特許第5702017号(P5702017)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5702017
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】アンカーウェイト
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/00 20060101AFI20150326BHJP
【FI】
   E01F13/00 301
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-167070(P2014-167070)
(22)【出願日】2014年8月20日
【審査請求日】2014年8月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514169138
【氏名又は名称】HIKARI株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514169149
【氏名又は名称】株式会社ムーヴ企画
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 宜明
(72)【発明者】
【氏名】高渕 幸夫
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3087477(JP,U)
【文献】 特開2001−146719(JP,A)
【文献】 特開2013−120291(JP,A)
【文献】 特開2012−087531(JP,A)
【文献】 特開2003−027436(JP,A)
【文献】 特開2001−214616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/00
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事現場等でフェンスまたはバリケードを固定するためのおもりとして用いられるアンカーウェイトであって、
天板部と、
前記天板部の両側部から下方に立設された側板部とを備え、
前記天板部は、前記フェンスの支柱が挿入されるための挿入孔が設けられ、
前記側板部は、前記バリケードの一の横桟に引っ掛けるための引掛凹部が設けられていることを特徴とするアンカーウェイト。
【請求項2】
前記天板部は、表面に天板凸部が設けられるとともに、裏面に別のアンカーウェイトの前記天板凸部が嵌り込むための天板凹部が設けられている請求項1に記載のアンカーウェイト。
【請求項3】
前記天板部は、表面に別のアンカーウェイトの側板部の底部が嵌り込むための第2の天板凹部が設けられている請求項1または請求項2に記載のアンカーウェイト。
【請求項4】
前記挿入孔は、アンカーウェイトが高さ方向に積み重ねられたときに、高さ方向の同一軸線上に並ぶように配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載のアンカーウェイト。
【請求項5】
前記挿入孔は、天板部の中心部の回りにおいて周方向に等間隔に4つ並んで設けられている請求項4に記載のアンカーウェイト。
【請求項6】
前記引掛凹部は、前記側板部の高さ方向に延びる基端部と、該基端部から前記側板部の幅方向に屈曲する屈曲部と、該屈曲部から前記側板部の幅方向に延びる先端部とを有する請求項1から請求項5のいずれかに記載のアンカーウェイト。
【請求項7】
前記引掛凹部の前記先端部は、前記側板部の底部の方向に膨らむ態様に形成されている請求項6に記載のアンカーウェイト。
【請求項8】
前記引掛凹部の前記先端部は、先端に向かうに従って曲率半径が段階的に縮小する複数の円弧状に形成されている請求項6又は請求項7に記載のアンカーウェイト。
【請求項9】
前記引掛凹部の前記先端部は、先端に向かうに従って間隔が縮小する略三角形状に形成されている請求項6又は請求項7に記載のアンカーウェイト。
【請求項10】
