特許第5702085号(P5702085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5702085
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20150326BHJP
【FI】
   H02N11/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-164501(P2010-164501)
(22)【出願日】2010年7月22日
(65)【公開番号】特開2012-29419(P2012-29419A)
(43)【公開日】2012年2月9日
【審査請求日】2013年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 仁
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−252132(JP,A)
【文献】 特開2008−277729(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2136418(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性の異なる電極間に絶縁性伸縮部材を挟んで帯状に形成した一つの伸縮体を、その一端から他端に向かって山折りと谷折りを繰返し折り重ねてなる積層体を備えたアクチュエータにおいて、
前記伸縮体の山折りの折り目線と谷折りの折り目線を帯状の長手方向との交差方向を互いに反転して形成して、前記伸縮体を折り進むことで、前記積層体の中心部に積層方向に貫通する貫通孔が形成されるアクチュエータ。
【請求項2】
前記伸縮体は、一方の電極の表面に絶縁層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記絶縁性伸縮部材は、エラストマーで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記山折りの折り目線と前記谷折りの折り目線は、等脚台形の両斜辺をなす請求項1〜3のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記山折りの折り目線と前記谷折りの折り目線は、2等辺三角形の両斜辺をなす請求項1〜3のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は絶縁性伸縮部材を複数層積層した積層体を備えたアクチュエータに関し、特に、伸縮動作の方向を安定させることが可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電圧印加により伸縮するアクチュエータとして、シリコンゴムやアクリルゴム等のエラストマーや、ゲル等の絶縁性伸縮材料を用いたものが知られている。この絶縁性伸縮材料を用いたアクチュエータは、柔軟性を有しており、例えば、柔らかいアクチュエータが必要とされる人工筋肉等の様々な分野への適用が試みられている。この種のアクチュエータは、極性の異なる電極間に絶縁性伸縮材料からなる絶縁性伸縮部材を挟んで形成した伸縮体を有して構成されている。そして、このアクチュエータは、電極間に電圧を印加すると、電極間方向に収縮し、電極間方向と直交する方向に伸長する性質を有しており、このように伸縮することでアクチュエータとしての力を発生させている。そして、この種のアクチュエータでは、絶縁性伸縮部材(例えば、エラストマー等)を複数層積層して積層体を形成することにより、アクチュエータの伸縮量及び発生力を増加させることができることが知られている。
【0003】
この種の、絶縁性伸縮部材(例えば、エラストマー等)を複数層積層したアクチュエータとしては、例えば、特許文献1等に記載されたものがある。特許文献1に記載されたアクチュエータは、極性が異なる電極間に絶縁性伸縮部材としてのエラストマー層を挟んで形成したシート状の伸縮体を、同一極性の電極同士が重なるように折り重ねることにより、絶縁性伸縮部材を複数層積層した積層体を形成する構成である。また、別の構成としては、上記積層体を収納する容器を備え、伸縮体の折り返し部分が容器の内面と接するようにして、すなわち、積層体の外周部をガイドして収納するようにしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−252132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1等に記載される従来のアクチュエータにおいて、積層体は伸縮体を単にZ字状に繰り返し折り重ねて積層して形成されたものであるため、電圧印加により発生する力の方向が不安定になり、伸縮動作の方向が不安定になるという問題を有している。また、積層体の外周部をガイドした構成の場合、伸縮体の折り返し部分等と容器の内面とが接触した状態で伸縮しており、積層体の外周と容器の内面間の摩擦によってエネルギーの損失が生じてしまうという問題を有している。
