(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本実施形態では、遊技者の操作に応じて遊技球を発射し、発射した遊技球が入賞口等に入球すると、賞球を払い出すパチンコ機に本発明を適用した例について説明する。
なお、以降の説明では、遊技盤面50を正面から見て左を単に「左」と称し、遊技盤面50を正面から見て右を単に「右」と称する。また、遊技盤面50には、遊技球の流下の方向に変化を与えるように複数の遊技釘が配されているが図示を省略する。
【0011】
(遊技盤面50の構成)
まず、パチンコ機の遊技盤面50の構成について説明する。
図1は、パチンコ機の遊技盤面50の構成を表す説明図である。この説明図は、遊技盤面50を正面から見た様子を表すものである。
図1に示すように、遊技盤面50は、始動口51および特別電動役物52を備える。
始動口51は、遊技盤面2の中央部の下方に配される。始動口51の開口部は、遊技盤面2を流下する遊技球が入球するように上方に向けられる。本実施形態の始動口51は、遊技球の入球が遊技者にとって有利な遊技状態である大当り状態を生起するか否かの抽選(判定)の契機となる入賞口(いわゆるヘソ)である。なお、当該抽選の方法としては、例えば、始動口51に遊技球が入球したときに乱数値を取得し、取得した乱数値が予め定められた当選となる値である大当り判定値と一致する場合には遊技状態を大当り状態とし、大当り判定値と一致しない場合には外れ状態とする方法を採用する。また、始動口51の内部には、遊技球が始動口51に入球したことを検出する始動口スイッチ53が配される。始動口スイッチ53は、検出結果を後述する主制御装置56に出力する。
【0012】
特別電動役物52は、始動口51の下方に配される。特別電動役物52は、大入賞口54の入口を開閉する。大入賞口54の開閉は、大入賞口54の入口に配された扉状部材等の開閉部材によって行う。そして、特別電動役物52は、主制御装置56からの信号に従って、遊技球が入球可能となるように大入賞口54の入口を開放し、または遊技球が入球しないように大入賞口54の入口を閉止する。また、大入賞口54の内部には、遊技球が大入賞口54に入球したことを検出する大入賞口スイッチ55が配されている。大入賞口スイッチ55は、検出結果を主制御装置56に出力する。
【0013】
(演出装置1の構成)
また、遊技盤面50は、演出装置1を備える。
図2は、演出装置1の構成を表す斜視図である。
図3は、演出装置1の構成を表す図である。
図3(a)は、演出装置1をベース部4のZ方向から見た様子を表す平面図である。また、
図3(b)は、
図3(a)のA−A線で演出装置1を破断した様子を表す断面図である。
【0014】
図2に示すように、演出装置1は、可動役物2、および照明装置3を備える。
可動役物2は、ベース部4を備える。ベース部4の形状は、長方形の平板状とする。
図3(b)に示すように、ベース部4の主面の中央部には、凸部5が形成される。ベース部4の主面とは、ベース部4の表面および裏面のうちの一方の面である。凸部5の形状は、ベース部4の法線方向Zと平行な線分を中心軸とする円筒状とする。ベース部4の法線方向Zとは、ベース部4の主面と垂直な方向である。凸部5には、凸部5を歯車軸とする平歯車6(広義には「制御手段」)が取り付けられている。凸部5と平歯車6の軸挿通孔7との嵌め合いは、平歯車6が摺動可能な程度とする。これにより、平歯車6は、凸部5と摺動して回転可能となる。また、平歯車6のZ方向端面には、袖部8を設ける。Z方向端面とは、ベース部4の法線方向Z側に存在する端面である。袖部8の形状は、平歯車6の軸挿通孔7の縁からベース部4の法線方向Zに伸びる円筒状とする。
【0015】
図2に戻り、可動役物2は、ラック9(広義には「制御手段」)を備える。ラック9は、平歯車6よりも手前方向X1側に配される。手前方向X1とは、演出装置1をパチンコ機に搭載した場合に当該パチンコ機の遊技者が存在する方向である。ラック9の形状は、右方向Y1と平行な長辺を有する長方形の平板状とする。右方向Y1とは、演出装置1をパチンコ機に搭載した場合に当該パチンコ機の遊技者から見て右側となる方向であり、ベース部4の短辺と平行な方向でもある。ラック9は、ラック9の長手方向(つまり、右方向Y1)に沿って摺動可能に図示しない支持部材で支持される。ラック9の手前方向X1と反対の方向の端部には、ラック9の長手方向に並んで配され平歯車6と噛合する複数の歯が形成されている。これにより、ラック9は、平歯車6の正回転・逆回転に応じて右方向Y1・左方向Y2に移動可能となる。左方向Y2とは、右方向Y1の反対方向である。
