(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
燃焼装置本体内に備えられる燃焼用ガス供給機構から燃焼用ガスを受け入れて炎孔に導き燃焼させるバーナ部と被加熱物を支持する五徳部とを一体に備え、天板上に載置されて使用される五徳付バーナを備えてなる加熱調理装置であって、
前記五徳付バーナと前記燃焼装置本体との間に係合機構を備え、
前記五徳付バーナが前記燃焼装置本体に係合した状態で、前記燃焼用ガス供給機構に設けられた燃焼用ガス供給口に前記バーナ部に設けられる燃焼用ガス流入口が連通連結され、
前記係合機構は、前記五徳付バーナに設けられた係合部が前記天板下部に侵入した侵入状態で、前記天板の上面より下側で、前記燃焼装置本体に設けられた被係合部に係合する構成で、
前記燃焼用ガス供給口の上面が前記天板の上面より下側に位置され、
前記五徳付バーナを前記燃焼装置本体から分離した分離状態で、前記天板の上面が突起物のない平面状態となり、
前記被係合部が、前記天板若しくは前記燃焼用ガス供給機構に設けられており、
前記バーナ部が、天面が閉止された筒状に構成され、前記炎孔を筒側面に備え、
前記燃焼用ガス流入口が筒軸心側に設けられ、
前記五徳付バーナの係合部が筒外周部に設けられる係合突起とされるとともに、
前記天板の被係合部が前記係合突起に対応する係合孔および係合固定部とされる加熱調理装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る加熱調理装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜
図4に示すように、この例に係る加熱調理装置は、燃焼装置本体1をテーブル状とした据え置きタイプのガスコンロDであり、鍋やフライパンなどの被加熱物(図示せず)を支持する五徳部2とその被加熱物を加熱する火炎(図示せず)を生成する炎孔Hを有するバーナ部3とが一体に成型された五徳付バーナ4を、燃焼装置本体1の天板5上に載置して使用する。また、火炎を生成するための燃焼用ガスAは燃焼装置本体1内の燃焼用ガス供給機構Eより炎孔Hへ供給されている。天板5の上面は水平面となっており食器などを載せることができる。また、
図1に示すように、天板5には一対の側板6が取り付けられ、この側板6がガスコンロDの脚としての役割を兼ねる。そして、ガスコンロDの非使用時においては、天板5の下部と側板6で形成された空間Kに椅子などを収納することができる形状となっており、使用時はこの椅子などを使用しつつ燃焼装置本体1をテーブルとして使用することができる。
バーナ部3は着脱自在に構成されており、前記五徳付バーナを前記燃焼装置本体から分離した分離状態で、前記天板5の上面には突起物がない平面状態となる。
また、燃焼装置本体1の側板6の操作部61には、バーナ部3での火炎を点火及び消火させるための指令情報を制御部7に送るバーナ点火スイッチ61a、バーナ部3での燃焼量を調節するための指令情報を制御部7に送るバーナ火力調整スイッチ61bを設けてある。
【0027】
五徳付バーナ4は、上述のように五徳部2とバーナ部3を有し、さらに五徳付バーナ4を燃焼装置本体1に係合させるための係合機構としての係合部4gを備えている。
さらに、五徳部2には点火装置としての点火プラグ11と立消え安全装置としての熱電対12が備えられ、バーナ部3には過熱防止装置Pとしての過熱状態検出センサTが備えられる。
【0028】
五徳部2について
図3(a)、
図3(b)および
図3(c)に基づいて説明する。
五徳部2は被加熱物保持部2aと五徳保持部2bから構成されている。この例では、被加熱物保持部2aは爪状を有する五徳爪部として構成されている。五徳保持部2bは、バーナ部3の燃焼部8の下方の外周側面に設けられ、バーナ部3の径方向外方側に向かって片持ち状態で放射状に延出される3本の五徳保持部2bがバーナ部3の周方向に間隔を隔てて備える状態で設けられている。つまり、周方向に120°の間隔をあけて五徳保持部2bが互いに形成されている。また五徳保持部2b形状は、平面視においてはバーナ部3の外周側面の接続部で最も太く、バーナ部3の外方側の延端部に向うに従って細くなるように構成されており、断面視形状については延端部まで一定の厚みで構成される。
