(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記首振りモータ(12、22)は、前記羽根(1)を上下方向に首振りさせるための上下首振りモータ(12)および前記羽根(1)を左右方向に首振りさせるための左右首振りモータ(22)の少なくとも一方である、
請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
前記羽根(1)を上下方向に首振りさせるための上下首振りモータ(12)および前記羽根(1)を左右方向に首振りさせるための左右首振りモータ(22)の一方が動作する扇風機モードと、
前記上下首振りモータ(12)および前記左右首振りモータ(22)の両方が動作するサーキュレータモードと、
を有し、
前記扇風機モードおよび前記サーキュレータモードそれぞれのための操作ボタンを別個に有し、
前記扇風機モードおよび前記サーキュレータモードに共通の機能のための操作ボタンを有する、
請求項6に記載の扇風機(100)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サーキュレータモードで使用中に入/切ボタンを押して扇風機を停止すると、入/切ボタンを押したときの羽根の方向で扇風機が停止してしまう。それゆえ、羽根の方向はその都度ばらばらになってしまう。次回もサーキュレータモードで使用する場合には問題ないが、次回は通常の扇風機モード(例えば、左右首振り運転)で使用する際には、上下首振り運転をしばらく行い、羽根を所定の上下方向に向けた後、上下首振り運転を停止してから、左右首振り運転を開始しなければならない。このような操作は、時間と手間を要し、使い勝手が悪いものである。また、羽根を好みの方向に向けるために、手動で羽根を動かすと、首振りモータのギアに過度の力が加わり、ギアの破損が生じるおそれがあった。
【0005】
それゆえ、この問題を解消するために、出願人は、扇風機モードおよびサーキュレータモードの両方で使用可能な扇風機において、機械スイッチまたは光スイッチを用いて、羽根が上下方向および/または左右方向の所定の方向を向いた状態に調節される扇風機を提案した(特願2014−161038号)。出願人は、この扇風機をさらに改良し、スイッチ機構や位置検出のための電子回路を省略し、構造を簡単にしてコストを削減した扇風機およびその制御方法を本発明において提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
請求項1は、
図6の首振り運転停止ルーチンの上位概念であり、請求項2は、
図6の首振り運転停止ルーチンに従う概念である。
請求項3は、
図8の首振り運転停止ルーチンの上位概念であり、請求項4は、
図8の首振り運転停止ルーチンに従う概念である。
【0007】
羽根(1)と、
前記羽根(1)を回転させるための羽根用モータ(2)と、
前記羽根(1)を首振りさせるための首振りモータ(12、22)と、
を有する扇風機(100)の運転を制御する方法であって、
前記首振りモータ(12、22)は、首振り制限位置から首振り可動域の中心位置まで基準時間(t0)で運転し、
首振り運転を停止する信号を認識すると、前記中心位置からの運転時間(t1)を読み込み、
前記基準時間(t0)および前記運転時間(t1)に基づき、前記羽根(1)の首振り方向を反転するか否かを決定するとともに、その後の首振り運転時間を決定し、
前記羽根(1)の首振り運転を、前記中心位置にて停止する、
ことを特徴とする。
【0008】
前記運転時間(t1)<前記基準時間(t0)の場合、
前記羽根(1)の首振り方向を反転し、前記運転時間(t1)だけ首振り運転を行い、
前記運転時間(t1)≧前記基準時間(t0)の場合、
時間(2t0−t1)だけ首振り運転を行う、
または、
首振り制限位置からの運転時間(t2)を読み込み、時間(t0−t2)だけ首振り運転を行い、
前記羽根(1)の首振り運転を、前記中心位置にて停止する、
ことが好ましい。
【0009】
羽根(1)と、
前記羽根(1)を回転させるための羽根用モータ(2)と、
前記羽根(1)を首振りさせるための首振りモータ(12、22)と、
を有する扇風機(100)の運転を制御する方法であって、
前記首振りモータ(12、22)は、首振り制限位置から首振り可動域の中心位置まで基準時間(t0)で運転し、
前記首振りモータ(12、22)は、前記中心位置から所定の停止位置まで停止時間(t3)で運転し、