【0016】
また、ラック9の主面には、可動部材10が立設支持される。ラック9の主面とは、ラック9の表面および裏面のうちベース部4の法線方向Z側に存在する面である。可動部材10の形状は、ベース部4の法線方向Zに伸び右方向Y1に幅広な板状とする。可動部材10の材質は、光を透過可能な樹脂とする。例えば、ポリカーボネイト等を採用する。可動部材10は、可動部材10が演出動作を行っていない状態で、後述する直角プリズム15より手前方向X1側でかつ直角プリズム15と右方向Y1の同じ位置に配される。
【0017】
さらに、可動役物2は、ピニオンギヤ11(広義には「制御手段」)を備える。ピニオンギヤ11は、平歯車6よりも奥方向X2側に配される。奥方向X2とは、手前方向X1の反対方向である。ピニオンギヤ11の外周には、平歯車6に噛合する複数の歯が形成されている。また、ピニオンギヤ11の回転軸には、ピニオンギヤ11に動力を伝達するモータ12(広義には「制御手段」)のモータ軸が固定されている。これにより、ピニオンギヤ11は、モータ12の回転駆動に応じてモータ軸を歯車軸として回転可能となる。そして、可動役物2は、演出制御装置57からの信号に従って、モータ12を正回転・逆回転し、ピニオンギヤ11、平歯車6、およびラック9を介して可動部材10を右方向Y1・左方向Y2に移動させる演出動作を実行させる。
【0018】
図3(b)に示すように、照明装置3は、照明基板13(広義には「出射手段」)を備える。照明基板13は、凸部5の頂部に固定される。照明基板13の形状は、凸部5の外径と同径の円盤状とする。照明基板13の主面には、複数のLED14(広義には「出射手段」「光源」)が配される。照明基板13の主面とは、照明基板13の表面および裏面のうちベース部4の法線方向Z側に存在する面である。そして、照明基板13は、演出制御装置57からの信号に従って、LED14に光を出射させる。LED14は、ベース部4の法線方向Zに光を出射する。LED14が出射する光の色は、演出装置1の用途に応じて設定される。
なお、本実施形態では、照明基板13を凸部5の頂部に固定する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、平歯車6の袖部8の内周に固定してもよい。
【0019】
また、照明装置3は、直角プリズム15を備える。直角プリズム15は、平歯車6の袖部8の頂部に立設支持される。これにより、直角プリズム15は、平歯車6の回転に応じて回転可能となる。直角プリズム15の回転軸は、平歯車6の回転軸と同軸になる。ここで、直角プリズム15とは、LED14から出射される光が入射される入射面16、および入射面16から入射された光を入射面16と直交する方向に出射する出射面17(広義には「出射手段」)を有する導光部材である。入射面16は、LED14と対向しベース部4の主面と平行な面である。出射面17は、ベース部4の主面と直交する面である。直角プリズム15は、可動部材10が演出動作を行っていない状態で、出射面17が手前方向X1に向くように配される。すなわち、可動部材10に対向するように配される。これにより、直角プリズム15は、LED14の光が入射面16に入射されると、入射された光を反射して出射面17から可動部材10に出射可能となる。直角プリズム15の色は、演出装置1の用途に応じて設定される。
これにより、照明装置3は、可動部材10が右方向Y1・左方向Y2に移動させる演出動作を実行されると、演出動作にともなって平歯車6が回転することで、可動部材10が移動した位置に直角プリズム15が出射する光を向けることが可能となる。
【0020】
(制御系の構成)
また、パチンコ機1は、主制御装置56および演出制御装置57を備える。
図4は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、主制御装置56は、入力ポート、出力ポート、CPU、ROM、およびRAM等を備える。そして、ROMに格納したプログラムに従って、始動口スイッチ53、大入賞口スイッチ55が出力する検出結果に基づき、大入賞口54の入賞口の入口の開閉を制御する信号を特別電動役物52に出力する。また、当該検出結果に基づき、演出制御装置57に制御コマンドを出力する。