前記天板部は、固定金具が挿入される金具挿入孔が設けられている請求項1から請求項9のいずれかに記載のアンカーウェイト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事現場等でフェンスやバリケードを固定するためのおもりとして用いられるアンカーウェイトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工事が行われる際、工事現場に一般歩行者・一般車両が進入して事故が発生するのを防止するため、一般歩行者・一般車両が通行可能な道路と工事現場をフェンスやバリケードで仕切る。また、一般歩行者・一般車両用の迂回路を設けるためにフェンスやバリケードで仕切られる場合もある。
【0003】
ここで、フェンスとは、平行に設けられた2つの支柱と、一方の支柱の側面から他方の支柱の側面に延びる板を備えた壁である。一方、バリケードとは、対向する2つのスタンドと該スタンド間に架設されるポールとアンダーポールを備えた柵である。これら、フェンスとバリケードは、アンカーウェイトが取り付けられることによって地面に固定される。
【0004】
そこで、従来、特許文献1に開示されるように、フェンス用のアンカーウェイトであって、上面に設けられた挿入孔にフェンスの支柱の足が挿入されることによりフェンスを地面に固定するアンカーウェイトが知られている。
【0005】
また、特許文献2に開示されるように、バリケード用のアンカーウェイトであって、地面側に形成された股スリットにアンダーポールを差し入れアンダーポールを跨いで設置されることによりバリケードを地面に固定するアンカーウェイトが知られている。
【0006】
しかしながら、工事現場の作業員にとって、あらかじめ工事現場の詳細な地理的状況を把握することは面倒であり、また工事当日の交通状況を予測することは困難である。このため、事前にフェンス用、バリケード用のアンカーウェイトがそれぞれいくつぐらい必要になるか正確に予測することは困難であった。それゆえ、工事現場にフェンス用、バリケード用のアンカーウェイトを多めに運搬する必要があり、作業者の負担になるとともに運搬コスト・管理コストの無駄が生じていた。
【0007】
そこで、従来、特許文献3や特許文献4に開示されるように、フェンスとバリケードで兼用できるアンカーウェイトが知られている。
【0008】
特許文献3に開示されるアンカーウェイトは、台座の一側部の中央部に架設用の単管の少なくとも外径より大きく凹設して台座に垂直に貫通して吊り部を設け、凹設した吊り部を閉じて台座兼重錘を吊り下げ可能にブラケットを側面に配設し、ブラケット側で台座兼重錘を吊り下げ可能にブラケットに単管の外径にそって円弧状に凹ませて、人や車輛の通行規制の移動柵やバリケードの架設用の単管に吊り下げて設置可能としたものである。
【0009】
特許文献4に開示されるアンカーウェイトは、コンクリートまたは合成樹脂あるいは鋳物で成形した重石本体に、標識類の差込穴を設け、更に下部において引掛金具を設けて成るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−214616号公報
【特許文献2】特開2002−294646号公報
【特許文献3】特開2012−87531号公報
【特許文献4】特開2003−27436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献3のアンカーウェイトは、構造が複雑で製造コストが掛かり、工事現場ごとに多数必要とされるアンカーウェイトにとって重大な問題となっていた。
【0012】
特許文献4のアンカーウェイトは、構造は簡易であるが、差込穴が低い位置に配置されるため、差し込まれたフェンスが倒れやすく、フェンスのアンカーウェイトとして十分に機能しない問題があった。
【0013】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成にしてフェンスとバリケードの双方を安定して固定することができるアンカーウェイトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記目的を達成するために、工事現場等でフェンスまたはバリケードを固定するためのおもりとして用いられるアンカーウェイトであって、天板部と、前記天板部の両側部から下方に立設された側板部とを備え、前記天板部は、前記フェンスの支柱が挿入されるための挿入孔が設けられ、前記側板部は、前記バリケードの一の横桟に引っ掛けるための引掛凹部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