首振り運転を停止する信号を認識すると、前記中心位置からの運転時間(t1)を読み込み、
前記羽根(1)の首振り方向と、
前記基準時間(t0)、前記運転時間(t1)および前記停止時間(t3)と、
前記羽根(1)の首振り方向が、前記所定の停止位置に接近する方向か、前記所定の停止位置から離れる方向かに関する情報と、
に基づき、前記羽根(1)の首振り方向を反転するか否かを決定するとともに、その後の首振り運転時間を決定し、
前記羽根(1)首振り運転を、前記所定の停止位置にて停止する、
ことを特徴とする。
【0010】
前記羽根(1)の首振り方向が第1の方向であり、かつ、前記運転時間(t1)<前記基準時間(t0)の場合、
前記羽根(1)の首振り方向を反転し、
時間(t1+t3)だけ首振り運転を行い、
前記羽根(1)の首振り方向が第1の方向であり、かつ、前記運転時間(t1)≧前記基準時間(t0)の場合、
首振り制限位置からの運転時間(t2)を読み込み、
前記羽根(1)の首振り方向が、前記所定の停止位置に接近する方向であれば、時間((t0−t2)−t3)だけ首振り運転を行い、
前記羽根(1)の首振り方向が、前記所定の停止位置から離れる方向であれば、前記羽根(1)の首振り方向を反転し、時間(t3−(t0−t2))だけ首振り運転を行い、
前記羽根(1)の首振り方向が第2の方向であり、かつ、前記運転時間(t1)<前記基準時間(t0)の場合、
前記羽根(1)の首振り方向が、前記所定の停止位置に接近する方向であれば、時間(t3−t1)だけ首振り運転を行い、
前記羽根(1)の首振り方向が、前記所定の停止位置から離れる方向であれば、前記羽根(1)の首振り方向を反転し、時間(t1−t3)だけ首振り運転を行い、
前記羽根(1)の首振り方向が第2の方向であり、かつ、前記運転時間(t1)≧前記基準時間(t0)の場合、
首振り制限位置からの運転時間(t2)を読み込み、
時間((t0−t2)+t3)だけ首振り運転を行い、
前記羽根(1)首振り運転を、前記所定の停止位置にて停止する、
ことが好ましい。
【0011】
前記首振りモータ(12、22)は、前記羽根(1)を上下方向に首振りさせるための上下首振りモータ(12)および前記羽根(1)を左右方向に首振りさせるための左右首振りモータ(22)の少なくとも一方である、
ことが好ましい。
【0012】
本発明の扇風機(100)は、上記いずれかに記載の方法を実行することを特徴とする。
【0013】
本発明の扇風機(100)は、
前記羽根(1)を上下方向に首振りさせるための上下首振りモータ(12)および前記羽根(1)を左右方向に首振りさせるための左右首振りモータ(22)の一方が動作する扇風機モードと、
前記上下首振りモータ(12)および前記左右首振りモータ(22)の両方が動作するサーキュレータモードと、
を有し、
前記扇風機モードおよび前記サーキュレータモードそれぞれのための操作ボタンを別個に有し、
前記扇風機モードおよび前記サーキュレータモードに共通の機能のための操作ボタンを有する、
ことが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の扇風機を、その実施形態を例示して詳細に説明する。
図1は、本発明の扇風機の正面図であり、Z軸に上下方向を表し、Y軸に左右方向を表す。
扇風機100は、羽根1(軌道が二点鎖線で図示)と、羽根1を回転させるための羽根用モータ2と、羽根1を上下(垂直)方向に首振りさせるための上下首振り機構と、羽根1を左右(水平)方向に首振りさせるための左右首振り機構と、羽根1の高さを調節するために上下にスライドするスライドパイプ30と、スライドパイプ30に接続された支柱31と、支柱31に接続されたベース40と、ベース40に設けられ、扇風機100の動作を制御するための操作パネル 50と、を有する。羽根1は、羽根用モータ2の回転軸先端3に設けられている。
図1において、羽根1は、上下方向正面かつ左右方向正面、すなわちX方向を向いている。
【0016】
扇風機100は、上下首振り機構として、上下首振りモータ12と、上下首振りモータ12の駆動ギア13および従動ギア14と、支持軸15と、支持軸15を中心に回転し、羽根用モータ2が取り付けられたモータケース16と、を有する。上下首振りモータ12が回転すると、上下首振りモータ12に取り付けられた駆動ギア13と、駆動ギア13に連動する従動ギア14(支持軸15に回転自在に軸支されている)と、が回転し、従動ギア14に取り付けられたモータケース16が回転する。
