角αは例えば約90度及び/又は90度より僅かに大きくてもよい。少なくとも1つの実施形態において、角度αは、例えばトグルクランプ180がその第1の構成にある際、約120度であってもよい。そのような角度は、様々な環境において好適であり得るが、任意の他の好適な角度を使用してもよい。
【0045】
様々な実施形態では、上記に加えて、トリガー170は、その第1の動作範囲の一部として、その非作動位置(図2)から部分的に作動された位置(図4)へ移動し得る。読者が図2図4を比較した際に理解するように、トリガー170は、例えばピボットピン等のピボット171を介して、ハンドル本体112に枢動可能に取り付けられている。トリガー170がピボット171を中心として回転した際、トリガー170はトグルクランプ180をその第1の構成(図2)からその第2の構成(図6)へ移動することを開始し得る。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、トリガー170は更に、トリガー170から延びるカム、又はドライバー172を含むことができ、該カム、又はドライバー172は、第1のリンク182と係合して、リンク182の第2の末端部を上方に持ち上げ、また同時に第1のリンク182を第1のピボット181を中心として矢印D(図4)に示す方向に回転させるよう構成されていてもよい。第1のリンク182の第2の末端部と第2のリンク184との枢動接続により、第1のリンク182の第2の末端部の上方への移動は、第2のリンク184の第2の末端部を上方に移動させ、同時に第2のピボット183を中心として矢印E(図4)に示す方向に回転させることができる。様々な実施形態において、第1のリンク182はカム、又は駆動、ポケット173を含むことができ、前記カム、又は駆動、ポケット173は、カム、又はドライバー172により係合されてトリガー170の回転を第1のリンク182に伝達することができる。リンク182及び184の第2の末端部の上方移動、並びに中間ピボット185の上方移動に合わせるために、ヨーク154は矢印F(図4)に示す方向にて遠位方向に平行移動され得る。
【0046】
様々な実施形態において、再び図4を参照すると、ヨーク154の方向Fにおける遠位方向の移動は、ラック160及び切断部材140に伝達されるため、ラック160及び切断部材140もまた方向Fに移動される。より詳細には、上記に加えて、ヨーク154に取り付けられたラックロック150は、ラック160と係合した際、ヨーク154が上述したようにトグルクランプ180により遠位方向に押された際にヨーク154がラック160を遠位方向に引くことを可能にし得る。更に、ラック160と切断部材140との接続により、ラック160の遠位方向の移動は切断部材140に伝達され得る。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、切断部材140は、ラック160の遠位端165と接続された近位部分142を含むことができる。様々な実施形態において、そのような接続は、切断部材の近位端142とラック遠位端165との間の相対的な長手方向の移動を防止、又は少なくとも抑制する一方で、ラック160の遠位端165内の丸形のキャビティ内に捕捉された、近位端142の丸形の先端143により、それらの間の相対的な回転移動を可能にすることができる。いずれにしても、以下図5を参照すると、少なくとも1つの実施形態において、切断部材140の近位方向の移動は、切断部材140を第2のつかみ具108と係合させ、第2のつかみ具108を第1のつかみ具109に向かって移動又は回転させることができる。より詳細には、切断部材140は、1つ以上のカム、又はカムピン144aを含むことができ、前記カム、又はカムピン144aは、第2のつかみ具108上の1つ以上のカム表面145と係合し、例えば第2のつかみ具108を1つ以上のピボットピン103を中心として下方に回転させるよう構成されていてもよい。
【0047】
様々な実施形態において、上記に加えて、トリガー170のその第1の動作範囲に亘る回転は、トグルクランプ180をその第1の、即ち非作動構成(図2)とその第2の、即ち完全作動構成(図6)との間で移動し得る。また上記に加えて、トグルクランプ180のその第1の構成とその第2の構成との間の移動は、切断部材140をその第1の位置(図3)とその第2の位置(図7)との間で移動し、その結果、第2のつかみ具108をその完全開放位置(図3)とその完全閉鎖位置(図7)との間で移動することができる。その第2の構成にあるトグルクランプ180を、その第1の構成と比較すると、読者は、第1の線186と第2の線187との間に画定される頂角αが、例えば約180度であることに注目するであろう。少なくとも1つの実施形態において、頂角αは、例えば約175度であってもよい。更に、読者は、ヨーク154が上述したように遠位方向に移動したため、第2のピボット183が第1のピボット181に関連して遠位方向に移動したことに注目するであろう。上記の結果、トグルクランプ180は、ラック160及び切断部材140に遠位方向Fにおいて非常に大きな長手方向の力を伝達することができる。実際に、この非常に大きな長手方向の力は、頂角αがおよそ180度に接近するにつれて指数関数的に、及び/又は漸近的に増大し得る。この非常に大きな長手方向の力は、第2のつかみ具108に大きな付勢力を適用できるため、第1のつかみ具109と第2のつかみ具108との中間に配置された組織に、大きなクランプ力又は圧力が適用される。
【0048】
様々な実施形態において、以下図8を参照すると、ヨーク154の遠位方向の移動は、例えば軸線ばね147等のヨークばね、中間ヨーク154、及びシャフト104のスパイン105を圧縮し得る。少なくとも1つの実施形態において、以下により詳細に記載するように、軸線ばね147は内部に位置エネルギーを貯蔵することができ、前記位置エネルギーは、解放されてラック160及び切断部材140を少なくとも部分的に後退させ得る。図8にて、トグルクランプ180はその第1の、即ち非作動構成にて示されているが、軸線ばね147は、シャフトスパイン105とヨーク154との間で少なくとも部分的に圧縮されている。様々な環境において、ばね147がシャフトスパイン105及びヨーク154に適用する圧縮力は、シャフトスパイン105とヨーク154との間の相対的な移動を抑制する、追加の利益を提供することができる。
【0049】
様々な実施形態において、以下、その第1の構成にあるトグルクランプ180と、その非作動構成にあるトリガーアセンブリ120とを示す図9を参照すると、ラックロック150は、そのロック位置にあり、ラック160はその非前進位置にある。そのような構成において、上記に加えて以下図10を参照すると、トリガーアセンブリ120は、第1のリンク124をピボット118を中心として回転させ、第2のリンク126をピボット119を中心として回転させるように作動されてもよいが、例えばラック160及び切断部材が未だそれらの第2の位置に前進されていない環境下では、トリガーアセンブリ120の作動は、ラックロック150をその非ロック位置内に移動しない場合がある。以下図11を参照すると、ラック160及び切断部材140のそれらの第2の位置内への前進により、ラックロック150が移動して第2のリンク126と接触し、それによりラックロック150がそのロック位置からその非ロック位置に回転することができる。代替的に、以下図12を参照すると、ラック160及び切断部材140は、トグルクランプ180が上述したようにその第1の構成からその第2の構成に移動された際、それらの第1の位置(図9)から第2の位置(図12)へ前進してもよく、上述したようなトリガーアセンブリ120の十分な作動により、図13に示すように第2のリンク126がラックロック150に接触し、ラックロック150をそのロック解除構成に回転させることができる。いずれにしても、その第1の動作範囲の完了により、以下により詳細に記載するように、トリガー170は第1の駆動システムから操作可能に係合解除され、及び/又は第2の駆動システムと操作可能に係合され得る。
【0050】
以下、その第1の動作範囲の最後におけるトリガー170を示す図15を参照すると、読者はカム172がもはや第1のリンク182内のポケット173内に配置されていないことを理解するであろう。その結果、トリガー170がその作動位置(図18)に向かって更に回転した場合でも、カム172はトグルクランプ180をもはや駆動しない可能性があり、その結果、トリガー170は第1の駆動システムから操作可能に分離され得る。読者はまた、このトリガー170の位置において、トリガー170はトリガーギア175及び第2の駆動システムとの操作可能な係合に移ったことを理解するであろう。より詳細には、以下図16を参照すると、トリガー170は更に、トリガー170から延びる駆動ピン176を含むことができ、前記駆動ピン176は、トリガーギア175の下面と接触するよう構成されており、トリガーギア175と係合した後、トリガー170がその第2の動作範囲に亘って移動されるにつれて、トリガーギア175がラック・ピニオンシステム190の複合ギア191を回転させるように、トリガーギア175を上方に押し又は回転させる。読者が注目するように、トリガーギア175は、トリガー170がその第1の動作範囲に亘って移動される間、複合ギア191と操作可能に係合され又は噛み合わされる歯178のアレイを含むが、トリガー170の第1の動作範囲の間、歯178は複合ギア191を駆動しない。一方、以下に更により詳細に記載するように、トリガー170のその第2の動作範囲における回転により、トリガーギア175は複合ギア191を駆動又は回転させることができる。様々な実施形態において、上記に加えて、第1のリンク182内のポケット173からのカム172の係合解除は、トリガー170がトリガーギア175と操作可能な係合に至ると同時に、又は少なくとも実質的に同時に生じ得る。代替的に、トリガー170は、カム172がポケット173から係合解除された後まで、トリガーギア175と操作可能な係合に至らない場合がある。そのような実施形態の少なくとも1つでは、トリガー170の回転は、トリガー170が第2の駆動システムの第1の駆動システムのいずれとも操作可能に係合していない休止期間(dwell period)を含むことができる。
【0051】