これによれば、側板部により天板部の下方に空間が形成されているため、フェンスの支柱を天板部の挿入孔に深く挿入することができ、フェンスを安定して固定することが可能となる。
【0016】
また、天板部により側板部が間隔を隔てて設けられているため、側板部をバリケードの横桟の間隔を隔てた複数点に引っ掛けることができ、バリケードを安定して固定することが可能となる。
【0017】
このように、側板部により天板部の下方に空間が形成される一方、天板部により側板部が間隔を隔てて設けられることにより、天板部と側板部は相互に補完し合うため、簡易な構成にしてフェンスとバリケードの双方を安定して固定することができ、ひいては製造コストを低減することが可能となる。
【0018】
また、前記天板部は、表面に天板凸部が設けられるとともに、裏面に別のアンカーウェイトの前記天板凸部が嵌り込むための天板凹部が設けられているのが好ましい。これによれば、アンカーウェイトと別のアンカーウェイトが90°の位相差をなしながら、アンカーウェイトの天板凹部と別のアンカーウェイトの天板凸部が嵌り合うため、複数のアンカーウェイトを天板部同士が近接した嵩張らない状態で積み重ねることができ、容易に収納・運搬することが可能となる。
【0019】
また、前記天板部は、表面に別のアンカーウェイトの側板部の底部が嵌り込むための第2の天板凹部が設けられているのが好ましい。これによれば、アンカーウェイトと別のアンカーウェイトが同一方向を向きながら、アンカーウェイトの第2の天板凹部と別のアンカーウェイトの側板部の底部が嵌り合うため、複数のアンカーウェイトを高さ方向に安定して積み重ねることができる。
【0020】
また、前記挿入孔は、アンカーウェイトが高さ方向に積み重ねられたときに、高さ方向の同一軸線上に並ぶように配置されているのが好ましい。これによれば、アンカーウェイトを高さ方向に積み重ねたときに、積み重ねられたアンカーウェイトの挿入孔が高さ方向の同一軸線上に並ぶため、最上段の挿入孔から挿入されたフェンスの支柱は次段の挿入孔にも到達し、次段のアンカーウェイトもおもりとして作用させ得るため、積み重ねたアンカーウェイトをフェンスのおもりとして使用することができる。
【0021】
また、前記挿入孔は、天板部の中心部の回りにおいて周方向に等間隔に4つ並んで設けられているのが好ましい。これによれば、複数のアンカーウェイトを高さ方向に積み重ねる際に、同一方向を向くように積み重ねる場合と、90°の位相差をなして積み重ねる場合とのいずれの場合であっても、挿入孔を高さ方向の同一軸線上に並ぶように確実に配置することができる。
【0022】
また、前記引掛凹部は、前記側板部の高さ方向に延びる基端部と、該基端部から前記側板部の幅方向に屈曲する屈曲部と、該屈曲部から前記側板部の幅方向に延びる先端部とを有するのが好ましい。これによれば、アンカーウェイトをバリケードのおもりとして使用する際に、バリケードの横桟を引掛凹部の基端部から進入させた後、屈曲部を経由して先端部にスライドさせることにより、横桟が引掛凹部に係止されるため、側板部を横桟に確実に引っ掛けることができる。
【0023】
また、前記引掛凹部の前記先端部は、前記側板部の底部の方向に膨らむ態様に形成されているのが好ましい。これによれば、先端部にスライドされた横桟が先端部の膨らんだ部分に係止されるため、側板部を横桟に確実に引っ掛けることができる。
【0024】
また、前記引掛凹部の前記先端部は、先端に向かうに従って曲率半径が段階的に縮小する複数の円弧状に形成されているのが好ましい。これによれば、各種直径の横桟と引掛凹部の円弧状部の曲率半径が合致する態様で横桟が引掛凹部に係止されるため、側板部を横桟に確実に引っ掛けることができる。
【0025】
また、前記引掛凹部の前記先端部は、先端に向かうに従って間隔が縮小する略三角形状に形成されているのが好ましい。これによれば、各種直径の横桟と引掛凹部の略三角形部の間隔が無段階に合致する態様で横桟が引掛凹部に係止されるため、側板部を横桟に確実に引っ掛けることができる。
【0026】
また、前記天板部は、固定金具が挿入される金具挿入孔が設けられているのが好ましい。これによれば、金具挿入孔に固定金具を挿入し、固定金具にワイヤを接続することにより、ワイヤを介してフェンスまたはバリケードにテンションを作用させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、側板部により天板部の下方に空間が形成されているため、フェンスの支柱を天板部の挿入孔に深く挿入することができ、フェンスを安定して固定することが可能となる。