上下首振りモータ12は、例えば、ステッピングモータであり、従来周知の自動反転機構を有し、一定角度回転したら自動的に反転することで、羽根1の上下首振り運動を可能としている。上下首振りモータ12の制御については後述する。
なお、図示例では、支持軸15が支持体26に固定され、支持軸15は回転しないが、支持軸15がモータケース16に固定され、支持軸15およびモータケース16がともに回転する構造も可能である。また、図示例では、上下首振りモータ12の回転を、駆動ギア13および従動ギア14を用いてモータケース16に伝えているが、上下首振りモータ12をモータケース16に直接取り付けて、駆動ギア13および従動ギア14を省略することもできる。
【0017】
図2に側面図を示すように、扇風機100は、X方向に対して下方向に約10°、上方向に約90°首振り運転をすることができる。なお、上下方向の首振り運転の角度は、この角度に制限されるものではない。
【0018】
図1を再度参照して、扇風機100の左右首振り機構を説明する。
扇風機100は、左右首振り機構として、左右首振りモータ22と、左右首振りモータ22の駆動ギア23および従動ギア24と、回転軸25と、回転軸25を中心に回転し、回転軸25に取り付けられた支持体26と、を有する。左右首振りモータ22が回転すると、左右首振りモータ22に取り付けられた駆動ギア23と、駆動ギア23に連動する従動ギア24(回転軸25に固定されている)と、が回転し、回転軸25に取り付けられた支持体26が回転する。支持体26および回転軸25は、スライドパイプ30に回転自在に軸支されている。
左右首振りモータ22は、例えば、ステッピングモータであり、従来周知の自動反転機構(図示せず)を有し、一定角度回転したら自動的に反転することで、羽根1の左右首振り運動を可能としている。左右首振りモータ22の制御については後述する。
なお、図示例では、回転軸25が支持体26に固定され、回転軸25および支持体26がともに回転するが、回転軸25がスライドパイプ30に固定され、支持体26のみが回転し、回転軸25が回転しない構造も可能である。また、図示例では、左右首振りモータ22の回転を、駆動ギア23および従動ギア24を用いて支持体26に伝えているが、左右首振りモータ22を支持体26に直接取り付けて、駆動ギア23および従動ギア24を省略することもできる。
【0019】
図3(a)に示すように、扇風機100は、左右に約70°の首振り運転をすることができる。なお、左右方向の首振り運転の角度は、この角度に制限されるものではない。
【0020】
図3(b)は、扇風機100の左右首振り運転を模式的に示す図である。首振り制限位置(左)と首振り制限位置(右)との間が、羽根1の左右首振り可動域である。中心から首振り制限位置(左)および首振り制限位置(右)までのそれぞれの運転時間を基準時間t0とする。
最初、羽根1は、左右方向正面を向いた状態にあると仮定する。
時点p0において、扇風機100は左右首振り運転を開始し、羽根1は右方向に首振り運転を行う。なお、時点p0からの運転時間が測定される。
時点p1において、時点p0から所定の基準時間t0が経過し、左右首振りモータ22が首振り制限位置(右)に到達するので、左右首振りモータ22は反転する。その後、羽根1は左方向に首振り運転を行う。
時点p2において、時点p0から所定の時間2t0が経過し(時点p1から所定の時間t0が経過し)、羽根1は左右方向正面位置(中心)を通過し、引き続き、左方向に首振り運転を行う。ここで、時点p0からの運転時間がリセット(クリア)され、時点p2からの運転時間が測定される。
時点p3において、時点p2から所定の基準時間t0が経過し、左右首振りモータ22が首振り制限位置(左)に到達するので、左右首振りモータ22は反転する。その後、羽根1は右方向に首振り運転を行う。
時点p4において、時点p2から所定の時間2t0が経過し(時点p3から所定の時間t0が経過し)、羽根1は左右方向正面位置(中心)を通過し、引き続き、右方向に首振り運転を行う。ここで、時点p2からの運転時間がリセット(クリア)され、時点p4からの運転時間が測定される。
時点p0から時点p4までの動作が繰り返される。
最終的に、時点pnにおいて、羽根1が左右方向正面を向いた状態で、扇風機100は左右方向の首振り運転を停止する。
【0021】
図3(c)では、羽根1が、中心より右方向を向いた状態にあると仮定する。