トリガー170がトリガーギア175と操作可能に係合した後、上記に加えて、トリガー170の更なる回転は、1つには、カム172を第1のリンク182の下面187に対して移動させ、2つには、複合ギア191を回転させることができる。少なくとも1つの実施形態において、複合ギア191はピン192に取り付けることができ、前記ピン192は、ハンドル本体112の2つの半体の間に回転可能に取り付けることができる。再び図16を参照すると、ラック・ピニオンシステム190は、更に追加の、即ち第2の複合ギア193を含むことができ、前記追加の、即ち第2の複合ギア193は、ピン192に取り付けられていてもよい。そのような実施形態の少なくとも1つでは、複合ギア191、193は、ギア191、193の一方の回転が、複合ギア191、193の他方を回転させるように、ピン192に取り付けられていてもよい。様々な実施形態において、ラック・ピニオンシステム190は更に第3の複合ギア195を含むことができ、前記第3の複合ギア195は、ハンドル本体112の2つの半体の間に回転可能に取り付けら得るピン194に取り付けられていてもよい。図16に示すように、第3の複合ギア195は、第2の複合ギア193の回転が第3の複合ギア195を回転させ得るように、第2の複合ギア193と操作可能に噛み合っていてもよい。ラック・ピニオンシステム190は、更にピニオンギア197を含むことができ、前記ピニオンギア197もピン194に取り付けられてもよく、複合ギア195及びピニオンギア197は、上記と同様に、ギア195、197の一方の回転がギア195、197の他方を回転させるように、ピン194に取り付けられていてもよい。また図16に示すように、ピニオンギア197は、例えばピニオンギア197の回転がラック160を真っ直ぐな、又は少なくとも実質的に真っ直ぐな路に沿って移動、又は変位させ得るように、ラック160上のラック歯164と操作可能に又は噛み合うように係合している。
【0052】
上記に加えて、トリガー170の第2の動作範囲の間、ギア191、193、195及び197のギア比により、トリガー170の小さい回転がラック160及び切断部材140の大きい変位をもたらし得るように、トリガー170の回転を複合ギア191、193及び195を介してピニオンギア197に伝達することができる。様々な実施形態において、上述したように、トリガー170のその第2の動作範囲に亘る回転は、切断部材140をその第2の位置(図17)とその第3の位置(図19)との間で移動することができる。図17を参照すると、切断部材140は、その第2の位置において、エンドエフェクタ106内に配置されていてもよく、それにより切断部材140のナイフ刃146が、第1のつかみ具109と第2のつかみ具108との間に捕捉された組織を通して前進されるように配置され、トリガー170、トリガーギア175、並びにギア191、193、195及び197の回転により、ラック160は、切断部材140をエンドエフェクタ106の遠位端107に向かって変位させるように、遠位方向Fに変位され得る。図18及び19を参照すると、切断部材140は、その第3の位置において、エンドエフェクタ106の遠位端107に配置され得る。少なくとも1つの実施形態において、図20を参照すると、つかみ具108及び/又はつかみ具109はスロット149を含むことができ、前記スロット149は、切断部材140の少なくとも一部分を受容し、切断部材140を遠位端107に向かって誘導するよう構成されていてもよい。所定の実施形態において、切断部材140から延びるカムピン144aは、つかみ具108がつかみ具109に向かって圧迫されるように、つかみ具108の外側上のカム表面148aの頂部上に乗るよう構成されていてもよい。同様に、切断部材140は更に、切断部材140から延びるカムピン144bを含むことができ、前記カムピン144bは、つかみ具109がつかみ具108に向かって圧迫されるように、つかみ具109の外側上のカム表面148bの頂部上に乗るよう構成されていてもよい。別の言い方をすれば、カムピン144a及び144bはそれぞれ、カム表面148a及び148bと係合して、つかみ具108とつかみ具109との中間に配置された組織にクランプ力又は圧力を適用することができる。所定の実施形態において、再び図20を参照すると、つかみ具108及び/又はつかみ具109は、更に停止部147を含むことができ、前記停止部147は、切断部材140が組織を通して遠位方向に変位するのを停止するよう構成されていてもよい。少なくとも1つの実施形態において、停止部147は、封止されていない組織をナイフ刃146が切除し得ないように、電極130の遠位端に関連して近位方向に配置されていてもよい。
【0053】
トリガー170がその第2の動作範囲を通して移動した後、及び/又は第2の動作範囲の間の任意の好適な瞬間に、トリガー170が解放され得る。トリガー170の解放により、例えばねじりばね199(図28)等の戻りばねが、複合ギア191、193及び195並びにピニオンギア197の回転を逆転させて、ラック160及び切断部材140を近位方向、即ち方向Fの反対の方向に後退させ得る。少なくとも1つの実施形態において、図28を参照すると、例えばねじりばね199の一方の末端部は複合ギア191と係合することができ、ねじりばね199の他方の末端部はハンドル本体112と係合することができ、それによりねじりばね199内に貯蔵された位置エネルギーは、トリガー170が解放されて複合ギア191を逆方向に回転させた際、ラック160が前進された際に解放され得る。上記に加えて、図21を参照すると、複合ギア191の逆回転は、トリガーギア歯178と複合ギア191との噛み合い係合により、トリガーギア175を矢印Gに示す方向において下方に回転させ得る。様々な実施形態において、トリガーギア175の下方の回転は、図22に示すように、駆動ピン176に対抗して作用する駆動表面177の相互作用を介してトリガー170に伝達されて、トリガー170をその第2の動作範囲を通して後退又は戻し得る。少なくとも1つの実施形態において、外科用器具は更に反転プレート200を備えることができ、前記反転プレート200は、複合ギア191の逆回転が反転プレート200も介してトリガーギア175に伝達され得るように複合ギア191と操作可能に係合され得る。反転プレート200は、複合ギア191が戻りばね199により逆方向に駆動されるにつれて、反転プレート200が下方に駆動され、ピン192により画定された軸線を中心として矢印Hに示す方に回転されるように、複合ギア191及び/又はピン192に対して固定され得る。そのような環境では、図22を参照すると、反転プレート200は、トリガーギア175から延びる駆動ピン202に対して作用して、トリガーギア175を下方に駆動することができる。
【0054】
様々な実施形態において、上記に加えて、戻りばね199は、ギア191、193、195及び197を介して切断部材140及びラック160をそれらの第3の位置から第2の位置に戻し、図23に示すように、ラックロック150をラック160と再び係合させることができる。ラックロック150がラック160と再び係合することにより、ヨークばね147はヨーク154、ラック160及び切断部材140を近位方向、即ち方向Fの反対の方向に押すことができる。様々な環境において、ヨークばね147はヨーク154を介してラック160及び切断部材140をそれらの第2の位置から第1の位置に移動することができる。上記に加えて、ヨークばね147がヨーク154を後方に押す際、ヨーク154はトグルクランプ180をその第2の構成(図22)から第1の構成(図23)へと駆動し又は崩壊させることができる。そのような環境において、図23及び24を参照すると、トリガー170から延びるカム172は、第1のリンク182内のポケット173と再び係合するため、第1のリンク182は図26に示すようにトリガー170をその第1の動作範囲を通してその非作動位置に駆動することができる。
【0055】
上述したように、また図25及び27を参照すると、切断部材140がその第2の位置から第1の位置に戻った際、切断部材140は第2のつかみ具109をその閉鎖位置から開放位置に移動することができる。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、切断部材140は、更に、切断部材14から延びる少なくとも1つの開放カムピン141を含むことができ、前記開放カムピン141は、近位方向に移動された際、第2のつかみ具109上のカム表面101aと係合し、それにより第2のつかみ具109は、図27に示すように、ピボットピン103を中心としてその開放位置へと上方に枢動することができる。つかみ具109がその開放位置へ移動した後、カムピン141は、カム表面101aに関連して近位方向に配置されているロック表面101b上に及び/又は該表面に接して配置されるように更に後退され得る。そのような環境において、第2のつかみ具109は、カムピン141により解放位置にロック又は保持され得る。いずれにしても、切断部材140がその第1の位置に完全に戻ったことを確実にするために、トリガー170がその非作動位置に戻るにつれて、トリガー170から延びる駆動ピン176が、反転プレート200内のスロット204の側壁と係合し得る。より詳細には、駆動ピン176は、反転プレート200、複合ギア191、193、195及び197並びにラック160がそれらの最初の位置に戻り、その結果、切断部材140がその最初の位置に戻ったことを確実にし得る。
【0056】
上述したように、トリガー170は駆動ピン176を含み、前記駆動ピン176は、トリガー170の第1の動作範囲の最後において、トリガーギア175の駆動表面177と接触することができ、トリガーギア175を上方に移動する。そのような環境において、トリガー170及びトリガーギア175は、ピボット171により画定された共通の回転軸線を中心として一緒に移動し得る。しかしながら、トリガー170が解放されてその非作動位置に戻った際、例えば図21〜24を参照すると、トリガー170及びトリガーギア175は、互いに独立して移動し、互いに対して回転し得る。より詳細には、トリガー及びトリガーギア175は、トリガー170がその非作動位置に戻るにつれて、また外科用器具100がその最初の構成にリセットされるにつれて、トリガー170上のピボット179を中心として互い対して移動し得る。
【0057】
様々な実施形態において、以下図41を参照すると、代替的外科用器具は、外科用器具100と実質的に同一の構成要素及びシステムを備えることができるが、この代替的外科用器具は、第1の部分170a’及び第2の部分170b’を含むトリガーアセンブリ170を備えることができる。所定の実施形態において、トリガー170’の作動中、第1の部分170a’と第2の部分170b’との間の相対的な移動が可能である。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、第1のトリガー部分170a’と第2のトリガー部分170b’との中間に力過負荷メカニズムが配置されていてもよく、それにより、トリガー部分170a’に適用された力が所定の値を超える場合、トリガー部分170a’がトリガー部分170b’に対して移動して、所定の値を超える任意の力が駆動ピン176’を介してトリガーギア175に伝達されるのを防止することができる。以下図42を参照すると、第1のトリガー部分170a’はピボット孔171a’を含むことができ、該ピボット孔171a’は、図43を参照すると、第2のトリガー部分170b’内のピボット孔171b’と整合されてもよく、第1の部分170a’と第2の部分170b’とが一緒に組み立てられた際、図41に示すように、第1の部分170a’及び第2の部分170b’は、ピボット171’により画定された軸線を中心として一緒に回転することができる。より詳細には、第1の部分170a’に適用された力、即ち負荷FAは、第1の部分170a’をピボット171’を中心として回転させることができ、駆動ピン176’によって、第1の部分170a’の回転が第2の部分170b’に伝達されて、第2の部分170b’をピボット171’を中心として回転させることができる。少なくとも1つの実施形態において、駆動ピン176’は第1の部分170a’内のスロット212’内に摺動可能に配置されてもよく、第1の部分170a’は、更に、例えば、軸圧縮ばね216’等のばねを含むことができ、該ばねは、駆動ピン176’をスロット212’の末端部214’に付勢するよう構成される。図41に示すように、駆動ピン176’は第2の部分170b’内の駆動開口218’を通して延びてもよく、様々な環境において、第1のトリガー部分170a’に適用された力FAの少なくとも一部分は、ばね216’、駆動ピン176’及び駆動開口218’の側壁を介して伝達されて、第2のトリガー部分170b’に力を適用することができる。
