【実施例】
【0023】
−実施例1−
図1は、本発明の実施例1に係る光学デバイス駆動装置の概略構成を示す。
図1に示すように、本実施例の光学デバイス駆動装置10は、回転駆動する駆動モータ14と、1端が第1支持部13aを介して光学デバイス12に固定され、他端が駆動モータ14の回転軸14aにそれぞれ固定された線状体16と、線状体16により回動される光学デバイス12を元の位置に戻す弾性力を付勢する弾性部材であるバネ18を備える。
【0024】
光学デバイスは、半導体カメラ(本明細書において単に「カメラ」ということがある。)12などの対象物を撮像する装置であり、例えば、USBカメラ、ウェッブカメラがあげられる。バネ18は、先端を引っ張ったときに、元に戻ろうとする特性を有する引っ張りコイルばねである。
カメラ12は、回動可能な第1支持部13aに固定され、第1支持部13aに複数本の糸(線・条)からなる線状体16の1端が取り外し可能に取り付けられている。支持部13aは、鈍角に屈曲した略L字形であり、その1辺は中心が回動軸線(回転軸線)C1に一致するように、その他辺はカメラ12のレンズの反対面を向くようにカメラ12に取り付けられている。
【0025】
さらに、カメラ12は、その下部(第1支持部13a取付部の反対側)に第2支持部13bが回動可能に固定されている。第2支持部13bはL字形であり、その1辺の中心が回動軸線C1に一致し、その他辺の先端がカメラ12のレンズの面と同じ方向を向くようにカメラ12にて固定されている。その先端には、バネ18が線状体16と略平行かつ同方向に取り外し可能に取り付けられている。
【0026】
本発明において、線状体16(「線・条」ということがある。)は、1又は2以上の線又は複数のからなる条など捩ることができる細長いものをいい、帯状体も含む。好適には、可撓性を有するとともに引張り強度に優れ適切な剛性をもちかつ繰り返し曲げに対する十分な耐久性をもつ高強度繊維、例えば、炭素繊維、Kevlar、ザイロン、ナイロンを用いることができる。
また、線状体16の断面形状としては、円、多角形、又は長方形(リボン)とすることができる。長方形(リボン)にすると、同じトルク−引っ張り力変換率でより大きな断面積とすることができ、伝達可能な力容量を増大させ得る。
【0027】
さらに、線状体16の耐久性を増すために、四弗化エチレン樹脂(登録商標:テフロン)、ナイロンなど摩擦係数の小さな材料でコーティングを施し、内部摩擦及び繊維同士の摩擦を減少させるとよい。また、内部摩擦を減少させ耐久性を向上させるために、適切な潤滑剤を線・条に適用することができる。例えば、グリース、オイル、四弗化エチレン樹脂粉、ナイロン粉、モリコート及びこれらの組み合わせがある。
線状体16の1端の駆動モータ14の回転軸14aや、他端の第1支持部13aへの固定や交換を行い易くするために、線・条16の両端及び/又は中間部に適切な形状のフックやループを接着、モールドなどで固定することもできる。
【0028】
上記のような構成の光学デバイス駆動装置10では、駆動モータ14が回転すると、その回転軸14aに固定されている線状体16にねじれが生じる。このねじれにより線状体16の両端間の距離を縮めようとする引っ張り力が発生する。この引っ張り力が第1支持部13aを、その接続点で駆動モータ14の回転軸14a方向に引っ張る。第1支持部13aは、カメラ12に固定されており、鈍角に屈曲した略L字形であり、その先端はカメラ12のレンズの反対面を向いており、その先端部13a
1に線状体16が取り付けられているので、上記引っ張り力によりカメラ12が回動軸線C1を中心として回動(回転)する。このことによって、カメラ12のレンズ向きを回動する方向(水平方向)に移動させることができる。
【0029】
駆動モータ14を逆回転すると線状体16のねじれが解け、両端間の距離が長くなるので、カメラ12を回動させる方向の引っ張り力が弱くなる。一方、カメラ12は、回動可能な第2支持部13bに固定され、L字形の支持部13bの端13b
1にバネ18が線状体16のねじれによる引っ張り力とは逆の方向にカメラ12を回動させる弾性力を付勢するように取り付けられているので、回動軸線C1を中心として元の位置に戻る方向に回動し、線状体16の引っ張り力とバネ18の弾性力が釣り合うところで、停止する。このように、駆動モータ14の回転を制御することによって、カメラ12のレンズ方向を調整することができる。