時点p0において、扇風機100は左右首振り運転を開始し、羽根1は右方向に首振り運転を行う。時点p0から所定の基準時間t0が経過する前に、左右首振りモータ22が首振り制限位置(右)に到達するので、その場で左右首振りモータ22は空転をロック(拘束)する(ブロッキングされる)。その後、時点p0から所定の基準時間t0が経過した時点p1において、左右首振りモータ22は反転し、羽根1は左方向に首振り運転を行う。時点p1から所定の基準時間t0が経過した時点p2において、羽根1は左右方向正面位置に一致する。
このように、製品出荷時に羽根1が左右方向正面を向いた状態にない場合、または、ユーザが羽根1の角度を動かした状態で扇風機100の左右首振り運転を開始した場合でも、左右首振り可動域の中心は、首振り制限位置間の左右首振り時間(2t0)の中心に一致する。
【0022】
図3(d)では、羽根1が、中心より左方向を向いた状態にあると仮定する。
時点p0において、扇風機100は左右首振り運転を開始し、羽根1が右方向に首振り運転を行う。時点p0から所定の基準時間t0が経過してもまだ、左右首振りモータ22は、首振り制限位置(右)に到達しない。すると、時点p1において、左右首振りモータ22は反転し、羽根1は左方向に首振り運転を行う。時点p2において、羽根1は中心より左方向を向いた状態になる。時点p2から所定の基準時間t0が経過する前に、左右首振りモータ22が首振り制限位置(左)に到達するので、その場で左右首振りモータ22は空転をロック(拘束)する(ブロッキングされる)。その後、時点p3から所定の基準時間t0が経過した時点p4において、羽根1は左右方向正面位置に一致する。
【0023】
図4において、
図3(c)(d)のブロッキングの一例を説明する。
図4(a)の状態から、従動ギア24が矢印bの方向に回転すると、
図4(b)に示すように、従動ギア24の面24bが回転制限ストッパ27に当たる。一方、
図4(a)の状態から、従動ギア24が矢印cの方向に回転すると、
図4(c)に示すように、従動ギア24の面24cが回転制限ストッパ27に当たる。
このように、左右首振りモータ22は従動ギア24に対して構成された回転制限ストッパ27によって、首振り可動域を左右首振りモータ22の左右それぞれの所定の基準時間(t0)に相当する角度で制限されている。(t0より若干首振り可動域を広くとることが望ましい。)
【0024】
図5を用いて、扇風機100の左右首振り運転停止ルーチンを説明する。
ケース1
羽根1は、中心(左右方向正面位置)を通過し、中心から離れる方向に、左方向に首振り運転を行っている。中心から時間t1の運転時間が経過している時点pにおいて、左右首振り運転を停止するボタン(後述する)が押されると、左右首振りモータ22はその場で反転する。その後、羽根1は、中心に近づく方向に、右方向に時間t1だけ首振り運転を行い、羽根1が左右方向正面を向いた状態で、左右首振りモータ22は停止する。
ケース2
羽根1は、中心に近づく方向に、左方向に首振り運転を行っている。中心から時間t1の運転時間が経過している時点pにおいて、左右首振り運転を停止するボタンが押されると、羽根1は、引き続き、中心に近づく方向に、左方向に時間(2t0−t1)だけ首振り運転を行い、羽根1が左右方向正面を向いた状態で、左右首振りモータ22は停止する。
ケース2’
ケース2’は、ケース2と同様に、羽根1は、中心に近づく方向に、左方向に首振り運転を行っているが、中心からの運転時間t1に加えて、首振り制限位置(右)において反転してからの運転時間t2を読み込む。反転位置から時間t2の運転時間が経過している時点pにおいて、左右首振り運転を停止するボタンが押されると、羽根1は、引き続き、中心に近づく方向に、左方向に時間(t0−t2)だけ首振り運転を行い、羽根1が左右方向正面を向いた状態で、左右首振りモータ22は停止する。
【0025】
図6(a)は、ケース1およびケース2に関する扇風機100の左右首振り運転停止ルーチンを示すフローチャートである。
左右首振り運転を停止するボタンが押されると、左右首振り運転停止ルーチンに入る。
ステップS2において、中心からの運転時間(t1)を読み込む。ステップS3において、t1<t0(YES)の場合、ステップS4において、羽根1の首振り方向を反転する。ステップS5において、時間t1だけ首振り運転を行い、ステップS9において、左右首振りモータ22を停止する。ステップS2〜S5、S9は、上述したケース1のフローを示す。
