(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一の切換回路は、前記アナログ音声信号を選択しているときに、前記エラーレートが、前記第一の閾値よりも低い第二の閾値を下回った場合、前記アナログ音声信号を前記NICAM信号に切り換える、請求項1に記載の音声多重放送受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態1による音声多重放送受信装置の機能ブロック図である。この音声多重放送受信装置100は音声多重信号SIFを受信して、そこからデジタル音声信号SSGを復調して出力する。
図1を参照するに、音声多重放送受信装置100は、NICAM信号復調回路110、FM信号復調回路120、第一の切換回路130、ノイズ除去フィルタ140、及び第二の切換回路150を含む。これらの要素は一つのチップに実装されている。その他に、いずれかの要素が別のチップに分離されていてもよい。また、各要素は専用のハードウェアとして構成される。その他に、汎用のプロセッサにソフトウェアで各要素としての機能を実現させてもよい。
【0020】
NICAM信号復調回路110は音声多重信号SIFからNICAM信号NCMを復調する。FM信号復調回路120は音声多重信号SIFから、アナログ音声信号であるFM信号を復調し、デジタル化して出力する。以下、このデジタル化されたFM信号をデジタルFM信号FMSという。第一の切換回路130は、NICAM信号NCMとデジタルFM信号FMSとのいずれかをデジタル音声信号SSGとして選択して出力する。ノイズ除去フィルタ140は、NICAM信号NCMの表す音声からノイズを除去する。第二の切換回路150は、NICAM信号復調回路110の出力NCMとノイズ除去フィルタ140の出力FNMとのいずれかを出力信号NMSとして選択して、第一の切換回路130へ渡す。
【0021】
図2は、音声多重信号SIFの周波数配置を示すグラフである。そのグラフの縦軸は音声多重信号SIFの振幅を表し、横軸は周波数を表す。
図2を参照するに、音声多重信号SIFの周波数配置は二つの帯域から成る。第一の帯域は、第一周波数f1のキャリア(以下、プライマリ・キャリアという。)にFM信号が重畳された信号の帯域f1〜f1+Δfである。尚、
図2のグラフでは、第一周波数f1よりも低い帯域の振幅は省略されている。第一周波数f1の具体的な値は各国の放送方式によって異なり、例えば、5.5MHz、6.0MHz、又は6.5MHzである。第二の帯域は、第二周波数f2のキャリア(以下、セカンダリ・キャリアという。)にNICAM信号がDQPSK方式で重畳された信号の帯域である。
図2に示されているとおり、第一の帯域f1〜f1+Δfと第二の帯域f2とは十分に分離されている。従って、音声多重信号SIFはモノラル受信機でも受信可能である。
【0022】
図3の(a)は、NICAM信号のデータ・フォーマットを示す模式図である。
図3の(a)を参照するに、NICAM信号はデジタル信号であって、728ビットを一つのデータ単位(フレームという。)300とする。1フレーム300のうち、先頭の24ビット領域301はヘッダを表し、残りの704ビット領域302は音声チャンネル又はデータ・チャンネルを含む。ヘッダ301は特に3ビット領域C1、C2、C3を含む。3ビット領域C1−C3は、704ビット領域302に含まれるチャンネルの種類を示す。704ビット領域302は11ビットずつの小領域に細分されている。各小領域では、先頭の10ビットX0、X1、…、X9がチャンネルのデータを表し、最後の1ビットがそのデータのパリティPを表す。704ビット領域302が例えばステレオ音声チャンネルを含む場合、AチャンネルのサンプルA1、A2、…、A32とBチャンネルのサンプルB1、B2、…、B32とが交互に小領域に配置される。「サンプル」は、一つの音声レベルを表すデータ単位をいい、例えば13ビットで表される。各サンプルは、小領域に配置される際には10ビットに圧縮されている。
【0023】
図3の(b)は、3ビット領域C1、C2、C3の表すビットの組み合わせと、704ビット領域302に含まれるチャンネルの種類との間の対応表である。3ビット領域の第3ビットC3の値は通常“0”である。3ビット領域の第1ビットC1と第2ビットC2との値がいずれも“0”であるとき、704ビット領域302はステレオ音声チャンネルを含む。第1ビットC1の値が“1”であって、第2ビットC2の値が“0”であるとき、704ビット領域302はモノラル音声チャンネルと352キロ・ビット/秒のデータ・チャンネルとを一つずつ含む。第1ビットC1の値が“0”であって、第2ビットC2の値が“1”であるとき、704ビット領域302はモノラル音声チャンネルを二つ含む。第1ビットC1と第2ビットC2との値がいずれも“1”であるとき、704ビット領域302は704キロ・ビット/秒のデータ・チャンネルを一つ含む。
【0024】
図1を再び参照するに、NICAM信号復調回路110は、データ・チャンネル検出部111、復調部112、及びエラーレート計測部113を含む。
【0025】