【0058】
様々な実施形態において、上記に加えて、第1のトリガー部分170a’と第2のトリガー部分170b’との間で伝達される力は、力FT(図41)により表すことができ、該力FTは、ばね216を介して伝達される。図41に示すように、力FTは、ばね216の’長手方向又は軸線方向の軸線と整合し又は共軸であってもよい。力FTが上述した所定の値、又は閾値以下の場合、第1の部分170a’及び第2の部分170b’は、それらの間の相対的な移動が、もし存在したとしても殆ど存在せずに一緒に移動し得る。そのような実施形態の少なくとも1つでは、ばね216’は、所定の閾値と等しいか又は少なくとも実質的に等しい予備負荷力により圧縮されるように、駆動ピン176’とスロット212の第2の側壁215’との間で圧縮されていてもよい。そのような環境では、ばね216’は、力FTが所定の閾値を超えない限り、更に圧縮されず、また該閾値を超えた場合更に圧縮され得る。力FTが所定の閾値を超えると、ばね216’は更に圧縮され、それにより第1の部分170a’と第2の部分170b’との相対的な移動が可能となる。更に、そのような相対的な移動により、所定の閾値を超える力は、駆動ピン176’を介してトリガーギア175に伝達される代わりに、ばね216’により吸収され得る。そのような実施形態は、ラック160及び切断部材140に過剰な力が適用されることを防止することができ、その結果、過負荷状態を回避し又は少なくとも部分的に改善することができる。
【0059】
様々な実施形態において、以下図44を参照すると、代替的外科用器具は、外科用器具100と実質的に同一の構成要素及びシステムを備えることができるが、この代替的外科用器具は、第1の部分170a’’’及び第2の部分170b’’’を含むトリガーアセンブリ170’’’を備えることができる。所定の実施形態において、トリガー170’’’の作動中、第1の部分170a’’’と第2の部分170b’’’との間の相対的な移動が可能である。上記と同様に、少なくとも1つの実施形態において、第1のトリガー部分170a’’’と第2のトリガー部分170b’’’との中間に力過負荷メカニズムが配置されていてもよく、それにより、トリガー部分170a’’’に適用された力が所定の値を超える場合、トリガー部分170a’’’がトリガー部分170b’’’に関して移動して、所定の値を超える任意の力が駆動ピン176’’’を介してトリガーギア175に伝達されるのを防止することができる。上記と同様に、第1のトリガー部分170a’’’及び第2のトリガー部分170b’’’は、ピボットピン171’’’を中心として枢動可能であってもよく、第1の部分170a’’’に適用された力、即ち負荷FAは、第1の部分170a’’をピボット171’’’を中心として回転させることができ、ビーム、又はリンク216’’’により、第1の部分170a’’’の回転が第2の部分170b’’’に伝達されて第2の部分170b’’’をピボット171’’’を中心として回転させることができる。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、ビーム216’’’の第1の末端部217’’’は第1のトリガー部分170a’’’に対して固定的に取り付けられてもよく、ビーム(bean)216’’’の第2の末端部218’’’は第2のトリガー部分170b’’’に対して固定的に取り付けられてもよく、様々な環境において、第1のトリガー部分170a’’’に適用された力FAの少なくとも一部がビーム216’’’を介して伝達されて、第2のトリガー部分170b’’’に力を適用し得る。
【0060】
様々な実施形態において、ビーム216’’を介して伝達された力が、所定の値又は閾値以下である場合、第1の部分170a’’及び第2の部分170b’’は、それらの間の相対的な移動が、もし存在したとしても殆ど存在せずに一緒に移動し得る。より詳細には、ビーム216’’は、閾値を下回る力がビーム216’’を介して伝達されても、圧縮による収縮又は他の少量の弾性変形がビーム216’’内で形成される可能性があり、ビーム216’’は、該ビーム216’’を介して伝達される力が閾値を下回る限り、殆ど変形されないまま留まるよう構成され得る。しかしながら、ビーム216’’を介して伝達される力が所定の閾値を越えると、ビーム216’は座屈し、それにより第1の部分170a’と第2の部分170b’との相対的な移動が可能となる。そのような相対的な移動は図44に示されており、第1の部分170a’’が、第2のトリガー部分170b’’に関して移動した想像線にて示されている。そのような環境では、第1の末端部217’’は、ビーム216が側方に座屈又は崩壊するように、第2の末端部218’’に向かって移動し得る。様々な環境において、そのような座屈は弾性又は弾力性を有して、第1のトリガー部分170a’’が、第2のトリガー部分170b’’に関してリセットされることを可能にすることができる。他の環境では、座屈は少なくとも部分的に非弾性又は塑性であってもよく、このことはそのようなリセットを防止又は抑制し得る。いずれにしても、上述した様々な実施形態は、過剰な力がラック160及び切断部材140に適用されることを防止することができ、その結果、過負荷状態を回避し又は少なくとも部分的に改善することができる。
【0061】
様々な代替的実施形態において、図29及び30を参照すると、代替的外科用器具100’’は、上述した第1の駆動システムと第2の駆動システムとを駆動し得る一部品トリガー170’’を備えることができる。より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、トリガー170’’は、上記と同様に、トリガー170’’の1ストローク中、ピボット171を中心として作動位置と非作動位置との間で回転するよう構成されてもよい。また上記と同様に、このトリガー170’’のストロークは、第1の駆動システムを駆動するための第1の動作範囲と、第2の駆動システムを駆動するための第2の動作範囲と、を含むことができる。図29を参照すると、トリガー170’’は非作動位置にて示されており、トリガーギア歯178’’が複合ギア191と操作可能に係合されておらず、トグルクランプ180がその第1の、即ち非作動の構成にある。以下図30を参照すると、トリガー170’’が第1の動作範囲の間、上記と同様に、トリガー170’’はトグルクランプ180をその第1の構成から第2の構成に移動し、加えて、トリガーギア歯178’’を複合ギア191と操作可能に係合させることができる。トリガー170’’が第2の動作範囲の間、上記と同様に、トリガー170’’は複合ギア191を回転させてラック160及び切断部材140を前進させることができ、トリガー170’’がもはやトグルクランプ180と操作可能に係合されていないため、トリガー170’’は第1のリンク182に対して移動することができる。トリガー170’’が解放された際、上記と同様に、外科用器具100’’はばねを備えることができ、該ばねは、トグルクランプ180を付勢してその第1の構成に戻し、トリガー170’’をその非作動位置に戻すことができる。外科用器具100’’は、更に第2のばねを備えることができ、該第2のばねは、複合ギア191の回転を逆転させて、ラック160及び切断部材140をそれらの最初の又は開始位置に戻すことができる。様々な実施形態において、トリガー170’’は、更に戻り歯(return tooth)178’’を含むことができ、該戻り歯178’’は、トリガー170’’が図29に示すようにその非作動位置に移動されるときに、複合ギア191と係合して、複合ギア191、ラック160及び切断部材140がそれらの最初の又は開始位置に戻ることを確実にするよう構成されていてもよい。
【0062】
上述したように、様々な実施形態において、トリガーアセンブリ120は、スイッチ123を駆動するためのボタン122を含むことができ、スイッチ123は第1のリンク124に取り付けられ、第1のリンク124は第2のリンク126と操作可能に係合され、第2のリンク126はロック150を回転させるよう構成される。以下図45に示す実施形態を参照すると、外科用器具はトリガーアセンブリ720を備えることができ、該トリガーアセンブリ720は、上記と同様に、リンク724に取り付けられているスイッチ723を含み、スイッチ723は、スイッチ723を駆動させるためのボタン722を含むことができる。様々な実施形態において、ボタン722及びスイッチ723は、ボタン122及びスイッチ123と実質的に同一の様式で操作されてもよいが、少なくとも1つの実施形態では、トリガーアセンブリ720のリンク724は、該リンク724がロック750と直接、即ち、リンク724とロック750との間に操作可能に配置される、例えば第2のリンク126等の第2のリンクが存在することなく係合し得るよう構成されていてもよい。そのような実施形態の少なくとも1つでは、ボタン722に力Fを適用してスイッチ723を作動し、同時に、リンク724をピボット718を中心として矢印Zに示す方向に回転させてもよい。そのような環境では、リンク724の駆動末端部751がロック750と接触し、ロック750をヨーク754のピボットピン752を中心として矢印Yに示す方向に回転させ得る。様々な実施形態では、上記に加えて、スイッチ723を作動するのに十分な力は、ロック歯755がラック760内の凹部762内に配置されているそのロック位置(図45)から、ラック760がロック750及びヨーク754に対して移動できる非ロック位置に、ロック750を移動するのに十分であり得る。そのような実施形態の少なくとも1つでは、上記と同様に、スイッチ723内のばねの剛性と、リンク724とハンドルフレーム712との中間に配置されたばね721の剛性とは、ラック760がロック解除されると同時に、又は少なくとも実質的に同時に、スイッチ723が作動されるよう選択され得る。様々な別の実施形態において、また上記と同様に、ばね721及びスイッチ723のばねの剛性は、ロック750をロック解除構成に移動することなくスイッチ723が作動し得るように選択され得る。そのような実施形態では、第2の、又はより大きい力がボタン722に適用されてロック750をロック解除し得る。様々な代替的実施形態では、ロックは、ロック750をロック構成に付勢するよう構成されているロックばねを含んでもよく、少なくとも1つの実施形態では、ロックばねは、例えば、ばね721の代わりに使用され得る。
