特許第5702442号(P5702442)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5702442ミラー効果を有する外装フィルム及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5702442
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】ミラー効果を有する外装フィルム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/36 20060101AFI20150326BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20150326BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20150326BHJP
   C09J 7/02 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   B32B27/36
   B32B27/00 M
   B32B17/10
   C09J7/02 Z
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-131508(P2013-131508)
(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公開番号】特開2014-4834(P2014-4834A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2013年6月24日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0067074
(32)【優先日】2012年6月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】シン ジウォン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ソクジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ヒュンギ
【審査官】 岸 進
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−031937(JP,U)
【文献】 国際公開第2007/020861(WO,A1)
【文献】 特開2002−355933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C09J 7/00− 7/04
C03C15/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤、PETフィルムの第1基材層、印刷、非導電性ミラーPETフィルムの第基材、飛散防止用フィルム基材層の順に積層される外装フィルムであって、
前記第1基材層の第1面に前記粘着剤が塗布され、
前記第1基材層の第2面に前記印刷層が形成され、前記印刷層が接着剤によって前記第2基材層に接着されるか、または前記第2基材層に前記印刷層が形成され、前記印刷層が接着剤によって前記第1基材層に接着され、
前記第2基材層が接着剤によって前記第3基材層に接着され
外装フィルムは、前記粘着剤によりガラスパネルに取り付けられミラー効果を発生することを特徴とする外装フィルム。
【請求項2】
前記PETフィルムは、光透過率の高い光学用PETフィルムであることを特徴とする、請求項記載の外装フィルム。
【請求項3】
前記非導電性ミラーPETフィルムは、屈折率と厚さが異なる複数のポリマー層から構成されることを特徴とする、請求項1記載の外装フィルム。
【請求項4】
前記印刷層は、マイクログラビア方式から形成されることを特徴とする、請求項1記載の外装フィルム。
【請求項5】
前記粘着剤は、光学的透明接着剤(OCA)が使用されることを特徴とする、請求項1記載の外装フィルム。
【請求項6】
前記粘着体の上に接着される保護フィルムをさらに含み、
前記保護フィルムは、外装フィルムを前記ガラスパネルに付着する工程で前記粘着剤から分離されることを特徴とする、請求項1記載の外装フィルム。
【請求項7】
前記粘着剤は両面テープを含み、前記両面テープの片側は、前記保護フィルムが付着され、他方は、前記OCAが塗布されることを特徴とする、請求項記載の外装フィルム。
【請求項8】
前記飛散防止用フィルムは、PEフィルム又はPVCフィルムのいずれか1つであることを特徴とする、請求項1記載の外装フィルム。
【請求項9】
前記外装フィルムは、ロールタイプであることを特徴とする、 請求項1乃至請求項のいずれか一項記載の外装フィルム。
