特許第5701929号(P5701929)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5701929
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】固定方法
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/06 20060101AFI20150326BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   B23Q3/06 301M
   F16B5/02 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-89127(P2013-89127)
(22)【出願日】2013年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-37049(P2014-37049A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2013年4月22日
【審判番号】不服2014-590(P2014-590/J1)
【審判請求日】2014年1月14日
(31)【優先権主張番号】特願2012-144253(P2012-144253)
(32)【優先日】2012年6月27日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】303022466
【氏名又は名称】株式会社フジマシン
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】芦 川 能 成
【合議体】
【審判長】 石川 好文
【審判官】 栗田 雅弘
【審判官】 刈間 宏信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−301817(JP,A)
【文献】 特開平8−118176(JP,A)
【文献】 実開昭50−23798(JP,U)
【文献】 特開2002−346851(JP,A)
【文献】 特開平4−177856(JP,A)
【文献】 特開平11−40655(JP,A)
【文献】 実用新案登録第2579523(JP,Y2)
【文献】 特開2002−319613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q3/06
F16B5/02
H01L21/68-21/687
B25B1/00-11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を固定する固定方法であって、
ベースと、このベースに設けられた雌ねじ孔と、前記ベースに対して直交する関係にある壁面とを有した本体と、
貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が円である外面当接部材と、
前記貫通孔を通り、先端に前記雌ねじ孔の雌ねじに螺合する雄ネジ部を有し、後端に前記被係止部に係止する係止部を有した係止部材とを備え、
前記対象物は、断面形状が長方形であり、この長方形を構成する面は反時計回りに、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面であり、
前記対象物の前記ベースの面よりの高さは、前記壁面の前記ベースの面よりの高さより低く、
前記外面当接部材を前記ベースに載置し、載置した状態にあっては、平面視、前記貫通孔の中心と雌ねじ孔の中心とがずれており、
前記外面当接部材は、垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有し、
前記垂直方向は、前記ベースの面に対する方向であり、
前記壁面と前記ベースに載置した前記外面当接部材のテーパー部との間に前記対象物
を位置させ、前記雌ねじ孔の前記雌ねじに前記雄ネジ部を螺合した前記係止部材を前記雌ねじ孔に向かって前進させることにより、前記外面当接部材を前記壁面側に移動させ前記対象物の前記第3の面と前記第4の面とで形成される角部を介して前記壁面に押し付けて前記対象物を固定するものであり、
前記対象物の前記ベースに載置する面は前記第1の面であり、前記対象物の前記壁面に押し付けられる面は前記第2の面である
ことを特徴とする固定方法。
【請求項2】
対象物を固定する固定方法であって、
ベースと、このベースに設けられた孔と、前記ベースに対して直交する関係にある壁面とを有した本体と、
貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が円である外面当接部材と、
前記貫通孔と前記孔を通り、先端に前記被係止部に係止する係止部を有した長手方向に長い係止部材と、
この係止部材を垂直方向へ進退させる進退手段とを備え、
前記対象物は、断面形状が長方形であり、この長方形を構成する面は反時計回りに、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面であり、
前記対象物の前記ベースの面よりの高さは、前記壁面の前記ベースの面よりの高さより低く、
前記垂直方向は、前記ベースの面に対する方向であり、
前記外面当接部材を前記ベースに載置し、載置した状態にあっては、平面視、前記貫通孔の中心と前記係止部材の中心とがずれており、
前記外面当接部材は、前記垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有し、前記壁面と前記ベースに載置した前記外面当接部材のテーパー部との間に前記対象物を位置させ、前記係止部材を前記ベースに向かって移動させることにより、前記外面当接部材を前記壁面側に移動させ前記対象物の前記第3の面と前記第4の面とで形成される角部を介して前記壁面に押し付けて前記対象物を固定するものであり、
前記対象物の前記ベースに載置する面は前記第1の面であり、前記対象物の前記壁面に押し付けられる面は前記第2の面である