【0063】
以下図46の実施形態を参照すると、外科用器具はトリガーアセンブリ820を備えることができ、前記トリガーアセンブリ820は、上記と同様に、ボタン822を含むスイッチ823を含み、スイッチ823は第1のリンク824に取り付けられており、ボタン820に対する力Fの適用により、この力がリンク824をピボット818を中心として矢印Xに示す方向に回転させ得る。図46に示すように、トリガーアセンブリ820は更に摺動部826を含むことができ、該摺動部826は、リンク824が方向Xに回転するにつれて、リンク824がハンドル部分812により画定されたスロット内で摺動部826を矢印Wに示す方向において上方に駆動することができるように、第1のリンク824と操作可能に係合されている。摺動部826が上方に移動される際、摺動部826の駆動末端部851は、ラック860内のスロット869を通過してロック850と係合し、ロック850をラック860内の凹部862から外部へと上方に持ち上げることができる。様々な実施形態において、上記に加えて、トリガーアセンブリ820は更にロックばね856を含むことができ、該ロックばね856は、ロック850と、例えばハンドルフレーム812との中間に配置されており、ロック850を凹部862内に付勢するよう構成されてもよい。所定の実施形態において、上記と同様に、スイッチ823はばねを含むことができ、スイッチばね及びロックばね856の剛性は、スイッチ823を駆動するのに十分な力が、ロック850を非ロック位置に移動するのに十分であり、その結果、ラック860をロック解除できるように選択されてもよい。様々な代替的実施形態において、また上記と同様に、スイッチ823のばね及びロックばね856は、ロック850を非ロック位置に移動することなくスイッチ823が作動し得るように選択され得る。そのような実施形態では、第2の、又はより大きい力がボタン822に適用されてロック850をロック解除し得る。
【0064】
様々な実施形態において、上述したように、外科用器具100のエンドエフェクタ106は電極130を含むことができ、該電極130は、接地電極又は帰路電極と協働して、エンドエフェクタ106内に配置された組織を通して電流を流すことができる。様々な環境において、また上述したように、電極130を通って流れる電流は、例えば電極130内に熱を生成して組織を封止することができる。少なくとも1つの実施形態において、電極130は、例えば、電極130が第1のつかみ具108に対して移動しないように、第1のつかみ具108内に固定して配置され得る。上記に加えて、つかみ具108は、電極130と帰路電極との中間に配置された1つ以上の絶縁体を含むことができ、前記絶縁体は、電流が少なくとも最初に組織を通過せずに電極130と帰路電極との間で直接流れることがないことを確実にし得る。様々な代替的実施形態において、以下図39を参照すると、代替的外科用器具は、例えば絶縁体532及び/又は帰路電極(return)534に対して移動され得る電極530を備えることができる。少なくとも1つの実施形態では、電極530は、上面、又は組織接触表面531を含むことができ、前記上面、又は組織接触表面531は、エンドエフェクタ506内に配置されている組織Tに接して配置されるよう構成されてもよい。様々な環境において、電極530の上面531は、絶縁体532及び/又は帰路電極534に関連して高く及び/又は低くてもよい。より詳細には、そのような実施形態の少なくとも1つにおいて、電極530の上面531は、絶縁体532の上面533a及び533bに対して及び/又は帰路電極534の上面535a及び535bに対して移動されてもよい。様々な環境において、電極530、又は上面531を絶縁体532及び/又は帰路電極534に対して高くすることにより、電極530に暴露される組織の量が増大し得る。そのような環境では、組織内に形成されるシールのサイズは、例えば電極530がより低い位置にある場合と比較して増大され得る。電極530が低くされた場合、組織内に形成されるシールのサイズは、例えば電極530が高い位置にある場合と比較して低下され得る。様々な環境において、電極530がより低い位置にある場合、電極530が高い位置にある場合と比較して、エンドエフェクタ506に隣接する組織に対する熱の側方への拡がりが低下され得る。
【0065】
様々な実施形態において、上記に加えて、外科用器具は、電極530を絶縁体532に対して持ち上げ及び/又は下げるための手段を備えることができる。少なくとも1つの実施形態において、電極530は下面を含むことができ、該下面は勾配又は傾斜表面を含み、電極530がエンドエフェクタ506内で長手方向に摺動した際、例えば上面531、533a、533b、535a及び/又は535bのうちの1つにより画定される面に直交する、又は少なくとも実質的に直交する方向において電極530が上方に持ち上げられるように、傾斜表面がエンドエフェクタ506内のカムと接触し得る。他の環境では、電極530がカムに沿って摺動又は牽引される際、電極530はその面に対して下方に下げられ得る。様々な実施形態において、エンドエフェクタ506は2つ以上の電極を含むことができ、該2つ以上の電極は、一緒に又は独立して高められ及び/又は低められてもよい。電極が一緒に高められ及び/又は低められた実施形態では、外科用器具は、電極をエンドエフェクタ内で同時に長手方向に移動する作動装置を備えてもよい。電極が独立して高められ及び/又は低められた実施形態では、外科用器具は、独立して作動して、電極を独立して移動できる2つ以上の作動装置を備えてもよい。様々な別の実施形態において、外科用器具は、傾斜表面を含む1つ以上のドライバーを備えることができ、該傾斜表面は電極の下で長手方向に摺動され、またドライバーが摺動する方向に応じてドライバーが電極を高くし又は低くし得る。
【0066】
様々な代替的実施形態において、以下図40を参照すると、エンドエフェクタ606は、電極630、電極630の第1の側に配置された第1の絶縁体632a、電極630の第2の側に配置された第2の絶縁体632b、第1の絶縁体632aに隣接して配置された第1の帰路電極634a、及び第2の絶縁体632bに隣接して配置された第2の帰路電極634bを含むことができる。エンドエフェクタ606は、更に、第1の絶縁体632aに操作可能に結合されている第1の作動装置636aを含むことができ、第1の作動装置636aは、第1の絶縁体632aを、勾配、即ちカム637の上方及び/又は下方に摺動させるよう構成されてもよい。エンドエフェクタ606は、更に、第2の絶縁体632bに操作可能に結合されている第2の作動装置636bを含むことができ、第2の作動装置636bは、第2の絶縁体632bを、勾配、即ちカム637の上方及び/又は下方に摺動させるよう構成されてもよい。図40に示すように、第2の絶縁体632bは、傾斜下面638bを含むことができ、該傾斜下面638bは、例えば、カム673の傾斜表面と協働して、第2の絶縁体632bの上面633bを電極630の上面631及び/又は帰路電極634bの上面635bに対して移動することができる。同様に、第1の絶縁体632aは傾斜下面を含むことができ、該傾斜下面は、例えば、カム673の傾斜表面と協働して、第1の絶縁体632aの上面633aを電極630の上面631及び/又は帰路電極634aの上面635aに対して移動することができる。例えば1つ以上の帰路電極が、電極に対して高くされ及び/又は低くされ得る様々な別の実施形態が想像される。
【0067】
本明細書に記載した装置の実施形態は、最小侵襲性又は開放外科的手法を用いて患者内部に導入することができる。場合によっては、最小侵襲性及び開放外科的手法の組み合わせを利用して、装置を患者内部に導入することが有利である可能性がある。最小侵襲性手法は診断及び治療手順に、より正確で効率的な処置領域へのアクセスをもたらすことができる。患者内の内部処置領域に到達するために、本明細書に記載した装置を例えば口、肛門、及び/又は膣等の身体の自然開口部を通して挿入することができる。患者の自然開口部を通して患者内へ様々な医療装置を導入することにより行われる最小侵襲性手技は、NOTES(商標)手技として既知である。装置のいくつかの部分は、経皮的に、又は小さいキーホール切開部を通して、組織処置領域へ導入することができる。
【0068】
内視鏡最小侵襲性外科及び診断医療手技は、小さいチューブを身体内に挿入することにより内部器官を評価及び処置するのに使用される。内視鏡は、剛性又は可撓性チューブを有し得る。可撓性内視鏡は、自然身体開口部(例えば、口、肛門及び/又は膣)のいずれかを通して、又は相対的に小さいキーホール切開の切開部(通常0.5〜1.5cm)通してトカロールにより導入され得る。内視鏡を使用して、病変等の異常組織又は疾病組織を含む内部器官の表面状態及び他の表面状態を観察し、目視検査及び写真のために画像を取得することができる。内視鏡は、作業チャネルにより処置領域に医療用器具を導入して、生検を採取し、異物を回収し、及び/又は外科的手技を行うように適合及び構成させることができる。
【0069】
好ましくは、本明細書に記載される装置の様々な実施形態は、外科処置の前に処理される。初めに、新しい又は使用済みの器具が得られ、必要に応じて洗浄される。器具は次いで、滅菌され得る。ある滅菌技術において、器具は、プラスチック製又はタイベック(TYVEK)(登録商標)製のバックなど、閉じられ密封された容器に置かれる。容器及び器具は、次いで、γ線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を突き抜けることのできる放射線場内に置かれる。放射線により、器具上及び容器内の細菌が死滅される。次いで、滅菌された器具を、滅菌容器内に格納することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つ。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、及び/又は蒸気を含む他の滅菌技術を、当業者に既知の任意の数の方法によって実施することができる。
【0070】
特定の開示された実施形態と結びつけて本明細書で装置の様々な実施形態について説明したが、それらの実施形態に対して多数の修正及び変更が実施可能である。例えば、異なるタイプのエンドエフェクタが用いられてもよい。また、特定のコンポーネントについて材料が開示されたが、他の材料が使用され得る。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正形態及び変形形態全てに及ぶものとする。
【0071】