データ・チャンネル検出部111は、音声多重信号SIFのうち、NICAM信号の各3ビット領域C1、C2、C3の示す値を監視する。それらの値から、704ビット領域302がデータ・チャンネルを含むことが検出された場合、具体的には、第1ビットC1の示す値が“1”であるときに、データ・チャンネル検出部111は、エラーレート計測部113によって計測されるエラーレートがゼロであるか否かをチェックする。エラーレートがゼロである場合、データ・チャンネル検出部111はデータ・チャンネル検出信号DDTをアクティブにする。エラーレートがゼロでない場合、データ・チャンネル検出部111はデータ・チャンネル検出信号DDTをアクティブにしない。
【0026】
エラーレートがゼロでない場合、3ビット領域C1、C2、C3の内容がノイズによって誤って変更され、704ビット領域302がデータ・チャンネルを含んでいないにもかかわらず、704ビット領域302がデータ・チャンネルを含むことを3ビット領域C1、C2、C3が示す危険性がある。しかし、上記のように、エラーレートがゼロである場合にのみ、データ・チャンネル検出信号DDTがアクティブにされることにより、音声チャンネルがノイズ除去フィルタ140の処理を必ず受けるので、後述のようにポツポツ音の発生が防止される。
【0027】
復調部112は音声多重信号SIFからセカンダリ・キャリアを抽出し、更にそのセカンダリ・キャリアからNICAM信号NCMを復調して出力する。復調部112は特に、NICAM信号の704ビット領域302の各小領域に配置された10ビットのデータから13ビットのサンプルを復元する。
【0028】
エラーレート計測部113は、音声多重信号SIFのうち、NICAM信号の各704ビット領域302から誤りビットを検出する。エラーレート計測部113は更に、単位時間当たりに検出された誤りビットの数をエラーレートとして計測し、第一の閾値又は第二の閾値と比較する。それらの閾値は、NICAM信号から再現される音質が許容下限まで落ち込んだときのエラーレートと同程度の値である。第二の閾値は第一の閾値よりも低い。エラーレート検出信号DERがアクティブではない期間にエラーレートが第一の閾値を超えた場合、エラーレート計測部113はエラーレート検出信号DERをアクティブにする。エラーレート検出信号DERがアクティブである期間にエラーレートが第二の閾値を下回った場合、エラーレート計測部113はエラーレート検出信号DERを、アクティブでない状態にする。
【0029】
第一の切換回路130は、エラーレート検出信号DERがアクティブでない場合、第二の切換回路150から出力されたNICAM信号NMSを選択し、アクティブである場合、FM信号復調回路120から出力されたデジタルFM信号FMSを選択する。それにより、NICAM信号NMSを選択しているときにエラーレートが第一の閾値を超えた場合、第一の切換回路130はNICAM信号NMSをデジタルFM信号FMSに切り換える。一方、デジタルFM信号FMSを選択しているときにエラーレートが第二の閾値を下回った場合、第一の切換回路130はデジタルFM信号FMSをNICAM信号NMSに切り換える。こうして、エラーレートに応じて、NICAM信号NMSとデジタルFM信号FMSとが自動的に切り換えられる。特に第二の閾値が第一の閾値よりも低いので、第一の切換回路130による選択処理には、ヒステリシスが生じる。それにより、その選択処理が安定に行われる。
【0030】
第二の切換回路150は、データ・チャンネル検出信号DDTがアクティブである場合、復調部112から出力されたNICAM信号NCMを選択し、アクティブでない場合、ノイズ除去フィルタ140から出力されたNICAM信号FNMを選択する。それにより、NICAM信号の704ビット領域302がデータ・チャンネルを含む場合には、そのNICAM信号NCMがノイズ除去フィルタ140をバイパスして第二の切換回路150に入力される。従って、データ・チャンネルがノイズ除去フィルタ140の処理を受けない。一方、NICAM信号の704ビット領域302がデータ・チャンネルを含まない場合、すなわち音声チャンネルのみを含む場合には、そのNICAM信号NCMがノイズ除去フィルタ140で処理されて、その後、第二の切換回路150に入力される。従って、音声チャンネルに含まれるノイズが、以下に示すように、ノイズ除去フィルタ140によって除去される。
【0031】
図4は、NICAM信号の表すサンプル列の一例を示すグラフである。そのグラフの縦軸は音声レベルを表し、横軸は時間を表す。
図4に示されている各黒点401、402、403、…は、一つのサンプルの示す音声レベルの値を表し、曲線450は音声の波形を表す。
図4を参照するに、サンプル列は一定の時間間隔で音声レベルを表す。エラーレートが十分に低い場合、大多数の正常なサンプルの示す音声レベルは元の音声の波形450に沿って変化する。しかし、例えば音声多重信号SIFの伝送中にその信号に混入するノイズに起因して、次のような異常なサンプル407、412、422が離散的に発生し得る。これらの異常なサンプルは、元の音声の波形450から大きく外れた音声レベルを示し、スパイク状の音声ノイズ、すなわちポツポツ音を生じさせる。従って、ノイズ除去フィルタ140はこれらの異常なサンプルを除去すればよい。