ことを特徴とする固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定方法に係り、特に、ガイド部材、スプリングを不要とした固定方法に
関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被加工物を固定する固定方法として、移動駒を使用したものがある(例えば、特許文献1の図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8ー118176公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記固定方法を実施するものにあっては、平面視、矩形形状であるため、クランプ面と移動駒との間に被加工物を位置させる際、被加工物が移動駒に当接すると、そのままでは、被加工物をクランプ面と移動駒との間に位置させることができない。
そのため、特許文献1に記載のものにあっては、特許文献1の図2図3から、明らかなように、移動駒をクランプ面から離間する方向に作用するスプリングと、矩形形状の移動駒を所定方向に移動させるガイド部材(溝)を受駒に設けねばならないという問題点が生じた。
【0005】
本発明は、前記問題点を考慮したなされた固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の固定方法は、対象物を固定する固定方法であって、ベースと、このベースに設けられた雌ねじ孔と、前記ベースに対して直交する関係にある壁面とを有した本体と、貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が円である外面当接部材と、前記貫通孔を通り、先端に前記雌ねじ孔の雌ねじに螺合する雄ネジ部を有し、後端に前記被係止部に係止する係止部を有した係止部材とを備え、前記対象物は、断面形状が長方形であり、この長方形を構成する面は反時計回りに、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面であり、前記対象物の前記ベースの面よりの高さは、前記壁面の前記ベースの面よりの高さより低く、前記外面当接部材を前記ベースに載置し、載置した状態にあっては、平面視、前記貫通孔の中心と雌ねじ孔の中心とがずれており、前記外面当接部材は、垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有し、前記垂直方向は、前記ベースの面に対する方向であり、前記壁面と前記ベースに載置した前記外面当接部材のテーパー部との間に前記対象物を位置させ、前記雌ねじ孔の前記雌ねじに前記雄ネジ部を螺合した前記係止部材を前記雌ねじ孔に向かって前進させることにより、前記外面当接部材を前記壁面側に移動させ前記対象物の前記第3の面と前記第4の面とで形成される角部を介して前記壁面に押し付けて前記対象物を固定するものであり、前記対象物の前記ベースに載置する面は前記第1の面であり、前記対象物の前記壁面に押し付けられる面は前記第2の面である
【0009】
また、請求項記載の固定方法は、対象物を固定する固定方法であって、ベースと、このベースに設けられた孔と、前記ベースに対して直交する関係にある壁面とを有した本体と、貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が円である外面当接部材と、前記貫通孔と前記孔を通り、先端に前記被係止部に係止する係止部を有した長手方向に長い係止部材と、この係止部材を垂直方向へ進退させる進退手段とを備え、前記対象物は、断面形状が長方形であり、この長方形を構成する面は反時計回りに、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面であり、前記対象物の前記ベースの面よりの高さは、前記壁面の前記ベースの面よりの高さより低く、前記垂直方向は、前記ベースの面に対する方向であり、前記外面当接部材を前記ベースに載置し、載置した状態にあっては、平面視、前記貫通孔の中心と前記係止部材の中心とがずれており、前記外面当接部材は、前記垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有し、前記壁面と前記ベースに載置した前記外面当接部材のテーパー部との間に前記対象物を位置させ、前記係止部材を前記ベースに向かって移動させることにより、前記外面当接部材を前記壁面側に移動させ前記対象物の前記第3の面と前記第4の面とで形成される角部を介して前記壁面に押し付けて前記対象物を固定するものであり、前記対象物の前記ベースに載置する面は前記第1の面であり、前記対象物の前記壁面に押し付けられる面は前記第2の面である
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の固定方法によれば、壁面と外面当接部材との間に対象物を位置させる際、対象物が壁面と外面当接部材との間に進入する際、対象物が外面当接部材に当接しても、外面当接部材の外形が円であるため、ガイド部材、スプリング等を用いることなく、対象物に当接した外面当接部材が移動して対象物の進入を防止して、外面当接部材を壁面側に移動させ対象物を介して壁面に押し付けて対象物を固定することができ、しかも、対象物への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができる。
対象物を固定する固定方法であって、
【0013】