参考として本明細書に組み込まれると言われたいずれの特許、公開文献、又は他の開示資料も、全体又は一部を、その組み込まれた資料が本開示に示された既出の定義、記載、又は他の開示資料と矛盾しない範囲に限り、本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に明確に示した開示内容は、本明細書に援用されるいかなる矛盾する文献にも優先するものとする。本明細書に参照により組み込むと述べるが、本明細書に記載した既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾する、任意の資料又はその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込むものとする。
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具において、
ハンドルであって、
非作動位置と作動位置との間で可動なトリガーと、
トグルクランプを含む第1の駆動システムと、
第2の駆動システムであって、
ラックと、
前記ラックと操作可能に係合されたピニオンと、
前記ラックと選択的に係合可能なラックロックを含むヨークと、を含む第2の駆動システムと、を含み、前記トリガーが、前記トリガーが前記非作動位置と前記作動位置との間で移動される際、第1の動作範囲と第2の動作範囲との間で可動であり、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記第1の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記トグルクランプを作動させるよう構成され、また前記トリガーが、前記第2の動作範囲の間、前記第2の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記ラックを作動させるよう構成されている、ハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間を可動であるナイフバーを含み、前記トグルクランプ及び前記ラックが前記ナイフバーと操作可能に係合可能であり、前記トグルクランプが、前記ナイフバーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するよう構成され、前記ラックが、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動するよう構成されている、シャフトと、
前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
遠位端と、
第1のつかみ具と、
第2のつかみ具と、を含み、前記第1のつかみ具が前記第2のつかみ具に対して開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、前記ナイフバーが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動される際、前記ナイフバーが、前記第1のつかみ具を前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動するよう構成され、また、前記ナイフバーが前記第2の位置と前記第3の位置との間を移動される際、前記ナイフバーが、前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって移動するよう構成されている、エンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(2) 前記ハンドルがハンドル本体を含み、前記トリガーが前記ハンドル本体に枢動可能に取り付けられ、前記トグルクランプが、
第1の末端部及び第2の末端部を含む第1のリンクと、
第1のピボットであって、前記第1のリンクの前記第1の末端部が前記第1のピボットにおいて前記ハンドル本体に枢動可能に取り付けられる、第1のピボットと、
第1の末端部及び第2の末端部を含む第2のリンクと、
第2のピボットであって、前記第2のリンクの前記第1の末端部が前記第2のピボットにおいて前記ヨークに枢動可能に取り付けられる、第2のピボットと、を含み、前記第1のリンクの前記第2の末端部が、前記第2のリンクの前記第2の末端部に回転可能に結合され、前記トリガーが、前記第1のリンク及び前記第2のリンクの少なくとも一方に係合して前記第1のリンク及び前記第2のリンクを第1の構成と第2の構成との間で移動し、前記ナイフバーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するよう構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記第1のリンク及び前記第2のリンクが前記第1の構成から前記第2の構成に移動される際、前記第2のリンクが、前記ヨークを前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって駆動するよう構成され、前記ラックが、前記ラックロックによって前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって駆動されて、前記ナイフバーを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記ラックロックが前記ラックと操作可能に係合された際、前記ラックロックが、前記ナイフバーが前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動されることを防止するよう構成され、前記ラックが、前記ラックロックが前記ラックから係合解除された際、前記ヨークに対して可動であり、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動させることができる、実施態様3に記載の外科用器具。
(5) 前記第1のリンクの前記第2の末端部が、中間ピボットにおいて前記第2のリンクの前記第2の末端部に回転可能に結合されており、前記第1のピボット及び前記第2のピボットが、前記第1のピボットと前記第2のピボットとの間に軸線を画定し、前記中間ピボットが、前記第1のピボット及び前記中間ピボットを含む第1の線と、前記第2のピボット及び前記中間ピボットを含む第2の線との間に画定される頂点を含み、第1の頂角は前記トグルクランプが前記第1の構成にある際に画定され、第2の頂角は前記トグルクランプが前記第2の構成の構成にある際に画定され、前記第1の頂角は前記第2の頂角よりも小さい、実施態様2に記載の外科用器具。
(6) 前記第2の頂角が180度よりも僅かに小さい、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記第1のリンクが駆動表面を含み、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記駆動表面と係合し、前記第1のリンク及び前記第2のリンクを前記第1の構成と前記第2の構成との間で移動するよう構成されたカムを含み、前記カムが、前記第2の動作範囲の間、前記駆動表面と係合されない、実施態様5に記載の外科用器具。
(8) 前記カムが前記第1の動作範囲の最後において前記駆動表面と係合解除される、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記ハンドル本体に枢動可能に取り付けられたトリガーギアを更に備え、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記トリガーギアを移動して前記ピニオンギアと操作可能に係合させるよう構成され、前記トリガーが、前記第2の動作範囲の間、前記トリガーギア及び前記ピニオンを駆動して前記ラックを前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって移動し、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動するよう構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(10) 前記トリガーギアが、前記第1の動作範囲の最後まで、前記ピニオンギアと操作可能に係合されない、実施態様9に記載の外科用器具。
【0073】
(11) 前記ピニオンギアと操作可能に係合された複合ギアを更に備え、前記トリガーが、前記複合ギアと操作可能に係合して前記ピニオンギアを駆動するよう構成され、前記複合ギアが、前記ピニオンギアが前記トリガーギアよりも速く回転するように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
(12) 前記ピニオンギア及び前記複合ギアの少なくとも一方と操作可能に係合された戻りばねを更に備え、前記戻りばねが、前記トリガーギアが前記複合ギアとの操作可能な係合から外れ、また前記ラックが前記第3の位置から前記第2の位置に移動されるように、前記複合ギアを逆方向に回転させるよう構成されている、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記ラックロックが、前記ラックロックが前記ラックと操作可能に係合された際、前記ナイフバーが前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動することを防止するよう構成され、前記ラックが、前記ラックロックが前記ラックから係合解除された際、前記ヨークに対して可動であり、前記ナイフバーを前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動させることができ、外科用器具が、前記ナイフバーが前記第3の位置から前記第2の位置に戻った際、前記ラックロックを前記ラックと再び係合させるよう構成されているロックばねを更に備える、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 前記トリガーの前記カムが、前記トリガーギアが前記複合ギアから操作可能に係合解除された際、前記第1のリンクの前記駆動表面と再び係合するよう構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記外科用器具が、前記複合ギアと操作可能に係合できる反転プレートを更に備え、前記複合ギア及び前記戻りばねが、前記反転プレートを駆動するよう構成され、前記反転プレートが、前記トリガーが前記第1のリンク及び前記第2のリンクを前記第2の構成から前記第1の構成に移動するように、前記トリガーを駆動するよう構成されている、実施態様14に記載の外科用器具。
(16) 前記第1のリンク及び前記第2のリンクの前記第2の構成から前記第1の構成への前記移動が、前記ヨーク、前記ラックロック、及び前記ラックを前記エンドエフェクタの前記遠位端から離れるよう移動し、前記ナイフバーを前記第2の位置から前記第1の位置へ移動するよう構成されている、実施態様15に記載の外科用器具。