【0032】
図5は、ノイズ除去フィルタ140の機能ブロック図である。
図5を参照するに、ノイズ除去フィルタ140はサンプル保持部510とサンプル選択部520とを含む。サンプル保持部510は三つのディレイ・フリップ・フロップ(DFF)511、512、513の直列接続を含む。各DFF511、512、513は、NICAM信号NCMの表すサンプル列のうち、3個の連続したサンプルを一つずつ保持する。サンプル選択部520は、3個の連続したサンプルのそれぞれの示す値SM1、SM2、SM3を比較して、最大値と最小値との間の値を示すサンプルFNMを一つ選択する。すなわち、3個の連続したサンプルのうち、最大値と最小値とを示すものを除いた残りのサンプルが選択される。サンプル選択部520は更に、選択されたサンプルFNMを第二の切換回路130へ出力する。
【0033】
尚、DFFの数は5以上の奇数であってもよい。その場合、サンプル選択部520は、それらのDFFに保持された奇数個のサンプルのうち、最大値と最小値との間に位置するいずれかの値、好ましくは中央値を示すものを選択する。DFFの数が奇数であれば、それらのDFFに保持されたサンプルの示す値の集合から、最大値と最小値とを除去する操作を繰り返す。その結果、中央値が最後に残るので、その値を示すサンプルが選択される。
【0034】
ノイズ除去フィルタ140は上記の要素を利用して、
図4に示されている異常なサンプル407、412、422を次のように除去する。まず、
図4に示されているサンプル列401、402、403、…が順番にノイズ除去フィルタ140に入力され、3個ずつ、サンプル保持部510に保持される。次に、サンプル選択部520がそれら3個のサンプルから、中央値を示すものを選択する。例えば、正常なサンプルの組(401、402、403)、(402、403、404)、(403、404、405)、(404、405、406)からはそれぞれ、中央値を示すサンプル402、403、404、405が選択される。一方、3個のサンプルのいずれかが異常な第一サンプル407である組(405、406、407)、(406、407、408)、(407、408、409)からはそれぞれ、中央値を示すサンプル406、408、409が選択される。同様に、3個のサンプルのいずれかが異常な第二サンプル412である組(410、411、412)、(411、412、413)、(412、413、414)からはそれぞれ、中央値を示すサンプル411、413、414が選択され、3個のサンプルのいずれかが異常な第三サンプル422である組(420、421、422)、(421、422、423)、(422、423、424)からはそれぞれ、中央値を示すサンプル420、421、423が選択される。このように、サンプル選択部520によって選択されるサンプルはいずれも正常なものであり、その順序も元のままである。一方、異常なサンプル407、412、422はいずれも選択から除外される。異常なサンプル407、412、422が、3個の連続したサンプルの中では必ず、最大値又は最小値を示すからである。
【0035】
上記のとおり、ノイズ除去フィルタ140は、正常なサンプル401、402、…の示す音声の波形を壊すことなく、異常なサンプル407、412、422のみを除去する。その結果、それら異常なサンプルに起因するポツポツ音の発生が防止される。
【0036】
図6は、第一の切換回路130による信号の選択処理のフローチャートである。この処理は、NICAM信号復調回路110が音声多重信号SIFを受信したときに開始される。
【0037】
ステップS601では、エラーレート計測部113が、音声多重信号SIFのうち、NICAM信号の各704ビット領域302から単位時間当たりに検出された誤りビットの数をエラーレートとして計測し、第一の閾値と比較する。エラーレートが第一の閾値を超えた場合、処理はステップS604へ進み、超えていない場合、処理はステップS602へ進む。
【0038】
ステップS602では、エラーレートが第一の閾値を超えていないので、エラーレート計測部113はエラーレート検出信号DERをアクティブにしない。それに応じて、第一の切換回路130は、第二の切換回路150から出力されたNICAM信号NMSを選択する。それにより、エラーレートが第一の閾値よりも低く維持されている間、NICAM信号NMSがデジタル音声信号SSGとして音声多重放送受信装置100から出力される。その後、処理はステップS603へ進む。
【0039】
ステップS603では、音声多重信号SIFをその終端まで処理したか否かをNICAM信号復調回路110がチェックする。音声多重信号SIFをその終端までは処理していない場合、処理はステップS601から繰り返される。音声多重信号SIFをその終端まで処理し終えた場合、選択処理は終了する。
【0040】
ステップS604では、エラーレートが第一の閾値を超えているので、エラーレート計測部113はエラーレート検出信号DERをアクティブにする。それに応じて、第一の切換回路130は、FM信号復調回路120から出力されたデジタルFM信号FMSを選択する。それにより、エラーレートが第一の閾値を超えた場合には、NICAM信号NMSがデジタルFM信号FMSに自動的に切り換えられる。その後、処理はステップS605へ進む。