上記のように、光学デバイス駆動装置10は、歯車減速機、ベルト駆動、ラックアンドピニオンなどの機構を用いることなく1自由度のカメラの回動駆動を可能にする。
なお、本実施例では、回動軸線C1がカメラ12の中心を通るように、2つの支持部13a,13bが取り付けられているが、中心を通らなくてもよく、傾いていてもよい。
【0030】
−実施例2−
次に、実施例2について詳細に説明する。以下の説明において、実施例1と重複する内容について、詳細な説明を省略する。
図2は、本発明の実施例2に係る光学デバイス駆動装置の概略構成を示す。
図2に示すように、光学デバイス駆動装置20は、回転駆動する駆動モータ14及び第2の駆動モータ24と、1端が駆動モータ14の回転軸14aに固定され、他端がカメラ22に4角形の枠22a及び第1支持部23aを介して固定され線状体16と、カメラ22に枠22aと第2支持部23bを介して接続されたバネ18と、1端が第2の駆動モータ24の回転軸24aに固定され、他端がカメラ22にその背面に設けられた第3支持部23cを介して固定され第2の線状体26と、第2の線状体26の引っ張り力とは反対向きに弾性力を付勢するように第3支持部23cに接続されたバネ28とを備える。
【0031】
カメラ22は、4角形の枠22a中に第2
の回動軸線C2を中心として回動可能に固定され、枠22aには2つの対向する辺の外側に断面L字形の第1及び第2支持部23a,23bが、その1辺の中心線を第1
の回動軸線C1と一致させ、各他辺の先端部は枠22aの2つの対向に沿って互いに反対向きに固定されている。
線状体16は、その1端が回転駆動する駆動モータ14の回転軸14a、他端が第1支持部13aに固定されている。バネ18は、支持部23bに線状体16と略平行かつ同方向に取り外し可能に取り付けられている。
さらに、カメラ22の背面に固着された第3支持部23cの先端部には第2の線状体26及びバネ28が互いに反対方向に向かって取り付けられ、第2の線状体26の他端は第2の駆動モータ24の回転軸24aに固定されている。
【0032】
上記のような構成の光学デバイス駆動装置20では、4角形の枠22aの対向する2辺の外側に第1及び第2支持部13a,13bが各1辺を第1
の回動軸線C1を中心として回動可能に固定にされ、線状体16及びバネ18の1端が接続される各他辺は反対方向を向いているので、実施例1の場合と同様に、線状体16の引っ張り力によりカメラ22が第1
の回動軸線C1を中心として回動し、駆動モータ14を逆回転し線状体16のねじれを戻すとバネ18の弾性力によって、カメラ22が元の向きに戻る方向に回動する。そして、線状体16の引っ張り力がバネ18の弾性力と釣り合いがとれた位置で停止する。
【0033】
また、カメラ22の背面に設けられた第3支持部23cに互いに水平かつ逆方向に力を作用させるように取り付けられた第2の線状体26とバネ28の関係は次のとおりである。つまり、駆動モータ24の回転により第2の線状体26に引っ張り力が生じると、カメラ22が第2
の回動軸線C2を中心として水平方向に回動し、駆動モータ24を逆回転し第2の線状体26のねじれを戻すとバネ28の弾性力によってカメラ22が元の向きに戻る方向に回動する。そして、第2の線状体26の引っ張り力とバネ28の弾性力が釣り合ったところで停止する。
なお、第1及び第2
の回動軸線C1,C2が直行するときは、例えば、カメラの水平と垂直(左右と上下、パンとチルト)の駆動が可能になり、カメラ22の2自由度駆動やロボットのビジョン用カメラの駆動で人間の眼球の動きを再現することができる。
【0034】
−実施例3−
図3は、本発明の実施例3に係る光学デバイス駆動装置の概略構成を示す。
図3に示すように、光学デバイス駆動装置30は、回転駆動する2つの駆動モータ14,24と、1端がカメラ22にその背面に設けられた第3支持部23cを介して接続され、他端が駆動モータ14,24の回転軸14a,24aにそれぞれ固定された2つの線状体16,26と、各線状体16,26による引っ張り力とは反対向きに弾性力を付勢する力の成分を有するようにカメラ22にその背面に設けられた第3支持部23cに取り外し可能に取り付けられたバネ38とを備える。
【0035】
カメラ22は、4角形の枠22a中に第1
の回動軸線C1を中心として回動可能に固定され、枠22aにはカメラ22とともに第2
の回動軸線C2を中心として回動可能に固定されている。