(17) 前記シャフトと前記ヨークとの中間に配置されたヨークばねを更に備え、前記ヨークばねが、前記ヨークが前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって前進された際、前記ヨークと前記シャフトとの間で圧縮され、位置エネルギーを貯蔵するよう構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(18) 前記第1のつかみ具及び前記第2のつかみ具の少なくとも一方が、前記第1のつかみ具と前記第2のつかみ具との間にクランプされた組織にエネルギーを供給するよう構成されている電極を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(19) 組織にエネルギーを供給するよう構成されている外科用器具において、
非作動位置と作動位置との間で可動なトリガーと、
トグルクランプを含む第1の駆動システムと、
ラック・ピニオンシステムを含む第2の駆動システムであって、前記トリガーが前記非作動位置と前記作動位置との間で移動される際、前記トリガーが、第1の動作範囲と第2の動作範囲との間で可動であり、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記第1の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記トグルクランプを作動させるよう構成され、前記トリガーが、前記第1の動作範囲の間、前記第2の駆動システムから操作可能に係合解除されており、前記トリガーが、前記第2の動作範囲の間、前記第2の駆動システムと操作可能に係合可能であり、それにより前記トリガーが前記ラックを作動させるよう構成され、前記トリガーが、前記第2の動作範囲の間、前記第1の駆動システムから操作可能に係合解除されている、第2の駆動システムと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、第1の位置と第2の位置と第3の位置との間で可動である発射部材を含み、前記トグルクランプ及び前記ラックが前記発射部材と操作可能に係合可能であり、前記トグルクランプが前記発射部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するよう構成され、前記ラックが前記発射部材を前記第2の位置と前記第3の位置との間で移動するよう構成されている、シャフトと、
前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
遠位端と、
第1のつかみ具と、
第2のつかみ具と、を含み、前記第1のつかみ具が前記第2のつかみ具に対して開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、前記発射部材が、前記発射部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動される際、前記第1のつかみ具を前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動するよう構成され、また前記発射部材が、前記発射部材が前記第2の位置と前記第3の位置との間を移動される際、前記エンドエフェクタの前記遠位端に向かって移動するよう構成されている、エンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(20) 外科用器具において、
エンドエフェクタであって、
電極と、
切断部材と、を含むエンドエフェクタと、
近位端及び遠位端を含む細長いシャフトであって、前記エンドエフェクタが前記細長いシャフトの前記遠位端に結合され、更に、
前記電極と電気的に結合された導体と、
前記切断部材と操作可能に結合された駆動シャフトと、を含む細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記近位端に結合されたハンドルであって、
ロック位置と非ロック位置との間で可動なロックであって、前記ロックが前記ロック位置にある際、前記駆動シャフトと係合して前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進することを防止し、前記ロックが前記非ロック位置にある際、前記駆動シャフトから係合解除して、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進されることを可能にする、ロックと、
電気入力と、
非作動位置と作動位置との間で可動なスイッチであって、前記スイッチが前記非作動位置にある際、前記電気入力が前記導体から電気的に切り離され、前記スイッチが前記作動位置にある際、前記スイッチが、前記電気入力と前記導体とを電気的に結合するよう構成され、前記非作動位置から前記作動位置への前記スイッチの前記移動が、前記ロック位置から前記非ロック位置へ前記ロックを移動するように、前記スイッチと前記ロックとが、操作可能に結合されている、スイッチと、を含むハンドルと、を備える外科用器具。
【0074】
(21) 前記ハンドルに回転可能に取り付けられたリンクを更に備え、前記スイッチが前記リンクに取り付けられ、前記非作動位置と前記作動位置との間の前記スイッチの前記移動が、前記リンクを軸線を中心にして回転させ、前記リンクの前記回転が前記ロックを回転させるように、前記リンクと前記ロックとが操作可能に係合されている、実施態様20に記載の外科用器具。
(22) 前記ハンドルに回転可能に取り付けられたリンクを更に備え、前記スイッチが前記リンクに取り付けられ、前記スイッチがボタン及びばねを含み、前記ばねが前記ボタンと前記リンクとの中間に配置され、前記ボタンに適用されて前記ばねを圧縮する力が前記リンクを軸線を中心として回転させ、前記リンクの前記回転が前記ロックを前記ロック位置と前記非ロック位置との間で移動するように、前記リンクと前記ロックとが操作可能に係合されている、実施態様20に記載の外科用器具。
(23) 前記非作動位置と前記作動位置との間で前記スイッチを移動するために、前記スイッチに適用される第1の力が要求され、前記ロック位置と前記非ロック位置との間で前記ロックを移動するために、前記スイッチに適用される第2の力が要求され、前記第2の力が前記第1の力よりも大きい、実施態様20に記載の外科用器具。
(24) 前記スイッチが前記作動位置に移動され、同時に前記ロックが前記非ロック位置に移動される、実施態様20に記載の外科用器具。
(25) 外科用器具において、
エンドエフェクタであって、
電極と、
切断部材と、を含むエンドエフェクタと、
近位端及び遠位端を含む細長いシャフトであって、前記エンドエフェクタが前記細長いシャフトの前記遠位端に結合され、更に、
前記電極と電気的に結合された導体と、
前記切断部材と操作可能に結合された駆動シャフトと、を含む細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記近位端に結合されたハンドルであって、
ロック位置と非ロック位置との間で可動なロックであって、前記ロックが前記ロック位置にある際、前記駆動シャフトと係合して前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進することを防止し、前記ロックが前記非ロック位置にある際、前記駆動シャフトから係合解除して、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進されることを可能にする、ロックと、
電気入力と、
第1の力の適用により非作動位置と作動位置との間で可動なスイッチであって、前記スイッチが前記非作動位置にある際、前記電気入力が前記導体から電気的に切り離され、前記スイッチが、前記スイッチが前記作動位置にある際、前記電気入力と前記導体とを電気的に結合するよう構成され、前記スイッチと前記ロックとが、前記スイッチに適用された第2の力が前記ロック位置から前記非ロック位置へ前記ロックを移動するように、操作可能に結合され、前記第2の力が前記第1の力よりも大きい、スイッチと、を含むハンドルと、を備える外科用器具。
(26) 前記ハンドルに回転可能に取り付けられたリンクを更に備え、前記スイッチが前記リンクに取り付けられ、前記非作動位置と前記作動位置との間の前記スイッチの前記移動が、前記リンクを軸線を中心として回転させ、前記リンクの前記回転が前記ロックを回転させるように、前記リンクと前記ロックとが操作可能に係合されている、実施態様25に記載の外科用器具。
(27) 前記ハンドルに回転可能に取り付けられたリンクを更に備え、前記スイッチが前記リンクに取り付けられ、前記スイッチがボタン及びばねを含み、前記ばねが前記ボタンと前記リンクとの中間に配置され、前記第1の力が前記ボタンに適用されて前記ばねを圧縮して前記リンクを軸線を中心として回転させ、前記第2の力の適用により、前記リンクの前記回転が前記ロックを前記ロック位置と前記非ロック位置との間で移動するように、前記リンクと前記ロックとが操作可能に係合されている、実施態様25に記載の外科用器具。
(28) 前記スイッチが、前記第1の力の適用により第1の距離、押圧され、また前記スイッチが、前記第2の力の適用により第2の距離、移動される、実施態様25に記載の外科用器具。
(29) 前記スイッチが前記作動位置に移動された後、前記ロックが前記非ロック位置へ移動される、実施態様25に記載の外科用器具。
(30) 外科用器具において、
エンドエフェクタであって、
電極と、
切断部材と、を含むエンドエフェクタと、
近位端及び遠位端を含む細長いシャフトであって、前記エンドエフェクタが前記細長いシャフトの前記遠位端に結合され、更に、
前記電極と電気的に結合された導体と、
前記切断部材と操作可能に結合された駆動シャフトと、を含む細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記近位端に結合されたハンドルであって、
ロック位置と非ロック位置との間で可動なロックであって、前記ロックが前記ロック位置にある際、前記駆動シャフトと係合して前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進することを防止し、前記ロックが前記非ロック位置にある際、前記駆動シャフトから係合解除して、前記駆動シャフトが前記細長いシャフトの前記遠位端に向かって前進されることを可能にする、ロックと、
電気入力と、
非作動位置と作動位置と第3の位置との間で可動なスイッチであって、前記スイッチが前記非作動位置にある際、前記電気入力が前記導体から電気的に切り離され、前記スイッチが前記作動位置にある際、前記電気入力と前記導体とを電気的に結合するよう構成され、前記スイッチと前記ロックとが、前記作動位置から前記第3の位置への前記スイッチの前記移動が、前記ロック位置から前記非ロック位置へ前記ロックを移動するように、操作可能に結合されている、スイッチと、を含むハンドルと、を備える外科用器具。
【0075】
(31) 前記ハンドルに回転可能に取り付けられたリンクを更に備え、前記スイッチが前記リンクに取り付けられ、前記作動位置と前記第3の位置との間の前記スイッチの前記移動が、前記リンクを軸線を中心として回転させ、前記リンクの前記回転が前記ロックを回転させるように、前記リンクと前記ロックとが操作可能に係合されている、実施態様30に記載の外科用器具。