【0041】
ステップS605では、第一の切換回路130がデジタルFM信号FMSを選択している。その場合、エラーレート計測部113は、NICAM信号の各704ビット領域302からエラーレートを計測して、第二の閾値と比較する。エラーレートが第二の閾値を下回った場合、処理はステップS602へ進み、下回っていない場合、処理はステップS606へ進む。
【0042】
ステップS606では、エラーレートが第二の閾値を超えているので、エラーレート計測部113はエラーレート検出信号DERをアクティブに維持する。それに応じて、第一の切換回路130はデジタルFM信号FMSを選択し続ける。それにより、エラーレートが第二の閾値以上に維持されている間、デジタルFM信号FMSがデジタル音声信号SSGとして音声多重放送受信装置100から出力される。その後、処理はステップS607へ進む。
【0043】
ステップS607では、音声多重信号SIFをその終端まで処理したか否かをFM信号復調回路120がチェックする。音声多重信号SIFをその終端までは処理していない場合、処理はステップS605から繰り返される。音声多重信号SIFをその終端まで処理し終えた場合、選択処理は終了する。
【0044】
図6のフローチャートに示されているとおり、第一の切換回路130がNICAM信号NMSを選択している期間では、エラーレートが第一の閾値を超えない限り、第一の切換回路130はNICAM信号NMSを選択し続ける。しかし、一旦、エラーレートが第一の閾値を超えれば、エラーレートが、第一の閾値よりも低い第二の閾値を下回るまで、第一の切換回路130はデジタルFM信号FMSを選択し続ける。このようなヒステリシスにより、第一の切換回路130による選択処理は安定に行われる。
【0045】
図7は、第二の切換回路150による信号の選択処理のフローチャートである。この処理は、NICAM信号復調回路110が音声多重信号SIFを受信したときに開始される。
【0046】
ステップS701では、データ・チャンネル検出部111が、音声多重信号SIFのうち、NICAM信号の各3ビット領域C1、C2、C3の示す値を監視する。それらの値から、704ビット領域302がデータ・チャンネルを含むことが検出された場合、処理はステップS702へ進み、検出されなかった場合、処理はステップS704へ進む。
【0047】
ステップS702では、704ビット領域302がデータ・チャンネルを含むので、データ・チャンネル検出部111は、エラーレートがゼロであるか否かをチェックする。エラーレートがゼロである場合、処理はステップS703へ進み、ゼロでない場合、処理はステップS704へ進む。
【0048】
ステップS703では、エラーレートがゼロであるので、3ビット領域C1、C2、C3の示す値は正しい。従って、704ビット領域302が実際にデータ・チャンネルを含む。一方、データ・チャンネル検出部111はデータ・チャンネル検出信号DDTをアクティブにする。それに応じて、第二の切換回路150は、復調部112から出力されたNICAM信号NCMを選択する。すなわち、そのNICAM信号NCMがノイズ除去フィルタ140をバイパスして第二の切換回路150に入力される。従って、データ・チャンネルがノイズ除去フィルタ140の処理を受けないので、その内容は変更されない。その後、処理はステップS705へ進む。
【0049】
ステップS704では、エラーレートがゼロではないので、3ビット領域C1、C2、C3の示す値が誤っている危険性がある。すなわち、704ビット領域302が実際にはデータ・チャンネルを含まない可能性がある。従って、データ・チャンネル検出部111はデータ・チャンネル検出信号DDTをアクティブにしない。それに応じて、第二の切換回路150は、ノイズ除去フィルタ140から出力されたNICAM信号FNMを選択する。それにより、704ビット領域302に含まれる音声チャンネルのみがノイズ除去フィルタ140で処理されて、第二の切換回路150に入力される。その結果、音声チャンネルに含まれる異常なサンプルは、上記のとおり、ノイズ除去フィルタ140によって除去される。その後、処理はステップS705へ進む。
【0050】
ステップS705では、音声多重信号SIFをその終端まで処理したか否かをNICAM信号復調回路110がチェックする。音声多重信号SIFをその終端までは処理していない場合、処理はステップS601から繰り返される。音声多重信号SIFをその終端まで処理し終えた場合、選択処理は終了する。
【0051】
図7のフローチャートに示されているとおり、704ビット領域302がデータ・チャンネルを含むことを3ビット領域C1、C2、C3が示す場合で、かつ、エラーレート計測部113によって計測されるエラーレートがゼロである場合に、データ・チャンネル検出部111はデータ・チャンネル検出信号DDTをアクティブにする。それにより、データ・チャンネルは破棄せざるを得なくても、音声チャンネルからは異常なサンプルが除去されるので、ポツポツ音の発生を確実に防ぐことができる。