被加熱物保持部2aは、このように形成された五徳保持部2bの延端部と接続して当該延端部からバーナ部3よりも高さ方向において上方に延出した延出端部であって、バーナ部3よりも高い位置で、バーナ部3に設けられた過熱防止装置の過熱状態検出センサTの上端部より低い位置に形成される。また、本実施例においては、被加熱物保持部2aの被加熱物との接触面は、上方に延出した延出端部より燃焼用ガス流入口の軸心に向かって平面視において五徳保持部2bのバーナ部3の接続部と延端部の中間付近まで水平に延びる状態で形成されている。また、被加熱物保持部2aの平面視における形状は五徳保持部2bと同じ形状に形成されている。また、五徳保持部2bにおいて燃焼装置本体1の天板5と対向する五徳保持部2bの下面の五徳保持部下面部2cは平面に形成されている。
【0029】
次に、
図3および
図4に基づいて、バーナ部3について説明を加える。
バーナ部3の構成は、天面が閉止された筒状に構成され、筒側面に間隔を隔てて全周にわたって複数の炎孔Hが備えられた燃焼部8と、その燃焼部8の各炎孔Hにガス燃料Fと燃焼用空気Iとの混合ガスである燃焼用ガスAを分配する燃焼用ガス分配室9が設けられている。
側面に燃焼部8を有する燃焼用ガス分配室9は概ね円筒状に形成されており、中心部には過熱防止装置の過熱状態検出センサTが設けられている。そして、その下端側に、後述の燃焼用ガス供給機構Eに設けられた燃焼用ガス供給口20の先端部が挿入される燃焼用ガス流入口10を備えている。この燃焼用ガス流入口10は、燃焼装置本体1に設けられた後述する燃焼用ガス供給管21の先端に設けられた燃焼用ガス供給口20とシール部40を挟んで接続される。
従って、燃焼状態において、燃焼用ガス分配室9を通して炎孔Hに供給される燃焼用ガスAが、燃焼部8により形成される多数の炎孔Hから噴出されるように構成されている。従って、これらの多数の炎孔Hにより燃焼部8の外周に位置する環状の火炎が構成されることになる。
なお、過熱防止装置は被加熱物の底面温度が設定温度以上になったことを検出するものであるが、サーミスタ等の過熱状態検出センサTによって被加熱物底面の温度が検出される。そして、過熱状態検出センサTは制御部7に接続されており、検出信号が制御部7に入力される。
【0030】
また、五徳保持部2bの上面には、炎孔Hに点火させるために火花放電する点火装置としての点火プラグ11及びバーナ部3が燃焼しているか否かを検出する立消え安全装置としての熱電対12が取付けられている。点火プラグ11及び熱電対12は、燃焼部8から、バーナ部3の外周方向に適宜間隔をあけた状態で取付けられている。
点火プラグ11への電源および熱電対12による検出信号の配線は、例えば、五徳保持部2bとバーナ部3の外周壁(筒外周部に相当する)の内部を通るように配線され、制御部7に接続される。
【0031】
次に、
図2ないし
図4に基づいて、五徳付バーナ4と燃焼装置本体1との係合機構について説明を加える。
五徳付バーナ4の係合機構である係合部4gはバーナ部3の外周壁の下端面に設けられている。本実施例においては、3個の係合突起4gaがバーナ部3の外周壁の下端面に互いに均等な間隔を隔てて備える状態で、平面視において外周壁内に形成されている。係合突起4gaの一端4gbにおいてバーナ部3の外周壁の下端面と接続され、その一端部4gbの接続部に支えられた片持ち状態で、バーナ部3の外周壁の下端面に平行に係合突起4gaの延出部4gcが延出されている。そして、延出部4gcの先端において、天板5の下面と係合させるためのバーナ部3側に延びる凸部である係合爪部4gdがバーナ部3の外周壁の下端面に向けて上方に突出する形状で設けられている。係合爪部4gdの上面からバーナ部3の外周壁の下端面までの間隔は天板5の厚みと略同等の寸法とされている。