【0028】
また、天板部により側板部が間隔を隔てて設けられているため、側板部をバリケードの横桟の間隔を隔てた複数点に引っ掛けることができ、バリケードを安定して固定することが可能となる。
【0029】
このように、側板部により天板部の下方に空間が形成されている一方、天板部により側板部が間隔を隔てて設けられていることにより、天板部と側板部は相互に補完し合うため、簡易な構成にしてフェンスとバリケードの双方を安定して固定することができ、ひいては製造コストを低減することが可能となる。
【0030】
したがって、工事現場等において事前にフェンス用、バリケード用のアンカーウェイトがそれぞれいくつぐらい必要になるか正確に予測することができない場合であっても、同一のアンカーウェイトをフェンスとバリケードで兼用することができるため、工事現場等にフェンス用、バリケード用それぞれのアンカーウェイトを多めに運搬する必要がない。このため、作業者の負担を軽減するとともに、アンカーウェイトの製造コスト・運搬コスト・管理コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1の実施形態に係るアンカーウェイトの斜視図である。
図2図1のアンカーウェイトの底面図である。
図3図1のアンカーウェイトの側面図である。
図4】アンカーウェイトの使用例を示す斜視図である。
図5】アンカーウェイトの他の使用例を示す斜視図である。
図6図5のアンカーウェイトの側面図である。
図7】交互に直交する状態に積み重ねられたアンカーウェイトの斜視図である。
図8図7の積み重ねられたアンカーウェイトの縦断面図である。
図9】同じ方向を向く状態に積み重ねられたアンカーウェイトの斜視図である。
図10】アンカーウェイトのその他の使用例を示す斜視図である。
図11】(a)第2の実施形態、(b)第3の実施形態、および(c)第4の実施形態に係るアンカーウェイトの拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1の実施形態>
次に、本発明に係るアンカーウェイトの第1の実施形態について、図1図10を参照しつつ説明する。なお、以下、図1のX軸方向を奥行方向、Y軸方向を幅方向、Z軸方向を高さ方向として説明する。
【0033】
アンカーウェイト1は、工事現場等でフェンスFまたはバリケードBを固定するためのおもりとして用いられる金属製のアンカーウェイトであって、表面に錆止めの塗装が施されている。このアンカーウェイト1は、図1に示すように、天板部2と、天板部2の両側部21から下方に立設された2つの側板部3とを備えている。
【0034】
前記天板部2は、図1に示すように、矩形状に形成されており、幅方向の長さが奥行方向の長さより大きく形成されている。本実施形態では、天板部2は、幅方向の長さが360mm、奥行方向の長さが270mm、高さ方向の長さ(厚み)が30mmに形成されている。
【0035】
前記天板部2は、表面の中央部において高さ方向に突出した天板凸部22が設けられている。この天板凸部22は、図1に示すように、正方形の板状に形成されており、中心部(本実施形態では金具挿入孔24の中心部)の回りに挿入孔23が設けられている。この挿入孔23の直径は、種々のフェンスFの支柱の直径より大きく形成されており、本実施形態では、34mmに形成されている。
【0036】
前記挿入孔23には、アンカーウェイト1をフェンスFのおもりとして使用する場合に、フェンスFの支柱100が挿入される。フェンスFの支柱100は、挿入孔23に挿入されると、挿入孔23を貫通し、天板部2の下方の空間を通過した後、アンカーウェイト1が設置されている地面に到達する。このため、挿入孔23に挿入されたフェンスFの支柱100は、地面と、天板部2の高さの挿入孔23とに支承される。したがって、アンカーウェイト1は、地面に立設されたフェンスFの支柱100を所定の高さの挿入孔23により支承することができ、フェンスFを安定して固定することが可能となる。
【0037】