【0006】
本発明は前記問題点に着目してなされたもので、伸縮体を折り重ねることにより絶縁性伸縮部材を複数層積層して積層体を形成する構成において、伸縮動作の方向を安定させつつ、エネルギーの損失を抑制することが可能なアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によるアクチュエータは、極性の異なる電極間に絶縁性伸縮部材を挟んで帯状に形成した一つの伸縮体を、その一端から他端に向かって山折りと谷折りを繰返し折り重ねてなる積層体を備えたアクチュエータにおいて、前記伸縮体の山折りの折り目線と谷折りの折り目線を帯状の長手方向との交差方向を互いに反転して形成して、前記伸縮体を折り進むことで、前記積層体の中心部に積層方向に貫通する貫通孔が形成される。
【0008】
このような構成により、極性の異なる電極間に絶縁性伸縮部材を挟んで帯状に形成した一つの伸縮体を、その一端から他端に向かって山折りと谷折りを繰返し折り重ねてなる積層体を形成することができる。そして、山折りの折り目線と谷折りの折り目線は帯状の長手方向との交差方向を互いに反転して形成されるので、伸縮体を折り進むことで、積層体の中心部に積層方向に貫通する貫通孔を形成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアクチュエータによれば、山折りの折り目線と谷折りの折り目線を帯状の長手方向との交差方向を互いに反転して形成し、帯状の一つの伸縮体をその一端から他端に向かって山折りと谷折りを繰返して折り重ねて、積層体を形成することができると共に、積層体の中心部に積層方向に貫通する貫通孔を形成することができる。そして、積層体の貫通孔内に軸部材を設けて中心軸とすることで、積層体の積層方向の伸縮動作の軸を確保することができる。したがって、伸縮体が積層方向に伸縮する際に発生する力の方向を安定させて伸縮動作の方向を安定させることができる。そして、このように積層体の貫通孔に中心軸を設けて伸縮動作を安定させることができるため、積層体の外周と容器の内面とを常に接触させて積層体をガイドする従来のアクチュエータに比べて、エネルギーの損失を抑制させることができる。さらに、本発明のアクチュエータによれば、積層体の内周側をガイドすることができるので、積層体の外周側については柔らかい材質を維持することができる。したがって、外周側をガイドする従来のアクチュエータと比べて、アクチュエータの適用にあたっての自由度が高まるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るアクチュエータの第1実施形態を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
図2】上記実施形態における帯状体を示す図で、(a)は上面図、(b)はB−B線断面図、(c)は帯状体の折り曲げ方を説明する図である。
図3】本発明に係るアクチュエータの第2実施形態を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
図4】上記実施形態における帯状体を示す図で、(a)は上面図、(b)はD−D線断面図、(c)は帯状体の折り曲げ方を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るアクチュエータの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るアクチュエータの第1実施形態を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。なお、図1(b)は、A―A線断面を部分的に示している。
本実施形態のアクチュエータ1は、図2に示す伸縮体2を折り重ねることにより絶縁性伸縮部材3を複数層積層した積層体4を備えている。
【0012】
前記伸縮体2は、図2に示すように、一定の幅で長い帯状(テープ状)に形成したものであり、極性の異なる電極5,6間に絶縁性伸縮部材3を挟んで形成されてなるものである。本実施形態において、伸縮体2は、一方の電極5の表面に絶縁層7が積層されている。このように絶縁層7を一方の電極5に積層することにより、後述するように伸縮体2を折り重ねた場合に、異なる電極間の絶縁が確実に確保されるようにしている。伸縮体2は、図2(b)に示すように、下から絶縁層7、電極5、絶縁性伸縮部材3、電極6の順に積層された積層構造体である。
【0013】
前記電極5,6は、図2(b)に示すように、絶縁性伸縮部材3の両面にそれぞれ形成されており、導電性伸縮材料によって形成されている。この導電性伸縮材料は、例えば、エラストマーにカーボン等を混入することにより導電性と柔軟性を備えた一般的な材料である。図示省略するが、例えば、電極5には外部の電源部のプラス側が、電極6にはマイナス側がそれぞれ接続されるように配線されている。