【0032】
一方、燃焼装置本体1の天板5における係合機構として、五徳付バーナ4の係合部4gと係合可能な被係合部5gが設けられている。つまり、燃焼装置本体1の天板5には、五徳付バーナ4に設けられた3個の係合突起4gaが挿入される3個の係合孔5gaと、天板5の下面においては、係合突起4gaの係合爪部4gdと係合する凹部である係合固定部5gbが設けられている。また、燃焼装置本体1内には、例えば天板5の下面に接続され、燃焼用ガス供給管21の外周に燃焼用ガス供給管21と同心軸に設けられて、鉛直下方に延びる円筒部材の下端部において燃焼用ガス供給管21を囲むように閉止する下端面を設けた支持体Wが設けられ、その支持体Wの下端部の上面には、五徳付バーナ4の係合突起4gaの下面を上方に付勢するバネ部材Mが設けられている。この係合孔5gaに対しては、五徳付バーナ4を使用しない状態にあっては、この係合孔5gaを塞ぐ閉塞部材が用意されている。
【0033】
次に、燃焼装置本体1について
図4に基づいて説明する。燃焼装置本体1には燃焼用ガス供給機構Eとして、燃焼用ガス供給管21およびバーナ部3の燃焼用ガス流入口10と連結する燃焼用ガス供給口20が設けられる。燃焼用ガス供給口20が燃焼用ガス流入口10と連結することで燃焼用ガスAを炎孔Hまで供給することが可能となり、火炎をバーナ部3において生成することができる。
また、燃焼用ガス供給口20が燃焼装置本体1の天板5の上面よりも下側に設けられているので、天板5上に着脱自在な五徳付バーナ4を燃焼装置本体1から分離した分離状態で、天板5において燃焼用ガス供給口20が突出することはなく、天板5においての上面に突起物がない平面状態となる。
【0034】
また、燃焼装置本体1においてガスノズル22は、燃焼用ガス供給管21のガス受入口23の中心に挿入される状態となるように位置させて設けてある。ガスノズル22からガス受入口23にガス燃料Fが噴出供給されると、そのガス燃料Fの噴出供給に伴って燃焼用空気Iがガス受入口23に吸引され、それらガス燃料Fと燃焼用空気Iとを混合させて、燃焼用ガス供給管21に燃焼用ガスAを供給するように構成してある。そして、そのガスノズル22には、都市ガス等のガス燃料Fが供給されるガス燃料供給路24を接続し、そのガス燃料供給路24には、バーナ部3へのガス供給を断続する電磁式開閉弁25およびバーナ部3へのガス供給量を調節する流量調整弁26を設けてある。電磁式開閉弁25およびバーナ部3へのガス供給量を調節する流量調整弁26は制御部7から受ける指令によって動作可能に構成される。また、制御部7は燃焼装置本体1内に設けられている。
【0035】
次に、燃焼装置本体1と五徳付バーナ4の係合の際の動作について説明する。まず、五徳付バーナ4を保持して、五徳付バーナ4に設けられた3個の係合突起4gaを、燃焼装置本体1の天板5に設けられた3個の係合孔5gaに挿入しつつ天板5の上面に載置し、その載置状態で五徳付バーナ4を天板5上で右回りに係合孔5gaに沿うように回転させて、五徳付バーナ4の係合爪部4gdが燃焼装置本体1の天板5の下面において設けられた係合固定部5gbと係合させることで係合が完了する。ここで、バネ部材Mによって五徳付バーナ4の係合爪部4gdが上方に付勢されているため、係合爪部4gdによる燃焼装置本体1の天板5の下面において設けられた係合固定部5gbとの係合がより安定したものとなる。さらに、係合時には、天板5の下面を係合突起4gaの延出部4gcが接触して固定されるために係合状態がより安定したものとなる。
そして、このように係合が完了することで、燃焼用ガス供給口20がシール部40を挟んで燃焼用ガス流入口10に接続されて、燃焼用ガスAを炎孔Hに供給することが可能となる。なお、このようにして五徳付バーナ4と燃焼装置本体1が係合されるため、五徳付バーナ4の載置位置は、五徳付バーナ4に設けられた係合突起4gaと、燃焼装置本体1に形成された係合孔5gaによって規定されるように構成されている。