ステップS3において、NOの場合、ステップS6において、時間(2t0−t1)だけ首振り運転を継続し、ステップS9において、左右首振りモータ22を停止する。ステップS2〜S3、S6、S9は、上述したケース2のフローを示す。
【0026】
図6(b)は、ケース1およびケース2’に関する扇風機100の左右首振り運転停止ルーチンを示すフローチャートである。
ケース1のフローは、
図6(a)の場合と同様であるので説明を省略する。
ステップS3において、NOの場合、ステップS7において、反転位置からの運転時間(t2)を読み込む。ステップS8において、時間(t0−t2)だけ首振り運転を継続し、ステップS9において、左右首振りモータ22を停止する。ステップS2〜S3、S7〜S9は、上述したケース2’のフローを示す。
【0027】
次に、扇風機100の上下方向の首振り運転を説明する。
図2を再度参照すると、首振り制限位置(上)と首振り制限位置(下)との間が、羽根1の上下首振り可動域である。上下首振り可動域の中心では、羽根1が斜め上方を向くため、この状態で羽根1が停止するより、水平位置を向いた状態で羽根1が停止する方がユーザにとって使い勝手がよい。それゆえ、上下首振り運転の場合は、羽根1は、中心を向いた状態で停止するのではなく、水平位置を向いた状態で停止するように制御される。中心から首振り制限位置(上)および首振り制限位置(下)までのそれぞれの運転時間を基準時間(t0)とし、中心から水平位置までの運転時間を停止時間(t3)とする。
【0028】
図7を用いて、扇風機100の上下首振り運転停止ルーチンを説明する。
ケース1〜3は、上方向(請求項における第1の方向)に首振り運転を行っている際に上下首振り運転を停止するボタン(後述する)が押された場合の動作であり、ケース4〜6は、下方向(請求項における第2の方向)に首振り運転を行っている際に上下首振り運転を停止するボタンが押された場合の動作である。
【0029】
ケース1
羽根1は、中心位置を通過し、中心位置から離れる方向に、上方向に首振り運転を行っている。中心位置から時間t1の運転時間が経過している時点pにおいて、上下首振り運転を停止するボタンが押されると、上下首振りモータ12はその場で反転する。その後、羽根1が、中心位置を通過し、水平位置に到達すると、上下首振りモータ12は停止する。すなわち、反転時から(t1+t3)だけ下向きに首振り運転をした後、上下首振りモータ12は停止する。
ケース2
羽根1は、首振り制限位置(下)にて反転した後、水平位置に近づく方向に、上方向に首振り運転を行っている。反転位置から時間t2の運転時間が経過している時点pにおいて、上下首振り運転を停止するボタンが押されると、羽根1は、引き続き、水平位置に近づく方向に、上方向に首振り運転を行う。羽根1が水平位置に到達すると、上下首振りモータ12は停止する。すなわち、上下首振り運転を停止するボタンが押されてから((t0−t2)−t3)だけ上向きに首振り運転をした後、上下首振りモータ12は停止する。
ケース3
羽根1は、首振り制限位置(下)にて反転した後、水平位置から離れる方向に、上方向に首振り運転を行っている。反転位置から時間t2の運転時間が経過している時点pにおいて、上下首振り運転を停止するボタンが押されると、上下首振りモータ12はその場で反転する。その後、羽根1が水平位置に到達すると、上下首振りモータ12は停止する。すなわち、反転時から(t3−(t0−t2))だけ下向きに首振り運転をした後、上下首振りモータ12は停止する。
【0030】
ケース4
羽根1は、中心位置を通過し、水平位置に近づく方向に、下方向に首振り運転を行っている。中心位置から時間t1の運転時間が経過している時点pにおいて、上下首振り運転を停止するボタンが押されると、羽根1は、引き続き、水平位置に近づく方向に、下方向に首振り運転を行う。羽根1が水平位置に到達すると、上下首振りモータ12は停止する。すなわち、上下首振り運転を停止するボタンが押されてから(t3−t1)だけ下向きに首振り運転をした後、上下首振りモータ12は停止する。
ケース5
羽根1は、水平位置から離れる方向に、下方向に首振り運転を行っている。中心位置から時間t1の運転時間が経過している時点pにおいて、上下首振り運転を停止するボタンが押されると、上下首振りモータ12はその場で反転する。その後、羽根1が水平位置に到達すると、上下首振りモータ12は停止する。すなわち、反転時から(t1−t3)だけ上向きに首振り運転をした後、上下首振りモータ12は停止する。
ケース6