【0021】
具体的には、主制御装置56は、始動口スイッチ53から遊技球が始動口51に入球したことを表す検出結果が出力されると、まず、大当り決定乱数カウンタから乱数値を取得し、大当り状態を生起するか否かの抽選(判定)を行う。そして、抽選に当選した場合(つまり、取得した乱数値が大当り判定値と一致した場合)には、大当り状態を生起することを報知させるための制御コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)を演出制御装置57に送信する。続いて、大入賞口54の開閉部材の開放を指示する信号を特別電動役物52に出力し、遊技者に有利な遊技状態である大当り状態を生起する。大入賞口54の開放は、所定時間が経過するか、大入賞口54に所定数の遊技球が入球するまで継続させる。続いて、主制御装置56は、大入賞口スイッチ55から遊技球が大入賞口54に入球したことを表す検出結果が出力されると、入球した遊技球の数に応じた賞球を払い出す信号(払出制御コマンド)を図示しない賞球払出装置に出力する。一方、主制御装置56は、抽選に外れた場合(つまり、取得した乱数値が大当り判定値と一致しない場合)には、抽選に外れたことを報知させるための制御コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)を演出制御装置57に送信する。
【0022】
演出制御装置57は、入力ポート、出力ポート、モータドライバ、表示制御部、CPU、ROM、およびRAM等を備える。そして、ROMに格納したプログラムに従って、主制御装置56が送信する制御コマンドに基づき、演出装置1を制御する信号を演出装置1に出力する。具体的には、演出制御装置57は、主制御装置56が送信する制御コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)に基づき、LED14に光の出射を行わせる信号を照明基板13に出力し、可動部材10を右方向Y1・左方向Y2に移動させる演出動作、つまり、抽選の結果を報知する演出動作を実行させる信号を可動役物2に出力する。
【0023】
(演出装置1の動作)
次に、演出装置1の動作について説明する。
図5および
図6は、演出装置1の動作を説明するための説明図である。
図5(a)および
図6は、演出装置1をベース部4の法線方向Zからみた様子を表す平面図である。また、
図5(b)は、演出装置1を右方向Y1から見た様子を表す側面図である。
まず、演出制御装置57が、演出装置1のLED14に光の出射を行わせる信号を出力すると、
図5に示すように、照明基板13が、演出制御装置57からの信号に従って、LED14がベース部4の法線方向Zに光を出射する。続いて、LED14がベース部4の法線方向Zに光を出射すると、出射された光が直角プリズム15の入射面16に入射される。続いて、入射された光が直角プリズム15の傾斜面18で反射され、反射された光が出射面17から可動部材10に出射される。これにより、出射面17から出射される光で可動部材10が照らされる。
【0024】
また、演出制御装置57が、可動部材10を右方向Y1・左方向Y2に移動させる演出動作を実行させる信号を出力すると、電飾装置1が、演出制御装置57からの信号に従って、モータ12を正回転・逆回転させる。続いて、モータ12が正回転・逆回転されると、ピニオンギヤ11が正回転・逆回転され、ピニオンギヤ11と噛合する平歯車6が正回転・逆回転される。続いて、平歯車6と噛合するラック9が右方向Y1・左方向Y2に移動され、可動部材10が右方向Y1・左方向Y2に移動される。これにより、可動部材10を右方向Y1・左方向Y2に移動させる演出動作が実行される。
また、平歯車6が回転されることで、
図6に示すように、直角プリズム15の出射面17が可動部材10が移動した位置に向けられ、可動部材10が移動した位置に出射面17が出射する光が向けられる。これにより、可動部材10が、右方向Y1・左方向Y2に移動しても、移動後も直角プリズム15の出射面17から出射される光で照らされる。
【0025】