【請求項10】
PETフィルムの第1基材層の片面に印刷層を形成する段階と、
前記印刷層の片面に接着剤を塗布する段階と、
前記印刷層に塗布された接着剤を用いて、非導電性ミラーPETフィルムである第2基材層を前記印刷層に接着する段階と、
前記第2基材層の片面に接着剤を塗布する段階と、
前記第2基材層に塗布された接着剤を用いて、飛散防止用フィルムの第3基材層を前記第2基材層に接着する段階と、
光透過率の高い粘着剤が塗布された保護フィルムを前記第1基材層の他の面に接着する段階を含む外装フィルムを製造する方法。
【請求項11】
非導電性ミラーPETフィルムの第2基材層の片面に印刷層を形成する段階と、
前記印刷層の片面に接着剤を塗布する段階と、
前記印刷層に塗布された接着剤を用いて、PETフィルムの第1基材層を前記印刷層に接着する段階と、
前記第2基材層の他の面に接着剤を塗布する段階と、
前記第2基材層に塗布された接着剤を用いて、飛散防止用フィルムの第3基材層を前記第2基材層に接着する段階と、
光透過率の高い粘着剤が塗布された保護フィルムを前記第1基材層に接着する段階を含む外装フィルムを製造する方法。
【請求項12】
ガラスパネルと、外装フィルムを含む外装パネルであって、
前記外装フィルムは、粘着剤、PETフィルムの第1基材層、印刷層、非導電性ミラーPETフィルムの第2基材層、飛散防止用フィルムの第3基材層の順に積層され、
前記第1基材層の第1面に前記粘着剤が塗布され、
前記第1基材層の第2面に前記印刷層が形成され、前記印刷着剤によって前記第2基材層に接着されるか、または前記第2基材層に前記印刷層が形成され、前記印刷層が接着剤によって前記第1基材層に接着され、
前記第2基材層が接着剤によって前記第3基材層に接着され、
前記外装フィルムは、前記粘着剤により前記ガラスパネルに付着されミラー効果を発生させることを特徴とする外装パネル。
【請求項13】
前記非導電性ミラーPETフィルムは、屈折率と厚さが互いに異なる複数のポリマー層を含むことを特徴とする、請求項12記載の外装パネル。
【請求項14】
前記印刷層は、マイクログラビア方式で形成されることを特徴とする、請求項12記載の外装パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などのような様々な家電機器の外装パネルなどに使用されるミラー効果を有する外装フィルム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に冷蔵庫、エアコン、洗濯機、調理機器、空気調和機、食器洗浄機などのような様々な種類の家電機器には、鋼板やプラスチックなどで本体またはドアが使用される。前記本体やドアの前面には、様々な色感、質感、柄などを示すことができる外装パネルが設置することができる。
【0003】
家電機器の固有の機能に以外にも家電機器の外観とデザインが消費者の購買決定に重要な要素になることがある。例えば、冷蔵庫などのような家電機器の外装パネルにミラー(Mirror)の効果を与えるためにガラスの背面にニッケル(Ni)を直接蒸着することがある。
【0004】
図1及び図2は、従来、外装パネルの積層構造と製造工程を示したもので、白いガラスより価格が安い利点を有している青ガラス10の下面にニッケル(Ni)を直接蒸着し(S10)、前記ニッケル(Ni)が蒸着されたNi蒸着層11の下面にシルクスクリーン(Silk Screen)方式を用いて印刷層12を形成する(S11)。そして、前記印刷層12の下面に接着剤13を用いてPVC素材の基材層14を接着して(S12)、ミラー効果を与える外装パネルを完成する(S13)。
【0005】
しかし、前記のように青ガラス10の下面にニッケル(Ni)を直接蒸着する場合には、Ni蒸着過程で不良率が相対的に高く、また、製造工程が非連続的なバッチタイプ(Batch Type)であるため、生産性が低く、製造コストが上昇する問題がある。
【0006】
さらに、前記のように青ガラス10の下面にニッケル(Ni)を直接蒸着する場合外装パネルの全面積がすべて導電性を有するため、例えば、図3に示すように、ユーザーが手で接触(Touch)する操作部分(図3のB)が装着される一部領域を除去して、ユーザーの接触によって誤動作が発生しないようにしなければならないので、作業工程が複雑になり生産性が低下する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、外装パネルの製造工程をさらに効率化及び簡素化し、生産性を向上させるミラー効果を有する外装フィルム及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の外装フィルムは、印刷層と、非導電性ミラーPETフィルムの第1基材層と、飛散防止用フィルムであり、接着剤によって前記第1基材層に接着される第2基材層と、粘着剤を含み、前記印刷層、第1基材層と第2基材層の順に積層され、外装フィルムは、前記粘着剤でガラスパネルに付着されミラー効果を発生させることを特徴とする。