【0036】
また、五徳付バーナ4を天板5から分離させる際は、バネ部材Mによって上方に付勢されている五徳付バーナ4を、五徳保持部下面部2cが天板5上に密接するまで押し下げて、天板5の下面の係合固定部5gbと係合状態にある五徳付バーナ4の係合爪部4gdとの係合を解除しつつ、その状態で五徳付バーナ4を天板5上で係合させる際の回転と反対である左回りに回転させて、五徳付バーナ4の係合爪部4gdを天板5の係合穴5gaから抜き去ることで分離させることができる。
【0037】
また、点火プラグ11への電源供給および熱電対12による検出信号等を伝達する配線13は、例えば、五徳付バーナ4において五徳保持部2bとバーナ部3の外周壁の内部を通るように配線されて、係合突起4gaの係合爪部4gdにおいて配線の端部を配線接続部として設けられるように形成されている。一方で、燃焼装置本体1の天板5の係合固定部5gbにおいても、制御部7に接続される配線13の端部が配線接続部として設けられるように形成されている。これによって、五徳付バーナ4が燃焼装置本体1に係合された時に、五徳付バーナ4に設けられた係合爪部4gdの配線接続部と燃焼装置本体1の天板5に設けられた係合固定部5gbに設けられた配線接続部とが接続されて点火装置および立消え安全装置等が機能することとなる。
【0038】
次に、
図4および
図5に基づいて、制御部7の制御構成について説明する。
図5に示すように、制御部7は、バーナ点火スイッチ61a、バーナ火力調整スイッチ61b、熱電対12および過熱状態検出センサTなどからの出力信号によって点火プラグ11、電磁式開閉弁25及び流量調整弁26の動作を制御するように構成されている。
【0039】
まず、バーナ部3の燃焼の制御について説明する。制御部7は、バーナ点火スイッチ61aから点火の指令が制御部7に送られると、制御部7は電磁式開閉弁25を開弁すると共に点火プラグ11を作動させて、バーナ部3を点火させる点火制御を実行する。そして、熱電対12がバーナ部3の温度を検出し、その検出信号が配線13によって制御部7に入力され、制御部7によってバーナ部3が燃焼していると判断されると、点火プラグ11の作動を停止させて点火制御を終了する。したがって、点火装置は、バーナ点火スイッチ61a、制御部7、熱電対12、配線13および電磁式開閉弁25によって構成されている。
また、バーナ火力調整スイッチ61bからの燃焼量指示信号に基づいて、燃焼量指示信号にて指令される燃焼量となるように制御部7が流量調整弁26の作動を制御してバーナ部3の燃焼量を調整する燃焼量調整制御を実行する。バーナ点火スイッチ61aから消火指令が送られると、制御部7は電磁式開閉弁25を閉弁する消火制御を実行する。
【0040】
また、立消え安全装置に係る熱電対12の検出情報に基づいてバーナ部3の燃焼を監視し、バーナが燃焼状態であれば、その火炎により加熱されることで所定の起電力を発生し、その発生する起電力が配線13によって制御部7に入力される。そしてその起電力に基づいて、制御部7がバーナ部3へのガス供給を断続するかを判断してガス燃料供給路24に設けられた閉弁付勢型の電磁式開閉弁25を開閉させるように構成されている。そして、例えば鍋などの被加熱物からの煮汁等の吹き溢れ等によってバーナの火炎が消えてしまった場合には、起電力の発生が低くなることで、制御部7によって電磁式開閉弁25が閉弁操作され、火炎が消滅した状態で燃料供給が継続されることを防止するようになっている。このように、立消え安全装置は、熱電対12、制御部7、配線13および電磁式開閉弁25によって構成される。さらに、バーナ部3に備えられた過熱防止装置は、過熱状態検出センサTの検出情報に基づいてバーナ部3の被加熱物の底面部温度を監視し、制御部7においてあらかじめ設定された温度を上回ると、制御部7は過熱状態にあると判断して電磁式開閉弁25を閉弁して被加熱物の過熱を防ぐ。