【0014】
前記絶縁性伸縮部材3は、駆動源となるものであり、絶縁性伸縮材料によって形成されている。この絶縁性伸縮材料は、本実施形態においては、シリコンゴムやアクリルゴム等のエラストマーであり、絶縁性と柔軟性を有する一般的な材料である。
【0015】
前記積層体4は、図1に示すように、絶縁性伸縮部材3を複数層積層したものであり、当該積層体4の中心部に積層方向に貫通する貫通孔8(図1(a)参照)が形成されるように、帯状に形成された伸縮体2を折り重ねることにより形成されてなるものである。したがって、各層の絶縁性伸縮部材3、電極5、電極6はそれぞれ繋がっているため、電極5,6と電源部(図示省略)との配線を各層それぞれ行う必要はなく、例えば、最上層の電極部5,6のみに配線を行うだけでよい。
【0016】
本実施形態において、積層体4は、図1(a)に示すように、上面から見ると正方形の四隅を面取りしたような形状であり、また、貫通孔8は、断面正方形の形状である。
【0017】
ここで、伸縮体2を折り重ねて、図1に示す積層体4を形成する手順を、図1及び図2に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図2(c)の伸縮体2を右側から折り進んでいく場合で説明する。
【0018】
まず、図2(a)に示す帯状の伸縮体2を用意し、図2(c)に示すように、伸縮体2の長手方向の右側端部を、長手方向と交わる角度θが45°になるように切断する。次に、図2(c)に示すように、台形の上底の長さがa、下底の長さがb、下底と両斜辺との交わる角度θがそれぞれ45°となる等脚台形が上下反転して隣接するように、折り目線(破線及び点鎖)をケガキ、最後に長手方向の左側端部の余分な部分を、折り目線に沿って切断して除去する。そして、折り目線に沿って伸縮体2を右側から折り重ねていくが、例えば、最初の折り目線(破線)では、伸縮体2が谷形になるように折り目線に沿って折り重ね(以下において、「谷折り」と言う)、次の折り目線(点線)では、伸縮体2が山形になるように折り目線に沿って折り重ねる(以下において、「山折り」と言う)。以降、伸縮体2の左側端部に向かって、山折り、谷折りを繰り返し行う。このようにして、図1(a),図1(b)から分かるように、例えば、最上層の等脚台形の伸縮体部分と上から2番目の層の等脚台形の伸縮体部分が直角に交わり、この2番目の層と3番目の層の伸縮体部分同士も直角に交わり、以降各層において上層の伸縮体部分とその一つ下層の伸縮体部分が直角に交わるように、伸縮体2を折り重ねていくことにより、各層の等脚台形の下底によって囲まれる、断面正方形の貫通孔8が形成される。この際、例えば、最上層の電極6が撓んで上から4層目の上面に接触したとしても4層目の電極5上の絶縁層7によって電極5,6間の絶縁が確保されている。上記の説明においては、図2(c)の伸縮体2を右側から折り進んでいく場合で説明したが、これは図1(b)の最上層から下に向かって積層体4を形成していくことを意味している。一方、図2(c)の伸縮体2を左側から折り進んでいく場合は、図1(b)の最下層から上に向かって積層体4を形成していくことを意味している。したがって、上記説明では、右側端部から折り進んでいく場合で説明したが、左側端部から折り進んでいっても同じ積層体4を形成することができる。
【0019】
次に、本実施形態に係るアクチュエータ1の伸縮動作について、図1(b)を参照して説明する。なお、アクチュエータ1の実際の使用にあたっては、貫通孔8内に軸部材(図示省略)を中心軸として設けて、積層体4の積層方向の伸縮動作の軸を確保している。
【0020】
まず、例えば、最上層の電極5,6に接続された外部の電源部(図示省略)によって、各層の電極5,6間に電圧を印加する。この電圧印加により、伸縮体2の各層はそれぞれ、中心軸(図示省略)にガイドされながら電極間方向(すなわち、積層方向)に収縮し、電極間方向と直交する方向に伸長する。そして、電圧印加を解除すると、伸縮体2の各層はそれぞれ、中心軸(図示省略)にガイドされながら伸長し、電極間方向と直交する方向に収縮する。
【0021】
このような構成により、本実施形態におけるアクチュエータ1によれば、積層体4の貫通孔8内に中心軸を設けて、積層体4の積層方向の伸縮動作の軸を確保することができる。したがって、伸縮体2が積層方向に伸縮する際に発生する力の方向を安定させて伸縮動作の方向を安定させることができる。そして、このように積層体4の貫通孔8に中心軸を設けて伸縮動作を安定させることができるため、積層体4の外周と容器の内面とを常に接触させて積層体をガイドする従来のアクチュエータに比べて、エネルギーの損失を抑制させることができる。さらに、本発明のアクチュエータによれば、積層体4の内周側をガイドすることができるので、積層体4の外周側については柔らかい材質を維持することができる。したがって、外周側をガイドする従来のアクチュエータと比べて、アクチュエータの適用にあたっての自由度が高まるという利点もある。