【0009】
一実施態様では、前記外装フィルムは、PETフィルムの第3基材層をさらに含み、前記第3基材層の第1面に、前記印刷層が形成され、前記第3基材層の第2面に前記粘着剤が塗布され、前記印刷層の片面に接着剤が塗布されて前記印刷層が前記第1基材層に接着することができる。
【0010】
一実施態様では、前記外装フィルムは、PETフィルムの第3基材層をさらに含み、前記第3基材層の第1面に前記粘着剤が塗布され、前記印刷層が片面に形成された第1基材層と前記第3基材層は、接着剤で接着することができる。
【0011】
一実施形態では、前記PETフィルムは、光透過率の高い光学用PETフィルムで有り得る。
【0012】
一実施態様では、前記非導電性ミラーPETフィルムは、屈折率と厚さが互いに異なる複数のポリマー層から構成することができる。
【0013】
一実施形態では、前記印刷層は、マイクログラビア方式で形成することができる。
【0014】
一実施形態では、前記粘着剤は、光学用透明接着剤(OCA)で有り得る。
【0015】
一実施態様では、前記外装フィルムは、前記粘着体の上に接着される保護フィルムをさらに含みから構成され、前記保護フィルムは、前記外装フィルムを前記ガラスパネルに付着する工程で前記粘着剤から分離することができる。
【0016】
一実施形態では、前記粘着剤は両面テープの形であり、前記両面テープの片側は、前記保護フィルムが付着され、他方は、前記OCAが塗布されることがある。
【0017】
一実施態様では、前記飛散防止用フィルムは、PEフィルム又はPVCフィルムのいずれか1つで有り得る。
【0018】
一実施態様では、前記外装フィルムは、ロールタイプで有り得る。
【0019】
本発明の他の実施形態に係る外装フィルムを製造する方法は、非導電性ミラーPETフィルムの第1基材層の片面に印刷層を形成する段階と、前記第1基材層の他の面に接着剤を塗布する段階と、前記第1基材層に塗布された接着剤を使用し、飛散防止用フィルムの第2基材層を前記第1基材層に接着する段階と、光透過率の高い粘着剤が塗布された保護フィルムを、前記印刷層に接着する段階を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態に係る外装フィルムを製造する方法は、PETフィルムの第1基材層の片面に印刷層を形成する段階と、前記印刷層の片面に接着剤を塗布する段階と、前記印刷層に塗布された接着剤を用いて、非導電性ミラーPETフィルムである第2基材層を前記印刷層に接着する段階と、前記第2基材層の片面に接着剤を塗布する段階と、前記第2基材層に塗布された接着剤を用いて、飛散防止用フィルムの第3基材層を前記第2基材層に接着する段階と、光透過率の高い粘着剤が塗布された保護フィルムを前記第1基材層の他の面に接着する段階を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態に係る外装フィルムを製造する方法は、非導電性ミラーPETフィルムの第2基材層の片面に印刷層を形成する段階と、前記印刷層の片面に接着剤を塗布する段階と、前記印刷層に塗布された接着剤を使用し、PETフィルムの第1基材層を前記印刷層に接着する段階と、前記第2基材層の他の面に接着剤を塗布する段階と、前記第2基材層に塗布された接着剤を用いて、飛散防止用フィルムの第3基材層を前記第2基材層に接着する段階と、光透過率の高い粘着剤が塗布された保護フィルムを前記第1基材層に接着する段階を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態に係る外装パネルは、ガラスパネルと、外装フィルムを含み、前記外装フィルムは、印刷層と、非導電性ミラーPETフィルムの第1基材層と、飛散防止用フィルムであり、接着剤によって前記第1基材層に接着される第2基材層と、粘着剤を含み、前記印刷層、第1基材層と第2基材層の順に積層され、前記外装フィルムは、前記粘着剤により前記ガラスパネルに付着されミラー効果を発生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、非導電性ミラー PET(Mirror PET)フィルムの基材層が積層されたロール(Roll)タイプの外装フィルムを使用するために、青ガラスの下面にニッケル(Ni)を直接蒸着する必要がなく、不良率を減らすことができるようになる。
【0024】
また、連続的なロールタイプ(Roll Type)の製造工程により生産性を向上させることができるようになる。
【0025】