【0041】
そして、制御部7には、五徳付バーナ4と燃焼装置本体1との係合状態を確認する係合確認手段7aを備え、この係合確認手段7aにより係合が確認できない状態では、点火制御および燃焼量調整制御を実行しないように構成され、電磁式開閉弁25および流量調整弁26が作動されることはなく常に閉じた状態となっており、ガス燃料Fが流出することはない。本実施例では、上述のように、五徳付バーナ4が燃焼装置本体1に係合された時に、五徳付バーナ4の係合爪部4gdに設けられた熱電対12等の配線接続部と天板5の係合固定部5gbに設けられた制御部7へとつながる配線接続部とが接続される。この接続部により配線が接続されることで熱電対12からの起電力が制御部7の係合確認手段7aに入力されるため、係合確認手段7aがその起電力を検知することで五徳付バーナ4が燃焼装置本体1に係合状態にあることを判断することが可能であり、係合状態であると判断されることで制御部7による電磁式開閉弁25および流量調整弁26の制御作動が可能となるように構成される。
【0042】
〔第2実施形態〕
第2実施形態の全体構成は、第1実施形態と略同様であり、五徳付バーナ4と燃焼装置本体1を係合させる係合機構のみが異なるので、第2実施形態に係る係合機構について
図6に基づいて説明する。つまり、第1実施形態においては燃焼装置本体1と五徳付バーナ4の係合は、係合部4gとして五徳付バーナ4に設けられた3個の係合突起4gaを、燃焼装置本体1の天板5に設けられた3個の係合孔5gaに挿入しつつ天板5の上面に載置し、その載置状態で五徳付バーナ4を天板5を上面から見て右回りに係合孔5gaに沿うように回転させて、五徳付バーナ4の係合爪部4gdが燃焼装置本体1の天板5の下面において設けられた係合固定部5gbと係合させることで係合を完了するものであったが、本実施形態では、五徳付バーナ4の燃焼用ガス流入口10の周部に設けた係合部4gと、燃焼装置本体1において燃焼用ガス供給口20の周部に設けた被係合部5gによって係合機構を構成するものである。ここで、採用している係合部4gと被係合部5gとの構造は、ガス業界で、「カチット」として知られているガス管接続具(例えば、特開2001−304471)と同一の構造である。ただし、係合部4gは、バーナ部3から下側に延出する実質的に燃焼用ガスの導入配管となる配管(この部位を係合部本体30と呼んでいる)に設けられている。
【0043】
本実施形態に係る五徳付バーナ4は、
図6(a)および
図6(b)に示すようにバーナ部3の燃焼用ガス分配室9の下方に位置する燃焼用ガス流入口10の周部に係合部4gが設けられている。そして、係合部4gは、係合部本体30と、作動部31と、スリーブ部32とを備えている。係合部本体30、作動部31、及びスリーブ部32は何れも略円筒状の部材であり、同軸状に配置されている。また、スリーブ部32の内周の一部において係合用ボール33が設けられている。
【0044】
また、燃焼装置本体1側に設けられた被係合部5gは、燃焼用ガス供給管21の燃焼用ガス供給口20を有する端部側の周部に被係合部5gを有する構成とされる。被係合部5gは天板5の下面に接続されている支持体Wによって支えられている。
図6(a)に示すように、被係合部5gは外周に係合凹部50を備えている。係合凹部50は、被係合部5gの外周の周方向に沿って形成されており、本例では、周方向に直交する断面の形状が略台形状の溝状部とされている。また、被係合部5gの燃焼用ガス供給管21内には、弁体51と、弁座52とにより燃焼用ガス流出防止機構Yが備えられる。
【0045】