【0052】
以上の記述から明らかなとおり、本発明の実施形態1による音声多重放送受信装置100では、ノイズ除去フィルタ140が、NICAM信号NCMの表す3個の連続したサンプルのそれぞれの示す値を比較して、最大値と最小値との間の値、すなわち中央値を示すサンプルを選択する。それにより、NICAM信号NCMから上記の異常なサンプルが除去されるので、ポツポツ音の発生が防止される。また、NICAM信号がデータ・チャンネルを含む場合で、かつエラーレートがゼロである場合に、第二の切換回路150が、ノイズ除去フィルタ140の出力FNMに代えて復調部112の出力NCMを選択する。従って、ノイズ除去フィルタ140の設置に起因するデータ・チャンネルの内容の変更が回避される。
【0054】
(A)上記の実施形態では、音声多重信号SIFは、FM信号が重畳されたプライマリ・キャリアをアナログ音声信号として含む。その他に、音声多重信号SIFは、AM信号が重畳されたプライマリ・キャリアをアナログ音声信号として含んでもよい。その場合、音声多重放送受信装置100は、FM信号復調回路120に代えて、AM信号復調回路を含む。AM信号復調回路は、プライマリ・キャリアからAM信号を復調して、デジタル化して第一の切換回路130へ出力する。第一の切換回路130は、エラーレート検出信号DERがアクティブである場合にAM信号復調回路の出力を選択する。それにより、エラーレートが閾値を超えた場合には、NICAM信号が、デジタル化されたAM信号に自動的に切り換えられる。
【0055】
(B)復調部112は、NICAM信号の704ビット領域302の各小領域に配置された10ビットのデータから13ビットのサンプルを復元する。その他に、復調部は、復元されるサンプル一つ当たりのビット数を、13ビットよりも大きい値、例えば24ビットに増やしてもよい。その値は、FM信号復調回路120から出力されるデジタルFM信号FMSのデータ単位のビット数に等しい。その場合、第一の切換回路130が構成しやすい。
【0056】
(C)
図5に示されているノイズ除去フィルタ140は、DFFを奇数個含む。その他に、ノイズ除去フィルタはDFFを偶数個含んでもよい。
図8は、偶数個のDFFを含むノイズ除去フィルタ800の機能ブロック図である。
図8を参照するに、ノイズ除去フィルタ800はサンプル保持部810とサンプル選択部820とを含む。サンプル保持部810は四つのDFF811、812、813、814の直列接続を含む。各DFF811−814は、NICAM信号NCMの表すサンプル列のうち、4個の連続したサンプルを一つずつ保持する。サンプル選択部720は、連続したサンプルのそれぞれの示す値SM1、SM2、SM3=SM4、SM5を比較し、最大値と最小値との間の値を示すサンプルFNMを一つ選択する。サンプル選択部820は特に、第三DFF813に保持された一つのサンプルが示す値を、二つの異なるサンプルが示す値の対SM3、SM4として扱う。その場合、サンプル選択部520によってサンプル保持部510から読み込まれる値は5種類である。サンプル選択部520は、第三DFF813に保持されたサンプルの示す値と、第四DFF814に保持されたサンプルの示す値との平均値を、新たなサンプルの示す値とみなす等、その他の重み付けによって、四つのDFF811−814に保持される四つのサンプルの示す値を5種類の値に読み換えてもよい。サンプル選択部520は、それら5種類の値から、最大値と最小値とを除去する操作を繰り返す。その結果、最後に残った一つの値を示すサンプルFNMが選択されて、第二の切換回路150へ出力される。こうして、DFFが偶数個であっても、ノイズ除去フィルタ800は、中央値を示すサンプルを一つ選択することができる。
【0057】
(D)
図5に示されているノイズ除去フィルタ140は、連続したサンプルを保持する。その他に、ノイズ除去フィルタは、サンプルを例えば一つおきに保持してもよい。また、
図5に示されているノイズ除去フィルタ140は、保持される奇数個のサンプルのうち、中央値を示すものを選択する。その他に、例えば保持されるサンプルの数が5である場合に、2番目に大きい値を選択する等、最大値、最小値、及び中央値のいずれとも異なる値が選択されてもよい。ノイズ除去フィルタは更に、移動平均法、すなわち、一つのサンプルの示す値を、その前後のサンプルの示す値の平均値で置き換える方法等で、保持されるサンプルの中から、最も大きく外れた値を示すサンプルを計算で求めて破棄してもよい。但し、
図5に示されているノイズ除去フィルタ140によるサンプルの選択では、サンプル列の表す音声の波形が歪みにくく、特にエッジが維持される。従って、音声の周波数特性が変わらないので、音質をより高く維持することができる。
【0058】
(E)
図1に示されている音声多重放送受信装置100では、データ・チャンネル検出部111がデータ・チャンネル検出信号DDTを直に制御し、エラーレート計測部113がエラーレート検出信号DERを直に制御する。その他に、それら二つの検出信号DDT、DERがNICAM信号復調回路110とは別の回路で制御されてもよい。
【0059】