また、前記挿入孔23は、周方向に等間隔に4つ並んで設けられている。このため、後述するように、アンカーウェイト1と別のアンカーウェイト1が90°の位相差をなしながら、アンカーウェイト1の天板凹部26と別のアンカーウェイト1の天板凸部22を嵌め合って、複数のアンカーウェイト1を高さ方向に積み重ねると、各アンカーウェイト1の挿入孔23は、図7および図8に示すように、高さ方向に隣接しながら同一軸線上に並ぶ。而して、同一軸線上に並んだ挿入孔23に最上段のアンカーウェイト1の挿入孔23から挿入されたフェンスFの支柱100は、最上段の挿入孔23に隣接した次段のアンカーウェイト1の挿入孔23にも到達する。これにより、次段のアンカーウェイト1もフェンスFの支柱100に対しておもりとして作用しうるため、図7に示す積み重ねた2つのアンカーウェイト1をフェンスFのおもりとして使用することができる。
【0038】
また、前記天板凸部22は、図1に示すように、中心部に固定金具Gが挿入される金具挿入孔24が設けられている。この金具挿入孔24には、上方からボルト状の固定金具Gが挿入され、下方において固定金具Gが蝶ナット(図示略)により締め付けられる。これにより、図10に示すように、固定金具Gをアンカーウェイト1に容易に取り付けることができる。そして、固定金具Gがワイヤに接続されることにより、アンカーウェイト1はワイヤを介してフェンスFまたはバリケードBにテンションを作用させることができる。また、固金具Gは蝶ナット(図示略)で締め付けられるため、アンカーウェイト1に対する向きを自由に調整することができる。さらに、固定金具Gは、蝶ナット(図示略)が取り外されることにより、アンカーウェイト1から容易に取り外され得る。
【0039】
また、前記天板部2は、図2に示すように、裏面の中央部において、矩形状に延びる凸条25が形成され、凸条25の内側に天板凹部26が形成されている。この天板凹部26は、水平方向の大きさが前記天板凸部22の水平方向の大きさよりわずかに大きく形成されている。このため、図7および図8に示すように、アンカーウェイト1と別のアンカーウェイト1が90°の位相差をなしながら、アンカーウェイト1の天板凹部26と別のアンカーウェイト1の天板凸部22が嵌り合うため、複数のアンカーウェイト1を天板部3同士が近接した嵩張らない状態で積み重ねることができ、容易に収納・運搬することが可能となる。
【0040】
また、前記天板部2は、図1に示すように、両側部21の表側に第2の天板凹部27が設けられている。この第2の天板凹部27は、奥行方向を長手方向とし、別のアンカーウェイト1の側板部3の底部31が嵌り込む矩形状に形成されている。このため、図9に示すように、アンカーウェイト1と別のアンカーウェイト1が同一方向を向きながら、アンカーウェイト1の第2の天板凹部27と別のアンカーウェイト1の側板部3の底部31が嵌り合うため、複数のアンカーウェイト1を高さ方向に安定して積み重ねることができ、容易に収納・運搬することが可能となる。
【0041】
また、前記天板部2は、図1および図8に示すように、両側部21の裏側に手掛部211が設けられている。この手掛部211は、側板部3が両側部21の内側にオフセットして立設されることにより形成されている。このため、ユーザは、手掛部211に手も掛けてアンカーウェイト1を持ち上げることができる。
【0042】
前記側板部3は、図1に示すように、矩形状に形成されており、奥行方向の長さが高さ方向の長さより大きく形成されている。なお、本実施形態では、側板部3は、奥行方向の長さが270mm、高さ方向の長さが75mm、幅方向の長さ(厚み)が30mmに形成されている。
【0043】
前記側板部3は、図3に示すように、奥行方向の片側に引掛凹部32が設けられている。
この引掛凹部32は、図3に示すように、側板部3の高さ方向に延びる基端部321と、基端部321から奥行方向(側板部3の幅方向)に屈曲する屈曲部322と、屈曲部322から奥行方向(側板部3の幅方向)に延びる先端部323を有する鉤型に形成されている。このため、バリケードBの横桟200を引掛凹部32の基端部321から進入させた後、屈曲部322を経由して先端部323にスライドさせることにより、横桟200が引掛凹部32に係止されるため、側板部3を横桟200に確実に引っ掛けることができる。なお、引掛凹部32の幅は、種々のバリケードBの横桟200の直径より大きく形成されており、本実施形態では、50mmに形成されている。
【0044】