そして、このような被係合部5gへ係合部4gが係合される。ここで、係合された状態とは、被係合部5gが係合部4gの係合部本体30の内部に押入されるとともに、被係合部5gが所定位置まで押入されると、係合用ボール33が被係合部5gに形成された係合凹部50に嵌り込み、五徳付バーナ4と燃焼装置本体1とが係合状態となる。この状態で、弁体51が、係合部4gの係合部本体30に設けられた操作部34により押下され、これによって、燃焼用ガス流入口10と燃焼用ガス供給口20が連通状態となり、燃焼用ガスAが五徳付バーナ4の炎孔Hに供給される。
【0046】
なお、係合解除する分離操作では、被係合部5gが係合部4gに接続固定された状態において、係合部4gのスリーブ部32を被係合部5gから離間する側に操作することで、被係合部5gとの係合が解除される。このように、被係合部5gと係合部4gとの分離が完了するとともに、燃焼用ガス供給口20からの燃焼用ガスAの流出が、被係合部5gの燃焼用ガス供給管21内に設けられた燃焼用ガス流出防止機構Yにより遮断される。
【0047】
〔第3実施形態〕
第3実施形態の全体構成は、第1実施形態と略同様であり、五徳部2の形状のみが異なるので、本実施形態に係る五徳部2の形状について
図7に基づいて説明する。すなわち、第1実施形態においては、五徳部2は、バーナ部3の外方側に向かって放射状に延出される3本の五徳保持部2bと、その五徳保持部2bの延端部から上方に延びる被加熱物保持部2aとから構成されたが、本実施形態に係る五徳部2は、被加熱物保持部2aの形状を直方体として、被加熱物保持部2aの端部面と端部側面を接続して、複数の被加熱物保持部2aより多角形の枠体を形成するように枠体状被加熱物保持部2eが構成されている。そして、その枠体状被加熱物保持部2eがバーナ部3の外方側に向かって放射状に延出される五徳保持部2bに接続されて五徳部2が形成されている。ここで、被加熱物保持部2aは中空構造であってもよく、耐熱性の材質で形成されている。
【0048】
また、
図7に示した五徳付バーナ4は、4つの直方体状の被加熱物保持部2aを使用して、枠体状被加熱物保持部2eを平面視において略正方形に形成した例であり、このようにすることで、第1実施形態よりも被加熱物と枠体状被加熱物保持部2eとの接触面積が上昇するために、被加熱物を安定させて枠体状被加熱物保持部2eに搭載することが可能となる。また、補助被加熱物保持部2fが枠体状被加熱物保持部2eの角部内側からバーナ部3に向かって延出して設けられている。補助被加熱物保持部2fの上面は枠体状被加熱物保持部2eの上面と同一平面に設けられる。これによって、底面が小さい被加熱物であって、枠体状被加熱物保持部2eの枠体内に収まるようなものである場合でも、補助被加熱物保持部2fに載置させることができるので、被加熱物を加熱することが可能となる。
【0049】
そして、これらの枠体状被加熱物保持部2eの形状は、少なくともバーナ部3が枠体内に収容される形状とされ、枠体状被加熱物保持部2eの上面がバーナ部3よりも上方に位置することが必要である。また、五徳保持部2bは枠体状被加熱物保持部2eの内側面下部に、枠体状被加熱物保持部2eの下面および五徳保持部下面部2cが同一平面内に形成されるように接続され、五徳付バーナ4が天板5に係合可能に構成される。
【0050】
図7においては、4つの直方体状の被加熱物保持部2aを使用して、断面視で略正方形の形状の枠体状被加熱物保持部2eとしたが、3つの被加熱物保持部2aを接続して枠体状被加熱物保持部2eを断面視で3角形とすることもできるし、5つの被加熱物保持部2aを接続して枠体状被加熱物保持部2eを断面視で5角形とすることもできる。また、5つ以上の被加熱物保持部2aを使用して、断面視で多角形の形状の枠体状被加熱物保持部2eとしてもよい。これらの場合について、枠体状被加熱物保持部2eの大きさを調整するため、被加熱物保持部2aの長さ寸法をあらかじめ調整することができる。
【0051】
〔第4実施形態〕
第4実施形態の全体構成は、第3実施形態と略同様であり、五徳部2の形状のみが異なるので、本実施形態に係る五徳部2の形状について
図8(a)および