(32) 前記ハンドルに回転可能に取り付けられたリンクを更に備え、前記スイッチが前記リンクに取り付けられ、前記スイッチがボタン及びばねを含み、前記ばねが前記ボタンと前記リンクとの中間に配置され、前記ボタンに適用されて前記ばねを圧縮する力が前記リンクを軸線を中心として回転させ、前記リンクの前記回転が前記ロックを前記ロック位置と前記非ロック位置との間で移動するように、前記リンクと前記ロックとが操作可能に係合されている、実施態様30に記載の外科用器具。
(33) 前記非作動位置と前記作動位置との間で前記スイッチを移動するために、前記スイッチに適用される第1の力が要求され、前記作動位置と前記第3の位置との間で前記スイッチを移動するために、前記スイッチに適用される第2の力が要求され、前記第2の力が前記第1の力よりも大きい、実施態様32に記載の外科用器具。
(34) 前記スイッチが前記作動位置に移動された後、前記ロックが前記非ロック位置へ移動される、実施態様30に記載の外科用器具。
(35) 組織にエネルギーを供給するための外科用器具において、
ハンドルであって、
トリガーと、
電気入力と、を含むハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、導体を含み、前記トリガーが選択的に作動可能であり、前記電気入力を前記導体に電気的に結合させる、シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1のつかみ具部材と、
第2のつかみ具部材であって、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプする、第2のつかみ具部材と、
前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際、熱を生成するよう構成されている、電極と、
複数の歯を含む組織把持部分であって、非導電性材料で構成される、組織把持部分と、を含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(36) 前記電極が、
第1の側方部分と、
第2の側方部分と、
前記第1の側方部分と前記第2の側方部分とを接続する横断方向の部分と、を含み、前記組織把持部分が、前記第1の側方部分と前記第2の側方部分との中間に配置されている、実施態様35に記載の外科用器具。
(37) 前記組織把持部分が、
前記電極の前記第1の側方部分に隣接して配置されている歯の第1の列と、
前記第2の側方部分に隣接して配置されている歯の第2の列と、を含む、実施態様36に記載の外科用器具。
(38) 前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間に配置された前記組織を切除するよう構成されている可動切断部材を更に備え、前記可動切断部材が帰路電極を含む、実施態様37に記載の外科用器具。
(39) 前記切断部材を摺動可能に受容するよう構成されたスロットを更に備え、前記スロットが、歯の前記第1の列と前記第2の列との間に画定される、実施態様38に記載の外科用器具。
(40) 前記組織把持部分が成形プラスチックで構成される、実施態様35に記載の外科用器具。
【0076】
(41) 前記組織把持部分が、前記非導電性材料内に埋め込まれた潤滑剤と、前記非導電性材料に被覆された潤滑剤との少なくとも一方を含む、実施態様35に記載の外科用器具。
(42) 組織にエネルギーを供給するための外科用器具において、
ハンドルであって、
トリガーと、
電気入力と、を含むハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、導体を含み、前記トリガーが選択的に作動可能であり、前記電気入力を前記導体に電気的に結合させる、シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1のつかみ具部材と、
第2のつかみ具部材であって、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプする、第2のつかみ具部材と、
前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際、熱を生成するよう構成されている、電極と、
前記電極に隣接して配置され、かつ前記電極から離れて延びる非導電性の歯のアレイと、を含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(43) 前記電極が、
第1の側方部分と、
第2の側方部分と、
前記第1の側方部分と前記第2の側方部分とを接続する横断方向の部分と、を含み、前記非導電性の歯のアレイが、前記第1の側方部分と前記第2の側方部分との中間に配置されている、実施態様42に記載の外科用器具。
(44) 前記非導電性の歯のアレイが、
前記電極の前記第1の側方部分に隣接して配置されている歯の第1の列と、
前記第2の側方部分に隣接して配置されている歯の第2の列と、を含む、実施態様43に記載の外科用器具。
(45) 前記第1のつかみ具と前記第2のつかみ具との中間に配置された前記組織を切除するよう構成されている可動切断部材を更に備え、前記可動切断部材が帰路電極を含む、実施態様44に記載の外科用器具。
(46) 前記切断部材を摺動可能に受容するよう構成されたスロットを更に備え、前記スロットが、歯の前記第1の列と前記第2の列との間に画定されている、実施態様45に記載の外科用器具。
(47) 前記非導電性の歯のアレイが成形プラスチックで構成される、実施態様42に記載の外科用器具。
(48) 組織にエネルギーを供給するための外科用器具であって、
ハンドルであって、
トリガーと、
電気入力と、を含むハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、導体を含み、前記トリガーが選択的に作動可能であり、前記電気入力を前記導体に電気的に結合させる、シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1のつかみ具部材であって、
前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際、熱を生成するよう構成され、かつ上面を含む、電極と、
前記電極に隣接して配置された絶縁体であって、前記電極の前記上面に対して第1の位置と第2の位置との間で可動である上面を含み、前記絶縁体の前記上面が、前記絶縁体が前記第2の位置にあるときよりも前記絶縁体が前記第1の位置にあるときに、前記電極の前記上面により接近している、絶縁体と、を含む第1のつかみ具部材と、
第2のつかみ具部材であって、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプする、第2のつかみ具部材と、を含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(49) 前記エンドエフェクタが更にドライバーを含み、前記ドライバーが、前記絶縁体に対して摺動可能であり、前記絶縁体を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する、実施態様48に記載の外科用器具。
(50) 前記絶縁体が、前記電極の第1の側に隣接して配置された第1の絶縁体を含み、前記エンドエフェクタが、前記電極の第2の側に隣接して配置された第2の絶縁体を更に含み、前記第2の絶縁体が、前記電極の前記上面に対して第3の位置と第4の位置との間で可動である、実施態様48に記載の外科用器具。
【0077】
(51) 前記エンドエフェクタが更にドライバーを含み、前記ドライバーが、前記第1の絶縁体に対して摺動可能であり、前記第1の絶縁体を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動し、前記ドライバーが、前記第2の絶縁体に対して摺動可能であり、前記第2の絶縁体を前記第3の位置と前記第4の位置との間で移動する、実施態様50に記載の外科用器具。
(52) 前記絶縁体が前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する際、前記絶縁体が、第1の方向に移動し、前記第1の方向が前記電極の前記上面により画定された面を横断する、実施態様48に記載の外科用器具。
(53) 前記絶縁体がカムを含み、前記エンドエフェクタがエンドエフェクタ本体を含み、前記絶縁体が第2の方向に移動される際、前記絶縁体が前記第1の方向に移動されるように、前記カムが、前記エンドエフェクタ本体に操作可能に係合するよう構成されている、実施態様52に記載の外科用器具。
(54) 組織にエネルギーを供給するための外科用器具において、
ハンドルであって、
トリガーと、
電気入力と、を含むハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、導体を含み、前記トリガーが選択的に作動可能であり、前記電気入力を前記導体に電気的に結合させる、シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1のつかみ具部材であって、
前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際、熱を生成するよう構成され、かつ組織接触表面を含む、電極と、
前記電極に隣接して配置された絶縁体であって、前記組織接触表面に対して第1の高さと第2の高さとの間で可動であり、前記絶縁体が前記第2の高さにあるときよりも前記第1の高さにあるときに、前記組織接触表面により接近して配置される、絶縁体と、を含む第1のつかみ具部材と、
第2のつかみ具部材であって、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプする、第2のつかみ具部材と、を含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(55) 前記エンドエフェクタが更にドライバーを含み、前記ドライバーが、前記絶縁体に対して摺動可能であり、前記絶縁体を前記第1の高さと前記第2の高さとの間で移動する、実施態様54に記載の外科用器具。
(56) 前記絶縁体が、前記電極の第1の側に隣接して配置された第1の絶縁体を含み、前記エンドエフェクタが、前記電極の第2の側に隣接して配置された第2の絶縁体を更に含み、前記第2の絶縁体が、前記組織接触表面に対して第3の高さと第4の高さとの間で可動である、実施態様54に記載の外科用器具。
(57) 前記エンドエフェクタが更にドライバーを含み、前記ドライバーが、前記第1の絶縁体に対して摺動可能であり、前記第1の絶縁体を前記第1の高さと前記第2の高さとの間で移動し、前記ドライバーが、前記第2の絶縁体に対して摺動可能であり、前記第2の絶縁体を前記第3の高さと前記第4の高さとの間で移動する、実施態様56に記載の外科用器具。
(58) 前記絶縁体が前記第1の高さと前記第2の高さとの間で移動する際、前記絶縁体が、第1の方向に移動し、前記第1の方向が前記電極の前記組織接触表面により画定された面を横断する、実施態様54に記載の外科用器具。