また、外装パネルの全面積が、全て非導電性を有するため、ユーザーが手で接触する操作部分が装着される一部の領域を別に除去する必要がないため、作業工程の効率化及び簡素化し、生産性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一般的な家電機器の外装パネルの積層構造を示す図である。
図2】一般的な家電機器の外装パネルを製造する工程のフローチャートである。
図3図1の外装パネルの一部の領域を除去する例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る外装フィルムの積層構造を示す図である。
図5】本発明に適用される非導電性ミラーPETフィルムの周波数対比、反射率の特徴を示した図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る外装フィルムの製造工程のフロー図を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る外装フィルムの製造工程のフロー図を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る外装フィルムの積層構造を示す図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る外装フィルムの製造工程のフロー図を示す図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る外装フィルムの積層構造を示す図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る外装フィルムの製造工程のフロー図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では添付した図面を参照にして本発明に係るミラー効果を有する外装フィルムの好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0028】
図4は本発明の第1実施形態に係る外装フィルムの積層構造を図示したもので、例えば、冷蔵庫などのような家電機器の外装パネルには、ガラス10が使用されることがあるが、例えば、前記ガラス10には、白いガラスや白いガラスより低価格の利点を有している青ガラスが使用することができる。
【0029】
そして、前記の青ガラス10の背面には、保護フィルム200が除去された外装フィルム20aが粘着剤201によって付着されミラー効果(Mirror Effect)を形成することになるが、図4に示すように、本発明の第1実施形態に係る外装フィルム20は、保護フィルム200、粘着剤201、印刷層202、第1基材層203、接着剤204と、第2基材層205が積層される構造を有する。
【0030】
前記の保護フィルム200は、外装フィルムをロールタイプ(Roll Type)に保管するために、前記粘着剤201の上に付着される単純なカバーフィルム(Cover Film)として、青ガラス10の背面に外装フィルム20aを付着するロールツーロール(Roll To Roll)タイプの製造工程により連続的に分離される。
【0031】
そして、前記粘着剤201は、前記の青ガラス10の背面に外装フィルム20aを粘着させるために、前記印刷層202の上に塗布されるもので、光学的透過率が高く、かつロール(Roll)タイプを有する粘着剤、例えば光学透明両面テープである光学的透明接着材(OCA:Optical Clear Adhesive)を使用することができるが、前記光学透明両面テープの片面には前記保護フィルム200が付着され、その反対面には、光透過率が高い粘着剤が塗布されている構造を有し得る。
【0032】
また、前記印刷層202は、第1基材層203の上にグラビア(Gravure)方式で印刷されて外装パネルの色(Color)をデザインすることになることで、さらに高級な色をデザインするために一般的なグラビア方式より印刷密度の高いマイクログラビア(Micro Gravure)方式を適用することができる。
【0033】
前記第1基材層203は、青ガラスの背面にニッケル(Ni)を直接蒸着しなくても、ミラー効果を有すると同時に、非導電性の特性を有するロールタイプのフィルムとして、非導電性ミラー(Mirror)PET(Polyethylen Terephthalate)フィルムを使用することができる。
【0034】
図5に示すように、前記非導電性ミラーPETフィルムは、屈折率(n)と厚さ(d)が異なる複数のポリマー(Polymer)層が積層されミラー効果と非導電性の特性を同時に有するようになることで、可視光領域の波長帯域は、ほぼ全反射され、それ以外の波長帯域は吸収されるので、ミラー効果を有することができるようになる。