このように、本実施形態の演出装置1では、可動部材10に行わせる演出動作に応じて直角プリズム15が出射する光、つまり、可動部材10を照らすための光の向きを制御するようにした。そのため、可動部材10の演出動作に応じて可動部材10に出射される光を制御でき、可動部材10の照明状態を制御できる。それゆえ、可動部材10に発光状態を制御する手段を搭載せずに済む。これにより、演出装置1を小型化することができる。それゆえ、パチンコ機の遊技盤の後方等のスペースの限られた場所でも搭載できる。
また、可動部材10を移動させる演出動作を実行する場合に、可動部材10が移動した位置に直角プリズム15の出射面17が出射する光を向けるようにした。そのため、可動部材10が移動した場合にも、直角プリズム15の出射面17が出射する光を可動部材10に照射できる。それゆえ、可動部材10を照らして明るくすることができる。
【0026】
さらに、光を出射するLED14と、LED14が出射した光を反射し出射面17から出射する直角プリズム15と、可動部材10を支持するラック9と、ラック9と噛合し且つ直角プリズム15の出射面17を可動部材10に向けて直角プリズム15を支持する平歯車6と、を備えようにした。そのため、可動部材10が移動した場合には、ラック9と噛合する平歯車6が回転する。それゆえ、平歯車6に支持される直角プリズム15の出射面が可動部材10の移動方向に回転する。これにより、可動部材10が移動した位置に直角プリズム10の出射面17が出射する光を向けることができる。また、直角プリズム15の形状を変化させることで、直角プリズム15が出射する光に変化を与えることができる。それゆえ、可動部材10に様々な光を照射することができる。さらに、照明基板13を可動部材10とともに移動させずに済む。それゆえ、照明基板13に配されるハーネス等の処理も簡易になる。そのため、ハーネスの断線等の発生も軽減できる。
本実施形態では、平歯車6、ラック9、ピニオンギヤ11、およびモータ12が制御手段を構成する。以下同様に、照明基板13、LED14、直角プリズム15、および出射面17が出社手段を構成する。また、LED14が光源を構成する。
【0027】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照して説明する。
図7は、パチンコ機の遊技盤面50の構成を表す説明図である。
図7に示すように、第2実施形態は、抽選の結果に応じた演出動作として、後述する第1可動部材29と後述する第2可動部材31とを回転させる演出動作を実行可能とする点が、前記第1実施形態と異なる。具体的には、第2実施形態は、演出装置19の構成と、制御系の構成とが前記第1実施形態と異なる。
なお、前記第1実施形態と同様な構成については、同一の符号を付して説明する。
【0028】
(演出装置19の構成)
図8は、演出装置19の構成を表す斜視図である。
図9は、演出装置19の構成を表す図である。
図9(a)は、演出装置19を第1ベース部22のZ方向から見た様子を表す平面図である。また、
図9(b)は、
図9(a)のB−B線で演出装置19を破断した様子を表す断面図である。
図8に示すように、演出装置19は、可動役物20、および照明装置21を備える。
【0029】
可動役物20は、第1ベース部22を備える。第1ベース部22の形状は、長方形の平板状とする。
図9(b)に示すように、第1ベース部22の主面の中央部には、凸部23が形成される。第1ベース部22の主面とは、第1ベース部22の表面および裏面のうちの一方の面である。凸部23の形状は、第1ベース部22の法線方向Zと平行な線分を中心軸とする円筒状とする。第1ベース部22の法線方向Zとは、第1ベース部22の主面と垂直な方向である。凸部23には、凸部23を歯車軸とする第1平歯車24(広義には「制御手段」)が取り付けられている。凸部23と第1平歯車24の軸挿通孔25との嵌め合いは、第1平歯車24が摺動可能な程度とする。これにより、第1平歯車24は、凸部23と摺動して回転可能となる。また、第1平歯車24のZ方向端面には、袖部26を設ける。Z方向端面とは、第1ベース部22の法線方向Z側に存在する端面である。袖部26の形状は、第1平歯車24の軸挿通孔25の縁から第1ベース部22の法線方向Zに伸びる円筒状とする。
【0030】
図8に戻り、可動役物20は、第2平歯車27(広義には「制御手段」)を備える。第2歯車27は、第1歯車24よりも手前方向X1側に配される。手前方向X1とは、演出装置1をパチンコ機に搭載した場合に当該パチンコ機の遊技者が存在する方向である。第2平歯車27の外周には、第1平歯車24と噛合する複数の歯が形成されている。これにより、第2平歯車27は、第1平歯車24の回転に応じて回転可能となる。