(59) 前記絶縁体がカムを含み、前記エンドエフェクタがエンドエフェクタ本体を含み、前記カムが、前記絶縁体が第2の方向に移動される際、前記絶縁体が前記第1の方向に移動されるように、前記エンドエフェクタ本体に操作可能に係合するよう構成されている、実施態様58に記載の外科用器具。
(60) 組織にエネルギーを供給するための外科用器具において、
ハンドルであって、
トリガーと、
電気入力と、を含むハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、導体を含み、前記トリガーが選択的に作動可能であり、前記電気入力を前記導体に電気的に結合させる、シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1のつかみ具部材であって、
前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際、熱を生成するよう構成され、かつ上面を含む、電極と、
前記電極に隣接して配置された絶縁体であって、上面を含み、前記電極の前記上面が、前記絶縁体の前記上面に対して第1の位置と第2の位置との間で可動であり、前記電極の前記上面が、前記電極が前記第2の位置にあるときよりも前記第1の位置にあるときに、前記絶縁体の前記上面により接近している、絶縁体と、を含む第1のつかみ具部材と、
第2のつかみ具部材であって、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプする、第2のつかみ具部材と、を含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
【0078】
(61) 前記エンドエフェクタが更にドライバーを含み、前記ドライバーが、前記電極に対して摺動可能であり、前記電極を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する、実施態様60に記載の外科用器具。
(62) 前記電極が第1の電極を含み、前記エンドエフェクタが更に第2の電極を含み、前記第2の電極が、前記絶縁体の前記上面に対して第3の位置と第4の位置との間で可動である、実施態様60に記載の外科用器具。
(63) 前記エンドエフェクタが更にドライバーを含み、前記ドライバーが、前記第1の電極に対して摺動可能であり、前記第1の電極を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動し、前記ドライバーが前記第2の電極に対して摺動可能であり、前記第2の電極を前記第3の位置と前記第4の位置との間で移動する、実施態様62に記載の外科用器具。
(64) 前記電極が、前記電極が前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する際、第1の方向に移動し、前記第1の方向が前記絶縁体の前記上面により画定された面を横断する、実施態様60に記載の外科用器具。
(65) 前記電極がカムを含み、前記エンドエフェクタがエンドエフェクタ本体を含み、前記カムが、前記電極が第2の方向に移動される際、前記電極が前記第1の方向に移動されるように、前記エンドエフェクタ本体に操作可能に係合するよう構成されている、実施態様64に記載の外科用器具。
(66) 組織にエネルギーを供給するための外科用器具において、
ハンドルであって、
トリガーと、
電気入力と、を含むハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、導体を含み、前記トリガーが選択的に作動可能であり、前記電気入力を前記導体に電気的に結合させる、シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1のつかみ具部材と、
第2のつかみ具部材であって、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプする、第2のつかみ具部材と、
前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際、熱を生成するよう構成されている、電極と、
前記電極内の少なくとも1つの水蒸気路であって、前記組織が前記電極により加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている、少なくとも1つの水蒸気路と、を含むエンドエフェクタと、を備える、外科用器具。
(67) 前記電極が電極本体及び外側表面を含み、前記少なくとも1つの水蒸気路が、前記外側表面から前記電極本体を通して延びる少なくとも1つの通路を含む、実施態様66に記載の外科用器具。
(68) 前記電極が電極本体及び外側表面を含み、前記少なくとも1つの水蒸気路が、前記電極本体内の少なくとも1つのチャネルを含む、実施態様66に記載の外科用器具。
(69) 前記エンドエフェクタが更に帰路電極を含み、前記シャフトが更に帰路導体を含み、前記帰路電極が、前記組織が加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている少なくとも1つの水蒸気路を含む、実施態様66に記載の外科用器具。
(70) 前記電極及び前記帰路電極が前記第1のつかみ具内に配置され、前記第1のつかみ具が、前記電極と前記帰路電極との中間に配置された絶縁体を更に含み、前記絶縁体が、前記組織が加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている少なくとも1つの水蒸気路を含む、実施態様69に記載の外科用器具。
【0079】
(71) 前記エンドエフェクタが、前記第1のつかみ具と前記第2のつかみ具との中間に配置された前記組織を切除するよう構成されている可動切断部材を更に含み、前記切断部材が、前記組織が加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている少なくとも1つの水蒸気路を含む、実施態様66に記載の外科用器具。
(72) 組織にエネルギーを供給するための外科用器具において、
ハンドルであって、
トリガーと、
電気入力と、を含むハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトであって、導体及び帰路導体を含み、前記トリガーが選択的に作動可能であり、前記電気入力を前記導体に電気的に結合させること、シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1のつかみ具部材と、
第2のつかみ具部材であって、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプする、第2のつかみ具部材と、
前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際、熱を生成するよう構成されている、電極と、
前記帰路導体と電気的に結合されている帰路電極と、
前記帰路電極内の少なくとも1つの水蒸気路であって、前記組織が前記電極により加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている、少なくとも1つの水蒸気路と、を含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(73) 前記帰路電極が、帰路電極本体及び外側表面を含み、前記少なくとも1つの水蒸気路が、前記外側表面から前記帰路電極本体を通して延びる少なくとも1つの通路を含む、実施態様72に記載の外科用器具。
(74) 前記帰路電極が、帰路電極本体及び外側表面を含み、前記少なくとも1つの水蒸気路が、前記帰路電極本体内の少なくとも1つのチャネルを含む、実施態様72に記載の外科用器具。
(75) 前記電極及び前記帰路電極が前記第1のつかみ具内に配置され、前記第1のつかみ具が、前記電極と前記帰路電極との中間に配置された絶縁体を更に含み、前記絶縁体が、前記組織が加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている少なくとも1つの水蒸気路を含む、実施態様72に記載の外科用器具。
(76) 前記エンドエフェクタが、前記第1のつかみ具と前記第2のつかみ具との中間に配置された前記組織を切除するよう構成されている可動切断部材を更に含み、前記切断部材が、前記組織が加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている少なくとも1つの水蒸気路を含む、実施態様72に記載の外科用器具。
(77) 組織にエネルギーを供給するための外科用器具において、
ハンドルであって、
トリガーと、
電気入力と、を含むハンドルと、
導体であって、前記トリガーが選択的に作動可能であり、前記電気入力を前記導体に電気的に結合させる、導体と、
エンドエフェクタであって、
第1のつかみ具部材と、
第2のつかみ具部材であって、前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の少なくとも一方が前記第1のつかみ具部材及び前記第2のつかみ具部材の他方に対して可動であり、前記第1のつかみ具部材と前記第2のつかみ具部材との中間の組織をクランプする、第2のつかみ具部材と、
前記導体と電気的に結合された電極であって、前記電極に電気エネルギーが供給された際、熱を生成するよう構成されている、電極と、
前記組織が前記電極により加熱された際に生成された水蒸気を誘導するための水蒸気誘導手段と、を含むエンドエフェクタと、を備える外科用器具。
(78) 前記電極が、電極本体及び外側表面を含み、前記水蒸気誘導手段が、前記外側表面から前記電極本体を通して延びる少なくとも1つの通路を含む、実施態様77に記載の外科用器具。
(79) 前記電極が、電極本体及び外側表面を含み、前記水蒸気誘導手段が、前記電極本体内の少なくとも1つのチャネルを含む、実施態様77に記載の外科用器具。
(80) 前記エンドエフェクタが更に帰路電極を含み、前記シャフトが更に帰路導体を含み、前記帰路電極が、前記組織が加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている水蒸気誘導手段を含む、実施態様77に記載の外科用器具。
【0080】
(81) 前記電極及び前記帰路電極が前記第1のつかみ具内に配置され、前記第1のつかみ具が、前記電極と前記帰路電極との中間に配置された絶縁体を更に含み、前記絶縁体が、前記組織が加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている水蒸気誘導手段を含む、実施態様80に記載の外科用器具。
(82) 前記エンドエフェクタが、前記第1のつかみ具と前記第2のつかみ具との中間に配置された前記組織を切除するよう構成されている可動切断部材を更に含み、前記切断部材が、前記組織が加熱された際に生成された水蒸気を排出するよう構成されている水蒸気誘導手段を含む、実施態様77に記載の外科用器具。
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