請求項2記載の固定方法によれば、壁面と外面当接部材との間に対象物を位置させ、係止部材をベースに向かって移動させ、外面当接部材を壁面側に移動させ対象物を介して壁面に押し付けて対象物を固定するため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、しかも、対象物への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができ、加えて、この固定方法に必要な部材は、「ベースと、このベースに設けられた孔と、前記ベースに対して直交する関係にある壁面とを有した本体」と、「貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を設けた外面当接部材」と、「貫通孔を通り、先端に被係止部に係止する係止部を有した長手方向に長い係止部材」と、「係止部材を垂直方向へ進退させる進退手段」と部品点数を少なくて用を足すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施例の固定方法によって固定した状態の概略的正面図である。
図2図2(a)は、図1を分解した概略的平面図であり、図2(b)は、図2(a)の概略的正面図である。固定前の状態の概略的断面図である。
図3図3は、図1の固定前の状態の概略的断面図である。
図4図4は、図3の固定を工具を使用して固定する状態の概略的断面図である。
図5図5は、図4の外面当接部材が移動した状態の概略的断面図である。
図6図6は、図1の固定方法と異なる他の実施例の固定方法によって固定される前の状態の概略的平面図である。
図7図7は、図6の概略的断面図である。
図8図8は、図7の固定を工具を使用して固定する状態の概略的断面図で
図9図9は、図6の固定方法と異なる他の実施例の固定方法によって固定される前の状態の概略的断面図である。
図10図10は、図9の固定を進退手段を動作させて固定する状態の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施例の固定方法を図面(図1乃至図10)を参照して説明する。
[実施例1(図1乃至図5)]
図1乃至図5に示す1は本体で、本体1は、ベース1Aと、このベースに設けられた雌ねじ孔1Cと、ベース1Aに対して直交する関係にある壁面1Bとを有している。
13は外面当接部材で、外面当接部材13は、貫通孔13Dを有し、貫通孔13Dに
臨む略円錐状の凹部(又は略球面状の凹部)の被係止部13aを備えている。
15は係止部材で、係止部材15は、貫通孔13Dを通り、先端に雌ねじ孔1Cの雌
ねじに螺合する雄ネジ部15Aを有し、後端に被係止部13aに係止する略円錐状の凸部
(又は略球面状の凸部)の係止部15Bを有している。そして、図2(a)(b)に示
すように、貫通孔13Dの中心を通るRIと雌ねじ孔1Cの中心を通るR2とは、ずれて
おり、つまり、貫通孔13Dの中心と雌ねじ孔1Cの中心とがずれて、平面視、一致して
いない。
【0016】
従って、図2及び図3に示すように、壁面1Bと外面当接部材13との間に対象物10を位置させる。
次に、例えば、ドライバー40を用いて回転させて、係止部材15を雌ねじ孔1Cに
向かって前進させると共に、外面当接部材13を壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1Bに押し付けて対象物10を固定する。
【0017】
この実施例の固定方法(固定装置)によれば、壁面1Bと外面当接部材13との間に
対象物10を位置させ、係止部材15を雌ねじ孔1Cに向かって前進させ、外面当接部材
13を壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1Bに押し付けて対象物10を固定
するため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、
加えて、この固定方法に必要な部材は、「ベース1Aと、このベース1Aに設けられ
た雌ねじ孔1Cと、ベース1Aに対して直交する関係にある壁面1Bとを有した本体1」
と、「貫通孔13Dを有し、貫通孔13Dに臨む略円錐状の凹部又は略球面状の凹部の被
係止部13aを備えた外面当接部材13」と、「貫通孔13Dを通り、先端に雌ねじ孔1
Cの雌ねじに螺合する雄ネジ部15Aを有し、後端に被係止部13aに係止する略円錐状
の凸部又は略球面状の凸部の係止部15Bを有した係止部材15」と、部品点数を少なく
て用を足すことができる。
なお、特に、外面当接部材13を図5に示すように、垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部13Aを有するようにして、外面当接部材13のテーパー部13Aを壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1Bに押し付けて対象物10を固定するのが良い。つまり、前記垂直方向は、ベース1Aの面に対する方向であり、壁面1Bとベース1Aに載置した外面当接部材13のテーパー部13Aとの間に対象物10を位置させ、雌ねじ孔1Cの雌ねじに雄ネジ部15Aを螺合した係止部材15を雌ねじ孔1Cに向かって前進させると共に、外面当接部材13を壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1Bに押し付けて対象物10を固定する。この固定方法は、対象物10への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができる。
【0018】
[実施例2(図6乃至図8)]
次に述べる実施例(図6乃至図8)は、上述した実施例1(図1乃至図5
を改善したもので、図1乃至図5に示す外面当接部材13の略円錐状の凹部又は略球
面状の凹部の被係止部13aを、図7及び図8に示すように、貫通孔13Dの開口縁
部13aとしたものである。
即ち、1は本体で、本体1は、ベース1Aと、このベース1Aに設けられた雌ねじ孔
1Cと、ベース1Aに対して直交する関係にある壁面1Bとを有している。
13は外面当接部材で、外面当接部材13は、貫通孔13Dを有し、貫通孔13Dに
臨む被係止部13aを備えている。
15は係止部材で、係止部材15は、貫通孔13Dを通り、先端に雌ねじ孔1Cの雌
ねじに螺合する雄ネジ部15Aを有し、後端に被係止部13aに係止する係止部15Bを
有している。そして、図2(a)(b)と同様に、図6乃至図8においても、貫通孔13Dの中心を通る線と雌ねじ孔1Cの中心を通る線とは、ずれており、つまり、貫通孔13Dの中心と雌ねじ孔1Cの中心とがずれて、平面視、一致していない。