【0031】
また、可動役物20は、第3平歯車28(広義には「制御手段」)を備える。第3歯車28は、第2歯車27よりも手前方向X1側に配される。第3平歯車28の外周には、第2平歯車27と噛合する複数の歯が形成されている。これにより、第3平歯車28は、第2平歯車27の回転に応じて回転可能となる。
第3平歯車28のZ方向端面には、第1可動部材29が立設支持される。これにより、第1可動部材29は、第3平歯車28の回転に応じて回転可能となる。第1可動部材29の形状は、第1ベース部22の法線方向Zに伸び蝶の左翅を模した形状とする。第1可動部材29は、第1可動部材29が演出動作を行っていない状態で、後述する第2可動部材31側に当該蝶の左翅の根元部分を向けて配置される。第1可動部材29の材質は、光を透過可能な樹脂とする。例えば、ポリカーボネイト等を採用する。
【0032】
さらに、可動役物20は、第4平歯車30(広義には「制御手段」)を備える。第4平歯車30は、第3平歯車28よりも左方向Y2側に配される。左方向Y2とは、演出装置1をパチンコ機に搭載した場合に当該パチンコ機の遊技者から見て左側となる方向であり、第1ベース部22の短辺と平行な方向でもある。第4平歯車30の外周には、第3平歯車28と噛合する複数の歯が形成されている。これにより、第4平歯車30は、第3平歯車28の回転に応じて回転可能となる。
【0033】
第4平歯車30のZ方向端面には、第2可動部材31が立設支持される。これにより、第2可動部材31は、第4平歯車30の回転に応じて回転可能となる。第2可動部材31の形状は、第1ベース部22の法線方向Zに伸び蝶の右翅を模した形状とする。第2可動部材31は、第2可動部材31が演出動作を行っていない状態で、第1可動部材29側に右翅の根元部分を向けて配置される。第2可動部材31の材質は、光を透過可能な樹脂とする。例えば、ポリカーボネイト等を採用する。
【0034】
さらに、可動役物20は、ピニオンギヤ32(広義には「制御手段」)を備える。ピニオンギヤ32は、第1歯車24よりも奥方向X2側に配される。奥方向X2とは、手前方向X1の反対方向である。ピニオンギヤ32の外周には、第1平歯車24に噛合する複数の歯が形成されている。また、ピニオンギヤ32の回転軸には、ピニオンギヤ32に動力を伝達するモータ33(広義には「制御手段」)のモータ軸が固定されている。これにより、ピニオンギヤ32は、モータ33の回転駆動に応じてモータ軸を歯車軸として回転可能となる。そして、可動役物20は、演出制御装置57からの信号に従って、モータ33を正回転・逆回転し、ピニオンギヤ32、第1平歯車24、第2平歯車27、および第3平歯車28を介して第1可動部材29を正回転・逆回転させるとともに、第1平歯車24、第2平歯車27、第3平歯車28、第4平歯車30を介して第2可動部材31を正回転・逆回転させる演出動作を実行させる。
【0035】
図9(b)に示すように、照明装置21は、凸部23の頂部に照明基板34(広義には「出射手段」)を備える。照明基板34の形状は、凸部23の外径と同径の円盤状とする。照明基板34の主面には、複数のLED35(広義には「出射手段」)が配される。照明基板34の主面とは、照明基板34の表面および裏面のうち第1ベース部22の法線方向Z側に存在する面である。そして、照明基板34は、演出制御装置57からの信号に従って、LED35に光を出射させる。LED35は、第1ベース部22の法線方向Zに光を出射する。LED35が出射する光の色は、演出装置1の用途に応じて設定される。
【0036】
また、照明装置21は、直角プリズム36(広義には「出射手段」)を備える。直角プリズム36は、第1平歯車24の袖部26の頂部に立設支持される。これにより、直角プリズム36は、第1平歯車24の回転に応じて回転可能となる。直角プリズム36の回転軸は、第1平歯車24の回転軸と同軸になる。ここで、直角プリズム36とは、LED35から出射される光が入射される入射面37、および入射面37から入射された光を入射面37と直交する方向に出射する出射面38(広義には「出射手段」)を有する導光部材である。入射面37は、LED35と対向し第1ベース部22の主面と平行な面である。出射面38は、第1ベース部22の主面と直交する面である。直角プリズム36は、第1可動部材29が演出動作を行っていない状態で、出射面38が手前方向X1に向くように配される。すなわち、第1可動部材29に対向するように配される。これにより、直角プリズム36は、LED35の光が入射面37に入射されると、入射された光を反射して出射面38から第1可動部材29に出射可能となる。直角プリズム36の色は、演出装置1の用途に応じて設定される。