また、前記側板部3は、図3に示すように、底部31の奥行方向の両端部において、段部311が設けられている。この段部311は、底面から所定長さ内側の位置に底面と平行に形成されている。これによれば、アンカーウェイト1の段部311が別のアンカーウェイト1の第2の天板凹部27の縁に乗り上げるため、アンカーウェイト1の側板部3の底部31と別のアンカーウェイト1の第2の天板凹部27が確実に嵌り合うことができる。
【0045】
以上のような構成のアンカーウェイト1は、側板部3により天板部2の下方に空間が形成されているため、フェンスFの支柱100を天板部2の挿入孔23に深く挿入することができる。このため、天板部2はフェンスFの支柱100を所定の高い位置で支承することができ、アンカーウェイト1はフェンスFを安定して固定することが可能となる。
【0046】
また、天板部2により側板部3が間隔を隔てて設けられているため、側板部3をバリケードBの横桟200の間隔を隔てた複数点に引っ掛けることができる。このため、側板部3は横桟200に安定して引っ掛かることができ、アンカーウェイト1はバリケードBを安定して固定することが可能となる。
【0047】
このように、アンカーウェイト1は、側板部3により天板部2の下方に空間が形成される一方、天板部2により側板部3が間隔を隔てて設けられることにより天板部2と側板部3は相互に補完し合うため、簡易な構成にしてフェンスFとバリケードBの双方を安定して固定することができ、ひいては製造コストを低減することが可能となる。
【0048】
次に、アンカーウェイト1の使用法について述べる。
【0049】
はじめに、フェンスFのおもりとして使用する場合について図4を参照しつつ説明する。
【0050】
まず、ユーザは、複数のアンカーウェイト1をフェンスFの支柱100間と同一の間隔で地面に設置する。次に、フェンスFの各支柱100の脚部を各アンカーウェイト1の挿入孔23に挿入する。
【0051】
而して、挿入孔23に挿入されたフェンスFの支柱100は、挿入孔23を貫通し、天板部2の下方の空間を通過した後、アンカーウェイト1が設置されている地面に到達する。このため、挿入孔23に挿入されたフェンスFの支柱100は、地面と、天板部2の高さの挿入孔23とに支承される。したがって、アンカーウェイト1は、地面に立設されたフェンスFの支柱100を所定の高さの挿入孔23により支承することができ、フェンスFを安定して固定することが可能となる。
【0052】
これにより、図4に示すように、アンカーウェイト1をフェンスFのおもりとして使用することができる。
【0053】
次に、バリケードBのおもりとして使用する場合について図5および図6を参照しつつ説明する。
【0054】
まず、ユーザは、バリケードBを地面に設置する。次に、アンカーウェイト1を手で持って操作することにより、バリケードBの横桟200をアンカーウェイト1の引掛凹部32の基端部321から進入させた後、屈曲部322を経由して先端部323にスライドさせる。最後に、アンカーウェイト1から手を離す。
【0055】
而して、アンカーウェイト1は、図6に示すように、天板部2の裏面が地面と対向する態様で地面に対し傾斜した姿勢で静止する。このとき、引掛凹部32の先端部323が横桟200に係止され、側板部3を横桟200に確実に引っ掛けることができる。
【0056】
これにより、図5に示すように、アンカーウェイト1をバリケードBのおもりとして使用することができる。なお、このとき、アンカーウェイト1は、地面に支承されていなくてもよいが、地面に支承されていることが好ましい。
【0057】
次に、複数のアンカーウェイト1を積み重ねてフェンスFのおもりとして使用する場合について図7および図8を参照しつつ説明する。
【0058】
まず、ユーザは、アンカーウェイト1を地面に設置する。
【0059】
次に、このアンカーウェイト1の上に別のアンカーウェイト1を90°の位相差をなして配置する。そして、アンカーウェイト1と別のアンカーウェイト1が90°の位相差をなしながら、アンカーウェイト1の天板凹部26と別のアンカーウェイト1の天板凸部22を嵌め合って、複数のアンカーウェイト1を高さ方向に積み重ねる。このとき、各アンカーウェイト1の挿入孔23は、中心部の周方向に等間隔に並んで4つ設けられているため、図8に示すように、高さ方向に隣接しながら同一軸線上に並ぶ。
【0060】