羽根1は、首振り制限位置(上)にて反転した後、中心位置に近づく方向に、下方向に首振り運転を行っている。反転位置から時間t2の運転時間が経過している時点pにおいて、上下首振り運転を停止するボタンが押されると、羽根1は、引き続き、中心位置を通過し、水平位置に近づく方向に、下方向に首振り運転を行う。羽根1が水平位置に到達すると、上下首振りモータ12は停止する。すなわち、上下首振り運転を停止するボタンが押されてから((t0−t2)+t3)だけ下向きに首振り運転をした後、上下首振りモータ12は停止する。
【0031】
図7のケース2、3、6では、反転位置から時間t2を用いているが、時間t2を用いずに(t2=t1−t0)、上下首振りモータ12の運転時間を制御することもできる。
また、上下首振りモータ12の代わりに左右首振りモータ22を、中心位置からずれた位置で停止するように制御することもできる。
【0032】
図8は、扇風機100の上下首振り運転停止ルーチンを示すフローチャートである。
上下首振り運転を停止するボタンが押されると、上下首振り運転停止ルーチンに入る。
ステップS2において、中心からの運転時間(t1)を読み込む。ステップS3において、YESであり、羽根1の首振り方向が上向きの場合、ステップS4に進む。ステップS4において、t1<t0(YES)の場合、ステップS5において、羽根1の首振り方向を反転する。ステップS6において、時間(t1+t3)だけ下向きの首振り運転を行い、ステップS20において、上下首振りモータ12を停止する。ステップS2〜S6、S20は、上述したケース1のフローを示す。
ステップS4において、NOの場合、ステップS7において、反転位置からの運転時間(t2)を読み込む。ステップS8において、羽根1の首振り方向が水平位置に接近する方向(YES)の場合、ステップS9において、時間((t0−t2)−t3)だけ上向きの首振り運転を継続し、ステップS20において、上下首振りモータ12を停止する。ステップS2〜S4、S7〜S9、S20は、上述したケース2のフローを示す。
ステップS8において、羽根1の首振り方向が水平位置から離れる方向(NO)の場合、ステップS10において、羽根1の首振り方向を反転する。ステップS11において、時間(t3−(t0−t2))だけ下向きの首振り運転を行い、ステップS20において、上下首振りモータ12を停止する。ステップS2〜S4、S7〜S8、S10〜S11、S20は、上述したケース3のフローを示す。
【0033】
ステップS3において、NOであり、羽根1の首振り方向が下向きの場合、ステップS13に進む。ステップS13において、t1<t0(YES)の場合、ステップS14に進む。ステップS14において、羽根1の首振り方向が水平位置に接近する方向(YES)の場合、ステップS15において、時間(t3−t1)だけ下向きの首振り運転を継続し、ステップS20において、上下首振りモータ12を停止する。ステップS2〜S3、S13〜S15、S20は、上述したケース4のフローを示す。
ステップS14において、羽根1の首振り方向が水平位置から離れる方向(NO)の場合、ステップS16において、羽根1の首振り方向を反転する。ステップS17において、時間(t1−t3)だけ上向きの首振り運転を継続し、ステップS20において、上下首振りモータ12を停止する。ステップS2〜S3、S13〜S14、S16〜S17、S20は、上述したケース5のフローを示す。
ステップS13において、NOの場合、ステップS18において、反転位置からの運転時間(t2)を読み込む。ステップS19において、時間((t0−t2)+t3)だけ下向きの首振り運転を継続し、ステップS20において、上下首振りモータ12を停止する。ステップS2〜S3、S13、S18〜S20は、上述したケース6のフローを示す。
【0034】
図9に、本発明の扇風機100の操作パネル50の一例を示す。なお、図示例では、ベース40に設けられた操作パネル50について説明するが、操作パネルは、リモコンに設けることもできる。
操作パネル50は、扇風機機能部とサーキュレータ機能部と共通機能部とに分かれている。
扇風機機能部には、扇風機モード用の操作ボタンとして、扇風機モードをON/OFFするための入/切ボタン(A1)、羽根1を上下方向に首振り運動させる上下首振りボタン(B1)、羽根1を左右方向に首振り運動させる左右首振りボタン(C1)、風量をランダムに変更するリズム風ボタン(E1)が配置されている。扇風機モードでは、上下首振りモータ12および左右首振りモータ22の一方が動作し、扇風機100は通常の扇風機として動作する。