【0037】
図10は、演出装置1の構成を表す図である。
図10(a)は、演出装置19を第1ベース部22のZ方向から見た様子を表す平面図である。また、
図10(b)は、
図10(a)のC−C線で演出装置19を破断した様子を表す断面図である。
図10に示すように、照明装置21は、第2ベース部39を備える。第2ベース部39は、第4平歯車30よりも奥方向X2側で且つ第1ベース部22よりも左方向Y2側に配される。第2ベース部39の形状は、長方形の平板状とする。第2ベース部39の主面の中央部には、凸部40が形成される。第2ベース部39の主面とは、第2ベース部39の表面および裏面のうちの一方の面である。凸部40の形状は、第2ベース部39の法線方向Zと平行な線分を中心軸とする円筒状とする。第2ベース部39の法線方向Zとは、第2ベース部39の主面と垂直な方向である。凸部40には、凸部40を歯車軸とする第5平歯車41(広義には「制御手段」)が取り付けられている。凸部40と第5平歯車41の軸挿通孔42との嵌め合いは、第5平歯車41が摺動可能な程度とする。これにより、第5平歯車41は凸部40と摺動して回転可能となる。また、第5平歯車41のZ方向端面には、袖部43を設ける。袖部43の形状は、第5平歯車41の軸挿通孔42の縁から第1ベース部39の法線方向Zに伸びる円筒状とする。
【0038】
また、照明装置21は、凸部40の頂部に照明基板44(広義には「出射手段」)を備える。照明基板44の形状は、凸部40の外径と同径の円盤状とする。照明基板44の主面には、複数のLED45(広義には「出射手段」)が配される。照明基板44の主面とは、照明基板44の表面および裏面のうち第1ベース部22の法線方向Z側に存在する面である。LED45は、第1ベース部22の法線方向Zに光を出射する。これにより、照明基板44は、第1ベース部22の法線方向Zに光を出射可能となる。LED45が出射する光の色は、演出装置1の用途に応じて設定される。
【0039】
また、照明装置21は、直角プリズム46(広義には「出射手段」)を備える。直角プリズム46は、第5平歯車41の袖部43の頂部に立設支持される。これにより、直角プリズム46は、第5平歯車41の回転に応じて回転可能となる。直角プリズム46の回転軸は、第5平歯車41の回転軸と同軸になる。ここで、直角プリズム46とは、LED45から出射される光が入射される入射面47、および入射面47から入射された光を入射面47と直交する方向に出射する出射面48(広義には「出射手段」)を有する導光部材である。入射面47は、LED45と対向し第2ベース部39の主面と平行な面である。出射面48は、第1ベース部22の主面と直交する面である。直角プリズム46は、第2可動部材31が演出動作を行っていない状態で、出射面48が手前方向X1に向くように配される。すなわち、第2可動部材31に対向するように配される。これにより、直角プリズム46は、LED45の光が入射面47に入射されると、入射された光を反射して出射面48から第2可動部材31に出射可能となる。直角プリズム46の色は、演出装置1の用途に応じて設定される。
これにより、照明装置21は、第1可動部材29および第2可動部材31が回転させる演出動作を実行されると、演出動作にともなって第1平歯車24および第5平歯車41が回転することで、直角プリズム15が出射する光の向きを変更可能となる。
【0040】
(制御系の構成)
図11は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、演出制御装置57は、入力ポート、出力ポート、モータドライバ、表示制御部、CPU、ROM、およびRAM等を備える。そして、ROMに格納したプログラムに従って、主制御装置56が送信する制御コマンドに基づき、演出装置19を制御する信号を演出制御装置57に出力する。具体的には、演出制御装置57は、主制御装置56が送信する制御コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)に基づき、LED35、45に光の出射を行わせる信号を照明基板34、44に出力するとともに、第1可動部材29および第2可動部材31を正回転・逆回転させる演出動作、つまり、抽選の結果を報知する演出動作を実行させる信号を可動役物20に出力する。