最後に、最上段のアンカーウェイト1の挿入孔23からフェンスFの支柱100の脚を挿入する。このとき、同一軸線上に互いに並んだ挿入孔23に最上段の挿入孔23から挿入されたフェンスFの支柱100は、最上段の挿入孔23に隣接した次段の挿入孔23にも到達する。したがって、次段のアンカーウェイト1も、フェンスFの支柱100を所定の高さの挿入孔23により支承することができる。
【0061】
これにより、図7に示す積み重ねたアンカーウェイト1をフェンスFのおもりとして使用することができる。フェンスFが大型であって支柱100の脚が長い場合に、アンカーウェイト1をこのように使用することが好ましい。
【0062】
次に、テンションを作用させるおもりとして使用する場合を図10を参照しつつ説明する。
【0063】
まず、ユーザは、図10に示すように、アンカーウェイト1の金具挿入孔24に上方から固定金具Gを挿入し、金具挿入孔24の下方において固定金具Gを蝶ナット(図示略)により締め付けることにより、アンカーウェイト1に固定金具Gを取り付ける。次に、固定金具Gとワイヤの一端を接続し、ワイヤの他端とフェンスFまたはバリケードBを接続する。最後に、アンカーウェイト1をフェンスFまたはバリケードBから遠ざけ、ワイヤにテンションを発生させる。
【0064】
これにより、ワイヤを介してフェンスFまたはバリケードBにテンションを作用させるおもりとして使用することができる。
【0065】
次に、収納・運搬する場合について、2つの使用法を図7および図9を参照しつつ説明する。
【0066】
第1の使用法は、図7に示すように、アンカーウェイト1の上に別のアンカーウェイト1を90°の位相差をなして配置し、アンカーウェイト1の天板凹部26と別のアンカーウェイト1の天板凸部22を嵌め合って、複数のアンカーウェイト1を高さ方向に積み重ねる。
【0067】
これによれば、アンカーウェイト1と別のアンカーウェイト1が90°の位相差をなしながら、アンカーウェイト1を天板部2同士が近接した嵩張らない状態で複数のアンカーウェイト1を積み重ねることができ、アンカーウェイト1を容易に収納・運搬することが可能となる。
【0068】
第2の使用法は、図9に示すように、アンカーウェイト1の上に別のアンカーウェイト1を同一方向を向くように配置し、アンカーウェイト1の第2の天板凹部27と別のアンカーウェイト1の側板部3の底部31を嵌め合って、複数のアンカーウェイト1を高さ方向に積み重ねる。
【0069】
これによれば、アンカーウェイト1と別のアンカーウェイト1が同一方向を向きながら、アンカーウェイト1の第2の天板凹部27と別のアンカーウェイト1の側板部3の底部31が嵌り合うため、複数のアンカーウェイト1を安定して積み重ねることができ、アンカーウェイト1を容易に収納・運搬することが可能となる。
【0070】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係るアンカーウェイトの第2の実施形態について図11(a)を参照しつつ説明する。
【0071】
第2の実施形態において、引掛凹部32の先端部323は、図11(a)に示すように、側板部3の底部31の方向に膨らむ態様に形成されている。
【0072】
アンカーウェイト1は、図6に示すように、天板部2の裏面が地面と対向する態様で地面に対し傾斜した静止姿勢において、引掛凹部32の先端部323の底部31側が横桟200の下方に配置される。したがって、この先端部323の底部31側に底部31の方向に膨らんだ部分323aが形成されているため、側板部3を横桟200に確実に引っ掛けることができる。具体的には、図11(a)に示すように、先端部323の底部31側の膨らんだ部分323aが横桟200Aに係止され、側板部3を横桟200Aに確実に引っ掛けることができる。
【0073】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係るアンカーウェイトの第3の実施形態について、図11(b)を参照しつつ説明する。
【0074】
第3の実施形態において、引掛凹部32の先端部323は、先端に向かうに従って曲率半径が段階的に縮小する複数の円弧状に形成されている。本実施形態では、引掛凹部32の先端部323は、図11(b)に示すように、先端に向かうに従って曲率半径が3段階に縮小する円弧状部323a、323b、323cが形成されている。
【0075】