図8(b)に基づいて説明する。すなわち、本実施形態に係る五徳部2は、被加熱物保持部2aが
図8(b)に示すように、各々が水平に配設される上横板201と下横板202と、上横板201と下横板202の間に所定間隔で垂直方向に設けられた縦板211とを有し、全体として図示のごとく柵状に形成されている。これらの被加熱物保持部2aは耐熱性の材質で形成されている。
【0052】
図8(a)は5つの柵状の被加熱物保持部2aを使用して、枠体状被加熱物保持部2eを平面視において略五角形に形成した例である。この例では、
図8(b)に示した被加熱物保持部2aの端部同士を交差させて接続した形状としたものである。これにより、第1実施形態よりも被加熱物が大型であるときなど、枠体状被加熱物保持部2eが被加熱物の外周側の底面を支えることができるため、被加熱物を安定させて枠体状被加熱物保持部2eに搭載することが可能となる。
【0053】
図8(a)においては、5つの柵状の被加熱物保持部2aを使用して、断面視で略五角形の形状の枠体状被加熱物保持部2eとしたが、3つの被加熱物保持部2aを接続して枠体状被加熱物保持部2eを断面視で3角形とすることもできるし、4つの被加熱物保持部2aを接続して枠体状被加熱物保持部2eを断面視で4角形とすることもできる。また、6つ以上の柵状の被加熱物保持部2aを使用して、断面視で略多角形の形状の枠体状被加熱物保持部2eとしてもよい。これらの場合について、枠体状被加熱物保持部2eの大きさを調整するため、柵状の被加熱物保持部2aの上横板201と下横板202の寸法をあらかじめ調整することができる。
【0054】
〔別実施形態〕
(A)上記第1実施形態においては、五徳付バーナ4において係合部4gとしての3つの係合突起4gaを設け、燃焼装置本体1において被係合部5gとしての3つの係合孔5gaおよび係合固定部5gbを設けた係合機構としたが、これに限らず、3つ以外の複数の係合部4gと被係合部5gを有する係合機構としてもよい。
【0055】
(B)上記第1実施形態においては、五徳部2において3つの被加熱物保持部2aを有する形状としたが、これに限らず、3つ以外の複数の被加熱物保持部2aを有する形状としてもよい。
【0056】
(C)上記第1実施形態においては、燃焼装置本体1の形状をテーブル状のガスコンロDとしたが、これに限らず、燃焼装置本体1の形状をテーブルトップに据え置く形状のガスコンロとしてもよいし、筐体内に収容するビルトイン式ガスコンロとしてもよい。また、小型で移動させることが可能であり、カセットガスボンベを内蔵し、卓上で使用するガスコンロとしてもよい。
【0057】
(D)上記第1実施形態においては、五徳付バーナ4の係合爪部4gdにおいて熱電対12等の配線の端部を配線接続部として設け、天板5の係合固定部5gbにおいて制御部7に接続される配線13の端部を配線接続部として設けて、これらを接続することで熱電対12等と制御部7が接続されるように構成したが、これに限らず、五徳付バーナ4の下面2cに熱電対12等の配線の端部を配線接続部として設け、天板5の上面において制御部7に接続される配線13の端部を配線接続部として天板上面の平面状態を維持するような形態で設けて、これらを接続することで熱電対12等と制御部7が接続されるように構成してもよい。
【0058】
(E)上記第1実施形態においては、燃焼装置本体1の側板6の外側に操作部61を設けたが、これに限らず、例えば、操作部61を側板6の空間K側に設けてもよい。
【0059】
(F)上記第1実施形態においては、1つの五徳付バーナ4を燃焼装置本体1の天板5の上面に設ける構成としたが、これに限らず、複数の五徳付バーナ4を燃焼装置本体1の天板5上に設けるように構成されていてもよい。
【0060】
(G)上記第3実施形態においては、平面視で多角形状の枠体状被加熱物保持部2eとしたが、これに限らず、平面視で被加熱物保持部2aを円弧状に形成して、それらを複数接続することで平面視において円環状の枠体状被加熱物保持部2eとしてもよい。