図9は、音声多重放送受信装置の変形例の機能ブロック図である。
図9を参照するに、この音声多重放送受信装置900は、
図1に示されているもの100とは、データ・チャンネル検出部111とエラーレート計測部113とに代えて制御回路910がデータ・チャンネル検出信号DDTとエラーレート検出信号DERとを制御する点が異なる。その他の要素については、
図9に示されている音声多重放送受信装置900は、
図1に示されているもの100と同様である。従って、それら同様な要素に対しては、
図1に示されている符号と同じ符号を付し、詳細は上記の説明を援用する。
【0060】
データ・チャンネル検出部901は、音声多重信号SIFのうち、NICAM信号の各3ビット領域C1、C2、C3の示す値CCCを抽出して制御回路910へ渡す。エラーレート計測部902は、音声多重信号SIFのうち、NICAM信号の各704ビット領域302から単位時間当たりに検出される誤りビットの数をエラーレートERRとして計測し、そのエラーレートERRを制御回路910へ通知する。制御回路910は、3ビット領域C1、C2、C3の示す値CCCから、同じフレーム内の704ビット領域302がデータ・チャンネルを含むか否かを識別する。その704ビット領域302がデータ・チャンネルを含むことが検出され、かつエラーレートERRがゼロである場合、制御回路910はデータ・チャンネル検出信号DDTをアクティブにする。一方、制御回路910はエラーレートを第一の閾値又は第二の閾値と比較する。エラーレート検出信号DERがアクティブではない期間にエラーレートが第一の閾値を超えた場合、制御回路910はエラーレート検出信号DERをアクティブにする。エラーレート検出信号DERがアクティブである期間にエラーレートが第二の閾値を下回った場合、制御回路910はエラーレート検出信号DERを、アクティブでない状態にする。このように、制御回路910は、
図6、
図7に示されている判断に従って各検出信号DDT、DERを制御する。
【0061】
制御回路910は、音声多重放送受信装置900内の他の要素と共に一つのチップに実装されている。その他に、制御回路910が別のチップに分離されていてもよい。また、制御回路910は専用のハードウェアとして構成される。その他に、汎用のプロセッサにソフトウェアで制御回路910としての上記の機能を実現させてもよい。
【0063】
図10は、本発明の実施形態2によるテレビ放送受信システムの機能ブロック図である。このテレビ放送受信システム1000は、外部のアンテナ又はケーブルからテレビ放送波TVWを受信して、そのテレビ放送波TVWから所望の番組の映像信号VSと音声信号ASとを分離する。映像信号VSは映像ドライバ1010へ送出される。映像ドライバ1010は映像信号VSに従って表示パネル1011を駆動する。表示パネル1011は、例えば、液晶パネル、有機ELパネル、又はプラズマ・ディスプレイであり、映像信号VSの表す映像を画面に再現する。一方、音声信号ASは音声ドライバ1012へ送出される。音声ドライバ1012は音声信号ASに従って音声出力機1013を駆動する。音声出力機1013は、例えばスピーカ又はヘッドフォンである。音声出力機1013がスピーカである場合、音声ドライバ1012はPWMアンプ又はDクラス・アンプである。音声出力機1013がヘッドフォンである場合、音声ドライバ1012はD/Aコンバータと大電流ドライブ回路とから構成される。
【0064】
図10を参照するに、テレビ放送受信システム1000は、チューナー1001、VIF/SIF回路1002、デジタル放送受信回路1003、アナログ放送映像受信回路1004、音声多重放送受信装置100、デジタル放送復調回路1005、映像セレクタ1006、音声セレクタ1007、映像信号処理回路1008、及び音声信号処理回路1009を含む。テレビ放送受信システム1000は、1チップのシステムLSIとして構成されている。その他に、複数のチップから構成されていてもよい。
【0065】
チューナー1001は、テレビ放送波TVWから所望のチャンネル信号CHSを抽出して、VIF/SIF回路1002とデジタル放送受信回路1003とに渡す。チューナー1001は更に、チャンネル信号CHSがアナログ放送の番組を表す場合には放送識別信号BSLをアクティブにし、デジタル放送の番組を表す場合には放送識別信号BSLをアクティブにしない。VIF/SIF回路1002は、チューナー1001から渡されたチャンネル信号CHSをVIF(映像中間周波)信号VIFとSIF(音声中間周波)信号SIFとに分離する。VIF信号VIFは、コンポジット信号とも呼ばれるアナログ映像信号であり、PAL、NTSC、SECAM、PAL−M、又はPAL−N等の方式で符号化されている。SIF信号SIFは、実施形態1による音声多重信号SIFと同等な信号である。VIF信号VIFはアナログ放送映像受信回路1004へ送出され、SIF信号SIFは音声多重放送受信装置100へ送出される。デジタル放送受信回路1003は、チューナー1001から渡されたチャンネル信号CHSからデジタル放送波DBSを抽出してデジタル放送復調回路1005へ渡す。アナログ放送映像受信回路1004はVIF信号VIFをYUV形式又はRGB形式のデジタル映像信号AVSに復調して出力する。音声多重放送受信装置100は、