これによれば、各種直径の横桟200と引掛凹部32の円弧状部323a、323b、323cの曲率半径が合致する態様で横桟200が引掛凹部32に係止されるため、側板部3を横桟200に確実に引っ掛けることができる。具体的には、図11(b)に示すように、横桟200の直径が大きい場合は、直径の大きな横桟200Aと円弧状部323aの曲率半径が合致して横桟200Aが引掛凹部32に係止される。横桟200の直径が中程度の場合は、直径が中程度の横桟200Bと円弧状部323bの曲率半径が合致して横桟200Bが引掛凹部32に係止される。横桟200の直径が小さい場合は、直径の小さな横桟200Cと円弧状部323cの曲率半径が合致して横桟200Cが引掛凹部32に係止される。
【0076】
<第4の実施形態>
次に、本発明に係るアンカーウェイトの第4の実施形態について、図11(c)を参照しつつ説明する。
【0077】
第4の実施形態において、引掛凹部32の先端部323は、図11(c)に示すように、先端に向かうに従って間隔が縮小する略三角形状に形成されている。
【0078】
これによれば、各種直径の横桟200と引掛凹部32の略三角形部の間隔が無段階に合致する態様で横桟200が引掛凹部32に係止されるため、側板部3を横桟200に確実に引っ掛けることができる。具体的には、図11(c)に示すように、直径の大きな横桟200A、直径が中程度の横桟200Bおよび直径の小さな横桟200Cなど各種直径の横桟200A、200B、200Cと略三角形部の間隔が無段階に合致して横桟200A、200B、200Cが引掛凹部32に係止される。
【0079】
なお、上記実施形態において、天板凸部22は、正方形の板状に形成されているとしたが、八角形の板状や円板状に形成されていてもよい。
【0080】
また、挿入孔23は、天板凸部22の中央部の回りにおいて周方向に等間隔に4つ設けられているとしたが、1つ設けられてもよいし、その他の複数個設けられてもよい。複数個設けられた場合は、複数のアンカーウェイト1を高さ方向に積み重ねたときに、挿入孔23が高さ方向の同一軸線上に並ぶように配置されるのが好ましい。
【0081】
また、金具挿入孔24は、天板凸部22の中央部に設けられるとしたが、その他の位置に設けられてもよいし、複数個設けられてもよい。
【0082】
また、天板部2は、表面に天板凸部22が設けられ、裏面に別のアンカーウェイト1の天板凸部22が嵌り込むための天板凹部26が設けられているとしたが、裏面に天板凸部22が設けられ、表面に別のアンカーウェイト1の天板凸部22が嵌り込むための天板凹部26が設けられていてもよい。さらに、天板凸部22と天板凹部26は必ずしも設けられなくてもよい。
【0083】
また、引掛凹部32は、側板部3の高さ方向に延びる基端部321と、基端部321から奥行方向(側板部3の幅方向)に屈曲する屈曲部322と、屈曲部322から奥行方向(側板部3の幅方向)に延びる先端部323を有する鉤型に形成されているとしたが、T字型などその他の形状に形成されていてもよい。
【0084】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1…アンカーウェイト
2…天板部
21…両側部
22…天板凸部
23…挿入孔
24…金具挿入孔
26…天板凹部
27…第2の天板凹部
3…側板部
31…底部
32…引掛凹部
321…基端部
322…屈曲部
323…先端部
F…フェンス
100…支柱
B…バリケード
200…横桟
G…固定金具
【要約】
【課題】簡易な構成にしてフェンスとバリケードの双方を安定して固定することができる工事現場用のアンカーウェイトを提供する。
【解決手段】アンカーウェイト1は、工事現場でフェンスまたはバリケードを固定するためのおもりとして用いられるアンカーウェイトであって、天板部2と、天板部2の両側部21から下方に立設された側板部3とを備え、天板部2は、フェンスの支柱が挿入されるための挿入孔23が設けられ、側板部3は、バリケードの一の横桟に引っ掛けるための引掛凹部32が設けられている。側板部3により天板部2の下方に空間が形成されている一方、天板部2により側板部3が間隔を隔てて設けられていることにより、天板部2と側板部3は相互に補完し合うため、簡易な構成にしてフェンスとバリケードの双方を安定して固定することができ、ひいては製造コストを低減することが可能となる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11