サーキュレータ機能部には、サーキュレータモード用の操作ボタンとして、サーキュレータモードをON/OFFするための入/切ボタン(A2)、羽根1を上下方向に首振り運動させる上下首振りボタン(B2)、羽根1を左右方向に首振り運動させる左右首振りボタン(C2)、羽根1を上下方向および左右方向に同時に首振り運動させる攪拌ボタン(D2)が配置されている。サーキュレータモードでは、主に部屋の空気を撹拌するために、上下首振りモータ12および左右首振りモータ22の両方が動作し、扇風機100はサーキュレータとして動作する。
共通機能部には、扇風機モードおよびサーキュレータモードに共通の機能のための操作ボタンとして、タイマー調節のための入タイマーボタン(F)および切タイマーボタン(G)、風量を段階的に調節するための風量ボタン(H)が配置されている。
このように、扇風機モードおよびサーキュレータモードそれぞれのための操作ボタンを別個に設けるとともに、扇風機モードおよびサーキュレータモードに共通の機能のための操作ボタンを設けることにより、ユーザに解りやすく使いやすい操作パネル50を提供することができる。
【0035】
図10は、扇風機モード(上下首振り運転ルーチンおよび左右首振り運転ルーチン)のフローチャートである。
ステップS1において、扇風機モード入/切ボタン(A1)が押され、「入」信号を認識すると、ステップS2において、羽根用モータ2がONになる。ステップS3において、上下首振りボタン(B1)が押されたことを認識すると、ステップS4において、上下首振りモータ12がONになり、上下首振り運転ルーチンに入る。ステップS5において、左右首振りボタン(C1)が押されたことを認識すると、ステップS6において、左右首振りモータ22がONになり、左右首振り運転ルーチンに入る。
【0036】
図11は、サーキュレータモードのフローチャートである。
ステップS1において、サーキュレータモード入/切ボタン(A2)が押され、「入」信号を認識すると、ステップS2において、羽根用モータ2と上下首振りモータ12と左右首振りモータ22とが全てONになり、扇風機100はサーキュレータとして動作する。
ステップS3において、上下首振りボタン(B2)が押されると、ステップS4において、左右首振りモータ22がOFFになり、上下首振り運転ルーチンに入る。
ステップS5において、左右首振りボタン(C2)が押されると、ステップS6において、上下首振りモータ12がOFFになり、左右首振り運転ルーチンに入る。
ステップS7において、入タイマーボタン(F)または切タイマーボタン(G)が押されると、タイマー操作ルーチンに入る。
ステップS8において、風量ボタン(H)が押されると、風量調節ルーチンに入る。
ステップS9において、サーキュレータモード入/切ボタン(A2)が押され、「切」信号を認識すると、ステップS10において、羽根用モータ2がOFFになり、続けて、上下首振り運転停止ルーチンおよび左右首振り運転停止ルーチンに入り、扇風機100が停止する。
なお、ステップS7およびステップS8は、上下首振り運転ルーチンおよび左右首振り運転ルーチンにおいても同様に機能する。
【0037】
図12に、本発明の扇風機100の操作パネル50他の例を示す。図示例では、
図9のボタンに加えて、扇風機100の電源をON/OFFするための入/切ボタン(I)が配置されている。
【0038】
図13に、本発明の扇風機100の制御回路のブロック図を示す。
コントローラは、羽根用モータ2の制御部、上下首振りモータ12の制御部、左右首振りモータ22の制御部および記憶部を有する。コントローラには、表示・操作部および電源供給部が接続されている。表示・操作部には、操作パネル50のボタン(A1〜I)が配置されている。
【解決手段】羽根(1)と、羽根(1)を回転させるための羽根用モータ(2)と、羽根(1)を首振りさせるための首振りモータ(12、22)と、を有する扇風機(100)の運転を制御する方法であって、首振りモータ(12、22)は、首振り制限位置から首振り可動域の中心位置まで基準時間(t0)で運転し、首振り運転を停止する信号を認識すると、中心位置からの運転時間(t1)を読み込み、基準時間(t0)および運転時間(t1)に基づき、羽根(1)の首振り方向を反転するか否かを決定するとともに、その後の首振り運転時間を決定し、羽根(1)の首振り運転を、中心位置にて停止する。