【0022】
図3は、本発明に係るアクチュエータの第2実施形態を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。なお、図3(b)は、C―C線断面を部分的に示している。本実施形態おいては、各層において等脚台形の伸縮体部分とその一つ下層の伸縮体部分の交わる角度が60°(下底と両斜辺との交わる角度θがそれぞれ60°)の場合について説明する。尚、図1の実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ以下に説明する。なお、本実施形態のアクチュエータ1の伸縮動作は、前述した実施形態のアクチュエータ1と同じであるため説明を省略する。
【0023】
本実施形態において、積層体4は、例えば、図3(a)に示すように、上面から見ると正三角形の三つ角を面取りしたような形状であり、この場合、貫通孔8は、断面正三角形の形状である。
【0024】
ここで、帯状の伸縮体2を折り重ねて、図3に示す積層体4を形成する手順を、図3及び図4に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図4(c)の伸縮体2を右側から折り進んでいく場合で説明する。
【0025】
まず、図4(a)に示す帯状の伸縮体2を用意し、図4(c)に示すように、伸縮体2の長手方向の右側端部を、長手方向と交わる角度θが60°になるように切断する。次に、図4(c)に示すように、台形の上底の長さがa、下底の長さがb、下底と両斜辺との交わる角度θがそれぞれ60°となる等脚台形が上下反転して隣接するように、折り目線(破線及び点鎖)をケガキ、最後に長手方向の左側端部の余分な部分を、折り目線に沿って切断して除去する。そして、折り目線に沿って伸縮体2を右側から山折り、谷折りを繰り返し行い左側へ折り進んでゆく。このようにして、図3(a)に示すように、各層において上層の伸縮体部分とその一つ下層の伸縮体部分が60°の交わる角度が60°になるように、伸縮体2を折り重ねていくことにより、等脚台形の下底によって囲まれる、断面正三角形の貫通孔8が形成される。この際、例えば、最上層の電極6が撓んで上から3層目の上面に接触したとしても3層目の電極5上の絶縁層7によって電極5,6間の絶縁が確保されている。上記の説明においては、図4(c)の伸縮体2を右側から折り進んでいく場合で説明したが、左側端部から折り進んでいっても同じ積層体4を形成することができる。
【0026】
なお、前述した第1実施形態においては最上層と伸縮体部分と2番目の層の伸縮体部分は直角に交わる様に、第2実施形態においては60°の角度で交わる様に、伸縮体2を折り重ね、以降の層についてもそれぞれ同様にして折り進んでいく場合で説明したが、各層において、上層の伸縮体部分とその一つ下層の伸縮体部分との交わる角度は90°(すなわち、下底と両斜辺との交わる角度θがそれぞれ45°)若しくは60°(下底と両斜辺との交わる角度θがそれぞれ60°)に限らず、どのような角度であってもよい。この場合、伸縮体2を折り重ねる時に、各層において、上層の伸縮体部分とその一つ下層の伸縮体部分との交わる角度が異なるだけであり、上記第1及び第2実施形態と同様にして伸縮体2を折り重ねることができる。なお、各層において、上層の伸縮体部分とその一つ下層の伸縮体部分との交わる角度が90°より大きく(すなわち、下底と両斜辺との交わる角度θがそれぞれ45°未満)なるように折り重ねる場合は、各層の伸縮体部分の形状が図2(c)に示したように等脚台形になるように折り曲げてもよいが、この各層の伸縮体部分の形状は等脚台形に限らず2等辺三角形になるように折り曲げてもよい。この場合であっても、積層体4の中心部に積層方向に貫通する貫通孔8を設けることができる。
【0027】
なお、上記全ての説明において、伸縮体2は、一方の電極5の表面に絶縁層7が積層されてなるものとし、一方の電極が撓んでも極性の異なる電極5,6間の絶縁が確実に確保されるようにした場合で説明したが、電極の撓みが少ない場合は、絶縁層7は設けなくてもよい。各層の伸縮体部分の一方の電極部は、もともと一つ下層又は一つ上層の伸縮体部分の他方の電極部と直接接触することはないため、上記のように電極の撓みが少ない場合は、絶縁層を設けなくても、電極5,6間の絶縁は確保される。また、絶縁層7を設ける場合は、一方の電極5の表面に限らず、両方の電極5,6の表面にそれぞれ設けて、電極5,6間の絶縁がより確実になるようにしてもよい。
【0028】
また、絶縁性伸縮部材3は、シリコンゴムやアクリルゴム等のエラストマーで形成された場合で説明したが、これに限らず、例えば、ゲルで形成されてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 アクチュエータ
2 伸縮体
3 絶縁性伸縮部材
4 積層体
5,6 電極
7 絶縁層
8 貫通孔
図1
図2
図3
図4