図1に示されている実施形態1によるもの100と同様な要素を含み、それらを利用して音声多重信号SIFをデジタル音声信号SSGに変換して出力する。従って、
図10では、それら同様な要素に対して、
図1に示されている符号と同じ符号を付す。更に、それら同様な要素の詳細は、実施形態1についての説明を援用する。デジタル放送復調回路1005は、デジタル放送受信回路1003から渡されたデジタル放送波DBSをデジタル映像信号DVSとデジタル音声信号DSSとに分離して出力する。
【0066】
映像セレクタ1006は、放送識別信号BSLに従って、アナログ放送映像受信回路1004から出力されたデジタル映像信号AVSと、デジタル放送復調回路1005から出力されたデジタル映像信号DVSとのいずれかを選択して映像信号処理回路1008へ渡す。音声セレクタ1007は、放送識別信号BSLに従って、音声多重放送受信装置100から出力されたデジタル音声信号SSGと、デジタル放送復調回路1005から出力されたデジタル音声信号DSSとのいずれかを選択して音声信号処理回路1009へ渡す。アナログ放送の受信時には放送識別信号BSLがアクティブであるので、映像セレクタ1006は、アナログ放送映像受信回路1004から出力されたデジタル映像信号AVSを選択し、音声セレクタ1007は、音声多重放送受信装置100から出力されたデジタル音声信号SSGを選択する。デジタル放送の受信時には放送識別信号BSLがアクティブではないので、映像セレクタ1006と音声セレクタ1007とはいずれも、デジタル放送復調回路1005から出力された信号DVS、DSSを選択する。
【0067】
映像信号処理回路1008は、映像セレクタ1006によって選択されたデジタル映像信号に対して、インタレース/プログレッシブ変換、リサイズ等の処理を行う。それにより、デジタル映像信号が、表示パネル1011での表示に適した映像を表すものに変換される。音声信号処理回路1009は、通常、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)で構成される。DSPは、ソフトウェアで制御されるプロセッサである。音声信号処理回路1009は、音声セレクタ1007によって選択されたデジタル音声信号に対して、サンプリング・レートの変換、映像信号との同期化(リップシンク)、ボリューム調整、トーン調整等の処理を行う。
【0068】
本発明の実施形態2によるテレビ放送受信システム1000は、
図10に示されているとおり、本発明の実施形態1による音声多重放送受信装置100を搭載している。それにより、このテレビ放送受信システム1000は、アナログ放送の受信時において、音声出力機1013から再生される音からポツポツ音を除去することができる。また、NICAM信号がデータ・チャンネルを含む場合、第二の切換回路150が、ノイズ除去フィルタ140の出力FNMに代えて復調部112の出力NCMを選択する。従って、ノイズ除去フィルタ140の設置にかかわらず、データ・チャンネルの内容は変更されない。
【0070】
本発明の実施形態2によるテレビ放送受信システム1000では、音声多重放送受信装置100がノイズ除去フィルタ140を含む。その他に、音声信号処理回路がノイズ除去フィルタを含んでもよい。
図11は、本発明の実施形態3によるテレビ放送受信システムの機能ブロック図である。このテレビ放送受信システム1100は、
図10に示されているもの1000とは、ノイズ除去フィルタ140と第二の切換回路151とが音声多重放送受信装置100に代えて音声信号処理回路1109に設置されている点で異なる。その他の要素は同様であるので、
図11ではそれら同様な要素に対して、
図10に示されている符号と同じ符号を付す。更に、それら同様な要素の詳細は、実施形態2についての説明を援用する。
【0071】
図11を参照するに、音声多重放送受信装置1110は、
図1に示されているもの100とは異なり、ノイズ除去フィルタと第二の切換回路とを含まない。従って、NICAM信号復調回路110の出力NCMは直接、第一の切換回路130に渡される。一方、音声信号処理回路1120は、ノイズ除去フィルタ140、第二の切換回路151、及び処理部1121を含む。
【0072】
ノイズ除去フィルタ140は、
図5に示されている構成を含む。音声セレクタ1007によって選択されたデジタル音声信号DSGがNICAM信号NCMである場合、ノイズ除去フィルタ140は、そのNICAM信号NCMの表す3個の連続したサンプルのそれぞれの示す値を比較して、中央値を示すサンプルFNMを一つ選択する。その結果、NICAM信号NCMから異常なサンプルが除去されるので、ポツポツ音の発生が防止される。
【0073】