カメラ22の背面には第3支持部23cが固着され、線状体16,26は、各1端が回転駆動する駆動モータ14,24の回転軸14a,24a、各他端が第3支持部23cの先端部に固定されている。第3支持部23cの先端部には、駆動モータ14,24の回転により生じる線状体16,26のねじれによる各引っ張り力とは逆向きに弾性力を付勢する力の成分を有する方向にようにバネ38が取り外し可能に取り付けられている。
【0036】
上記のような構成の光学デバイス駆動装置30では、駆動モータ14の回転により線状体16に引っ張り力が生じると、カメラ22が第1
の回動軸線C1を中心として水平方向に回動し、駆動モータ14が逆回転し線状体16のねじれが戻るとバネ38の水平方向の弾性力によって、カメラ22が元の向きに戻る方向に回動する。そして、線状体16の引っ張り力とバネ38の弾性力の水平方向の成分が釣り合ったところで停止する。
【0037】
第2
の回動軸線C2回りの回動についても同様であり、駆動モータ24の回転により線状体26に引っ張り力が生じると、カメラ22が第2
の回動軸線C2を中心として回動し、駆動モータ24が逆回転し線状体26のねじれが戻すとバネ38の垂直(上下)方向の弾性力によって、カメラ22が元の向きに戻る方向に回動し、線状体26の引っ張り力とバネ38の弾性力の垂直方向の成分が釣り合ったところで停止する。
図示していないが、バネ38はそれぞれの方向に分離して独立した2つのバネに分けることもできるが、本実施例ではバネ38が1つであるので部品数が少ないメリットがある。
上記のように、光学デバイス駆動装置30は、歯車減速機、ベルト駆動、ラックアンドピニオンなどの機構を用いることなく2自由度のカメラの回転駆動を可能にする。
【0038】
−実施例4−
図4は、本発明の実施例4に係る光学デバイス駆動装置の概略構成を示す。
図4に示すように、光学デバイス駆動装置40は、回転駆動する2つの駆動モータ14,44と、各1端が駆動モータ14,44の回転軸に固定され、各他端がカメラ32に枠32aを貫通して連結した断面T字形状の連結部材45の先端部の両端45a,45bにそれぞれ固定され2つの線状体16,46と、連結部材が貫通した枠32aの辺と対向する辺に両線状体16,46と略平行かつ同方向に取り付けられたバネ48とを備える。
【0039】
上記のような構成の光学デバイス駆動装置40では、駆動モータ14の回転により線状体16がねじれることにより、その両端間の距離が縮まる。このとき発生する引っ張り力によってカメラ32は連結部材45を介して第1
の回動軸線C1を中心として回動(回転)する。駆動モータ44の回転により線状体46がねじれることにより、線状体46の両端間の距離が縮むと引っ張り力が発生し、この力によってカメラ32は連結部材45を介して第1
の回動軸線C1を中心として逆方向に回動(回転)する。このように2つの駆動モータ14,44の回転軸の差動的な逆位相動作でカメラ32の第1
の回動軸線C1回りの回動を制御することができる。
【0040】
さらに、2つの駆動モータ14,44を同相動作させて2つの線状体16,46のねじれによる両端間の距離を同じ長さに変えると、2つの線状体16,46に生じた引っ張り力が共働し、カメラ32が第2
の回動軸線C2を中心として水平方向に回動する。次に、駆動モータ14,44を逆回転に同相動作して線状体16,46のねじれを戻すとバネ48の弾性力によって、カメラ32が元の向きに戻る方向に回動し、2つの線状体16,46の引っ張り力とバネ48の弾性力が釣り合ったところで停止する。
【0041】
上記のように、光学デバイス駆動装置40は、歯車減速機、ベルト駆動、ラックアンドピニオンなどの機構を用いることなく2自由度のカメラの回転駆動を可能にする。
なお、第1及び第2
の回動軸線C1,C2が直行するときは、例えば、カメラの水平と垂直(左右と上下、パンとチルト)の駆動が可能になり、カメラ32の2自由度駆動やロボットのビジョン用カメラの駆動で人間の眼球の動きを再現することができる。
【0042】
−実施例5−
図5は、本発明の実施例5に係る光学デバイス駆動装置の概略構成を示す。
図5に示すように、光学デバイス駆動装置50は、回転駆動する駆動モータ54,64と、1端が第1支持部53aを介してカメラ52に固定され、他端が駆動モータ54の回転軸に固定された線状体56と、1端が第3支持部63bを介してカメラ62に固定され、他端が駆動モータ64の回転軸に固定された線状体66と、1端が第2支持部53b、他端が第3支持部63bの各端部に取り外し可能に取り付けられたバネ58とを備える。
【0043】
ここで、第1支持部53aは、L字形であり、その1辺は中心がカメラ52の回動軸線C1に一致するように、他辺の先端部53a
1がカメラ52の背面(レンズの面と逆の方向)を向くようにカメラ52の上部に取り付けられており、該先端部に線状体66の1端が取り付けられている。
また、第2支持部53bは、L字形であり、その1辺は中心がカメラ52の回動軸線C1に一致するように、他辺の先端部(図示せず)が第1支持部53aの先端部53a
1とは逆の方向(カメラ52のレンズの方向)を向くようにカメラ52の下部に取り付けられており、該先端部に線状体66の1端が取り付けられている。
第3支持部63bは第2支持部53bと同様な構成であり、その中心をカメラ62の第2
の回動軸線C2が通る支持部63aの対向(下)部に、第2支持部53bがカメラ52に固定されているのと同様に、カメラ62に固着されている。
【0044】
上記のような構成の光学デバイス駆動装置50では、駆動モータ54の回転により線状体56に引っ張り力が生じると、カメラ52が第1
の回動軸線C1を中心として水平方向に回動(回転)する。同時に、その角度だけカメラ52の下部に固定された第2支持部53bも回動するので、第2支持部53bの先端の回動分だけバネ58が伸びる。このとき、バネ58には元に戻ろう
とする弾性力が働くので、カメラ62は下部に固定された第3支持部63bとともに第2
の回動軸線C2を中心として水平方向に、かつカメラ52と同方向に回動(回転)する。
このとき、第3支持部63bのバネ58取り付け部とは反対側の端部に固定されている線状体66は伸びるので、その両端には線状体66を元の長さに戻そう
とする引っ張り力が働く。そして、線状体66の引っ張り力とバネ58の弾性力が釣り合った位置で、2つのカメラ52,62はそれぞれ一定の方向を向いて停止する。
【0045】
逆に、駆動モータ64の回転により線状体66に引っ張り力が生じると、カメラ62が第2
の回動軸線C2を中心として水平方向に回動する。同時に、その角度だけカメラ62の下部に固定された第3支持部63bが回動するので、第3支持部63bの先端の回動分だけバネ58は伸びる。このとき、バネ58には元に戻ろう
とする弾性力が働くので、カメラ52は下部に固定された第2支持部53bとともに第1の回動軸線C1を中心として水平方向に、かつカメラ62と同方向に回動する。
また、カメラ52の上部に固定された第1支持部53aもカメラ52とともに第1
の回動軸線C1を中心として回動する。この方向は、線状体56を伸ばす方向であるので、その両端には線状体56を元の長さに戻そう
とする引っ張り力が働く。そして、線状体56の引っ張り力とバネ58の弾性力が釣り合った位置で、2つのカメラ52,62はそれぞれ一定の方向を向いて停止する。さらに、2つの駆動モータ54,64の調整により、2つのカメラ52、62の水平方向での各方向をそれぞれ独立に調整することができる。
【0046】
上記のように、光学デバイス駆動装置50では、2つの半導体カメラなどの光学デバイスをそれぞれ1自由度で独立に駆動できる。
変形例として、
図5のバネ58は、2つのカメラ52,62を逆駆動する2つの独立したバネ(図示せず)に代えることができる。しかし、2つのカメラ52,62をロボットのビジョンなどの3次元画像を得るときに使われるステレオカメラとして使用するときは両カメラがほぼ同じ動きをすることが多いため、1つのバネ58を図示したように用いると全動作範囲においてほぼ一定の張力を得るメリットがある。
【0047】
−実施例6−
図6は、本発明の実施例6に係る光学デバイス駆動装置の概略構成を示す。本実施例では、実施例5の光学デバイス駆動装置50における2つのカメラ52,62が連結部材65により連結されている。そして、さらに連結部材65に固定された棒状の支持部65aと、回転駆動する駆動モータ74と、1端が支持部65aの1端部に固定され、他端が駆動モータ74の回転軸に固定された線状体76と、1端が支持部65aの他端部に取り外し可能に取り付けられた第2のバネ78とを備える。
【0048】
上記のような構成の光学デバイス駆動装置60では、駆動モータ74の回転により線状体76に引っ張り力が生じると、水平に設置された連結部材65がその回転中心(回動軸線C3)を中心として回動(回転)するので、回動可能に連結部材65に固定された2つカメラ52,62も回動軸線C3を中心として同じ方向に回動する。