【0035】
そして、前記積層されたポリマー層の屈折率(n)と厚さ(d)にしたがって反射する波長(nm)が異なるようになるため、図5に示すように、反射率や色を調整することができる。
【0036】
前記第1基材層203の下面には、前記第2基材層205が接着剤204によって接着され、前記第2基材層205は、上方に積層されたフィルムを保護し、ガラスが割れた後にもフィルムに附いているようにするための飛散防止用フィルムとして、PE(Polyethylen)またはPVC(Poly Vinyl Chloride)フィルムのいずれか1つを使用することができる。
【0037】
図6及び図7は、本発明の第1実施形態に係る外装フィルムを製造する工程を示したもので、前述したように、ミラー効果と非導電性の特性を同時に有する非導電性ミラーPET(Mirror PET)フィルムの第1基材層203の上面にマイクログラビア(Micro Gravure)方式で印刷層202を形成し(S20)高級な色をデザインすることになる。
【0038】
そして、前記第1基材層203の下面に接着剤204を塗布した後、飛散防止用フィルムのPEフィルム又はPVCフィルムのいずれか1つの第2基材層205を接着することになる(S21)。
【0039】
また、前記印刷層202の上面に光学的透過率が高く、かつロール(Roll)タイプを有する光学透明両面テープであるOCA、例えば、一方の面には保護フィルム200が付着され、その反対面には、光透過率の高い粘着剤が塗布されている光学透明両面テープを、前記印刷層の上面に接着し(S22)、ロールタイプの外装フィルム20を完成することになる(S23)。
【0040】
すなわち、本発明の第1実施形態に係る外装フィルム20は、図7に示すように、連続的なロールツーロール(Roll To Roll)の製造工程により製造されることで、非導電性ミラーPET(Mirror PET)フィルムの上面にマイクログラビア(Micro Gravure)方式で多段階を経て印刷層を形成することになる。
【0041】
そして、前記印刷層が形成された非導電性ミラーPETフィルムの下面に接着剤を塗布してPVCフィルムやPEフィルムを接着した後、乾燥工程を経て、その後の光透過率の高い粘着体が塗布された保護フィルムを印刷層の上面に接着して、外装フィルムを完成することになる。
【0042】
前記外装フィルムが付着する青ガラスは、図7に示すように、洗浄と乾燥、及び整列などのプリプロセスを経て、その後外装フィルム20の最上層に付着している保護フィルムが分離され、前記青ガラスの背面に外装フィルム20aが接着される簡単な製造工程を経て、外装パネルを連続的に生産する。
【0043】
したがって、本発明の第1実施形態によれば、青ガラスの背面にニッケル(Ni)を直接蒸着する過程を削除するとともに、不連続的なバッチタイプの製造工程ではなく、連続的なロールタイプの製造工程を経て製造されるので、不良率を減少し生産性の向上を図ることができるようになる。
【0044】
また、外装パネルが非導電性を有するため、ユーザーが手で接触する操作部分が装着される一部領域を別に除去しなくでもかまわない利点がある。
【0045】
図8は、本発明の第2実施形態に係る外装フィルムの積層構造を示したものである。
【0046】
図8に示すように、本発明の第2実施形態に係る外装フィルム30には、保護フィルム300、粘着剤301、第1基材層02、印刷層303、接着剤304、第2基材層05、接着剤306、そして第3基材層307が積層される構造を有する。
【0047】
図8の第2実施形態に係る外装フィルムで、保護フィルム300、粘着剤301、印刷層303、第2基材層05、接着剤306、そして第3基材層307は、図4の第1実施形態と同じように形成できる。
【0048】
前記第1基材層302は、ロールタイプのPET(PET)フィルムとして光透過率の高い光学用PET(Optical PET)フィルムを使用することができ、前記第1基材層302の下面には、印刷層303がグラビア方式で印刷され外装パネルの色をデザインすることになる。
【0049】
そして、前記印刷層303の下面は、接着剤304により、第2基材層305が接着され、前記第2基材層305は、第1実施形態の第1基材層203と同じ材質のロールタイプのフィルムとして、非導電性ミラーPET(Mirror PET)フィルムが使用される。
【0050】
また、前記第3基材層307は、第1実施形態の第2基材層205のようにPEフィルム又はPVCフィルムのいずれか1つを使用することができる。
【0051】
図9は、本発明の第2実施形態に係る外装フィルムを製造する工程を示したもので、前述のように、ロールタイプのPETフィルムの第1基材層302の下面にマイクログラビア(Micro Gravure)方式で印刷層303を形成し(S30)高級な色をデザインすることができる。