【0019】
従って、図8に示すように、壁面1Bと外面当接部材13との間に対象物10を位
置させる。
次に、例えば、ドライバー40を用いて回転させて、係止部材15を雌ねじ孔1Cに
向かって前進させ、外面当接部材13を壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1
Bに押し付けて対象物10を固定する。
【0020】
この実施例の固定方法(固定装置)によれば、壁面1Bと外面当接部材13との間に
対象物10を位置させ、係止部材15を雌ねじ孔1Cに向かって前進させると共に、外面当接部材
13を壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1Bに押し付けて対象物10を固定
するため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、
加えて、この固定方法に必要な部材は、「ベース1Aと、このベース1Aに設けられ
た雌ねじ孔1Cと、ベース1Aに対して直交する関係にある壁面1Bとを有した本体1」
と、「貫通孔13Dを有し、貫通孔13Dに臨む被係止部13aを備えた外面当接部材1
3」と、「貫通孔13Dを通り、先端に雌ねじ孔1Cの雌ねじに螺合する雄ネジ部15A
を有し、後端に被係止部13aに係止する係止部15Bを有した係止部材15」と、部品
点数を少なくて用を足すことができる。
なお、特に、外面当接部材13を図5に示すように、垂直方向に向かって先細りと
なるテーパー部13Aを有するようにしたものについても、図6乃至図8を適用する
ことができる。
つまり、図示しないが、図2に示す外面当接部材13の略円錐状の凹部又は略球面状の凹部の被係止部13aを、図7の貫通孔13Dの開口縁部13aとすると共に、図7の外面当接部材13の外周を、図5のテーパー部13Aとしたものである。
【0021】
[実施例3(図9及び図10)]
次に述べる実施例(図9及び図10)は、上述した実施例2(図6乃至図8
を改善したもので、図9及び図10に示す「貫通孔13Dを通り、先端に雌ねじ孔1C
の雌ねじに螺合する雄ネジ部15Aを有する係止部材15」を、「貫通孔13Dとベース
1Aに設けられた孔1A3を通り、先端に被係止部13aに係止する係止部15を有した
長手方向に長い係止部材15」、「係止部材15を垂直方向へ進退させる進退手段100
」としたものである。
即ち、図9及び図10に示す1は本体で、本体1は、ベース1Aと、このベース1
Aに設けられた孔1A3と、ベース1Aに対して直交する関係にある壁面1Bとを有して
いる。
13は外面当接部材で、外面当接部材13は、貫通孔13Dを有し、貫通孔13Dに
臨む被係止部13aを備えている。
被係止部13aは、例えば、図9及び図10に示す略円錐状の凹部(又は略球面状
の凹部)である。なお、被係止部13aは、図7及び図8に示す貫通孔13Dの開口
縁部13aでも良い。
15は係止部材で、係止部材15は、貫通孔13Dと孔1A3を通り、先端に被係止
部13aに係止する係止部15Bを有した長手方向に長い部材である。
係止部15Bは、例えば、図9及び図10に示す略円錐状の凸部(又は略球面状の
凸部)である。
100は進退手段で、進退手段100は係止部材15を垂直方向へ進退させるもので
、例えば、エアーシリンダー101の動作によりロット102を介して接続された係止部
材15を進退させるようにしている。エアーシリンダー101は、例えば、取付部材10
3を介してベース1Aに取り付けられている。
そして、図2(a)(b)と同様、貫通孔13Dの中心と係止部材15の中心とが
ずれており、つまり、貫通孔13Dの中心と係止部材15の中心とは、平面視、一致して
いない。
【0022】
従って、図9及び図10に示すように、壁面1Bと外面当接部材13との間に対象
物10を位置させる。
次に、例えば、進退手段100を動作させて、係止部材15をベース1Aに向かって
移動させ、外面当接部材13を壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1Bに押し
付けて対象物10を固定する。
【0023】
この実施例の固定方法(固定装置)によれば、壁面1Bと外面当接部材13との間に
対象物10を位置させ、係止部材15をベース1Aに向かって移動させ、外面当接部材1
3を壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1Bに押し付けて対象物10を固定す
るため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、加えて、この固定方
法に必要な部材は、「ベース1aと、このベース1Aに設けられた孔1A3と、ベース1
Aに対して直交する関係にある壁面1Bとを有した本体1」と、「貫通孔13Dを有し、
貫通孔13Dに臨む被係止部13aを備えた外面当接部材13」と、「貫通孔1Dを通り
、先端に被係止部13aに係止する係止部15Bを有した長手方向に長い係止部材15」
と、「係止部材15を垂直方向へ進退させる進退手段100」と部品点数を少なくて用を
足すことができる。
なお、特に、外面当接部材13を図5に示すように、垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部13Aを有するようにして、外面当接部材13のテーパー部13Aを壁面1B側に移動させ対象物10を介して壁面1Bに押し付けて対象物10を固定するのが良い。この固定方法は、対象物10への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 本体
1A ベース
1B 壁面
1C 雌ねじ孔
10 対象物
13 外面当接部材
13a 被係止部
13D 貫通孔
15 係止部材
15A 雄ネジ部
15B 係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10