【0041】
(演出装置19の動作)
次に、演出装置19の動作について説明する。
図12および
図13は、演出装置19の動作を説明するための説明図である。
図12および
図13は、演出装置19を第1ベース部22のZ方向から見た様子を表す平面図である。
【0042】
まず、演出制御装置57が、演出装置19のLED35に光の出射を行わせる信号を出力すると、
図12に示すように、照明基板34が、演出制御装置57からの信号に従って、LED35が第1ベース部22の法線方向Zに光を出射する。続いて、LED35が第1ベース部22の法線方向Zに光を出射すると、出射された光が直角プリズム36の入射面に入射される。続いて、入射された光が直角プリズム36の傾斜面で反射され、反射された光が出射面38から第1可動部材29に出射される。これにより、出射面38から出射される光で第1可動部材29が照らされる。同様に、演出制御装置57が、演出装置19のLED45に光の出射を行わせる信号を出力すると、照明基板44が、演出制御装置57からの信号に従って、LED45が第1ベース部4の法線方向Zに光を出射すると、出射された光が直角プリズム46の入射面に入射される。続いて、入射された光が直角プリズム46の傾斜面で反射され、反射された光が出射面48から第2可動部材31に出射される。これにより、出射面48から出射される光で第2可動部材31が照らされる。
【0043】
また、演出制御装置57が、第1可動部材29および第2可動部材31を正回転・逆回転させる信号を出力すると、電飾装置1が、演出制御装置57からの信号に従って、モータ12を正回転・逆回転させる。続いて、モータ33が正回転・逆回転されると、ピニオンギヤ32が正回転・逆回転され、ピニオンギヤ32と噛合する第1平歯車24が正回転・逆回転される。続いて、第1平歯車24と噛合する第2平歯車27および第5平歯車41が正回転・逆回転される。続いて、第2平歯車27と噛合する第3平歯車28が正回転・逆回転され、第1可動部材29が正回転・逆回転される。同様に、第3平歯車28と噛合する第4平歯車30が正回転・逆回転され、第2可動部材31が正回転・逆回転される。それゆえ、第1可動部材29が模した蝶の左翅と第2可動部材31が模した蝶の右翅が同じ周期で正回転・逆回転される。これにより、蝶が羽ばたいているような演出動作が実行される。
【0044】
また、第1平歯車24が正回転・逆回転されることで、
図13に示すように、直角プリズム36の出射面38が正回転・逆回転される。これにより、第1可動部材29が正回転・逆回転を行うのに応じて、直角プリズム36の出射面38から出射される光が第1可動部材29上で左右方向に往復運動される。同様に、第5平歯車41が回転することで、直角プリズム46の出射面48が正回転・逆回転される。これにより、第2可動部材31が正回転・逆回転を行うのに応じて、直角プリズム46の出射面48から出射される光が第2可動部材31上で左右方向に往復運動される。
【0045】
このように、本実施形態の演出装置19では、第1可動部材29および第2可動部材31に行わせる演出動作に応じて直角プリズム36、46が出射する光、つまり、第1可動部材29および第2可動部材31を照らすための光の向きを制御するようにした。そのため、第1可動部材29および第2可動部材31の演出動作に応じて第1可動部材29および第2可動部材31に出射される光を制御でき、第1可動部材29および第2可動部材31の照明状態を制御できる。それゆえ、第1可動部材29および第2可動部材31に発光状態を制御する手段を搭載せずに済む。これにより、演出装置19を小型化できる。
本実施形態では、
図9の照明基板34、LED35、直角プリズム36、
図10の出射面38、照明基板44、LED45、直角プリズム46、出射面48が出射手段を構成する。また、
図13の第1平歯車24、第2平歯車27、第3平歯車28、第4平歯車30、ピニオンギヤ32、モータ33、および第5平歯車41が制御手段を構成する。