【0052】
そして、前記印刷層303の下面に接着剤304を塗布した後、ミラー効果と非導電性の特性を同時に有する非導電性ミラーPET(Mirror PET)フィルムの第2基材層305を接着し(S31)、前記第2基材層305の下面に接着剤306を塗布した後、飛散防止用フィルムのPEフィルム又はPVCフィルムのいずれか1つの第3基材層307を接着する(S32)。
【0053】
また、前記第1基材層302の上面に光学的透過率が高く、かつロールタイプを有する光学透明両面テープであるOCAを前記第1基材層302の上面に接着し(S33)、ロールタイプの外装フィルム30を完成する(S34)。
【0054】
本発明の第2実施形態に係れば、非導電性ミラーPET(Mirror PET)フィルム上に積層されたPETフィルムの第1基材層302の下面に印刷層303を形成することにより、粘着剤301と印刷層303が互いに接触しないようにして、化学反応により脱色現象などが発生する可能性を減らすか、根本的に防止することができる。
【0055】
図10は、本発明の第3実施形態に係る外装フィルムの積層構造を示したものである。
【0056】
本発明の第3実施形態に係る外装フィルム40には、保護フィルム400、粘着剤401、第1基材層402、接着剤403、印刷層404、第2基材層405、接着剤406、そして第3基材層407が積層される構造を有する。
【0057】
図10の第3実施形態に係る外装フィルムで、保護フィルム400、粘着剤401、印刷層404、第2基材層405、接着剤406、そして第3基材層407は、第1実施形態と同じであり、前記第2基材層405、接着剤406及び第3基材層407は、第2実施形態の第2基材層305、接着剤306と第3基材層307とも同じである。
【0058】
前記第1基材層402は、ロールタイプのPETフィルムとして光透過率の高い光学用PET(Optical PET)フィルムを使用することができ、前記第1基材層402の下面には、印刷層404が形成された第2基材層405が接着剤403によって接着される。
【0059】
図11は、本発明の第3実施形態に係る外装フィルムを製造する工程を示したものであり、前述のように、ミラー効果と非導電性の特性を同時に有する非導電性ミラーPET(Mirror PET)フィルムの第2基材層405の上面にマイクログラビア(Micro Gravure)方式で印刷層404を形成し(S40)、高級な色をデザインする。
【0060】
そして、前記印刷層404の上面に接着剤403を塗布した後、光透過率の高い光学用PET(Optical PET)フィルムの第1基材層402を接着し(S41)、その後、前記第2基材層405の下面に飛散防止用フィルムのPEフィルム又はPVCフィルムのいずれか1つの第3基材層407を接着する(S42)。
【0061】
また、前記第1基材層402の上面に、例えば、一方の面には保護フィルム400が付着され、その反対面には、光透過率の高い粘着剤が塗布されている光学透明両面テープを前記第1基材層402の上面に接着して(S43)、ロールタイプの外装フィルム40を完成する(S44)。
【0062】
本発明の第3実施形態によれば、非導電性ミラーPET(Mirror PET)フィルムの第2基材層405上に形成された印刷層404が光透過率の高い光学用PET(Optical PET)フィルムの第1基材層402によって保護されるので、粘着剤401と印刷層404が互いに接触しないようにして化学反応により脱色現象が発生する可能性を軽減または防止することができる。
【0063】
前述した本発明に係る外装フィルムは、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどのような家電機器の外装パネルはもちろん、スマートフォンなどのような様々な種類の電子機器などにも適用することができる。
【0064】
以上、前述した本発明の好ましい実施形態は、例示の目的のために開示されたもので、当業者であれば以下の特許請求の範囲に開示された本発明の技術的思想とその技術的範囲内で、別の様々な実施形態を改良、変更、代替または付加などが可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 青ガラス
20、30、40 外装フィルム
200,300,400 保護フィルム
201,301,306、401,406 粘着剤
202,303,404 印刷層
203,302,402 第1基材層
204,304,403 接着剤
205,305,405 第2基材層
307,407 第3基材層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11