駆動モータ74を逆回転し、線状体76のねじれを解くと、連結部材65を回動させる引っ張り力が弱くなるので、連結部材65に回動可能に固定された2つのカメラ52,62は連結部材65とともに、バネ78の弾性力に引っ張られる方向に回動する。そして、線状体76の引っ張り力とバネ78の弾性力の釣り合いがとれたところで、停止する。
【0049】
このように、駆動モータ74の回転を調製することによって、2つの撮影するカメラ52,62のレンズ方向を同時に垂直(上下)方向に調整することができる。
カメラ52,62の垂直方向の各回動軸線を中心とする各カメラ52,62の水平方向の回動を各駆動モータ54,64の回転を制御することによって、2つの撮影するカメラ52,62のレンズ方向を同時に水平方向に調整することができることは、実施例5で説明したとおりである。
上記のように、光学デバイス駆動装置60では、2つの半導体カメラなどの光学デバイスを1つ目の回動方向に独立に駆動でき、2つ目の回動方向には共通で駆動できる。
【0050】
変形例として、
図6のバネ58は、2つのカメラ52,62を逆駆動する2つの独立したバネ(図示せず)に代えることができる。しかし、2つのカメラ52,62をロボットのビジョンなどの3次元画像を得るときに使われるステレオカメラとして使用するときは両カメラがほぼ同じ動きをすることが多いため、1つのバネ58を図示したように用いると全動作範囲においてほぼ一定の張力を得るメリットがある。
さらに、カメラ52,62の回動軸線C1,C2と回動軸線C3がそれぞれ直交するときは、例えば、カメラの水平と垂直(左右と上下、パンとチルト)の駆動が可能になり、監視カメラやロボットのビジョン用カメラの駆動で人間の眼球の動きを再現することがきる。
【0051】
−実施例7−
図7は、本発明の実施例7に係る光学デバイス駆動装置の概略構成を示す。
本実施例では、実施例1の光学デバイス駆動装置10のカメラ12の運動を制御するものであり、
図1に示した構成の他に、カメラ12の回動速度及び角度を検出するカメラ運動検出器82と、駆動モータ14の回転速度及び負荷電流を検出するモータ運動検出器84と、外部からの運動指令を送信する外部司令部88と、制御演算を行う制御演算装置86とを備える。
【0052】
上記のような構成の光学デバイス駆動装置70では、カメラ12の回転速度(角速度)と方向(角度)がカメラ運動検出器82で検出され、制御演算装置86に送信される。駆動モータ14の回転速度(回転数)、電圧、電流などがモータ運動検出器84で検出され、制御演算装置86に送信される。さらに、上位コンピュータにプログラムされたアルゴリズムや動作パターン等に従って生成される運動指令や人間の操作によって生成される光学デバイスの目標動作を表す信号(値)などの外部からの運動指令が外部司令部88から制御演算装置86に送信される。これらの情報に基づいて制御演算装置86では駆動モータ14に供給する適切な符号付き印加電圧が算出され、駆動モータ14に供給される。
【0053】
このとき、制御演算装置86ではカメラ運動検出器82、モータ運動検出器84及び外部司令部88から送信された情報のいずれかを選択してカメラの回動速度と角度を制御するようにすることができる。
このことによって、カメラ12のより精密な制御が可能になる。
本実施例では、実施例1の光学デバイス駆動装置10に適用する一例を示したが、実施例2ないし6の光学デバイス駆動装置20〜60についても適用することができる。
変形例として、カメラ運動検出器82をカメラ12から受信した画像情報に基づいてカメラ12の回動速度及び角度を検出するものとすることができる。それ以外は、実施例7と同様である。
【0054】
このことによって、カメラ12の出力画像から回転角度や回転速度等を得ることができるので、機構がより簡易になり、大きさや費用の観点でよりメリットがある。
上記実施例7及び変形例に示した光学デバイス駆動装置では動的な性能を制御によって改善し、人間の目の動きと同等又はそれ以上の性能、即ち、光学デバイスの回転速度を900度/秒以上にすることを可能にできる。
【0055】
上記のように、本発明に係る光学デバイス駆動装置は、歯車減速機、ベルト駆動、ラックアンドピニオンなどの機構を用いることなく半導体カメラなどの光学デバイスの回動駆動を可能にする、簡単な構造で軽量・安価な駆動装置である。しかも、バックラッシュがないため騒音の発生がなく、駆動モータの回転軸の慣性モーメントを増加させないため応答性に優れている。