第二の切換回路151は、チューナー1001から放送識別信号BSLを受信し、放送識別信号BSLがアクティブでない場合には、音声セレクタ1007から出力されたデジタル音声信号DSGを選択して処理部1121へ渡す。デジタル放送の受信時には、音声セレクタ1007によって選択された信号DSGは、デジタル放送復調回路1005から出力されたデジタル音声信号DSSであるので、第二の切換回路151によって選択された信号もそのデジタル音声信号DSSである。一方、放送識別信号BSLがアクティブである場合、第二の切換回路151は、エラーレート検出信号DERとデータ・チャンネル検出信号DDTとの各状態に応じて信号を選択して処理部1121へ渡す。具体的には、エラーレート検出信号DERがアクティブである場合、第二の切換回路151は、音声セレクタ1007から出力されたデジタル音声信号DSGを選択する。その場合、音声セレクタ1007によって選択された信号DSGは、FM信号復調回路120から出力されたデジタルFM信号FMSであるので、第二の切換回路151によって選択された信号もそのデジタルFM信号FMSである。エラーレート検出信号DERがアクティブでない場合、第二の切換回路151は更にデータ・チャンネル検出信号DDTの状態をチェックする。データ・チャンネル検出信号DDTがアクティブである場合、第二の切換回路151は、音声セレクタ1007から出力されたデジタル音声信号DSGを選択し、アクティブでない場合、ノイズ除去フィルタ140から出力されたNICAM信号FNMを選択する。それにより、NICAM信号の704ビット領域302がデータ・チャンネルを含む場合には、そのNICAM信号NCMがノイズ除去フィルタ140をバイパスして第二の切換回路151に入力される。従って、データ・チャンネルがノイズ除去フィルタ140の処理を受けない。一方、NICAM信号の704ビット領域302がデータ・チャンネルを含まない場合、すなわち音声チャンネルのみを含む場合には、そのNICAM信号NCMがノイズ除去フィルタ140で処理されて、その後、第二の切換回路151に入力される。従って、実施形態1と同様に、音声チャンネルに含まれる異常なサンプルがノイズ除去フィルタ140によって除去される。
【0074】
処理部1121は、第二の切換回路151から出力されたデジタル音声信号に対して、サンプリング・レートの変換、映像信号との同期化(リップシンク)、ボリューム調整、トーン調整等の処理を行う。処理後の音声信号ASは、処理部1121から音声ドライバ1012へ送出される。
【0075】
本発明の実施形態3によるテレビ放送受信システム1100は、
図11に示されているとおり、音声信号処理回路1120がノイズ除去フィルタを搭載している。それにより、このテレビ放送受信システム1100は、アナログ放送の受信時において、音声出力機1013から再生される音からポツポツ音を除去することができる。また、NICAM信号がデータ・チャンネルを含む場合、第二の切換回路151が、ノイズ除去フィルタ140の出力FNMに代えて音声セレクタ1007の出力DSGを選択する。従って、ノイズ除去フィルタ140の設置にかかわらず、データ・チャンネルの内容は変更されない。
【0077】
本発明による実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。これらの変形も、本発明の技術的範囲内に包含されるものであることは明らかである。
【0078】
図10、
図11には、NICAM方式による音声多重信号の処理系統のみが示されている。しかし、上記のテレビ放送受信システムは、その処理系統とパラレルに、EIAJ方式、A2−Korea方式、BTSC方式、又は他のA2方式等による音声多重信号の処理系統を更に備えていてもよい。
【0079】
本発明の実施形態1による音声多重放送受信装置100、及び実施形態2、3によるテレビ放送受信システム1000、1100はいずれも、典型的には一つのLSIで実現される。これらの全体が一つのチップに集積化されてもよいし、一部が異なるチップに集積化されてもよい。ここでは、LSIと総称したが、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称を使い分けることもある。また、集積化はLSIに限らず、専用回路、汎用プロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はリコンフィギュラブル・プロセッサで実現されてもよい。FPGAは、製造後にプログラムすることが可能なLSIであり、リコンフィギュラブル・プロセッサは、内部の回路セルの接続及び設定を再構成可能なLSIである。その他にも、半導体技術の進歩、又は派生する別の技術により、LSIに代わる集積化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。そのような技術としては、バイオ技術等があり得る。
【0080】
本発明の実施形態1による音声多重放送受信装置100の機能、又は実施形態2、3によるテレビ放送受信システム1000、1100の機能の一部又は全てが、CPU等のプロセッサに所定のプログラムを実行させることによって実現されてもよい。その場合、本発明はそのプログラムとして実施されてもよい。そのプログラムは、DVD若しくは半導体メモリ等の記録媒体に記録された状態で、又は、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができる。